JP6656408B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
無線通信装置におけるダイバーシチ機能は、無線通信装置に複数のアンテナを搭載することで実現できる。
これら複数のアンテナ間のアイソレーションの確保は、ダイバーシチ機能によるダイバーシチの効果を高める。複数のアンテナ間のアイソレーションは、複数のアンテナの間隔を広げることで向上する。
例えば、特許文献1は、小型化と、高いダイバーシチ利得を得ることとを目的とした、アンテナ装置を開示している。
特許文献1に開示されたアンテナ装置では、半波長の折り返しダイポールアンテナと、4分の1波長のモノポールアンテナとが、互いのなす角が約90度になるように配置されている。また、ダイポールアンテナとモノポールアンテナは、2つの給電点のうち、いずれか1つの給電点に交流電源が接続されると、残りの給電点の電流が最小になるように接続されている。
特許文献1に開示されたアンテナ装置では、ダイポールアンテナとモノポールアンテナが近接して配置されても、高いダイバーシチ利得が得られる。
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。
図1において、地導体1は平面状の導体である。
地導体1の平面であるx−y面には、第1の給電点2と第2の給電点3とが設けられている。
第1の給電点2は、交流電源が接続されると、地導体1と同軸線路4の内導体4aとの間に交流電圧を印加する給電点である。
第2の給電点3は、交流電源が接続されると、地導体1と同軸線路4の外導体4bとの間に交流電圧を印加する給電点である。
図1の例では、同軸線路4における内導体4aの一端の位置及び外導体4bの一端の位置をいずれもA点で表し、同軸線路4における外導体4bの他端の位置をB点で表している。B点と後述するC点との間において、内導体4aが外導体4bからはみ出している。
同軸線路4の内導体4aは一端が第1の給電点2と電気的に接続され、他端が接続導体5の他端と電気的に接続されている。
同軸線路4の外導体4bは一端が第2の給電点3と電気的に接続され、他端が第2の放射導体7の一端と電気的に接続されている。
図1の例では、同軸線路4は、接続導体5の一端が外導体4bと接続されている位置4cの付近と、位置4cよりも少し+y方向側の位置4dの付近とで折り曲げられている。以下、位置4c,4dの付近で折り曲げられている地点を折り曲げ地点と称する。
同軸線路4における2つの折り曲げ地点のうち、位置4dの付近の折り曲げ地点(同軸線路4における外導体4bの他端から数えて1番目の折り曲げ地点)からB点に至る方向は、地導体1のx−y面に対して直交している。
図1では、同軸線路4が2つの折り曲げ地点を有する例を示しているが、同軸線路4における外導体4bの他端から数えて1番目の折り曲げ地点からB点に至る方向が、地導体1のx−y面に対して直交していればよく、同軸線路4が有する折り曲げ地点の数が2つに限るものではない。このため、同軸線路4が、例えば、1つの折り曲げ地点を有するものであってもよいし、3つの折り曲げ地点を有するものであってもよい。
また、図1では、位置4dの付近の折り曲げ地点からB点に至る方向が、地導体1のx−y面に対して直交している例を示しているが、概ね直交していればよく、完全な直交でなくてもよい。
また、図1の例では、同軸線路4の線路長は、動作周波数に対する波長λの概ね30分の1の長さ(=λ/30)である。図1では、同軸線路4の線路長が概ねλ/30である例を示しているが、同軸線路4の線路長は、λ/30以下であればよい。
図1の例では、接続導体5の一端が外導体4bの両端の間の位置4cに接続されているが、接続導体5の一端は、外導体4bの一端の位置Aに接続されるものであってもよい。
図1の例では、接続導体5における他端の位置をC点で表している。
接続導体5は折り曲げられた状態で配置されている。
図1の例では、接続導体5は、位置4cよりも少し−y方向側の位置5aの付近で折り曲げられている。以下、位置5aの付近で折り曲げられている地点を折り曲げ地点(接続導体5の他端から数えて1番目の折り曲げ地点)と称する。
接続導体5における位置5aの付近の折り曲げ地点からC点に至る方向は、地導体1のx−y面に対して直交している。
図1では、接続導体5が1つの折り曲げ地点を有する例を示しているが、接続導体5の他端から数えて1番目の折り曲げ地点からC点に至る方向が、地導体1のx−y面に対して直交していればよく、接続導体5が有する折り曲げ地点の数が1つに限るものではない。このため、接続導体5が、例えば、2つの折り曲げ地点を有するものであってもよい。
また、図1では、位置5aの付近の折り曲げ地点からC点に至る方向が、地導体1のx−y面に対して直交している例を示しているが、概ね直交していればよく、完全な直交でなくてもよい。
また、図1の例では、接続導体5の線路長は、動作周波数に対する波長λの概ね30分の1の長さ(=λ/30)である。図1では、接続導体5の線路長が概ねλ/30である例を示しているが、接続導体5の線路長は、λ/30以下であればよい。
図1の例では、第1の放射導体6の一端から他端に至る方向が、地導体1のx−y面に対して平行となるように、第1の放射導体6が配置されている。また、第1の放射導体6と地導体1との間隔が概ねλ/30となるように、第1の放射導体6が配置されている。
ただし、第1の放射導体6の一端から他端に至る方向は、地導体1のx−y面に対して平行であるものに限るものではなく、第1の放射導体6が地導体1と接触しない限りにおいては、地導体1のx−y面に対して任意の角度θ1となるように配置されるものであってもよい。
図1の例では、第1の放射導体6の線路長は、動作周波数に対する波長λの概ね4分の1の長さ(=λ/4)である。
図1の例では、第2の放射導体7の一端から他端に至る方向が、地導体1のx−y面に対して平行となるように、第2の放射導体7が配置されている。また、第2の放射導体7と地導体1の間隔が概ねλ/30となるように、第2の放射導体7が配置されている。
ただし、第2の放射導体7の一端から他端に至る方向は、地導体1のx−y面に対して平行であるものに限るものではなく、第2の放射導体7が地導体1と接触しない限りにおいては、地導体1のx−y面に対して任意の角度θ2となるように配置されるものであってもよい。
なお、第1の放射導体6に係る地導体1のx−y面に対する角度θ1と、第2の放射導体7に係る地導体1のx−y面に対する角度θ2とは一致していてもよいし(θ1=θ2)、一致していなくてもよい(θ1≠θ2)。
図1の例では、第2の放射導体7の線路長は、動作周波数に対する波長λの概ね4分の1の長さ(=λ/4)である。
第1の給電点2に交流電源が接続された場合、地導体1と同軸線路4の内導体4aとの間に交流電圧が印加される。
これにより、マイナスの電荷が地導体1に配され、プラスの電荷が同軸線路4の内導体4aに配されるため、交流電源から出力された交流信号は、同軸線路4の内部を伝送される。
このとき、同軸線路4の内導体4aが接続導体5を介して第1の放射導体6と接続され、同軸線路4の外導体4bが第2の放射導体7と接続されているため、第1の放射導体6と第2の放射導体7によって、ダイポールアンテナが構成される。
しかし、この実施の形態1における図1のアンテナ装置では、地導体1と外導体4bが動作周波数で電気的に接続されており、ダイポールアンテナに交流信号が効率良く伝送される。
具体的には、以下の通りである。
また、第1の放射導体6及び第2の放射導体7は、一端から他端に至る方向が地導体1のx−y面に対して平行となるように配置されている。
このため、地導体1、同軸線路4の外導体4b、接続導体5、第1の放射導体6及び第2の放射導体7によって、先端開放の伝送線路が形成される。
図1において、第1の放射導体6の他端である先端部Dが開放され、第2の放射導体7の他端である先端部Eが開放されているため、地導体1、同軸線路4の外導体4b、接続導体5、第1の放射導体6及び第2の放射導体7によって形成される伝送線路は、先端開放の伝送線路である。
ZA=−j×Z0×cot{(2π/λ)×L} (1)
式(1)において、
Z0は、地導体1、同軸線路4の外導体4b、接続導体5、第1の放射導体6及び第2の放射導体7によって形成される伝送線路の特性インピーダンスである。
Lは、第1の放射導体6及び第2の放射導体7のそれぞれの線路長である。
λは、動作周波数に対する波長である。
jは、虚数単位である。
したがって、地導体1と同軸線路4の外導体4bとは、動作周波数でほぼ短絡状態になるため、高効率な交流信号の伝送が可能になる。
これにより、交流電源から出力された交流信号は、同軸線路4の外導体4bに到達する。
このとき、同軸線路4の外導体4bが接続導体5を介して第1の放射導体6と接続され、同軸線路4の外導体4bが第2の放射導体7と接続されているため、同軸線路4の外導体4b、接続導体5、第1の放射導体6及び第2の放射導体7によって、T字型のモノポールアンテナが構成される。
しかし、図1のアンテナ装置における第1の放射導体6及び第2の放射導体7は、それぞれ、地導体1との間隔が概ねλ/30で、配置方向が地導体1と平行になるように配置されているため、低姿勢なモノポールアンテナが構成されている。つまり、第2の給電点3におけるモノポールアンテナの入力インピーダンスは非常に低い。
その結果、第1の給電点2から見たダイポールアンテナの入力インピーダンスと比べて、第2の給電点3におけるモノポールアンテナの入力インピーダンスが非常に低くなるため、第1の給電点2と第2の給電点3との間において、インピーダンスの不整合が生じる。
したがって、第1の給電点2と第2の給電点3との電気的な結合を抑制することができ、同軸線路4の外導体4bに交流信号が効率良く伝送される。
図2は第1の給電点2に交流電源が接続された場合の導体上の電流の流れを示しており、図3は第2の給電点3に交流電源が接続された場合の導体上の電流の流れを示している。
図2及び図3において、電流11は第1の放射導体6を+y方向に流れている電流、電流12は第2の放射導体7を+y方向に流れている電流である。
電流13は接続導体5をz方向に流れている電流、電流14は同軸線路4の外導体4bを+z方向に流れている電流である。
電流15は第1の放射導体6をy方向に流れている電流、電流16は第2の放射導体7を+y方向に流れている電流である。
電流17は接続導体5を+z方向に流れている電流、電流18は同軸線路4の外導体4bを+z方向に流れている電流である。
接続導体5をz方向に流れている電流13と、同軸線路4の外導体4bを+z方向に流れている電流14とは、互いに逆向きに流れているため、電流13,14は、電波の放射に寄与しない。
第1の放射導体6をy方向に流れている電流15と、第2の放射導体7を+y方向に流れている電流16とは、互いに逆向きに流れているため、電流15,16は、電波の放射に寄与しない。
図4は第1の給電点2に交流電源が接続された場合の放射パターンを示し、図5は第2の給電点3に交流電源が接続された場合の放射パターンを示している。
第1の給電点2に交流電源が接続された場合、地導体1が反射板として作用するダイポールアンテナが構成されるため、図4に示すように、z−x面において、偏波におけるEθ成分とEφ成分のうち、Eφ成分がz方向に指向性を有する放射パターンとなる。
第2の給電点3に交流電源が接続された場合、モノポールアンテナが構成されるため、図5に示すように、x−y面において、Eθ成分がほぼ無指向の放射パターンとなる。
上記実施の形態1では、同軸線路4が2つの折り曲げ地点を有し、接続導体5が1つの折り曲げ地点を有している例を示しているが、この実施の形態2では、同軸線路4が3つの折り曲げ地点を有し、接続導体5が2つの折り曲げ地点を有している例を説明する。
同軸線路4は、折り曲げられた状態で配置されている。
図6の例では、同軸線路4は、接続導体5の一端が外導体4bに接続されている位置4cの付近と、位置4cよりも+y方向側の位置4eの付近と、位置4eよりも+z方向側の位置4fの付近とで折り曲げられている。以下、位置4c,4e,4fの付近で折り曲げられている地点を折り曲げ地点と称する。
また、同軸線路4における位置4eの付近の折り曲げ地点から、位置4fの付近の折り曲げ地点(同軸線路4の一端から数えて3番目の折り曲げ地点)に至る方向は、地導体1のx−y面に対して直交している。
また、同軸線路4における位置4fの付近の折り曲げ地点からB点に至る方向は、地導体1のx−y面に対して平行である。
図6の例では、第1の給電点2から同軸線路4及び接続導体5を経由して、接続導体5と外導体4bが接続されている位置4cまでの長さ、即ち、第1の給電点2からA点、B点、C点を経由して、位置4cに至るまでの長さが、動作周波数に対する波長λの概ね4分の1の長さ(=λ/4)である。
また、図6では、同軸線路4における位置4eの付近の折り曲げ地点から位置4fの付近の折り曲げ地点に至る方向が、地導体1のx−y面に対して直交している例を示しているが、概ね直交していればよく、完全な直交でなくてもよい。
図6の例では、接続導体5は、位置4cよりも−y方向側の位置5aの付近と、位置5aよりも+z方向側の位置5bの付近とで折り曲げられている。以下、位置5a,5bの付近で折り曲げられている地点を折り曲げ地点と称する。
接続導体5における位置4cから位置5aの付近の折り曲げ地点(接続導体5の一端から数えて1番目の折り曲げ地点)に至る方向は、地導体1のx−y面に対して平行で、かつ、同軸線路4における位置4cの付近の折り曲げ地点から位置4eの付近の折り曲げ地点に至る方向と反対方向である。
また、接続導体5における位置5aの付近の折り曲げ地点から、位置5bの付近の折り曲げ地点(接続導体5の一端から数えて2番目の折り曲げ地点)に至る方向は、地導体1のx−y面に対して直交している。
また、接続導体5における位置5bの付近の折り曲げ地点からC点に至る方向は、地導体1のx−y面に対して平行で、かつ、同軸線路4における位置4fの付近の折り曲げ地点からB点に至る方向と反対方向である。
また、図6では、接続導体5における位置5aの付近の折り曲げ地点から位置5bの付近の折り曲げ地点に至る方向が、地導体1のx−y面に対して直交している例を示しているが、概ね直交していればよく、完全な直交でなくてもよい。
一般的に、無線通信装置の筐体に内蔵されるアンテナは、アンテナ近傍の構造物の影響によって、入力インピーダンスが変化する。
このとき、第1の給電点2からアンテナ側を見た入力インピーダンスが低下した場合は、第1の給電点2のインピーダンスと第2の給電点3のインピーダンスとが整合して、第1の給電点2と第2の給電点3との間のアイソレーションが劣化することがある。
その結果、第2の給電点3におけるモノポールアンテナの入力インピーダンスと比べて、第1の給電点2からアンテナ側を見た入力インピーダンスが高くなるため、第1の給電点2のインピーダンスと第2の給電点3のインピーダンスとの不整合が生じ、第1の給電点2と第2の給電点3との間のアイソレーションが確保される。
上記実施の形態1,2では、アンテナ装置が同軸線路4を備えている例を示したが、アンテナ装置がストリップ線路25を備えるものであってもよい。
第1の線路導体21は地導体1と非接触の状態で、地導体1の隣に配置され、第2の給電点3と電気的に接続されている線路導体である。
図7の例では、第1の線路導体21は、地導体1との間にギャップ23が設けられるように、地導体1と同じx−y面上に配置された状態で、第2の給電点3と電気的に接続されている。
なお、第1の線路導体21は、図1の接続導体5に相当する導体である。
図7の例では、ギャップ23は、y座標方向と平行であり、かつ、x座標方向の幅が全て同一である。
図7の例では、第2の線路導体22は、地導体1との間にギャップ23が設けられ、かつ、第1の線路導体21との間にスリット24が設けられるように、地導体1及び第1の線路導体21と同じx−y面上に配置された状態で、第2の給電点3と電気的に接続されている。
図7の例では、第2の線路導体22は、第2の給電点3と接続されている付近において、第1の線路導体21と接続されている。
なお、第2の線路導体22は、図1の同軸線路4の外導体4bに相当する導体である。
図7の例では、スリット24は、x座標方向と平行であり、かつ、y座標方向の幅が全て同一である。
図7の例では、第1の給電点2は、−z方向側の端部(図7では、下端)が地導体1と接続され、+z方向側の端部(図7では、上端)がストリップ線路25の一端と接続されている。
ストリップ線路25は、地導体1、第1の線路導体21及び第2の線路導体22のそれぞれと平行に配置されているが、地導体1、第1の線路導体21及び第2の線路導体22が配置されているx−y面よりも、第1の給電点2のz方向の長さ分だけ、+z方向側に配置されている。
図7の例では、第1の給電点2が設けられている位置のy座標と、スリット24が設けられている位置のy座標とがほぼ同じであるため、ストリップ線路25において、第1の給電点2と接続されている位置から折り曲げ点Aまでの線路のy座標は、スリット24のy座標とほぼ同じである。
ストリップ線路25において、折り曲げ点Aから折り曲げ点Bまでの線路は、全体に亘ってx座標がほぼ一定であり、第2の線路導体22と非接触の状態で、第2の線路導体22が存在している領域内のいずれかのxy座標と一部分のxy座標が重なるように配置されている。
ストリップ線路25において、折り曲げ点Bから折り曲げ点Cまでの線路は、全体に亘ってy標がほぼ一定であり、第2の線路導体22と非接触の状態で、第2の線路導体22が存在している領域内のいずれかのxy座標と各々の位置のxy座標が重なるように配置されている。
ストリップ線路25において、折り曲げ点CからD点までの線路は、全体に亘ってx標がほぼ一定であり、第2の線路導体22と非接触の状態で、第2の線路導体22が存在している領域内のいずれかのxy座標と一部分のxy座標が重なるように配置されている。
D点の位置はスリット24のy座標よりも−y方向の位置であるため、折り曲げ点CからD点までの線路は、スリット24を跨いでいる。
また、D点の位置から第1の線路導体21の位置まで導体が−z方向に伸びており、ストリップ線路25の他端が第1の線路導体21と電気的に接続されている。
なお、ストリップ線路25は、図1の同軸線路4の内導体4aに相当する導体である。
第3の線路導体26は、地導体1、第1の線路導体21及び第2の線路導体22と同じx−y面上に配置されており、図1の第1の放射導体6に相当する導体である。
図7の例では、第3の線路導体26の一端から他端に至る方向が、地導体1のy−z面に対して平行となるように、第3の線路導体26が配置されている。また、第3の線路導体26と地導体1との間隔が概ねλ/30となるように、第3の線路導体26が配置されている。
ただし、第3の線路導体26の一端から他端に至る方向は、地導体1のy−z面に対して平行であるものに限るものではなく、第3の線路導体26が地導体1と接触しない限りにおいては、地導体1のy−z面に対して任意の角度θ1となるように配置されるものであってもよい。
図7の例では、第3の線路導体26の線路長は、動作周波数に対する波長λの概ね4分の1の長さ(=λ/4)である。
第4の線路導体27は、地導体1、第1の線路導体21及び第2の線路導体22と同じx−y面上に配置されており、図1の第2の放射導体7に相当する導体である。
図7の例では、第4の線路導体27の一端から他端に至る方向が、地導体1のy−z面に対して平行となるように、第4の線路導体27が配置されている。また、第4の線路導体27と地導体1の間隔が概ねλ/30となるように、第4の線路導体27が配置されている。
ただし、第4の線路導体27の一端から他端に至る方向は、地導体1のy−z面に対して平行であるものに限るものではなく、第4の線路導体27が地導体1と接触しない限りにおいては、地導体1のy−z面に対して任意の角度θ2となるように配置されるものであってもよい。
なお、第3の線路導体26に係る地導体1のy−z面に対する角度θ1と、第4の線路導体27に係る地導体1のy−z面に対する角度θ2とは一致していてもよいし(θ1=θ2)、一致していなくてもよい(θ1≠θ2)。
図7の例では、第4の線路導体27の線路長は、動作周波数に対する波長λの概ね4分の1の長さ(=λ/4)である。
第1の線路導体21、第2の線路導体22、第3の線路導体26及び第4の線路導体27からT字型の導体が形成されている。
第1の給電点2に交流電源が接続された場合、地導体1と第1の線路導体21及び第2の線路導体22との間に交流電圧が印加される。
これにより、マイナスの電荷が地導体1に配され、プラスの電荷がストリップ線路25に配されるため、交流電源から出力された交流信号は、地導体1から、ギャップ23を跨いで、第2の線路導体22側に伝送される。
このとき、ストリップ線路25は、スリット24の開放端Hを跨ぐように配置されており、ストリップ線路25の他端が第1の線路導体21と電気的に接続されている。
そして、第1の線路導体21が第3の線路導体26と接続され、第2の線路導体22が第4の線路導体27と接続されているため、第3の線路導体26と第4の線路導体27によって、ダイポールアンテナが構成される。
しかし、この実施の形態3における図7のアンテナ装置では、地導体1と第2の線路導体22が動作周波数で電気的に接続されており、ダイポールアンテナに交流信号が効率良く伝送される。
具体的には、以下の通りである。
また、第3の線路導体26及び第4の線路導体27は、一端から他端に至る方向が地導体1のy−z面に対して平行となるように配置されている。
このため、地導体1、第1の線路導体21、第2の線路導体22、第3の線路導体26及び第4の線路導体27によって、先端開放の伝送線路が形成される。
図7において、第3の線路導体26の他端である先端部Fが開放され、第4の線路導体27の他端である先端部Gが開放されているため、地導体1、第1の線路導体21、第2の線路導体22、第3の線路導体26及び第4の線路導体27によって形成される伝送線路は、先端開放の伝送線路である。
ZB=−j×Z0×cot{(2π/λ)×L} (2)
式(2)において、
Z0は、地導体1、第1の線路導体21、第2の線路導体22、第3の線路導体26及び第4の線路導体27によって形成される伝送線路の特性インピーダンスである。
Lは、第3の線路導体26及び第4の線路導体27のそれぞれの線路長である。
λは、動作周波数に対する波長である。
jは、虚数単位である。
したがって、地導体1と第1の線路導体21及び第2の線路導体22とは、動作周波数でほぼ短絡状態になるため、高効率な交流信号の伝送が可能になる。
これにより、交流電源から出力された交流信号は、第1の線路導体21及び第2の線路導体22に到達する。
このとき、第1の線路導体21が第3の線路導体26と接続され、第2の線路導体22が第4の線路導体27と接続されているため、第1の線路導体21、第2の線路導体22、第3の線路導体26及び第4の線路導体27によって、T字型のモノポールアンテナが構成される。
しかし、図7のアンテナ装置における第3の線路導体26及び第4の線路導体27は、それぞれ、地導体1との間隔が概ねλ/30で、配置方向が地導体1と平行になるように配置されているため、低姿勢なモノポールアンテナが構成されている。つまり、第2の給電点3におけるモノポールアンテナの入力インピーダンスは非常に低い。
その結果、第1の給電点2から見たダイポールアンテナの入力インピーダンスと比べて、第2の給電点3におけるモノポールアンテナの入力インピーダンスが非常に低くなるため、第1の給電点2と第2の給電点3との間において、インピーダンスの不整合が生じる。
したがって、第1の給電点2と第2の給電点3との電気的な結合を抑制することができ、モノポールアンテナに交流信号が効率良く伝送される。
なお、ストリップ線路25の線路幅を細くすることで、伝送線路の特性インピーダンスを高くすることが可能である。伝送線路の特性インピーダンスを高くすることで、モノポールアンテナとの結合をより下げることが可能である。
この実施の形態4では、第1の線路導体21と第2の線路導体22の向かい合っている面21a,22aが、櫛状の溝が施されている凹凸面である例を説明する。
第2の線路導体22と向かい合っている第1の線路導体21の面21aは、櫛状の溝が施されている凹凸面である。
第1の線路導体21と向かい合っている第2の線路導体22の面22aは、櫛状の溝が施されている凹凸面である。
第1の線路導体21の面21aが凹凸面で、第2の線路導体22の面22aが凹凸面である点以外は、上記実施の形態3と同様である。
一般的に、無線通信装置の筐体に内蔵されるアンテナは、アンテナ近傍の構造物の影響によって、入力インピーダンスが変化する。
このとき、ストリップ線路25及び第2の線路導体22によって形成される伝送線路の特性インピーダンスと、スリット24の開放端Hから見たダイポールアンテナの入力インピーダンスとが大きく異なると、第1の給電点2から出力された交流信号がスリット24の開放端H付近で反射して戻ってくる。
したがって、第1の給電点2からの交流信号の入射波と、スリット24の開放端H付近で反射された交流信号の反射波とによって出来る定在波の腹が、第2の給電点3の近傍の位置で発生した場合、ストリップ線路25と第2の給電点3が結合して、アイソレーションが劣化してしまうことがある。
スリット24の開放端Hから見たダイポールアンテナの入力インピーダンスと、ストリップ線路25及び第2の線路導体22によって形成される伝送線路の特性インピーダンスとが同じになるように、凹凸面における凹凸の数及び凹凸面における溝の深さを変えることで、スリット24の開放端H付近での反射無くして、アイソレーションの劣化を防止することができる。
スリット24の開放端Hから見たダイポールアンテナの入力インピーダンスは、凹凸面における凹凸の数を増やした場合、あるいは、凹凸面における溝の深さを深くした場合、上昇する。
スリット24の開放端Hから見たダイポールアンテナの入力インピーダンスは、凹凸面における凹凸の数を減らした場合、あるいは、凹凸面における溝の深さを浅くした場合、低下する。
上記実施の形態3,4では、第3の線路導体26と第4の線路導体27とが同一直線上に配置されている例を示したが、この実施の形態5では、第3の線路導体26と第4の線路導体27とのなす角が90度である例を説明する。
特に図9Aはアンテナ装置の+z側の面を示し、図9Bはアンテナ装置の−z側の面を示している。
図9において、図7と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図9の例では、第3の線路導体26と第4の線路導体27とのなす角が90度になるように、第3の線路導体26及び第4の線路導体27が配置されている。
図9では、第3の線路導体26及び第4の線路導体27の配置が図7のアンテナ装置に適用される例を示しているが、第3の線路導体26及び第4の線路導体27の配置が図8のアンテナ装置に適用されるものであってもよい。
また、図9では、第3の線路導体26と第4の線路導体27とのなす角が90度である例を示しているが、第3の線路導体26及び第4の線路導体27が地導体1と接触しない限りにおいては、180度以下であれば、任意の角度でよい。
このとき、放射素子となる第3の線路導体26と第4の線路導体27の線路長をそれぞれλ/4よりも短くすることで、一辺が半波長未満の方形基板に実装することが可能である。
ただし、第3の線路導体26及び第4の線路導体27の線路長をλ/4よりも短くすると、地導体1、第1の線路導体21、第2の線路導体22、第3の線路導体26及び第4の線路導体27によって形成される伝送線路の特性インピーダンスZ0が上昇する。このため、ダイポールアンテナへの伝送効率が低下して、アンテナ性能が劣化する。
これにより、第3の線路導体26及び第4の線路導体27の線路長が概ねλ/4であっても、一辺が半波長未満の方形基板にアンテナを実装することができる。
この結果、上記実施の形態1〜4と同様のアンテナ性能を得ながら、アンテナ装置の小型化を図ることができる。
Claims (3)
- 第1の給電点と第2の給電点が設けられている地導体と、
前記地導体と非接触の状態で、前記地導体の隣に配置され、前記第2の給電点と接続されている第1の線路導体と、
前記地導体と非接触の状態で、前記地導体の隣に配置され、かつ、一部分が前記第1の線路導体と接続されている状態で、残りの部分がスリットを介して前記第1の線路導体の隣に配置され、前記第2の給電点と接続されている第2の線路導体と、
前記第2の線路導体と非接触の状態で、前記第2の線路導体が存在している領域と一部分が重なるように配置されており、一端が前記第1の給電点と接続され、他端が前記第1の線路導体と接続されているストリップ線路と、
一端が前記第1の線路導体と接続され、他端が開放されている第3の線路導体と、
一端が前記第2の線路導体と接続され、他端が開放されている第4の線路導体と
を備え、
前記第3の線路導体及び前記第4の線路導体は、前記第3の線路導体及び前記第4の線路導体と前記地導体との間隔が動作周波数に対する波長の30分の1以下であり、前記地導体の面に対して平行に配置されることを特徴とする
アンテナ装置。 - 前記第2の線路導体と向かい合う前記第1の線路導体の面が、櫛状の溝が施されている凹凸面であり、
前記第1の線路導体と向かい合う前記第2の線路導体の面が、櫛状の溝が施されている凹凸面であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記第3の線路導体と前記第4の線路導体とのなす角が180度以下になるように、前記第3の線路導体及び前記第4の線路導体が配置されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
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