JP6655554B2 - コイルばねの形状測定方法と形状測定装置 - Google Patents

コイルばねの形状測定方法と形状測定装置 Download PDF

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Description

本明細書に開示の技術は、コイルばねの形状を測定する技術に関する。ここでいうコイルばねとは、正面視したときに、その軸方向に素線が複数回に亘って巻かれているばねを意味する。
コイルばねの形状を測定する装置が開発されている(例えば、特開2013−119088号公報)。特開2013−119088号公報の測定装置では、コイルばねを巻回軸周りに回転可能に保持すると共に、コイルばねに対向してレーザ照射装置(非接触式変位計)が配置される。レーザ照射装置は、コイルばねの巻回軸と平行な方向に直線運動可能となっている。この測定装置では、コイルばねを所定の送り角で回転させながら、各回転角について、レーザ照射装置を巻回軸に沿って移動させながらばねの表面形状を計測する。これによって、コイルばねの全体の形状が測定される。
特開2013−119088号公報の技術では、コイルばねの素線の断面形状が円形であると仮定している。そして、レーザ照射装置で得られる測定結果から素線の頂点の位置を算出し、算出した頂点の位置からコイルばねの形状を特定している。このため、素線の断面が円形でない場合、コイルばねの形状を精度良く測定することができないことがある。例えば、コイルばねの中には座面が研磨されたものがあり、このようなコイルばねでは、端部の素線断面形状が円形とはならない。その結果、特開2013−119088号公報の測定装置では、コイルばねの形状を精度良く計測できないことがある。
また、コイルばねの中には、形状がたる型のばねがある。このようなたる型ばねでは、素線の端部が、隣り合う素線の径方向内側に位置している場合がある。この場合、特開2013−119088号公報の測定装置では、素線の端部を精度良く計測できないことがある。
本明細書は、コイルばねの素線の断面形状が円形でない場合、及び/又は、素線の端部が隣り合う素線の径方向内側に位置している場合においても、コイルばねの形状を精度良く測定することを可能とする技術を提供することを目的とする。
本明細書は、コイルばねの形状を測定する形状測定方法を開示する。この測定方法は、コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように配置する配置工程と、配置されたコイルばねの表面形状を非接触式変位計で計測する計測工程と、を備えている。計測工程では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、同一の計測部位に複数の異なる方向から光を照射して、当該計測部位の表面形状を計測することを特徴とする。
この形状測定方法では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、同一の計測部位に複数の異なる方向からコイルばねに光を照射して表面形状を計測する。このため、1方向から光を照射しただけでは死角となる部分でも、他の方向から光を照射することで、その部分の形状を測定することが可能となり得る。したがって、コイルばねの素線の断面形状が円形でない場合、及び/又は、素線の端部が隣り合う素線の径方向内側に位置している場合においても、コイルばねの形状を精度良く測定し得る。
また、本明細書は、上記の形状測定方法を好適に実施することができる測定装置を開示する。すなわち、本明細書に開示する測定装置は、コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように保持する保持治具と、保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測可能な非接触式変位計と、保持治具に保持されたコイルばねに対して非接触式変位計の位置及び光照射方向を調整する調整機構と、を備えている。調整機構は、複数の異なる方向からコイルばねに光が照射されるように非接触式変位計の光照射方向を調整可能であることを特徴とする。
この測定装置では、保持治具にコイルばねを保持し、保持されたコイルばねの表面形状を非接触式変位計で計測する。コイルばねに対する非接触式変位計の位置及び光照射方向は、調整機構によって調整可能となっている。このため、コイルばねが一部に素線断面形状が円形でない部分を有している場合、及び/又は素線の端部が隣り合う素線の径方向内側に位置している場合においても、そのような部分を計測する際は、調整機構により複数の異なる方向から光を照射して表面形状を計測することができる。したがって、この測定装置によると、コイルばねの素線の断面形状が円形でない場合、及び/又は、素線の端部が隣り合う素線の径方向内側に位置している場合においても、コイルばねの形状を精度良く測定し得る。
実施例1の形状測定装置の構成を模式的に示す図。 形状測定時のレーザ変位計の動作を説明するための図(その1)。 形状測定時のレーザ変位計の動作を説明するための図(その2)。 コイルばねの素線の断面形状が円形でない場合の測定手順を説明するための図。 座巻部測定範囲Rと端末測定範囲Rの関係を模式的に示す図。 校正治具を用いた校正の手順を説明するための図。 形状測定装置による形状測定の流れを示すフローチャート。 粗測定処理の流れを示すフローチャート。 胴中測定処理の流れを示すフローチャート。 座巻測定処理の流れを示すフローチャート。 端末測定処理の流れを示すフローチャート。 素線検出処理の流れを示すフローチャート。 下端面検出処理の流れを示すフローチャート。 上端面検出処理の流れを示すフローチャート。 端末検出処理の流れを示すフローチャート。 変形例1の形状測定方法により測定されたコイルばねの素線の測定データ群の1つであり、素線の断面形状が円形でないと判定された測定データ群を示す図。 レーザ変位計の照射方向を変えて図16で測定された素線の部位と同じ部位を測定したときの測定データ群を示す図。 図16と図17の測定データ群を合成した合成データ群を示す図。 四角形断面の素線のデータ群が3つの線分を有することを示す図。 四角形断面の素線のデータ群をハフ変換して3つの直線を検出したことを示す図。 素線の四角形断面の中心座標の求め方を示す図。 変形例2の形状測定方法により2方向から測定されたコイルばねの測定データ群を合成した合成データ群を示す図。 合成データ群から2つの測定データが重複する部分のみを抽出した図。 図23の重複部のデータから直線近似により抽出された直線を示す図。 合成データ群から残りの2直線を算出する方法を示す図。 実施例2の形状測定装置の構成を模式的に示す図。 形状測定時のパターン投影式センサの動作を説明するための図。 パターン投影式センサを用いてコイルばねの形状を測定したときの視野を示すグラフ。 レーザ変位計を用いてコイルばねの形状を測定したときの視野を示すグラフ。 実施例3の形状測定装置の構成を模式的に示す図。
以下、本明細書で開示する実施例の技術的特徴の幾つかを記す。なお、以下に記す事項は、各々単独で技術的な有用性を有している。
本明細書が開示する測定技術では、計測部位において、コイルばねの素線断面が非円形形状であってもよい。複数の異なる方向から照射される光の光軸は同一平面上に位置しており、当該平面は前記回転軸と直交していなくてもよい。この構成によると、複数の異なる方向から照射される光の光軸が位置する平面は、回転軸方向にゼロではない成分を有することになる。このため、コイルばねの素線には回転軸方向に異なる成分を有する光が照射される。従って、コイルばねの素線断面が非円形形状であっても、コイルばねの形状を精度良く測定することができる。
本明細書が開示する測定技術では、コイルばねは、素線断面が円形形状である部分を有していてもよい。計測工程では、当該円形形状である部分には、予め定められた第1方向のみから光を照射してコイルばねの表面形状を計測してもよい。コイルばねの素線断面が円形形状である部分には、1方向から光を照射するだけで当該部分のコイルばねの形状を精度良く測定できる。このため、上記の構成によると、コイルばねの形状測定を精度良く行いつつ、測定時間が長時間となることを抑制することができる。
本明細書が開示する測定技術では、計測工程において、コイルばねの両端部のうちの少なくとも一方に対してコイルばねに光を照射する方向の数は、コイルばねの当該両端部のうちの少なくとも一方以外の部分に対してコイルばねに光を照射する方向の数よりも多くてもよい。この構成によると、コイルばねの両端部のうちの少なくとも一方の素線断面が非円形形状の場合、及び/又はコイルばねの両端部のうちの少なくとも一方の素線が隣り合う素線の径方向内側に位置している場合であっても、コイルばねの形状測定を精度良く行いつつ、測定時間が長時間となることを抑制することができる。
本明細書が開示する測定技術では、計測工程において、コイルばねの少なくとも一部に対して、予め定められた第2方向から光を照射して表面形状を計測するステップと、当該計測するステップで取得したコイルばねの表面形状を解析してコイルばねの素線断面が円形形状であるか非円形形状であるかを判定するステップと、当該判定するステップでコイルばねの前記素線断面が非円形形状であると判定された場合に、コイルばねの当該少なくとも一部に対して複数の異なる方向から光を照射して、コイルばねの前記少なくとも一部の表面形状を計測するステップを少なくとも実行してもよい。この構成によると、コイルばねの形状測定を精度良く行いつつ、測定効率を向上することができる。
本明細書が開示する測定技術では、計測工程において、コイルばねの少なくとも一部に対して、予め定められた第3方向から光を照射して表面形状を計測するステップと、当該計測するステップで取得したコイルばねの表面形状を解析してコイルばねの端部を特定するステップと、当該特定するステップで特定されたコイルばねの端部に対して、複数の異なる方向から光を照射してコイルばねの端部の表面形状を計測するステップを少なくとも実行してもよい。この構成によると、コイルばねの形状測定を精度良く行いつつ、測定効率を向上することができる。
本明細書が開示する測定技術では、複数の異なる方向が、照射される光の光軸が回転軸と直交する方向を含んでいてもよい。
本明細書が開示する測定技術では、複数の異なる方向が、照射される光の光軸が回転軸と斜めに交差する方向を含んでいてもよい。
本明細書が開示する測定技術では、非接触式変位計が、コイルばねに光を照射する照射部と、コイルばねからの反射光を受光する受光面とを有していてもよい。照射部から照射される光の光軸は、受光面に直交する軸線に対して斜めに交差していてもよい。計測工程では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、非接触式変位計の受光面が回転軸に対して平行に配置された状態で、照射部がコイルばねに光を照射して表面形状を計測するステップと、非接触式変位計の受光面が回転軸に対して平行でない状態で、照射部がコイルばねに光を照射して表面形状を計測するステップを少なくとも実行してもよい。このような構成によると、非接触式変位計の死角が減り、コイルばねの形状を精度良く測定し得る。
本明細書が開示する測定技術では、計測工程において、コイルばねを前記回転軸回りに第1の角度間隔で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、コイルばねの軸方向の全体に亘って回転軸と直交する方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第1測定ステップと、コイルばねを回転軸回りに第1の角度間隔よりも小さい第2の回転角度で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、前記第1測定ステップの計測結果に基づいて設定されたコイルばねの軸方向の第1設定範囲に、前記回転軸と直交する方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第2測定ステップと、を少なくとも実行してもよい。このような構成によると、第1測定ステップでコイルばねの概略形状が判明するため、詳細な第2測定ステップを限られた範囲に行うことができる。このため、コイルばねの形状測定を精度良く行いつつ、測定時間が長時間となることを抑制することができる。
本明細書が開示する測定技術では、校正用治具を回転軸上に配置して非接触式変位計で校正用治具の表面形状を計測する校正用治具計測工程と、校正用治具計測工程で得られた計測結果から校正用データを作成する工程と、作成した校正用データを用いて、計測工程で得られた計測結果を校正する校正工程と、をさらに備えていてもよい。このような構成によると、計測結果が校正用データで校正されるため、コイルばねの形状をより精度良く測定することができる。
本明細書が開示する測定技術では、計測工程において、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、回転軸と直交する方向からコイルばねに光を照射して表面形状を計測するステップと、回転軸と斜めに交差する方向からコイルばねに光を照射して表面形状を計測するステップを少なくとも実行してもよい。このような構成によると、回転軸と直交する方向からコイルばねの表面形状を測定すると共に、回転軸と斜めに交差する方向からコイルばねの表面形状を測定する。このため、非接触式変位計の死角が減り、コイルばねの形状を精度良く測定し得る。
本明細書が開示する測定技術では、計測工程において、コイルばねを前記回転軸回りに第3の角度間隔で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、コイルばねの端部に対して、回転軸と斜めに交差する第1斜め方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第3測定ステップと、コイルばねを回転軸回りに第3の角度間隔で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、コイルばねの端部に対して、回転軸と斜めに交差する第2斜め方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第4測定ステップと、を少なくとも実行してもよい。このような構成によると、コイルばねの端部の素線断面形状が円形でなくても、及び/又はコイルばねの端部の素線が隣り合う素線の径方向内側に位置している場合でも、コイルばねの端部の形状を精度良く測定し得る。
本明細書が開示する測定技術では、第3測定ステップにおいて、コイルばねの端部に対して斜め上方から光を照射してコイルばねの表面形状を計測してもよい。第4測定ステップでは、コイルばねの端部に対して斜め下方から光を照射してコイルばねの表面形状を計測してもよい。このような構成によると、コイルばねの端部には、回転軸と直交する方向と、斜め上方からの方向と、斜め下方からの方向の3方向から測定が行われる。このため、コイルばねの端部の形状を精度良く測定することができる。
実施例の形状測定装置10について図面を参照しながら説明する。形状測定装置10は、コイルばねWの形状を計測する装置である。図1に示すように、形状測定装置10は、保持治具12,14と、保持治具12,14を駆動する駆動機構(16,18)と、レーザ変位計24と、レーザ変位計24の位置及び角度を調整する調整装置(20,22,26〜30)と、演算装置32を備えている。
保持治具12,14は、測定対象となるコイルばねWを保持する。保持治具12は円錐形状をしており、コイルばねWの一端を保持する。保持治具14は円錐形状をしており、コイルばねWの他端を保持する。保持治具12,14は、それぞれの軸線が同軸上となるように配置されると共に、その円錐形状の頂点が互いに対向するように配置されている。保持治具12,14は、コイルばねWを保持した状態で、その軸線周り(Z軸と平行な軸周り)に回転可能となっている。以下の説明では、保持治具12,14の回転軸を単に回転軸ということがある。
駆動機構(16,18)は、演算装置32によって制御され、コイルばねWを保持治具12,14に保持する状態(保持状態)と保持しない状態(非保持状態)とに切換えると共に、保持治具12,14に保持されたコイルばねWを保持治具12,14の回転軸周りに回転させる。具体的には、駆動機構(16,18)は、回転機構16と往復動機構18を備えている。回転機構16は、モータと、モータの回転動作を保持治具12に伝達する伝達機構を備えている。回転機構16が作動すると、保持治具12はその軸線周りに回転する。保持治具12,14にコイルばねWが保持された状態では、保持治具12の回転がコイルばねWにより保持治具14に伝達される。これによって、保持治具12,14及びコイルばねWが一体となってその軸線周りに回転する。モータの回転角は、エンコーダにより検出されるようになっている。演算装置32は、エンコーダで検出される回転角(保持治具12に回転角)に基づいて、保持治具12を所定の角度に位置決めすることができる。
往復動機構18は、モータと、モータの回転動作を保持治具14の往復動動作に変換する変換機構を備えている。往復動機構18が作動すると、保持治具14は、保持治具12に対して軸線方向(Z軸方向)に離間した状態と、保持治具12に対して軸線方向(Z軸方向)に近接した状態とに切換えられる。保持治具12,14の間にコイルばねWを配置した状態で保持治具14が保持治具12に接近する方向に移動すると、保持治具12,14によってコイルばねWが挟持(保持)される。逆に、保持治具14が保持治具12に対して離間する方向に移動すると、保持治具12,14に保持されたコイルばねWを保持治具12,14から取外すことが可能となる。
レーザ変位計24は、非接触式変位計の一種であり、測定対象物(すなわち、コイルばねW)にレーザ光を照射すると共に、測定対象物から反射される光を受光して、測定対象物の表面形状を計測する。レーザ変位計24は、その測定結果を演算装置32に入力する。レーザ変位計24は、線光源を有する2次元のレーザ変位計であり、測定対象物にスリット光を照射する。レーザ変位計24から照射されるスリット光は、その光軸上に保持治具12,14の回転軸が位置し、かつ、保持治具12,14の回転軸に沿って伸びており、コイルばねWの軸方向の一部に照射される。後述するように、レーザ変位計24はZ軸方向に移動可能となっている。レーザ変位計24をZ軸方向に移動させることで、コイルばねWの軸方向の全体にレーザ光が照射される。レーザ変位計24のオン・オフは、演算装置32によって制御される。なお、レーザ変位計24には、公知のレーザ変位計を用いることができる。
調整装置(20,22,26〜30)は、演算装置32によって制御され、保持治具12,14に保持されたコイルばねWに対して、レーザ変位計24の位置及びレーザ照射方向を調整する。具体的には、調整装置(20,22,26〜30)は、レーザ変位計24のZ軸方向の位置を調整するz方向位置調整装置(22,28)と、レーザ変位計24のr軸方向の位置を調整するr方向位置調整装置(20,30)と、レーザ変位計24から照射されるレーザ光の照射方向を調整する照射角調整装置26とを備えている。
z方向位置調整装置(22,28)は、z方向ガイドレール22とz方向位置調整機構28を備えている。z方向ガイドレール22は、レーザ変位計24を案内する。z方向ガイドレール22は、保持治具12,14の回転軸と平行(すなわち、Z軸方向)に伸びている。z方向位置調整機構28は、z方向ガイドレール22に沿ってレーザ変位計24を移動させる。z方向位置調整機構28は、モータと、モータの回転をレーザ変位計24のz方向の運動に変換する変換機構により構成されている。モータの回転角は、エンコーダにより検出されるようになっている。演算装置32は、エンコーダで検出される回転角(z方向位置調整機構28の駆動量)に基づいて、レーザ変位計24をz軸方向の所定の位置に位置決めすることができる。
r方向位置調整装置(20,30)は、r方向ガイドレール20とr方向位置調整機構30を備えている。r方向ガイドレール20は、z方向ガイドレール22と係合し、z方向ガイドレール22を案内する。r方向ガイドレール20は、z方向ガイドレール22と直交する方向で、かつ、保持治具12,14に保持されたコイルばねWに対して近接又は離間する方向に伸びている。r方向位置調整機構30は、r方向ガイドレール20に沿ってz方向ガイドレール22を移動させる。r方向位置調整機構30は、モータと、モータの回転をz方向ガイドレール22のr方向の変位に変換する変換機構により構成されている。z方向ガイドレール22がr方向ガイドレール20に沿って移動することで、レーザ変位計24がr方向に移動する。すなわち、レーザ変位計24は、保持治具12,14に保持されたコイルばねWに対して近接又は離間する方向に移動可能となっている。r方向位置調整機構30のモータの回転角は、エンコーダにより検出されるようになっている。演算装置32は、エンコーダで検出される回転角(r方向位置調整機構30の駆動量)に基づいて、レーザ変位計24をr軸方向の所定の位置に位置決めすることができる。
照射角調整装置26は、z方向ガイドレール22に対するレーザ変位計24の取付角度を調整する。すなわち、レーザ変位計24は、z方向ガイドレール22に案内されるスライダ(図示省略)に取付けられている。このスライダには取付軸が設けられており、この取付軸にレーザ変位計24が回転可能に取付けられている。レーザ変位計24を取付ける取付軸は、z方向ガイドレール22とr方向ガイドレール20の両者に直交している。照射角調整装置26は、この取付軸周りにレーザ変位計24を回転させることで、レーザ変位計24から照射されるレーザ光の照射方向を調整する。取付軸がz方向及びr方向に直交するため、レーザ変位計24はr−z平面内で回転する。レーザ変位計24が回転することで、レーザ変位計24から照射されるレーザ光が、保持治具12,14の回転軸に斜めに交差する方向から照射される。したがって、保持治具12,14に保持されたコイルばねWに対して、正面(軸線と直交する方向)からレーザ光を照射でき、また、斜め上方又は斜め下方(軸線と斜めに交差する方向)からレーザ光を照射できる。
演算装置32は、駆動機構(16,18)とレーザ変位計24と調整装置(20,22,26〜30)の動作を制御すると共に、レーザ変位計24の計測結果からコイルばねWの形状を算出する。すなわち、演算装置32は、駆動機構(16,18)と調整装置(20,22,26〜30)の動作を制御することで、レーザ変位計24から照射されるレーザ光がコイルばねWのどの部分に照射されているかを決定することができる。このため、演算装置32は、まず、駆動機構(16,18)と調整装置(20,22,26〜30)の作動状態と、レーザ変位計24から出力される測定結果とを関連付けて記憶し、次いで、記憶された情報からコイルばねWの形状を演算する。具体的には、演算装置32は、処理プログラムに従って、記憶された位置情報及び計測情報を処理することでコイルばねWの形状を特定する。演算装置32によって特定されたコイルばねWの形状は、図示しないディスプレイに表示される。なお、演算装置32には、公知のコンピュータを用いることができる。
次に、上述した形状測定装置10を用いたコイルばねWの形状測定の流れを説明する。形状測定装置10は、図7に示す各工程を実施することで、コイルばねWの形状を算出する。先ず、図7のステップS10において、形状測定装置10にコイルばねWをセットする。すなわち、演算装置32は、往復動機構18を駆動して保持治具14を保持治具12に対して離間する位置に移動させ、保持治具12,14にコイルばねWをセット可能な状態とする。コイルばねWの一端を保持治具12にセットすると、演算装置32は、往復動機構18を駆動し、保持治具14を保持治具12に対して近接する方向に移動させる。これによって、コイルばねWが保持治具12,14に保持される。
図7のステップS12に進むと、形状測定装置10は、コイルばねWの概略形状を測定する粗測定処理を実施する。粗測定処理において、形状測定装置10は、コイルばねWの概略形状を測定し、測定したコイルばねWの概略形状から詳細な測定を行う範囲等を決定する。粗測定処理について図8を参照して説明する。
(粗測定処理)
図8に示すように粗測定処理では、まず、演算装置32は回転機構16及び調整装置(20,22,26〜30)を駆動して、レーザ変位計24の位置及びレーザ照射角度を調整しながら、レーザ変位計24によりコイルばねWの表面形状を測定する(ステップS30)。図2を参照して具体的に説明する。演算装置32は、まず、回転機構16を駆動して保持治具12,14及びコイルばねWを所定の回転角θ(保持治具12,14の回転軸周りの回転角θ)に位置決めする。また、演算装置32は、z方向位置調整機構28及びr方向位置調整機構30を駆動して、レーザ変位計24を初期位置に位置決めする。さらに、演算装置32は、レーザ変位計24から照射されるレーザ光が保持治具12,14の回転軸と直交する角度となるように照射角調整装置26を駆動する。これによって、レーザ変位計24は、初期状態にセットされる。レーザ変位計24が初期状態(図2のAに示す状態)とされると、レーザ変位計24は、保持治具12よりZ方向外側の位置(図2では下方の位置)に位置決めされてコイルばねWと対向せず、また、保持治具12,14の回転軸から所定の距離の位置にレーザ変位計24がセットされる。
次に、演算装置32は、z方向位置調整機構28を駆動してレーザ変位計24をz方向に移動させながら、レーザ変位計24によってコイルばねWの表面形状を計測する。この計測は、レーザ変位計24が保持治具14よりz方向外側の位置(図2のBに示す位置)に移動するまで行われる。これによって、コイルばねWの軸方向の全体に亘って、回転軸の周方向の所定の回転角の位置におけるコイルばねWの表面形状が計測される。レーザ変位計24で計測された表面形状は、演算装置32に記憶される。なお、レーザ変位計24は、図2に示すAの位置(保持治具12の下方の位置)からBの位置(保持治具14の上方の位置)まで移動するため、レーザ変位計24で計測された計測結果には保持治具12,14の表面形状を計測した結果も含まれている。
以下、回転機構16を駆動することによる保持治具12,14及びコイルばねWの所定の回転角θへの位置決め、及び、z方向位置調整機構28を駆動しながらのレーザ変位計24による計測を繰り返し実行する。これによって、回転軸の周方向の複数の回転角におけるコイルばねWの表面形状が計測され、その計測結果が演算装置32に記憶される。粗測定では、例えば、コイルばねWの周方向の4箇所の表面形状を計測する。この場合、回転機構16による保持治具12,14及びコイルばねWの回転は90°間隔で行われる。角度間隔を広く設定することで、短い時間でコイルばねWの概略形状が計測される。
図8のステップS32に進むと、演算装置32は、ステップS30で得られた測定結果を解析して、保持治具12,14の位置を検出する。上述したように、ステップS30で得られた測定結果には、コイルばねWの形状と保持治具12,14の形状とが含まれている。保持治具12,14の形状は円錐形状であり、その側面は直線として計測されることが予め分かっている。このため、演算装置32は、予め与えられた保持治具12,14の形状情報を用いて、ステップS30で得られた測定結果から保持治具12,14の位置を特定する。
次に、演算装置32は、コイルばねWのばね素線の形状を検出する(ステップS34)。すなわち、本実施例において測定対象となるコイルばねWは、断面円形のばね鋼線をコイリングすることにより形成されている。ステップS34では、ステップS30の測定結果からコイルばねWの形状を抽出し、その抽出した測定結果からばね素線の形状を特定する。ステップS34の処理については、図12を参照して説明する。
図12に示すように素線検出処理では、まず、ステップS30の測定結果から、保持治具12,14の形状を測定したデータを消去する(ステップS90)。上述したように、ステップS30で得られた測定結果には、コイルばねWの形状と保持治具12,14の形状とが含まれている。ここで、ステップS32で検出した保持治具12,14の位置から、ステップS30で得られた測定結果(データ)が、保持治具12,14の形状を表すデータか、コイルばねWの形状を表すデータであるかを判別することができる。ステップS90では、演算装置32は、ステップS32で検出した保持治具12,14の位置を用いて、ステップS30の測定結果から保持治具12,14の形状データを削除する。
次に、演算装置32は、ステップS90で得られた測定データ(コイルばねWの形状データ)のデータ抜けを補間する(ステップS92)。すなわち、測定データに抜けが生じている場合、その抜けが生じた測定データの前後の測定データを利用してデータ抜けを補間する。次に、ステップS92で得られた測定データ群の間隔を均一化し(S94)、それらのデータ群を平滑化する(S96)。そして、得られたデータ群を円形状にフィッティングすることで、断面円形部分のコイルばねWの素線を検出する(S98)。
ステップS98でコイルばねWの素線を検出すると、図8のステップS36に戻り、コイルばねWのコイル径を推定する(S36)。すなわち、ステップS30の測定結果から、断面円形となる部分(座巻部以外の部分)のばね素線が検出されている。上述したように、ステップS30の測定は、コイルばねWの周方向の4ヶ所で行われており、コイルばねWを周方向に連続して計測しているわけではない。このため、ステップS34において検出した断面円形となる部分(座巻部以外の部分)のばね素線の形状(周方向4ヶ所の形状)から、演算装置32は、コイルばねWのコイル径を推定する。なお、測定対象となるコイルばねWには、コイル径が一定の円筒コイルばねの他、コイル径が軸方向に変化するばね(例えば、たる型ばね、円錐ばね等)がある。円筒コイルばねの場合、ステップS36で推定されるコイル径は一定値となり、たる型ばねのようなばねでは、ステップS36で推定されるコイル径は軸方向の位置によって変化する。
次に、演算装置32は、胴中測定を行う範囲を決定する(S38)。胴中測定とは、コイルばねWの形状を保持治具12,14の回転軸に直交する方向から測定する処理のことをいう。すなわち、本実施例では、コイルばねWの両端の座巻部(素線の断面が円形状でない部分)については、コイルばねWの素線を斜め上方及び斜め下方(すなわち、保持治具12,14の回転軸に斜めに交差する方向)からも測定する。一方、コイルばねWの座巻部以外の部分は、その断面形状が図4(a)に示すように円形状となり、保持治具12,14の回転軸(コイルばねWのコイル軸)に直交する方向から測定するだけで、その全体形状を特定することができる。すなわち、コイル軸に直交する方向からレーザ光を照射すると、そのレーザ光は図4(a)の範囲34に照射され、その範囲34の形状が測定される。コイル素線の断面形状が円形であるため、周方向の一部の範囲34の形状から全体形状(円形状)を特定することができる。そこで、コイルばねWの胴中部については、コイル軸に直交する方向からのみコイルばねWの形状を測定する。ステップS38では、ステップS30で得られた測定結果から胴中測定を行う範囲を決定する。
(胴中測定処理)
図8の粗測定処理が終了すると、演算装置32は、図7のステップS14に進み、コイルばねWの全体の形状を保持治具12,14の回転軸に直交する方向から測定する胴中測定処理を実行する。胴中測定処理について図9を参照して説明する。
図9に示すように胴中測定処理では、まず、演算装置32は回転機構16及び調整装置(20,22,26〜30)を駆動して、レーザ変位計24の位置及びレーザ照射角度を調整しながら、レーザ変位計24によりコイルばねWの表面形状を測定する(S40)。ステップS40の測定処理は、粗測定処理におけるステップS30の測定処理と同様に行われる。ただし、ステップS40の測定処理では、測定角度間隔(コイルばねWの回転角θの間隔(例えば、30°間隔))が小さく設定され、コイルばねWの形状が周方向に詳細に測定される。また、レーザ変位計24とコイルばねWの間隔は、ステップS36で推定されたコイル径に基づいて制御される。すなわち、レーザ変位計24の測定精度は、レーザ変位計24とコイルばねWとの距離によって変化する。このため、ステップS36で推定されるコイル径に基づいてレーザ変位計24のr方向の位置を調整することで、レーザ変位計24とコイルばねWとの距離が適切な距離に調整され、コイルばねWの形状を精度良く測定することができる。なお、コイルばねWのコイル径が変化する場合(例えば、たる型ばねの場合)は、レーザ変位計24のr方向の位置をz方向の位置に応じて調整することで、レーザ変位計24とコイルばねWとの距離が適切な距離に維持してもよい。このようにレーザ変位計24とコイルばねの素線との距離を制御することで、コイルばねの形状を精度良く計測することができる。
次に、演算装置32は、ステップS40の測定結果を処理して、コイルばねWのばね素線の形状を検出する(ステップS42)。ステップS42の処理は、既に説明したステップS34の処理(すなわち、図12の処理)と同様に行われる。次に、演算装置32は、ステップS42で検出したコイルばねWの素線データの並び替えを行う(S44)。すなわち、ステップS40では、コイルばねWの回転角θにおける素線群の表面形状(データ)が計測されている。したがって、ステップS44では、ステップS40で得られた測定データを、座巻部からコイルばねWの素線が伸びる方向に順に並び替える。そして、演算装置32は、ステップS44で並び替えたデータによりばね形状データを更新する(S46)。これによって、ばね形状データは、ステップS40で詳細に測定した測定データに置き換えられる。
次に、演算装置32は、ステップS46で更新したばね形状データから、コイルばねWの端末位置の検出を行う(S48)。すなわち、ステップS46で更新されたばね形状データは、図5に示すように、座巻部からばね素線が伸びる方向に順に並び替えられている。したがって、ステップS46で更新したばね形状データのうち、最も端末となる位置(例えば、図5ではC点)を特定することで、コイルばねWの端末の位置を検出する。なお、図5には一方の端末のみが示されているが、図5には図示されていない他方の端末についてもその位置が検出される。
次に、演算装置32は、ステップS48で検出した端末位置に基づいて、コイルばねWの座巻部測定を行う範囲Rを決定する(S50)。本実施例では、測定対象となるコイルばねWは、座巻部が研磨されており、座巻部の断面形状は円形とはなっていない。このため、座巻部に対しては、胴中部と異なり、斜め上方及び斜め下方からもレーザ光を照射し、コイルばねWの外形状を計測する。そこで、ステップS50では、座巻測定処理(すなわち、斜め上方方向・斜め下方方向・水平方向の測定を行う処理)を行う範囲を決定する。図5に示す例を参照して具体的に説明する。図5に示すように、ステップS48でコイルばねWの端末の位置(点C)が検出されている。ただし、ステップS40の測定処理は、コイルばねWの周方向に連続して行ってはいないため、検出された点Cが端末となるわけではない。コイルばねWの端末の正確な位置は、図5の範囲R(回転角θが90°〜180°(点C)の範囲)に存在する。座巻部は、ばね素線の1巻分であるため、ばね素線の端末から1巻分に対して座巻測定処理を行えばよい。コイルばねWの端末の正確な位置は範囲Rにあるため、座巻測定処理は図5に示す範囲Rについて行えば、コイルばねWの座巻部に対して漏れなく座巻測定処理を行うことができる。したがって、ステップS50において、演算装置32は、座巻部測定範囲Rを決定する。
次に、演算装置32は、ステップS48で検出した端末位置に基づいて、端末測定処理を行う範囲Rを決定する(S52)。上述した説明から明らかなように、ステップS48で検出された端末位置(点C)が実際の端末となるわけではなく、実際には範囲R(点Cを検出した回転角θと1つ前の回転角の間)に存在する(図5参照)。このため、端末位置を正確に検出するためには、範囲Rについて詳細に測定を行う必要がある。そこで、ステップS52において演算装置32は、ステップS48で検出した端末位置(点C)と、ステップS40の測定における回転角間隔とを用いて、端末測定処理を行う範囲Rを決定する。
(上端座巻部測定処理)
図9の胴中測定処理が終了すると、演算装置32は、図7のステップS16に進み、コイルばねWの上端座巻部の形状を測定する上端座巻部測定処理を実行する。上端座巻部測定処理について図10を参照して説明する。
図10に示すように上端座巻部測定処理では、まず、演算装置32は回転機構16及び調整装置(20,22,26〜30)を駆動して、レーザ変位計24の位置及びレーザ照射角度を調整しながら、レーザ変位計24によりコイルばねWの上端座巻部の表面形状を測定する(S60)。ステップS60の測定処理では、コイルばねWのコイル軸に対して直交する方向からの測定(図2に示す測定)と、コイル軸に対して傾斜する方向からの測定(図3に示す測定)が行われる。すなわち、コイルばねWの座巻部では、素線の上面が研磨されるため、図4(b)に示すような断面形状をしている。このため、コイル軸に直交する方向からの測定だけでは、その表面形状を正確に測定することはできない。そこで、本実施例では、コイル軸に直交する方向からの測定に加えて、コイル軸に傾斜する2方向(座巻部に対して斜め上方向及び斜め下方向)からの測定を行う。すなわち、コイル軸に直交する方向からの測定を行うことで、図4(b)の38で示す範囲にレーザ光が照射され、この範囲38の形状を測定する。また、座巻部に斜め上方からレーザ光を照射することで、図4(b)の36で示す範囲にレーザ光が照射され、この範囲36の形状を測定する。さらに、座巻部に斜め下方からレーザ光を照射することで、図4(b)の40で示す範囲にレーザ光が照射され、この範囲40の形状を測定する。そして、これらの計測結果を組合せることで、コイルばねWの座巻部の形状が測定される。なお、ステップS60の上端部座巻測定処理を行う範囲は、図9のステップS50で決定した座巻部測定範囲Rについて行われる。
次に、演算装置32は、ステップS60の測定結果のうち、コイル軸に直交する方向からの測定結果を処理して、コイルばねWのばね素線の形状を検出する(S62)。すなわち、座巻部のばね素線の形状のうち、図4(b)の範囲38の形状を検出する。なお、ステップS62の処理は、既に説明したステップS34の処理(すなわち、図12の処理)と同様に行われる。ステップS62の処理が終わると、演算装置32は、ステップS62の検出結果をばね形状データに追加する(S64)。
次に、演算装置32は、ステップS60の測定結果のうち、座巻部に斜め下方からレーザ光を照射したときの測定結果を処理して、座巻部のばね素線の形状(下端面)を検出する(S66)。すなわち、座巻部のばね素線の形状のうち、図4(b)の範囲40の形状を検出する。ステップS66の処理について図13を参照して詳細に説明する。
図13に示すように下端面検出処理では、まず、演算装置32は、ステップS60の測定結果(詳細には、座巻部に斜め下方からレーザ光を照射したときの測定結果)から、保持治具14の形状を測定したデータを消去する(S100)。コイルばねWの座巻部は保持治具14に接触していることから、座巻部の測定結果には、保持治具14の形状が含まれている。このため、ステップS100では、ステップS60の測定結果から保持治具14の形状データを削除する。
次に、演算装置32は、ステップS100で得られた測定データのうち、隣接する測定データ(点)を結んだ線分のなす角が水平(すなわち、コイル軸に平行)に近いもの以外を消去する(S102)。これによって、処理対象となる測定データから、座巻部の素線の下端面以外の部位を測定したデータが削除される。次に、演算装置32は、隣接する測定データ(点)の距離によって測定データを分類(ラベリング)し(S104)、分類されたデータ群のうち、データ数の少ないデータ群を消去する(S106)。これによって、座巻部の素線の下端面を計測した計測データのみを抽出する。そして、演算装置は、ステップS104で分類(ラベリング)したデータ群毎に、ばね素線の下端面を計算する(S108)。これによって、座巻部のばね素線の下端面の形状が検出される。図13の下端面検出処理が終わると、図10のステップS68に戻り、演算装置32は、下端面検出処理の検出結果をばね形状データに追加する(S68)。
次に、演算装置32は、ステップS60の測定結果のうち、座巻部に斜め上方からレーザ光を照射したときの測定結果を処理して、座巻部のばね素線の形状(上端面)を検出する(S70)。すなわち、座巻部のばね素線の形状のうち、図4(b)の範囲36の形状を検出する。ステップS70の処理について図14を参照して詳細に説明する。
図14に示すように上端面検出処理は、上述した下端面検出処理と同様に行われる。すなわち、演算装置32は、まず、ステップS60の測定結果(詳細には、座巻部に斜め上方からレーザ光を照射したときの測定結果)から、保持治具14の形状を測定したデータを消去する(S110)。次いで、演算装置32は、ステップS110で得られた測定データのうち、隣接する測定データ(点)を結んだ線分のなす角が水平(すなわち、コイル軸に平行)に近いもの以外を消去する(S112)。また、演算装置32は、隣接する測定データ(点)の距離によって測定データを分類(ラベリング)し(S114)、分類されたデータ群のうち、データ数の少ないデータ群を消去する(S116)。これによって、座巻部の素線の上端面を計測した計測データのみを抽出する。そして、演算装置は、ステップS114で分類(ラベリング)したデータ群毎に、ばね素線の上端面を計算する(S118)。これによって、座巻部のばね素線の上端面の形状が検出される。図14の上端面検出処理が終わると、図10のステップS72に戻り、演算装置32は、上端面検出処理の検出結果をばね形状データに追加する(S72)。
(上端座巻部の端末測定処理)
図10の上端座巻部の測定処理が終了すると、演算装置32は、図7のステップS18に進み、コイルばねWの上端座巻部の端末を測定する端末測定処理を実行する(S18)。上端座巻部の端末測定処理について図11、15を参照して説明する。
図11に示すように上端座巻部の端末測定処理では、演算装置32は回転機構16及び調整装置(20,22,26〜30)を駆動して、レーザ変位計24の位置及びレーザ照射角度を調整しながら、レーザ変位計24によりコイルばねWの上端座巻部の端末部分を測定する(S80)。ステップS80の測定処理では、コイルばねWのコイル軸に対して直交する方向からの測定(図2に示す測定)を行う。端末測定処理を行う範囲は、図9のステップS52で決定した端末測定範囲Rについて行われる。端末測定範囲Rは極めて狭い範囲であるため、演算装置32は回転機構16のみを駆動して測定を行う場合がある。すなわち、端末測定処理では、レーザ変位計24が周方向にのみ移動しながら、コイルばねWの形状を計測する場合がある。
次に、演算装置32は、ステップS80で測定した測定結果を処理し、コイルばねWの端末を検出する(S82)。ステップS82の端末検出処理について図15を参照して説明する。
図15に示すように端末検出処理では、演算装置32は、まず、ステップS80の測定結果を処理して、コイルばねWのばね素線の形状を検出する(S120)。ステップS120の素線検出処理は、既に説明したステップS34の処理(すなわち、図12の処理)と同様に行われる。ステップS120の処理が終わると、演算装置32は、検出した素線が途切れる位置(すなわち、端末位置(回転角θ))を検出する(S122)。次いで、演算装置32は、ステップS120で得られた素線データに、ステップS122で得られた端末位置を外挿する(S124)。これによって、ステップS82の端末検出処理が終了する。
図15の端末検出処理が終了すると、図11のステップS84に戻り、演算装置32は、ステップS82の端末検出処理によって得られた測定データを、ばね形状データに追加する(S84)。これによって、コイルばねWの上端座巻部の端末部の形状データがばね形状データに追加される。
(下端座巻部測定処理)
図11の端末測定処理が終了すると、演算装置32は、図7のステップS20に進み、コイルばねWの下端座巻部の形状を測定する下端座巻部測定処理を実行する(S20)。下端座巻部測定処理は、上述したステップS16の上端座巻部測定処理と同様に行われる。これによって、コイルばねWの下端座巻部の形状データが追加される。
(下端座巻部の端末測定処理)
ステップS20の下端座巻部測定処理が終了すると、演算装置32は、コイルばねWの下端座巻部の端末を測定する端末測定処理を実行する(S22)。ステップS22の処理は、上述したステップS18の上端座巻部の端末測定処理と同様に行われる。これによって、コイルばねWの下端座巻部の端末部の形状データがばね形状データに追加される。
(形状データ出力処理)
ステップS22の下端座巻部の端末測定処理が終了すると、演算装置32は、作成したコイルばねWの形状データを出力する形状データ出力処理を実行する(ステップS24)。具体的には、演算装置32は、作成した形状データを図示しないモニタに出力する。モニタには、作成された形状データに基づいてコイルばねWが表示される。したがって、オペレータは、モニタに表示されるコイルばねWから、コイルばねWの全体形状を把握することができる。
上述したように、本実施例の形状測定装置10によると、コイルばねWの座巻部については、コイル軸に直交する方向と、コイル軸に傾斜する方向(座巻部に対して斜め上方と斜め下方)のそれぞれから測定を行う。このため、コイルばねWの素線の断面形状が円形状でなくても、コイルばねWの形状を正確に測定することができる。また、断面形状が円形状とはならない座巻部のみを複数方向から測定しているため、測定時間が長時間となることを抑制することができる。
(変形例1)
実施例1では、座巻部の素線の断面形状が非円形形状であることが予め分かっている場合の例を説明したが、コイルばねの中には、座巻部以外の部分の素線断面が非円形形状(例えば、卵型、四角形)のものもある(以下では、素線断面が非円形形状である素線の部位を、「特殊形状部位」とも称する)。本変形例では、そのようなコイルばねの表面形状測定方法について説明する。
コイルばねWの表面形状を測定するオペレータは、測定するコイルばねWが特殊形状部位を有すると判断した場合に、特殊形状の可能性がある部位の位置情報を演算装置32に予め入力することができる(詳細には、演算装置32で動作するコイルばね形状計測ソフトに予め入力することができる)。又は、より作業効率の高い方法として、演算装置32のメモリに「コイルばね品番」と、品番ごとの「設計図から抽出したコイルばねの形状情報」を予め格納しておく方法も考えられる(以下では、これらのデータを「品番データベース」とも称する)。なお、「設計図から抽出したコイルばねの形状情報」には、特殊形状部位の位置情報も含まれる。この場合、オペレータがコイルばねWの品番を指定すると、計測ソフトはオペレータに指定された品番に対応したコイルばねWの形状情報を演算装置32のメモリから読み出す。
計測ソフトは、オペレータから与えられた「特殊形状の可能性がある部位の位置情報」又は品番データベースから読み出した「設計図から抽出した形状情報」と、コイルばねWの測定データから、複数方向から光を照射する部位を特定し、フィッティングする形状を判別する。具体的には、演算装置32は、まず、コイルばねWの測定データ群を円形状にフィッティングしたときの測定データ群と円形形状との類似度を算出し、その類似度に基づいて、素線断面が円形状であるか否かを判定する。演算装置32は、コイルばねWの特定の部位の素線断面が円形状ではないと判定された場合(例えば、図16に示す例では、素線の2箇所から得られた測定データ群を示しており、2箇所とも円形状でないと判断されている。)、その特定の部位の位置情報を、オペレータから与えられた位置情報又は品番データベースから読み出した位置情報と照会して、特定の部位が「特殊形状の可能性がある部位であるか否か」を判定する。演算装置32は、その特定の部位が「特殊形状の可能性がある部位」であると判定された場合、その部位に対して、レーザ変位計24を複数の異なる方向から照射して表面形状を測定する(例えば、図17に示す測定データ群は、図16に示す測定データ群が測定された位置と同一の位置を異なる角度から測定した測定データ群である。)。続いて、演算装置32は、図18に示す例のように、複数方向の測定データ群(図16に示す測定データ群と図17に示す測定データ群)を合成した合成データ群を作成する。
演算装置32は、合成データ群に対して特殊形状のフィッティングを行う。以下では、素線断面が四角形形状の場合について説明する。演算装置32は、複数の方向から測定され合成された合成データ群にラベリング処理を行い、素線断面ごとのグループに分ける。続いて、演算装置32は、グループごとに分けた各々のデータ群に対して再度円フィッティングを行い、円形形状との類似度を算出する。図18のグループ1は、円形形状との類似度が高いデータ群の一例であり、グループ2は、円形形状との類似度が低いデータ群の一例である。演算装置32は、グループ1のデータ群は円形状として扱い、グループ2のデータ群については四角形近似を行う。
具体的には、図19に示すように、断面が四角形形状のデータ群は、3つの線分S1〜S3を有する。図20に示すように、3つの線分S1〜S3のそれぞれは、ハフ変換を用いて検出される。具体的には、四角形断面のデータ群を直線のハフ変換を用いてρ−θ平面に投票すると、3つの線分S1〜S3はρ―θ平面では3つの点に写像される。ρ−θ平面上の3点を逆ハフ変換すると、3つの直線L1〜L3が算出される。線分S1〜S3は、直線L1〜L3に基づいて検出される。このとき、「3つの直線のうちの2直線がなす角度は約90度又は約0度のいずれかである」という条件をハフ変換の拘束条件としてρ―θ平面への投票を制限してもよい。また、ハフ変換にて検出された直線候補をこの条件を用いて絞り込むことでノイズ除去を行ってもよい。
演算装置32は、抽出した3つの直線から、素線の板厚と中心座標を求める。素線の板厚は、例えば、抽出した3つの直線の交点から算出できる。即ち、抽出した3つの直線の中に「平行な2つの直線」が含まれる場合は、3つの直線の交点は2つ求まる。この2つの交点間の距離が、四角形断面の素線の板厚として算出される。一方、3つの直線の中に平行な組み合わせが存在しない場合は、交点が3つ算出される。演算装置32は、3つの交点から2つの交点のペアを作成し、交点ペア間の距離を算出する。全ての交点ペア間の距離(3つ)のうち、最も短い距離を四角形断面の素線の板厚として算出する。
次に、図21を参照して四角形断面の素線の中心座標の求め方について説明する。抽出された3つの直線のうち、直線L1は、例えば、上述の「最短距離を与える交点のペア」を含む直線として抽出できる。演算装置32は、この直線L1を「コイルばねの品番データベースに登録された素線断面の半径r1」分だけ直線L1の法線方向(回転軸側)に平行移動して、平行移動直線L4を算出する。次に、直線L1の両側に配置されている直線L2と直線L3との平均直線L5を算出し、この平均直線L5と、平行移動直線L4の交点を素線断面の中心座標P1として算出する。なお、変形例1の形状測定方法は、後述する実施例2及び実施例3の形状測定装置に適用することができる。
(変形例2)
変形例1の代わりに、各々のレーザ照射角に対応づけられた測定データの「重複部分」に着目して直線近似を行い、四角形断面の素線の一辺を抽出してもよい。具体的には、まず、図22に示すように、レーザ照射方向A、Bの2方向からレーザ光を照射して、コイルばねWの四角形断面データを2回測定し、各測定データ群を合成した合成データ群を作成する。次に、2つのデータが重複する部分(2つのデータで距離が近い点)だけを抽出すると、図23に示すように、四角形断面の素線の1つの面だけが抽出され、重複部のデータはほぼ直線状に並ぶ。続いて、重複部のデータに対して直線近似を行うと、図24に示すように、四角形断面の素線の一辺として直線L6が抽出される。次いで、2つの測定データから重複部を取り除いたデータを作成し、直線L6の両側に位置する直線L7、直線L8を求める。両側の直線L7、直線L8は「直線L6との垂線」として最小2乗近似等を用いて算出できる(図25参照)。このようにして算出した直線L6〜L8を用いて、四角形断面の素線の板厚と中心座標を抽出してもよい。なお、変形例2の形状測定方法は、後述する実施例2及び実施例3の形状測定装置に適用することができる。
次に、図26を参照して実施例2の形状測定装置130について説明する。以下では、実施例1と相違する点についてのみ説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。実施例3についても同様である。本実施例の形状測定装置130は、レーザ変位計24の代わりに、非接触式変位計の一種であるパターン投影式センサ144を用いる。パターン投影式センサ144は、面光源を有する3次元のセンサであり、測定対象物に対して互いに交差する2つの方向から面状のパターン光を照射する。
具体的には、パターン投影式センサ144は、Z軸方向に間隔を空けて配置された2つの照射部146a,146bと、2つの照射部146a,146bの間に配置された受光面148と、プロセッサ(図示省略)を有する。2つの照射部146a,146bは、コイルばねWの同一部位にパターン光をそれぞれ照射する(厳密には、2つのパターン光がコイルばねWの少なくとも一部で重複するように照射する)。パターン光はストライプパターンを有する面状の光であり、パターン光の光軸(面状のパターン光の中心軸であり、図26に破線で示す)上には保持治具12,14の回転軸が位置している。パターン投影式センサ144をZ軸方向に移動させることで、コイルばねWの軸方向の全体にパターン光が照射される。
受光面148は、CMOS等の受光素子を有しており、コイルばねWからの反射光(すなわち、照射部146a,146bから照射され、コイルばねWの同一部位で反射されたパターン光)を受光する。照射部146a,146bから照射される光の光軸は、受光面148に直交する軸線に対して斜めに交差している。照射角調整装置26がパターン投影式センサ144をr−z平面内で回動させることで、受光面148と保持治具12,14の回転軸との位置関係を調整できる。すなわち、受光面148を回転軸に対して平行に配置させたり(図26参照)、非平行に配置させたりできる(図27参照)。したがって、受光面148は、コイルばねWからの反射光を、正面(軸線と直交する方向)から、また、斜め上方又は斜め下方(軸線と斜めに交差する方向)から受光できる。別言すれば、照射部146aがパターン光を斜め上方から照射すると共に照射部146bが斜め下方から照射する構成(図26参照)だけではなく、例えば、照射部146aがパターン光を上記の斜め上方よりもさらに斜め上方から照射すると共に照射部146bがパターン光を正面から照射する構成や、照射部146aがパターン光を正面から照射すると共に照射部146bがパターン光を上記の斜め下方よりもさらに斜め下方から照射する構成が可能となる。
プロセッサは、受光面148が受光した反射光を解析して、パターン光の照射部位におけるコイルばねWの3次元形状をリアルタイムで生成する。演算装置32は、駆動機構(16,18)と調整装置(20,22,26〜30)の作動状態と、パターン投影式センサ144から出力される測定結果とを関連付けて記憶し、記憶された情報からコイルばねWの形状を3次元で生成する。
次に、上述した形状測定装置130を用いたコイルばねWの形状測定の流れを説明する。実施例1の形状測定装置10と同様に、形状測定装置130も、図7に示す各工程を実施することで、コイルばねWの形状を算出する。以下では、実施例1と異なる点を説明する。
図7のステップS12における粗測定処理では、演算装置32は、パターン投影式センサ144の受光面148が保持治具12,14の回転軸に対して平行となるように照射角調整装置26を駆動する。これにより、パターン投影式センサ144が初期状態にセットされる。すなわち、粗測定処理では、パターン投影式センサ144の照射部146a及び146bは、パターン光をコイルばねWに対して斜め上方及び斜め下方からそれぞれ照射する。演算装置32は、コイルばねWのコイル径を推定すると(図8のステップS36)、胴中測定の測定範囲を決定する(ステップS38)。本実施例では、胴中測定とは、パターン光をコイルばねWに斜め上方及び斜め下方から照射して、その反射光を保持治具12,14の回転軸に直交する方向から受光する処理のことを意味する。
図7のステップS14における胴中測定処理では、パターン投影式センサ144とコイルばねWの間隔は、ステップS36で推定されたコイル径に基づいて制御される。パターン投影式センサ144の測定精度は、パターン投影式センサ144とコイルばねWとの距離によって変化するため、ステップS36で推定されるコイル径に基づいてパターン投影式センサ144のr方向の位置を調整することで、コイルばねWの形状を精度良く測定できる。このように、測定角度間隔が大きい粗測定処理を先に実施してコイル径を推定し、推定されたコイル径に基づいて、測定角度間隔が小さい胴中測定処理を実施することにより、コイルばねWの形状を効率的に、かつ、精度良く測定できる。
図7のステップS16における上端座巻部測定処理及びステップS20における下端座巻部測定処理では、演算装置32は、照射角調整装置26を駆動してパターン投影式センサ144の受光面148の傾きを調整しながら、コイルばねWの上端座巻部及び下端座巻部の表面形状をそれぞれ測定する。この処理では、受光面148が、コイルばねWからの反射光を正面から受光する測定と、斜め上方又は斜め下方から受光する測定が行われる。別言すれば、照射部146a及び照射部146bが、パターン光をコイルばねWに対して複数の方向から照射する測定が行われる。
本実施例の形状測定装置130によると、コイルばねWの座巻部の断面形状が円形状でなくても、座巻部の形状を正確に測定できる。また、断面形状が円形状とはならない座巻部の形状を測定するときだけ受光面148を複数の位置に傾けて測定するため、測定時間が長時間となることを抑制することができる。
レーザ変位計24が(z,r)の2次元データを取得するのに対し、パターン投影式センサ144は(θ,z,r)(又は(x,z,r))の3次元データを取得することができる。即ち、パターン投影式センサ144は、一回の照射で複数角度のデータを取得することができる(図28、図29参照)。このため、パターン投影式センサ144を用いることで測定角度間隔を大きくして回転ステージの駆動回数を低減させることができる。結果として測定時間をさらに短縮できる。
なお、パターン投影式センサ144に搭載されるパターン光投影装置としては、様々な種類がある。例えば、パターン光投影装置として、ラインレーザーの出力を変調しながら一次元の共振型スキャナで走査することにより格子状の光(以下、単に格子ということがある)を投影する「レーザ変調格子投影装置」を搭載したパターン投影光センサを用いてもよい。また、光源に複数のLEDを用いて、それらをスイッチングすることにより高速に格子の位相をシフトする「複数ラインLED格子投影装置」や「複数光路格子投影装置」を搭載したパターン投影光センサを用いてもよい。また、ビームスプリッタで2分割したビームを重ね合わせることで発生する干渉縞を投影する「干渉縞投影装置」を搭載したパターン投影光センサを用いてもよい。また、液晶プロジェクタにより縞パターンを投影する装置を搭載したパターン投影光センサを用いてもよい。
また、パターン投影・解析方法としては空間コード符号化法を用いてもよいし、位相シフト法を用いてもよいし、その2つを併用して高精度な解析を行ってもよい。また、縞パターンを画像解析する演算装置はパターン投影式センサに内蔵されていてもよいし、パターン投影式センサに接続されたコンピュータを演算装置として用いてもよい。また、パターン光として複数の波長の光を混合したものを投影し、それぞれの波長に対応した受光センサにより反射光を受光し、計測精度を高精度化することも考えられる。例えば、投影光として赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)を適宜混合して作られた縞パターンを投影し、RGB素子を持つカラーCCDカメラで受光し、R素子で受光した画像、G素子で受光した画像、B素子で受講した画像を組み合わせて解析し、2次元距離解析精度を向上させることも考えられる。これらの投影方式・画像解析アルゴリズムを適宜組み合わせることで、レーザ変位計よりも高精度・高速測定できるパターン投影式センサを構成できる。
なお、本実施例ではパターン投影式センサの照射部146a,146bと受光面148とをZ軸方向に沿って配置したが、照射部146a,146bと受光面148との位置関係はこれに限られない。例えば、照射部146a,146bと受光面148とを水平(即ち、Z軸と略直交する平面上)に配置する構成としてもよい。
次に、図30を参照して実施例3の形状測定装置230について説明する。本実施例の形状測定装置230は、レーザ変位計24の代わりに、波長コンフォーカル方式(クロマティック共焦点方式)を用いた光学センサ244を用いる。光学センサ244は非接触式変位計の一種であり、測定対象物に対して白色光(図30に破線で図示)を照射する。
光学センサ244は、その内部に光源246、複数のレンズ(図示省略)、コンフォーカルフィルタ(図示省略)、分光器(図示省略)を有する。光源246は、光学センサ244の軸方向(r軸方向)の一端に設けられており、他端に向かって軸方向に白色光を放射する。複数のレンズは、光学センサ244の内部に軸方向に並んで配置されている。コンフォーカルフィルタは、測定対象物(コイルばねW)からの反射光(後述)の経路上に設けられている。分光器は、反射光の進行方向においてコンフォーカルフィルタよりも後方(すなわち、コンフォーカルフィルタに関してコイルばねWが配置されている側とは反対側)に設けられている。
光源246から放射された白色光は、上記複数のレンズを通ることでレンズの色収差により複数の単色光に分解される。複数の単色光に分解された白色光は、コイルばねWの表面に照射される。白色光は、その光軸上に保持治具12,14の回転軸が位置する方向に照射される。光学センサ244をZ軸方向に移動させることで、コイルばねWの軸方向の全体に白色光が照射される。コイルばねWの表面で反射した反射光(図示省略)のうち、コイルばねWの表面で焦点が合った波長を有する単色光のみがコンフォーカルフィルタを通過し、焦点が合わなかった単色光はコンフォーカルフィルタで全て遮られる。コンフォーカルフィルタを通過した光は分光器で検出され、検出結果が演算装置32に出力される。演算装置32は、駆動機構(16,18)と調整装置(20,22,26〜30)の作動状態と、光学センサ244から出力される検出結果とを関連付けて記憶し、記憶された情報からコイルばねWの形状を生成する。
照射角調整装置26は光学センサ244をr−z平面内で回動させる。これにより、光学センサ244はコイルばねWに対して正面から、若しくは斜め上方又は斜め下方から白色光を照射できる。形状測定装置230は、図7に示す各工程を実施することで、コイルばねWの形状を算出する。すなわち、粗測定処理(ステップS12)及び胴中測定処理(ステップS14)では、光学センサ244は白色光を保持治具12,14の回転軸に直交する方向から照射する。そして、上端座巻部測定処理(ステップS16)及び下端座巻部測定処理(ステップS20)のそれぞれにおいては、光学センサ244は、白色光を回転軸に直交する方向から照射するだけではなく、回転軸に対して斜め上方及び斜め下方からも照射する。
本実施例の形状測定装置230によっても、実施例1の形状測定装置10と同様の作用効果を奏することができる。また、波長コンフォーカル方式を用いた光学センサ244を用いることにより、コイルばねWの表面が鏡面又は粗面である場合にも適切に測定できる。また、コイルばねWの表面に合焦した反射光のみから形状測定を行うため、周囲光の影響をほとんど受けることなく優れた空間解像度を得ることができる。なお、複数の波長コンフォーカル方式の点測定センサを、測定光が相互に干渉しないように間隔をおいて直線状に配置するとラインセンサとなり、面状に配置するとエリアセンサとなる。これらのラインセンサ及びエリアセンサを非接触式変位計として搭載することが可能である。また、波長コンフォーカル方式(クロマティック共焦点方式)センサは、測定光の入射角と反射角がほぼ等しくなるように設計されている。
以上、本実施例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記の実施例では、非接触変位センサは、保持治具12,14の回転軸と交差する方向に光を照射したが、光の照射方向はこれに限られない。非接触変位センサは、照射する光の光軸が回転軸と交差しない方向に光を照射してもよい。
また、上記の実施例では、測定対象となるコイルばねWは、円形断面のばね鋼線をコイリングし、座巻部のみを研磨したコイルばねであったが、測定対象となるばねは、このようなものに限られない。例えば、図4(c)に示すように、断面矩形状のばね鋼線をコイリングしたコイルばねであってもよい。この場合、座巻部以外の部位でも異形断面となるため、全ての部位でコイル軸に直交する方向からの測定(面44の測定)と、コイル軸に傾斜する方向(斜め上方)からの測定(面42の測定)と、コイル軸に傾斜する方向(斜め下方)からの測定(面46の測定)を行ってもよい。このような測定を行うことで、コイルばねの形状を精度良く測定することができる。
また、上記の実施例においては、座巻部以外の部分の素線の断面形状が円形であることを前提として、ステップS98において測定データ群を円形状にフィッティングしたが、座巻部以外の部分の素線の断面形状は円形に限られない。例えば、素線の断面形状として、楕円形、卵型、多角形などが挙げられる(例えば、素線断面が四角形のコイルばねは、断面が円形状の線材を圧延して、素線の一部の断面を四角形とし、巻き成形機により巻き成形することにより成形される)。このように、座巻部以外の部分の素線の断面形状が楕円形、卵型、多角形などの場合は、ステップS98において、それぞれ楕円形、卵型、多角形形状にフィッティング(近似)してもよい。また、それぞれの断面形状の部分形状でフィッティングを行ってもよい。例えば、四角形断面の一部に対して直線フィッティングを行ったり、卵型断面の一部に対して二次曲線でフィッティングしてもよい。
また、上述した実施例では、保持治具12,14に保持したコイルばねWに対して、z方向ガイドレール22に沿ってレーザ変位計24を移動させながら、コイルばねWの形状をレーザ変位計24で計測する。このため、保持治具12,14に対してz方向ガイドレール22が傾斜していると、z方向ガイドレール22の傾きに応じてレーザ変位計24で計測される計測結果が変化する。このため、形状が既知の校正用治具を用意し、その校正用治具を計測することで得られる測定データから校正用データを作成し、実際にコイルばねを計測して得られた計測データを、作成した校正用データを用いて補正してもよい。
例えば、図6(a)に示すように、円筒状の校正用治具50を用意し、その校正用治具を保持治具12に保持する(図では保持治具14の図示を省略)。図から明らかなように、保持治具12に対してz方向ガイドレール22は傾斜している。このため、レーザ変位計24は上方に移動するに従って、校正用治具50からの距離が長くなる。かかる状態で、レーザ変位計24をz方向ガイドレール22に沿って移動させながら、校正用治具50の形状を測定する。z方向ガイドレール22が傾斜しているため、円筒状の校正用治具50の形状は、図6(b)に示すように計測される。ここで、校正用治具50の形状は既知(すなわち、円筒形状)である。このため、校正用治具50の実際の形状と、図6(b)の測定結果とから、図6(b)に示す測定結果を図6(c)に示す測定結果とするための校正用データを作成する。そして、実際にコイルばねを計測したときの計測結果を、作成した校正用データで補正することで、コイルばねの形状を精度良く計測することが可能となる。
また、非接触式変位計の種類は上記に限られない。例えば、パルスレーザ型の3D−TOFカメラや平行光LEDを搭載した変位センサなどが用いられてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (14)

  1. コイルばねの形状を測定する形状測定方法であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように配置する配置工程と、
    配置されたコイルばねの表面形状を非接触式変位計で計測する計測工程と、を備え、
    前記計測工程では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、同一の計測部位に複数の異なる方向から光を照射して、当該計測部位の表面形状を計測し、
    コイルばねは、素線断面が円形形状である部分を有しており、
    前記計測工程では、当該円形形状である部分には、予め定められた第1方向のみから光を照射してコイルばねの表面形状を計測する、コイルばねの形状測定方法。
  2. コイルばねの形状を測定する形状測定方法であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように配置する配置工程と、
    配置されたコイルばねの表面形状を非接触式変位計で計測する計測工程と、を備え、
    前記計測工程では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、同一の計測部位に複数の異なる方向から光を照射して、当該計測部位の表面形状を計測し、
    前記計測工程では、コイルばねの両端部のうちの少なくとも一方に対してコイルばねに光を照射する方向の数は、コイルばねの前記両端部のうちの少なくとも一方以外の部分に対してコイルばねに光を照射する方向の数よりも多い、コイルばねの形状測定方法。
  3. コイルばねの形状を測定する形状測定方法であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように配置する配置工程と、
    配置されたコイルばねの表面形状を非接触式変位計で計測する計測工程と、を備え、
    前記計測工程では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、同一の計測部位に複数の異なる方向から光を照射して、当該計測部位の表面形状を計測し、
    前記計測工程では、コイルばねの少なくとも一部に対して、予め定められた第2方向から光を照射して表面形状を計測するステップと、
    前記計測するステップで取得したコイルばねの表面形状を解析してコイルばねの素線断面が円形形状であるか非円形形状であるかを判定するステップと、
    前記判定するステップでコイルばねの前記素線断面が非円形形状であると判定された場合に、コイルばねの前記少なくとも一部に対して前記複数の異なる方向から光を照射して、コイルばねの前記少なくとも一部の表面形状を計測するステップを少なくとも実行する、コイルばねの形状測定方法。
  4. コイルばねの形状を測定する形状測定方法であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように配置する配置工程と、
    配置されたコイルばねの表面形状を非接触式変位計で計測する計測工程と、を備え、
    前記計測工程では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、同一の計測部位に複数の異なる方向から光を照射して、当該計測部位の表面形状を計測し、
    前記計測工程では、コイルばねの少なくとも一部に対して、予め定められた第3方向から光を照射して表面形状を計測するステップと、
    前記計測するステップで取得したコイルばねの表面形状を解析してコイルばねの端部を特定するステップと、
    前記特定するステップで特定されたコイルばねの端部に対して、前記複数の異なる方向から光を照射してコイルばねの前記端部の表面形状を計測するステップを少なくとも実行する、コイルばねの形状測定方法。
  5. コイルばねの形状を測定する形状測定方法であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように配置する配置工程と、
    配置されたコイルばねの表面形状を非接触式変位計で計測する計測工程と、を備え、
    前記計測工程では、コイルばねの素線の少なくとも一部の表面形状を計測するときに、同一の計測部位に複数の異なる方向から光を照射して、当該計測部位の表面形状を計測し、
    前記計測工程では、
    コイルばねを前記回転軸回りに第1の角度間隔で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、コイルばねの軸方向の全体に亘って前記回転軸と直交する方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第1測定ステップと、
    コイルばねを前記回転軸回りに第1の角度間隔よりも小さい第2の回転角度で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、前記第1測定ステップの計測結果に基づいて設定されたコイルばねの軸方向の第1設定範囲に、前記回転軸と直交する方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第2測定ステップと、
    を少なくとも実行する、コイルばねの形状測定方法。
  6. 前記計測部位において、コイルばねの素線断面が非円形形状である場合、
    前記複数の異なる方向から照射される光の光軸は同一平面上に位置しており、当該平面は前記回転軸と直交しない、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコイルばねの形状測定方法。
  7. 前記複数の異なる方向は、照射される光の光軸が前記回転軸と直交する方向を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコイルばねの形状測定方法。
  8. 前記複数の異なる方向は、照射される光の光軸が前記回転軸と斜めに交差する方向を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコイルばねの形状測定方法。
  9. 校正用治具を前記回転軸上に配置して非接触式変位計で校正用治具の表面形状を計測する校正用治具計測工程と、
    校正用治具計測工程で得られた計測結果から校正用データを作成する工程と、
    作成した校正用データを用いて、計測工程で得られた計測結果を校正する校正工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のコイルばねの形状測定方法。
  10. コイルばねの形状を測定する形状測定装置であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように保持する保持治具と、
    保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測可能な非接触式変位計と、
    保持治具に保持されたコイルばねに対して非接触式変位計の位置及び光照射方向を調整する調整機構と、を備え、
    調整機構は、前記複数の異なる方向からコイルばねに光が照射されるように非接触式変位計の光照射方向を調整可能であり、
    コイルばねは、素線断面が円形形状である部分と非円形形状である部分を有しており、
    前記調整機構は、素線断面が円形形状である部分には、予め定められた第1方向のみから光が照射されるように光照射方向を調整し、
    素線断面が非円形形状である部分には、同一の計測部位に複数の異なる方向から光が照射されるように光照射方向を調整する、コイルばねの形状測定装置。
  11. コイルばねの形状を測定する形状測定装置であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように保持する保持治具と、
    保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測可能な非接触式変位計と、
    保持治具に保持されたコイルばねに対して非接触式変位計の位置及び光照射方向を調整する調整機構と、を備え、
    調整機構は、前記複数の異なる方向からコイルばねに光が照射されるように非接触式変位計の光照射方向を調整可能であり、
    前記調整機構は、コイルばねの両端部のうちの少なくとも一方に対してコイルばねに光を照射する方向の数が、コイルばねの前記両端部のうちの少なくとも一方以外の部分に対してコイルばねに光を照射する方向の数よりも多くなるように光照射方向を調整する、コイルばねの形状測定装置。
  12. コイルばねの形状を測定する形状測定装置であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように保持する保持治具と、
    保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測可能な非接触式変位計と、
    保持治具に保持されたコイルばねに対して非接触式変位計の位置及び光照射方向を調整する調整機構と、
    前記非接触式変位計及び前記調整機構を制御して、前記保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測する計測工程を実行する演算装置と、を備え、
    調整機構は、前記複数の異なる方向からコイルばねに光が照射されるように非接触式変位計の光照射方向を調整可能であり、
    前記計測工程では、
    コイルばねの少なくとも一部に対して、予め定められた第2方向から光を照射して表面形状を計測するステップと、
    前記計測するステップで取得したコイルばねの表面形状を解析してコイルばねの素線断面が円形形状であるか非円形形状であるかを判定するステップと、
    前記判定するステップでコイルばねの前記素線断面が非円形形状であると判定された場合に、コイルばねの前記少なくとも一部に対して前記複数の異なる方向から光を照射して、コイルばねの前記少なくとも一部の表面形状を計測するステップを少なくとも実行する、コイルばねの形状測定装置。
  13. コイルばねの形状を測定する形状測定装置であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように保持する保持治具と、
    保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測可能な非接触式変位計と、
    保持治具に保持されたコイルばねに対して非接触式変位計の位置及び光照射方向を調整する調整機構と、
    前記非接触式変位計及び前記調整機構を制御して、前記保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測する計測工程を実行する演算装置と、を備え、
    調整機構は、前記複数の異なる方向からコイルばねに光が照射されるように非接触式変位計の光照射方向を調整可能であり、
    前記計測工程では、
    コイルばねの少なくとも一部に対して、予め定められた第3方向から光を照射して表面形状を計測するステップと、
    前記計測するステップで取得したコイルばねの表面形状を解析してコイルばねの端部を特定するステップと、
    前記特定するステップで特定されたコイルばねの端部に対して、前記複数の異なる方向から光を照射してコイルばねの前記端部の表面形状を計測するステップを少なくとも実行する、コイルばねの形状測定装置。
  14. コイルばねの形状を測定する形状測定装置であり、
    コイルばねの両端が予め設定された回転軸上に位置すると共に、コイルばねを前記回転軸周りに回転可能となるように保持する保持治具と、
    保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測可能な非接触式変位計と、
    保持治具に保持されたコイルばねに対して非接触式変位計の位置及び光照射方向を調整する調整機構と、
    前記非接触式変位計及び前記調整機構を制御して、前記保持治具に保持されたコイルばねの表面形状を計測する計測工程を実行する演算装置と、を備え、
    調整機構は、前記複数の異なる方向からコイルばねに光が照射されるように非接触式変位計の光照射方向を調整可能であり、
    前記計測工程では、
    コイルばねを前記回転軸回りに第1の角度間隔で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、コイルばねの軸方向の全体に亘って前記回転軸と直交する方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第1測定ステップと、
    コイルばねを前記回転軸回りに第1の角度間隔よりも小さい第2の回転角度で順次回転させ、その複数の回転角のそれぞれについて、前記第1測定ステップの計測結果に基づいて設定されたコイルばねの軸方向の第1設定範囲に、前記回転軸と直交する方向から光を照射してコイルばねの表面形状を計測する第2測定ステップと、
    を少なくとも実行する、コイルばねの形状測定装置。

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