JP6655475B2 - 電力ケーブル、電力ケーブル用スペーサ部材 - Google Patents

電力ケーブル、電力ケーブル用スペーサ部材 Download PDF

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Description

本発明は、複数の電力線心が撚りわせられた電力ケーブルおよび、電力ケーブルに用いられるスペーサ部材に関する。
3本の電力線心を撚り合わせた電力線心ユニットと、この電力線心ユニットを周囲から覆う被覆体とからなる電力ケーブルが用いられている。通常、隣り合う電力線心同士の間には、ポリプロピレン紐などが集合されて介在物として用いられている。
一方、ポリプロピレン紐等ではなく、例えば押出等によって形成される介在物(以下、スペーサ部材)が用いられる場合がある(例えば、特許文献1、2、3)。このようなスペーサ部材を用いれば、隣り合う電力線心同士の間の隙間を確実に埋めることができる。また、例えば隣り合う電力線心同士の間に光ケーブルを敷設する場合においても、光ケーブルをより確実に保護することができる。
特開2007−73519号公報 特開2011−216206号公報 特開平05−166422号公報
特許文献1〜3で提案されているスペーサ部材は、隣り合う電力線心同士の間に配置される。電力ケーブルは、決められたピッチで電力線心を撚り合わせることで製造されるため、スペーサ部材も、電力線心とともに長手方向に捻じりながら配置する必要がある。また、スペーサ部材を供給するためには、スペーサ部材を予めドラム等に巻き取る必要がある。したがって、スペーサ部材は、電力線心とともに撚り合わせ易く、ドラム等に巻き取ることができる程度に、捻じりやすく曲げやすい素材である必要がある。
例えば、スペーサ部材が曲げにくい場合には、スペーサ部材を巻き取るドラム径を大きくする必要があるため、輸送コストが増加するという問題がある。また、大ドラムを用いると、設備の制約によって巻き取り量が少なくなり、ドラム交換作業やスペーサ部材の接続作業などの増加により製造性が悪化するという問題がある。
また、スペーサ部材が捻じりにくいと、電力線心とともに撚り合わせた際に、電力線心同士の間へのスペーサ部材の収まりが悪く、撚り合わせ後の形状が悪くなるという問題がある。
一方、スペーサ部材が撚り合わせられて製造された電力ケーブルには、敷設時または敷設後に、外力によって側圧がかかる。したがって、スペーサ部材には、この側圧に耐えうる程度の剛性が必要となる。
また、複雑な形状のスペーサ部材は、製造コストや材料コストが増加する。例えば、断面に空洞形状を有するスペーサ部材は、サイジング押し出しなどが必要となり、設備費用や生産性が悪化する。このため、安価に製造が可能なシンプルな形状であることが望まれる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、製造性および取扱い性に優れ、側圧に対しても潰れにくい電力ケーブルおよびこれに用いられるスペーサ部材を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、導体を絶縁体で被覆してなる電力線心を複数本撚り合わせてなる電力線心ユニットと、前記電力線心ユニットを周囲から覆う被覆体と、前記電力線心ユニットと前記被覆体との間に形成される空隙に配置されるスペーサ部材と、を具備し、前記スペーサ部材は、長手方向に沿って形成され、電力ケーブルの外周方向に開口する開口部と、前記開口部によって開口する第1の非密閉空間部と、前記電力線心を押える押さえ部とを有し、前記スペーサ部材は、前記被覆体の内面に沿って形成される一対のアーム部を具備し、前記開口部は、一対の前記アーム部の間に形成され、前記アーム部と、前記第1の非密閉空間部の外面とで第2の非密閉空間部が形成され、前記押さえ部は、前記アーム部の先端と、前記第1の非密閉空間部の外面であることを特徴とする電力ケーブルである。
前記アーム部の外面側に、前記スペーサ部材の長手方向に沿って複数の凹部を有してもよい。
前記アーム部の外面側に、前記スペーサ部材の幅方向に対して波形状を有してもよい。
記スペーサ部材が多孔質体であってもよい。
前記スペーサ部材が無機物を有してもよい。
前記第1の非密閉空間部に光ケーブルが収容されてもよい。
前記第1の非密閉空間部の外部と、前記電力線心との間に光ケーブルが収容されてもよい。
第1の発明によれば、スペーサ部材が外方に向けて開口しているため、密閉空間が形成されない。このように、スペーサ部材が密閉空間を持たない構造であるため、スペーサ部材の製造時において、サイジングダイスなどを用いた真空引き押出装置などの高価な治工具類を用いることなく、安価に製造することができる。
また、非密閉空間部には、光ケーブルや光ユニット等を収容することができるが、非密閉空間部が電力ケーブルの外方に向けて開口しているため、光ケーブル等を外側から視認することができる。このため、光ケーブル等に異常がないか認識することができる。また、洋上でのケーブルジョイントにおいて、スペーサ部材はそのままで光ケーブル等のみを容易に引き出すことができる。
また、電力ケーブルの曲げや捻じりの際には、電力ケーブルの外周部近傍において大きな変形が生じるが、スペーサ部材が外方に向けて開口していることで、開口部が変形を吸収しやすく、電力ケーブルの曲げや捻じりに追従しやすい。
また、被覆体の内面形状に沿って一対のアーム部を形成することで、電力ケーブルの側圧に対してより広い範囲で外力を受け止めることができる。また、アーム部と、第1の非密閉空間部の外面とで第2の非密閉空間部が形成されることで、前述した様に、スペーサ部材の一部に密閉空間が形成されることがない。また、アーム部の先端と、第1の非密閉空間部の外面とによって押さえ部が形成されるため、電力線心の広範囲に力を分散させて電力線心を押さえることができる。
また、アーム部の外面側にスペーサ部材の長手方向に沿って複数の凹部を形成することで、電力ケーブルの製造時においても、スペーサ部材がねじり易くなり、この効果で、スペーサ部材と電力線心とを同時に撚りあわせ易い。また、電力ケーブルの可撓性にも容易に追従可能である。
同様に、アーム部の外面側にスペーサ部材の幅方向に対して波形状を形成することで、同様の効果を得ることができる。
また、スペーサ部材が多孔質体であれば、可撓性を向上させることができる。このため、変形がより容易となり、製造時等において、取り扱いが容易となる。
また、スペーサ部材にタルクなどの無機物が添加されることで、可撓性を向上させることができ。このため、変形がより容易となり、製造時等において、取り扱いが容易となる。
また、第1の非密閉空間部に光ケーブルが収容することで、前述した様に、光ケーブルを容易に視認することができるとともに、取り出し等も容易である。
第1の非密閉空間部の外部と電力線心との間に光ケーブルを収容することで、比較的径の大きな光ケーブルであっても、収容することが可能である。
第2の発明は、電力ケーブル用のスペーサ部材であって、前記スペーサ部材は、長手方向に沿って形成される開口部と、前記開口部の両側に形成され、外面が円弧状の一対のアーム部と、前記開口部によって外部に開口する第1の非密閉空間部と、前記アーム部と、前記第1の非密閉空間部の外面とで形成される第2の非密閉空間部と、を具備し、前記アーム部の先端と、前記第1の非密閉空間部の外面によって、電力線心を押えるための押さえ部が形成されることを特徴とする電力ケーブル用スペーサ部材である。
第2の発明によれば、製造性が良好であり、電力ケーブルに対して用いた際に、電力線心と撚り合わせ易く、側圧に対しても十分な耐側圧性能を有するスペーサ部材を得ることができる。
本発明によれば、製造性および取扱い性に優れ、側圧に対しても潰れにくい電力ケーブルおよびこれに用いられるスペーサ部材を提供することができる。
電力ケーブル1を示す断面図。 スペーサ部材29の斜視図。 電力ケーブル1aを示す断面図。 スペーサ部材29aの斜視図。 スペーサ部材29bの斜視図。 スペーサ部材29の試験方法を示す概念図。 スペーサ部材29のX方向の変形を示す図。 スペーサ部材29のY方向の変形を示す図。 スペーサ部材29の捻じり変形を示す図。 スペーサ部材29の側圧試験方法を示す図。
<実施形態1>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、電力ケーブル1の長手方向に垂直な断面図である。電力ケーブル1は、主に、電力線心ユニット10と、電力線心ユニット10を周囲から覆う被覆体27等からなる。
電力線心ユニット10は、電力線心3を複数本(図では3本)撚り合わせて形成される。電力線心3は、中心から順に導体7と、導体7の外周に設けられる内部半導電層9と、内部半導電層9の外周に設けられる絶縁層11と、絶縁層11の外周に設けられる外部半導電層13と、外部半導電層13の外周に設けられる金属シース15と、金属シース15の外周に設けられる内部シース17等からなる。
また、被覆体27は、押えテープ21、鎧装23、外部シース25等から構成される。なお、電力線心3および被覆体27の構成は図示した例には限られず、図示した構成の一部が省かれていてもよく、他の構成が付加されてもよい。例えば、電力線心3は、少なくとも、導体7が絶縁体(内部半導電層9、絶縁層11、外部半導電層13を含む)で被覆されて構成されればよい。
電力線心ユニット10と被覆体27との間に形成される空隙には、スペーサ部材29が配置される。なお、スペーサ部材29は、少なくとも一か所に配置されればよいが、3本の電力線心3同士の間の3か所のそれぞれに配置することが望ましい。
隣り合う電力線心3同士と、スペーサ部材29との間の隙間には、必要に応じて光ケーブル5が配置される。なお、本発明における電力ケーブル1は、光ケーブル5を具備する光複合電力ケーブルをも含むものである。
次に、電力ケーブル用のスペーサ部材29について詳細に説明する。図2は、スペーサ部材29の斜視図である。スペーサ部材29は、長手方向に沿って開口部31が形成される。開口部31は、電力ケーブル1の外周方向に向けて開口する。スペーサ部材29は、開口部31によって開口する第1の非密閉空間部35aを有する。
非密閉空間部35aは、一対の壁部39と、一対の壁部39を繋ぐ底部41とから構成される。一対の壁部39の間が開口部31となる。なお、非密閉空間部35aは、スペーサ部材29の長手方向に垂直な任意の位置の断面において、閉空間とはならず、開口部31によって開口する。
開口部31の両側には、一対のアーム部33が設けられる。すなわち、開口部31は、一対のアーム部33の間に形成される。アーム部33は、電力ケーブル1の内部において、被覆体27の内面に沿って形成される。すなわち、一対のアーム部33の外面は、スペーサ部材29の長手方向に垂直な断面において、略一定の曲率で円弧状に形成される。
それぞれのアーム部33と、壁部39(非密閉空間部35aの外面)とで第2の非密閉空間部35bが形成される。すなわち、非密閉空間部35bは、アーム部33と、壁部39(非密閉空間部35aの外面)とで囲まれた空間に形成され、アーム部33の先端と壁部39との間の隙間によって、開口部31とは逆方向に開口する。
なお、開口部31から底部41に向かって、対向する壁部39の間隔が徐々に広がるように形成される。したがって、壁部39と底部41とのなす角度は鋭角となる。同様に、壁部39とアーム部33とのなす角度が鋭角となる。このようにすることで、例えば、スペーサ部材29が潰れる方向に力が加わると、開口部31が閉じるように変形して、壁部39の座屈やアーム部33の折れを抑制することができる。
非密閉空間部35bの開口部の両側は、内側に配置される電力線心3を押える押さえ部37a、37bが形成される。押さえ部37aは、壁部39の下端(非密閉空間部35aの外面)に形成され、押さえ部37bは、アーム部33の先端下面に形成される。このように、1本の電力線心3を、互いに離間する押さえ部37a、37bの2カ所で押さえるため、側圧が付与された際に、電力線心3への力が複数個所に分散され、一部に押圧力が集中することが抑制される。
なお、予め、スペーサ部材29を電力線心ユニット10と被覆体27の隙間よりも大きめに形成し、電力ケーブル1に収容された際には、多少の変形状態としてもよい。このようにすることで、スペーサ部材29を確実に被覆体27と電力線心3とに接触させることができる。
スペーサ部材29は、例えば樹脂製である。スペーサ部材29は、長手方向の任意の位置において、断面形状が同一である。このため、スペーサ部材29は、押出加工にて製造することができる。この際、断面において密閉空間がないため、サイジングダイなどを使用することなく容易に製造することができる。
また、スペーサ部材29を多孔質体としてもよい。スペーサ部材29を多孔質体とすることで、スペーサ部材29の可撓性を向上させることができる。このため、スペーサ部材29の変形がより容易となるため、電力ケーブル1の製造性が向上し、取り扱いが容易となる。
また、スペーサ部材29の樹脂に、タルクなどの無機物を添加してもよい。スペーサ部材29に無機物を添加することで、スペーサ部材29の可撓性を向上させることができる。このため、スペーサ部材29の変形がより容易となるため、電力ケーブル1の製造性が向上し、取り扱いが容易となる。
ここで、図1に示す電力ケーブル1では、光ケーブル5は、スペーサ部材29の底部41(非密閉空間部35aの外部)と、電力線心3との間の隙間に収容される。このようにすることで、比較的径の大きな光ケーブル5であっても、当該隙間に収容することが可能である。また、光ケーブル5が、電力ケーブル1の中心近くに配置されるため、光ケーブル5が、電力ケーブル1の曲げ等の影響を受けにくい。
これに対し、図3に示す電力ケーブル1aのように、非密閉空間部35aの内部に光ケーブル5を収容してもよい。このようにすることで、光ケーブル5を開口部31によって容易に視認することができるとともに、光ケーブル5の取り出し等も容易である。
ここで、電力ケーブル1aが変形する際には、スペーサ部材29も電力ケーブル1aとともに変形する。この際、前述した様に、開口部31が閉じる方向に変形するため、内部の光ケーブル5が開口部31から飛び出すことがない。なお、以下の説明では、電力ケーブル1について説明するが、電力ケーブル1aも同様である。
次に、スペーサ部材29の機能について説明する。スペーサ部材29は、可撓性を有し、曲げや捻じりが容易である。このため、電力ケーブル1を製造する際に、電力線心3とともに容易に撚り合わせることができる。また、製造された電力ケーブル1は可撓性を有するが、スペーサ部材29は、電力ケーブル1の可撓性に容易に追従することができる。
また、スペーサ部材29は、電力線心ユニット10と被覆体27との隙間を埋めて、電力ケーブル1の外形を保つ。この際、電力ケーブル1への側圧に対しても、スペーサ部材29は、外力を受け止めて潰れにくい。このため、電力ケーブル1の変形等を抑制することができる。
以上、本実施の形態によれば、製造性に優れ、取扱いも容易なスペーサ部材29およびこれを用いた電力ケーブル1を得ることができる。特に、スペーサ部材29は、断面において開口部31を有し、密閉空間を有さないため、スペーサ部材29の製造時において、サイジングダイスなどを用いた真空引き押出装置などの高価な治工具類を用いることなく、安価で製造することができる。
また、非密閉空間部35aには、光ケーブル5や光ユニット等を収容することができる。この場合には、非密閉空間部35aが外方に向けて開口しているため、光ケーブル5等を外側から視認することができる。このため、光ケーブル5の確認が容易であり、スペーサ部材29はそのままで光ケーブル5のみを容易に引き出すことができる。
また、電力ケーブル1の曲げや捻じりの際には、電力ケーブル1の外周部近傍において大きな変形が生じる。しかし、電力ケーブル1の外方に向けて開口部31が形成されるため、開口部31がスペーサ部材29の変形を吸収しやすく、電力ケーブル1の曲げや捻じりに容易に追従することができる。
また、被覆体27の内面形状に沿うように、円弧状に湾曲したアーム部33が設けられるため、電力ケーブル1の被覆体27に対して広い範囲で接触させることができる。すなわち、電力ケーブル1の側圧を、アーム部33の略全体で受け止めることができる。このため、側圧をスペーサ部材29の全体で受け止めることができ、局所的な潰れ等が生じにくい。
また、アーム部33の先端部は、外側が被覆体27と接触し、内側が電力線心3と接触する押さえ部37bとなる。このため、アーム部33の先端の折れ曲がりや潰れ等が抑制される。さらに、アーム部33同士の間が開口部31となるため、開口部31の間隔分だけ、容易にスペーサ部材29が変形可能である。このため、電力ケーブル1の変形に容易に追従することができる。
また、アーム部33とつながる壁部39の下端が電力線心3と接触する押さえ部37aとなる。このため、スペーサ部材29は、一対の電力線心3にまたがるように配置され、それぞれの電力線心3に対して、複数個所の押さえ部37a、37bで押さえることができる。このため、電力線心3の狭い範囲に対して局所的な応力が付与されることを抑制することができる。
<実施形態2>
次に、第2の実施形態について説明する。図4は、スペーサ部材29aを示す斜視図である。なお、以下の説明において、図1〜図3に記載した構成と同様の構成については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
スペーサ部材29aは、スペーサ部材29とほぼ同一の構成であるが、アーム部33の外面に、凹部43が形成される点で異なる。スペーサ部材29aのアーム部33の外面側には、スペーサ部材29aの長手方向に沿って複数の凹部43が設けられる。凹部43は、幅方向に所定の間隔で形成される。なお、凹部43の断面形状は特に限定されないが、例えば矩形断面でよい。
スペーサ部材29aのアーム部33は、凹部43以外の部位において、スペーサ部材29と同様の円弧状に形成される。このため、アーム部33の略全面が、被覆体27と接触する。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、アーム部33の外面に凹部43を形成することで、アーム部33の可撓性を高めることができる。このため、電力ケーブル1の製造時においても、スペーサ部材29aがねじり易くなり、スペーサ部材29aと電力線心3とを同時に撚りあわせ易い。また、電力ケーブル1の可撓性にも容易に追従可能である。
<実施形態3>
次に、第3の実施形態について説明する。図5は、スペーサ部材29bを示す斜視図である。スペーサ部材29bは、スペーサ部材29とほぼ同一の構成であるが、アーム部33の外面において、スペーサ部材29bの幅方向に対して波形状部45を有する点で異なる。すなわち、スペーサ部材29bのアーム部33は、表面が凹凸形状となる。
なお、この場合でも、スペーサ部材29bのアーム部33は、例えば波形状部45の頂部を繋ぐと、スペーサ部材29と同様の円弧状に形成される。すなわち、スペーサ部材29bのアーム部33は、円弧状の曲線を基準として、波形状部45が形成される。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、アーム部33の外面に波形状部45を形成することで、アーム部33の可撓性を高めることができる。
次に、本発明にかかるスペーサ部材について、変形のしやすさや側圧に対する潰れにくさなどを解析した。図6は、スペーサ部材29の試験方法を示す概念図である。なお、以下の図においては、スペーサ部材29の例を示すが、スペーサ部材29a、29bについても同様の方法で試験を行った。
スペーサ部材29としては、高密度ポリエチレンを想定し、ポアソン比0.3、ヤング率1.397GPaとした。長さ(図中Z方向の長さ)を300mmとし、一端は固定部47で固定した。
この状態で、アーム部の先端部に、側方から幅方向(図中X方向)に向けて1kNの力を加えて(図中矢印A)変形を解析した。図7は、この際の変形を示す概念図である。図中の点線Cは、変形前の状態を示し、実線Dは、変形後の状態を示す。X方向の外力に対して、変形前後のX方向の最大変位を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0006655475
表1において、No.1は、図2に示したスペーサ部材29であり、No.2は、図4に示したスペーサ部材29aであり、No.3は、図5に示したスペーサ部材29bである。表1から、凹部や波形状を有さないNo.1に対して、凹部を形成することで変形量が増加し、波形状とすることで、さらに変形量が増加した。このように、凹部や波形状を形成することで、X方向の可撓性をさらに向上させることができる。
同様に、非密閉空間部35aの底部41の中心部を上方から図中Y方向に1kNの力を加えて(図中矢印B)変形を解析した。図8(a)、図8(b)は、この際の変形を示す概念図であり、図8(a)は側面図、図8(b)は正面図である。図中の点線Cは、変形前の状態を示し、実線Eは、変形後の状態を示す。Y方向の外力に対して、変形前後のY方向の最大変位を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0006655475
表2において、No.1〜3は、表1と同様である。表2から、凹部や波形状を有さないNo.1に対して、凹部を形成することで変形量が増加し、波形状とすることで、さらに変形量が増加した。このように、凹部や波形状を形成することで、Y方向の可撓性をさらに向上させることができる。
また、それぞれのアーム部の先端部に捻じり方向に力を加えて変形を解析した。図9は、この際の変形を示す概念図である。F方向の捻じり変形に対して、変形前後のX方向の最大変位を求めた。なお、捻じりモーメントは、1×10Nmmとし、横弾性係数は537.31MPaとした。結果を表3に示す。
Figure 0006655475
表3において、No.1〜3は、表1と同様である。表3から、凹部や波形状を有さないNo.1に対して、凹部を形成することで変形量が増加し、波形状とすることで、さらに変形量が増加した。このように、凹部や波形状を形成することで、捻じり方向の可撓性をさらに向上させることができる。
さらに、スペーサ部材29の側圧に対する潰れ量を解析した。図10は、スペーサ部材29の側圧試験方法を示す図である。スペーサ部材29を、電力線心に見立てた部位の上方に配置し、外方から600kg/mの側圧(ケーブル側面1mに対する重量)を付与した(図中矢印G)。この際の、スペーサ部材29に生じる最大応力と、Y方向の最大変位を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0006655475
表4において、No.1〜3は、表1と同様である。表4から、凹部や波形状を有さないNo.1に対して、凹部を形成することで変形量および最大応力がわずかに増加し、波形状とすることで、さらにそれらが増加した。しかし、その差はわずかであり、凹形状や波形状によって、潰れ量には大きな差は見られなかった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a………電力ケーブル
3………電力線心
5………光ケーブル
7………導体
9………内部半導電層
10………電力線心ユニット
11………絶縁層
13………外部半導電層
15………金属シース
17………内部シース
21………押えテープ
23………鎧装
25………外部シース
27………被覆体
29、29a、29b………スペーサ部材
31………開口部
33………アーム部
35a、35b………非密閉空間部
37a、37b………押さえ部
39………壁部
41………底部
43………凹部
45………波形状部
47………固定部

Claims (8)

  1. 導体を絶縁体で被覆してなる電力線心を複数本撚り合わせてなる電力線心ユニットと、
    前記電力線心ユニットを周囲から覆う被覆体と、
    前記電力線心ユニットと前記被覆体との間に形成される空隙に配置されるスペーサ部材と、
    を具備し、
    前記スペーサ部材は、長手方向に沿って形成され、電力ケーブルの外周方向に開口する開口部と、前記開口部によって開口する第1の非密閉空間部と、前記電力線心を押える押さえ部とを有し、
    前記スペーサ部材は、前記被覆体の内面に沿って形成される一対のアーム部を具備し、
    前記開口部は、一対の前記アーム部の間に形成され、
    前記アーム部と、前記第1の非密閉空間部の外面とで第2の非密閉空間部が形成され、
    前記押さえ部は、前記アーム部の先端と、前記第1の非密閉空間部の外面であることを特徴とする電力ケーブル。
  2. 前記アーム部の外面側に、前記スペーサ部材の長手方向に沿って複数の凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブル。
  3. 前記アーム部の外面側に、前記スペーサ部材の幅方向に対して波形状を有することを特徴とする請求項1記載の電力ケーブル。
  4. 前記スペーサ部材が多孔質体であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の電力ケーブル。
  5. 前記スペーサ部材が無機物を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の電力ケーブル。
  6. 前記第1の非密閉空間部に光ケーブルが収容されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の電力ケーブル。
  7. 前記第1の非密閉空間部の外部と、前記電力線心との間に光ケーブルが収容されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の電力ケーブル。
  8. 電力ケーブル用のスペーサ部材であって、
    前記スペーサ部材は、
    長手方向に沿って形成される開口部と、
    前記開口部の両側に形成され、外面が円弧状の一対のアーム部と、
    前記開口部によって外部に開口する第1の非密閉空間部と、
    前記アーム部と、前記第1の非密閉空間部の外面とで形成される第2の非密閉空間部と、
    を具備し、
    前記アーム部の先端と、前記第1の非密閉空間部の外面によって、電力線心を押えるための押さえ部が形成されることを特徴とする電力ケーブル用スペーサ部材。
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