特許文献1の美容器具によれば、不使用時には上板と下板を二つ折りにして、コンパクトな収納姿勢にして保管し、あるいは携行できる。しかし、上板と下板を二つ折りにした状態では、美容器具の前後厚みが下板の前後厚みの2倍弱になるため、収納に要するスペースが大きくなり、あるいは携行する際に嵩張りやすい点に問題がある。
本発明の目的は、不使用時の美容器具の全厚寸法を小さくして、嵩張ることなく収納ないし携行できる、使い勝手とデザイン性に優れた美容器具を提供することにある。
本発明に係る美容器具は、本体ケース1に肌面に美容刺激を付与する肌処理ヘッド6が設けてあり、肌処理ヘッド6が本体ケース1に対して出没自在に設けてあることを特徴とする。
肌処理ヘッド6は、収納姿勢と使用姿勢の間で出没できるよう本体ケース1で支持されている。収納姿勢における肌処理ヘッド6は、本体ケース1の厚み範囲内に収容され、使用姿勢における肌処理ヘッド6は、少なくとも肌接触面44aが本体ケース1の外面から突出している。
使用姿勢における肌処理ヘッド6の背面は、本体ケース1の外面から突出している。
肌処理ヘッド6は、収納姿勢と使用姿勢の間で出没できるよう本体ケース1で支持されている。図8に示すように、使用姿勢における肌処理ヘッド6のヘッド中心軸線P1と本体ケース1のケース中心軸線Pが挟む角度θ2と、収納姿勢における肌処理ヘッド6のヘッド中心軸線P1と本体ケース1のケース中心軸線Pが挟む角度θ1を異ならせる。前者角度θ2は後者角度θ1に比べて大きく設定する。
肌処理ヘッド6は、収納姿勢と使用姿勢の間で出没できるよう本体ケース1で支持されている。図12に示すように、肌処理ヘッド6に装着した支持リンク体17の上部を本体ケース1に装着して、肌処理ヘッド6を前後傾動可能に支持する。使用姿勢における肌処理ヘッド6の肌接触面44aが後傾姿勢になるよう支持リンク体17を配置する。
本体ケース1と肌処理ヘッド6の間に、肌処理ヘッド6を出没可能に支持するヘッド支持機構16を設ける。図1に示すようにヘッド支持機構16は、本体ケース1に連結されて前後傾動する支持リンク体17と、同リンク体17を傾動操作して肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢の間で切換える操作機構18を備えている。
図4に示すように、本体ケース1の下半側にグリップ部4を設け、本体ケース1の上端とグリップ部4の間に肌処理ヘッド6を配置する。支持リンク体17の上部は本体ケース1の上端側に前後傾動可能に連結する。支持リンク体17の下部と肌処理ヘッド6を相対傾動可能に連結する。
操作機構18は、本体ケース1に沿って上下スライドする第1操作具25と、第1操作具25のスライド動作を受けて肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢の間で前後に傾動操作する第2操作具26を備えている。
第1操作具25はグリップ部4に配置されて、本体ケース1に設けたガイド構造27で上下スライド自在に案内支持されている。図4に示すように、ガイド構造27に臨む第1操作具25の外面に、第1操作具25をスライド操作する操作ノブ28を設ける。
図11に示すように支持リンク体17と、第2操作具26のそれぞれを、屈曲変形可能な弾性シート材で形成する。
肌処理ヘッド6は、収納姿勢と使用姿勢の間で出没できるよう本体ケース1で支持されている。図3に示すように本体ケース1の上部に、収納姿勢における肌処理ヘッド6を収納するヘッド収容部5を設ける。肌処理ヘッド6をヘッド収容部5に収納した状態において、肌処理ヘッド6の少なくとも左右周面と下周面をヘッド収容部5で覆うようにする。
ヘッド収容部5は無端環状の凹部、ないし本体ケース1を前後に貫通する貫通穴で形成する。
綿マットMを肌処理ヘッド6に装着するためのリング状のキャップ52を、肌処理ヘッド6に着脱可能に装着する。キャップ52は肌処理ヘッド6に装着した状態のままで、肌処理ヘッド6をヘッド収容部5に収納できる(図8参照)。
肌処理ヘッド6に、肌面に電流を供給する肌電極44を設ける。肌電極44に接続した給電リード56を、支持リンク体17に沿って配置する。
グリップ部4の内部に肌電極44に電流を供給する電源部を配置する。図7に示すように電源部から導出した給電リード56は、ヘッド収容部5を囲むケース壁の内部から導出して、中空の支持リンク体17の内部に沿って肌電極44に接続する。
使用姿勢にした肌処理ヘッド6は、前後、左右、上下の少なくとも一つの方向へ浮動できるよう、ヘッド支持機構16を構成する。
肌処理ヘッド6は、収納姿勢と使用姿勢の間で出没できるよう本体ケース1で支持されている。本体ケース1の上部に、収納姿勢における肌処理ヘッド6を収納するヘッド収容部5を、本体ケース1を前後に貫通する貫通穴で形成する。図16に示すように、ヘッド収容部5に収納した肌処理ヘッド6の背面に、肌処理ヘッド6を収納姿勢から使用姿勢に押出し操作する押出し操作部89を設ける。
肌処理ヘッド6の前部に、肌処理ヘッド6を使用姿勢から収納姿勢に押戻し操作する押戻し操作部90を設ける。
本体ケース1と肌処理ヘッド6の間に、肌処理ヘッド6を出没可能に支持するヘッド支持機構16を設ける。ヘッド支持機構16は、肌処理ヘッド6を収納姿勢および使用姿勢においてそれぞれ位置保持する節度機構を備えている。本体ケース1と肌処理ヘッド6の間、ないし本体ケース1とヘッド支持機構16の間に、肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって移動付勢する付勢手段77を設ける。
肌処理ヘッド6は、収納姿勢と使用姿勢の間で出没できるよう本体ケース1で支持されている。本体ケース1の上部に、収納姿勢における肌処理ヘッド6を収納するヘッド収容部5を凹み形成する。図20に示すようにヘッド支持機構16は、テレスコピック構造の弾性支持体101で構成し、その前端に肌処理ヘッド6を固定する。弾性支持体101は、肌処理ヘッド6が本体ケース1の前方へ突出する多段筒状の使用姿勢と、肌処理ヘッド6がヘッド収容部5に収納される多重リング状の収納姿勢に変形可能である。弾性支持体101は、自己の弾性で肌処理ヘッド6を使用姿勢および収納姿勢に位置保持する。
使用姿勢における弾性支持体101は、多段筒状に連続する段筒壁98で構成する。弾性支持体101の周囲の一部が外力を受けて多重リング状の収納姿勢に変形操作された状態において、外力が開放されるのと同時に、弾性支持体101が多段筒状の使用姿勢に自己復帰できるように段筒壁98を構成する。
肌処理ヘッド6に、肌面に電流を供給する肌電極44を設けて、本体ケース1に設けた電源部と肌電極44を、給電リード56を介して接続する。多段筒状の使用姿勢に変形操作された弾性支持体101の突出端に、肌処理ヘッド6を装着するための装着壁100を設ける。給電リード56は装着壁100を貫通して肌電極44に接続する。装着壁100が給電リード56のシール体63を兼ねている。
弾性支持体101を多段筒状の使用姿勢にした状態において、肌処理ヘッド6は後傾している(図21、図22、図23参照)。
図21に示すように弾性支持体101の下半側の段筒壁98の前後寸法は、上半側の段筒壁98の前後寸法より大きく設定する。弾性支持体101を使用姿勢にした状態において、肌処理ヘッド6を弾性支持体101で後傾姿勢に保持する。
弾性支持体101を多重リング状の収納姿勢に変形操作した状態において、本体ケース1に装着した弾性支持体101の全体が後傾している。弾性支持体101を使用姿勢にした状態において、肌処理ヘッド6を弾性支持体101で後傾姿勢に保持する。
不使用時の本体ケース1を支持する充電スタンド2を備えている。本体ケース1と充電スタンド2の間には、本体ケース1の内部に設けた2次電池13を充電する非接触充電装置を設ける。図2に示すように充電スタンド2には、本体ケース1のヘッド収容部5と係合して、不使用時の本体ケース1を充電姿勢に支持するケース支持部67を設ける。
本発明に係る美容器具においては、肌処理ヘッド6を本体ケース1に対して出没自在に設けるようにした。こうした美容器具によれば、肌処理ヘッド6を本体ケース1から突出させて的確に美容処理を行えるうえ、不使用時には肌処理ヘッド6を本体ケース1側へ没入させて、美容器具の全厚寸法を充分に小さくできる。従って、美容器具を嵩張ることなく収納し、あるいはコンパクトな状態で携行することができる。
収納姿勢における肌処理ヘッド6が、本体ケース1の厚み範囲内に収容されるようにした美容器具によれば、不使用時に肌処理ヘッド6の一部が本体ケース1の外郭線の外へ出っ張るのを避けて、不使用時の美容器具の全厚寸法を本体ケース1の厚みと同じにできる。従って、収納時あるいは携行時に美容器具が占める空間を小さくして、収納しやすく携行しやすい美容器具を提供できる。また、肌処理ヘッド6を収納姿勢にした状態では、肌処理ヘッド6の全体が本体ケース1の外郭線内に収まるので、外観をシンプルですっきりとしたものにしてデザイン性を向上できる。さらに、使用姿勢においては、肌処理ヘッド6の少なくとも肌接触面44aを本体ケース1の外面に突出させるので、肌処理ヘッド6による美容処理を適確に、しかも簡便に行って美容器具の使い勝手を向上できる。
使用姿勢において、肌処理ヘッド6の背面を本体ケース1の外面から突出させると、肌処理ヘッド6の全体を本体ケース1の外へ突出させて、その肌接触面44aが本体ケース1から大きく突出する状態で美容処理を行うことができる。従って、美容処理を行う際に本体ケース1の一部が肌面に接触するのを避けて、肌処理ヘッド6による美容処理をさらに適確に行うことができる。
肌処理ヘッド6のヘッド中心軸線P1と本体ケース1のケース中心軸線Pが挟む角度に関して、使用姿勢時の角度θ2を収納姿勢時の角度θ1より大きく設定すると、各姿勢の角度差に相当する分だけ肌処理ヘッド6を本体ケース1から大きく突出させて、美容処理をさらに適確に行うことができる。
肌処理ヘッド6に装着した支持リンク体17を本体ケース1で前後傾動可能に支持し、使用姿勢において肌接触面44aを後傾させると、肌接触面44aを肌面にあてがった状態において、本体ケース1のグリップ部4を肌面から遠ざけることができる。従って、美容処理を行いたい肌面に肌接触面44aを接触させて、美容処理を適確かつ簡便に行うことができる。
前後傾動する支持リンク体17および、同リンク体17を傾動操作する操作機構18を
備えたヘッド支持機構16を設け、同機構16で肌処理ヘッド6を出没させる美容器具によれば、操作機構18を操作することで肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢に切換えることができる。また、収納姿勢あるいは使用姿勢に切換わった肌処理ヘッド6をヘッド支持機構16で位置保持して、肌処理ヘッド6の姿勢が不用意に切換るのを防止できる。
本体ケース1の上端とグリップ部4の間に肌処理ヘッド6を配置し、支持リンク体17の上部を本体ケース1の上端側に前後傾動可能に連結すると、使用姿勢における肌処理ヘッド6をグリップ部4から離れる向きに傾動させることができる。従って、美容処理を行う際に本体ケース1の一部や、グリップ部4を握る手などが肌面に接触するのを避けて、肌処理ヘッド6による美容処理をさらに適確に行うことができる。また、支持リンク体17の下部と肌処理ヘッド6を相対傾動可能に連結すると、使用姿勢における支持リンク体17の傾動姿勢と肌処理ヘッド6の傾動姿勢が異なる状態で、肌処理ヘッド6を美容処理に適した傾動姿勢に保持して、より効果的に美容処理を行える。
上下スライドする第1操作具25と、肌処理ヘッド6を前後に傾動操作する第2操作具26を備えた操作機構18によれば、使用姿勢にした肌処理ヘッド6の上下を支持リンク体17と第2操作具26で確りと安定した状態で支持して、さらに的確に美容処理を行える。
グリップ部4に配置した第1操作具25の外面に操作ノブ28を設けると、グリップ部4を片手で握った状態のままで操作ノブ28を上下スライド操作して、第1操作具25を使用姿勢あるいは収納姿勢に切換えることができるので、美容器具の使い勝手を向上できる。
支持リンク体17と、第2操作具26のそれぞれを、屈曲変形可能な弾性シート材で形成すると、ヘッド支持機構16の構造の簡素化と軽量化を同時に実現して、美容器具の製造に要するコストを削減できる。例えば、支持リンク体17や第2操作具26がプラスチック成形品で構成してある場合には、これら両者17・26を本体ケース1や肌処理ヘッド6に連結するためのピンやブラケットが不可欠になるが、こうした連結部品や連結構造を省略してヘッド支持機構16の構造を大幅に簡素化できる。
本体ケース1の上部にヘッド収容部5を設け、同収容部5に肌処理ヘッド6を収納した状態において、肌処理ヘッド6の少なくとも左右周面と下周面をヘッド収容部5で覆うと、収納時あるいは携行時の肌処理ヘッド6をヘッド収容部5の周囲壁で保護できる。従って、収納時あるいは携行時に他物が肌処理ヘッド6に接当するのを防止して、肌接触面44aの傷付きや変形を確実に防止できる。
ヘッド収容部5を無端環状の凹部、あるいは貫通穴で形成すると、肌処理ヘッド6の周囲の全体をヘッド収容部5の周囲壁で覆って、収納時あるいは携行時の肌処理ヘッド6をさらに確実に保護できる。
キャップ52を肌処理ヘッド6に装着した状態のままで、肌処理ヘッド6をヘッド収容部5に収納できるようにすると、キャップ52を本体ケース1とともに確実に収納保管して紛失を防止でき、さらにキャップ52を別途保管する場合に避けられない探す手間を省くことができる。また、肌処理ヘッド6が収納姿勢に切換えられた状態において、肌処理ヘッド6に装着したキャップ52を、ヘッド収容部5で保護できる。
肌電極44に接続した給電リード56を、支持リンク体17に沿って配置すると、肌処理ヘッド6が収納姿勢と使用姿勢に切換えられるとき、給電リード56を支持リンク体17に同行して前後傾動させることができる。従って、肌処理ヘッド6の姿勢が切換わる際に、給電リード56の屈曲部分に異常な張力が作用するのを解消して、給電リード56が疲労破壊して断線し、あるいは短絡するのを長期にわたって防止できる。
電源部から導出した給電リード56を、ヘッド収容部5を囲むケース壁の内部から導出し、さらに中空の支持リンク体17の内部に沿って肌電極44に接続すると、給電リード56の屈曲部分に異常な張力が作用するのを解消しながら、給電リード56の周囲を支持リンク体17で覆って保護できる。また、美容器具の外観が各給電リード56によって損なわれることもない。
肌処理ヘッド6を支持するヘッド支持機構16が、前後、左右、上下の少なくとも一つの方向へ浮動できるように構成してあると、美容処理を行う場合に肌反力を受けた肌電極44を浮動方向へ変位させて、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものにできるので、優しく美容処理を行うことができる。
肌処理ヘッド6の背面に押出し操作部89を設け、同操作部89をヘッド収容部5の後面側から操作して肌処理ヘッド6を収納姿勢から使用姿勢に切換える美容器具によれば、肌処理ヘッド6の支持構造を著しく簡素化して、製造に要するコストを削減できる。また、肌処理ヘッド6を前後方向へ移動操作するだけで、その姿勢を収納姿勢と使用姿勢に切換えることができるので、肌処理ヘッド6の姿勢切換えを簡便化できる。
肌処理ヘッド6の前部に押戻し操作部90を設け、同操作部90を操作して肌処理ヘッド6を使用姿勢から収納姿勢に切換える美容器具によれば、押戻し操作部90をヘッド収容部5へ向かって押し込み操作するだけで、肌処理ヘッド6を確実に収納姿勢に切換えることができる。また、肌電極44やキャップ装着部53などの肌処理ヘッド6の前部構造を押戻し操作部90として利用する場合には、肌処理ヘッド6の構造がいたずらに複雑になるのを避けて、美容器具の製造に要するコストを削減できる。
ヘッド支持機構16に節度機構を設けて、肌処理ヘッド6を収納姿勢および使用姿勢においてそれぞれ位置保持できるようにすると、ユーザーの明確な意図がない限りは、肌処理ヘッド6が収納姿勢に復帰し、あるいは使用姿勢に切換るのを確実に防止できる。また、肌処理ヘッド6を付勢手段77で使用姿勢に向かって移動付勢すると、美容処理を行う際に、肌電極44に押し付け反力が作用して肌処理ヘッド6を後向きに浮動させることができるので、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができる。
ヘッド支持機構16をテレスコピック構造の弾性支持体101で構成し、その前端に肌処理ヘッド6を固定する美容器具によれば、処理ヘッド6を前後に移動操作することで、肌処理ヘッド6を使用姿勢と収納姿勢に切換えることができる。詳しくは、収納姿勢において肌処理ヘッド6を本体ケース1の前方へ移動させると、弾性支持体101は多段筒状に変形して肌処理ヘッド6を使用姿勢に切換え、その姿勢を保持できる。また、使用姿勢において肌処理ヘッド6を本体ケース1の後方へ移動させると、弾性支持体101は多重リング状に変形して肌処理ヘッド6を収納姿勢に切換え、その位置を保持する。従って、リンク構造やレバー構造を変位要素とするヘッド支持機構16に比べて、ヘッド支持機構16の構造を著しく簡素化して美容器具の製造に要するコストを削減できる。また、多段筒状に変形した弾性支持体101は、肌電極44を肌面に押し付けて美容処理を行うとき、肌電極44に押し付け反力が作用して肌処理ヘッド6が後向きに浮動し、あるいは左右、上下に傾動しながら浮動する。従って、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができる。
テレスコピック構造の弾性支持体101は、弾性支持体101の周囲の一部が外力を受けて多重リング状の収納姿勢に変形操作された状態になることがある。こうした場合に、外力が開放されるのと同時に、弾性支持体101が多段筒状の使用姿勢に自己復帰できるように段筒壁98を構成しておくと、外力を受けた弾性支持体101が不用意に収納姿勢に切換ってしまうのを防止できる。つまり、ユーザーの明確な意図がない限りは弾性支持体101を収納姿勢に戻すことができないので、その一部が多重リング状に変形したとしても、速やかに使用姿勢に復帰させて、肌処理ヘッド6による美容処理を円滑に行える。
弾性支持体101の突出端に肌処理ヘッド6用の装着壁100を設け、給電リード56が装着壁100を貫通して肌電極44に接続してある美容器具において、装着壁100が給電リード56のシール体63を兼ねるようにすると、別途シール構造を設ける場合に比べて、美容器具の製造に要するコストを削減できる。
弾性支持体101を使用姿勢に切換えた状態において、肌処理ヘッド6を後傾させるようにすると、肌接触面44aを肌面にあてがった状態において、本体ケース1のグリップ部4を肌面から遠ざけることができる。従って、美容処理を行いたい肌面に肌接触面44aを接触させて、美容処理を適確かつ簡便に行うことができる。
弾性支持体101の下半側の段筒壁98の前後寸法を、上半側の段筒壁98の前後寸法より大きく設定した弾性支持体101によれば、弾性支持体101を多段筒状に突出させて使用姿勢にするだけで、肌処理ヘッド6を後傾姿勢に保持し、肌電極44の肌当りを好適化できる。
弾性支持体101を多重リング状の収納姿勢に変形操作した状態において、弾性支持体101の全体を本体ケース1に対して後傾する状態で装着すると、肌処理ヘッド6を収納姿勢および使用姿勢のいずれの姿勢においても後傾姿勢に保持できる。そのため、ユーザーは、弾性支持体101を多段筒状に変形させ、あるいは多重リング状に変形させるだけの簡単な操作で、肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢に切換えることができる。
充電スタンド2に設けたケース支持部67にヘッド収容部5を係合して、不使用時の本体ケース1を充電姿勢に支持し、本体ケース1と充電スタンド2の間に非接触充電装置を設けるようにした。こうした充電スタンド2によれば、不使用時の本体ケース1をケース支持部67に掛止して非接触充電装置を作動させることにより、本体ケース1の内部に設けた2次電池13を充電することができる。また、非接触状態で2次電池13を自動的に充電できるので、2次電池13を本体ケース1に対して着脱する手間や、充電器にセットする手間を省いて、2次電池13の充電を手軽に行うことができる。
(実施例1) 図1ないし図8は、本発明に係る美容器具の実施例1を示す。本発明において、前後、左右、上下とは図1および図3に示す交差矢印と、交差矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従うものとする。図2において、符号1は美容器具の本体ケース、2は充電スタンドである。図3に示すように本体ケース1は、扁平で上下に長い楕円状のケース体からなり、上下中途部のくびれ部3を含む本体ケース1の下半側にグリップ部4を有し、本体ケース1の上端とグリップ部4の間にヘッド収容部5を設けて、その内部に肌処理ヘッド6が配置してある。ヘッド収容部5は、下半側が半円形で上半側が台形ドーム形に形成された前後貫通状の空間からなり、無端環状の周囲壁のうち下半側の内面に沿って肌処理ヘッド6が配置してある。この実施例における本体ケース1の上下高さは146mm、左右幅は52mm、前後厚みは12mmとした。
グリップ部4の前面には、電源ボタン7と、運転モードを切換えるモードボタン8と、電圧強度を切換える切換えボタン9と、運転モードの違いに応じて点灯される3個のモード表示灯(LED)10などが配置してある。また、グリップ部4の左右両側にはグリップ電極11が露出させてある。図7に示すように、本体ケース1は、前ケース1aと後ケース1bを蓋合わせ状に接合して中空ケースとして構成してあり、その内部に制御基板12と電源部を構成する2次電池(電池パック)13などが配置してある。
肌処理ヘッド6を本体ケース1に対して出没自在に支持するために、本体ケース1と肌処理ヘッド6の間にヘッド支持機構16を設けている。ヘッド支持機構16は、本体ケース1で前後傾動可能に支持した支持リンク体17と、同リンク体17を傾動操作して肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢に切換える操作機構18を備えている。詳しくは、図5および図7に示すように、支持リンク体17は中空パネル状に形成されて、その上部の左右2個所が、ヘッド収容部5の内面上部に設けたブラケット19にリンクピン20で連結してある。また、支持リンク体17の下部の左右2個所が、肌処理ヘッド6の後面上部に設けたブラケット21にリンクピン22で連結されている。このように、支持リンク体17と肌処理ヘッド6をリンクピン22で連結することにより、支持リンク体17と肌処理ヘッド6は相対傾動できる。
図1および図4に示すように、操作機構18は、本体ケース1の後面に沿って上下スライドする縦に長い長方形状の第1操作具25と、第1操作具25のスライド動作を受けて肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢に前後傾動させる第2操作具26を備えている。図4に示すように、第1操作具25はグリップ部4の背面に配置されて、本体ケース1に設けたガイド溝(ガイド構造)27で上下スライド自在に案内支持されており、ガイド溝27に臨む第1操作具25の外面に、第1操作具25をスライド操作するボタン状の操作ノブ28が設けてある。第2操作具26は、上部に2個の連結腕29を備えたY字形の板状体からなり、その下端が第1操作具25の上端にピン30で連結され、一対の連結腕29の上端が肌処理ヘッド6の後面下部に設けたブラケット31にリンクピン32で連結されている。使用姿勢において肌処理ヘッド6を後傾させるために、第2操作具26の長さは、支持リンク体17の長さに比べて大きく設定してある。
肌処理ヘッド6がヘッド収容部5内に収容される収納姿勢においては、肌処理ヘッド6の全体がヘッド収容部5の厚み範囲内に収まっている(図8(a)参照)。また、操作ノブ28はガイド溝27の下端に位置しており、第1操作具25、第2操作具26、および支持リンク体17は、いずれも垂直姿勢になっている。このとき、肌処理ヘッド6の後端面が支持リンク体17および第2操作具26の直線壁に接当しているので、肌処理ヘッド6が後側へ移動することはなく、前側への移動のみが可能な状態になっている。
上記の状態から操作ノブ28をガイド溝27に沿って押し上げて、第2操作具26を突き出し操作すると、肌処理ヘッド6の下半側が徐々に前側へ押し出され、肌処理ヘッド6の移動に追随して支持リンク体17が前向きに傾動する。そして、操作ノブ28をガイド溝27の上端まで押し上げた状態では、第2操作具26の全体がヘッド収容部5内へ突き出されて前傾し、逆に支持リンク体17は後傾して、肌処理ヘッド6を後傾する使用姿勢に保持している。このとき、支持リンク体17の傾動先端と、第2操作具26の傾動先端に設けた受座17a・26aが肌処理ヘッド6の後端面に面接触状に接当して、肌処理ヘッド6が肌反力を受けてぐら付くのを防いでいる(図8(b)参照)。なお、第2操作具26の出入りを円滑化するために、ヘッド収容部5の下面中央には逃げ凹部33が形成してある。
肌処理ヘッド6を収納姿勢および使用姿勢においてそれぞれ位置保持するために、操作機構18に節度機構を設けている。図6に示すように節度機構は、第1操作具25の左右両側に張出した弾性変形可能なクリック腕36と、クリック腕36のスライド軌跡に臨んで後ケース1bの内面に設けた一対のクリックリブ(クリック突起)37を備えている。クリック腕36は逆L字状に形成されており、その下端にクリックリブ37の対向面に沿って摺動する爪片38が設けてある。クリックリブ37の対向面には山形の摺動面39が形成してあり、摺動面39の頂部が丸められてデッドポイント40になっている。操作ノブ28がガイド溝27の下端に位置している状態(収納姿勢)では、想像線で示すように爪片38がデッドポイント40より下側の傾斜面に接当しており、操作ノブ28がガイド溝27の上端に位置している状態(使用姿勢)では、実線で示すように爪片38がデッドポイント40より上側の傾斜面の上部に接当している。クリック腕36は常に弾性変形しており、デッドポイント40を乗り越える場合に最も大きな弾性変形が発生する。
本体ケース1とヘッド支持機構16の間に設けた節度機構は、肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって移動付勢する付勢手段77を兼ねている。肌処理ヘッド6が使用姿勢に切換えられた状態においては、爪片38がデッドポイント40より上側の傾斜面の上部に接当している。この状態で肌処理ヘッド6が肌面に押し付けられると、第2操作具26および第1操作具25に肌反力が作用するため、クリック腕36は第1操作具25に同行して下降移動する。これに伴い、一対の爪片38はV字状に傾斜している左右の摺動面39に沿ってデッドポイント40側へ向かって摺動するので、クリック腕36に作用する弾性変形力が大きくなり肌反力と均衡した状態で、第1操作具25の下降が停止する。実際には、肌反力は一定ではなく連続して変化するため、第1操作具25は肌反力の変化に応じて上下動し、肌反力が作用しなくなると、爪片38がデッドポイント40より上側の傾斜面の上部に復帰するまで第1操作具25が上昇して、肌処理ヘッド6を使用姿勢に保持する。つまり、節度機構のクリック腕36とクリックリブ37は、肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって移動付勢する付勢手段77と同じ機能を発揮する。因みに、肌処理ヘッド6が肌面に必要以上に強く押し付けられる場合には、爪片38がデッドポイント40を乗り越えて下降することがある。その場合には、肌処理ヘッド6が収納姿勢に切換り、パチンと叩打音が生じるので、肌処理ヘッド6を押し付けすぎていることをユーザーに認識させることができる。
肌処理ヘッド6の詳細構造を図7に基づき説明する。肌処理ヘッド6はリング状の電極ホルダー43を基体にして、その内部に肌電極44とヒーターホルダー45を組み付け、肌電極44とヒーターホルダー45の間に、ゴムリング46とリング状のヒーター47を配置している。また、ヒーターホルダー45の内面に電極端子48を設け、この端子48と肌電極44を導通ばね49で電気的に接続している。肌電極44の内端周縁の座部50は、ヒーターホルダー45で押し付けられてOリング51に密着している。図1に示すように、ヒーターホルダー45の外周面には、キャップ52を装着するためのキャップ装着部53が張り出してあり、綿マットMを肌電極44にあてがった状態でキャップ52をキャップ装着部53に圧嵌装着することにより、綿マットMを肌電極44に固定保持できる。肌電極44はチタン板材を素材とする丸キャップ状の成形品からなり、肌面に電流を供給し、あるいはヒーター47で加熱されて肌面に温熱刺激を付与する。
制御基板12には電流を供給する電源部(図示していない)が配置されており、肌電極44およびグリップ電極11とヒーター47が、電源部に対して給電リード56〜59を介して接続してある。これらの給電リードのうち、肌電極44用の給電リード56と、ヒーター47用の給電リード58・59の3者は、図5および図7に示すように、ヘッド収容部5を囲むケース壁の内部から導出されたのち、中空の支持リンク体17の内部に沿って配線され、さらにヒーターホルダー45の内面に引き込まれて、電極端子48、およびヒーター端子に接続してある。また、電源部から導出したグリップ電極11用の給電リード57は、本体ケース1の内面においてグリップ電極11に接続してある。防水のために、ヘッド収容部5を囲むケース壁の導出口60と、ヒーターホルダー45の導入口61には、それぞれシールゴム62・63が装着されて、給電リード56・58・59をシールしている。
上記のように、ヘッド収容部5を囲むケース壁から導出した給電リード56・58・59を、中空の支持リンク体17の内部に沿って配線すると、肌処理ヘッド6が収納姿勢と使用姿勢の間で切換えられる場合に、各給電リード56・58・59に張力が作用するのを防止できる。従って、各給電リード56・58・59が疲労破壊して断線し、あるいは短絡するのを防止できる。また、各給電リード56・58・59を中空の支持リンク体17で覆って保護できるので、美容器具の外観が各給電リード56・58・59によって損なわれることもない。
図2において充電スタンド2は、不使用状態の美容器具を後傾姿勢で支持するスタンド本体66を備えており、本体ケース1と充電スタンド2の間に設けた非接触充電装置で、本体ケース1内の2次電池13を充電できる。スタンド本体66の前面の上部には、左右一対の丸軸状のケース支持部67が設けてあり、ヘッド収容部5の上部内面をケース支持部67に掛止することより、不使用時の本体ケース1を充電姿勢に支持することができる。非接触充電装置は、スタンド本体66の内部に設けた充電装置68と、本体ケース1の内部に設けた受電装置69で構成してある。充電装置68は、商用電源の電流を高周波電流に変換する発振回路と、高周波電流を受けて誘導磁界を発生する共振回路などを備えており、共振回路の1次コイルから誘導磁界を発振する。受電装置69は、2次コイルを備えた共振回路と、整流回路などを備えており、1次コイルと2次コイルの間の電磁誘導作用で、充電装置68から受電装置69へ充電電力を伝送して2次電池13を充電できる。スタンド本体66には電源スイッチ(図示していない)が設けてあり、同スイッチをオフ操作すると充電装置68の作動を停止できる。
美容器具を使用するときは、肌処理ヘッド6を使用姿勢に切換えてヘッド収容部5の前側へ突出させ、電源ボタン7をオン操作したのち、モードボタン8を押込み操作して第1から第3の運転モードのいずれかを選択する。制御基板12に実装された制御回路は、各運転モードに対応して各機器の作動状態を制御する。また、必要に応じて、微弱なパルス電流をグリップ電極11および肌電極44に出力し、あるいはその極性を切換える。パルス電流を両電極11・44に供給する状態では、切換えボタン9を押すごとに電圧強度を切換えて、電流の刺激度合を調整することができる。美容器具の使用時には、必要に応じて化粧水などの美容用液が含浸された綿マットMを肌電極44の外面にあてがって、その周囲をキャップ装着部53に圧嵌装着されるキャップ52で固定した状態で使用する。
第1運転モードでは、美容用液が含浸された綿マットMを肌電極44に装着して、顔肌のしわ、ひだ、毛穴などに入込んでいる微細な汚れを落とすイオン導出処理を行う。このとき、ヒーター47が駆動されて肌電極44を加熱し、肌電極44にプラス極性のパルス電流が供給される。第1運転モードを開始してから所定時間が経過すると、パルス電流の供給およびヒーター47の駆動が停止されて第1運転モードを終了する。第2運転モードでは、第1運転モードと同様に、化粧水が含浸された綿マットMを肌電極44に装着して、イオン導入処理を行う。このとき、ヒーター47が駆動されて肌電極44を加熱し、肌電極44にマイナス極性のパルス電流が供給される。第2運転モードを開始してから所定時間が経過すると、パルス電流の供給およびヒーター47の駆動が停止されて第2運転モードを終了する。第2運転モードでは、化粧水が含浸された綿マットMを使用せずに、粘性の高いジェル状の化粧水や、乳液などの美容用液を肌電極44に塗付して使用することもある。
第3運転モードでは、化粧水が含浸された綿マットMを肌電極44に装着し、肌電極44にプラス極性のパルス電流とマイナス極性のパルス電流を交互に供給して美容処理を行う。また、顔肌をシートマスクで覆った状態、あるいは乳液を顔肌に塗付した状態で美容処理を行う。第3運転モードを開始してから所定時間が経過すると、パルス電流の供給が停止されて第3運転モードを終了する。
先に説明したように、美容器具を使用するときは、操作ノブ28をガイド溝27に沿って押し上げ操作し、肌処理ヘッド6を使用姿勢に切換えて、肌電極44の肌接触面44aを図8(b)に示すように後傾させる。この状態の肌処理ヘッド6のヘッド中心軸線P1と本体ケース1のケース中心軸線Pが挟む角度θ2は、収納姿勢における肌処理ヘッド6のヘッド中心軸線P1と本体ケース1のケース中心軸線Pが挟む角度θ1に比べて大きく設定してあり、この実施例では後者角度θ1が90度であるとき、前者角度θ2を110度とした。このように、使用姿勢における肌処理ヘッド6をヘッド収容部5の前方へ突出させ、さらに後傾させると、肌接触面44aを通る仮想平面Qを本体ケース1の上部外郭線より前側に位置させることができるので、美容処理時にヘッド収容部5の周囲壁や本体ケース1が肌面に接触するのを防止して美容器具の使い勝手を向上できる。
また、美容処理が終了した後は、操作ノブ28をガイド溝27に沿って押し下げ操作し、肌処理ヘッド6を収納姿勢に切換えることにより、肌処理ヘッド6の全体をヘッド収容部5の内部に収容し、本体ケース1の前後厚み範囲内に収容できる。従って、収納時あるいは携行時に美容器具が占める空間を小さくして、嵩張ることなく収納し、あるいは携行しやすい美容器具を提供できる。また、肌処理ヘッド6を収納姿勢にした状態では、肌処理ヘッド6の全体が本体ケース1の外郭線内に収まるので、外観をシンプルですっきりとしたものにしてデザイン性を向上できる。さらに、使用姿勢においては、肌処理ヘッド6の全体を本体ケース1の外面に突出させるので、肌処理ヘッド6による美容処理を適確に、しかも簡便に行って美容器具の使い勝手を向上できる。加えて、肌処理ヘッド6を収納姿勢に切換えた状態の美容器具を携行する場合には、シェル構造の眼鏡ケース状の携行ケース68(図8(a)参照)に美容器具を収納することにより、肌電極44および肌接触面44aを保護した状態で携行できる。
ヘッド収容部5の内面は、肌処理ヘッド6を余裕のある状態で収納できる大きさに形成してある。そのため、図3および図8(a)に想像線で示すように、綿マットMを装着するためのキャップ52を、肌処理ヘッド6のキャップ装着部53に装着した状態のままでヘッド収容部5に収納することができる。この状態のキャップ52は、肌処理ヘッド6と共に本体ケース1の前後厚みの範囲内に収まっている。従って、キャップ52を本体ケース1とともに確実に収納保管して紛失を防止でき、さらにキャップ52を別途保管する場合に避けられない探す手間を省ける。また、肌処理ヘッド6が収納姿勢に切換えられた状態において、肌処理ヘッド6に装着したキャップ52を、ヘッド収容部5で保護できる。
(実施例2) 図9ないし図11は本発明に係る美容器具の実施例2を示す。そこでは、実施例1と同様に肌処理ヘッド6をヘッド支持機構16で支持して、肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢に切換え操作するが、支持リンク体17および操作機構18を変更する点が実施例1と異なる。詳しくは、支持リンク体17と第2操作具26を屈曲変形可能な1枚の弾性シート材で形成して、ヘッド支持機構16の構造の簡素化と、美容器具の軽量化を実現した。支持リンク体17はV字状に形成してあり、V字腕の上端に断面がコ字状の装着部72を設け、この装着部72をヘッド収容部5の周囲壁を構成する前ケース1aと後ケース1bの接合部の間に挟持固定した。また、連続する支持リンク体17と第2操作具26の隣接部分を、ヒーターホルダー45の後面に締結したハット形の固定具73で固定し、第2操作具26の下端を第1操作具25の上端に挟持固定した。符号74は固定具73を締結するビスである。支持リンク体17および第2操作具26の形成素材としては、ポリプロピレンやポリアミド樹脂を適用でき、その厚みは0.3〜0.5mmが好適である。
実施例2の美容器具においては、給電リード56・58・59の配線形態も一部変更した。図10に示すように、肌電極44用の給電リード56を、ヘッド収容部5を囲む左右のケース壁の一方に沿って配線し、ヘッド収容部5の上部から導出した給電リード56を、一方のV字腕の前面に沿って配置し、ヒーターホルダー45の内面へ引き込むようにした。また、ヒーター47用の給電リード58・59を、ヘッド収容部5を囲む左右のケース壁の残る一方に沿って配線し、ヘッド収容部5の上部から導出した給電リード58・59を、他方のV字腕の前面に沿って配置し、ヒーターホルダー45の内面へ引き込むようにした。図示していないが、各給電リード56・58・59は、V字腕に溶着した保護シートで覆われている。他は実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。実施例2以下の各実施例においても同じとする。
肌処理ヘッド6を収納姿勢にした状態では、図9に示すように肌処理ヘッド6の全体がヘッド収容部5の前後厚み範囲内に収まっている。この状態から操作ノブ28を押し上げ操作すると、固定具73と装着部72の間の支持リンク体17のV字腕部分に屈曲力が作用し、同時に、固定具73と第1操作具25の間の第2操作具26の中途部に屈曲力が作用する。そのため、支持リンク体17のV字腕部分および第2操作具26は、図11に示すように前突湾曲状に屈曲変形し、使用姿勢においては、肌処理ヘッド6をヘッド収容部5の前方へ突き出し操作して後傾させる。この使用姿勢は、支持リンク体17および第2操作具26に作用する屈曲反力どうしが拮抗し合って保持されている。そのため、肌電極44を肌面に押し付けて美容処理を行うと、肌電極44に押し付け反力が作用して屈曲反力の均衡が破れ、肌処理ヘッド6は、肌反力を受けた側へ前後、左右、あるいは上下方向へ浮動する。従って、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができる。
上記のように、支持リンク体17と第2操作具26を屈曲変形可能な1枚の弾性シート材で形成すると、支持リンク体17および第2操作具26の構造を簡略化でき、しかもブラケット19・21・31・やリンクピン20・22・32、ピン30などの連結部品や連結構造を省略できるので、ヘッド支持機構16の構造を簡素化し低コスト化できるうえ、美容器具の軽量化にも寄与できる。
(実施例3) 図12および図13は本発明に係る美容器具の実施例3を示す。そこでは、ヘッド収容部5を前面のみが開口する凹み穴で形成した。また、肌処理ヘッド6の背面に支持リンク体17を固定し、その上端を前ケース1aの内面に設けたブラケット19にリンクピン20で前後傾動可能に連結した。さらに、支持リンク体17と後ケース1bの間に肌処理ヘッド6の姿勢を切換える操作機構18を設け、支持リンク体17とヘッド収容部5の内奥の間に、肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって押し出し付勢する付勢ばね(付勢手段)77を配置した。操作機構18は、後ケース1bで上下スライド自在に案内支持したスライドノブ78と、スライドノブ78の前端の操作ピン79と、支持リンク体17の上部背面に突設したカム腕80、およびカム腕80に形成した前後方向のカム溝81などで構成する。
肌処理ヘッド6が収納姿勢になっているとき、支持リンク体17は肌処理ヘッド6と共に前傾姿勢になっている。また、スライドノブ78はガイド溝82の上端に位置しており、操作ピン79はカム溝81の前端に接当している。この状態から、スライドノブ78を押し下げ操作すると、カム溝81に時計回転方向のモーメントが作用し、さらに肌処理ヘッド6に付勢ばね77の付勢力が作用するため、肌処理ヘッド6と支持リンク体17はヘッド収容部5の前方へ押し出されて使用姿勢に切換り、肌接触面44aが後傾する。実施例3における節度機構は、スライドノブ78に突設した上向きのクリック腕36と、クリック腕36のスライド軌跡に臨んで後ケース1bの内面に設けたクリック突起37で構成し、クリック腕36とクリック突起37が係合して、肌処理ヘッド6を付勢ばね77の付勢力に抗して収納姿勢に姿勢保持できるようにした。図13において、符号83は支持リンク体17に設けたストッパー片であり、肌処理ヘッド6が収納姿勢に切換った状態において、後ケース1bの水平の内壁に接当して、支持リンク体17が反時計回転方向へ回転するのを規制する。
上記の美容器具では、カム構造と付勢ばね77の付勢力で、使用姿勢に切換った肌処理ヘッド6の姿勢を保持している。そのため、肌電極44を肌面に押し付けて美容処理を行うと、肌電極44に押し付け反力が作用して肌処理ヘッド6が後向きに浮動する。従って、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができるうえ、肌電極44が不必要にぐら付くのを防止できる。
(実施例4) 図14および図15は本発明に係る美容器具の実施例4を示す。そこでは、ヘッド収容部5を、肌処理ヘッド6の肌電極44を収容する前収容部5aと、電極ホルダー43を収容する後収容部5bで前面のみが開口する凹み穴で形成し、ヘッド収容部5の内奥と肌処理ヘッド6の後面の間に配置した付勢ばね77で、肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって押し出し付勢した。また、電極ホルダー43の対向周面に設けた係合ピン(係合体)85と、ヘッド収容部5の内面に設けたバヨネット溝86で操作機構18を構成して、肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢に位置保持できるようにした。この実施例における操作機構18は、肌処理ヘッド6を支持するヘッド支持機構16を兼ねている。バヨネット溝86は、前後方向の溝86aと、周方向の溝86bと、周方向の溝86bの溝端に設けた凹部86cを備えている。
図14に示すように、肌処理ヘッド6を使用姿勢に切換えた状態では、係合ピン85は前後方向の溝86aの前端に位置している。この状態の肌処理ヘッド6のキャップ装着部53を片手で保持して、付勢ばね77の付勢力に抗しながら肌処理ヘッド6をヘッド収容部5の内奥へ押し込み、さらに、肌処理ヘッド6を回動操作して係合ピン85を周方向の溝86bに係合させ、凹部86cに落ち込み係合することにより、肌処理ヘッド6を収納姿勢に保持することができる。肌処理ヘッド6を使用姿勢に切換える場合には、肌処理ヘッド6を逆の手順で操作するとよい。使用姿勢における肌処理ヘッド6は、付勢ばね77の付勢力で位置保持されている。そのため、肌電極44を肌面に押し付けて美容処理を行うと、肌電極44に押し付け反力が作用して肌処理ヘッド6が後向きに浮動する。従って、実施例4の美容器具においても、実施例3の美容器具と同様に、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができる。
(実施例5) 図16および図17は本発明に係る美容器具の実施例5を示す。そこでは、ヘッド収容部5を前収容部5aと後収容部5bで前後面が開口する穴で形成し、ヘッド収容部5の内奥の上下と肌処理ヘッド6の後面の上下の間に配置した付勢ばね77で、肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって押し出し付勢した。また、電極ホルダー43の対向周面に設けた係合ピン(係合体)85と、ヘッド収容部5の内面に設けた前後方向のガイド溝87で操作機構18を構成して、肌処理ヘッド6を収納姿勢と使用姿勢に位置保持できるようにした。さらに、ガイド溝87の後端寄りに係合ピン85を係合捕捉する突起88を設けて、収納姿勢に切換った肌処理ヘッド6を付勢ばね77の付勢力に抗して位置保持できるようにした。
肌処理ヘッド6を使用姿勢に切換える場合には、電極ホルダー43の後面に突設した押出し操作部89を前向きに押し込み操作すると、係合ピン85と突起88の係合が解除されて肌処理ヘッド6を使用姿勢に切換えることができる。また、肌処理ヘッド6を収納姿勢に戻す場合には、先の押出し操作部89をつまんで肌処理ヘッド6を付勢ばね77の付勢力に抗して引き込み操作して、係合ピン85を突起88に係合させるだけでよい。あるいは、肌電極44を付勢ばね77の付勢力に抗して押し込み操作して、係合ピン85を突起88に係合させてもよく、この場合の肌電極44は押戻し操作部90として機能することになる。この実施例における操作機構18は、肌処理ヘッド6を支持するヘッド支持機構16を兼ねている。
使用姿勢における肌処理ヘッド6は、付勢ばね77の付勢力で位置保持されている。そのため、肌電極44を肌面に押し付けて美容処理を行うと、肌電極44に押し付け反力が作用して肌処理ヘッド6が後向きに浮動する。従って、実施例5の美容器具においても、実施例3・4の美容器具と同様に、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができる。
(実施例6) 図18および図19は本発明に係る美容器具の実施例6を示す。そこでは、ヘッド収容部5を前収容部5aと後収容部5bで前後面が開口する穴で形成し、電極ホルダー43の周面に設けたカム溝91と、本体ケース1で部分回動可能に支持した操作ピン92で操作機構18を構成した。カム溝91は、電極ホルダー43の周面に沿って斜めに形成してあり、操作ピン92をガイド溝93に沿って部分回動させることにより、収納姿勢と使用姿勢に切換えることができる。電極ホルダー43の周面には回止めピン94が設けてあり、このピン94は後収容部5bの内面に設けた前後方向のスライド溝95で、回動不能に受け止められている。そのため、操作ピン92をガイド溝93に沿って部分回動させるとき、肌処理ヘッド6が操作ピン92に同行して回動することはない。
(実施例7) 図20は本発明に係る美容器具の実施例7を示す。そこでは、本体ケース1の上部に、収納姿勢における肌処理ヘッド6を収納するヘッド収容部5を貫通形成し、その後面を操作ゴム膜97で覆った。ヘッド支持機構16は、テレスコピック構造の弾性支持体101で構成した。弾性支持体101は、直径が漸減する5個の段筒壁98と、後端側の段筒壁98に設けた断面がT字状の装着座99と、前端の平坦な装着壁100を一体に備えたゴム成形品からなる。装着壁100を肌処理ヘッド6とヘッドベース102で挟持し、これら両者6・102をビス74で締結して、肌処理ヘッド6を弾性支持体101と一体化し、ヘッド収容部5の周囲壁に装着座99を固定することにより、肌処理ヘッド6を、弾性支持体101を介して本体ケース1で支持した。ゴム成形品はシリコンゴムを含むこととする。ヘッドベース102の後面は押出し操作部89を兼ねており、肌処理ヘッド6の肌電極44は押戻し操作部90を兼ねている。
弾性支持体101は、肌処理ヘッド6がヘッド収容部5に収納される多重リング状の収納姿勢(図20(a)の状態)と、肌処理ヘッド6が本体ケース1の前方へ突出する多段筒状の使用姿勢(図20(b)の状態)に弾性変形可能であり、各姿勢において自己の弾性で肌処理ヘッド6を位置保持できる。図20において符号56は、肌電極44に電流を供給する給電リードであり、装着壁100にシール体63を一体に設けて、装着壁100がシール体63を兼ねるようにした。図示していないが、給電リード58・59も同様にしてヒーターホルダー45の内部に引き込んである。
収納姿勢にした弾性支持体101を使用姿勢に切換える場合には、操作ゴム膜97を前向きに押し込んで、ヘッドベース102を弾性支持体101の弾性に抗しながら前方へ押し出し操作して、段筒壁98の全体を多段筒状に変形させる。この使用姿勢は、5個の段筒壁98が伸張姿勢を保持することで位置保持されている。そのため、肌電極44を肌面に押し付けて美容処理を行うと、肌電極44に押し付け反力が作用して肌処理ヘッド6が後向きに浮動し、あるいは左右、上下に傾動しながら浮動する。従って、実施例7の美容器具においても、先に説明した美容器具と同様に、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができる。使用姿勢にした弾性支持体101を収納姿勢に戻す場合には、肌処理ヘッド6あるいは肌電極44を押し込み操作して、段筒壁98の全体を多重リング状に変形させる。
使用姿勢にした弾性支持体101を収納姿勢に戻す場合に、操作力が肌処理ヘッド6や肌電極44の周囲の1個所に集中して、弾性支持体101の周囲の一部のみが操作力(外力)を受けて多重リング状の収納姿勢に変形操作されることがある。こうした場合には、
多重リング状に変形した部分の段筒壁98の変形応力と、多段筒状になっている段筒壁98の変形抵抗が拮抗するが、後者の変形抵抗の合計値のほうが大きいため、操作力が開放されるのと同時に、弾性支持体101は多段筒状の使用姿勢に自己復帰して、使用姿勢を保持する。こうした弾性支持体101の弾性変形特性は、奇数段の段筒壁98の厚みや変形応力と、偶数段の段筒壁98の厚みや変形応力を異ならせておくことにより、適宜設定することができる。
(実施例8) 図21は本発明に係る美容器具の実施例8を示す。そこでは、基本的に弾性支持体101を実施例7と同様にテレスコピック構造のゴム成形品で構成する。しかし、弾性支持体101の下半側の段筒壁98の前後寸法を、上半側の段筒壁98の前後寸法より大きく設定して、弾性支持体101を多段筒状の使用姿勢にした状態において、肌処理ヘッド6を後傾させる点が、実施例7の弾性支持体101と異なっている。このように、肌処理ヘッド6を使用姿勢において後傾させると、肌接触面44aを肌面にあてがった状態において、本体ケース1のグリップ部4を肌面から遠ざけることができる。従って、美容処理を行いたい肌面に肌接触面44aを接触させて、美容処理を適確かつ簡便に行うことができる。実施例8においては、ヘッドベース102の後面が押出し操作部89を兼ねており、肌処理ヘッド6の肌電極44が押戻し操作部90を兼ねている。
(実施例9) 図22は本発明に係る美容器具の実施例9を示す。そこでは、基本的に弾性支持体101を実施例7と同様に、前後長さが同じ段筒壁98でテレスコピック構造のゴム成形品として構成するが、弾性支持体101を使用姿勢にした状態において、肌処理ヘッド6を弾性支持体101で後傾姿勢に保持できるようにした。具体的には、弾性支持体101を多重リング状の収納姿勢に変形操作した状態において、弾性支持体101の全体が後傾するように、装着座99の固定平面を後傾させた。実施例9においては、ヘッドベース102の後面が押出し操作部89を兼ねており、肌処理ヘッド6の肌電極44が押戻し操作部90を兼ねている。
(実施例10) 図23は本発明に係る美容器具の実施例10を示す。そこでは、基本的に弾性支持体101を実施例7と同様にテレスコピック構造のゴム成形品で構成する。しかし、ヘッド収容部5の周囲壁を本体ケース1のグリップ部4に対して後傾させて、収納時および使用時の肌処理ヘッド6を弾性支持体101で後傾姿勢に保持できるようにした。実施例8〜10で説明した弾性支持体101は、使用姿勢において5個の段筒壁98が伸張姿勢を保持して姿勢を保持している。そのため、肌電極44を肌面に押し付けて美容処理を行うと、肌電極44に押し付け反力が作用して肌処理ヘッド6が後向きに浮動し、あるいは左右、上下に傾動しながら浮動する。従って、実施例7の美容器具と同様に、肌電極44の肌面に対する肌当りをソフトで柔軟なものとして、優しく美容処理を行うことができる。実施例10においては、ヘッドベース102の後面が押出し操作部89を兼ねており、肌処理ヘッド6の肌電極44が押戻し操作部90を兼ねている。
(実施例11) 図24は節度機構の別の実施例を示している。そこでは、実施例1と同様に、第1操作具25の左右両側に張出した弾性変形可能なクリック腕36と、クリック腕36のスライド軌跡に臨んで設けた一対のクリックリブ(クリック突起)37で節度機構を構成するが、クリックリブ37の上下に2個所のデッドポイント40a・40bを設ける点が実施例1と異なる。詳しくは、クリックリブ37の上下に大小2個の山形の摺動面39a・39bを形成し、各摺動面39a・39bの間に中間部41を設けて、中間部41を通過する爪片38に摩擦抵抗が作用するのを避けるようにした。下側の摺動面39bの出っ張り量は、上側の摺動面39aの出っ張り量より小さく設定してあり、そのため、操作ノブ28を収納姿勢から押し上げ操作するとき、爪片38はより小さな力でデッドポイント40bを乗り越えることができる。また、爪片38が中間部41を通過して上側の摺動面39aに接触し、クリック腕36を弾性変形させながらデッドポイント40aを乗り越えたのちは、摺動面39aの上部に密着して使用姿勢を維持しており、このとき、操作ノブ28がガイド溝27の上端に位置している。中間部41を通過する爪片38は、原則、中間部41と接触していないが、僅かに接触していてもよい。
上記のように、クリックリブ37の上下に出っ張り量の異なる摺動面39a・39bを設けて、操作ノブ28のスライド途中の摩擦抵抗を大小に変化させると、第1操作具25が使用姿勢に切換る直前に、爪片38によるデッドポイント40aの乗り越え抵抗を最大にできる。また、爪片38が上側の摺動面39aに接触するまでのスライド移動の勢いを利用して、クリック腕36を弾性変形させながらデッドポイント40aを乗り越えることができるので、第1操作具25の切換えを軽快かつ明確に行える。さらに、上下のデッドポイント40a・40bの間に中間部41を設けて、クリック腕36の上下ストロークを大きくするので、肌処理ヘッド6の前方への突出量を大きくして美容器具の使い勝手を向上できる。この実施例における節度機構は、実施例1の節度機構と同様に肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって移動付勢する付勢手段77を兼ねている。
(実施例12) 図25は節度機構の別の実施例を示している。そこでは、実施例1とは逆に、クリックリブ(クリック突起)37の対向面に弾性変形可能な山形のクリック腕105を設け、第1操作具25の左右にクリック腕105を弾性変形させる爪片38を設けるようにした。このように、弾性変形するクリック腕105は、本体ケース1の側に設けてあってもよい。爪片38は、クリック腕105の下端寄りのデッドポイント40を乗り越えて収納姿勢を維持し、あるいは使用姿勢になるまでクリック腕105に沿ってスライド移動する。この実施例における節度機構は、実施例1の節度機構と同様に肌処理ヘッド6を使用姿勢に向かって移動付勢する付勢手段77を兼ねている。この実施例から理解できるように、弾性変形体は、第1操作具25とクリックリブ37のいずれの側に設けてあってもよい。
上記の実施例以外に、ヘッド支持機構16は、使用姿勢に切換えた肌処理ヘッド6が本体ケース1から垂直姿勢のままで平行に突出するように、あるいは前傾姿勢で突出するように構成してあってもよい。また、使用姿勢における肌処理ヘッド6は、少なくとも肌接触面44aが本体ケース1の外面から突出していればよいが、使用姿勢における肌処理ヘッド6の背面が、本体ケース1の外面から突出していることが好ましい。また、肌処理ヘッド6をヘッド収容部5に収納した状態においては、肌処理ヘッド6の少なくとも左右周面と下周面をヘッド収容部5で覆うようにしてあれば、肌処理ヘッド6をヘッド収容部5の周囲壁で保護できる。上記の実施例では、肌処理ヘッド6を収納姿勢に切換えた状態において、同ヘッド6の全体が本体ケース1の厚み範囲内に収まるようにしたが、その必要はなく、肌処理ヘッド6の一部が、ヘッド収容部5の前面あるいは後面から僅かに突出していてもよい。要は、収納姿勢において、肌処理ヘッド6の大半の部分がヘッド収容部5に収容されていればよい。
上記の実施例では、肌処理ヘッド6に肌電極44とヒーター47を設けるようにしたが、その必要はない。例えば、肌処理ヘッド6に音波振動バイブレーター、あるいは超音波装置が設けてあってもよく、さらに、肌面に光を照射して肌を活性化する光ケア装置が設けてあってもよい。また、肌処理ヘッド6に設けられる美容刺激付与手段は単独で設けてあってもよく、複数の美容刺激付与手段が組み合わせて設けてあってもよい。