以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、本開示の実施の形態に係る監視カメラの側面図を示した図である。図1に示す監視カメラは、例えば、交差点に設置されている信号機の柱や電信柱、またはビルなどの建物の内外に設置される。監視カメラは、例えば、サーバまたはパソコン等の情報処理装置と接続され、撮影する映像を情報処理装置に送信する。
図1に示すように、監視カメラは、筐体1と、カバー2、ケーブル3と、を有している。筐体1は、底部に固定面A1を有している。監視カメラは、固定面A1を介して、例えば、信号機の柱や電信柱、またはビルなどの建物に固定される。
カバー2は、ドーム型のカバーであり、半球形状を有している。カバー2は、例えば、ガラスまたはプラスチック等の透明な材料により形成されている。図1の矢印A2が示す部分は、カバー2の天頂を示している。
カバー2は、筐体1に取り付けられている複数のカメラ(例えば、図2または図3を参照)を覆うように、筐体1に固定される。カバー2は、筐体1に取り付けられている複数のカメラを保護する。
ケーブル3は、例えば、ネットワークケーブルである。監視カメラは、ケーブル3を介して、例えば、LANやインターネット等のネットワークに接続される。
監視カメラが撮影する映像の映像データは、ケーブル3およびネットワークを介して、情報処理装置に送信される。情報処理装置は、監視カメラから受信した映像データの映像を、例えば、監視カメラとは別の場所にあるモニタルームのディスプレイに表示する。
図2は、カバー2を取り外した状態の監視カメラの側面図である。図2において、図1と同じものには同じ符号が付してある。図2に示すように、監視カメラは、複数のカメラ11a,11b,11c,11dを有している。
図3は、カバー2を取り外した状態の監視カメラの正面図である。図3において、図2と同じものには同じ符号を有している。図3に示すように、監視カメラは、4つのカメラ11a〜11dを有している。カメラ11a〜11dの撮影方向(例えば、レンズ面から垂直に伸びる方向)は、ユーザの手によって調整される(動かされる)。以下では、監視カメラに対し、図3に示す3軸の座標軸を設定する。
筐体1は、ベース12を有している。ベース12は、板状の部材であり、装置正面(+z軸方向)から見て、円形状を有している。カメラ11a〜11dは、以下で詳述するが、ベース12に対し、可動可能に固定(連結)されている。
ベース12の中心は、カバー2の天頂直下(天頂の真下)に位置している。例えば、ベース12の中心は、図1の矢印A2に示すカバー2の天頂の真下に位置している。
ベース12は、コネクタCN1を有している。コネクタCN1は、例えば、USBコネクタである。後述するが、コネクタCN1には、無線アダプタが着脱される。
図4は、カバー2を取り外した状態の監視カメラの側面図である。図4において、図2および図3と同じものには同じ符号が付してある。なお、図4では、説明を簡単にするためカメラ11a,11cを示し、カメラ11b,11dの図示を省略している。図4に示すように監視カメラは、連結部材21aa,21ab,21cを有している。
連結部材21aaは、ベース12の中心から、カバー2の天頂に向かって伸びている。言い換えれば、連結部材21aaは、カバー2の天頂直下に位置するベース12から、カバー2の天頂に向かって伸びている。
連結部材21aaは、ベース12の中心から、カバー2の天頂に向かって伸びる軸を有し、この軸を中心に回転する。例えば、図4に示す軸A11は、ベース12の中心から、カバー2の天頂に向かって伸びる連結部材21aaの軸を示している。連結部材21aaは、図4の軸A11を回転軸として左右方向に回転する。
連結部材21abは、一端が連結部材21aaのベース12とは反対側の端部において連結されている。また、連結部材21abは、他端がカメラ11aに連結されている。
連結部材21abの一端は、他端がベース12に対する仰角方向に可動するように、連結部材21aaに連結されている。つまり、連結部材21abの他端は、ベース12に対する仰角方向に可動する。以下では、ベース12に対する仰角方向を、単に仰角方向と呼ぶことがある。
上記したように、連結部材21abの他端には、カメラ11aが連結されている。連結部材21abの他端は、仰角方向に可動する。従って、カメラ11aの撮影方向は、仰角方向に可動する。例えば、図4に示す矢印A12は、ベース12に対する仰角方向を示している。カメラ11aの撮影方向は、図4の矢印A12方向に可動する。
連結部材21cは、ベース12の中心から外れた位置から、カバー2の天頂に向かって伸びている。例えば、連結部材21cは、連結部材21aaの軸A11とベース12とが交わる点(ベース12の中心)から外れた位置から、カバー2の天頂に向かって伸びている。以下で説明するが、連結部材21cは、ベース12の中心を中心した円周上(例えば、図10または図12のレール41を参照)を可動するように、ベース12に連結されている。
連結部材21cのベース12とは反対側の端部には、カメラ11cが連結されている。カメラ11cは、撮影方向が仰角方向において可動するように、連結部材21cに連結されている。例えば、図4に示す矢印A13は、ベース12に対する仰角方向を示している。カメラ11cの撮影方向は、図4の矢印A13方向に可動する。
図5は、カバー2を取り外した状態の監視カメラの側面図である。図5において、図4と同じものには同じ符号が付してある。なお、図5では、説明を簡単にするためカメラ11aを示し、図4に示したカメラ11cの図示を省略している。図5に示すように監視カメラは、軸部材31aを有している。
軸部材31aは、連結部材21aaと連結部材21abとを連結している。軸部材31aは、連結部材21abの他端(カメラ11aが取り付けられた側)が仰角方向に可動するように、連結部材21abを連結部材21aaに連結している。
図6は、カメラ11aの撮影方向をカバー2の天頂方向に向けた様子を示した図である。図6において、図5と同じものには同じ符号が付してある。
連結部材21abは、軸部材31aの中心軸を回転軸として、連結部材21aaに対し、回転する。これにより、カメラ11aの撮影方向は、図6に示すように、カバー2の天頂方向(+z軸方向)を向くことができる。
連結部材21abは、他端が天頂方向を跨ぐように、連結部材21aaに対して、回転してもよい。すなわち、カメラ11aの撮影方向は、カバー2の天頂方向を超え、可動してもよい。
図7は、カメラ11aの撮影方向がカバー2の天頂方向を超えて可動した様子を示した図である。図7において、図5および図6と同じものには同じ符号が付してある。
図7に示すカメラ11aの撮影方向は、図6に示したカメラ11aに対し、カバー2の天頂方向を跨いで可動している。例えば、図7に示す一点鎖線A21は、カバー2の天頂方向を示している。カメラ11aの撮影方向は、図7の矢印A22に示すように、一点鎖線A21を跨いで可動する。カメラ11aの仰角方向における撮影方向の可動範囲は、例えば、ベース12に対し、10度から110度である。
カメラ11a以外のカメラ11b〜11d(例えば、図3を参照)は、撮影方向がカバー2の天頂方向を跨いで可動しない。すなわち、4つのカメラ11a〜11dのうち、1つのカメラ11aが、カバー2の天頂方向を跨いで可動する。カメラ11b〜11dの仰角方向における撮影方向の可動範囲は、例えば、ベース12に対し、10度〜80度である。
軸部材31aは、半球形状のカバー2の中心点に位置するように設けてもよい。この場合、カメラ11a(カメラ11aのレンズ)は、ベース12に対する仰角方向における軌跡が、カバー2の曲面に沿うように可動する。これにより、カメラ11aは、カバー2との距離が一定で仰角方向に可動し、カバー2との距離の変化によるカバー2の屈折率の変化を抑制できる。
図4で説明したように、連結部材21aaは、図4に示した軸A11を回転軸として左右方向に回転する。つまり、カメラ11aの撮影方向は、ベース12から、カバー2の天頂方向に伸びる軸を回転軸として、ベース12における方位角方向に回転する。
図8は、カバー2の天頂方向を回転軸としたカメラ11aの回転を説明する図である。図8には、カバー2側から見た監視カメラの斜視図が示してある。図8において、図7と同じものには同じ符号が付してある。
図8に示すように、連結部材21aaは、円形状のベース12の中心から、カバー2の天頂方向に向かって伸び、図8の軸A31を回転軸として、左右方向に回転する。これにより、連結部材21aa,21abに連結されたカメラ11aの撮影方向は、軸A31を回転軸として、左右方向に回転する。
図9は、カメラ11aがカバー2の天頂方向を回転軸として回転した様子を示した図である。図9において、図8と同じものには同じ符号が付してある。
図9に示すカメラ11aの撮影方向は、図8に示したカメラ11aの撮影方向から変化している。カメラ11aは、図8および図9に示すように、円形状のベース12の中心から、カバー2の天頂方向に向かって伸びる連結部材21aaを回転軸として回転する。
図10は、監視カメラの筐体1およびベース12を示した図である。図10において、図9と同じものには同じ符号が付してある。図10に示すように、ベース12は、一定の幅を有した円形状のレール41を有している。円形状のレール41の中心は、ベース12の中心に一致している。
図11は、図10に示すベース12に連結部材21aaを取り付けた図である。図11において、図10と同じものには同じ符号が付してある。
図11に示すように、連結部材21aaは、把持部22aを有している。把持部22aは、連結部材21aaから、ベース12の面と平行に、方位方向に沿って伸びている。
連結部材21aaは、ユーザの把持部22aの操作に応じて、ベース12における方位角方向に回転する。例えば、連結部材21aaは、図11の矢印A41の方向に回転する。これにより、連結部材21abを介して、連結部材21aaに連結されるカメラ11aの撮影方向は、方位角方向に回転する(図8および図9のカメラ11aを参照)。以下では、ベース12における方位角方向を、単に方位角方向と呼ぶことがある。
撮影方向がカバー2の天頂方向を向くカメラ11aを連結する連結部材21aaは、図11に示すように、ベース12の中心において、ベース12に連結される。これに対し、撮影方向がカバー2の天頂方向を向かないカメラ11b〜11dを連結する連結部材は、ベース12の中心から外れて、ベース12(レール41)に連結される。
図12は、連結部材21aa,21b〜21dのベース12への連結を説明する図である。図12において、図11と同じものには同じ符号が付してある。なお、図12は、カバー2側から見た監視カメラの斜視図である。
レール41の中央には、穴51が形成されている。また、レール41の外側には、同心円状の穴52が形成されている。
カメラ11aは、連結部材21abに連結されている。連結部材21abは、軸部材31aを介して、連結部材21aaに連結されている。連結部材21aaは、把持部22aと、嵌合部23aと、図中上方向に伸びる突起部24a(一部、カメラ11bの後ろに隠れている)と、を有している。
突起部24aは、ベース12の中心に形成されている穴51に通される。嵌合部23aは、レール41を挟むように、窪み形状を有している。嵌合部23aは、ベース12のレール41に摺動可能に嵌合される。つまり、嵌合部23aは、レール41に沿って摺動する。これにより、連結部材21abは、ユーザの把持部22aの操作に応じて、方位角方向に回転できる。
カメラ11bは、軸部材(図示せず)を介して、連結部材21bに連結されている。カメラ11bは、撮影方向が仰角方向に可動するように、軸部材の中心軸を回転軸として回転する。
連結部材21bは、把持部22bと、嵌合部(図示せず)と、を有している。連結部材21bは、ユーザの把持部22bの操作に応じて、レール41に沿って摺動する。つまり、カメラ11bの撮影方向は、ユーザの操作に応じて、方位角方向に回転できる。
カメラ11cは、軸部材31cを介して、連結部材21cに連結されている。カメラ11cは、撮影方向が仰角方向に可動するように、軸部材31cを回転軸として回転する。
連結部材21cは、把持部22cと、嵌合部23cと、を有している。嵌合部23cは、レール41を挟むように、窪み形状を有している。嵌合部23cは、ベース12のレール41に摺動可能に嵌合される。つまり、嵌合部23cは、レール41に沿って摺動する。これにより、連結部材21cは、ユーザの把持部22cの操作に応じて、レール41に沿って摺動し、カメラ11cの撮影方向は、方位角方向に回転できる。
カメラ11dは、軸部材31dを介して、連結部材21dに連結されている。カメラ11dは、撮影方向が仰角方向に可動するように、軸部材31dを回転軸として回転する。
連結部材21dは、把持部22dと、嵌合部23dと、を有している。嵌合部23dは、レール41を挟むように、窪み形状を有している。嵌合部23dは、ベース12のレール41に摺動可能に嵌合される。つまり、嵌合部23dは、レール41に沿って摺動する。これにより、連結部材21dは、ユーザの把持部22dの操作に応じて、レール41に沿って摺動し、カメラ11dの撮影方向は、方位角方向に回転する。
なお、カメラ11b〜11dの連結部材21b〜21dは、それぞれ同様の形状または構造を有している。カメラ11b〜11dの連結部材21b〜21dは、ベース12の中心から外れて、ベース12に連結されている。一方、カメラ11aの連結部材21aaは、ベース12の中心において、ベース12に連結されている。これにより、複数のカメラ11a〜11dのうちカメラ11aが、カバー2の天頂方向を向くことができる。
図13は、連結部材21aa,21b〜21dのベース12への連結を説明する図である。図13において、図12と同じものには同じ符号が付してある。なお、図13は、筐体1側から見た監視カメラの斜視図である。また、図13には、図12で図示を省略した連結部材21bの嵌合部23bも示してある。
図13に示すように、連結部材21aaの嵌合部23aの端部には、鍔部25aが形成されている。鍔部25aは、ベース12に形成されている同心円状の穴52に通されて、ベース12の裏面と接触する。連結部材21aaは、鍔部25aがベース12の裏面で支持されることによりカバー2の方向に落下しない。
連結部材21bの嵌合部23bの端部には、鍔部25bが形成されている。鍔部25bは、ベース12に形成されている同心円状の穴52に通されて、ベース12の裏面と接触する。連結部材21bは、鍔部25bがベース12の裏面で支持されることによりカバー2の方向に落下しない。
連結部材21cの嵌合部23cの端部には、鍔部25cが形成されている。鍔部25cは、ベース12に形成されている同心円状の穴52に通されて、ベース12の裏面と接触する。連結部材21cは、鍔部25cがベース12の裏面で支持されることによりカバー2の方向に落下しない。
連結部材21dの嵌合部23dの端部には、鍔部25dが形成されている。鍔部25dは、ベース12に形成されている同心円状の穴52に通されて、ベース12の裏面と接触する。連結部材21dは、鍔部25dがベース12の裏面で支持されることによりカバー2の方向に落下しない。
連結部材21aaの鍔部25aは、突起部26aを有している。突起部26aは、連結部材21aaの方位角方向の回転によって、ベース12の裏面に設けられている突起部12aの位置に移動したとき、突起部12aと接触する。これにより、連結部材21aaは、方位角方向において、360度以上回転しないようになっている。なお、連結部材21aaが360度以上回転しないことにより、他の連結部材21b〜21dも360度以上回転しない。
カメラ11a〜11dの配線は、穴51を通って、筐体1の内部へと導かれる。連結部材21aa,21b〜21dは、方位角方向に360度以上回転しないので、カメラ11a〜11dの配線は、必要以上のねじれが抑制される。なお、突起部26aは、連結部材21b〜21dのいずれかの鍔部25b〜25dが有していてもよい。
図14は、カメラ11aの前方から見た斜視図である。図14には、カメラ11aと、カメラ11aが連結される連結部材21abと、が示してある。
図14に示すように、カメラ11aは、前方にレンズ61を有している。カメラ11aは、撮影方向を回転軸に左右方向に回転する。例えば、カメラ11aは、図14の矢印A51に示すように、一点鎖線で示す撮影方向を回転軸として左右方向に回転する。
なお、カメラ11aは、連結部材21abに対して、撮影方向を回転軸として左右方向に回転する。連結部材21abは、撮影方向を回転軸として左右方向に回転しない。
図15は、カメラ11aの後方から見た斜視図である。図15において、図14と同じものには同じ符号が付してある。
カメラ11aは、背部にギヤ歯状の係合部71を有している。係合部71は、円周上に沿って形成されている。
係合部71は、カメラ11aの撮影方向を回転軸とした回転に伴って回転する。例えば、カメラ11aが図15の矢印A52に示す方向に回転すると、係合部71もカメラ11aの回転に伴って回転する。
連結部材21abは、レバー72を有している(図16も参照)。レバー72は、その端に、係合部71の溝に係合するツメ72aを有している。レバー72は、ツメ72aを、係合部71の溝方向に付勢している。
カメラ11aの背部に形成された係合部71は、レバー72に対して回転する。レバー72のツメ72aが係合部71に係合していることにより、カメラ11aは、ユーザによって回転された所定の角度で、回転位置が保持(維持)される。
カメラ11aは、係合部71がレバー72のツメ72aと係合する範囲において回転する。例えば、係合部71の矢印A53に示す部分が、レバー72のツメ72aの位置まで来ると、カメラ11aは、矢印A54の方向には回転しない。
図16は、カメラ11aの前方から見た分解斜視図である。図16において、図14および図15と同じものには同じ符号が付してある。
図16に示すように、連結部材21abは、円形状の円形板部81を有している。カメラ11aは、係合部材82と、カバー83,86と、撮像素子84と、フィルタ85と、を有している。係合部材82には、図15で説明した係合部71が形成されている。
連結部材21abの円形板部81は、直径が係合部材82の開口より大きい。連結部材21abの円形板部81は、係合部材82の開口に通されており、円形板部81が通された係合部材82は、カバー83に固定される。これにより、カバー83は、連結部材21abに対して回転できる。
撮像素子84とフィルタ85は、カバー83,86に収納される。カバー83,86は、円形状を有し、一部が図中下方に突き出た形状を有している。略正方形状の撮像素子84は、カバー83の円形状部分に収納される。略長方形状のフィルタ85は、カバー83の円形状部分および図中下方に突き出た部分に収納される。
カメラ11aは、カバー83,86が図16に示すような形状とされることにより、小型化を図ることができる。例えば、仮にカバー83,86の形状を円形状にすると、フィルタ85の長手方向の長さを直径としなければならず、カバー83,86の容積は大きくなる。これに対し、図16に示すカバー83,86は、略正方形状の撮像素子84を収納する円形状部分と、円形状部分からはみ出る略長方形状のフィルタ85を収納する突き出た部分と、を有し、小型化を図っている。
図17は、カメラ11aの後方から見た分解斜視図である。図17において、図16と同じものには同じ符号が付してある。
図16でも説明したように、連結部材21abの円形板部81は、係合部材82の開口に通される。係合部材82は、開口に連結部材21abの円形板部81が通された状態で、カバー83の背部に固定される。
これにより、カバー83は、連結部材21abに対して回転し、カバー83の背部に固定される係合部材82も連結部材21abに対して回転する。そして、係合部材82に形成された係合部71がレバー72のツメ72aに対して回転し、レバー72のツメ72aが係合部71の溝に係合することによって、カメラ11aは、所定の角度で回転位置が保持(維持)される。
カバー83は、ストッパー部83a,83bを有している。ストッパー部83a,83bは、カメラ11aの回転を規制する。例えば、ストッパー部83a,83bは、カバー83の回転によって、レバー72のツメ72aの位置までくると、レバー72のツメ72aと接触する。ストッパー部83a,83bは、レバー72のツメ72aと接触することによって、カバー83がそれ以上回転しないように、カバー83の回転を止める。
すなわち、カメラ11aは、係合部71がレバー72のツメ72aと係合する範囲において回転できる。言い換えれば、カメラ11aは、撮影方向を回転軸として左右方向に所定角度まで回転し、所定角度を超えて回転することができない。
図18A、図18B、および図18Cは、カメラ11aの回転範囲を説明する図である。監視カメラは、カバー2(図示せず)の天頂部分が、鉛直下方に向いた状態にあるとする。この状態において、カメラ11aは、図18Aに示すように、円形状部分から突き出た部分が鉛直上方に向いた状態にあるとする。このとき、カメラ11aが撮影する風景等の上下方向と、表示装置に表示される画像の上下方向とが一致する。
カメラ11aは、図18Bに示すように、図中反時計回りに角度θまで回転できる。言い換えれば、カメラ11aの図中反時計回りにおける最大回転角度はθである。
カメラ11aは、図18Cに示すように、図中時計回りに角度θまで回転できる。言い換えれば、カメラ11aの図中時計回りにおける最大回転角度はθである。
カメラ11c〜11dも、図14、図15、図16、図17、図18A、図18B、および図18Cで説明したカメラ11aと同様の構成を有している。すなわち、カメラ11c〜11dも、カメラ11aと同様に撮影方向を回転軸として左右方向に所定角度まで回転できる。ただし、カメラ11c〜11dの、カメラ11aの連結部材21abに対応する部材は、連結部材21abに対し、長さが短い(例えば、図4のカメラ11cと連結部材21cとの連結部分を参照)。
なお、監視カメラと接続される情報処理装置は、例えば、ソフトウェア等によって、監視カメラが撮影する画像の上下方向を反転したり、左右方向を反転したりしてもよい。
図3に示したコネクタCN1には、無線アダプタが着脱される。監視カメラは、コネクタCN1に無線アダプタが装着されると、無線通信機能が付加される。
図19は、無線アダプタADP1の斜視図である。無線アダプタADP1は、例えば、USB(Universal Serial Bus)の無線アダプタである。無線アダプタADP1は、監視カメラに無線通信機能を付加するための拡張装置である。無線アダプタADP1は、図3に示したコネクタCN1に着脱される。
無線アダプタADP1は、監視カメラのコネクタCN1に装着されると、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末等の携帯端末と近距離無線通信を行う。無線アダプタADP1は、例えば、Wifi(登録商標)の無線方式に従って無線通信を行う無線Wifiアダプタであってもよい。また、無線アダプタADP1は、例えば、ブルートゥース(登録商標)等の無線方式に従って無線通信を行うブルートゥースアダプタであってもよい。
図20は、監視カメラと携帯端末91との無線通信を説明する図である。図20には、監視カメラと、ユーザA61と、携帯端末91と、が示してある。図20において、図3と同じものには同じ符号が付してある。
監視カメラのコネクタCN1には、図19に示した無線アダプタADP1が挿入されている。これにより、監視カメラと携帯端末91は、近距離無線通信が可能となる。
携帯端末91は、例えば、Wifiまたはブルートゥース等の近距離無線通信の機能を備えたスマートフォンまたはタブレット端末等の携帯端末である。携帯端末91は、無線アダプタADP1が装着された監視カメラと無線通信を行い、監視カメラのカメラ11a〜11dが撮影する映像の映像データを受信する。携帯端末91は、受信した映像データの映像をディスプレイに表示する。
ユーザA61は、例えば、監視カメラを設置する施工業者または監視カメラの保守業者である。ユーザA61は、携帯端末91のディスプレイに表示される、カメラ11a〜11dの映像を見ながら、例えば、カメラ11a〜11dの方向、フォーカス、または明るさ等を調整できる。
例えば、ユーザA61は、監視カメラのカメラ11a〜11dの方向、フォーカス、または明るさ等を調整する場合、無線アダプタADP1をコネクタCN1に装着する。監視カメラは、カメラ11a〜11dが撮影する映像の映像データを、無線アダプタADP1を介して、携帯端末91に送信する。携帯端末91は、監視カメラから送信された映像データの映像を、ディスプレイに表示する。これにより、ユーザA61は、監視カメラの傍において、携帯端末91のディスプレイに表示される、カメラ11a〜11dが撮影する映像を見ながら、カメラ11a〜11dの方向、フォーカス、または明るさ等を調整できる。
ユーザA61は、カメラ11a〜11dの調整が完了すると、無線アダプタADP1をコネクタCN1から外す。そして、ユーザA61は、カバー2を監視カメラに取り付ける。これにより、監視カメラの映像データは、無線通信によって出力(送信)されなくなり、第三者の無線通信による不正受信を抑制できる。つまり、監視カメラは、セキュリティを向上できる。
図21は、監視カメラの設置の一例を説明する図である。図21において、図1と同じものには同じ符号が付してある。図21には、監視カメラの他に、壁101と、取り付けアーム102と、が示してある。
壁101は、例えば、建物の外壁または内壁である。監視カメラは、例えば、図21に示すように、L字型の取り付けアーム102を介して、壁101に取り付けられる(固定される)。
図22は、壁101に設置された監視カメラのカメラ配置の例を示した図である。図22において、図3と同じものには同じ符号が付してある。図22では、カメラ11a〜11dの形状等を簡略化して図示している。
壁101に設置された監視カメラは、例えば、監視カメラの下(+z軸方向)と、壁101の前方および左右方向とを撮影できる。この場合、監視カメラのカメラ11a〜11dは、例えば、図22に示すように配置される。
例えば、天頂を向くことができるカメラ11aは、レール41(例えば、図11〜図13のレールを参照)に沿って、壁101側に移動される。そして、天頂を向くことができるカメラ11aは、撮影方向が下を向くように、可動される。
天頂を向くことができないカメラ11b,11dは、撮影方向が壁101の左右方向(y軸方向)を向くように、移動される。また、天頂を向くことができないカメラ11cは、撮影方向が壁101の前方(+y軸方向)を向くように、移動される。
これにより、監視カメラは、下と、壁101の前方および左右方向とを撮影できる。
なお、監視カメラの下を撮影するとともに、壁の前方および左右方向を撮影する場合、図22に示すように、天頂を向くカメラ11aを、レール41に沿って、壁101側に移動させるのが好ましい。仮に、天頂を向くカメラ11aを、レール41に沿って、壁101の前方側に移動させ(図22に示すカメラ11cの位置に移動させ)、撮影方向を下(+z軸方向)に向けたとする。この場合、残りのカメラ11b〜11dのいずれかを、壁101の前方側の位置(図22に示すカメラ11cの位置)に配置できない。
また、監視カメラは、図22に示すようにカメラ11b〜11dが配置された場合、カメラ11b,11dの画角により、水平方向において、例えば、270度の撮影ができる。図22に示すような配置は、例えば、「270度+下撮影配置」と呼ばれてもよい。
図23は、監視カメラを設置する交差点106の例を示した図である。図23には、十字の交差点106が示してある。図23のハッチングを付した部分は、歩道107を示している。なお、交差点106の道路には、監視カメラが撮影する映像の遠近を表現するため、格子状の線A71が重ねて示してある。
図23の黒丸108は、建物の外壁に設置された監視カメラの位置を示している。監視カメラは、交差点106と、歩道107とを撮影するように、例えば、地上から高さ5m付近に設置されている。
監視カメラのカメラ11a〜11dは、図22に示したように配置される。これにより、監視カメラは、前方の交差点106と、下方の歩道107とを撮影できる。
なお、図23に示す矢印A72aは、図22に示した監視カメラのカメラ11bの撮影方向を示している。矢印A72bは、図22に示した監視カメラのカメラ11cの撮影方向を示している。矢印A72cは、図22に示した監視カメラのカメラ11dの撮影方向を示している。
図24は、カメラ11a〜11dの別の配置例を示した図である。図24において、図3と同じものには同じ符号が付してある。図24では、カメラ11a〜11dの形状等を簡略化して図示している。
建物の天井等に取り付けられた監視カメラは、監視カメラの前方、後方、および左右方向を撮影できる。この場合、監視カメラのカメラ11a〜11dは、例えば、図24に示すように配置される。監視カメラは、図24に示すようにカメラ11a〜11dが配置された場合、水平方向において、360度の撮影ができる。図24に示すような配置は、例えば、「360度撮影配置」と呼ばれてもよい。
なお、図21に示したように、監視カメラを壁101に設置する場合、カメラ11a〜11dの配置は、図22で説明した「270度+下撮影配置」が好ましい。監視カメラを壁101に設置する場合、カメラ11a〜11dの配置を「360度撮影配置」にすると、カメラ11a〜11dのうちの1つは、壁101を撮影してしまうためである。
一方、天井に監視カメラを設置する場合、カメラ11a〜11dの配置は、「270度+下撮影配置」であってもよいし、「360度撮影配置」であってもよい。監視カメラの映像をモニタするユーザは、欲しい映像に応じて、カメラ11a〜11dを「270度+下撮影配置」および「360度撮影配置」のいずれかにすればよい。
もちろん、カメラ11a〜11dの配置は、「270度+下撮影配置」および「360度撮影配置」に限られない。監視カメラの映像をモニタするユーザは、欲しい映像によって、カメラ11a〜11dを自由に配置してよい。
図25Aは、携帯端末91の画面例を示した図である。ユーザA61は、例えば、監視カメラを建物や電柱等に設置する。ユーザA61は、監視カメラを建物や電柱等に設置した後、監視カメラのカメラ調整を行うため、コネクタCN1に無線アダプタADP1を装着する。無線アダプタADP1は、監視カメラのコネクタCN1に装着されると、例えば、SSID(Service Set IDentifier)をブロードキャストする。
ユーザA61は、携帯端末91を操作し、アクセスポイントの一覧をディスプレイに表示させる。アクセスポイントの一覧には、無線アダプタADP1のSSIDのブロードキャストによって、無線アダプタADP1のアクセスポイント名が含まれる。
図25Aの画面111aは、携帯端末91のディスプレイに表示されたアクセスポイントの一覧の画面例である。画面111aには、携帯端末91のアクセス可能なアクセスポイントが表示されている。画面111aに示すアクセスポイント111aaは、無線アダプタADP1のアクセスポイント名を示している。
ユーザA61は、例えば、アクセスポイント111aaをタップし、無線アダプタADP1のパスワードを入力することにより、無線アダプタADP1にアクセスできる。
ユーザA61は、携帯端末91の無線アダプタADP1との無線通信が可能になると、例えば、携帯端末91のブラウザを起動し、監視カメラのURL(Uniform Resource Locator)またはIP(Internet Protocol)アドレス等を入力して、監視カメラにアクセスする。これにより、携帯端末91は、無線アダプタADP1を介した監視カメラとの通信が可能となる。
監視カメラは、携帯端末91からのアクセスに応じて、携帯端末91のブラウザに監視カメラの設定画面を表示する。なお、監視カメラは、設定画面を携帯端末91のブラウザに表示する前に、ユーザIDとパスワードとを要求してもよい。
図25Bは、携帯端末91の画面例を示した図である。図25Aで説明したように、携帯端末91が、無線アダプタADP1を介して監視カメラにアクセスすると、携帯端末91のディスプレイには、監視カメラの設定画面が表示される。図25Bに示す画面111bは、監視カメラの設定画面例を示している。
画面111bには、ラジオボタン111ba,111bbが表示されている。ユーザA61は、監視カメラのカメラ11a〜11dの配置に応じて、ラジオボタン111ba,111bbをタップ(選択)する。
例えば、ユーザA61は、監視カメラを建物の天井に設置し、カメラ11a〜11dを図24に示した「360度撮影配置」に配置した場合、ラジオボタン111baをタップする。また、ユーザA61は、例えば、監視カメラを建物の壁に設置し、カメラ11a〜11dを図22に示した「270度+下撮影配置」に配置した場合、ラジオボタン111bbをタップ(選択)する。
なお、画面111bに示すテキスト111bcの「カメラ4」は、カメラ11aに対応する。また、画面111bには、カメラ11a〜11dの配置を示したイラスト111bd,111beが表示されている。ユーザA61は、例えば、イラスト111bd,111beのカメラ4(斜線が付されたカメラ)を見て、ラジオボタン111ba,111bbをタップできる。例えば、ユーザA61は、カメラ4を、イラスト111beのように配置していれば(カメラ11a〜11dを「270度+下撮影配置」に配置していれば)、ラジオボタン111bbを選択する。
また、画面111bには、カメラ11a〜11dの映像画面が、携帯端末91のディスプレイにどのように配置されるかを示したイラスト111bf,111bgが表示されている。イラスト111bfは、カメラ11a〜11dの映像画面が、横一列に並んで表示されることを示している。イラスト111bgは、カメラ11a〜11dの映像画面が、T字状に並んで表示されることを示している。
ユーザA61は、ラジオボタン111baおよびラジオボタン111bbのいずれかをタップして、「次へ」ボタンをタップする。
図25Cは、携帯端末91の画面例を示した図である。図25Cに示す画面111cは、図25Bに示したラジオボタン111bbがタップされ、「次へ」ボタンがタップされた場合に、携帯端末91のディスプレイに表示される。
図25Bに示したラジオボタン111bbは、ユーザA61がカメラ11a〜11dを、「270度+下撮影配置」に配置した場合にタップされる。カメラ11a〜11dの配置が、「270度+下撮影配置」の場合、カメラ11aは、下を向き、カメラ11b〜11dは、前方と左右方向とを向いている(例えば、図22を参照)。そこで、監視カメラは、カメラ11a〜11dの映像画面を、画面111cに示すように、T字状となるように携帯端末91のディスプレイに表示する。これにより、ユーザA61は、カメラ11a〜11dのカメラ映像の関係(つながり)を容易に理解できる。
画面111cに示す「カメラ1」の映像は、例えば、図22のカメラ11bが撮影する映像である。「カメラ2」の映像は、例えば、図22のカメラ11cが撮影する映像である。「カメラ3」の映像は、例えば、図22のカメラ11dが撮影する映像である。「カメラ4」の映像は、例えば、図22のカメラ11aが撮影する映像である。なお、画面111cに示すカメラ映像は、監視カメラが図23に示した黒丸108の位置に配置され、交差点106を撮影したときの映像例を示している。
監視カメラは、ラジオボタン111bbが選択された場合、カメラ11aの映像を上下反転して、携帯端末91のディスプレイに表示する。カメラ11aが、図22に示したように、下に向けられた場合、カメラ11aの映像は上下逆になるためである。例えば、カメラ11aから送られる映像は、本来、図25Cの「カメラ4」に示す映像とは逆になっている。言い換えれば、カメラ11aの映像は、他のカメラ11b〜11dの映像と上下関係が逆になっている。
カメラ11aの映像が、他のカメラ11b〜11dの映像と上下関係が逆になっていると、ユーザA61は、映像の調整(カメラの調整)がしづらい。そこで、監視カメラは、上記したように、カメラ11aの映像を、上下反転して携帯端末91のディスプレイに表示する。これにより、ユーザA61は、カメラ11a〜11dの調整がしやすくなる。
画面111cには、プルダウンメニュー111caが表示されている。ユーザA61は、プルダウンメニュー111caから、携帯端末91のディスプレイに表示する映像を、1つにできる。プルダウンメニュー111caについては後述する。
図25Dは、携帯端末91の画面例を示した図である。図25Dに示す画面111dは、図25Bに示したラジオボタン111baがタップされ、「次へ」ボタンがタップされた場合に、携帯端末91のディスプレイに表示される。
図25Bに示したラジオボタン111baは、ユーザA61がカメラ11a〜11dを、「360度撮影配置」に配置した場合にタップされる。カメラ11a〜11dの配置が、「360度撮影配置」の場合、カメラ11a〜11dは、前方、後方、および左右方向を向いている(例えば、図24を参照)。そこで、監視カメラは、カメラ11a〜11dの映像画面を、画面111dに示すように、水平方向に1列に並ぶように携帯端末91のディスプレイに表示する。これにより、ユーザA61は、カメラ11a〜11dのカメラ映像の関係(つながり)を容易に理解できる。
画面111dに示す「カメラ1」の映像は、例えば、図24のカメラ11bが撮影する映像である。「カメラ2」の映像は、例えば、図24のカメラ11cが撮影する映像である。「カメラ3」の映像は、例えば、図24のカメラ11dが撮影する映像である。「カメラ4」の映像は、例えば、図24のカメラ11aが撮影する映像である。なお、画面111dに示すカメラ11a〜11dの映像は、監視カメラが、例えば、建物のロビーの天井に設置されたときの映像例を示している。
図25Eは、携帯端末91の画面例を示した図である。図25Eに示す画面111eは、図25Cに示したプルダウンメニュー111caによって、映像を表示させたいカメラが選択された場合に、携帯端末91のディスプレイに表示される。
例えば、図25Cに示したプルダウンメニュー111caがタップされると、「カメラ1−4」、「カメラ1」、「カメラ2」、「カメラ3」、および「カメラ4」のメニュー(テキスト)が表示される。ユーザA61は、プルダウンメニュー111caから、携帯端末91のディスプレイに表示させたいカメラ11a〜11dの映像を選択できる。
例えば、ユーザA61は、カメラ1(カメラ11b)の1つの映像を、携帯端末91のディスプレイに表示させたい場合、プルダウンメニュー111caの「カメラ1」をタップする。図25Eの画面111eは、プルダウンメニュー111caの「カメラ1」がタップされたときの画面例を示している。
監視カメラは、プルダウンメニュー111caにおいて、「カメラ1」、「カメラ2」、「カメラ3」、および「カメラ4」のいずれかが選択された場合、選択されたカメラの映像を、4画面表示する「カメラ1−4」の映像より大きく表示する。これにより、ユーザA61は、プルダウンメニュー111caにおいて、「カメラ1」、「カメラ2」、「カメラ3」、および「カメラ4」のいずれかを選択することにより、カメラ11a〜11dの調整が容易となる。また、ユーザA61は、プルダウンメニュー111caにおいて、「カメラ1−4」を選択することにより、例えば、カメラ11a〜11dの各映像のつながり等を確認できる。
なお、プルダウンメニュー111caによるカメラ映像の切り替えは、図25Dに示したプルダウンメニューについても同様である。ユーザA61は、図25Dに示したプルダウンメニューから、映像を表示させたいカメラ11a〜11dを選択できる。
また、プルダウンメニュー111caによるカメラ映像の切り替えは、図25Eに示すプルダウンメニューについても同様である。ユーザA61は、図25Eに示すプルダウンメニューから、映像を表示させたいカメラ11a〜11dを選択できる。
図25Eの画面111eには、「補助線表示」ボタンが表示されている。監視カメラは、「補助線表示」ボタンがタップされると、画面111eに表示しているカメラ1(カメラ11b)の映像に、格子状の補助線を重ねる。
図25Fは、携帯端末91の画面例を示した図である。図25Fに示す画面111fは、図25Eの「補助線表示」ボタンがタップされた場合に、携帯端末91のディスプレイに表示される。画面111fの映像は、カメラ1(カメラ11b)が撮影している映像である。
画面111fのカメラ映像には、格子状の補助線111faが重ねて表示されている。ユーザA61は、カメラ映像の上に重ねられた格子状の補助線111faによって、カメラ11a〜11dの調整が容易となる。例えば、ユーザA61は、カメラ映像の水平方向等を合わせる調整が容易となる。より具体的には、ユーザA61は、カメラ11a〜11dの撮影方向を回転軸とした調整(図18A〜図18Cのθ方向の調整)が容易となる。
補助線111faが表示された画面111fには、「補助線非表示」ボタンが表示されている。監視カメラは、画面111fの「補助線非表示」ボタンがタップされると、補助線を消去する(画面111fの「補助線非表示」ボタンがタップされると、携帯端末91のディスプレイには、図25Eの画面111eが表示される)。
なお、補助線の表示および非表示は、図25Cに示した「補助線表示」ボタンについても同様である。また、補助線の表示および非表示は、図25Dに示した「補助線表示」ボタンについても同様である。
また、監視カメラは、図25C〜図25Fに示す「カメラ調整」ボタンがタップされると、携帯端末91に表示されているカメラ11a〜11dの映像のフォーカスや明るさ等を調整する調整画面に遷移する。ユーザA61は、調整画面において、カメラ11a〜11dのフォーカスや明るさ等を調整できる。
また、ユーザA61は、調整画面において、カメラ11a〜11dの映像を、一列に表示するか、T字状に表示するか、切り替えることができる。例えば、監視カメラは、調整画面に、図25Bに示したラジオボタン111ba,111bbを表示する。ユーザA61は、調整画面に表示されたラジオボタン111ba,111bbをタップすることによって、カメラ11a〜11dの映像を、一列に表示するか、T字状に表示するか、切り替えることができる。
図26は、監視カメラのハードウェアの一例を示した図である。図26に示すように、監視カメラは、CPU(Central Processing Unit)112aと、RAM(Random access memory)112bと、ROM(Read Only Memory)112cと、USB制御部112dと、通信部112eと、バス112fと、カメラ11a〜11dと、コネクタCN1と、を有している。
監視カメラは、CPU112aによって装置全体が制御されている。CPU112aには、バス112fを介して、RAM112b、ROM112c、USB制御部112d、通信部112e、およびカメラ11a〜11dが接続されている。
RAM112bには、CPU112aに実行させるOS(Operating System)のプログラムおよびアプリケーションプログラムが一時的に格納される。また、RAM112bには、CPU112aによる処理に必要な各種データが一時的に格納される。
ROM112cには、OSおよびアプリケーションプログラムなどが格納される。
USB制御部112dは、コネクタCN1と接続されている。USB制御部112dは、例えば、コネクタCN1に装着される装置に電源を供給する。USB制御部112dは、CPU112aの指示に従って、コネクタCN1に装着される装置と通信を行う。
通信部112eは、ケーブル3を介してネットワークに接続され、情報処理装置と通信を行う。
図27は、監視カメラの機能ブロックの一例を示した図である。CPU112aは、例えば、プログラムの実行によって、制御部120として機能する。制御部120は、カメラ11a〜11dが撮影する映像の映像データを、コネクタCN1に装着された無線アダプタADP1を用いて、携帯端末91に無線送信する。携帯端末91に無線送信された映像データの映像は、携帯端末91のディスプレイに表示される。制御部120は、表示形態切替え部121と、映像反転部122と、カメラ映像切替え部123と、補助線挿入部124と、を有している。
表示形態切替え部121は、携帯端末91のディスプレイに表示する、カメラ11a〜11dの映像の表示形態を切り替える。
例えば、表示形態切替え部121は、携帯端末91から、ラジオボタン111ba(図25Bを参照)がタップされた旨の情報を受信すると、カメラ11a〜11dの映像を、携帯端末91のディスプレイに1列に配置して表示する(図25Dの画面111dを参照)。一方、表示形態切替え部121は、携帯端末91から、ラジオボタン111bb(図25Bを参照)がタップされた旨の情報を受信すると、カメラ11a〜11dの映像を、携帯端末91のディスプレイにT字状に配置して表示する(図25Cの画面111cを参照)。言い換えれば、表示形態切替え部121は、天頂を向くことができないカメラ11b〜11dの映像を、携帯端末91のディスプレイにおいて横方向に1列に配置し、天頂を向くことができるカメラ11aの映像を、1列に配置した映像の略中央であって、1列の下側に配置する。
映像反転部122は、カメラ11a〜11dの映像が、携帯端末91のディスプレイにT字状に配置して表示される場合、天頂を向くことができるカメラ11aの映像を、上下反転して、携帯端末91のディスプレイに表示する。
カメラ映像切替え部123は、携帯端末91からの指示に応じて、携帯端末91のディスプレイに表示するカメラ11a〜11dの映像を切り替える。例えば、カメラ映像切替え部123は、携帯端末91のディスプレイに表示するカメラ11a〜11dの映像を、図25C〜図25Fの画面111c〜111fに表示されるプルダウンメニューで指定されるカメラの映像に切り替える。
補助線挿入部124は、携帯端末91からの指示に応じて、携帯端末91のディスプレイに表示するカメラ11a〜11dの映像上に、格子状の補助線を重ねて表示する。例えば、補助線挿入部124は、携帯端末91から、図25C〜図25Eの画面111c〜111eに表示された「補助線表示」ボタンがタップされた旨の情報を受信すると、携帯端末91に表示しているカメラ映像の上に、補助線を重ねて表示する(図25Fの補助線111faを参照)。
図28は、制御部120の動作例を示したフローチャートである。制御部120は、例えば、無線アダプタADP1がコネクタCN1に装着され、携帯端末91からアクセスがあると、図28に示すフローチャートの処理を実行する。
制御部120は、携帯端末91のディスプレイに、カメラ映像の配置を設定する設定画面を表示する(ステップS1)。例えば、制御部120は、携帯端末91のディスプレイに、図25Bに示した画面111bを表示する。
制御部120は、「360度撮影配置」が選択されたか、または「270度+下撮影配置」が選択されたかを判定する(ステップS2)。すなわち、制御部120は、図25Bに示したラジオボタン111baが選択されたか、またはラジオボタン111bbが選択されたかを判定する。
制御部120は、「270度+下撮影配置」が選択された場合(S2の「下配置」)、カメラ11a〜11dの映像を、T字状に表示する(ステップS3)。例えば、制御部120は、カメラ11a〜11dの映像を、図25Cの画面111cに示すように表示する。なお、制御部120は、カメラ11a〜11dの映像をT字状に表示する場合、天頂を向くことができるカメラ11aの映像を上下反転する。
一方、制御部120は、「360度撮影配置」が選択された場合(S2の「360度配置」)、カメラ11a〜11dの映像を、1列に表示する(ステップS4)。例えば、制御部120は、カメラ11a〜11dの映像を、図25Dの画面111dに示すように表示する。なお、制御部120は、カメラ11a〜11dの映像を1列に表示する場合、天頂を向くことができるカメラ11aの映像を反転しない。
図29は、制御部120の動作例を示したフローチャートである。制御部120は、例えば、図28に示したフローチャートの処理を実行した後、図29に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
制御部120は、携帯端末91から、携帯端末91のディスプレイに表示するカメラ映像の表示形態の変更指示があったか否かを判定する(ステップS11)。例えば、制御部120は、図25C〜図25Fの画面111c〜111fに示す「カメラ調整」ボタンがタップされ、T字状の表示形態から1列の表示形態に変更する指示があったかを判定する。または、制御部120は、図25C〜図25Fの画面111c〜111fに示す「カメラ調整」ボタンがタップされ、1列の表示形態からT字状の表示形態に変更する指示があったかを判定する。
制御部120は、表示形態の変更指示があった場合(S11の「Yes」)、変更指示に従った表示形態に変更する(ステップS12)。例えば、制御部120は、図25Cの画面111cに示すT字状の表示形態から、図25Dの画面111dに示す1列の表示形態に変更する。または、制御部120は、図25Dの画面111dに示す1列の表示形態から、図25Cの画面111cに示すT字状の表示形態に変更する。
制御部120は、ステップS11にて表示形態の変更指示がないと判定した場合(S11の「No」)、またはステップS12にて表示形態の変更を行った場合、携帯端末91から、携帯端末91のディスプレイに表示するカメラの映像切替えの指示があったか否かを判定する(ステップS13)。例えば、制御部120は、図25C〜25Fの画面111c〜111fに示すプルダウンメニューにより、映像切替えの指示があったか否かを判定する。
制御部120は、携帯端末91から、携帯端末91のディスプレイに表示するカメラの映像切替えの指示があった場合(S13の「Yes」)、指示されたカメラの映像に切り替える(ステップS14)。例えば、制御部120は、図25Cの画面111cに示すように、カメラ1〜4(カメラ11a〜11d)の映像を携帯端末91のディスプレイに表示しているとする。このとき、プルダウンメニュー111caから、カメラ1(カメラ11b)の映像を携帯端末91のディスプレイに表示するように切替え指示があると、制御部120は、図25Eの画面111eに示すように、携帯端末91のディスプレイにカメラ1(カメラ11b)の映像を表示(拡大表示)する。
制御部120は、ステップS13にて映像切替えの指示がないと判定した場合(S13の「No」)、またはステップS14にてカメラ映像の表示切替えを行った場合、携帯端末91から、補助線表示に関する指示があったか否かを判定する(ステップS15)。例えば、制御部120は、図25C〜図25Eの画面111c〜111eに示す「補助線表示」ボタンがタップされたか否かを判定する。また、制御部120は、図25C〜図25Eの画面111c〜111eに表示される「非補助線表示」ボタン(図25C〜図25Eには図示せず)がタップされたか否かを判定する。
制御部120は、携帯端末91から、補助線表示に関する指示があった場合(S15の「Yes」)、携帯端末91のディスプレイに表示する映像の上に補助線を重ね表示する(ステップS16)。または、制御部120は、携帯端末91のディスプレイに表示する映像の上に重ねて表示していた補助線を消去する。
一方、制御部120は、携帯端末91から、補助線表示に関する指示がない場合(S15の「No」)、当該フローチャートの処理を終了する。
以上説明したように、ドーム型の監視カメラは、カメラ11a〜11dと、無線アダプタADP1が着脱されるコネクタCN1と、カメラ11a〜11dが撮影する映像の映像データを、コネクタCNに装着された無線アダプタADP1を用いて携帯端末91に無線送信する制御部120と、有する。
これにより、ユーザA61は、監視カメラのカメラ11a〜11dの調整が容易となる。例えば、ユーザA61は、監視カメラの傍で、携帯端末91のディスプレイに表示されるカメラ11a〜11dの映像を見ながら、カメラ11a〜11dを調整できる。
なお、上記では、監視カメラは、カメラ11aの映像を、1列に配置したカメラ11b〜11dの映像の下側に配置したが、上側に配置してもよい。
また、カメラ11aは、天頂を向くように可動しなくてもよい。すなわち、上記で説明した、無線アダプタADP1を用いた、カメラ映像の携帯端末のディスプレイへの表示は、カメラが天頂方向を向かない監視カメラにも適用できる。
また、カメラ11a〜11dのいずれか1つの映像を携帯端末91のディスプレイに表示する場合、カメラ11a〜11dの4つの映像を携帯端末91のディスプレイに表示する場合より、無線通信の負荷が軽くなる。そこで、カメラ11a〜11dのいずれか1つの映像を携帯端末91のディスプレイに表示する場合、カメラ11a〜11dの4つの映像を携帯端末91のディスプレイに表示する場合より、画質を高画質にしてもよい。これにより、例えば、ユーザA61は、カメラ11a〜11dのいずれか1つの映像を携帯端末91のディスプレイに表示することにより、鮮明なカメラ映像を見ながらカメラ調整ができる。
また、監視カメラは、フォーカスアシスト機能を備えてもよい。例えば、監視カメラのカメラ11a〜11dは、フォーカスを調整するツマミを備えている。また、監視カメラは、例えば、「カメラ調整」ボタンがタップされ、「フォーカスアシスト」ボタンがタップされると、カメラ11a〜11dのフォーカスが合っているか否かの指標を示す指標値を、携帯端末91のディスプレイに表示する。ユーザA61は、携帯端末91のディスプレイに表示される指標値が最大値となるように、カメラ11a〜11dに設けられているツマミを回転する。これにより、ユーザA61のフォーカス調整が容易となる。
上記の実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。