以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図面を参照して、具体的に実施の形態を説明する前に、本発明に先立って、本発明者らが、検討した事項を説明する。静電容量型のタッチ検出方式としては、複数の方式が存在する。ここでは、タッチ検出方式として、あとで説明する実施の形態において採用されている相互容量方式を例にして、検討した事項の説明を行う。また、本明細書においては、タッチ検出装置が、表示装置と一体化されたインセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。ここで、インセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置とは、タッチ検出装置に含まれる駆動電極および検出電極の少なくとも一方が、表示装置の液晶を介して対向する一対の基板間に設けられたタッチ検出機能付き液晶表示装置を意味する。具体的には、タッチ検出装置に含まれる駆動電極が、液晶を駆動する駆動電極としても用いられている場合を説明する。駆動電極が、タッチ検出用の駆動電極および液晶表示用の駆動電極として、共用されることから、以下の説明においては、駆動電極を共通電極と称する場合もある。
<静電容量型タッチ検出(相互容量方式)の基本原理>
先ず、相互容量方式の基本原理を説明する。図2(A)〜(C)は、実施の形態において採用されている静電容量方式のタッチ検出の基本原理を示す模式図である。図2(A)において、TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、液晶パネルに設けられた共通電極であり、RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、タッチ検出パネル部に設けられた検出電極である。図2(A)において、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、列方向に延在し、行方向に平行して配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、行方向に延在し、列方向に平行して配置されている。検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との間に隙間が生じるように、検出電極RL(0)〜R(p)は、共通電極TL(0)〜TL(p)の上方に形成されている。
図2(A)において、12−0〜12−pのそれぞれは、単位駆動電極ドライバを模式的に示している。同図では、単位駆動電極ドライバ12−0〜12−pから、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が出力されている。また、13−0〜13−pのそれぞれは、単位増幅部を模式的に示している。図2(A)において、実線の○で囲んだパルス信号は、駆動信号Tx(i)の波形を示している。外部物体として、同図では、指がFGとして示されている。
図2の例では、共通電極TL(2)に、単位駆動電極ドライバ12−2から駆動信号Tx(2)として、パルス信号が供給されている。共通電極TL(2)にパルス信号である駆動信号Tx(2)を供給することにより、図2(B)に示すように、共通電極TL(2)と交差する検出電極RL(n)との間で電界が発生する。このとき、指FGが、液晶パネルの共通電極TL(2)に近接している位置をタッチしていると、指FGと共通電極TL(2)との間でも電界が発生し、共通電極TL(2)と検出電極RL(n)との間で発生している電界が減少する。これにより、共通電極TL(2)と検出電極RL(n)との間の電荷量が減少する。その結果、図2(C)に示すように、駆動信号Tx(2)の供給に応答して生じる電荷量は、指FGがタッチしているときは、タッチしていないときに比べてΔQだけ減少する。電荷量の差は、電圧の差として検出信号Rx(n)に表れ、単位増幅部13−nに供給され、増幅される。
なお、図2(C)において、横軸は時間を示しており、縦軸は電荷量を示している。駆動信号Tx(2)の立ち上がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、上側に増加)し、駆動信号Tx(2)の電圧の立ち下がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、下側に増加)する。このとき、指FGのタッチの有無によって、増加する電荷量が変わる。また、この図面では、電荷量が、上側に増加した後、下側へ増加する前に、リセットが行われており、同様に、電荷量が下側へ増加した後、上側へ増加する前に、電荷量のリセットが行われている。このようにして、リセットされた電荷量を基準として、上下に電荷量が変化する。
共通電極TL(0)〜TL(p)に、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)を、順次、供給することにより、駆動信号Tx(i)を供給した共通電極と交差する複数の検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれから、それぞれの交差部分に近接した位置に指FGがタッチしているか否かに応じた電圧値を有する検出信号Rx(0)〜Rx(p)が出力されることになる。電荷量に差ΔQが生じている時刻において、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のそれぞれを、サンプリングし、アナログ/デジタル変換回路(以下、A/D変換回路と称する)を用いて、デジタル信号へ変換する。A/D変換回路によって変換されたデジタル信号を信号処理することにより、タッチされた位置の座標を抽出する。
<本発明者らの検討事項>
<<共通電極の配置、駆動方法>>
あとで説明するが、液晶パネルは、行列状に配置された複数の液晶表示素子と、液晶表示素子へ表示される画像信号を供給する複数の信号線とを備えている。この信号線と共通電極との配置方法により、2種類の配置方法が考えられる。すなわち、信号線と共通電極とが交差するように配置する方法(以下、横COM配置とも称する)と、信号線と共通電極とを平行して配置する方法(以下、縦COM配置と称する)とが考えられる。図16は、横COM配置の例を模式的に示しており、図17は、縦COM配置の例を模式的に示している。図16および図17を用いて、横COM配置および縦COM配置を説明すると、次のようになる。
図16(A)および(B)において、2は液晶パネルを示し、TL(0)〜TL(11)は、共通電極を示し、RL(0)〜RL(3)は、検出電極を示している。同図では示していないが、信号線は、検出電極RL(0)〜RL(3)と平行するように配置されている。すなわち、信号線は、共通電極TL(0)〜TL(11)と交差するように配置されている。また、図16(A)および(B)において、13−0〜13−3は、単位増幅部を示している。
図17(A)および(B)においても、2は液晶パネルを示しており、TL(0)〜TL(7)は、共通電極を示し、RL(0)〜RL(3)は、検出電極を示している。この場合、信号線(図示せず)は、共通電極TL(0)〜TL(7)と平行に配置されている。同図においても、13−0〜13−3は、単位増幅部を示している。
また、液晶パネルにおいては、表示を行う期間(以下、表示期間と称する)と、タッチあるいは外部近接物体を検出する期間(以下、タッチ検出期間と称する)とが、時間的に重ならないように制御される。共通電極に注目して述べると、共通電極には、表示期間においては、表示用の駆動信号が供給され、タッチ検出期間においては、タッチ検出用の駆動信号が供給されることになる。
タッチ検出期間においては、複数の共通電極から、タッチを検出する位置に配置された共通電極を選択し、選択された共通電極の電圧を、図2において説明したように、駆動信号に基づいて変化させる。タッチ検出期間において、駆動信号に基づいて、その電圧を変化させる共通電極を、本明細書では、選択共通電極とも称する。一方、タッチ検出期間において、タッチを検出しない位置に配置された共通電極は、非選択とされる。言い換えるならば、非選択の共通電極(以下、非選択共通電極とも称する)は、タッチ検出期間では、その電圧は変化しない。
タッチ検出期間において、選択共通電極の電圧を駆動信号に基づいて変化させる駆動方法としても、2種類の駆動方法が考えられる。すなわち、共通電極毎にスイッチを用意し、選択共通電極に設けられたスイッチを駆動信号によりスイッチ制御し、スイッチを介して、選択共通電極にハイレベルの電圧とロウレベルの電圧を選択的に供給する駆動方法(以下、DC駆動とも称する)と、駆動信号を選択共通電極に印加し、駆動信号の電圧によって選択共通電極を直接的に充放電することにより変化させる駆動方法(以下、AC駆動とも称する)とが考えられる。図16(A)および図17(A)には、DC駆動の例が示されており、図16(B)および図17(B)には、AC駆動の例が示されている。次に、DC駆動とAC駆動について、図16および図17を用いて説明する。DC駆動の場合、駆動信号によって、スイッチを選択的にオン/オフすることにより、選択共通電極の電圧を変化させる。そのため、以下の説明においては、DC駆動において、スイッチをオン/オフさせる駆動信号は、選択信号とも称する。
図16(A)では、共通電極TL(1)が選択共通電極として指定され、残りの共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)が非選択共通電極として指定された状態が示されている。また、図17(A)では、共通電極TL(6)が選択共通電極として指定され、残りの共通電極TL(0)〜TL(5)、TL(7)が非選択共通電極として指定された状態が示されている。
図16(A)において、Ln−TPHは、ハイレベルの電圧TPHを供給する電圧配線を示しており、Ln−VCOMDC1およびLn−VCOMDC2は、ロウレベルの電圧VCOMDCを供給する電圧配線を示している。共通電極TL(0)〜TL(11)のそれぞれに対応したスイッチSEが、電圧配線Ln−TPHとLn−VCOMDC1との間に接続されている。図16(A)では、共通電極TL(0)〜TL(11)のそれぞれに対応したスイッチSEのうち、共通電極TL(1)に対応するスイッチSEについてのみ、構成を明示し、共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)に対応するスイッチSEはその構成を省略して記載されている。明示したスイッチSEを例にして説明すると、スイッチSEは、スイッチS11の一方の端子とスイッチSE12´の一方の端子が接続され、スイッチSE11の他端が電圧配線Ln−TPHに接続され、スイッチSE12´の他端が電圧配線Ln−VCOMDC1に接続されている。スイッチS11とスイッチS12´の接続部は対応する共通電極TL(1)に接続されている。スイッチSE11とSE12´は、駆動信号(選択信号)Tx(1)により、相補的にオン/オフするように制御される。これにより、選択共通電極TL(1)は、スイッチSE11またはSE12´を介して、電圧配線Ln−TPHまたは電圧配線Ln−VCOMDC1に接続されることになる。その結果として、駆動信号Tx(1)の電圧変化に従って、選択共通電極である共通電極TL(1)は、電圧配線Ln−TPHにおける電圧TPHまたは電圧配線Ln−VCOMDC1における電圧VCOMDCによって充電または放電され、その電圧が変化する。
一方、タッチ検出期間において、非選択共通電極として指定される共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)のそれぞれについては、それぞれに対応するスイッチSE12がオン状態となるように制御される。このとき、共通電極TL(1)に対応するスイッチSE12はオフされている。これにより、非選択共通電極である共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)のそれぞれは、電圧配線VCOMDC2に接続される。
図17(A)に示した縦COM配列においても、図16(A)と同様に、選択共通電極である共通電極TL(6)は、対応するスイッチSEを介して、電圧配線Ln−TPHまたはLn−VCOMDC1に接続され、電圧配線Ln−TPHまたはLn−VCOMDC1から充電または放電される。また、非選択共通電極TL(0)〜TL(5)、TL(7)は、電圧配線Ln−VCOMDC2に接続される。
次に、AC駆動について、図16(B)および図17(B)を参照して説明する。AC駆動においては、駆動信号Txが、選択共通電極(図16(B)では共通電極TL(1))に直接供給される。このとき、非選択共通電極である共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)は、スイッチSE13を介して電圧配線VCOMに接続される。この場合、選択共通電極(共通電極TL(1))は、駆動信号Txにより充電または放電されることにより、その電圧が変化することになる。図17(B)に示した縦COM配列においても同様である。
図16(A)および(B)には、駆動信号Tx(1)および駆動信号Txに基づいた選択共通電極における電圧の変化と、この選択共通電極における電圧変化によって生じる非選択共通電極における電圧の変化が、それぞれの共通電極に模式的に示されている。
各共通電極TL(0)〜TL(11)またはTL(0)〜TL(7)間には寄生容量が存在する。また、共通電極TL(0)〜TL(11)またはTL(0)〜TL(7)と、検出電極RL(0)〜RL(3)との間にも寄生容量が存在する。そのため、選択共通電極(共通電極TL(1)またはTL(6))における電圧が、変化すると、この電圧変化が、寄生容量を介して、非選択共通電極に伝達され、非選択共通電極においても電圧が変化する。非選択共通電極は、スイッチSE12またはSE13を介して、電圧配線Ln−VCOMDC2またはVCOMに接続されているため、寄生容量により電圧が上昇または下降したあと、ロウレベルの電圧VCOMDCへ向かって変化することになる。
<<共通電極および検出電極の立ち上がり時間および立ち下がり時間>>
本発明者らは、図16に示した横COM配置の液晶パネルと図17に示した縦COM配置の液晶パネルにおいて、共通電極の電圧を変化させてから、その共通電極の電圧が所定電圧になるまでの時間と、検出電極の電圧が所定の電圧になるまでの時間を調べた。ここでは、図16(A)および図16(B)に示した横COM配置の液晶パネルでの結果を示す。図18(A)は、横COM配置の液晶パネルが実装されたモジュールの構成を示している。図18(A)において、300は、TFT基板であり、TL(0)〜TL(6)は、共通電極であり、RL(0)〜RL(p)は、検出電極であり、13−nは、検出電極RL(n)に接続された単位増幅部を示している。
図19(A)および(B)は、図18(A)に示したモジュールにおいて、共通電極、例えば共通電極TL(0)を選択共通電極とし、その一端部(na)の電圧を、(1)DC駆動、(2)AC駆動、および(3)DC駆動+非選択共通電極フローティングで変化させた場合の選択共通電極における電圧の変化の時間および検出電極における電圧の変化の時間を示す図である。ここで、(1)DC駆動は、図16および図17で説明したDC駆動において、電圧配線Ln−VCOMDC1とLn−VCOMDC2とが図示しない共通の配線Ln−VCOMDCで構成されている。(2)AC駆動は、図16および図17で説明したDC駆動およびAC駆動である。また、(3)DC駆動+非選択共通電極フローティングは、図16(A)および図17(A)で説明したDC駆動において、電圧配線Ln−VCOMDC1とLn−VCOMDC2とが図示しない共通のDC配線Ln−VCOMDCで構成されており、非選択共通電極(図16(A)では、共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11))に対応したスイッチSE12をオフ状態にして電気的に絶縁(フローティング)しておくことを意味している。すなわち、非選択共通電極をフローティング状態で、選択共通電極を電圧配線Ln−TPHまたは電圧配線Ln−VCOMDCに接続するようにした状態である。
図19(A)において、縦軸は、時間を示しており、横軸は、共通電極の駆動方法を示している。すなわち、横軸における(2)は、図16(B)で説明したAC駆動によって、駆動した場合を示し、(1)は、図16(A)で説明したDC駆動によって、駆動した場合を示している。また、横軸における(3)は、非選択共通電極をフローティングにした状態で、選択共通電極をDC駆動した場合を示している。(1)〜(3)の駆動方法により、選択共通電極(共通電極TL(0))の一端部(na)における電圧を立ち上げたときに、この一端部(na)から最も離れた他端部(nb)における電圧が所定の電圧値まで立ち上がる時間が、図19(A)では、時間Trで示されている。同様に、一端部(na)における電圧を立ち下げたときに、最も離れた他端部(nb)における電圧が所定の電圧値まで立ち下がる時間が、時間Tfとして示されている。この図19(A)から、所定の電圧値までに変化する時間は、(3)DC駆動+非選択共通電極フローティング、(1)DC駆動、(2)AC駆動の順に早くなることが判る。
図19(B)も、縦軸および横軸は、図19(A)と同じである。ただし、図19(B)においては、選択共通電極TL(0)の一端部(na)における電圧を、(1)〜(3)の駆動方法で変化させてから、検出電極において、選択共通電極TL(0)から最も離れた位置における電圧が所定の電圧値になるまでの時間を示している。図18(A)では、共通電極TL(0)が選択共通電極であるため、検出電極RL(n)の端部に接続された単位増幅部13−nの出力が所定の電圧に到達するまでの時間を測定している。図19(B)においても、選択電極TL(0)の一端部(na)の電圧を立ち上げたときに、単位増幅部13−nの出力が所定の電圧値に立ち上がるまでの時間が、Trとして示されており、一端部(na)の電圧を立ち下げたときに、単位増幅部13−nの出力が所定の電圧値になるまでの時間をTfとして示している。
図19(B)を見た場合、(1)DC駆動のとき、検出電極における電圧が所定値になるまでの時間は、(1)DC駆動の立ち上がりのときに、長くなっている。また、検出電極における電圧が所定の電圧値になるまでの時間は、(3)DC駆動+非選択共通電極フローティング、(1)AC駆動の順に早くなることが判る。
図18(B)は、図18(A)に示した共通電極TL(0)上に測定電極を配置して、その測定電極における電圧変化を示した図である。この場合、測定電極は、共通電極および検出電極とは電気的に分離されるようにし、所定のバイアス電圧が印加されている。図18(B)には、共通電極TL(0)を選択共通電極として、上記した(1)〜(3)の駆動方法で、この共通電極TL(0)の電圧を変化させたときの、測定電極の電圧変化が示されている。図18(B)において、縦軸は測定電極の電圧を示しており、横軸は時間を示している。同図において、(1)は、DC駆動によって共通電極TL(0)〜TL(6)を駆動したときの電圧変化を示しており、(2)は、AC駆動によって共通電極TL(0)〜TL(6)を駆動したときの電圧変化を示しており、(3)は、DC駆動+非選択共通電極フローティングによって共通電極TL(0)〜TL(6)を駆動したときの電圧波形を示している。なお、測定電極には、所定のバイアス電圧が印加されているため、それぞれの電圧波形は、0Vを含めて上下に変化している。
図18(B)においても、(1)DC駆動の場合、電圧波形の立ち上がりが遅くなって
いることが判る。
横COM配置の場合を説明したが、縦COM配置の場合も、同様な結果となった。
本発明者らは、(1)DC駆動において、図19(B)に示したように、検出電極の電圧の立ち上がり時間が長くなることと、図18(B)に示した(1)DC駆動時の電圧立ち上がりが遅くなる理由として、非選択共通電極と選択共通電極とが同じ電圧配線Ln−VCOMDCに接続されることによるものと考えた。すなわち、図16(A)を例にして説明すると、(1)DC駆動において、図16(A)に示したスイッチSE11、SE12、SE12´は、例えば電界効果型トランジスタ(以下、MOSFETとも称する)により構成される。共通電極間には寄生容量が存在するため、選択共通電極の電圧を立ち上げると、寄生容量により非選択共通電極の電圧も上昇する。非選択共通電極における電圧の上昇を下げるように、非選択共通電極から電圧配線Ln−VCOMDCに電流が流れるため、この電圧配線Ln−VCOMDCの電圧が変動することになる。電圧配線Ln−VCOMDCの電圧が変動することにより、スイッチSE11を構成するMOSFETのゲート・ソース間の電位差が低下するため、このMOSFETを流れるドレイン電流が減少し、選択共通電極の立ち上がりが遅くなるものと考えている。
また、(1)DC駆動においては、非選択共通電極に接続される電圧配線Ln−VCOMDCと選択共通電極に接続される電圧配線Ln−VCOMDCとが、同じ電圧配線であるため、タッチ検出期間においては、電圧配線Ln−VCOMDCに、非選択共通電極の寄生容量も接続されることになる。そのため、スイッチSEを構成するスイッチSE12をオンさせ、選択共通電極である共通電極TL(1)の電圧をロウレベルの電圧VCOMDC側へ変化させる速度が遅くなる。言い換えるならば、スイッチSE12を介して、選択共通電極(TL(1))をロウレベルの電圧VCOMDCへ充電するのに時間が掛かり、選択共通電極の電圧変化が遅くなる。
本発明者らは、さらに、タッチ検出期間において、非選択共通電極を、電圧配線Ln−VCOMDCに接続した場合と、フローティング状態にした場合とでの相違を明らかにするために、検討を行った。
<<非選択共通電極のフローティングと固定の比較>>
図20(A)および図21(A)は、AC駆動によるタッチ検出期間において、非選択共通電極をフローティングにした場合と、ロウレベルの電圧VCOMDCに固定した場合とを比較するために、検討した液晶パネル2の構成を模式的に示す図である。検討した液晶パネル2の構成は、図16(B)に示した横COM配置の液晶パネル2に類似している。ここでは、検討を説明するために、横COM配置で、AC駆動を用いた場合を示すが、縦COMであっても、DC駆動であっても同様である。図20(A)および21(A)においては、共通電極TL(1)が選択共通電極と指定され、共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)は非選択共通電極と指定されている。
図20(A)は、非選択共通電極がフローティング状態にされている場合を示している。すなわち、共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)のそれぞれに対応したスイッチSE13がオフ状態にされ、共通電極TL(1)に駆動信号Txが供給されている。共通電極TL(1)における電圧は、駆動信号Txの電圧が立ち上がることにより、立ち上がり、駆動信号Txの電圧が立ち下がることにより、立ち下がる。図20(A)では、共通電極TL(1)の部分に、共通電極TL(1)の電圧波形がVx(1)として示されている。先に説明したように、寄生容量を介して共通電極TL(1)における電圧の変化が、他の共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)に伝達される。図20(A)では、それぞれの共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)に、それぞれにおける電圧変化が、電圧波形として示されている。
例示すれば、選択共通電極である共通電極TL(1)に隣接して配置された共通電極TL(0)およびTL(2)の電圧波形が、Vx(0)およびVx(2)として示されている。また、共通電極TL(1)から離れて配置された共通電極TL(11)には、そこにおける電圧変化が電圧波形Vx(11)として示されている。非選択電極である共通電極TL(0)、TL(2)〜TL(11)は、フローティング状態であるため、電流を放電あるいは充電する経路を有していない。そのため、立ち上がった電圧あるいは立ち下がった電圧を、電圧波形Vx(0)、Vx(1)およびVx(11)に示すように、漏れ電流等によりゆっくりと低下あるいは上昇する。すなわち、非選択共通電極における電圧は、低下あるいは上昇したあとの戻りが遅くなる。
なお、選択共通電極から離れた非選択共通電極ほど、寄生容量を介して伝達される電圧変化は小さくなるため、図20(A)に示すように、電圧波形Vx(11)のピークの電圧は、電圧波形Vx(0)およびVx(2)よりも低くなっている。
図20(B)は、時間に伴う検出信号Rx(2)の変化を示す図である。同図において、横軸は時間を示しており、縦軸は、検出信号Rx(2)の変化を電荷量(fF)として示している。図20(A)では、共通電極TL(1)の近傍が指によってタッチされ、共通電極TL(1)が、選択共通電極として指定されている場合が、示されているが、図20(B)は、図20(A)になる前の状態を示している。すなわち、共通電極TL(0)が選択共通電極として指定され、駆動信号Txによって、共通電極TL(0)の電圧が、図20(A)の電圧波形Vx(1)と同様に変化した場合を示している。この場合においても、非選択共通電極TL(1)〜TL(11)のそれぞれにおける電圧は、寄生容量を介して、選択共通電極TL(0)における電圧変化が伝達され、変化する。また、非選択共通電極TL(1)〜TL(11)はフローティング状態であるため、先に述べたのと同様に、低下あるいは上昇したあとの戻りが遅い。
図20(B)において、◇の点は、横軸に示した時間のときにおける、検出信号Rx(2)の値を電荷量で示している。時間の経過とともに、電荷量は減少しているが、非選択共通電極TL(1)〜TL(11)のそれぞれの電圧の戻りが遅いため、電荷量の減少も緩やかに低下する。指がタッチされているか否かの判定は、例えば時間1.2〜2.0(usec)のときの電荷量により行う。例えば、この時間のときに、電荷量が所定の基準値を超えているか否かにより、タッチの有無を判定する。図20(B)では、この時間のときには、まだ電荷量が多いため、タッチされているか否かの判定には不適切であり、誤検出をする可能性がある。そのため、例えば、判定する時間を遅くすることが必要とされる。これにより、次に共通電極TL(1)を選択共通電極として指定し、駆動信号を供給する時刻が遅くなり、検出が遅くなる。
図21(A)は、非選択共通電極を、タッチ検出期間において、固定の電圧にする場合を示している。すなわち、図21(A)に示されているように、非選択共通電極TL(1)〜TL(11)のそれぞれは、スイッチSE13を介して電圧配線VCOMに接続されている。
この場合には、非選択共通電極TL(1)〜TL(11)に、寄生容量を介して、選択共通電極TL(1)における電圧変化が伝達されても、それぞれの非選択共通電極TL(1)〜TL(11)は、スイッチSE13を介して放電される。そのため、非選択共通電極TL(1)〜TL(11)のそれぞれにおける電圧は、早く元の電圧に戻る。その結果、図21(B)に示すように、検出信号Rx(2)の電荷量は、早く減少する。これにより、誤検出の発生を防ぐことが可能となる。言い換えるならば、次の共通電極を選択する時刻を早くすることが可能となる。
また、上記した(2)AC駆動では、選択共通電極を直接駆動信号によって充放電することになるため、(1)DC駆動および/または(3)DC駆動+非選択共通電極フローティングに比べて、駆動信号の駆動能力を高めることが要求される。駆動能力を高めた駆動信号を伝達する信号配線を、液晶パネル2の周辺に延在させることにより、寄生容量を介して、検出電極および/または共通電極に、駆動信号が漏れ、誤検出が危惧される。また、図19において示したように、(2)AC駆動では、選択共通電極および検出電極における電圧が所定の電圧値になるまでの時間も長い。
以上述べたように、本発明者らの検討によれば、(1)DC駆動(配線Ln−VCOMDCが共通)、(2)AC駆動および(3)DC駆動+非選択共通電極フローティング(配線Ln−VCOMDCが共通)のそれぞれに問題点が存在することが判明した。すなわち、(1)DC駆動(配線Ln−VCOMDCが共通)においては、図18(B)および図19(B)に示すように、選択共通電極および検出電極の電圧の立ち上がりが遅くなる。また、図18および図19に関連して述べたように、選択共通電極の電圧の立ち下がりも遅くなる。(2)AC駆動においては、誤検出が危惧される。さらに、(3)DC駆動+非選択共通電極フローティング(配線Ln−VCOMDCが共通)では、図20で述べたように、誤検出あるいは検出が遅くなる可能性がある。
本発明者らは、これら3種類の駆動方法とは異なる駆動方法を用いた液晶表示装置を発案した。以下、複数の実施の形態について説明する。以下に説明する複数の実施の形態においても、タッチ検出装置が、表示装置と一体化されたインセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置を例として、説明する。具体的には、タッチ検出装置に含まれる駆動電極と、液晶表示素子を駆動する駆動電極とが、同じ駆動電極(共通電極)である。
(実施の形態1)
<全体構成>
先ず、タッチ検出機能付き液晶表示装置1の全体構成を、図1を用いて説明する。図1は、タッチ検出機能付き液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。タッチ検出機能付き液晶表示装置1は、液晶パネル(表示パネル)2、表示制御装置5、信号線セレクタ6、タッチ制御装置7およびゲートドライバ8を具備している。図1では、図面を見易くするために、液晶パネル2は、模式的に描かれており、液晶パネル部(表示パネル部)3とタッチ検出パネル部4を具備している。液晶パネル2の構成については、後で図3および図4を用いて説明する。
これら液晶パネル部3とタッチ検出部4は、駆動電極を共用している。液晶パネル部3には、ゲートドライバ8から走査信号Vs0〜Vspが供給され、さらに信号線セレクタ6を介して表示制御装置5から画像信号SLd(0)〜SLd(p)が供給され、画像信号SLd(0)〜SLd(p)に従った画像を表示する。タッチ検出部4は、表示制御装置5から駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が供給され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)をタッチ制御装置7に出力する。
表示制御装置5は、制御部9および駆動回路10を有しており、駆動回路10は、画像信号を形成し、出力する信号線ドライバ11と駆動信号Tx(0)〜Tx(p)を出力する駆動電極ドライバ12とを有している。制御部9は、制御端子Ttに供給されるタイミング信号および制御信号と、画像端子Tdに供給される画像信号とを受け、画像端子Tdに供給された画像信号に応じた画像信号Snを信号線ドライバ11に供給する。信号線ドライバ11は、制御部9から供給された画像信号Snを、特に制限されないが、時間的に多重化して、信号線セレクタ6へ出力する。すなわち、信号線ドライバ11の1個の出力端子を見た場合、2つの画像信号が、時間的にずらしながら、1個の端子から出力される。
また、制御部9は、時間的に多重化された画像信号を、信号線セレクタ6において、互いに異なる信号線へ振り分けるための選択信号SEL1、SEL2を信号線セレクタ6に供給する。信号線セレクタ6は、多重化して供給された画像信号を、選択信号SEL1、SEL2によって互いに異なる信号線へ振り分け、画像信号SLd(0)〜SLd(p)として、液晶パネル部3に供給する。信号線セレクタ6は、液晶パネル部3の近傍に配置されている。このように、画像信号を時間的に多重化することにより、表示制御装置5と液晶パネル部3とを電気的に接続する配線の数を低減することが可能となる。言い換えるならば、表示制御装置5と液晶パネル部3との間を接続する配線の線幅を広くし、画像信号の遅延を低減することが可能となる。
制御部9は、制御端子Ttに供給されるタイミング信号および制御信号に基づいて、ゲートドライバ8にタイミング信号を供給する。ゲートドライバ8は、供給されたタイミング信号に基づいて、走査信号Vs0〜Vspを発生し、液晶パネル部3に供給する。ゲートドライバ8によって発生される走査信号Vs0〜Vspは、例えば走査信号Vs0からVspに向かって順次ハイレベルとなるようなパルス信号である。
駆動回路10内の駆動電極ドライバ12は、タッチ制御装置7から供給される選択信号TP(0)〜TP(p)を受信し、液晶パネル2に含まれている複数の共通電極TL(0)〜TL(p)に、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)として供給する。特に制限されないが、この実施の形態1においては、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)と選択信号TP(0)〜TP(p)とは、1対1に対応している。また、複数の共通電極TL(0)〜TL(p)のうち選択共通電極とする共通電極(例えば、共通電極TL(i))に供給される駆動信号Tx(i)は、その電圧が周期的に変化するように、その駆動信号Tx(i)に対応した選択信号TP(i)は、クロック信号とされる。言い換えるならば、選択信号TP(0)〜TP(p)のうち、所望の選択信号(TP(i))をクロック信号とすることにより、所望の共通電極TL(i)を選択共通電極とすることが可能となり、任意の位置でのタッチが検出可能となる。
しかしながら、タッチ制御装置7において、選択信号TP(0)〜TP(p)を形成することには限定されない。例えば、タッチ制御装置7において、共通のクロック信号と、共通電極TL(0)〜TL(p)から所望の共通電極を特定する特定信号とを生成するようにしてもよい。この場合には、例えば駆動電極ドライバ12において、特定信号に基づいて選択共通電極を求め、求めた選択共通電極の電圧を、共通のクロック信号に同期して変化させるようにしてもよい。
この実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1はインセルタイプであり、駆動電極TL(i)がタッチ検出の駆動と液晶の駆動とに兼用されている。すなわち、駆動電極TL(i)は、画像表示のときには、液晶を駆動するための電界を、後で述べる画素電極との間で形成するように機能し、タッチ検出のときには、タッチ検出用の駆動信号を伝達するように機能する。液晶パネル部3における液晶の画像表示とタッチ検出パネル部4におけるタッチ検出とは、時間的に重ならないように、時分割で行われる。すなわち、画像を表示する表示期間と、タッチ検出を行うタッチ検出期間である。
画像表示を行う表示期間において、駆動電極ドライバ12は、液晶を駆動するための駆動信号Tx(i)を液晶パネル2内の共通電極TL(i)に供給し、タッチ検出を行う検出期間においては、タッチ検出のための駆動信号Tx(i)を、液晶パネル2内の共通電極TL(i)に供給する。勿論、駆動回路10に、タッチ検出のための駆動電極ドライバと液晶を駆動するための駆動電極ドライバとを、別々に設けるようにしてもよい。また、制御部9は、表示期間とタッチ検出期間とを識別するタッチ−表示同期信号TSHDを出力する。
タッチ制御装置7は、タッチ検出パネル部4からの検出信号Rx(0)〜Rx(p)を処理する検出信号処理部TSと、駆動電極ドライバ12へ供給される選択信号TP(0)〜TP(p)および複数の制御信号ctrsigを形成する駆動信号形成部17と、検出信号処理部TSおよび駆動信号形成部17を制御する制御部18とを具備している。ここで、検出信号処理部TSは、タッチ検出パネル部4がタッチされたか否かを検出し、タッチされていた場合、タッチされた位置の座標を求める処理を行う。また、駆動信号形成部17は、タッチ検出パネル部4において、タッチを検出する領域の指定と制御を行う。
まず、検出信号処理部TSについて述べると、この検出信号処理部TSは、タッチ検出パネル部4からの検出信号Rx(0)〜Rx(p)を受信し、受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)を増幅するタッチ検出信号増幅部13と、タッチ検出信号増幅部13によって増幅されたアナログの検出信号をデジタル信号へ変換するA/D変換部14とを含んでいる。ここで、タッチ検出信号増幅部13は、受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)から高い周波数の成分(ノイズ成分)を取り除き、増幅動作を行う。また、検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、図2を用いて説明したように、共通電極TL(i)に供給される駆動信号Tx(i)に応答して発生する。そのため、この実施の形態1において、A/D変換部14は、駆動信号Tx(i)に同期して、タッチ検出信号増幅部13からの増幅信号をサンプリングし、デジタル信号へ変換するように、制御部18によって、制御される。
さらに、検出信号処理部TSは、A/D変換部14による変換動作によって得られたデジタル信号を受信し、当該デジタル信号に対して信号処理を行う信号処理部15と、信号処理部15の処理によって得られた信号から、タッチした位置の座標を抽出する座標抽出部16とを有している。信号処理部15で行われる信号処理としては、A/D変換部14で行ったサンプリングの周波数よりも高い周波数のノイズ成分を取り除き、タッチ検出パネル部4におけるタッチの有無を検出する処理が含まれる。座標抽出部16により抽出されたタッチされた位置の座標は、出力端子Toutから座標情報として出力される。
駆動信号形成部17は、制御部18からの制御信号に基づいて、選択信号TP(0)〜TP(p)および複数の制御信号ctrsigを形成し、駆動電極ドライバ12へ供給する。駆動信号形成部17は、先に説明したように、共通電極TL(0)〜TL(p)のうち、選択共通電極とする共通電極に、その電圧が周期的に変化する駆動信号が供給されるように、選択共通電極とする共通電極に対応する選択信号をクロック信号とする。これにより、任意の共通電極を選択共通電極とすることが可能となり、タッチ検出期間において、任意の位置のタッチを検出することが可能となる。
制御部18は、表示制御装置5の制御部9から出力されているタッチ−表示同期信号TSHDを受信し、このタッチ−表示同期信号TSHDがタッチ検出期間を表しているときに、駆動信号形成部17に対して、選択信号TP(0)〜TP(p)および制御信号ctrsigを形成する様に制御する。また、タッチ検出期間において、タッチ検出信号増幅部13が受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)を変換し、タッチした座標が抽出されるように、A/D変換部14、信号処理部15および座標抽出部16を制御する。
<モジュール>
図3(A)は、実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1を実装したモジュールの概略を示す平面図である。また、図3(B)は、図3(A)において、B−B’の断面図である。
液晶パネル2は、同図において縦方向に延在し、横方向に並列的に配置された信号線SL(0)〜SL(p)と、これらの信号線SL(0)〜SL(p)の延在方向と同じ方向に延在する複数の共通電極TL(0)〜TL(p)とを具備している。すなわち、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれも、同図において縦方向に延在し、横方向に並列的に配置されている。なお、走査信号Vs0〜Vspが供給される走査線および検出信号Rx(0)〜Rx(p)を伝達する検出電極RL(0)〜RL(p)は、同図において、横方向に延在し、縦方向に並列的に配置されているが、図3(A)では省略されている。
図1で説明した表示制御装置5および信号線セレクタ6は、液晶パネル2の短辺側に配置されている。すなわち、表示制御装置5および信号線セレクタ6は、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)と直交または交差する方向に延在している。後で図5を用いて説明するが、信号線セレクタ6は、液晶パネル2と同じ基板に形成されており、信号線SL(0)〜SL(p)は、信号線セレクタ6に接続されており、表示制御装置5から出力される画像信号は、信号線セレクタ6を介して液晶パネル2の信号線SL(0)〜SL(p)に供給される。ここで、表示制御装置5から信号線セレクタ6へ供給される信号は、画像信号と、選択信号である。液晶パネル2は、カラー表示を行うため、表示制御装置5から信号線セレクタ6へ供給される画像信号は、3原色に相当するR(赤)、G(緑)、B(青)の画像信号であり、同図ではR/G/Bとして示されている。あるいは、3原色に相当するR(赤)、G(緑)、B(青)にW(白)やY(黄)などの第4色を加えた信号とされる。また、同図では、選択信号はSEL1、SEL2として示されている。
信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、ガラス基板であるTFT基板300の一主面に形成されている。図3に示したモジュールにおいては、1個の共通電極(例えば、共通電極TL(0))に対して、複数の信号線(例えば、信号線SL(0)0、SL(0)1)が対応しており、それぞれの信号線SL(0)0、SL(0)1は、画像信号R、G、Bに対応する3個の信号線を含んでいる。図3(B)には、信号線SL(0)0に含まれる画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)と、信号線SL(1)に含まれる画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(1)0(R)、SL(1)0(G)、SL(1)0(B)とが示されている。
ここで、本明細書で用いている、信号線の表記方法について説明をしておく。信号線SL(0)0(R)および信号線SL(1)0(R)を例にして説明すると、先ず()内の数字は、対応する共通電極の番号を示しており、次の数字は、対応する共通電極における画素の番号を示しており、()内の英字は、画素の三原色(R、G、B)を示している。すなわち、信号線SL(0)0(R)は、共通電極TL(0)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。同様に、信号線SL(1)0(R)は、共通電極TL(0)の隣に配置されたところの共通電極TL(1)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。そのため、図3(B)に示しているSL(1)1(R)およびSL(1)1(G)のそれぞれは、共通電極TL(1)に対応した信号線であり、1番目の画素の三原色の赤および緑に対応した画像信号を伝達する信号線を表していることになる。
図3(B)に示すように、画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)等の一主面とTFT基板300の一主面には、さらに絶縁層301が形成され、絶縁層301上に共通電極TL(0)〜TL(p)が形成されている。これらの共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれには、補助電極SMが形成され、補助電極SMは、共通電極と電気的に接続され、共通電極の電気抵抗の低減を図っている。共通電極TL(0)〜TL(p)と補助電極SMの上面には、絶縁層302が形成され、絶縁層302の上面には画素電極LDPが形成されている。図3(B)において、CR、CB、CGのそれぞれは、カラーフィルタであり、カラーフィルタCR(赤)、CG(緑)、CB(青)と絶縁層302との間には液晶層303が挟まれている。ここで、画素電極LDPは、走査線と信号線との交点に設けられており、各画素電極LDPの上方に、それぞれの画素電極LDPに対応したカラーフィルタCR、CGあるいはCBが設けられている。各カラーフィルタCR、CG、CB間にはブラックマトリクスBMが設けられている。
図4は、検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との関係を示す模式図である。図4(A)に示すように、カラーフィルタCR、CG、CBの上方面には、ガラス基板であるCFガラス基板400が設けられ、CFガラス基板400の上方面に、検出電極RL(0)〜RL(p)が形成されている。さらに、検出電極RL(0)〜RL(p)の上方には偏光板401が形成されている。なお、ここでは、図4(A)に示すように、同図において上側から目視される場合を例にしているため、上方面として述べているが、目視の方向が変わることにより、上方面は、下方面あるいは側方面となることは言うまでもない。また、図4(A)においては、検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との間に形成される容量素子の電極が破線で描かれている。尚、共通電極TL(0)〜TL(p)は液晶モードに応じて、CFガラス基板400上で検出電極RL(0)〜RL(p)よりも液晶層側に形成してもよい。
図3(A)および図4(C)に示すように、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、縦方向、すなわち長辺方向に延在し、横方向、すなわち短辺方向に並列に配置されている。これに対して、検出電極RL(0)〜RL(p)は、図4(B)に示すように、CFガラス基板400に設けられ、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように配置されている。すなわち、図4(B)において、横方向(短辺)に延在し、縦方向(長辺)に並列的に配置されている。この検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれからの検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、タッチ制御装置7へ供給される。
平面視で見た場合、図3(A)に示すように、信号線SL(0)〜SL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)は、平行して、延在していると見なすことができる。なお、「平行」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することをいうのであって、一方の線の一部又は全部が他方の線に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、この状態を「平行」とする。図3(A)から理解されるように、この実施の形態では、縦COM配置が採用されている。しかしながら、これに限定されず、横COM配置であってもよい。
また、信号線セレクタ6および表示制御装置5を基点として、共通電極TL(0)〜TL(p)の配置を捉えた場合、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、基点である信号線セレクタ6および表示制御装置5から遠ざかる方向に延在していると見なすことができる。この場合、信号線SL(0)〜SL(p)も、基点である信号線セレクタ6および表示制御装置5から遠ざかる方向に延在していると見なすことができる。
なお、図4(A)では、図3(B)に示した信号線および画素電極LDPは省略されている。
<モジュールの全体構成>
図5は、実施の形態1に係わるモジュールの全体構成を示す模式的な平面図であり、タッチ検出機能付き液晶表示装置1を実装したモジュール500の全体構成を示している。模式的ではあるが、図5は、実際の配置に合わせて描かれている。同図において、508は、図3で説明したTFT基板300における領域を示しており、507は、図4で説明したTFT基板300とCFガラス基板400とを有する領域を示している。領域507と領域508とにおいて、例えば、TFT基板300は領域507と領域508にまたがっており、CFガラス基板400は領域507に対応する。CFガラス基板400上の検出電極RL(0)〜RL(p)からの信号は、TFT基板300の領域508上の配線を介してフレキシブル基板506に供給してもよいし、図示しない別のフレキシブル基板をCFガラス基板400とフレキシブル基板506に接続しフレキシブル基板506に供給してもよい。尚、図4に示したように、TFT基板300の上方面に、CFガラス基板400、検出電極RL(0)〜RL(p)および偏光板401等が、さらに形成されている。
この領域507には、モジュール500の長辺方向に沿って、図1に示したゲートドライバ8が形成されている。この実施の形態においては、複数の共通電極TL(0)〜TL(p)を挟んだ状態で、モジュール500の2つの長辺方向に沿ってゲートドライバ8が形成されている。この場合、図1において説明した走査線は、モジュールの短辺方向に沿って延在し、長辺方向に並列に配置されており、ゲートドライバ8に接続されている。また、同図では省略されているが、領域507には、先に説明した信号線セレクタ6が実装されている。この実施の形態1においては、信号線セレクタ6は、モジュール500の短辺に沿って延在するように実装されている。
一方、領域508には、表示制御装置5が形成されている。表示制御装置5は、この実施の形態1においては、半導体集積回路装置(以下、半導体装置とも称する)と、複数の電子部品とによって構成されている。電子部品としては、薄膜トランジスタ(TFT)などのMOSFETが含まれている。複数のMOSFETは、TFT基板300に形成されている。この実施の形態1においては、複数のMOSFETは、表示制御装置5を構成する半導体装置によって覆われるTFT基板300の領域に形成されている。特に制限されないが、複数のMOSFETにより、駆動電極ドライバ12(図1)がTFT基板300上に形成され、複数のMOSFETを覆うようにその上面に制御部9などを有する半導体装置を配置することで表示装置の額縁領域を小さくすることができる。尚、信号線ドライバ11(図1)も、半導体装置によって覆われたTFT基板300上のMOSFETにより構成してもよい。勿論、駆動電極ドライバ12(図1)は半導体装置内に形成してもよい。
この半導体装置は、図5においては、DDICとして示されている。図5においては、駆動電極ドライバ12と半導体装置DDICとが、モジュール500に実装されていることを明示するために、駆動電極ドライバ12と半導体装置DDICとを別々に描いているが、先に説明したように、駆動電極ドライバ12は、半導体装置DDICによって覆われており、平面視的には、半導体装置DDICによって隠されている。半導体装置DDICは、信号線SL(0)〜SL(p)を駆動するため、以下、ドライバ用半導体装置と称する。この実施の形態1においては、特に制限されないが、ドライバ用半導体装置DDICは、1個であり、1個のドライバ用半導体装置DDICと、ドライバ用半導体装置DDICとTFT基板300との間に挟まれて形成されたMOSFETにより構成された駆動電極ドライバ12によって、図1に示した表示制御装置5が構成されている。しかしながら、ドライバ用半導体装置DDICは、図1に示した信号線ドライバ11のみを有し、別の半導体装置が図1に示した制御部9を有するようにしてもよい。
図5において、領域501は、液晶パネル2の表示領域を示しており、図1、図3および図4で説明した共通電極TL(0)〜TL(p)、信号線SL(0)〜SL(p)、検出電極RL(0)〜RL(p)および走査線等が形成されている領域を示している。ここで、液晶パネル2と領域501との対応を、図3および図5を用いて述べると、図3に示した液晶パネル2が有する1対の短辺2−U、2−Dが、図5に示した領域501の1対の短辺501−U、501−Dに対応し、図3に示した液晶パネル2の1対の長辺2−R、2−Dが、領域501の1対の長辺501−R、501−Lに対応する。そのため、この領域501内において、画像の表示が行われるとともに、タッチの検出が可能となる。
また、図5において、502は、第1電圧TPHを供給する第1電圧配線、503aは、第2電圧VCOMDC1aを供給する第2電圧配線、504は、第3電圧VCOMDC2を供給する第3電圧配線、503bは、第4電圧VCOMDC1bを供給する第4電圧配線を示している。特に制限されないが、第1電圧配線502、第2電圧配線503a、第3電圧配線504および第4電圧配線503bは、共通電極TL(0)〜TL(p)を含む領域501のそれぞれの長辺とモジュール500のそれぞれの長辺との間の領域に延在するように配置されている。
第1電圧配線502、第2電圧配線503a、第3電圧配線504および第4電圧配線503bについては、あとで詳しく説明するが、第3電圧配線504の線幅は、第1電圧配線502、第2電圧配線503aおよび第4電圧配線503bの線幅よりも細くされている。また、第1〜第4電圧配線502、503a、503b、504は、互いに同じ材料により形成され、それぞれの厚みも同じにされている。この場合、第1、第2および第4電圧配線502、503aおよび503bのそれぞれ線幅は、第3電圧配線504の線幅に対して、例えば2倍〜10倍とされている。第1電圧配線502と第2電圧配線503aと第4電圧配線503bの間で線幅は、互いに異なっていてもよい、この場合であっても、例えば、第2電圧配線503aの線幅は、第3電圧配線504の線幅の2倍〜10倍とされている。第1〜第4電圧配線502、503a、503b、504は、駆動電極ドライバ12に接続され、駆動電極ドライバ12に第1〜第4電圧TPH、VCOMDC1a、VCOMDC1b、VCOMDC2を供給する。また、特に制限されないが、第1〜第4電圧配線502、503a、503b、504は、ドライバ用半導体装置DDICに接続され、ドライバ用半導体装置DDICへ第1〜第4電圧TPH、VCOMDC1a、VCOMDC1bおよびVCOMDC2が供給されている。
第1電圧配線502、第2電圧配線503a、第4電圧配線503bおよび第3電圧配線504のそれぞれは、特に制限されないが、モジュール500に設けられた所定の電圧端子に接続され、これらの電圧端子からの第1〜第4電圧TPH、VCOMDC1a、VCOMDC1b、VCOMDC2を受電し、駆動電極ドライバ12へ供給する。勿論、モジュール500に第1〜第4電圧TPH、VCOMDC1a、VCOMDC1b、VCOMDC2を形成する電源回路を設け、電源回路から第1〜第4電圧配線に電圧を給電するようにしてもよい。この実施の形態1においては、第2電圧VCOMDC1aと第4電圧VCOMDC1bと第3電圧VCOMDC2の電圧値は、実質的に同じにされている。例えば、第2電圧VCOMDC1a、第4電圧VCOMDC1bおよび第3電圧VCOMDC2のそれぞれの電圧値は、0Vのような接地電圧Vsとされ、第1電圧TPHは、第2〜第4電圧VCOMDC1a、VCOMDC1b、VCOMDC2よりも電圧の高い電圧値、例えば0Vを超え、5.5V以下の電圧とされる。
図5において、領域508には、図示されていないが端子群が設けられており、この端子群にフレキシブル基板506内の配線が電気的に接続されている。フレキシブル基板506には、タッチ制御装置7が実装されている。この実施の形態1においては、図1に示したタッチ制御装置7は、特に制限されないが、1個の半導体装置により構成されている。ドライバ用半導体装置DDICと区別するために、本明細書では、タッチ制御装置7を構成する半導体装置をタッチ用半導体装置7と称する。タッチ用半導体装置7の端子(図示しない)は、フレキシブル基板506内の配線に接続されている。これにより、タッチ用半導体装置7とドライバ用半導体装置DDICとの間、およびタッチ用半導体装置7と駆動電極ドライバ12との間の信号の送受信が行われる。図5においては、例示のために、タッチ用半導体装置7から、駆動電極ドライバ12への信号が示されている。また、図5には、タッチ用半導体装置DDICから領域501内の信号線SL(0)〜SL(p)へ供給される信号が例示されている。
第2電圧VCOMDC1aと第3電圧VCOMDC2とは、実質的に同じ電圧値であるため、第2電圧配線503aと第3電圧配線504とは、フレキシブル基板505において、電気的に接続されている。この場合、第2電圧配線503aと第3電圧配線504とを接続するノードnLには、ローパスフィルタ506が接続されている。図5においては、第2電圧配線503aと第3電圧配線504とを接続するノードnLと接地電圧Vsとの間に接続された容量素子Cによってローパスフィルタ506が構成されている。
第2電圧配線503aおよび第3電圧配線504における電圧が変化すると言う観点で見た場合、第2電圧配線503aと第3電圧配線504との間にローパスフィルタ506が接続されていると見なすこともできる。この場合、第3電圧配線504における電圧の急峻な変化あるいは第2電圧配線503aにおける電圧の急峻な変化は、ローパスフィルタ506により、第2電圧配線503aあるいは第3電圧配線504へ伝達するのが抑制されることになる。また、第2電圧配線503aと第3電圧配線504とを一体的に形成した場合には、ローパスフィルタ506が接続されているノードnLを境にして、第2電圧配線503aと第3電圧配線504と見なすことができる。
<液晶素子配列>
次に、液晶パネル2の回路構成を説明しておく。図6は、液晶パネル2の回路構成を示す回路図である。図6において、一点鎖線で示した複数個のSPixのそれぞれは、1個の液晶表示素子を示している。液晶表示素子SPixは、液晶パネル2において、行列状に配置され、液晶素子配列LCDを構成している。液晶素子配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する複数の走査線GL(0)〜GL(p)と、各列に配置され、列方向に延在する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)とを具備している。また、液晶素子配列LCDは、各列に配置され、列方向に延在する共通電極TL(0)〜TL(p)を有している。図6には、走査線GL(0)〜GL(2)と、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(1)0(R)、SL(1)0(G)、SL(1)0(B)と、共通電極TL(0)、TL(1)に関する液晶素子配列の部分が示されている。
図6においては、説明を容易にするために、共通電極TL(0)、TL(1)が、それぞれの列に配置されているように、示されているが、図3(A)および(B)において説明したように、複数の信号線に対して1個の共通電極が配置されているものと理解されたい。勿論、図6に示すように、液晶素子配列LCDのそれぞれの列に共通電極を配置してもよい。いずれにおいても、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、信号線と平行するように、液晶素子配列LCDの列に配置されている。
液晶素子配列LCDの行と列の交点に配置されたそれぞれの液晶表示素子SPixは、TFTガラス基板300に形成された薄膜トランジスタTrと、薄膜トランジスタTrのソースに一方の端子が接続された液晶素子LCとを具備している。液晶素子配列LCDにおいて、同じ行に配置された複数の液晶表示素子SPixの薄膜トランジスタTrのゲートは、同じ行に配置されている走査線に接続され、同じ列に配置された複数の液晶表示素子SPixの薄膜トランジスタTrのドレインは、同じ列に配置された信号線に接続されている。言い換えるならば、複数の液晶表示素子SPixが、行列状に配置され、各行には、走査線が配置され、走査線には、対応する行に配置された複数の液晶表示素子SPixが接続されている。また、各列には信号線が配置され、信号線には、対応する列に配置された液晶表示素子SPixが接続されている。また、同じ列に配置された複数の液晶表示素子SPixの液晶素子LCの他端は、列に配置された共通電極に接続されている。
図6に示した例で説明すれば、同図において、最上段の行に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのゲートは、最上段の行に配置された走査線GL(0)に接続されている。また、同図において、最も左側の列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのドレインは、最も左側の列に配置された信号線SL(0)0(R)に接続されている。また、最も左側に列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの液晶素子の他端は、図6においては、最も左側に配置された共通電極TL(0)に接続されている。先にも述べたように、1個の共通電極が、複数の信号線に対応している。そのため、図6に示した例では、共通電極TL(0)は、3列に対して共通の共通電極となっていると見なすことができる。
1個の液晶表示素子SPixが、先に述べた1個の副画素(サブ画素)に対応する。従って、3個の液晶表示素子SPixによって、R、G、Bの3原色の副画素が構成される。図6では、同じ行に、連続的に配置された3個の液晶表示素子SPixによって、1つの画素Pixが形成され、当該画素Pixにてカラーが表現されるものとなる。すなわち、図6において、600Rとして示されている液晶表示素子SPixが、R(赤)の副画素SPix(R)とされ、600Gとして示されている液晶表示素子SPixが、G(緑)の副画素SPix(G)とされ、600Bとして示されている液晶表示素子SPixが、B(青)の副画素SPix(B)とされる。そのために、600Rとして示されている副画素SPix(R)には、カラーフィルタとして赤色のカラーフィルタCRが設けられており、600Gの副画素SPix(G)には、カラーフィルタとして青色のカラーフィルタCGが設けられており、600Bの副画素SPix(B)には、カラーフィルタとして緑色のカラーフィルタCBが設けられている。
また、1つの画素を表す信号のうち、Rに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(R)に供給され、Gに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(G)に供給され、Bに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(B)に供給される。
各液晶表示素子SPixにおける薄膜トランジスタTrは、特に制限されないが、Nチャンネル型のMOSFETである。走査線GL(0)〜GL(p)には、例えばこの順番で順次ハイレベルとなるパルス状の走査信号Vs0〜Vsp(図1)が、ゲートドライバ8から供給される。すなわち、液晶素子配列LCDにおいて、上段の行に配置された走査線GL(0)から下段の行に配置された走査線GL(p)に向かって、走査線の電圧が、順次ハイレベルとなる。これにより、液晶素子配列LCDにおいて、上段の行に配置された液晶表示素子SPixから下段の行に配置された液晶表示素子SPixに向かって、液晶表示素子SPixにおける薄膜トランジスタTrが、順次導通状態となる。
薄膜トランジスタTrが導通状態となることにより、そのとき信号線に供給されている画素信号が、導通状態の薄膜トランジスタを介して、液晶素子LCに供給される。液晶素子LCに供給された画素信号の値に従って、液晶素子LCにおける電界が変化し、その液晶素子LCを透過する光の変調が変わる。これにより、走査線GL(0)〜GL(p)に供給する走査信号Vs0〜Vspに同期して、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)に供給した画像信号に応じたカラー画像が、液晶パネル2に表示されることになる。
ここで、図5に示したモジュール500の配置と、図6に示した回路図との対応を述べておくと、次のようになる。
液晶素子配列LCDは、その配列の行と実質的に平行な1対の辺と、その配列の列と実質的に平行な1対の辺とを有している。液晶素子配列LCDの行と平行な1対の辺が、図5に示した領域501の短辺501−U、501−Dに対応し、液晶素子配列LCDの列と平行な1対の辺が、領域501の長辺501−R、501−Lに対応する。
液晶素子配列LCDにおいて、行と平行な1対の辺のうちの一方の辺、すなわち、領域501の一方の短辺501−Dに沿って、図3(A)、図4(C)および図5に示されているように、信号セレクタ6、ドライバ用半導体装置DDICおよび駆動電極ドライバ12が配置されている。液晶素子配列LCDにおいては、この一方の辺(領域501の短辺501−D)において、信号線セレクタ6を介して、ドライバ用半導体装置DDIC内の信号線ドライバ11からの画像信号が、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)に供給される。また、この一方の辺(領域501の短辺501−D)において、駆動電極ドライバ12からの駆動信号Tx(i)が、共通電極TL(0)〜TL(p)の一方の端部に供給される。
また、液晶素子配列LCDにおいて、列と平行な1対の辺、すなわち、領域501の1対の長辺501−L、501−Rに沿って、ゲートドライバ8が配置されている液晶素子配列LCDにおいては、この1対の辺(領域501の長辺501−L、501−R)において、走査線GL(0)〜GL(p)にゲートドライバ8からの走査信号Vs0〜Vspが供給される。
この実施の形態に係わる液晶表示装置は、インセルタイプであるため、共通電極TL(i)は、液晶表示素子SPixの一方の電極であり、表示期間においては、所定の電圧が供給され、タッチ検出期間においては、駆動電極ドライバ12から電圧が供給される。薄膜トランジスタTrのドレインを、液晶表示素子SPixの他方の電極と見た場合には、表示期間においては、液晶表示素子SPixの他方の電極は、信号線であり、画像信号が供給される。
1個の画素を構成する副画素の数が、3個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば上記RGBに加えて白(W)や黄色(Y)、又はRGBの補色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のいずれか1色又は複数色を加えた副画素で1つの画素としてもよい。
<液晶表示装置1の構成>
図7は、液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。同図において、TL(0)〜TL(p)は、共通電極であり、図7には、共通電極TL(0)、TL(n)およびTL(p)が代表として示されている。また、図7において、共通電極TL(0)、TL(n)およびTL(p)上に描かれている破線は信号線を示しており、一点鎖線は、走査線GL(0)〜GL(p)を示している。
図7において、SP11〜SP16は、それぞれTFT基板300に形成された端子を示しており、端子SP11〜SP16により、1個の共通電極に対応した端子群(SP11〜SP16)が構成されている。図7には、3個の共通電極TL(0)、TL(n)およびTL(p)が示されているため、3組の端子群(SP11〜SP16)が示されている。端子SP11〜SP16は、ドライブ用半導体装置DDICの○印で示した端子に接続され、表示期間においては、ドライブ用半導体装置DDICの端子(○印)から画像信号が供給される。また、ドライブ用半導体装置DDICは、タッチ検出期間において、○印の端子をハイインピーダンス状態にする。
信号線セレクタ6(図1)は、複数の単位信号線セレクタ6(0)〜6(p)により構成されている。単位信号線セレクタ6(0)〜6(p)のそれぞれは、互いに同じ構成を有しており、それぞれの単位信号線セレクタは、選択信号SEL1、SEL2の電圧に従って、端子SP11〜SP16を、この端子SP11〜SP16に対応した共通電極上に配置された信号線に接続する。図7において、最も左側に描いた単位信号線セレクタ6(0)を例にして説明すると、単位信号線セレクタ6(0)は、端子SP11を、選択信号SEL1、SEL2の電圧に従って、信号線SL(0)0(R)またはSL(0)0(B)に接続する。例えば、選択信号SEL1またはSEL2の電圧がハイレベルであれば、端子SP11を信号線SL(0)0(R)またはSL(0)0(B)に接続する。
これにより、表示期間において、選択信号SEL1およびSEL2を選択的にハイレベルにすることにより、ドライブ用半導体装置DDICから端子SP11に供給されている画像信号を信号線SL(0)0(R)またはSL(0)0(B)へ供給することが可能となる。残りの端子SP12〜SP16についても同様である。表示期間において、ドライブ用半導体装置DDICは、端子SP11〜SP16のそれぞれに、時分割的に画像信号を供給し、選択信号SEL1、SEL2の電圧を選択的にハイレベルとすることにより、適切な信号線へ画像信号を供給することが可能となる。
一方、タッチ検出期間においては、選択信号SEL1、SEL2のそれぞれが、ハイレベルにされる。これにより、単位信号線セレクタ6(0)は、端子SP11を、信号線SL(0)0(R)およびSL(0)0(B)に接続する。単位信号線セレクタ6(0)は、残りの端子SP12〜SP16のそれぞれについても、同様に、それぞれ2個の信号線を1個の端子に接続する。
単位信号線セレクタ6(0)を例にして説明したが、残りの単位信号線セレクタ6(1)〜6(p)についても同様である。
この実施の形態1に係わる液晶表示装置1は、共通電極TL(0)〜TL(p)と、それぞれの共通電極に対応した端子群(SP11〜SP16)との間に設けられた共通電極スイッチLSSを備えている。この共通電極スイッチLSSは、制御信号VCOMSELの電圧に従って、共通電極TL(0)〜TL(p)を、対応する端子群(SP11〜SP16)または第4電圧配線503bへ接続する。制御信号VCOMSELは、タッチ用半導体装置7において形成される制御信号であって、図1に示した制御信号ctrsigに含まれている。タッチ用半導体装置7は、タッチ検出期間において、制御信号VCOMSELの電圧をハイレベルにし、表示期間においてはロウレベルにする。尚、複数の単位共通電極スイッチLSS(0)〜LSS(p)に電位を供給する第4電圧配線503bは複数の第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)に電位を供給する第2電圧配線503aとはTFT基板上では分かれて形成されているが、第2電圧配線503aと配線を共用してもよい。
共通電極スイッチLSSも、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応した複数の単位共通電極スイッチLSS(0)〜LSS(p)によって構成されている。それぞれの単位共通電極スイッチLSS(0)〜LSS(p)の構成は互いに同じ構成にされている。単位共通電極スイッチLSS(0)を例にして説明すると、制御信号VCOMSELの電圧がハイレベルのとき、すなわちタッチ検出期間のとき、単位共通電極スイッチLSS(0)は、対応する共通電極TL(0)を対応する端子群(SP11〜SP16)の各端子に電気的に接続する。一方、制御信号VCOMSELの電圧がロウレベルのとき、すなわち表示期間のとき、単位共通電極スイッチLSS(0)は、対応する共通電極TL(0)を、第4電圧配線503bに電気的に接続する。残りの単位共通電極スイッチLSS(1)〜LSS(p)も同様である。
共通電極スイッチLSSにより、表示期間においては、共通電極TL(0)〜TL(p)は第4電圧配線503bに接続されるため、第4電圧配線503bに供給されている第2電圧VCOMDC1bが、表示用の駆動電圧として、共通電極TL(0)〜TL(p)に供給されることになる。
この実施の形態1においては、駆動電極ドライバ12は、第1ロジック回路LG1および第1スイッチ回路SW1により構成されている。第1ロジック回路LG1は、それぞれ共通電極TL(0)〜TL(p)に対応した複数の第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(p)によって構成されている。この第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(p)は互いに同じ構成にされている。第1スイッチ回路SW1も、それぞれ共通電極TL(0)〜TL(p)に対応した複数の第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)によって構成されている。この第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)も互いに同じ構成にされている。
第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(p)のそれぞれは、タッチ用半導体装置7からの選択信号TP(0)〜TP(p)と、制御信号VCOMSELと、制御信号VCOMSELに対して位相反転された制御信号xVCOMSELとを受信する。ここで、制御信号VCOMSEL、xVCOMSELは、第1単位ロジック回路UL(0)〜UL(p)に共通に供給される。一方、選択信号TP(0)〜TP(p)については、対応する共通電極に対応した選択信号が第1単位ロジック回路に供給される。例えば、共通電極TL(0)に対応した第1単位ロジック回路ULG1(0)には、共通電極TL(0)に対応した選択信号TP(0)が供給され、共通電極TL(n)に対応した第1単位ロジック回路ULG1(n)には、共通電極TL(n)に対応した選択信号TP(n)が供給される。同様に、共通電極TL(p)に対応した第1単位ロジック回路ULG1(p)には、共通電極TL(p)に対応した選択信号TP(p)が供給される。
第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(p)のそれぞれは、供給されている選択信号TP(0)〜TP(p)に基づいて、対応する共通電極TL(0)〜TL(p)が選択共通電極として指定されているか否かの判定を行い、対応する第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)を制御する。
第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)は、それぞれ対応する共通電極TL(0)〜TL(p)に対応した端子群(SP11〜SP16)と、第1〜第3電圧配線502、503a、504に接続されている。それぞれの第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)は、対応する第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(p)により、タッチ検出期間において、対応する端子群(SP11〜SP16)を第1〜第3電圧配線502、503a、504のいずれかに電気的に接続するように制御される。
先に説明したように、共通電極スイッチLSSは、タッチ検出期間において、端子群(SP11〜SP16)を、対応する共通電極TL(0)〜TL(p)に接続する。そのため、タッチ検出期間においては、共通電極TL(0)〜TL(p)は、第1〜第3電圧配線502,503a、504のいずれかに接続されることになる。
第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)のそれぞれは、対応する第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(p)によって制御されるため、第1単位スイッチ回路と、それに対応した第1単位ロジック回路とによって、1個の第1単位駆動電極ドライバUDG1(i)が構成されていると見なすことができる。この場合には、駆動電極ドライバ12は、互いに同じ構成とされた複数の第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)によって構成されていると見なすことができ、複数の第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)のそれぞれが、共通電極TL(0)〜TL(p)に1対1に対応していると見なすことができる。
図7において、12−Uは、駆動電極ドライバを示している。先に述べた駆動電極ドライバ12と区別するために、以降、駆動電極ドライバ12は、第1駆動電極ドライバ12(第1駆動回路)と称し、駆動電極ドライバ12−Uは、第2駆動電極ドライバ12−U(第2駆動回路)とも称する。この第2駆動電極ドライバ12−Uについては、あとで実施の形態2および3において説明するので、ここでは構成と概要のみを説明する。第2駆動電極ドライバ12−Uは、図7に示されているように、共通電極TL(0)〜TL(p)を、第1駆動電極ドライバ12と挟むように配置されている。図5を参照にして説明すると、第1駆動電極ドライバ12は、領域501の短辺501−D(一方の辺)に沿うように、モジュール500の短辺と短辺501−Dとの間に配置され、第2駆動電極ドライバ12−Uは、領域501の短辺501−U(他方の辺)に沿うように、モジュール500の短辺と短辺501−Uとの間に配置されている。
この第2駆動電極ドライバ12−Uも、第1駆動電極ドライバ12と同様に、第2ロジック回路US2と第2スイッチ回路SW2により構成されている。また、第2ロジック回路US2は、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応した複数の第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)により構成されており、第2スイッチ回路SW2も、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応した複数の第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)により構成されている。第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)は、互いに同じ構成にされており、第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)も、互いに同じ構成にされている。
第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)のそれぞれは、対応する共通電極が同じ第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)によって制御される。そのため、対応する共通電極が同じ第2単位ロジック回路と第2単位スイッチ回路とによって、第2単位駆動電極ドライバが構成されていると見なすことができる。このように見なした場合、第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)と第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)によって、第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)〜UDG2(p)が構成され、これらの第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)〜UDG2(p)によって、第2駆動電極ドライバ12−Uが構成されていることになる。また、この場合には、各第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)〜UDG2(p)が、各共通電極TL(0)〜TL(p)に対応することになる。例えば、第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)は、共通電極TL(0)に対応し、第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)は、共通電極TL(n)に対応し、第2単位駆動電極ドライバUDG2(p)は、共通電極TL(p)に対応する。
第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)のそれぞれは、第1〜第3電圧配線502,503a、504と、対応する共通電極TL(0)〜TL(p)に接続されており、対応する第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)の制御により、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(0)〜TL(p)を第1または第2電圧配線502、503aに接続する。
第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)〜UDG2(p)内の第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)は、タッチ検出期間において、同じ共通電極に対応した第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)からの駆動信号を、選択信号として受け、対応する第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)を制御する。この場合、対応する共通電極上に配置された信号線(例えば、SL(0)〜(R)、SL(0)〜(B))を介して、駆動信号が、第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)から第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)へ、選択信号として供給される。なお、この信号線は、表示期間においては、画像信号を伝達する信号線である。
第2駆動電極ドライバ12−U内の第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)に接続された第1〜第3電圧配線502、503a、504は、図5に示したように、領域501の長辺501―L、501−Rとモジュール500の長辺との間の領域を延在している電圧配線によって、第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)に接続されている第1〜第3電圧配線502、503a、504と電気的に接続されている。
<第1駆動電極ドライバ12の構成>
図8は、この実施の形態に係わる第1駆動電極ドライバ12(第1駆動回路)の構成を示す回路図である。駆動電極ドライバ12は、先に述べたように、互いに同じ構成の複数の第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)により構成されている。そのため、図8には、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)の構成のみが示されている。また、図8には、信号線SL(破線)、単位信号線セレクタ6(n)および単位駆動電極スイッチLSS(n)も示されている。第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)の構成を説明する前に、単位信号線セレクタ6(n)および単位駆動電極スイッチLSS(n)の構成を説明しておく。
図8においては、図面が複雑になるのを避けるために、共通電極TL(n)に対応する端子群(SP11〜SP16)のうち端子SP11〜SP14が示されている。これに合わせて、単位駆動電極スイッチLSS(n)は、端子SP11〜SP14に関する構成のみが示されている。また、同様に、単位信号線セレクタ6(n)も、端子SP11〜SP14に関する構成のみが示されている。
さらに、単位信号線セレクタ6(n)については、説明を容易にするために、端子SP11〜SP14のそれぞれに対して1本の信号線SL(i)が破線で示され、破線で示した信号線SL(i)と端子SP11〜SP14との間に設けられたスイッチS1、S2のみが示されている。スイッチS1、S2は、選択信号SEL1、SEL2によりスイッチ制御される。スイッチS1とS2は、表示期間においては、選択信号SEL1,SEL2によって、相補的にオン状態とされる。選択信号SEL1、SEL2によってスイッチS1またはS2がオン状態にされているとき、ドライバ用半導体装置DDICからの画像信号が、信号線SL(i)に伝達され、表示される。一方、特に制限されないが、タッチ検出期間においては、スイッチS1とS2とがともにオン状態となるように、制御信号SEL1、SEL2により制御される。
単位駆動電極スイッチLSS(n)は、1個の共通端子Cと2個の端子P1、P2とを有し、制御信号VCOMSELにより制御されるスイッチS3を複数個有している。スイッチS3の個数は、端子群(SP11〜SP16)内の端子の個数と同じである。図8では、端子群(SP11〜SP16)のうち端子SP11〜SP14までの4個が示されているため、4個のスイッチS3によって、単位駆動電極スイッチLSS(n)が構成されている。スイッチS3のそれぞれの共通端子Cは、対応する共通電極TL(n)に接続され、スイッチS3のそれぞれの端子P1は、第4電圧配線503bに接続され、端子P2は、端子SP11〜SP14に接続されている。制御信号VCOMSELは、タッチ検出期間において、ハイレベルとなる。このハイレベルにより、スイッチS3は、それぞれの共通端子Cを、端子P2へ接続する。これにより、タッチ検出期間においては、スイッチS3を介して、対応する共通電極TL(n)は、端子SP11〜SP14に電気的に接続される。一方、表示期間においては、制御信号VCOMSELがロウレベルとなる。これにより、スイッチS3の共通端子Cは端子P1に接続される。これにより、対応する共通電極TL(n)は、スイッチS3を介して、第4電圧配線503bに電気的に接続される。
次に、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)の構成を説明する。先に述べたように、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)は、第1単位スイッチ回路USW1(n)および第1単位ロジック回路ULG1(n)により構成されている。第1単位スイッチ回路USW1(n)は、端子群(SP11〜SP16)のうち、対応する端子と第1電圧配線502との間に接続された複数の第1スイッチと、端子群(SP11〜SP16)のうち、対応する端子と第2電圧配線503aとの間に接続された複数の第2スイッチと、端子群(SP11〜SP16)のうち、対応する端子と第3電圧配線504との間に接続された複数の第3スイッチとを備えている。
図8には、複数の第1スイッチのうち、端子SP11〜SP14と第1電圧配線502との間に接続された第1スイッチS10〜S13が示されている。これらの第1スイッチS10〜S13は、第1単位ロジック回路ULG1(n)からの第1スイッチ制御信号SW1Cにより、スイッチ制御される。また、図8には、複数の第2スイッチのうち、端子SP11〜SP14と第2電圧配線503aとの間に接続された第2スイッチS20〜S23が示されている。これらの第2スイッチS20〜S23は、第1単位ロジック回路ULG1(n)からの第2スイッチ制御信号SW2Cにより、スイッチ制御される。同様に、図8には、複数の第3スイッチのうち、端子SP11〜SP14と第3電圧配線504との間に接続された第3スイッチS30〜S33が示されている。これらの第3スイッチS30〜S33は、第1単位ロジック回路ULG1(n)からの第3スイッチ制御信号SW3Cにより、スイッチ制御される。
特に制限されないが、第1スイッチS10〜S13、第2スイッチS20〜S23および第3スイッチS30〜S33は、第1スイッチ制御信号SW1C、第2スイッチ制御信号SW2Cおよび第3スイッチ制御信号SW3Cが、ハイレベル(論理値“1”)となることにより、オン(導通状態)し、ロウレベル(論理値“0”)となることにより、オフ(非導通状態)となる。
端子群(SP11〜SP16)のうち、端子SP11を例にすると、端子SP11と第1電圧配線502との間に、第1スイッチ制御信号SW1Cによりスイッチ制御される第1スイッチS10が接続され、端子SP11と第2電圧配線503aとの間に、第2スイッチ制御信号SW2Cによりスイッチ制御される第2スイッチS20が接続され、端子SP11と第3電圧配線504との間に、第3スイッチ制御信号SW3Cによりスイッチ制御される第3スイッチS30が接続されている。残りの端子SP12〜SP16についても、同様に、それぞれの端子SPは、第1スイッチを介して、第1電圧配線502に接続され、第2スイッチを介して、第2電圧配線503aに接続され、第3スイッチを介して、第3電圧配線504に接続されている。
第1単位ロジック回路ULG1(n)は、バッファ回路BF1と、2入力ノア(NOR)回路NR1、NR2、2入力アンド回路AND1およびリセット端子を有するフリップフロップ回路FF1とを備えている。ここで、フリップフロップ回路FF1は、リセット端子を有するD型フリップフロップ回路であり、リセット端子rstと、クロック端子ckと、データ入力端子Dとデータ出力端子Q、/Qとを有している。データ出力端子/Qは、データ出力端子Qから出力される出力信号に対して位相反転された出力信号を出力する出力端子を意味している。
リセット端子rstを有するD型フリップフロップ回路FF1は、そのリセット端子rstにロウレベルの信号を供給することにより、リセットされ、データ出力端子Qからはロウレベルを出力し、データ出力端子/Qからはハイレベルを出力する。一方、リセット端子rstにハイレベルの信号が供給されているときに、クロック信号ckの電圧が立ち上がると、データ入力端子Dに供給されている入力信号を取り込み、データ入力端子Dに供給されている入力信号の論理値と同じ論理値の信号を、データ出力端子Qから出力信号として出力する。このとき、データ出力端子/Qからは、データ出力端子Qから出力されている出力信号の論理値に対して反転された論理値の信号が出力信号として出力される。クロック信号ckの電圧値が維持されているとき、および立ち下がるときには、リセット端子rstを有するD型フリップフロップ回路FF1は、取り込んだ入力信号を保持し、取り込んだ入力信号に対応した出力信号をデータ出力端子Q、/Qから出力し続ける。
あとで述べる複数の実施の形態において用いられているフリップフロップ回路は、全てここで述べたリセット端子rstを有するD型フリップフロップ回路である。なお、この実施の形態においては、フリップフロップ回路FFのデータ出力端子/Qは用いられていないため、図示されていない。
第1単位ロジック回路ULG1(n)には、タッチ検出期間において、タッチ用半導体装置7から、共通電極TL(n)に対応した選択信号TP(n)が供給される。選択信号TP(n)は、バッファ回路BF1に供給され、バッファ回BF1は、選択信号TP(n)を第1スイッチ制御信号SW1Cとして、第1単位スイッチ回路USW1(n)へ供給する、また、選択信号TP(n)は、2入力ノア回路NOR1の一方の入力と、フリップフロップ回路FF1のクロック端子ckに供給されている。フリップフロップ回路FF1のリセット端子rstおよびデータ入力端子Dには、制御信号VCOMSELか供給され、制御信号VCOMSELに対して位相反転された制御信号xVCOMSELは、2入力ノア回路NR2の一方の入力に供給されている。フリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qは、2入力ノア回路NR2の他方の入力に接続されている。
また、2入力ノア回路NR2の出力は、第3スイッチ制御信号SW3Cとして、第1単位スイッチ回路USW1(n)に供給される。さらに、2入力ノア回路NR1の他方の入力には、2入力ノア回路NR2の出力が供給され、2入力ノア回路NR1の出力と、制御信号VCOMSELとが、2入力アンド回路AND1に入力され、2入力アンド回路AND1の出力が、第2スイッチ制御信号SW2Cとして、第1単位スイッチ回路USW1(n)へ供給される。
制御信号VCOMSELは、表示期間においてはロウレベルとなり、表示期間においてはハイレベルとなる。フリップフロップ回路FF1のリセット端子rstに制御信号VCOMSELが供給されているため、フリップフロップ回路FF1は、表示期間においてはリセットされ、データ出力端子Qからはロウレベル(論理値“0”)の信号が出力される。一方、制御信号xVCOMSELは、制御信号VCOMSELに対して位相反転された信号であるため、表示期間において、ハイレベル(論理値“1”)となり、タッチ検出期間において、ロウレベル(論理値“0”)となる。これにより、表示期間においては、2入力ノア回路NR2から出力される第3スイッチ制御信号SW1Cはロウレベルとなる。
また、選択信号TP(n)は、表示期間においては、ロウレベル(論理値“0”)となり、タッチ検出期間においては、この選択信号TP(n)に対応する共通電極TL(n)を選択共通電極として指定する場合には、ハイレベルとロウレベルとの間で電圧が周期的に変化し、対応する共通電極TL(n)を非選択共通電極として指定する場合には、ロウレベルとなる。
先ず、表示期間においては、選択信号TP(n)がロウレベルとなることにより、バッファ回路BF1は、ロウレベルの第1スイッチ制御信号SW1Cを出力する。また、表示期間においては、第3スイッチ制御信号SW3Cも、先に述べたように、ロウレベルとなる。これにより、2入力ノア回路NR1は、表示期間において、両方の入力にロウレベルが供給されるため、ハイレベルを出力する。しかしながら、表示期間においては、制御信号VCOMSELがロウレベルであるため、2入力アンド回路AND1の出力信号である第2スイッチ制御信号SW2Cはロウレベルとなる。従って、表示期間においては、それぞれロウレベルの第1〜第3スイッチ制御信号SW1C〜SW3Cが、第1単位ロジック回路ULG1(n)から、対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)へ供給されることになる。
そのため、表示期間において、対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)における第1スイッチ(図8では、S10〜S13)、第2スイッチ(図8では、S20〜S23)および第3スイッチ(図8では、S30〜S33)はオフ状態となる。その結果、表示期間においては、端子群(SP11〜SP16)のそれぞれは、第1〜第3電圧配線502、503a、504から電気的に分離される。表示期間においては、ドライバ用半導体装置DDICから画像信号が、端子群(SP11〜SP16)へ供給され、単位信号線セレクタ6(n)によって、破線で示したような適切な信号線に伝達される。表示期間において、単位駆動電極スイッチLSS(n)における複数のスイッチS3の共通端子Cは、端子P1に接続される。そのため、表示期間において、対応する共通電極TL(n)は、第4電圧配線503bに接続される。これにより、表示期間においては、共通電極を用いて液晶表示素子に、表示のための駆動電圧、すなわち第4電圧VCOMDC1bが供給されることになる。
タッチ検出期間になると、制御信号VCOMSELの電圧は、ロウレベルからハイレベルへ変化する。これにより、フリップフロップ回路FF1のリセット端子rstの電圧が、ハイレベルとなることにより、フリップフロップ回路FF1のリセットが解除される。タッチ検出期間において、選択共通電極に対応する選択信号は、その電圧が周期的に変化する信号とされ、非選択共通電極に対応する選択信号は、ロウレベルにされる。
図8に示した共通電極TL(n)を選択共通電極とする場合、タッチ用半導体装置7は、タッチ検出期間において、共通電極TL(n)に対応する選択信号TP(n)の電圧を周期的に変化させる。リセットを解除された後で、フリップフロップ回路FF1は、選択信号TP(n)の電圧が立ち上がることにより、制御信号VCOMSELの電圧に応じた論理値を取り込む。このときの制御信号VCOMSELの電圧は、ハイレベルであるため、ハイレベルに相当する論理値“1”を取り込み、保持するとともに、データ出力端子Qから、論理値“1”に対応するハイレベルの信号を出力する。これにより、2入力ノア回路NR2から出力される第3スイッチ制御信号SW3Cの電圧はロウレベルとなる。また、バッファ回路BF1は、選択信号TP(n)と同相の信号を第1スイッチ制御信号SW1Cとして出力する。
一方、2入力ノア回路NR1は、第3スイッチ制御信号SW2Cがロウレベルとなることにより、選択信号TP(n)を位相反転するインバータ回路として機能することになる。そのため、2入力ノア回路NR2からは、選択信号TP(n)に対して位相反転された信号が、出力される。2入力アンド回路AND1は、制御信号VCOMSELがハイレベルで有るため、2入力ノア回路NR2から出力されている信号を、第2スイッチ制御信号SW2Cとして出力する。タッチ検出期間においては、ハイレベルの制御信号VCOMSELにより、単位駆動電極スイッチLSS(n)を構成するスイッチS3の共通端子Cが、端子P2に接続されているため、端子群(SP11〜SP16)は、対応する共通電極TL(n)に電気的に接続されている。
第1単位ロジック回路ULG1(n)は、選択信号TP(n)と同期した第1スイッチ制御信号SW1Cと選択信号TP(n)に対して位相反転された第2スイッチ制御信号SW2Cを出力する。そのため、第1単位ロジック回路ULG1(n)に対応した第1単位スイッチ回路USW1(n)は、第1スイッチ制御信号SW1Cおよび第2スイッチ制御信号SW2Cに従って、第1スイッチS10〜S13と第2スイッチS20〜S23を交互にオン状態にする。その結果、タッチ検出期間において、共通電極TL(n)は、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続される。すなわち、タッチ検出期間において、選択共通電極として指定された共通電極TL(n)の電圧は、第1電圧配線502における第1電圧TPHと第2電圧配線503aにおける第2電圧VCOMDC1との間で周期的に変化することになる。
一方、タッチ検出期間において、選択信号TP(n)が、共通電極TL(n)を非選択共通電極として指定している場合には、タッチ検出期間において、選択信号TP(n)はロウレベルを維持する。そのため、フリップフロップFF1は、リセットが解除されたときの状態を維持し、フリップフロップ回路FF1は、データ出力端子Qからロウレベルの信号を出力する。タッチ検出期間においては、制御信号xVCOMSELはロウレベルとなるため、2入力ノア回路NR2は、ハイレベルの第3スイッチ制御信号SW3Cを出力する。このハイレベルの第3スイッチ制御信号SW3Cにより、2入力ノア回路NR1は、ロウレベルを出力し、2入力アンド回路ANDから出力される第2スイッチ制御信号SW2Cもロウレベルとなる。また、バッファ回路BF1は、ロウレベルの選択信号TP(n)に応じて、ロウレベルの第1スイッチ制御信号SW1Cを出力する。
この結果、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)を非選択共通電極とする選択信号TP(n)を受信した場合、第1単位ロジック回路ULG1(n)は、対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)における第3スイッチS30〜S33がオン状態となるように制御し、第1スイッチS10〜S13がオフ状態となるように制御し、第2スイッチS20〜S23もオフ状態となるように制御する。そのため、非選択共通電極として指定された共通電極TL(n)は、第3スイッチS30〜S33を介して、第3電圧配線504に電気的に接続されることになる。
図8に示していない他の第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG(n−1)、UDG(n+1)〜UDG(p)も同様に動作する。これにより、駆動電極ドライバ12は、タッチ検出期間のとき、選択共通電極として指定された共通電極を第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続し、非選択共通電極として指定された共通電極を、第2電圧配線503aの代わりに第3電圧配線504に電気的に接続する。すなわち、タッチ検出期間において、選択共通電極が接続される電圧配線と、非選択共通電極が接続される電圧配線とが分けられる。
この実施の形態1においては、第2電圧配線503aと第3電圧配線504との接続ノードnLにローパスフィルタ506(図5)が接続されているため、電圧的には、第2電圧配線503aと第3電圧配線504は同じ電圧値を有するが、第3電圧配線504あるいは第2電圧配線における急峻な電圧変化は、第2電圧配線503aあるいは第3電圧配線504へ減衰して伝達される。これにより、図18および図19において説明した選択共通電極の電圧を立ち上げる際に生じる非選択共通電極による第3電圧配線504の電圧変動は、減衰して第2電圧配線503aへ伝達されることになり、選択共通電極および検出電極の電圧の立ち上がりが遅くなるのを低減することが可能となる。また、選択共通電極の電圧を立ち下げるときにも、非選択共通電極が接続されている第3電圧配線504を、第3電圧(第2電圧)へ充電する量を低減することが可能となる。その結果、選択共通電極の電圧を立ち下げるときの時間が長くなるのを抑制することが可能となる。
さらに、タッチ検出期間において、非選択共通電極は、第3電圧配線504に接続されているため、図21において説明したように、誤検出が発生するのを低減する、あるいは検出を早くすることが可能となる。また、第3電圧配線504は、非選択共通電極の電圧を固定することができればよいため、この実施の形態1のように、第1および第2電圧配線502、503aに比べて、その線幅を細くすることが可能であるため、額縁が大きくなるのを抑制することが可能となる。
<液晶表示装置の動作>
図9(A)〜(G)は、この実施の形態に係わる液晶表示装置1の動作を示す波形図である。図9において、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。また、説明を容易にするために、図9では、タッチ検出期間における共通電極TL(n)に関する波形のみが示されている。図9において、タッチ検出期間(選択)は、共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されているときの波形を示しており、タッチ検出期間(非選択)は、共通電極TL(n)は非選択共通電極として指定されているときの波形を示している。また、信号線プリチャージ期間は、タッチ検出期間のあと、信号線SL(0)〜SL(p)をプリチャージし、次の表示期間に備える動作が行われている期間を示している。表示期間は、信号線SL(0)〜SL(p)に画像信号を供給し、走査線GL(0)〜GL(p)に順次走査電圧を供給することにより、表示を行っている期間を示している。
図9(A)は、選択信号SE1の電圧波形を示している。選択信号SEL2は、図9には示されていないが、表示期間においては、選択信号SEL1とSEL2は、交互にハイレベルとなる。これにより、表示期間においては、ドライバ用半導体装置DDICからの画像信号が、適切な信号線へ供給される。一方、タッチ検出期間においては、選択信号SEL1およびSEL2の両方がハイレベルにされる。
図9(B)には、制御信号VCOMSELの波形が示されている。制御信号VCOMSELは、表示期間ではロウレベルとなり、タッチ検出期間においてはハイレベルとなる。特に制限されないが、制御信号VCOMSELは、図1に示した駆動信号形成部17により形成される。また特に制限されないが、駆動信号形成部17が、選択信号TP(0)〜TP(p)を形成する。図9(C)に、駆動信号形成部17により形成された選択信号TP(n)の波形が、示されている。
駆動信号形成部17は、制御部18からの制御に基づいて、選択共通電極として指定する共通電極に対応した選択信号を周期的に変化させ、非選択共通電極として指定する共通電極に対応した選択信号をロウレベルにする。ここでは、共通電極TL(n)を例にしているため、駆動信号形成部17は、駆動電極TL(n)に対応する選択信号TP(n)を、タッチ検出期間(選択)においては、周期的に変化させている。また、タッチ検出期間(非選択)においては、選択信号TP(n)をロウレベルにしている。
なお、制御信号xVCOMSELは、制御信号VCOMSELが位相反転された信号であるため、表示期間において、ハイレベルとなり、タッチ検出期間において、ロウレベルとなる。
先ず、タッチ検出期間(選択)における動作について述べる。選択信号SEL1およびSEL2がともにハイレベルとなり、制御信号VCOMSELもハイレベルとなる。これにより、図8に示したスイッチS1、S2がオン状態となり、スイッチS3の共通端子Cが、端子P2へ接続される。その結果、端子群(SP11〜SP14:図8)が、共通電極TL(n)に電気的に接続される。
タッチ検出期間(選択)において、制御信号VCOMSELが、ロウレベルからハイレベルへ変化すると、フリップフロップ回路FF1(図8)のリセットが解除される。リセットが解除されたあとで、選択信号TP(n)がロウレベルからハイレベルへ変化すると、フリップフロップ回路FF1は、制御信号VCOMSELのハイレベルに対応する論理値“1”を取り込み、保持する。これにより、図9(D)に示すように、フリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qにおける電圧は、取り込んだ論理値“1”に対応するハイレベルとなる。
フリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qにおける電圧が、ハイレベルとなることにより、図8において説明したように、第1単位ロジック回路ULG1(n)は、ロウレベルの第3スイッチ制御信号SW3Cを出力する(図9(E)。また、第1単位ロジック回路ULG1(n)は、選択信号TP(n)に基づいて、選択信号TP(n)と同相の第1スイッチ制御信号SW1Cと選択信号TP(n)に対して位相反転された第2スイッチ制御信号SW2Cを出力する(図9(F)、図9(G))。これにより、第1単位スイッチ回路USW1(n)は、選択共通電極として指定された共通電極TL(n)を第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続する。すなわち、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)が、それに対応した共通電極TL(n)を、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続する。
このとき、駆動信号形成部17は、他の第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(n−1)およびUDG(n+1)〜UDG1(p)に対して、例えば、非選択共通電極を指定する選択信号TP(0)〜TP(n−1)およびTP(n+1)〜TP(p)を供給する。これにより、他の第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(n−1)およびUDG(n+1)〜UDG1(p)のそれぞれにおける第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(n−1)およびULG(n+1)〜ULG1(p)においては、フリップフロップ回路FF1のクロック端子ckの電圧が変化しないため、フリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qの電圧は、リセット解除のときの電圧が維持される。すなわち、第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(n−1)およびULG(n+1)〜ULG(p)におけるフリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qの電圧は、ロウレベルとなる。
そのため、第1単位ロジック回路ULG1(0)〜ULG1(n−1)およびULG(n+1)〜ULG(p)は、対応する第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(n−1)およびUSW1(n+1)〜USW1(p)に対して、第3スイッチS30〜S33をオン状態にするようなハイレベルの第3スイッチ制御信号SW3Cと、第1スイッチS10〜S13および第2スイッチS20〜S23をそれぞれオフ状態にするようなロウレベルの第1スイッチ制御信号SW1Cおよび第2スイッチ制御信号SW2Cを出力する。これにより、第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(n−1)およびUSW1(n+1)〜USW1(p)のそれぞれは、対応する共通電極TL(0)〜TL(n−1)およびTL(n+1)〜TL(p)を、第3電圧配線504に電気的に接続する。
すなわち、駆動電極ドライバ12は、タッチ検出期間において、選択共通電極として指定される共通電極TL(n)を、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続し、非選択共通電極として指定される共通電極TL(0)〜TL(n−1)およびTL(n+1)〜TL(p)を、第3電圧配線504に電気的に接続する。これにより、選択共通電極として指定される共通電極TL(n)には、第1電圧TPHと第2電圧VCOMDC1aが、タッチ検出期間(選択)において、交互に供給され、非選択共通電極として指定される共通電極TL(0)〜TL(n−1)およびTL(n+1)〜TL(p)のそれぞれには、第3電圧VCOMDC2が供給される。この状態で、検出電極GL(0)〜GL(p)における信号を判定することにより、選択共通電極TL(n)の近傍がタッチされているか否かを検出することが可能となる。
図9において、タッチ検出期間(非選択)では、駆動信号形成部17は、共通電極TL(n)を非選択共通電極として指定し、別の共通電極を選択共通電極として指定する。すなわち、タッチ検出期間(非選択)において、駆動信号形成部17は、共通電極TL(n)に対応する第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)に対して、図9(C)に示すようにロウレベル選択信号TP(n)を供給し、第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(n−1)およびUDG(n+1)〜UDG1(p)のうちのいずれかに1個に対して、周期的に電圧値が変化する選択信号(例えば、選択信号TP(i))を供給する。
第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)におけるフリップフロップ回路FF1(図8)は、そのクロック端子ckの電圧が変化しないため、リセットが解除されたときのロウレベルの電圧をデータ出力端子Qから継続して出力する(図9(D))。この結果、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)における第1単位ロジック回路UDC1(n)は、図9(E)〜(G)に示すように、第3スイッチ制御信号SW3Cをハイベルにし、第1スイッチ制御信号SW1Cおよび第2スイッチ制御信号SW2Cのそれぞれをロウレベルにする。一方、周期的に電圧値が変化する選択信号TP(i)が供給された第1単位駆動電極ドライバUDG1(i)においては、先にタッチ検出期間(選択)で述べたのと同様に、第1単位駆動電極ドライバUDG1(i)におけるフリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qがハイレベルとなり、第3スイッチ制御信号SW3Cはロウレベル、第1スイッチ制御信号SW1Cおよび第2スイッチ制御信号SW2Cのそれぞれは、選択信号TP(i)の電圧変化に従って変化する。
フリップフロップ回路FF1は、タッチ検出期間において、それに供給される選択信号TP(n)の電圧が立ち上がるか否かにより、対応する共通電極が選択共通電極として指定されているか否かを判定している。すなわち、フリップフロップ回路FF1は、選択信号TP(n)に基づいて、対応する共通電極が選択共通電極であるか否かを判定する判定回路と見なすこともできる。
この実施の形態1においては、タッチ検出期間において、選択共通電極の電圧は、第1単位スイッチ回路USW1(0)〜USW1(p)によって、第1または第2電圧配線502、503aから供給される。すなわち、先に述べた(1)DC駆動である。そのため、選択共通電極の電圧を、例えば0Vと5.5Vとの間で周期的に変化させる場合であっても。選択共通電極を指定する選択信号の電圧振幅は、例えば0Vと1.8Vの間でよく、また駆動能力も低くてもよい。これにより、誤検出を抑制しながら、選択信号を供給する信号線の配置の自由度を向上させることが可能であり、液晶表示装置の小型化を図ることが可能となる。また、第3電圧配線504は、液晶素子配列LCDに配置される全ての共通電極に対して1本としてもよいが、複数本の第3電圧配線504を設けるようにしてもよい、例えば共通電極が20〜40本に対して1本ずつ第3電圧配線504を設けるようにしてもよい。
タッチ検出期間に選択共通電極として指定される共通電極の数に比べて、非選択共通電極として指定される共通電極の数が多いことが予想される。この実施の形態によれば、選択共通電極が、多くの非選択共通電極と同じ電圧配線に接続されないため、選択共通電極あるいは検出電極の電圧の立ち上がりが、遅くなるのを防ぐことが可能となる。また、選択共通電極の電圧の立ち下がりが、遅くなることを防ぐことが可能となる。
(実施の形態2)
この実施の形態2においては、それぞれの共通電極に対して、2個の駆動電極ドライバが設けられる。図5に示したモジュールを用いて説明すると、この実施の形態2に係わる液晶表示装置は、領域(液晶パネル)501の一方の短辺501−Dに沿って配置された第1駆動電極ドライバ12と、領域501の他方の短辺501−Uに沿って配置された第2駆動電極ドライバ12−Uとを備えている。すなわち、共通電極TL(0)〜TL(p)の延在方向において、領域(液晶パネル)501を挟むように、第1および第2駆動電極ドライバ12、12−Uが配置されている。
第2駆動電極ドライバ12−Uの概要は、先に図7を用いて説明しているが、第2駆動電極ドライバ12−Uは、第2ロジック回路US2と第2スイッチ回路SW2により構成されている。また、第2ロジック回路US2は、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応した複数の第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)により構成されており、第2スイッチ回路SW2も、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに対応した複数の第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)により構成されている。ここで、第1駆動電極ドライバ12は、実施の形態1で述べた駆動電極ドライバ12と同じである。
<第1駆動電極ドライバ12および第2駆動電極ドライバ12−Uの構成>
図10は、実施の形態2に係わる液晶表示装置の構成を示す回路図である。第2単位ロジック回路ULG2(0)〜ULG2(p)のそれぞれの構成は互いに同じであり、第2単位スイッチ回路USW2(0)〜USW2(p)のそれぞれの構成も互いに同じである。そのため、同図には、図7に示した液晶表示装置のうち、第2単位ロジック回路ULG2(n)および第2単位スイッチ回路USW2(n)の構成のみが、代表として示されている。また、同図には、第2単位ロジック回路ULG2(n)および第2単位スイッチ回路USW2(n)により構成された第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)に対応した共通電極TL(n)および共通電極TL(n)に対応した第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)の構成が示されている。
図10において、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)の構成および動作は、図8および図9で述べた構成および動作と同じであるため、詳細な説明は省略する。共通電極TL(n)に対応した信号線が、説明を容易にするために、同図においては、SL(0)〜SL(3)として示されている。また、図10に示されている「R」、「G」、「B」のそれぞれは、副画素SPixを示している。表示期間においては、信号線SL(0)〜SL(3)に画像信号が供給され、これらの信号線SL(0)〜SL(3)に対応する共通電極TL(n)に、第4電圧VCOMDC1bが供給される。同図には示されていない走査線に電圧を順次供給することにより、信号線SL(0)〜SL(3)における画像信号の電圧と共通電極TL(n)における第4電圧VCOMDC1bが、液晶表示素子に印加され、画像信号に従った表示が行われる。
第2単位スイッチ回路USW2(n)は、第1電圧配線502と対応する共通電極TL(n)との間に並列的に接続された第4スイッチS40〜S43と、第2電圧配線503aと対応する共通電極TL(n)との間に並列的に接続された第5スイッチS50〜S53と、第2電圧配線503aと第3電圧配線504との間に並列的に接続された複数の第6スイッチS60〜S63とを備えている。ここで、第4スイッチS40〜S43は、対応する第2単位ロジック回路ULG2(n)からの第4スイッチ制御信号SW4Cの電圧に従って、スイッチ制御され、第5スイッチS50〜S53は、対応する第2単位ロジック回路ULG2(n)からの第5スイッチ制御信号SW5Cの電圧に従って、スイッチ制御される。同様に、第6スイッチS60〜S63は、対応する第2単位ロジック回路ULG2(n)からの第6スイッチ制御信号SW6Cの電圧に従って、スイッチ制御される。
この実施の形態においては、第4スイッチ制御信号SW4Cがハイレベルのとき、第4スイッチS40〜S43はオンし、ロウレベルのとき、オフする。また、第5スイッチ制御信号SW5Cがハイレベルのとき、第5スイッチS50〜S65はオンし、ロウレベルのとき、オフする。同様に、スイッチ制御信号SW6Cがハイレベルのとき、第6スイッチS60〜S63はオンし、ロウレベルのとき、オフする。
第2単位ロジック回路ULG2(n)は、特に制限されないが、スイッチ回路ULG2S(n)とロジック回路ULG2C(n)とを備えている。ロジック回路ULG2C(n)は、スイッチ回路ULG2S(n)および信号線SL(0)〜SL(3)を介して、対応する第1駆動電極ドライバUDG1(n)から選択信号を受け、第4〜第6スイッチ制御信号SW4C〜SW6Cを形成し、第2単位スイッチ回路USW2(n)へ供給する。
スイッチ回路ULG2S(n)は、対応する信号線SL(0)〜SL(3)とノードnSとの間に並列的に接続された複数の第7スイッチS4を備えている。第7スイッチS4のそれぞれは、共通端子Cと1対の端子P1、P2を有しており、制御信号VCOMSELの電圧に従って、共通端子Cを端子P1またはP2へ接続するように、スイッチ制御される。複数の第7スイッチS4の共通端子Cは、ノードnSに接続され、端子P1には、所定の電圧TPLが供給され、端子P2は対応する信号線SL(0)〜SL(3)に接続されている。この実施の形態においては、制御信号VCOMSELが、ハイレベルのとき、それぞれの第7スイッチS4は、共通端子Cを端子P2へ接続する。一方、制御信号VCOMSELが、ロウレベルのとき、それぞれの第7スイッチS4は、共通端子Cを端子P1へ接続する。ここで、第7スイッチS4の端子P1へ供給される電圧TPLの電圧値は、例えば第1電圧TPHよりも低い値にされている。
従って、第7スイッチS4は、制御信号VCOMSELがハイレベルのとき、ノードnSを信号線SL(0)〜SL(3)へ接続し、ロウレベルのとき、ノードnSを所定の電位TPLへ接続する。制御信号VCOMSELは、既に述べたように、タッチ検出期間において、ハイレベルとなり、表示期間においてはロウレベルとなる。従って、タッチ検出期間において、スイッチ回路ULG2S(n)は、対応する信号線SL(0)〜SL(3)の電圧を、ノードnSへ伝達する。一方、表示期間においては、ノードnSの電圧は、所定の電圧TPLに固定されることになる。
タッチ検出期間においては、実施の形態1で述べたように、対応する単位信号線セレクタ6(n)におけるスイッチS1、S2は、選択信号SEL1、SEL2によってオン状態とされている。そのため、タッチ検出期間においては、信号線SL(0)〜SL(3)の電圧は、対応する共通電極TL(n)の電圧と同じになる。共通電極TL(n)の電圧は、この共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されていた場合、選択信号TP(n)の電圧と同期して変化する。また、この共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定されていた場合、信号線SL(0)〜SL(3)の電圧は、共通電極TL(n)の電圧と同じロウレベルになる。そのため、タッチ検出期間においては、信号線SL(0)〜SL(3)における信号は、選択信号TP(n)に同期した選択信号と見なすことができる。このように見なすと、タッチ検出期間において、ノードnSには、選択信号TP(n)に対応した選択信号が伝達されていることになる。一方、表示期間においては、第7スイッチS4の共通端子Cは、端子P1に接続されるため、信号線SL(0)〜SL(3)とノードnSとは電気的に分離される。また、表示期間においては、ノードnSの電圧が、所定の電圧TPLに固定されるため、ノイズ等により、ノードnSの電圧が不所望に変動することを防ぐことが可能となる。
ロジック回路ULG2C(n)は、リセット端子rstを有するフリップフロップ回路FF2、バッファ回路BF2、インバータ回路IV11および2入力ノア回路NR3を備えている。
リセット端子rstを有するフリップフロップ回路FF2は、フリップフロップ回路FF1と同様に、リセット端子を有するD型フリップフロップ回路である。フリップフロップ回路FF2のリセット端子rstとデータ入力端子Dには、制御信号VCOMSELが供給され、フリップフロップ回路FF2のクロック端子ckは、ノードnSに接続されている。すなわち、スイッチ回路ULG2S(n)からの選択信号が、フリップフロップ回路FF2のクロック端子ckに供給されている。これにより、フリップフロップ回路FF2は、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)に対応した信号線SL(0)〜SL(3)の電圧が変化すれば、ハイレベルの制御信号VCOMSELの論理値“1”を取り込み、格納し、データ出力端子Qの電圧は、取り込んだ論理値“1”に対応するハイレベルとなる。
一方、タッチ検出期間において、共通電極TL(n)に対応した信号線SL(0)〜SL(3)の電圧が変化しなければ、フリップフロップ回路FF2は、リセットのときの論理値“0”を保持し、データ出力端子Qの電圧は、論理値“0”に対応したロウレベルとなる。
タッチ検出期間においては、信号線SL(0)〜SL(3)の電圧は、対応する共通電極TL(n)における電圧に同期して変化する。そのため、フリップフロップ回路FF2のデータ出力端子Qは、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が、選択共通電極として指定された場合、ハイレベルを出力する。一方、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が、非選択共通電極として指定された場合、データ出力端子Qはロウレベルを出力することになる。また、表示期間においては、制御信号VCOMSELがロウレベルとなるため、フリップフロップ回路FF2は、リセットされている。リセットされているため、フリップフロップ回路FF2のデータ出力端子Qは、ロウレベルを出力する。
フリップフロップ回路FF2のデータ出力端子Qは、インバータ回路IV11の入力に接続されている。そのため、インバータ回路IV11には、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定された場合、ハイレベルが入力される。そのため、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定された場合、インバータ回路IV11は、ロウレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cを出力する。一方、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定された場合、インバータIV11にはロウレベルが入力されるため、インバータ回路IV11は、ハイレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cを出力する。また、表示期間においては、フリップフロップ回路FF2のデータ出力端子Qの電圧がロウレベルのため、インバータ回路IV11は、ハイレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cを出力する。
纏めると、第6スイッチ制御信号SW6Cは、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定されている期間と表示期間において、ハイレベルとなる。一方、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されている期間では、第6スイッチ制御信号SW6Cは、ロウレベルとなる。これにより、第6スイッチS60〜S63のそれぞれは、表示期間において、第2電圧配線503aと第3電圧配線504を電気的に接続する。この実施の形態2においても、図5において述べたように、第3電圧配線504の線幅は、第1および第2電圧配線502、503aの線幅よりも細く、第2電圧配線503aと第3電圧配線504とローパスフィルタ506とは互いに接続されている。
表示期間においては、実施の形態1で述べたように、単位駆動電極スイッチLSS(n)におけるスイッチS3の共通端子Cが端子P1に接続される。これにより、表示期間においては、液晶表示素子の一方の端子となる共通電極TL(n)は、第4電圧配線503bに接続されることになる。この実施の形態2においては、表示期間のとき、第6スイッチS60〜S63を介して第3電圧配線504と第2電圧配線503aとが接続される。これにより、表示期間において、液晶表示素子の一方の端子に供給される電圧(第2電圧VCOMDC1a、VCOMDC2)を安定化することが可能となる。
ロジック回路ULG2C(n)に含まれるバッファ回路BF2の入力と、2入力ノア回路NR3の一方の入力は、ノードnSに接続されており、2入力ノア回路NR3の他方の入力には、第6スイッチ制御信号SW6Cが供給されている。バッファ回路BF2は、タッチ検出期間において、ノードnSにおける電圧(選択信号)を、バッファリングし、第4スイッチ制御信号SW4Cとして第4スイッチS40〜S43へ供給する。また、2入力ノア回路NR3の出力は、タッチ検出期間において、第5スイッチ制御信号SW5Cとして第5スイッチS50〜S53へ供給される。
タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定された場合、第1単位駆動電極ドライバUGL1(n)により、信号線SL(0)〜SL(3)の電圧は、選択信号TP(n)の電圧変化に従って、周期的に変化する。この信号線SL(0)〜SL(3)での電圧変化が、スイッチ回路ULG2C(n)を介してノードnSに伝達されているため、タッチ検出期間において、第4スイッチ制御信号SW4Cも、その電圧が周期的に変化する。これにより、第4スイッチS40〜S43は、周期的にオン状態となり、オンしているとき、第1電圧配線502を、対応する共通電極TL(n)に電気的に接続する。
タッチ検出期間において、2入力ノア回路NR3の他の入力に供給されている第6スイッチ制御信号SW6Cの電圧は、先に述べたように、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されているか非選択共通電極として指定されているかによって、変わる。すなわち、第6スイッチ制御信号SW6の電圧は、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されたとき、ロウレベルとなり、対応する共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定されたとき、ハイレベルとなる。従って、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されている場合、2入力ノア回路NR3は、ノードnSにおける選択信号を位相反転し、位相反転された信号を第5スイッチ制御信号SW5Cとして出力するインバータ回路として機能する。これに対して、対応する共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定された場合、2入力ノア回路NR3は、ロウレベルの第5スイッチ制御信号SW5Cを出力する。
その結果、対応する共通電極が非選択共通電極として指定された場合、第5スイッチS50〜S53は、第2電圧配線503aと対応する共通電極TL(n)との間を電気的に分離する。一方、対応する共通電極が選択共通電極として指定された場合、第5スイッチS50〜S53は、第2電圧配線503aと対応する共通電極TL(n)とを、ノードnSにおける電圧に従って周期的に接続する。第5スイッチS50〜S53により、第2電圧配線503aと共通電極TL(n)とを周期的に接続するとき、第5スイッチ制御信号SW5Cを出力する2入力ノア回路NR3は、ノードnSにおける電圧を反転するインバータ回路として機能するため、第4スイッチS40〜S43と第5スイッチS50〜S53とは、相補的にオン状態となる。
これにより、第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)は、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定される場合、信号線SL(0)〜SL(3)を介して、ノードnSに伝達される共通電極TL(n)の電圧に従って、対応する共通電極TL(n)を第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続する。その結果、対応する共通電極TL(n)が、選択共通電極として指定される場合、共通電極TL(n)の一端部は、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)によって、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に接続され、その他端部は、第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)によって、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に接続されることになる。これにより、駆動電極ドライバ12、12−Uにより占有される面積の増加を抑制しながら、選択共通電極(共通電極TL(n))を、第1電圧TPHと第2電圧VCOMDC1aとの間で、早く変化させることが可能となる。
また、この実施の形態2においては、対応する共通電極TL(n)が、非選択共通電極として指定された場合、共通電極TL(n)の一端部は、実施の形態1で述べたように、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)において、第3電圧配線504に電気的に接続される。一方、共通電極TL(n)の他端部は、第2単位駆動電極ドライバUDG1(n)において、第2電圧配線503aから電気的に分離される。これにより、選択共通電極に第2電圧VCOMDC1aを供給するために、選択共通電極が接続される第2電圧配線503aに、非選択共通電極が接続されるのを防ぐことができる。その結果、選択共通電極および検出電極における電圧の立ち上がりが遅くなるのを防ぐことが可能となる。また、選択共通電極における電圧の立ち下がりが遅くなるのを防ぐことが可能となる。
図10では、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)および第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)を例にして説明したが、残りの第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(n−1)、UDG1(n+1)〜UDG1(p)および第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)〜UDG2(n−1)、UDG2(n+1)〜UDG2(p)についても同様である。
図10においては、端子SP11〜SP14に対応した4本の信号線SL(0)〜SL(3)を例として説明したが、この数には限定されない。しかしながら、図10に示すように、複数の信号線SL(0)〜SL(3)を並列的に接続することにより、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)から第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)への信号の伝達遅延時間を短くすることが可能である。また、この実施の形態においては、表示期間においては画像信号を伝達する信号線SL(0)〜SL(3)を、タッチ検出期間においては、共通電極TL(n)の電圧を伝達するための信号配線として兼用している。そのため、新たな信号配線を設けなくて済み、新たな信号配線により額縁等が大きくなるのを防ぐことが可能となる。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、複数のタッチ検出方式を有する液晶表示装置が提供される。例えば、ユーザによって、複数のタッチ検出方式から所望のタッチ検出方式が選ばれ、選ばれたタッチ検出方式が、液晶表示装置において使われる。ここでは、複数のタッチ検出方式として相互容量方式と自己容量方式とを有する液晶表示装置を例として説明する。相互容量方式については、既に図2で説明しているので、自己容量方式の原理を、次に説明する。
<静電容量型タッチ検出(自己容量方式)の基本原理>
図11(A)〜(C)は、自己容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。図11(A)において、TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、列方向に延在し、行方向に並列的に配置された共通電極であり、RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように配置された検出電極である。検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、行方向に延在し、列方向に並列的に配置されている。また、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)は、平面視においては、交差して見えるが、互いに電気的に接触しないように、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)との間には、絶縁層が介在している。
ここでは、説明の都合上、TL(0)〜TL(p)を共通電極とし、RL(0)〜RL(p)を検出電極とするが、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれには、駆動信号が供給され、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)から検出信号が出力される。そのため、外部物体のタッチを検出すると言う観点で見た場合には、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)は、ともに検出電極であると見なすことができる。
自己容量方式のタッチ検出においては、共通電極TL(0)〜TL(p)を用いた検出原理も、検出電極RL(0)〜RL(p)を用いた検出原理も同じである。以下、図11(B)および(C)の説明においては、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)とを、纏めて検出電極とする。
検出電極(共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p))のそれぞれには、接地電圧との間で寄生容量が存在する。外部物体として、例えば指FGが、検出電極の近傍をタッチすると、図11(B)に示すように、検出電極と指FGとの間で電界が発生する。言い換えるならば、指FGが近接することにより、検出電極と接地電圧との間に接続される容量が増加する。そのため、図11(B)において、○で囲んだように、電圧がパルス状に変化する駆動信号を、検出電極に供給すると、検出電極と接地電圧との間に蓄積される電荷量が、検出電極の近傍をタッチしているか否かによって変化する。
図11(C)には、指FGが、検出電極の近傍をタッチしているか否かにより、検出電極に蓄積される電荷量の変化が示されている。指FGが検出電極の近傍をタッチした場合、検出電極に接続される容量が増加するため、パルス状の駆動信号を、検出電極に供給したとき、検出電極に蓄積される電荷量が、タッチしていない場合に比べてΔQだけ増加する。図11(C)において、横軸は時間を示し、縦軸は電荷量を示している。また、図11(C)において破線は、タッチしたときの電荷量の変化を示している。駆動信号を検出電極に供給したときに、その検出電極に蓄積されている電荷量の差ΔQを検出することによって、検出電極の近傍がタッチされているか否かの検出をすることが可能となる。
<タッチ用半導体装置7の構成>
図12は、この実施の形態3で用いられるタッチ用半導体装置1200の構成を示すブロック図である。図12には、図1に示したタッチ用半導体装置7と異なる部分のみが示されている。実施の形態3に係わるタッチ用半導体装置1200においては、図1に示したタッチ検出信号増幅部13に加えて、タッチ検出信号増幅部1202が設けられている。図1に示したA/D変換部14、信号処理部15、座標抽出部16および検出タイミング制御部19は、実施の形態3におけるタッチ制御装置1200にも設けられているが、実施の形態1と同様であるため、図12においては省略されている。
図12において、1201は、図1に示した駆動信号形成部17と類似した駆動信号形成部である。駆動信号形成部1202は、タッチ検出方式を指定する検出方式指定信号SELFENが、相互容量方式を指定しているとき、図1で示した駆動信号形成部17と同様に、制御部18からの制御信号に基づいて、選択信号TP(0)〜TP(p)および制御信号ctrsigを形成する。駆動信号形成部1202は、特に制限されないが、クロック信号φを受信し、このクロック信号φに基づいて、選択共通電極を指定する選択号を形成する。すなわち、選択共通電極を指定する選択信号(例えば選択信号TP(n))の電圧が、クロック信号φに同期して変化するようにする。
一方、検出方式指定信号SELFENが、図11において説明した自己容量方式を指定しているとき、駆動信号形成部1202は、クロック信号φに同期した駆動信号S−In(0)〜S−In(p)を形成し、端子ST(0)〜ST(p)を介して出力する。
タッチ検出信号増幅部1202は、共通電極TL(0)〜TL(p)からの検出信号SRx(0)〜SRx(p)を受信し、共通電極の近傍がタッチされているか否かにより生じる電荷量の差を電圧の差として増幅し、図1に示したA/D変換部14へ出力する。この実施の形態3においては、特に制限されないが、端子ST(0)〜ST(p)は、入出力共通の端子として用いられる。すなわち、端子ST(0)〜ST(p)は、駆動信号S−In(0)〜S−In(p)を共通電極TL(0)〜TL(p)へ供給するとき、出力端子として機能し、共通電極TL(0)〜TL(p)からの検出信号SRx(0)〜SRx(p)を受信するときには、入力端子として機能する。
検出方式指定信号SELFENが、自己容量方式を指定しているとき、駆動信号形成部1202は、駆動信号S−In(0)〜S−In(p)を形成したタイミングをタッチ検出信号増幅部1201へタイミング信号として知らせる。タッチ検出信号増幅部1201は、駆動信号形成1202から供給されるタイミング信号に基づいて、端子ST(0)〜ST(p)における信号を検出信号SRx(0)〜SRx(p)として増幅する。これにより、駆動信号S−In(0)〜S−In(p)に基づいて、共通電極TL(0)〜TL(p)の電圧が変化し、タッチの有無により、共通電極TL(0)〜TL(p)に生じる電圧の変化を、タッチ検出信号増幅部1602によって増幅することが可能とされる。
なお、特に制限されないが、検出方式指定信号SELFENは、ユーザの設定により、制御部18において形成され、第1駆動電極ドライバ12および第2駆動電極ドライバ12−Uへ供給される。例えば、検出方式指定信号SELFENは、その電圧がハイレベルのとき、検出方式として、自己容量方式を指定し、その電圧がロウレベルのとき、相互容量方式を、検出方式として指定する。また、検出方式指定信号SELFENは、表示期間において、ロウレベルにされる。そのため、検出方式指定信号SELFENは、自己容量方式イネーブル信号と見なすことができる。
<第1駆動電極ドライバ12および第2駆動電極ドライバ12−Uの構成>
実施の形態3においては、図7に示した液晶表示装置において、第1駆動電極ドライバ12を構成する複数の第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)および第2駆動電極ドライバ12−Uを構成する複数の第2単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)のそれぞれの構成が変更される。この実施の形態3においても、第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(p)のそれぞれは、互いに同じ構成を有しており、第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)〜UDG2(p)のそれぞれも互いに同じ構成を有している。ここでは、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)および第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)を代表として説明する。なお、この実施の形態3においても、第3電圧配線504の線幅は、実施の形態1および2と同様に、第1および第2電圧配線502、503aの線幅よりも細くされており、図5に示したように、第2電圧配線503aと、第3電圧配線504と、ローパスフィルタ506とが互いに接続されている。
図13は、実施の形態3に係わる第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)および第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)の構成を示す回路図である。図13に示す回路は、図10に示した回路と類似しているので、ここでは相違点を主に説明する。第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)が、共通電極TL(n)に対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)と第1単位ロジック回路ULG1(n)を備えていることは、図10と図13において同じである。同様に、第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)が、共通電極TL(n)に対応する第2単位スイッチ回路USW2(n)と第2単位ロジック回路ULG2(n)を備えていることも、図10と図13において同じである。さらに第2単位ロジック回路ULG2(n)が、スイッチ回路ULG2S(n)とロジック回路ULG2C(n)を備えていることも、図10と図13において同じである。
<<第1単位駆動電極ドライバ>>
第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)において、図10と図13の間で相違するのは、第1単位ロジック回路ULG1(n)の構成である。図13において、第1単位ロジック回路ULG1(n)は、リセット端子rstを有するフリップフロップ回路FF1、3入力ノア回路NR4、NR5、2入力アンド回路AND2、バッファ回路BF3、Nチャンネル型MOSFET(以下、N型MOSFETと称する)TRN1〜TRN6およびPチャンネル型MOSFET(以下、P型MOSFETと称する)TRP1〜TR5を備えている。
N型MOSFETTRN1とP型MOSFETTRP1は、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続されるように、接続され、第1トランスファスイッチ(以下、トランスファスイッチをTFスイッチと称する)を構成している。この第1TFスイッチを構成するN型MOSFETTRN1のゲートには、検出方式指定信号SELFENが供給され、第1TFスイッチを構成するP型MOSFETTRP1のゲートには、検出方式指定信号SELFENを位相反転して得られた制御信号xSELFENが供給されている。第1TFスイッチの入力には、図12に示した駆動信号形成部1202により形成された選択信号TP(n)または駆動信号S−In(n)が供給される。第1TFスイッチの出力は、バッファ回路BF3の入力、3入力ノア回路NR4の第1入力、N型MOSFETTRN6のドレインおよびフリップフロップ回路FF1のクロック端子ckに接続されている。N型MOSFETTRN6のソースは、ロウレベルである電圧VGLに接続され、そのゲートには、検出方式指定信号SELFENが供給されている。
タッチ検出方式として、相互容量方式を設定した場合、タッチ検出期間において、検出方式指定信号SELFENはロウレベルになり、制御信号xSELFENはハイレベルとなる。この状態で、第1TFスイッチはオン状態となる。相互容量方式の場合には、駆動信号形成部1202が選択信号TP(n)を形成するため、選択信号TP(n)が第1TFスイッチを介して、バッファ回路BF3と、3入力ノア回路NR4の第1入力と、フリップフロップ回路FF1のクロック端子ckに供給されることになる。このとき、N型MOSFETTRN6はオフ状態である。この状態で、共通電極TL(n)を選択共通電極として指定するために、選択信号TP(n)の電圧が周期的に変化すると、フリップフロップ回路FF1は、選択信号TP(n)の電圧の立ち上がりに応答して、制御信号VCOMSELのハイレベルを取り込み、論理値“1”を格納し、論理値“1”に対応したハイレベルを、データ出力端子Qから出力する。
なお、既に述べたが、制御信号VCOMSELは、タッチ検出期間が始まるときハイレベルなるため、タッチ検出期間においては、フリップフロップ回路FF1のリセット状態は、解除されている。そのため、クロック端子ckに供給されている選択信号TP(n)の電圧が立ち上がることにより、フリップフロップ回路FF2は、制御信号VCOMSELの電圧値に対応した論理値を取り込むこととなる。
3入力ノア回路NR4の第2入力には、検出方式指定信号SELFENが供給され、その第3入力には、3入力ノア回路NR5の出力が入力されている。また、3入力ノア回路NR5の第1入力には、制御信号xVCOMSELが供給され、その第2入力には、検出方式指定信号SELFENが供給され、その第3入力は、フリップフロップ回路FF2のデータ出力端子Qに接続されている。
先に述べたように、相互容量方式が設定され、選択信号TP(n)の電圧が周期的に変化する場合、フリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qの電圧はハイレベルとなる。そのため、その第3入力がデータ出力端子Qに接続されている3入力ノア回路NR5の出力は、ロウレベルとなる。このとき、相互容量方式が設定されているため、3入力ノア回路NR4の第2入力には、ロウレベルの検出方式指定信号SELFENが供給されている。そのため、3入力ノア回路NR4は、その第1入力に供給されている選択信号TP(n)を位相反転して出力するインバータ回路として機能する。
3入力ノア回路NR5の出力が、第3スイッチ制御信号SW3Cとして、第1単位ロジック回路ULG1(n)から対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)に供給される。また、3入力ノア回路NR4の出力と制御信号VCOMSELとを受ける2入力アンド回路AND2の出力が、第2スイッチ制御信号SW2Cとして、第1単位ロジック回路ULG1(n)から対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)に供給される。さらに、バッファ回路BF3の出力が、第1スイッチ制御信号SW1Cとして、第1単位ロジック回路ULG1(n)から対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)に供給される。
タッチ検出期間において、相互容量方式が設定され、選択信号TP(n)の電圧が周期的に変化すると、先に述べたように、フリップフロップ回路FF1が、論理値“1”を格納し、論理値“1”に対応するハイレベルを、そのデータ出力端子Qから出力する。これにより、第3スイッチ制御信号SW3Cはロウレベルとなり、第1スイッチ制御信号SW1Cは、選択信号TP(n)と同期した信号となる。また、タッチ検出期間においては、制御信号VCOMSELがハイレベルとなるため、2入力アンド回路AND2から出力される第2スイッチ制御信号SW2Cは、3入力ノア回路NR4によって選択信号TP(n)の位相が反転された信号となる。これにより、対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)においては、第3スイッチS30〜S33がオフ状態となり、第1スイッチS10〜S13と第2スイッチS20〜S23とは交互にオン状態となる。
一方、タッチ検出期間において、共通端子TL(n)を非選択共通電極として指定するように、選択信号TP(n)が、ロウレベルにされると、フリップフロップ回路FF1のクロック端子ckの電圧は立ち上がらない。そのため、フリップフロップ回路FF1は、リセットのときの論理値“0”を格納した状態を継続し、論理値“0”に対応するロウレベルを、そのデータ出力端子Qから出力する。これにより、3入力ノア回路NR5の第1〜第3入力のそれぞれには、ロウレベルが供給されるため、第3スイッチ制御信号SW3Cはハイレベルとなる。第3スイッチ制御信号SW3Cがハイレベルとなることにより、3入力ノア回路NR4の出力は、ロウレベルとなり、2入力アンド回路AND2出力である第2スイッチ制御信号SW2Cは、ロウレベルとなる。勿論、バッファ回路BF3は、その入力である選択信号TP(n)がロウレベルであるため、ロウレベルの第1スイッチ制御信号SW1Cを出力する。これにより、第3スイッチS30〜S33がオン状態となり、第1および第2スイッチS10〜S13およびS20〜S23はオフ状態となる。その結果、共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定された場合には、共通電極TL(n)は、第3電圧配線504に電気的に接続される。
このようにして、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)は、相互容量方式が設定された場合、タッチ検出期間において、実施の形態1および2と同様に、対応する共通電極が、選択共通電極として指定された場合には、共通電極TL(n)を第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に接続する。一方、対応する共通電極が非選択共通電極として指定された場合、第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)は、共通電極TL(n)を第3電圧配線504に接続する。
第1単位ロジック回路ULG1(n)に設けられているN型MOSFETTRN2〜TRN5およびP型MOSFETTRP2〜TRP5は、タッチ検出方式として、自己容量方式が設定されたときに、用いられる。すなわち、これらにMOSFETは、自己容量方式が設定されたとき、図12に示した駆動信号形成部1202により形成された駆動信号S−In(n)を、対応する共通電極TL(n)へ伝達し、共通電極TL(n)における検出信号SRx(n)を図12に示した入出力端子ST(n)へ伝達するためのTFスイッチを構成する。
N型MOSFETTRN2とP型MOSFETTRP2は、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続されるように接続され、第2TFスイッチを構成し、N型MOSFETTRN3とP型MOSFETTRP3は、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続されるように接続され、第3TFスイッチを構成し、N型MOSFETTRN4とP型MOSFETTRP4は、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続されるように接続され、第4TFスイッチを構成する。同様に、N型MOSFETTRN5とP型MOSFETTRP5は、それぞれのソース・ドレイン経路が並列的に接続されるように接続され、第5TFスイッチを構成する。
第2〜第5TFスイッチのそれぞれの一方の入出力端子は、図12に示した入出力端子ST(n)に接続され、第2〜第5TFスイッチのそれぞれの他方の入出力端子は、対応する端子SP11〜SP14に接続される。また、第2〜第5TFスイッチのそれぞれを構成するP型MOSFETTRP2〜TRP5のゲートには、制御信号xSELFENが供給され、第2〜第5TFスイッチのそれぞれを構成するN型MOSFETTRN2〜TRN5のゲートには、検出方式指定信号SELFENが供給されている。
タッチ検出方式として、自己容量方式が設定されると、タッチ検出期間において、検出方式指定信号SELFENがハイレベルになるため、第2〜第5TFスイッチがオン状態となる。これにより、駆動信号S−In(n)が、対応する共通電極TL(n)に供給される、図11において説明したように、共通電極の電圧を変化させているときに、共通電極TL(n)の近傍がタッチされているか否かに応じた電圧変化が、共通電極TL(n)において発生する。この電圧変化が、第2〜第5TFスイッチを介して、図12に示した入出力端子ST(n)に伝達され、タッチ検出信号増幅部1201により増幅され、処理される。
自己容量方式が設定されているとき、検出方式指定信号SELFENがハイレベルとなるため、第1TFスイッチは、オフ状態となる。また、N型MOSFETTRN6がオン状態となるため、バッファ回路BF3およびフリップフロップ回路FF1のクロック端子ckには、ロウレベルの電圧VGLが供給されることになる。これにより、フリップフロップ回路FF1は、リセットのときの論理値“0”を維持し、データ出力端子Qの電圧はロウレベルとなる。また、3入力ノア回路NR4、NR5のそれぞれの第2入力に、ハイレベルの検出方式指定信号SELFENが供給されるため、第3スイッチ制御信号SW3Cおよび第2スイッチ制御信号SW2Cのそれぞれは、ロウレベルとなる。勿論、バッファ回路BF3は、その入力がロウレベルの電圧VGLであるため、ロウレベルの第1スイッチ制御信号SW1Cを出力する。これにより、対応する第1単位スイッチ回路USW1(n)における第1〜第3スイッチS10〜S13、S20〜S23、S20〜S23はオフ状態となる。
<<第2単位駆動電極ドライバ>>
第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)において、第2単位ロジック回路ULG2(n)を構成するスイッチ回路ULG2S(n)は、図10に示したスイッチ回路ULG2S(n)と同様に、対応する第2単位スイッチ回路USW2(n)と対応する共通電極TL(n)との間に設けられた複数の第7スイッチS4を備えている。図10とは異なり、実施の形態3における第7スイッチS4は、2入力アンド回路AND3から出力される制御信号によってスイッチ制御される。2入力アンド回路AND3には、制御信号VCOMSELと制御信号xSELFENとが供給されている。制御信号VCOMSELはタッチ検出期間においてハイレベルとなり、制御信号xSELFENは相互容量方式が設定されたときにハイレベルとなる。そのため、2入力アンド回路AND3は、タッチ検出方式として相互容量方式が設定され、タッチ検出期間のときに、ハイレベルの制御信号を出力し、このときに第7スッチS4は、共通端子Cを端子P2へ接続する。言い換えるならば、表示期間およびタッチ検出方式として自己容量方式が設定されたときは、第7スイッチS4は、共通端子Cを端子P1へ接続する。
なお、ここで述べた2入力アンド回路AND3は、複数のスイッチ回路ULG2S(0)〜ULG2S(p)に対して共通であり、2入力アンド回路AND3から出力される制御信号は、スイッチ回路ULG2S(0)〜ULG2S(p)に共通に供給されている。
第2単位ロジック回路ULG2(n)を構成するロジック回路ULG2C(n)は、リセット端子rstを有するフリップフロップ回路FF2、3入力ノア回路NR3、2入力ノア回路NR7、2入力アンド回路AND4、バッファ回路BF4およびN型MOSFETTRN7を備えている。フリップフロップ回路FF2のリセット端子rstとデータ入力端子Dには、制御信号VCOMSELが供給され、ノードnSは、フリップフロップ回路FF2のクロック端子ck、バッファBF4の入力、3入力ノア回路NR6の第1入力およびN型MOSFETTRN7のドレインに接続されている。N型MOSFETTRN7のソースは、ロウレベルである電圧VGLに接続され、そのゲートには、検出方式指定信号SELFENが供給されている。また、検出方式指定信号SELFENは、3入力ノア回路NR6の第2入力と、2入力ノア回路NR7の一方の入力に供給されている。フリップフロップ回路FF2のデータ出力端子Qは、2入力ノア回路NR7の他方の入力に接続され、この2入力ノア回路NR7の出力は、3入力ノア回路NR6の第3入力に供給されている。また、3入力ノア回路NR6の出力と制御信号VCOMSELが、2入力アンド回路AND4に入力されている。
タッチ検出方式として自己容量方式が設定された場合、検出方式指定信号SELFENがハイレベルとなるため、検出方式指定信号SELFENを位相反転した制御信号xSELFENはロウレベルとなる。そのため、自己容量方式が設定されたタッチ検出期間において、第7スイッチS4は、共通端子Cを端子P1へ接続する。このとき、N型MOSFETTRN7がオン状態となるため、バッファ回路BF4の入力と、フリップフロップ回路FF2のクロック端子ckは、ロウレベルとなる。フリップフロップ回路FF2は、クロック端子ckの電圧が変化しないため、そのデータ出力端子Qは、リセットのときの電圧であるロウレベルが維持される。また、このとき、3入力ノア回路NR6の第2入力と、2入力ノア回路NR7の一方の入力には、ハイレベルの検出方式指定信号SELFENが供給されるため、3入力ノア回路NR6および2入力ノア回路NR7のそれぞれの出力はロウレベルとなり、2入力アンド回路AND4の出力もロウレベルとなる。また、このときバッファ回路BF4の入力はロウレベルであるため、バッファ回路BF4の出力もロウレベルとなる。
第2単位ロジック回路ULG2(n)は、2入力ノア回路NR7の出力を、第6スイッチ制御信号SW6Cとして、対応する単位スイッチ回路USW2(n)へ供給し、バッファい回路BF4の出力を、第4スイッチ制御信号SW4Cとして、対応する単位スイッチ回路USW2(n)へ供給し、2入力アンド回路AND4の出力を、第5スイッチ制御信号SW5Cとして、対応する単位スイッチ回路USW2(n)へ供給する。
タッチ検出方式として、自己容量方式が設定された場合、上記したように、2入力ノア回路NR7、バッファ回路BF4および2入力アンド回路AND4のそれぞれの出力がロウレベルとなる。すなわち、第4〜第6スイッチ制御信号SW4C〜SW6Cがロウレベルとなる。これにより、対応する単位スイッチ回路USW2(n)における第4から第6スイッチS40〜S43、S50〜S53、S60〜S63のそれぞれがオフ状態となる。その結果、自己容量方式が設定された場合、第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)は、対応する共通電極TL(n)を、第1〜第3電圧配線502,503a、504から電気的に分離する。
これに対して、タッチ検出方式として相互容量方式が設定された場合、タッチ検出期間において、第7スイッチS4の共通端子Cが端子P2へ接続される。そのため、端子SP11〜SP14における共通電極TL(n)の電圧が、信号線SL(0)〜SL(3)および第7スイッチS4を介してノードnSに選択信号として伝達される。タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されている場合には、ノードnSにおける電圧、すなわち選択信号は、周期的にその電圧が変化する。これに対して、対応する共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定されている場合には、ノードnSにおける電圧は、第3電圧VCOMDC2となる。
対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されることにより、ノードnSにおける電圧が立ち上がると、フリップフロップ回路FF2は、そのクロック端子ckの電圧が立ち上がるため、データ入力端子Dに供給されている電圧に対応した論理値を取り込む。このとき、タッチ検出期間であるため、データ入力端子Dに供給されている制御信号VCOMSELはハイレベルである。そのため、フリップフロップ回路FF2は、ハイレベルに対応した論理値“1”を取り込み、格納し、論理値“1”に対応したハイレベルを、データ出力端子Qから出力する。フリップフロップ回路FF2のデータ出力端子Qがハイレベルとなることにより、2入力ノア回路NR7は、ロウレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cを出力する。
相互容量方式が設定されているため、検出方式指定信号SELFENはロウレベルである。そのため、タッチ検出期間において、N型MOSFETTRN7はオフ状態となる。これにより、バッファ回路BF4は、選択信号(ノードnSにおける電圧)をバッファリングし、第4スイッチ信号SW4Cとして出力する。このとき、3入力ノア回路NR6は、その第2入力にロウレベルの検出方式指定信号SELFENが供給され、その第3入力にロウレベルの第4スイッチ制御信号SW4Cが供給されているため、その第1入力に供給される選択信号(ノードnSにおける電圧)の位相を反転して出力するインバータ回路として機能する。2入力アンド回路AND4は、制御信号VCOMSELがハイレベルであるため、3入力ノア回路NR6により位相の反転された制御信号と同相の信号を第5スイッチ制御信号SW5Cとして出力する。
すなわち、タッチ検出期間において、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されていると、共通電極TL(n)に対応する第2単位ロジック回路ULG2(n)は、ロウレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cと、その電圧が周期的に変化する第4および第5スイッチ制御信号SW4C、SW5Cとを、対応する第2単位スイッチ回路USW2(n)へ出力する。ここで、第4スイッチ制御信号SW4Cは、ノードnSにおける電圧の変化と同相で変化する信号となり、第5スイッチ制御信号SW5Cは、ノードnSにおける電圧の変化に対して位相反転した信号となる。すなわち、ノードnSにおける選択信号に対して、第4スイッチ制御信号SW4Cは、同相となり、第5スイッチ制御信号SW5Cは、選択信号と逆相になる。
第2単位スイッチ回路USW2(n)においては、ロウレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cによって、第6スイッチS60〜S63がオフ状態となり、第4スイッチS40〜S43と第5スイッチS50〜S53は、第4スイッチ制御信号SW4Cと第5スイッチ制御信号SW5Cにより、交互にオン状態となる。その結果、相互容量方式が設定され、対応する共通電極TL(n)が選択共通電極に指定されている場合には、タッチ検出期間において、共通電極TL(n)は、選択信号の電圧変化に従って、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に接続され、共通電極TL(n)には、第1電圧TPHと第2電圧VCOMDC1aが交互に供給されることになる。
一方、対応する共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定されている場合、すなわち、ノードnSの電圧がロウレベルとなっている場合、フリップフロップ回路FF2は、そのクロック端子ckの電圧が立ち上がらないため、リセットのときの状態を維持し、論理値“0”に対応するロウレベルの信号をデータ出力端子Qから出力する。このとき、検出方式指定信号SELFENはロウレベルであるため、2入力ノア回路NR7は、ハイレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cを出力する。第6スイッチ制御信号SW6Cがハイレベルとなることにより、3入力ノア回路NR6はロウレベルを出力し、2入力アンド回路AND4は、ロウレベルの第5スイッチ制御信号SW5Cを出力する。また、選択信号(ノードnSにおける電圧)が、ロウレベルであるため、バッファ回路BF4は、ロウレベルの第4スイッチ制御信号SW4Cを出力する。
これらの第4〜第6スイッチ制御信号SW4C〜SW6Cのそれぞれの電圧により、対応する第2単位スイッチ回路USW2(n)においては、第6スイッチS60〜S63がオン状態となり、第4スイッチS40〜S43および第5スイッチS50〜S53はオフ状態となる。その結果、相互容量方式が設定され、対応する共通電極TL(n)が非選択共通電極に指定されている場合には、タッチ検出期間において、共通電極TL(n)は、第1および第2電圧配線502〜503a、第4電圧配線503bとは電気的に分離され、第2電圧配線503aと第3電圧配線504は、電気的に互いに接続されることになる。
また、表示期間においては、制御信号VCOMSELがロウレベルにされ、検出方式指定信号SELFENもロウレベルにされる。制御信号VCOMSELがロウレベルであるため、フリップフロップ回路FF2は、リセットされた状態となり、ロウレベルの信号をデータ出力端子Qから出力する。そのため、2入力ノア回路NR7は、ハイレベルの第6スイッチ制御信号SW6Cを出力する。これにより、対応する第2単位スイッチ回路USW2(n)において、第6スイッチS60〜S63がオン状態となり、第2電圧配線502と第3電圧配線504とが電気的に接続されることになる。
表示期間においては、実施の形態1において述べたように、単位駆動電極スイッチLSS(n)におけるスイッチS3の共通端子Cは、端子P1に接続される。これにより、表示期間において、液晶表示素子の一方の端子となる共通電極TL(n)は、スイッチS3を介して第4電圧配線503bに接続され、この第4電圧配線503bと第3電圧配線504との間は、第6スイッチS60〜S63によって接続されることになる。すなわち、表示期間において、液晶表示素子の一方の端子となる共通電極TL(n)は、第4電圧配線503bと第3電圧配線504とに接続されることになる。これにより、表示期間において、液晶表示素子の一方の端子に供給される電圧の安定化を図ることが可能となる。
第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)および第2単位駆動電極ドライバUDG2(n)を例にして説明したが、第1駆動電極ドライバ12および第2駆動電極ドライバ12−Uのそれぞれを構成する残りの第1単位駆動電極ドライバUDG1(0)〜UDG1(n−1)、UDG1(n+1)〜UDG1(p)および第2単位駆動電極ドライバUDG2(0)〜UDG2(n−1)、UDG2(n+1)〜UDG2(p)も同様である。
この実施の形態3においては、タッチ検出方式として相互容量方式が設定された場合、タッチ検出期間においては、選択共通電極の一端部は、第1駆動電極ドライバ12によって、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続され、選択共通電極の他端部は、第2駆動電極ドライバ12−Uによって、第1電圧配線502と第2電圧配線503aとに交互に電気的に接続される。このとき、第2駆動電極ドライバ12−Uは、第1駆動電極ドライバ12から選択共通電極に供給される電圧を選択信号として受け、選択信号に従って、選択共通電極を第1電圧配線502または第2電圧配線503aに接続する。すなわち、第2駆動電極ドライバ12−Uは、第1駆動電極ドライバ12に同期して動作する。これにより、選択共通電極には、その両端部から電圧が供給されることになり、第1駆動電極ドライバ12および/または第2駆動電極ドライバ12−Uによる占有面積の増加を抑制しながら、選択共通電極の電圧の変化を早くすることが可能となる。
また、タッチ検出方式として相互容量方式が設定された場合、タッチ検出期間においては、非選択共通電極は、第1駆動電極ドライバ12において、第3電圧配線504に接続される。第3電圧配線504は、選択共通電極が周期的に接続される第2電圧配線503aとは異なる配線であるため、選択共通電極および検出電極における電圧の立ち上がりが遅くなるのを抑制することが可能となる。また、選択共通電極における電圧の立ち下がりが遅くなるのを抑制することが可能となる。さらに、非選択共通電極は、タッチ検出期間、第1駆動電極ドライバ12において、第3電圧配線504に接続されるため、図21で説明したように、誤検出の低減あるいは検出の高速化を図ることが可能となる。実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、表示期間においては画像信号を伝達する信号線を、第1駆動電極ドライバ12から第2駆動電極ドライバ12−Uへ選択信号を伝達する信号配線として兼用しているため、新たな信号配線を設けなくても済み、液晶表示装置が大きくなるのを抑制することが可能となる。
さらに、実施の形態3においても、第3電圧配線504の線幅は、第1および第2電圧配線502、503aの線幅よりも細くなっているため、これによっても、液晶表示装置が大きくなるのを抑制することが可能である。また、表示期間においては、第2駆動電極ドライバ12−Uにおいて、第3電圧配線504は、第2電圧配線503bに接続される。これにより、表示期間において、液晶表示素子に印加される電圧の安定化を図ることが可能である。
また、タッチ検出方式として、自己容量方式を設定した場合、第1駆動電極ドライバ12から駆動信号S−In(0)〜S−In(p)を対応する共通電極TL(0)〜TL(p)へ供給し、共通電極TL(0)〜TL(p)における検出信号は第1駆動電極ドライバ12からタッチ用半導体装置1200へ供給するようにしている。これにより、タッチ検出方式として、自己容量方式を採用することも可能となる。すなわち、複数のタッチ検出方式から、タッチ検出方式をユーザが設定することが可能である。
<液晶表示装置の動作>
次に、実施の形態3に係わる液晶表示装置の動作を説明する。図14(A)〜(H)は、この実施の形態に係わる液晶表示装置の動作を示す波形図である。図14において、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。また、説明を容易にするために、図14では、タッチ検出期間における共通電極TL(n)に関する波形のみが示されている。図14において、タッチ検出期間(選択)およびタッチ検出期間(非選択)は、タッチ検出方式として、相互容量方式を設定したときの波形を示している。ここで、タッチ検出期間(選択)は、共通電極TL(n)が選択共通電極として指定されているときの波形を示しており、タッチ検出期間(非選択)は、共通電極TL(n)が非選択共通電極として指定されているときの波形を示している。また、図14において、タッチ検出期間(自己)は、タッチ検出方式として自己容量方式を設定したときの波形を示している。
図14において、信号線プリチャージ期間は、タッチ検出期間のあと、信号線SL(0)〜SL(p)をプリチャージし、次の表示期間に備える動作が行われている期間を示している。表示期間は、信号線SL(0)〜SL(p)に画像信号を供給し、走査線GL(0)〜GL(p)に順次走査電圧を供給することにより、表示を行っている期間を示している。
図14に示した波形は、図9に示した波形に類似している。図9と図14とを比較すると、図14(A)は、図9(A)に対応し、選択信号SEL1の波形を示しており、図14(B)は、図9(B)に対応し、制御信号VCOMSELの波形を示しており、図14(E)は、図9(D)に対応し、フリップフロップ回路FF1のデータ出力端子Qの波形を示している。同様に、図14(F)は、図9(E)に対応し、第3スイッチ制御信号SW3Cの波形を示し、図14(G)は、図9(F)に対応し、第1スイッチ制御信号SW1Cの波形を示し、図14(H)は、図9(G)に対応し、第2スイッチ制御信号SW2Cの波形を示している。
図14(C)は、検出方式指定信号SELFENの波形を示し、図14(D)は、選択信号TP(n)と駆動信号S−In(n)の波形を示している。図14(D)は、タッチ検出期間(選択)およびタッチ検出期間(非選択)において、選択信号TP(n)の波形を示しており、タッチ検出期間(自己)においては、駆動信号S−In(n)の波形を示している。
図14において、検出方式指定信号SELFENの波形を除くと、表示期間、タッチ検出期間(選択)およびタッチ検出期間(非選択)における波形は、図9と同じであるので、表示期間、タッチ検出期間(選択)およびタッチ検出期間(非選択)に関する説明は省略する。図14(C)に示した検出方式指定信号SELFENは、タッチ検出方式として相互容量方式を設定した場合、ロウレベルになる。一方、タッチ検出方式として自己容量方式を設定した場合、ハイレベルになる。
図14(C)に示すように、検出方式指定信号SELFENがハイレベルとなると、図13において説明したように、第1〜第3スイッチ制御信号SW1C〜SW3Cのそれぞれがロウレベルとなる(図14(F)〜(G))。一方、図13で述べた第2TFスイッチ〜第5TFスイッチのそれぞれがオン状態となる。このとき、タッチ用半導体装置1200における駆動信号形成部1202が、選択信号TP(n)の代わりに駆動信号S−In(n)を形成し、第1駆動電極ドライバ12の第1単位駆動電極ドライバUDG1(n)に供給する。この場合、図14(D)に示すように、駆動信号S−In(n)は、その電圧値が周期的に変化する信号である。
この駆動信号S−In(n)は、図13に示した第2TFスイッチ〜第5TFスイッチを介して、対応する共通電極TL(n)に供給される。このとき、共通電極TL(n)の近傍がタッチされているか否かにより、共通電極TL(n)における電圧の変化が、検出信号Rx(n)として、第2TFスイッチから第5TFスイッチを介して、タッチ用半導体装置7の端子ST(n)に伝達され、タッチ検出信号増幅部1201より増幅され、図1に示したA/D変換部14、信号処理部15で処理し、処理結果を座標抽出部16へ供給する。自己容量方式では、検出電極RL(0)〜RL(p)についても、共通駆動電極と同じように、駆動信号を検出電極へ供給し、検出電極における電圧の変化が検出され、A/D変換部14、信号処理部15で処理が行われる。座標抽出部16は、共通電極における電圧の変化に基づく処理の結果と、検出電極における電圧の変化に基づく処理の結果とを用いて、タッチされた位置の座標を抽出して、座標情報として出力する。
(実施の形態4)
図15は、実施の形態4に係わる液晶表示装置の要部を示す回路図である。実施の形態1〜3において説明したように、リセット端子rstを有するフリップフロップ回路FF1、FF2は、リセット端子rstに供給される選択信号が、タッチ検出期間に立ち上がるが否かにより、共通電極が選択共通電極として指定されているか否かの判定を行っている。言い換えるならば、フリップフロップ回路FF1、FF2は、選択であるか非選択であるかを判定する判定回路であると見なすことができる。実施の形態4は、リセット端子rstを有するフリップフロップ回路を、図16(B)および図17(B)において説明したAC駆動に適用した液晶表示装置を、提供する。
図15には、共通電極TL(0)〜TL(2)と、共通電極TL(0)〜TL(2)へ駆動信号Tx(0)〜Tx(2)を供給する駆動電極ドライバ12と、タッチ用半導体装置7に含まれる駆動信号形成部1500とが示されている。ここで、駆動信号形成部1500は、選択共通電極として指定する共通電極に対応する駆動信号を周期的に電圧が変化する信号として出力し、非選択共通電極として指定する共通電極に対応する駆動信号をロウレベルとして出力する。例えば、共通電極TL(1)を選択共通電極とし、共通電極TL(0)、TL(2)を非選択共通電極とする場合、共通電極TL(1)に対応する駆動信号Tx(1)を周期的に電圧が変化する信号とし、共通電極TL(0)およびTL(2)に対応する駆動信号をTx(0)およびTx(2)をロウレベルにする。
駆動電極ドライバ12は、それぞれの共通電極TL(0)〜TL(2)に対応した複数の判定スイッチ回路DT(0)〜DT(2)を備えている。判定スイッチ回路DT(0)〜DT(2)は、互いに同じ構成を有しているので、ここでは、判定スイッチ回路DT(0)を代表にして、その構成を説明する。
判定スイッチ回路DT(0)は、リセット端子rstを有するフリップフロップ回路FF3と、フリップフロップ回路FF3のデータ出力端子Qおよび/Qからの出力により制御される1対のスイッチS15−1、S15−2を備えている。フリップフロップ回路FF3は、データ出力端子Qから出力する信号に対して位相反転した信号を、データ出力端子/Qから出力する。これにより、スイッチS15−1とスイッチS15−2とは相補的にオン/オフするようにスイッチ制御される。
フリップフロップ回路FF3のリセット端子rstとデータ入力端子Dには、制御信号VCOMSELが供給され、そのクロック端子ckには、対応する共通電極TL(0)に対応した駆動信号Tx(0)が供給されている。また、フリップフロップ回路FF3のデータ出力端子Qからの出力信号によりスイッチ制御されるスイッチS15−1を介して、駆動信号Tx(0)は、対応する共通電極TL(0)に供給される。さらに、フリップフロップ回路FF3のデータ出力端子/Qからの出力信号によりスイッチ制御されるスイッチS15−2を介して、対応する共通電極TL(0)は、第3電圧配線504に接続されている。
制御信号VCOMSELは、タッチ検出期間になると、ハイレベルに変化する。駆動信号Tx(0)が、共通電極TL(0)を選択共通電極として指定するように、周期的にその電圧が変化する信号であった場合、駆動信号Tx(0)の電圧が立ち上がることにより、フリップフロップ回路FF3は、データ入力端子Dに供給されているハイレベルを取りこみ、論理値“1”を格納し、データ出力端子Qの電圧をハイレベルにし、データ出力端子/Qの電圧をロウレベルにする。スイッチS15−1は、ハイレベルが供給されることにより、オン状態となる。これにより、共通電極TL(0)には、駆動信号Tx(0)が供給されることになる。このときの検出電極における検出信号を判定することにより、共通電極TL(0)の近傍がタッチされているか否かの判定を行う。
一方、共通電極TL(0)を非選択共通として指定する場合、駆動信号Tx(0)はロウレベルとなる。そのため、制御信号VCOMSELがハイレベルになっても、クロック端子ckの電圧が立ち上がらないため、フリップフロップ回路FF3は、リセットのときの論理値“0”を維持し、データ出力端子Qはロウレベル、データ出力端子/Qはハイレベルとなる。これにより、スイッチS15−2がオン状態となり、対応する共通電極TL(0)は、第3電圧配線504に接続されることになる。
判定スイッチ回路DT(0)について説明したが、駆動電極ドライバ12を構成する他の判定スイッチ回路DT(1)、DT(2)についても同様である。
この実施の形態4においても、タッチ検出期間において、非選択共通電極は、第3電圧配線504に接続される。そのため、非選択共通電極は、駆動信号の電圧によって第3電圧VCOMDC2へ充電するのではなく、第3電圧配線504によって、非選択共通電極を第3電圧VCOMDC2へ充電すればよくなり、駆動信号形成回路1500に要求される駆動能力が小さくしてもよく、小型化を図ることが可能となる。
実施の形態1〜3において、第1駆動電極ドライバ12および第2駆動電極ドライバ12−Uを構成するスイッチ、論理回路およびフリップフロップ回路は、MOSFETにより構成される。この場合、それぞれのMOSFETは、TFT基板300(図3、図4)に形成される。特に、第1駆動電極ドライバ12を構成するMOFSETは、ドライブ用半導体装置DDICによって覆われる部分に形成されている。また、第2駆動電極ドライバ12−Uを構成するMOSFETは、液晶パネル2の領域501の短辺501−U(図5)とモジュールの短辺との間の領域に形成されている。しかしながら、これに限定されるものではない。
また、実施の形態1〜4は、共通電極TL(0)〜TL(p)と信号線SL(0)〜SL(p)とが平行して配置される縦COM配置を例にして説明したが、これに限定されず、共通電極TL(0)〜TL(p)が信号線SL(0)〜SL(p)と交差するように配置される横COM配置であってもよい。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
例えば、実施の形態においては、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)は、列方向に延在し、行方向に配置されている場合を説明したが、行方向および列方向は、見る視点により変化する。見る視点を変えて、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)が、行方向に延在し、列方向に配置されている場合も本発明の範囲に含まれるものである。