以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の点灯制御システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の点灯制御システムは、点灯制御装置としての点滅灯中継装置110、複数の点滅灯120などを備える。なお、点灯制御システムは、上位装置100を備えることもできる。なお、上位装置100を点灯制御装置と称する場合があるが、本明細書では、点滅灯中継装置110を点灯制御装置として説明する。なお、図1の例では、点滅灯中継装置110を1台(1系統)備える構成であるが、点滅灯中継装置110は複数台(複数系統)設けることもできる。
点滅灯中継装置110は、インタフェース部41、親機10などを備える。インタフェース部41は、上位装置100との間のインタフェース機能を有する。上位装置100と点滅灯中継装置110との間は、例えば、光回線を用いることができる。点滅灯中継装置110は、親機10を介して、各点滅灯120の点灯制御を行うべく所定の制御指令を各点滅灯120へ送信する。
点滅灯120は、子機20、駆動部31、表示部32などを備える。点滅灯120は、例えば、道路に沿って所要の間隔で設置され、所定の表示を行う。点滅灯中継装置110と各点滅灯120との間、及び各点滅灯120の間、すなわち、親機10と各子機20との間、及び各子機20の間は、例えば、920MHz帯の無線通信を行うことができる。なお、無線通信の周波数帯は、920MHzに限定されない。また、親機10及び子機20を無線機とも称する。
表示部32は、例えば、3色(赤、緑、青)のLEDを備え、駆動部31が出力する駆動信号に応じて、多種多様な点灯表示をすることができる。表示方式は、例えば、常時点灯、点滅点灯、交互点灯あるいは流れ表示(流れ表示速度は点滅灯の設置間隔によるが、例えば、20km/h〜120km/h程度とすることができる)などを含む。
駆動部31は、子機20が出力する制御指令に基づいて駆動信号を生成し、生成した駆動信号を表示部32へ出力する。
図2は本実施の形態の親機10の構成の一例を示すブロック図である。親機10は、親機10全体を制御する制御部11、通信部12、記憶部13、演算部14、判定部15などを備える。
通信部12は、送信部及び受信部としての機能を有し、各子機20との間の通信を行う。通信部12は、全ての子機20に対して一斉(同時に)に制御情報を送信することができる。また、通信部12は、各子機20が送信した制御情報を受信する。通信部12は、送信バッファ及び受信バッファを備えることができる。制御情報の詳細は後述する。
記憶部13は、所定の情報を記憶する。より具体的には、記憶部13は、親機10を識別する識別ID(制御情報を送信する場合の送信局ID)、制御情報の送信順序(通常は、0)、各子機20が制御情報(所定の制御指令)を受信したことを示す受信済フラグを子機毎に記録可能なフラグエリア、所定の制御指令などを記憶する。
演算部14は、子機20から受信したフラグエリア内の受信済フラグを、子機毎に論理和演算を行う。演算部14による演算処理の詳細は後述する。
判定部15は、通信部12で受信した制御情報から抽出したフラグエリア内の子機毎の受信済フラグに基づいて、各子機20が所定の制御指令を受信したか否かを判定する。判定部15による判定処理の詳細は後述する。
図3は本実施の形態の子機20の構成の一例を示すブロック図である。子機20は、子機20全体を制御する制御部21、通信部22、記憶部23、更新部24、決定部25、設定部26などを備える。
通信部22は、送信部及び受信部としての機能を有し、親機10及び他の子機20との間の通信を行う。通信部22は、親機10及び他の子機20に対して一斉(同時に)に制御情報を送信することができる。また、通信部22は、親機10及び他の子機20が送信した制御情報を受信する。通信部22は、送信バッファ及び受信バッファを備えることができる。
記憶部23は、子機20(自身)を識別する識別ID(制御情報を送信する場合の送信局ID)、子機20(自身)が制御情報を送信する際の送信順序、各子機20が制御情報(所定の制御指令)を受信したことを示す受信済フラグを子機毎に記録可能なフラグエリア、所定の制御指令などを記憶する。
更新部24は、通信部22で制御情報を受信する都度、受信した制御情報から抽出したフラグエリア、記憶部23に記憶したフラグエリア及び子機20(自身)が所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを、子機毎に論理和演算を行って記憶部23に記憶したフラグエリアを更新する。更新部24による更新処理の詳細は後述する。
決定部25は、通信部22で受信した制御情報から抽出した送信順位及び子機20(自身)の送信順位に基づいて、子機20(自身)が制御情報を送信する送信時点を決定する。
設定部26は、子機20(自身)が制御情報を送信する送信順位を設定する。
図4は本実施の形態の通信システムの通信方法の一例を示す模式図である。図4では、便宜上、通信システムが、親機10と3台の子機20a、20b、20cで構成されているとする。子機20a、20b、20cを、子機1、子機2、子機3と称し、子機1、2、3の送信順位を1、2、3とする。なお、親機10は最初に制御情報を送信するので、送信順位を0とする。また、無線機(親機10及び子機20a、20b、20c)の送信間隔をT(例えば、100msなど)とする。なお、子機20の数は3台に限定されるものではなく、1台の点滅灯中継装置(1系統)に対して設置される点滅灯の台数に応じて、例えば、50台、100台などとすることができる。
まず、親機10が、全ての子機に対して一斉に(同時に)制御情報を送信する(符号A)。各子機1〜3は、制御情報を受信する。各子機1〜3は、親機10が送信した制御情報を受信し、受信した制御情報から抽出した送信順位(親機:0)に基づき、自身の送信順位を決定する。図4の例では、子機1が送信順位1(親機の次の順位)であるので、親機10の送信時点から時間Tが経過した時点で、子機1が制御情報を親機10及び他の子機2、3へ送信する(符号B)。以下、同様に、時間Tが経過した時点で、子機2が親機10及び他の子機1、3へ制御情報を送信し(符号C)、さらに時間Tが経過した時点で、子機3が親機10及び他の子機1、2へ制御情報を送信する(符号D)。
図5は本実施の形態の通信システムで使用する制御情報のフォーマットの一例を示す説明図である。制御情報は、ヘッダ、フラグエリア、制御文の各フィールドで構成されている。便宜上、子機の数を3台とする。ヘッダには、制御情報を送信した送信局ID(親機10又は子機20の識別ID)、制御情報を送信した親機10又は子機20の送信順位などが含まれる。
フラグエリアは、子機の数をNとすると、例えば、Nビットのデータエリアとすることができ、フラグエリアに記録される受信フラグは、例えば、1(受信済フラグ)又は0(未受信フラグ)とすることができる。図5の例では、子機20が3台なので、子機1、子機2、子機3それぞれ1ビットの領域が割り当てられている。
制御文には、所定の制御指令が格納される。所定の制御指令は、例えば、点滅灯120を、例えば、常時点灯、点滅点灯、交互点灯あるいは流れ表示させるべく制御するための指令である。
図5に示すように、制御情報には、各点滅灯120を制御するための制御指令、及び各点滅灯120(子機20)が制御指令を受信したか否かを示す受信フラグ(監視)の両方の情報が含まれる。
親機と複数の子機とが、1:1通信を行う場合には、子機の数をNとすると、制御(制御指令の送信)と監視(受信確認)を併せて2×Nの通信回数が必要となる。1回の通信に要する時間をTとすると、全ての子機との通信時間は、2×N×Tとなる。なお、受信不良などの通信不良は考慮していない。
一方、本実施の形態の通信システムでは、図4に示すように、親機10から全ての子機20に対して1回の送信で制御情報が送信されるので、制御に要する時間はTとなる。なお、受信不良などの通信不良は考慮していない。すなわち、全ての子機20が制御指令を取得するまでの時間を大幅に短縮することができる。また、各子機が制御指令を受信したかの確認(監視)に要する時間は、子機の数をNとするとN×Tとなり、全ての子機との通信時間は、(1+N)×Tとなる。すなわち、制御と監視の全体としての通信時間を大幅に短縮することができる。
次に、本実施の形態の通信システムの動作について説明する。
図6は本実施の形態の通信システムによる制御及び監視の第1例を示す模式図である。図6の例では、便宜上、子機20は3台とする。また、制御情報の送信順位は、親機0、子機1、子機3、子機2とする。送信電文は、ヘッダ及びフラグエリアを図示している。なお、制御指令は、同じ内容のものが送信されるので省略している。また、本明細書において、制御は、親機10が、制御情報(制御指令)を各子機20へ送信して点滅灯120を制御することを意味し、監視は、親機10が、子機20が制御情報(制御指令)を受信したことを確認することを意味する。
時点t0において、親機0は送信電文を子機1、2、3へ送信する。子機1〜3は、送信電文を受信する。親機0が送信した送信電文は、親機の送信局ID:0、送信順位:0、フラグエリア[0、0、0](子機1〜3の受信フラグ:0、0、0(初期値))となっている。
子機1は、送信電文を受信すると、子機1の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機1が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、0、0]で記憶したフラグエリアを更新する。
子機2は、送信電文を受信すると、子機2の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[0、1、0]で記憶したフラグエリアを更新する。
子機3は、送信電文を受信すると、子機3の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[0、0、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t1(例えば、時点t0から時間T経過時点)において、送信順位が親機0の次である子機1が、送信電文を親機0及び他の子機2、3へ送信する。親機0、子機2、3は送信電文を受信する。子機1が送信した送信電文は、子機1の送信局ID:1、送信順位:1、フラグエリア[1、0、0]となっている。
子機2は、送信電文を受信すると、子機2の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、1、0]と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、1、0]で記憶したフラグエリアを更新する。
子機3は、送信電文を受信すると、子機3の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、1]と、子機3が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、0、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t2(例えば、時点t1から時間T経過時点)において、送信順位が子機1の次である子機3が、送信電文を親機0及び他の子機1、2へ送信する。親機0、子機1、2は送信電文を受信する。子機3が送信した送信電文は、子機3の送信局ID:3、送信順位:2、フラグエリア[1、0、1]となっている。
子機1は、送信電文を受信すると、子機1の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、1]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[1、0、0]と、子機1が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、0、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
子機2は、送信電文を受信すると、子機2の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、1]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[1、1、0]と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、1、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t3(例えば、時点t2から時間T経過時点)において、送信順位が子機3の次である子機2が、送信電文を親機0及び他の子機1、3へ送信する。親機0、子機1、3は送信電文を受信する。子機2が送信した送信電文は、子機2の送信局ID:2、送信順位:3、フラグエリア[1、1、1]となっている。
親機0は、子機2が送信した送信電文を受信する。受信したフラグエリア[1、1、1]となっているので、親機0の判定部15は、全ての子機1〜3が、送信電文(制御指令)を受信したことを判定することができる(監視を行うことができる)。
上述のように、本実施の形態に通信システムによれば、子機20の数をN(図6の例では、N=3)とすると、各子機20は、制御情報を最大N回受信することができるので、環境変化に応じて通信が不安定になったとしても、制御指令の受信成功率が高くなり通信不良の影響を低減することができる。また、親機10は、所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグが記録されたフラグエリアを各子機20から最大N回受信することができるので、制御指令の受信が成功したことを確実に把握することができる。
図7は比較例としての通信システムの通信回数の一例を示す模式図である。便宜上、通信システムは、親機0と4台の子機1〜4で構成されているとする。図7の通信システムは、1:1通信方式を採用するものである。また、親機0と子機3との間は、子機2又は子機4による中継を要するとする。親機0は、子機1との間で、制御(指令の送信)と監視(受信の確認)の2回の通信を要する。同様に、親機0と、子機2、子機4との間でも制御と監視の2回の通信を要する。また、親機0と子機3との間では、子機2によって中継させるので、親機0と子機3との間では、制御と監視の4回の通信を要する。すなわち、親機0が全ての子機1〜4と通信を行うためには、制御が5回、監視が5回、合計で10回の通信が必要となる。
図8は本実施の形態の通信システムの通信回数の一例を示す模式図である。親機0と子機3との間は、子機2又は子機4による中継を要するとする。親機0は、子機1、2、4に対して一斉に(同時に)制御を行うことができる。また、子機3に対しては、子機2の送信時点に伝達されるので、親機0は、全ての子機1〜4に対して、1回の通信によって制御を行うことができる。また、親機0は、各子機1〜4から受信確認をする必要があるので、監視に要する通信は4回となる。すなわち、親機0が全ての子機1〜4と通信を行うためには、制御が1回、監視が4回、合計で5回の通信に低減することができる。
上述のように、本実施の形態の通信システムによれば、全ての子機が制御指令を取得するまでの時間を大幅に短縮すること、監視応答時間(図8の例では、監視が4回)を短縮することが可能となり、全体として全ての子機20(点滅灯120)との間の通信時間を大幅に短縮することができる。
図9は本実施の形態の通信システムによる制御及び監視の第2例を示す模式図である。図6に示す第1例との相違点は、環境変化等の影響により、子機1、2、3が送信電文を受信することができない場合を想定している点である。
時点t0において、親機0は送信電文を子機1、2、3へ送信する。子機1、2、3は、送信電文を受信する。親機0が送信した送信電文は、親機の送信局ID:0、送信順位:0、フラグエリア[0、0、0](子機1〜3の受信フラグ:0、0、0(初期値))となっている。
子機1は、送信電文を受信すると、子機1の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機1が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、0、0]で記憶したフラグエリアを更新する。
子機2は、送信電文を受信すると、子機2の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[0、1、0]で記憶したフラグエリアを更新する。
子機3は、送信電文を受信すると、子機3の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機3が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[0、0、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t1(例えば、時点t0から時間T経過時点)において、送信順位が親機0の次である子機1が、送信電文を親機0及び他の子機2、3へ送信する。子機2は送信電文を受信するが、親機0、子機3は送信電文を受信することができないとする。子機1が送信した送信電文は、子機1の送信局ID:1、送信順位:1、フラグエリア[1、0、0]となっている。
子機2は、送信電文を受信すると、子機2の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、1、0]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t2(例えば、時点t1から時間T経過時点)において、送信順位が親機0から2番目である子機3が、送信電文を親機0及び他の子機1、2へ送信する。親機0は送信電文を受信するが、子機1、2は送信電文を受信することができないとする。子機3が送信した送信電文は、子機3の送信局ID:3、送信順位:2、フラグエリア[0、0、1]となっている。
次に、時点t3(例えば、時点t2から時間T経過時点)において、送信順位が親機0から3番目である子機2が、送信電文を親機0及び他の子機1、3へ送信する。親機0は送信電文を受信するが、子機1、3は送信電文を受信することができないとする。子機2が送信した送信電文は、子機2の送信局ID:2、送信順位:3、フラグエリア[1、1、0]となっている。
親機0は、子機1が送信した送信電文を受信することができていない。しかし、親機0は、全ての子機のうちの一部の子機(図9の例では、子機2、3)が送信した送信電文を受信することができている。
親機10の演算部14は、複数の子機の一部の子機から受信したフラグエリア内の受信済フラグを、当該一部の子機毎に論理和演算を行う。図9の例では、子機3から受信したフラグエリア[0、0、1]と、子機2から受信したフラグエリア[1、1、0]とを子機毎に論理和演算することにより、フラグエリア[1、1、1]を得ることができる。
親機10の判定部15は、演算部14での演算結果により複数の子機それぞれに対応する受信済フラグがある場合、複数の子機が所定の制御指令を受信したと判定する。図9の例では、論理和演算の結果、フラグエリア[1、1、1]を得ることができたので、判定部15は、全ての子機が所定の制御指令を受信したと判定することができる。
上述のように、本実施の形態の通信システムによれば、各子機が制御指令の送信と、他の子機の制御指令の受信の成否を示す受信フラグの送信とを同時に行うので、親機0が、子機1が送信したフラグエリアを受信することができなかった場合でも、子機2、3が送信したフラグエリアに基づいて各子機1〜3の受信確認を収集することができる。
図10は本実施の形態の通信システムによる制御及び監視の第3例を示す模式図である。図6に示す第1例との相違点は、環境変化等の影響により、子機2が送信電文を受信することができない場合を想定している点である。
時点t0において、親機0は送信電文を子機1、2、3へ送信する。子機1、3は、送信電文を受信する。子機2は、送信電文を受信することができていないとする。親機0が送信した送信電文は、親機の送信局ID:0、送信順位:0、フラグエリア[0、0、0](子機1〜3の受信フラグ:0、0、0(初期値))となっている。
子機1は、送信電文を受信すると、子機1の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機1が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、0、0]で記憶したフラグエリアを更新する。
子機3は、送信電文を受信すると、子機3の更新部24は、受信したフラグエリア[0、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機3が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[0、0、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t1(例えば、時点t0から時間T経過時点)において、送信順位が親機0の次である子機1が、送信電文を親機0及び他の子機2、3へ送信する。親機0、子機3は送信電文を受信する。子機2は送信電文を受信することができていないとする。子機1が送信した送信電文は、子機1の送信局ID:1、送信順位:1、フラグエリア[1、0、0]となっている。
子機3は、送信電文を受信すると、子機3の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、0]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、1]と、子機3が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、0、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t2(例えば、時点t1から時間T経過時点)において、送信順位が子機1の次である子機3が、送信電文を親機0及び他の子機1、2へ送信する。親機0、子機1は送信電文を受信する。子機2は送信電文を受信することができていないとする。子機3が送信した送信電文は、子機3の送信局ID:3、送信順位:2、フラグエリア[1、0、1]となっている。
子機1は、送信電文を受信すると、子機1の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、1]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[1、0、0]と、子機1が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、0、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
次に、時点t3(例えば、時点t2から時間T経過時点)において、送信順位が子機3の次である子機2が、送信電文を送信する順番であるが、子機2は、時点t0〜t2において送信電文を受信していないので、送信電文を送信することができない。
親機0の判定部15は、複数の子機の送信時点が経過した後に、複数の子機が所定の制御指令を受信したか否かを判定する。例えば、無線機の送信間隔をTとし、子機の数をNとすると、複数の子機の送信時点は、親機が送信した時点からN×Tだけ経過した時点とすることができる。図10の例では、子機の数が4台なので、時点t0から4×Tだけ経過した時点で、親機0の判定部15は、全ての子機が所定の制御指令を受信したか否かを判定する。
各子機は、制御指令の送信と同時に、他の子機の制御指令の受信の成否を示す受信フラグも送信するので、例えば、1:1通信の場合に比べて、複数の子機の受信確認を短縮することができる。
親機0は、受信したフラグエリア[1、0、1]となっているので、親機0の判定部15は、全ての子機1〜3のうち、子機2が、送信電文(制御指令)を受信することができていないと判定することができる。
図10に示すように、時点t5において、親機0は、送信電文を子機1、2、3へ送信する。子機1〜3は、送信電文を受信する。この場合、子機2は送信電文を受信することができるとする。親機0が送信した送信電文は、親機の送信局ID:0、送信順位:0、フラグエリア[1、0、1](時点t3までに受信したフラグの論理和)となっている。
子機2は、送信電文を受信すると、子機2の更新部24は、受信したフラグエリア[1、0、1]と、記憶部23に記憶したフラグエリア[0、0、0](初期値)と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、1、1]で記憶したフラグエリアを更新する。
図10に示すように、子機2は、時点t6において子機1が送信した送信電文を受信することができていない。また、子機2は、時点t7において子機3が送信した送信電文を受信することができていない。しかし、子機2は、時点t5において送信電文を受信することができているので(一度でも送信電文を受信することができているので)、子機2は、自身の送信時点を決定することができる。
子機20の決定部25は、送信時点を、例えば、以下のようにすることができる。無線機の送信間隔をTとする。一の子機の送信順位が2である場合に、受信した送信順位が1であるときは、送信順位の差が1なので、当該子機の送信時点は、送信順位を受信した時点からTだけ経過した時点とすることができる。また、一の子機の送信順位が3である場合に、受信した送信順位が1であるときは、送信順位の差が2なので、当該子機の送信時点は、送信順位を受信した時点から2×Tだけ経過した時点とすることができる。
図10の例では、子機2が時点t5において受信した送信電文の送信順位は0である。一方、子機2の送信順位は3である。従って、子機2の送信時点は、時点t5から3×Tだけ経過した時点である時点t8であると決定することができる。このように、子機は一度でも送信電文(制御情報)を受信することができれば、自身の送信時点を決定することができ、送信電文(制御情報)を正しいタイミングで送信することができる。
時点t8において、子機2は、送信電文を親機0及び他の子機1、3へ送信する。子機2が送信した送信電文は、子機2の送信局ID:2、送信順位:3、フラグエリア[1、1、1]となっている。
親機0は、子機2が送信した送信電文を受信する。受信したフラグエリア[1、1、1]となっているので、親機0の判定部15は、全ての子機1〜3が、送信電文(制御指令)を受信したことを判定することができる(監視を行うことができる)。
図11は本実施の形態の通信システムの通信状態の一例を示す模式図である。便宜上、子機の数を6台とする。点滅灯120それぞれに組み込まれた子機1〜6が、所定の間隔で設置されているとする。点滅灯中継装置110に組み込まれた親機0が、子機3、4に近い地点に設置されているとする。
時点t0において、親機0が一斉に制御情報を送信する。環境変化等に起因する電波状況によって、子機1、3は制御情報を受信することができず、子機2、4〜6は制御情報を受信することができたとする。便宜上、制御情報を受信することができた子機を破線で囲む。
親機0の次の送信順位である子機1は、制御情報を受信することができないので、制御情報を送信することができない。
時点t1(時点t0から2×T時間経過した時点とする)において、送信順位である子機2は、制御情報を送信する。子機5、6は制御情報を受信することができず、子機1、3、4は制御情報を受信することができたとする。
時点t2(時点t1からT時間経過した時点とする)において、送信順位である子機3は、制御情報を送信する。子機1は制御情報を受信することができず、子機2、4〜6は制御情報を受信することができたとする。
時点t3(時点t2からT時間経過した時点とする)において、送信順位である子機4は、制御情報を送信する。子機2は制御情報を受信することができず、子機1、3、5、6は制御情報を受信することができたとする。
時点t4(時点t3からT時間経過した時点とする)において、送信順位である子機5は、制御情報を送信する。子機1、3は制御情報を受信することができず、子機2、4、6は制御情報を受信することができたとする。
時点t5(時点t4からT時間経過した時点とする)において、送信順位である子機6は、制御情報を送信する。子機1、2は制御情報を受信することができず、子機3〜5は制御情報を受信することができたとする。
この場合、子機1〜6の制御情報の受信回数は、順番に、2回、3回、3回、5回、4回、4回となる。
上述のように、本実施の形態の通信システムによれば、各子機は、何度も制御情報を受信する機会が与えられるので、環境変化によって電波が届かない状況が発生しても、制御情報を確実に受信することができる。
次に、送信順位の設定について説明する。
図12は比較例としての通信システムの送信順位の設定の一例を示す模式図である。便宜上、子機の数を6台とする。点滅灯120それぞれに組み込まれた子機1〜6が、所定の間隔Lで設置されているとする。点滅灯中継装置110に組み込まれた親機0が、子機1に近い地点(子機1からの距離をLとする)に設置されているとする。親機0からの距離は、子機1、2、3、4、5、6の順で長くなるとする。また、送信順位は、子機1、2、3、4、5、6の順で設定されているとする。また、無線機が送信する電波が確実に届く距離を、便宜上、3×Lとする。なお、実際には電波が届く距離はもっと長い。
1回目に親機0が制御情報を送信すると、子機1、2、3は確実に制御情報を受信することができるとする。2回目に子機1が制御情報を送信すると、子機2、3、4は確実に制御情報を受信することができる。3回目に子機2が制御情報を送信すると、子機3、4、5は確実に制御情報を受信することができる。4回目に子機3が制御情報を送信すると、子機4、5、6は確実に制御情報を受信することができる。
すなわち、親機0から最も離れた距離に設置された子機6が、確実に制御情報を受信するまでには、4回の通信回数を要する。
図13は本実施の形態の通信システムの送信順位の設定の一例を示す模式図である。図12に示す第1例では、子機の設置順序に合わせて送信順位が設定される構成であったが、第2例では、所要数の子機を間引いて送信順位を設定する。すなわち、図13に示すように、子機1の送信順位が1であり、子機2、3を間引いて子機4が送信順位2となっている。同様に、子機5を間引いて子機6が送信順位3となっている。次に、親機0に近づく方向では、子機5を間引いて子機3が送信順位4となっている。次に、親機0から離れる方向では、子機5の送信順位が5となり、さらに親機0に近づく方向では、子機2が送信順位6となっている。
なお、距離が遠いか、あるいは近いかの判断は、例えば、親機0からの電波が確実に届く距離を境として行うことができる。
図13に示すように、1回目に親機0が制御情報を送信すると、子機1、2、3は確実に制御情報を受信することができるとする。2回目に子機1が制御情報を送信すると、子機2、3、4は確実に制御情報を受信することができる。3回目に子機4が制御情報を送信すると、子機5、6は確実に制御情報を受信することができる。
すなわち、親機0から最も離れた距離に設置された子機6が、確実に制御情報を受信するまでには、3回の通信回数で足りる。図12の場合に比べて、通信回数が少なくなることがわかる。
親機10と子機20との間の距離が長くなると、環境変化に応じて通信不良となる可能性が高くなる。そこで、各子機20が設定部26を備えることにより、環境変化が生じる場合でも、子機20を設置した状態で最適な送信順位を設定することができる。
図14は本実施の形態の子機20による処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、便宜上、処理の主体を制御部21として説明する。制御部21は、制御情報の送信タイミングであるか否かを判定し(S11)、送信タイミングである場合(S11でYES)、自身の送信局ID、送信順位、更新したフラグエリア及び制御指令を、例えば、送信バッファに格納し(S12)、制御情報の送信処理を行う(S13)。送信タイミングでない場合(S11でNO)、制御部21は、後述のステップS14の処理を行う。
制御部21は、制御情報を受信したか否かを判定し(S14)、制御情報を受信していない場合(S14でNO)、ステップS11の処理を続ける。
制御情報を受信した場合(S14でYES)、制御部21は、受信した制御情報から制御指令を抽出し(S15)、フラグエリアを抽出する(S16)。制御部21は、親機の制御指令であるか否かを判定する(S17)。親機の制御指令でない場合(S17でNO)、制御部21は、抽出したフラグエリア、記憶部23に記憶したフラグエリア及び自身の受信フラグ(制御指令を受信したことを示す受信済フラグ)を論理和演算して、記憶部23に記憶したフラグエリアを更新し(S18)、後述のステップS20の処理を行う。
親機の制御指令である場合(S17でYES)、制御部21は、抽出したフラグエリア及び自身の受信フラグ(制御指令を受信したことを示す受信済フラグ)を論理和演算して、記憶部23に記憶したフラグエリアを更新する(S19)。
制御部21は、受信した制御情報から送信順位を抽出し(S20)、抽出した送信順位及び自身の送信順位に基づいて制御情報の送信時点を決定する(S21)。制御部21は、処理を終了するか否かを判定する(S22)。処理を終了するか否かは、例えば、子機20の電源がオフされたか否かに応じて判定することができる。処理を終了しない場合(S22でNO)、制御部21は、ステップS11以降の処理を続ける。処理を終了する場合(S22でYES)、制御部21は処理を終了する。
図15は本実施の形態の親機10による処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、便宜上、処理の主体を制御部11として説明する。制御部11は、制御情報を全ての子機20へ送信する(S31)。制御部11は、制御情報を受信したか否かを判定し(S32)、制御情報を受信していない場合(S32でNO)、ステップS32の処理を続ける。
制御情報を受信した場合(S32でYES)、制御部11は、受信した制御情報からフラグエリアを抽出する(S33)。制御部11は、抽出したフラグエリア及び記憶部23に記憶したフラグエリアを論理和演算して、記憶部23に記憶したフラグエリアを更新する(S34)。
制御部11は、所定時間経過したか否かを判定する(S35)。所定時間経過した時点は、例えば、子機の数をN、無線機の送信間隔をTとすると、親機10が制御情報を送信した時点から、N×Tだけ経過した時点とすることができる。
所定時間経過していない場合(S35でNO)、制御部11は、ステップS32以降の処理を続ける。所定時間経過した場合(S35でYES)、制御部11は、処理を終了する。
本実施の形態の点灯制御システムは、親機10を備える点滅灯中継装置110と、子機20を備える複数の点滅灯120とを備え、点滅灯中継装置110は、所定の制御指令に基づいて、複数の点滅灯120を制御する。これにより、制御指令の受信成功率が非常に高くなり通信不良の影響を低減することができる点灯制御システムを実現することができる。
本実施の形態に係る通信システムは、親機と複数の子機と含む複数の無線機を備え、任意の一の無線機は他の全無線機に対して同一の情報を送信可能な通信システムであって、前記無線機それぞれは、所定の制御指令と、前記無線機の識別子及び送信順位並びに前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを子機毎に記録可能なフラグエリアとを含む制御情報を送信する送信部を備え、一の子機は、前記親機又は他の子機が送信した制御情報を受信する受信部と、フラグエリアを記憶する記憶部と、前記受信部で制御情報を受信する都度、受信したフラグエリア、前記記憶部に記憶したフラグエリア及び前記一の子機が前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを、子機毎に論理和演算を行って前記記憶部に記憶したフラグエリアを更新する更新部と、前記受信部で受信した送信順位及び予め設定された前記一の子機の送信順位に基づいて、前記一の子機の送信時点を決定する決定部とを備え、前記一の子機の送信部は、前記決定部で決定した送信時点で、前記所定の制御指令と、前記一の子機の識別子及び送信順位並びに前記更新部で更新したフラグエリアとを含む制御情報を送信し、前記親機は、前記複数の子機が送信する制御情報を受信する受信部と、該受信部で受信したフラグエリア内の子機毎の受信済フラグに基づいて、前記複数の子機が前記所定の制御指令を受信したか否かを判定する判定部とを備える。
本実施の形態に係る点灯制御システムは、本実施の形態に係る通信システムを備える。
本実施の形態に係る無線機は、所定の制御指令と、固有の識別子及び送信順位並びに前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを複数の無線機毎に記録可能なフラグエリアとを含む制御情報を送信する送信部と、他の無線機が送信した制御情報を受信する受信部と、フラグエリアを記憶する記憶部と、前記受信部で制御情報を受信する都度、受信したフラグエリア、前記記憶部に記憶したフラグエリア及び前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを、無線機毎に論理和演算を行って前記記憶部に記憶したフラグエリアを更新する更新部と、前記受信部で受信した送信順位及び予め設定された送信順位に基づいて、送信時点を決定する決定部とを備え、前記送信部は、前記決定部で決定した送信時点で、前記所定の制御指令と、前記識別子及び送信順位並びに前記更新部で更新したフラグエリアとを含む制御情報を送信する。
本実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、所定の制御指令と、固有の識別子及び送信順位並びに前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを複数の無線機毎に記録可能なフラグエリアとを含む制御情報を送信する処理と、他の無線機が送信した制御情報を受信する処理と、制御情報を受信する都度、受信したフラグエリア、記憶部に記憶したフラグエリア及び前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを、無線機毎に論理和演算を行って前記記憶部に記憶したフラグエリアを更新する処理と、受信した送信順位及び予め設定された送信順位に基づいて、送信時点を決定する処理と、決定した送信時点で、前記所定の制御指令と、前記識別子及び送信順位並びに更新したフラグエリアとを含む制御情報を送信する処理とを実行させる。
本実施の形態に係る通信方法は、親機と複数の子機と含む複数の無線機を備え、任意の一の無線機は他の全無線機に対して同一の情報を送信可能な通信システムによる通信方法であって、前記無線機それぞれは、所定の制御指令と、前記無線機の識別子及び送信順位並びに前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを子機毎に記録可能なフラグエリアとを含む制御情報を送信部が送信し、一の子機は、前記親機又は他の子機が送信した制御情報を受信部が受信し、フラグエリアを記憶部に記憶し、制御情報を受信する都度、受信したフラグエリア、前記記憶部に記憶したフラグエリア及び前記一の子機が前記所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを、子機毎に論理和演算を行って前記記憶部に記憶したフラグエリアを更新部が更新し、受信した送信順位及び予め設定された前記一の子機の送信順位に基づいて、前記一の子機の送信時点を決定部が決定し、前記一の子機は、決定した送信時点で、前記所定の制御指令と、前記一の子機の識別子及び送信順位並びに前記更新部で更新したフラグエリアとを含む制御情報を前記送信部が送信し、前記親機は、前記複数の子機が送信する制御情報を受信部が受信し、受信したフラグエリア内の子機毎の受信済フラグに基づいて、前記複数の子機が前記所定の制御指令を受信したか否かを判定部が判定する。
無線機(親機及び複数の子機)それぞれは、所定の制御指令と、無線機の識別子及び送信順位並びに所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを子機毎に記録可能なフラグエリアとを含む制御情報を送信する送信部を備える。一の無線機は、他の全ての無線機に対して制御情報を送信する。すなわち、無線機は、タイムシェアリングで順次他の無線機に対して一斉送信する。
子機の数をNとすると、フラグエリアは、例えば、Nビットのデータエリアとすることができ、フラグエリアに記録される受信フラグは、例えば、1(受信済フラグ)又は0(未受信フラグ)とすることができる。
複数の子機のうちの任意の一の子機は、親機又は他の子機が送信した制御情報を受信する受信部と、フラグエリアを記憶する記憶部と、受信部で制御情報を受信する都度、受信したフラグエリア、記憶部に記憶したフラグエリア及び当該一の子機が所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグを、子機毎に論理和演算を行って記憶部に記憶したフラグエリアを更新する更新部と、受信部で受信した送信順位及び予め設定された当該一の子機の送信順位に基づいて、当該一の子機の送信時点を決定する決定部とを備える。
子機の数を、例えば、子機1、子機2、子機3の三つとする。フラグエリアを3ビットとし、先頭から子機1、子機2、子機3の順番で割り当てられているとする。子機1が送信したフラグエリア(例えば、[1、0、0])を子機2が受信した場合、子機2に記憶したフラグエリアを[0、0、0]とすると、更新部は、受信したフラグエリア[1、0、0]と、記憶したフラグエリア[0、0、0]と、子機2が制御指令を受信したことを示す受信済フラグ[1]とを子機毎に論理和演算を行って得られたフラグエリア[1、1、0]で記憶したフラグエリアを更新する。更新部による更新は、フラグエリアを受信する都度行われる。
送信時点の決定は、例えば、以下のようにすることができる。無線機の送信間隔をTとする。一の子機の送信順位が2である場合に、受信した送信順位が1であるときは、送信順位の差が1なので、子機の送信時点は、送信順位を受信した時点からTだけ経過した時点とすることができる。また、一の子機の送信順位が3である場合に、受信した送信順位が1であるときは、送信順位の差が2なので、子機の送信時点は、送信順位を受信した時点から2×Tだけ経過した時点とすることができる。
当該一の子機の送信部は、決定部で決定した送信時点で、所定の制御指令と、当該一の子機の識別子及び送信順位並びに更新部で更新したフラグエリアとを含む制御情報を送信する。
親機は、複数の子機が送信する制御情報を受信する受信部と、受信部で受信したフラグエリア内の子機毎の受信済フラグに基づいて、複数の子機が所定の制御指令を受信したか否かを判定する判定部とを備える。子機の数を、例えば、子機1、子機2、子機3の三つとする。フラグエリアを3ビットとし、先頭から子機1、子機2、子機3の順番で割り当てられているとする。受信したフラグエリアが、例えば、[1、1、1]である場合、複数の子機が所定の制御指令を受信したと判定することができる。
子機の数をNとすると、各子機は、制御情報を最大N回受信することができるので、環境変化に応じて通信が不安定になったとしても、制御指令の受信成功率が高くなり通信不良を防止することができる。また、親機は、所定の制御指令を受信したことを示す受信済フラグが記録されたフラグエリアを各子機から最大N回受信することができるので、制御指令の受信が成功したことを確実に把握することができる。
本実施の形態に係る通信システムは、前記親機は、前記複数の子機の一部の子機から受信したフラグエリア内の受信済フラグを、前記一部の子機毎に論理和演算を行う演算部を備え、前記判定部は、前記演算部での演算結果により前記複数の子機それぞれに対応する受信済フラグがある場合、前記複数の子機が前記所定の制御指令を受信したと判定する。
親機は、複数の子機の一部の子機から受信したフラグエリア内の受信済フラグを、当該一部の子機毎に論理和演算を行う演算部を備える。子機の数を、例えば、子機1、子機2、子機3の三つとする。フラグエリアを3ビットとし、先頭から子機1、子機2、子機3の順番で割り当てられているとする。子機1から受信したフラグエリアが、例えば、[1、0、0]であり、子機3から受信したフラグエリアが、例えば、[1、0、1]である場合、受信したフラグエリアを子機毎に論理和演算して得られたフラグエリアは[1、0、1]となる。
判定部は、演算部での演算結果により複数の子機それぞれに対応する受信済フラグがある場合、複数の子機が所定の制御指令を受信したと判定する。例えば、子機の数を、例えば、子機1、子機2、子機3の三つとする。フラグエリアを3ビットとし、先頭から子機1、子機2、子機3の順番で割り当てられているとする。子機3から受信したフラグエリアが、例えば、[0、0、1]であり、子機2から受信したフラグエリアが、例えば、[1、1、0]である場合、受信したフラグエリアを子機毎に論理和演算して得られたフラグエリアは[1、1、1]となる。
上述の構成により、各子機が制御指令の送信と、他の子機の制御指令の受信の成否を示す受信フラグの送信とを同時に行うことができるので、親機が、子機1が送信したフラグエリアを受信することができなかった場合でも、子機2、3が送信したフラグエリアに基づいて各子機の受信確認を収集することができる。
本実施の形態に係る通信システムは、前記判定部は、前記演算部での演算結果により前記複数の子機のうちの少なくとも一つの子機に対応する受信済フラグがない場合、該子機が前記所定の制御指令を受信していないと判定する。
判定部は、演算部での演算結果により複数の子機のうちの少なくとも一つの子機に対応する受信済フラグがない場合、当該子機が所定の制御指令を受信していないと判定する。前述の例では、論理和演算して得られたフラグエリアは[1、0、1]となり、子機2の受信フラグが[0]であるので、子機2は制御指令を受信できていないと判定することができる。
本実施の形態に係る通信システムは、前記判定部は、前記親機の送信時点の後であって、前記複数の子機の送信時点が経過した後に、前記複数の子機が前記所定の制御指令を受信したか否かを判定する。
判定部は、親機の一度の制御指令の送信時点の後であって、複数の子機の送信時点が経過した後に、複数の子機が所定の制御指令を受信したか否かを判定する。例えば、無線機の送信間隔をTとし、子機の数をNとすると、複数の子機の送信時点は、親機が送信した時点からN×Tだけ経過した時点とすることができる。各子機は、制御指令の送信と同時に、他の子機の制御指令の受信の成否を示す受信フラグも送信するので、例えば、1:1通信の場合に比べて、複数の子機の受信確認を短縮することができる。
本実施の形態に係る通信システムは、前記複数の子機それぞれは、送信順位を設定する設定部を備える。
複数の子機それぞれは、送信順位を設定する設定部を備える。親機と子機との間の距離が長くなると、環境変化に応じて通信不良となる可能性が高くなる。そこで、設定部を備えることにより、環境変化が生じる場合でも、子機を設置した状態で最適な送信順位を設定することができる。
本実施の形態に係る点灯制御システムは、前記親機を備える点灯制御装置と、前記子機を備える複数の点滅灯とを備え、前記点灯制御装置は、前記所定の制御指令に基づいて、前記複数の点滅灯を制御する。
親機を備える点灯制御装置と、子機を備える複数の点滅灯とを備え、点灯制御装置は、所定の制御指令に基づいて、複数の点滅灯を制御する。これにより、制御指令の受信成功率が非常に高くなり通信不良の影響を低減することができる点灯制御システムを実現することができる。