JP6652689B1 - イオンガン - Google Patents

イオンガン Download PDF

Info

Publication number
JP6652689B1
JP6652689B1 JP2019541492A JP2019541492A JP6652689B1 JP 6652689 B1 JP6652689 B1 JP 6652689B1 JP 2019541492 A JP2019541492 A JP 2019541492A JP 2019541492 A JP2019541492 A JP 2019541492A JP 6652689 B1 JP6652689 B1 JP 6652689B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slit
magnetic pole
ion gun
cover
anode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019541492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019182111A1 (ja
Inventor
琢巳 湯瀬
琢巳 湯瀬
寿浩 寺澤
寿浩 寺澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Application granted granted Critical
Publication of JP6652689B1 publication Critical patent/JP6652689B1/ja
Publication of JPWO2019182111A1 publication Critical patent/JPWO2019182111A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J27/00Ion beam tubes
    • H01J27/02Ion sources; Ion guns
    • H01J27/08Ion sources; Ion guns using arc discharge
    • H01J27/14Other arc discharge ion sources using an applied magnetic field
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/08Ion sources; Ion guns

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract

本発明のイオンガンは、アノードと、前記アノードに対向する内面と、前記内面の反対側にある外面と、前記アノードに対応する位置に設けられたスリットと、前記外面の一端から前記スリットの中央に向けて延在しかつ前記スリットの一部を形成する外傾斜面とを有する磁極と、少なくとも前記外面及び前記外傾斜面を被覆し、非磁性材料で構成されたカバーと、を備える。

Description

本発明は、イオンガンに関する。
本願は、2018年3月22日に日本に出願された特願2018−054700号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、イオンガンから引き出されたイオンビームを用いたプロセスが多用されており、種々の装置にイオンガンが搭載されている。一般的に、イオンガンは、磁極(陰極)に形成されたスリットとアノード(陽極)との間においてプラズマを生成し、スリットを通じてイオンビームを外部に引き出す構造を有する(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2012/0187843号明細書
近年では、イオンガンの磁場強度を高めて、被処理体のエッチングレートの向上を図るプロセスが要求されている。しかしながら、このようなプロセスにおいては、プラズマによって磁極が消耗し易くなり、磁極のスリットの間隔(ギャップ)が広がり、放電電流が低下するといった問題がある。また、消耗した磁極を新しい磁極に交換する頻度が増加してしまい、メンテナンス性が劣るといった問題もある。さらに、磁極の消耗に伴って、磁極の材料に起因するコンタミネーションが発生し、イオンガンを用いるプロセスに悪影響を与えてしまうという問題もある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、磁極に形成されたスリットにおける摩耗を抑制し、磁極の交換頻度の削減によりメンテナンス性を向上させ、かつ、磁極の材料に起因するコンタミネーションの発生を抑制することができるイオンガンを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るイオンガンは、アノードと、前記アノードに対向する内面と、前記内面の反対側にある外面と、前記アノードに対応する位置に設けられたスリットと、前記外面の一端から前記スリットの中央に向けて延在しかつ前記スリットの一部を形成する外傾斜面とを有する磁極と、少なくとも前記外面及び前記外傾斜面を被覆し、非磁性材料で構成されたカバーとを備える。前記カバーは、前記磁極の前記外面を被覆する第1被覆部と、前記第1被覆部に繋がりかつ前記外傾斜面を被覆する第2被覆部と、前記第2被覆部に繋がり、かつ、前記第1被覆部と前記第2被覆部とが繋がる部分とは反対側の部分から前記アノードに向けて延びる第3被覆部と、を備え、前記第2被覆部及び前記第3被覆部が前記スリットに嵌合された状態で、前記カバーは、締結部材により前記磁極に固定されている。
本発明の一態様に係るイオンガンにおいては、前記磁極は、前記外傾斜面の一端から前記内面に向けて延在しかつ前記スリットの一部を形成する互いに平行な垂直面を有し、前記カバーは、前記垂直面を被覆してもよい。
本発明の一態様に係るイオンガンにおいては、前記磁極は、前記内面の一端から前記スリットの中央に向けて延在しかつ前記スリットの一部を形成する内傾斜面を有してもよい。
本発明の一態様に係るイオンガンにおいては、前記カバーを構成する前記非磁性材料は、カーボン、チタニウム、及び銅からなる群から選択される材料で構成されてもよい。特に、前記カバーを構成する前記非磁性材料は、カーボンであることが好ましい。
本発明の上記態様によれば、磁極に形成されたスリットにおける摩耗を抑制し、磁極の交換頻度の削減によりメンテナンス性を向上させ、かつ、磁極の材料に起因するコンタミネーションの発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るリニアイオンガンの概略構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るリニアイオンガンの概略構造を示す図であって、図1が示すA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態の変形例1に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態の変形例2に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態の変形例3に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。 本発明の実施例を説明する実験結果を示すグラフである。
本発明の実施形態に係るイオンガンについて、図面を参照しながら説明する。本実施形態の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(リニアイオンガン)
図1は、本発明の実施形態に係るリニアイオンガン(イオンガン)の概略構造を示す斜視図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。図3は、本発明の実施形態に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。
図1に示すように、リニアイオンガン10は、ヨーク20と、磁極30と、アノード40と、磁石50と、カバー60と、絶縁部70とを備える。
リニアイオンガン10は、グリッド電極等の引き出し電極を不要とする簡便な構成を有しており、1台の高周波電源を用いてプラズマPの発生とイオン加速によるイオンビームBMの発生とを行うことができる。また、リニアイオンガン10は、熱フィラメントを有しないので、酸素雰囲気下においても長時間の稼働が可能で、低コスト、高い信頼性を有する。
なお、図1は、リニアイオンガン10のみを示しているが、リニアイオンガン10を移動させたり揺動させたりする移動装置がリニアイオンガン10に接続されてもよい。リニアイオンガン10を用いる装置に応じて、移動装置の構造は適宜選択される。
図1に示すように、リニアイオンガン10は、直線部と曲線部とを有するトラック形状の開口11を有する。開口11には、後述する磁極30のスリット31において磁極30の表面を覆うカバー60が配置されている。換言すると、開口11において、カバー60が露出している。開口11の曲線部(コーナー部分)は、平面視において、例えば、25mmの曲率半径を有する。
(ヨーク)
ヨーク20は、磁石50及びアノード40を囲む鉄製の枠状部材である。ヨーク20で囲まれた領域は、磁極30で覆われている。
(磁極)
磁極30(陰極)は、平面視において、例えば、全長400mm×幅l00mm×高さ10mmの大きさを有する。磁極30を構成する材料としては、強磁性体が好ましく用いられ、例えば、SS400等の鋼、SUS430等のステンレス鋼が用いられる。
図3に示すように、磁極30は、アノード40に対応する位置に設けられたスリット31を有する。スリット31は、開口11に対応する位置に設けられている。
さらに、磁極30は、アノード40に対向する内面32と、内面32の反対側にある外面33と、外傾斜面35とを有する。外傾斜面35は、スリット31に隣接する外面33の端部34(一端、上端)からスリット31の中央に向けて下方斜めに延在する傾斜面であり、スリット31の一部を形成している。
さらに、本実施形態では、磁極30は、互いに平行な2つの垂直面37を有する。垂直面37は、外傾斜面35の端部36(一端、中央端)から内面32に向けて下方に延在し、スリット31の一部を形成している。
(アノード)
アノード40(陽極)は、磁石50によって生成される磁場に対して略垂直方向に電界を生じさせるように、磁極30の裏面から離間して配置されている。アノード40には、不図示の高周波電源が接続されている。
アノード40を構成する材料としては、非磁性体を用いることが好ましい。
アノード40は、ヨーク20の内部において、絶縁部70に支持されている。
(磁石)
磁石50は、SmCo(サマリウムコバルト)合金により構成されており、スリット31の幅方向に磁場を発生させる。また、NdFe(ネオジウム鉄)が磁石50に用いられてもよい。
ヨーク20やアノード40の外周には、冷却水循環装置に接続された不図示の水冷パイプが設けられている。水冷パイプ内を冷却媒体が流動することで、磁極30やアノード40の変形が防止され、温度に依存せずにリニアイオンガン10を安定して駆動することが可能となる。
(カバー)
カバー60は、磁極30の外面33、磁極30の外傾斜面35、及びスリット31内における磁極30の表面(垂直面37)を被覆している。
カバー60は、第1被覆部61、第2被覆部62、及び第3被覆部63を有する。
第1被覆部61は、磁極30の外面33を被覆する。第2被覆部62は、第1被覆部61に繋がり、かつ、外傾斜面35を被覆する。第3被覆部63は、第2被覆部62に繋がり、かつ、第1被覆部61と第2被覆部62とが繋がる部分Aとは反対側の部分Bから、アノード40に向けて延びている。第3被覆部63は、垂直面37を被覆する。
第2被覆部62及び第3被覆部63がスリット31に嵌合された状態で、カバー60は不図示の締結部材により磁極30に固定されている。
カバー60は、磁極材料に比べてエロージョンし難い材質で構成されていることが望ましい。カバー60は、非磁性材料で構成されており、具体的に、非磁性材料は、カーボン、チタニウム、及び銅からなる群から選択される。特に、非磁性材料としてカーボンを用いることが最も好ましい。
カバー60として好適に用いられるカーボンの特性に関し、曲げ強さは、34MPa〜74MPaであることが好ましく、引張強さは、22MPa〜48MPaであることが好ましく、固有抵抗は、11μΩ・m〜17.5μΩ・mであることが好ましく、ショア硬さは、53〜87であることが好ましい。このような特性を備えたカーボンを用いることで、本実施形態に適したカバー60を形成することができる。
次に、以上のように構成されたリニアイオンガン10の作用について説明する。
リニアイオンガン10は、減圧雰囲気が維持されたチャンバ内に配置される。リニアイオンガン10においては、不図示のガス供給装置からアノード40と磁極30との間にArやO等のガスが供給された状態で、高周波電源によりアノード40と磁極30との間に高周波電圧が印加される。これにより、図2に示すように、磁極30とアノード40との間にプラズマPが発生し、開口11からイオンビームBMが引き出される。
本実施形態によれば、開口11においてスリット31を構成する外傾斜面35及び垂直面37がカバー60で覆われているので、磁極30はスリット31の内部に露出していない。このため、スリット31内で磁極30がプラズマに曝されることに起因する磁極30の消耗が抑制され、磁極30の消耗に起因するスリット31の間隔(2つの端部36の間の距離)の増加を防ぐことができる。この結果、スリット31において所定の間隔が維持され、放電電流の低下を防止することができる。また、磁極30の寿命が延び、使用済みの磁極を新しい磁極に交換する頻度が減少し、メンテナンス性を向上することができる。さらに、磁極30の消耗が抑制されることにより、磁極30の材料に起因するコンタミネーションの発生を抑制することができ、イオンガンを用いるプロセスに悪影響を与えることがない。
本実施形態においては、カバー60は、磁極材料に比べてエロージョンし難い材質で構成されており、カーボンで構成されている。カーボンは、一般的な磁極材料と比較して、スパッタ効率が約1/3であるため、カバー60の材質として好適に用いることができる。
(実施形態の変形例)
次に、図4〜図6を参照し、本発明の実施形態の変形例に係るリニアイオンガンについて説明する。図4〜図6において、上述した実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。磁極30におけるスリットの構造の点、或いは、カバー60の構造の点で、以下に説明する変形例は、上述した実施形態とは相違する。
(変形例1)
図4は、本発明の実施形態の変形例1に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。
磁極30は、上述した実施形態において説明した垂直面37に代えて、内傾斜面38を有する。内傾斜面38は、内面32の端部39(一端、下端)からスリット31の中央に向けて上方斜めに延在する傾斜面であり、スリット31の一部を形成している。内傾斜面38は、端部36において外傾斜面35と繋がっている。
変形例1では、カバー60は、内傾斜面38を被覆しておらず、内傾斜面38は開口11内に露出している。
具体的に、カバー60は、第1被覆部61及び第2被覆部62を有しており、上述した第3被覆部63を有していない。第1被覆部61は、磁極30の外面33を被覆する。第2被覆部62は、第1被覆部61に繋がり、かつ、外傾斜面35を被覆する。
本変形例1によれば、開口11においてスリット31を構成する外傾斜面35がカバー60で覆われているため、外傾斜面35はスリット31の内部に露出していない。このため、スリット31内で外傾斜面35がプラズマに曝されることに起因する磁極30の消耗が抑制され、磁極30の消耗に起因するスリット31の間隔の増加を防ぐことができる。この結果、スリット31において所定の間隔が維持され、放電電流の低下を防止することができ、磁極30の寿命が延びる。従って、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例2)
図5は、本発明の実施形態の変形例2に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。
変形例2は、内傾斜面38を備える磁極30(変形例2、図4参照)に、図3に示すカバー60(実施形態1、第1被覆部61、第2被覆部62、及び第3被覆部63を備えるカバー60)を嵌合させた場合を示している。
(変形例3)
図6は、本発明の実施形態の変形例3に係るリニアイオンガンの要部を示す拡大断面図である。
変形例3は、垂直面37を備える磁極30(実施形態、図3参照)に、図4に示すカバー60(変形例1、第1被覆部61及び第2被覆部62を備えるカバー60)を嵌合させた場合を示している。
本変形例2、3のいずれにおいても、開口11においてスリット31を構成する外傾斜面35がカバー60で覆われているため、外傾斜面35はスリット31の内部に露出していない。このため、スリット31内で外傾斜面35がプラズマに曝されることに起因する磁極30の消耗が抑制され、磁極30の消耗に起因するスリット31の間隔の増加を防ぐことができる。この結果、スリット31において所定の間隔が維持され、放電電流の低下を防止することができ、磁極30の寿命が延びる。従って、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
上述した実施形態及び変形例1〜3においては、互いに向かい合うとともに線対称(スリットの中央線に対する線対称)に配置された2つの外傾斜面35がスリット31の内部に設けられている。換言すると、この構造では、端部36を頂点とする互いに向かい合う2つの角部がスリット31の内部に位置する。
また、図3及び図6においては、互いに向かい合うとともに線対称に配置された2つの垂直面37がスリット31の内部に設けられている。この構造では、頂点となる端部36に垂直面37が繋がっている。
また、図4及び図5においては、互いに向かい合うとともに線対称に配置された2つの内傾斜面38がスリット31の内部に設けられている。この構造では、頂点となる端部36に内傾斜面38が繋がっている。
このような線対称の構造では、スリット31の内部において磁極30が消耗したとしても、線対称の形状(相似関係)が維持されるので、放電電流が低下せず、かつ、放電電流の安定した推移(経時的変化)が保たれる。
この理由は、仮に、図4、図5、図6でカバーに覆われていない部位が等しく消耗すると考えた場合、上記のような形状の相似関係が保たれるというが明らかである。
形状の相似関係が保たれるということは、スリット31の内部に発生する磁束密度の状況(変化)がスリット31の間隔のみに依存することと、ほぼ同義である。このことは、スリット31の内部における磁極30の表面形状の変化に起因する磁束分布の変動が生じないことを意味する。
本発明者らは、スリット31の間隔と、スリット31の内部における磁極30の表面形状の変化とについて、双方の寄与度の評価をシミュレーションによって確認した。
その結果、イオン電流の安定化を目的とした場合、スリット31の間隔の変化よりも、スリット31の内部における互いに対向する磁極30の形状の相似関係を保つことが、イオン電流の安定化を実現する上で、支配的な要因であるという結果が得られた。この評価結果は、後述する実施例(実験結果)に整合することが確認された。
次に、図7を参照し、実施例を参照して、本発明の効果をより具体的に説明する。
図7は、従来のリニアイオンガンを示す比較例と、上述した実施形態に係るカバーが適用されたリニアイオンガンを示す実施例とを比較したグラフであって、運転時間の経過に伴う放電電流の経時的変化を示している。図7において、横軸は、リニアイオンガンの運転時間を示しており、縦軸は、放電電流の変化を示している。具体的に、放電電流の変化とは、運転時間が0時間の場合を基準(1、100%)とした、放電電流の相対的な変化量を意味する。
(比較例)
比較例のリニアイオンガンにおいては、磁極のスリットにカバーが設置されていない構造、即ち、スリットにおいて磁極の構成部材が露出した構造が適用されている。
比較例においては、運転開始の直後から、放電電流は顕著に低下した。その後、運転時間が7.5時間に達するまで、放電電流は徐々に低下した。運転時間が7.5時間を経過した後においても、放電電流が低下する現象は続いた。運転時間が50時間に達すると、放電電流の変化量は0.71となり、運転開始前に比べて約29%だけ放電電流が低下した。また、運転時間が50時間に達した後、比較例のリニアイオンガンにおける磁極の消耗を確認したところ、本実施形態の磁極30の端部36に相当する部分において、消耗を起因とする形状変化が生じていることが確認された。
(実施例)
本実施例のリニアイオンガンにおいては、上述した実施形態(図3)に示す構造が適用されている。
本実施例においては、運転開始から運転時間が15時間に達するまで、放電電流は安定し、比較例に示すような放電電流の顕著な低下は見られなかった。運転時間が15時間を経過した後、放電電流は徐々に低下した。放電電流の低下は、運転時間が35時間に達するまで続いた。その一方、運転時間が35時間を超えると、放電電流の低下は見られず、放電電流は安定した。運転時間が50時間に達すると、放電電流の変化量は0.90となり、運転開始前に比べて約10%だけ放電電流が低下した。
比較例と実施例とを比較すると、運転時間が50時間経過した後では、実施例は放電電流の低下を比較例に対して約19%だけ抑制できることが明らかとなった。即ち、上記実施形態に示すカバー60を磁極30に設置する構造は、放電電流の低下の抑制に寄与する。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。
本発明は、磁極に形成されたスリットにおける摩耗を抑制し、磁極の交換頻度の削減によりメンテナンス性を向上させ、かつ、磁極の材料に起因するコンタミネーションの発生を抑制することができるイオンガンに広く適用可能である。
10 リニアイオンガン(イオンガン)、11 開口、20 ヨーク、30 磁極、31 スリット、32 内面、33 外面、34 端部、35 外傾斜面、36 端部、37 垂直面、38 内傾斜面、39 端部、40 アノード、50 磁石、60 カバー、61 第1被覆部、62 第2被覆部、63 第3被覆部、70 絶縁部、BM イオンビーム、P プラズマ。

Claims (5)

  1. イオンガンであって、
    アノードと、
    前記アノードに対向する内面と、前記内面の反対側にある外面と、前記アノードに対応する位置に設けられたスリットと、前記外面の一端から前記スリットの中央に向けて延在しかつ前記スリットの一部を形成する外傾斜面とを有する磁極と、
    少なくとも前記外面及び前記外傾斜面を被覆し、非磁性材料で構成されたカバーと、
    を備え、
    前記カバーは、
    前記磁極の前記外面を被覆する第1被覆部と、
    前記第1被覆部に繋がりかつ前記外傾斜面を被覆する第2被覆部と、
    前記第2被覆部に繋がり、かつ、前記第1被覆部と前記第2被覆部とが繋がる部分とは反対側の部分から前記アノードに向けて延びる第3被覆部と、
    を備え
    前記第2被覆部及び前記第3被覆部が前記スリットに嵌合された状態で、前記カバーは、締結部材により前記磁極に固定されている、
    イオンガン。
  2. 前記磁極は、前記外傾斜面の一端から前記内面に向けて延在しかつ前記スリットの一部を形成する互いに平行な垂直面を有し、
    前記カバーは、前記垂直面を被覆する、
    請求項1に記載のイオンガン。
  3. 前記磁極は、前記内面の一端から前記スリットの中央に向けて延在しかつ前記スリットの一部を形成する内傾斜面を有する、
    請求項1に記載のイオンガン。
  4. 前記カバーを構成する前記非磁性材料は、カーボン、チタニウム、及び銅からなる群から選択される、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のイオンガン。
  5. 前記カバーを構成する前記非磁性材料は、カーボンである、
    請求項4に記載のイオンガン。
JP2019541492A 2018-03-22 2019-03-22 イオンガン Active JP6652689B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054700 2018-03-22
JP2018054700 2018-03-22
PCT/JP2019/012082 WO2019182111A1 (ja) 2018-03-22 2019-03-22 イオンガン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6652689B1 true JP6652689B1 (ja) 2020-02-26
JPWO2019182111A1 JPWO2019182111A1 (ja) 2020-04-30

Family

ID=67987403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019541492A Active JP6652689B1 (ja) 2018-03-22 2019-03-22 イオンガン

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6652689B1 (ja)
CN (1) CN111656481B (ja)
TW (1) TWI697932B (ja)
WO (1) WO2019182111A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102020114162B3 (de) 2020-05-27 2021-07-22 VON ARDENNE Asset GmbH & Co. KG Ionenquelle und Verfahren
JP6963150B1 (ja) * 2020-07-22 2021-11-05 キヤノンアネルバ株式会社 イオンガン及び真空処理装置
JP6985570B1 (ja) * 2020-07-22 2021-12-22 キヤノンアネルバ株式会社 イオンガン及び真空処理装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6815690B2 (en) * 2002-07-23 2004-11-09 Guardian Industries Corp. Ion beam source with coated electrode(s)
US20080073557A1 (en) * 2006-07-26 2008-03-27 John German Methods and apparatuses for directing an ion beam source
JP2008053116A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Ulvac Japan Ltd イオンガン、及び成膜装置
JP4669831B2 (ja) * 2006-11-17 2011-04-13 株式会社アルバック イオンビーム源及びこれを備えた成膜装置
JP2009048877A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Nec Electronics Corp イオン注入装置
US20120187843A1 (en) * 2009-08-03 2012-07-26 Madocks John E Closed drift ion source with symmetric magnetic field
JP2011034888A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Kobe Steel Ltd イオン源
WO2016017918A1 (ko) * 2014-07-29 2016-02-04 (주) 화인솔루션 이온 소스
WO2016101978A1 (en) * 2014-12-22 2016-06-30 Applied Materials, Inc. Apparatus for inspecting a substrate, method for inspecting a substrate, large area substrate inspection apparatus and method of operating thereof
KR102075157B1 (ko) * 2016-07-28 2020-02-10 한국기계연구원 이온빔 소스

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019182111A1 (ja) 2019-09-26
JPWO2019182111A1 (ja) 2020-04-30
TWI697932B (zh) 2020-07-01
CN111656481B (zh) 2021-02-05
TW201941241A (zh) 2019-10-16
CN111656481A (zh) 2020-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6652689B1 (ja) イオンガン
US20110240468A1 (en) Target utilization improvement for rotatable magnetrons
US20160148775A1 (en) Anode layer slit ion source
US6919672B2 (en) Closed drift ion source
JP2006274280A (ja) プラズマ生成装置におけるドロップレット除去装置及びドロップレット除去方法
US20070034501A1 (en) Cathode-arc source of metal/carbon plasma with filtration
JP2017061752A (ja) アークプラズマ成膜装置
JP5496223B2 (ja) アーク・エバポレーターおよびアーク・エバポレーターの操作方法
JP2008053116A (ja) イオンガン、及び成膜装置
JP4473852B2 (ja) スパッタ装置及びスパッタ方法
JP2012188751A (ja) プラズマ処理用マグネトロン電極
TWI755796B (zh) 離子槍
JP6612448B2 (ja) ターゲット装置、スパッタリング装置
JP5505731B2 (ja) イオン源
JP2009170355A (ja) イオンガン及び成膜装置
JP7439357B2 (ja) アーク蒸発源
JP5292558B2 (ja) イオンガン
KR20220019827A (ko) 이온건 및 이온 밀링 장치
SK500322019A3 (sk) Zdroj plazmy využívajúci katódový vákuový oblúk s vylepšenou konfiguráciou magnetického poľa a spôsob jeho činnosti
WO2001043511A1 (fr) Anode de chauffage de plasma de type transfert
KR20080074311A (ko) 전기적 이동 자계를 이용한 사각 캐소딕 아크 소스
KR20150120786A (ko) 이온빔 소스의 음극
US20140291149A1 (en) Anode assembly of a vacuum-arc cathode plasma source
JP5695805B2 (ja) イオンビーム処理のための磁場低減装置及び磁気プラズマ供給システム
KR20230013878A (ko) 중앙부 함몰형 자기장을 가지는 아크 증발원 및 이를 포함하는 아크 이온 플레이팅 장치, 그리고 이를 이용한 금속 및 금속화합물의 증착방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190731

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190731

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190731

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6652689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250