[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るプリント回路板について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るプリント回路板1の概略図である。図1(a)は、本実施形態に係るプリント回路板1を示す断面図である。
プリント回路板1は、プリント配線板100と、半導体装置としての半導体パッケージ200とを備えている。半導体パッケージ200は、プリント配線板100の第1の導体層101の第1面101aに実装されている。なお、半導体パッケージ200は、プリント配線板100の第2面104aに実装されていてもよい。プリント配線板100は、多層のプリント配線板であり、本実施形態では複数の導体層101〜104のそれぞれが絶縁体層(誘電体層)105を介して4層に積層されている。プリント配線板100は、第1の導体層101の第1面101aと、第2の導体層104の第2面104aとを有している。第1の導体層101と第2の導体層104との間には、絶縁体層105を介して内層である導体層102、103がそれぞれ配置されている。導体層101〜104は、配線パターンが配置されている層であり、導体以外の部分は絶縁体(誘電体)で覆われている。第1面101a及び第2面104aにおいて、配線パターンを覆う不図示のソルダーレジストが設けられている。導体層102、103において、配線パターン以外の部分は、絶縁体層105の絶縁体で覆われている。第1の導体層101から第2の導体層104までの間には、導体からなるヴィア120が設けられている。各導体層101〜104の配線パターンのそれぞれは、ヴィア120により電気的に接続される。絶縁体層105を構成する絶縁体は、電気的絶縁性を有していればよく、例えばエポキシ樹脂等の硬化した樹脂である。導体層101〜104に形成される配線パターン及びヴィア120を構成する導体は、導電性を有していればよく、例えば銅や金などの金属である。なお、本実施形態では、4層のプリント配線板100について説明するが、プリント配線板100は4層に限定されるものではない。
第1の導体層101には、半導体パッケージ200が実装されている。本実施形態では、半導体パッケージ200は、フルマトリクスタイプのBGA(Ball Grid Array)型の半導体パッケージにとして説明するが、これに限定するものではない。例えば、半導体パッケージ200は、LGA(Land Grid Array)型の半導体パッケージ、PGA(Pin Grid Array)型の半導体パッケージ等であってもよい。半導体パッケージ200は、半導体素子である半導体チップ201と、配線基板としてのパッケージ基板202とを有している。パッケージ基板202は、一方の面に半導体チップ201を実装し、他方の面に複数のランド211からなる端子群211Gを有している。各ランド211には、はんだボールまたは柱状の電極230が設けられる。各ランド211は、隣り合うランド211と共に単位格子T1を形成し、ランド211の中心点が単位格子T1の格子点に位置するように配置されている。本実施形態では、半導体パッケージ200は、各ランド211に形成された電極230を有しているものとする。半導体パッケージ200は、ランド211及び電極230を端子としてもよいし、ランド211のみを端子としてもよい。半導体パッケージ200がプリント配線板100に実装される場合、ランド111及びランド211は、電極230によって電気的に接続され、機械的に接合される。
図1(b)は、第1の導体層101の第1面101aから見たプリント配線板100の平面図である。第1面101aには、長方形(矩形)のランド領域としての領域R1に、複数のランド111からなるランド群111Gが形成されている。各ランド111は、円形をなし、互いに所定の間隔をあけて配置されている。各ランド111は、導体パターンからなり、不図示のソルダーレジストから外部に露出している。領域R1は、半導体パッケージ200の外形をプリント配線板100に投影した領域である。なお、本実施形態では、ランド111は円形をなしているが、四角形でも良く、形状は限定されるものではない。配線パターン130は導体パターンからなり、それぞれのランド111から引き出され、不図示の他の半導体装置、電源等に接続され、他の半導体装置等との電気的な信号の送受信、電源の供給等に用いられる。配線パターン130は、すべて信号線であってもよいし、信号線の他に、電源配線、グラウンド線等を含んでいてもよい。
本実施形態では、ランド群111Gを構成するランド111のそれぞれは、領域R1内で三角格子状に配列されている。具体的には、各ランド111は、隣り合う3つのランド111によって三角格子を形成し、ランド111の中心点が三角格子の格子点に位置する。三角格子の最小単位である単位格子T1は、正三角形の形状である。つまり、互いに隣り合う3つのランド111によって正三角形を形成するように、各ランド111が領域R1内に配置されている。各ランド111は、互いの間隔が許容される最小の間隔で領域R1に最密となるように、いわゆる六方最密充填構造となるように配置されている。このように、領域R1には、可能な限り多くのランド111が配列されている。また、本実施形態では、正三角形を形成するランド111の最小単位の1辺が、領域R1の左辺143及び右辺144と平行になる。なお、半導体パッケージ200の端子群211Gは、ランド群111Gと同様に、各ランド211が許容される最小の間隔で長方形の領域R1に最も密となるように配置されている。
次に、無端子112について説明する。領域R1には、1つまたは複数の無端子112からなる無端子部112Gが形成されている。無端子部112Gは、ランド111の三角格子と平行になるランド群111Gの外周に沿って形成され、本実施形態では、領域R1の対向する2辺にそれぞれ形成される。無端子部112Gは、半導体パッケージ200とプリント配線板100とが、電極230によって電気的に接続されず、機械的に接合接続されない部分である。外周線113は、無端子部112Gの外周にあるランド111を結んで延在する線である。外形辺114は、領域R1の左辺143または右辺144に最も近いランド111であり、無端子部112Gの開口端にある2つのランド111の中心間を結ぶ直線であり、ランド111の中心間距離に対応する。なお、図1(b)では、無端子112の数を6個としている。また、本実施形態では、外周線113及び外形辺114によって形成される多角形の領域を配線領域R2とする。
図1(b)に示すプリント配線板100において、領域R1は1辺12mmの正方形である。ランド111のランド間隔P、つまり中心間距離は0.5mmであり、隣接するランド111の間から配線パターン130を1本通すことができる場合を示している。この場合、上辺141及び下辺142からの配線パターン130の配置可能な配線数はそれぞれ50本である。また、左辺143及び右辺144からの配線パターン130の配置可能な配線数はそれぞれ42本である。このように、上辺141及び下辺142からの配置可能な配線数と、左辺143及び右辺144からの配置可能な配線数に差が発生する。なお、領域R1のコーナー部における配線方法によって各辺に配置可能な配線数は異なる。
図1(c)は、図1(b)のプリント配線板の領域R1の拡大図である。図1(b)において、上辺141及び下辺142からの配線可能な本数と、左辺143及び右辺144に配置可能な配線数は異なる。しかしながら、左辺143及び右辺144に無端子部112Gを設けることによって、より内部のランド111から配線パターン130を配線することができる。
図2を用いて、無端子部112Gに配線可能な配線数N4について説明する。図2は、本実施形態に係るプリント回路板の無端子部112Gに配置可能な配線パターンの概略図である。図2(a)を用いて、外形辺114の長さAから引き出すことが可能な配線パターン130の最大配線数N1について説明する。図2(a)は、図1(b)の外形辺114を拡大した部分拡大図である。外形辺114の長さ、すなわち無端子部112Gの開口端の2つのランド111の中心間距離をA、ランド111の直径をランド径r、配線パターン130の配線幅を配線パターン幅w、配線パターン130間の間隙を配線パターン間隙sとする。ランド111の中心間距離Aに配置可能な最大配線数N1、つまり、外形辺114に配置可能な配線パターン130の最大配線数をN1とした場合、以下の式1が成り立つ。
A≧N1×w+(N1+1)×s+r
⇒N1≦(A−r−s)/(w+s) (式1)
外形辺114に配置可能な配線パターン130の最大配線数N1は、式1によって算出された値の整数部である。
図2(b)を用いて、ランド間に配線できる配線パターン130のランド間配線数N2について説明する。図2(b)は、図1(b)の無端子部112Gが存在しないランド群111Gの外周部の拡大図である。ランド間隔Pは、隣り合うランド111の中心間距離である。隣り合うランド111の中心間距離Pに配置可能なランド間配線数N2、すなわち、ランド間に配置可能なランド間配線数をN2とした場合、以下の式2が成り立つ。
P≧N2×w+(N2+1)×s+r
⇒N2≦(P−r−s)/(w+s) (式2)
ランド間に配置可能なランド間配線数N2は、式2によって算出された値の整数部である。
図2(c)を用いて、外周線113に配置可能な配線パターン130の最大配線数N3について説明する。図2(c)は、図1(b)の外周線113を拡大した部分拡大図である。外周長Bは、無端子部112Gの外周にあるランド111を結ぶ外周線113の長さである。外周線113に配置可能な配線パターン130の最大配線数N3は、外周線113上にあるランド111に接続可能な配線数と、外周線113上にあるランド111のランド間に配置可能な配線数との和になる。外周線113上にあるランド数は(B/P−1)となり、外周線113上にあるランド111のランド間の数(B/P)となるので、以下の式3が成り立つ。
N3=(B/P−1)+(B/P)×N2
⇒N3=(B/P)×(N2+1)−1 (式3)
最大配線数N3を増やすためには外周線113上にあるランド111のランド数を多くすることが有効であり、外周線113上のランド数を増やして外周長Bを長くするために無端子112の数を増やすことができる。しかし、外形辺114に配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とのうち少ない配線数が、無端子部112Gに配置可能な配線数N4になる。このため、外周線113に配置可能な最大配線数N3を増やしたとしても、最大配線数N3が最大配線数N1よりも増えてしまう場合には、最大配線数N3と最大配線数N1との差分の配線数は増やすことができないことになる。そこで、外形辺114に配置可能な最大配線数N1と外周線113に配置可能な最大配線数N3との関係を以下の式4で表す。
N3−1≦N1≦N3+1 (式4)
このように、外形辺114に配置可能な最大配線数N1と外周線113に配置可能な最大配線数N3との差を小さくする。これにより、無端子112の数を少なくし、無端子部112Gに配置可能な配線数N4を増大させることができる。無端子112は、電極230によって電気的に接続されず、機械的に接合されないため、少ない方がよい。そこで、式4の条件を満たす最大配線数N1、N3となるように無端子部112Gを形成することによって、無端子部112Gに含まれる無端子112の数を少なくする。これにより、半導体パッケージ200に電気的に接続し、機械的に接合するためのランド111のランド数をより多く残すことができる。
図2(d)は、外周線113、外形辺114、及び無端子部112Gに配置可能な配線数N4の関係の一例を示す図である。
図2(d)及び式1〜3を用いて、無端子部112Gに配置可能な配線数N4について説明する。図2(d)では、ランド間隔Pは0.5mmであり、外形辺の長さAはランド間隔Pの5個分に相当し、外形辺の長さAは2.5mmである。また、ランド径rを0.275mm、配線パターン幅wを0.075mm、配線パターン間隙sを0.075mmとする。外周線113の外周長Bはランド間隔Pの8個分であり、4.0mmである。式1を用いて算出される外形辺114に配置可能な最大配線数N1は14本である。次に、式2を用いて算出されるランド間配線数N2は1本である。そして、式3を用いて算出される外周線113に配置可能な最大配線数N3は15本となる。このように、図2(d)では、外形辺114に配置可能な最大配線数N1よりも、外周線113に配置可能な最大配線数N3の方が大きい。また、外形辺114に配置可能な最大配線数N1及び外周線113に配置可能な最大配線数N3のうち、少ない配線数が無端子部112Gに配置可能な配線数N4となる。図2(d)において、無端子部112Gへの配線パターン130の配置可能な配線数N4は、外形辺114に配置可能な最大配線数N1の14本である。
また、図1(b)及び図1(c)について、図2(d)と同様の条件で式1〜3を用いて無端子部112Gに配置可能な配線数N4を計算する。図1(c)に示すランド間隔Pの数及び外周線113上のランド数が図2(d)と同じなので、外形辺114の長さA及び外周線113の外周長Bは図2(d)に示す長さA、Bと同じになり、無端子部112Gに引き出し可能な配線数N4は14本である。しかし、図1(b)、図1(c)において、実際に無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数は13本である。これは、図1(c)における無端子部112Gの無端子112の数と、図2(d)における無端子部112Gの無端子112の数の違いにより配線領域R2の形状が変化したためである。
図1(a)〜図1(c)では、外形辺114から3列目にあるランド111から2列目に向かって突出するランド111aがあり、配線領域R2の形状は、外周線113の中央部が外形辺114側に突出した突出部を有する7角形の形状である。一方、図2(d)では、配線領域R2の形状は台形である。図1(c)及び図2(d)において外形辺114に配置可能な最大配線数N1は、それぞれ14本である。また、外周線113に配置可能な最大配線数N3は、それぞれ15本である。しかしながら、図1(c)の配線領域R2は外形辺114と平行な2列目にランド111aがあるため、外周線113に配置可能な最大配線数N3には、2列目のランド111a、111bを結ぶ線を外形辺114’とした場合の制約が発生する。なお、図1(c)ではランド111aと下側のランド111bとを結ぶ線を外形辺114’とした場合を示しているが、同様の制約はランド111aと上側のランド111cとを結ぶ線を外形辺114’とする場合にも発生する。
2列目の外形辺114’の引き出し可能な最大配線数N1’を計算する。第2列目の外形辺114’の長さAは、ランド間隔Pの2個分の長さであり、1.0mmである。その他は同じ値として式1に代入して算出した外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は、4本である。2列目の外形辺114’の両端のランド111をつなぐ外周線113’の外周長Bは、ランド間隔Pの3個分の長さであり、1.5mmである。外周線113’に配置可能な最大配線数N3’は式3から5本である。外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’よりも小さいので、配線領域R2’において配線パターン130の配置可能な配線数N4は4本となる。つまり、配線領域R2’の無端子部に配置可能な配線数N4’は、最大配線数N3’よりも1本少なくなる。また、同様の制約は、ランド111aからランド111cを結ぶ外周線113’にも生じるので、外周線113に配置可能な最大配線数N3は、式3から算出された15本より2本少ない13本になる。外周線113に配置可能な最大配線数N3は、外形辺114に配置可能な最大配線数N1よりも少ないので、無端子部112Gに配置可能な配線数N4は13本となる。
図13は従来のプリント配線板1200の平面図である。図13(a)は半導体パッケージ200が搭載される第1の導体層1201の第1面1201aから見た従来のプリント配線板1200の平面図、図13(b)は図13(a)の領域Rの部分拡大図である。図13(a)、図13(b)についても、図2(d)と同様の条件で式1を用いて計算した外形辺114に配置可能な最大配線数N1は9本である。一方、図2(d)における無端子部112Gに配置可能な配線数N4は14本であり、無端子部112Gの無端子112の数は9個である。図13(b)の最大配線数N1に対する図2(d)の配線増加数は5本である。無端子112の数に対する配置可能な配線数N4の増加数を配線効率とし、配線効率は以下の式5で表される。
(配線効率)=(配線増加数)/(無端子の数) (式5)
式5を用いて算出された図2(d)の配線効率は0.56である。なお、配線効率は、無端子112の数が少なく、且つ配線増加数が多いほど、つまり数値が大きいほど効率がよい。
図1(c)での無端子部112Gに配置可能な配線数N4は13本、無端子112の数は6個、配線増加数は4本である。式5を用いて算出された図1(c)の引き出し効率は0.67である。図2(d)に示す無端子部112Gの形状より図1(c)に示す無端子部112Gのほうが、配線効率がよい。このことから、図1(c)のように、外形辺114から2列目にランド111aが配置されるような無端子部112Gを形成することによって、配線効率を大きくすることができる。
このように、領域R1の右辺側での無端子部112Gについて説明したが、左辺側についても同様に形成できる。よって、左辺143にも右辺144と同様の形状の無端子部112Gを設けることによって、上辺141及び下辺142と左辺143及び右辺144との配線パターン130の配線数の差を小さくすることができる。
図3は、本発明の第1実施形態の変形例に係るプリント配線板100を第1の導体層101の第1面101aから見た平面図である。図3では、図1(c)に示した無端子部112Gと同じ形状の無端子部112Gを領域R1の左辺に2か所、右辺に2か所設けている。各無端子部112Gは、配線パターン130の配線数をそれぞれ4本増やすことができる。プリント配線板100は、無端子部112Gを左辺に2か所、右辺に2か所設けているので、左辺143及び右辺144をそれぞれ50本とし、上辺141及び下辺142に配置可能な配線数と同じ配線数にすることができる。このように、領域R1の左辺143及び右辺144側に同じ数の無端子部112Gを設けることにより、領域R1の上辺141及び下辺142に配置可能な配線数と、左辺143及び右辺144に配置可能な配線数との差を小さくすることができる。さらに、無端子部112Gの形状及び無端子部112Gの数を調整することによって、上辺141及び下辺142と左辺143及び右辺144との配線数の差を等しくすることができる。
このように、本実施形態では、ランド群111Gの辺に少なくとも1つの無端子部112Gを設け、外形辺114に配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とは式1〜式4を充足する。これにより、無端子部112Gに配置可能な配線数N4を増やして配線パターン130の配線効率を向上させると共に、半導体パッケージ200に接続できない無端子112の数を減らすことができる。したがって、隣り合うランド111により形成される単位格子T1の1辺が半導体パッケージ200の1辺と平行になるランド群111Gの左辺143及び右辺144に配置可能な配線パターン130の配線数を増加することができる。したがって、半導体パッケージ200が実装されるプリント配線板100は、配線の設計自由度を向上させることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るプリント配線板100について説明する。本実施形態に係るプリント配線板100は、無端子部112Gの形状を変更するものである。第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本実施形態に係るプリント配線板100の部分拡大図である。図4(a)は、本実施形態の第1実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。外周線113及び外形辺114で形成される配線領域R2の形状は、外形辺114から4列目のランド111を結ぶ台形である。配線領域R2の外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの6個分の長さであり、3.0mmである。配線領域R2の外周線113の外周長Bは、ランド間隔Pの9個分の長さであり、4.5mmである。第1実施形態で用いたランド間隔P、ランド径r、配線パターン幅w、配線パターン間隙sの数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は17本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配置可能な最大配線数N3は17本である。外形辺114に配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とは等しいので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数N4は17本である。
図4(b)は、本実施形態の第2実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。配線領域R2の形状は、外周線113が外形辺114の4列目から3列目に窪む6角形である。配線領域R2の外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの6個分の長さである。配線領域R2の外周線113の外周長Bは、ランド間隔Pの9個分の長さである。つまり、本実施例は、図4(a)に示した第1実施例と同じ長さA、Bであり、無端子部112Gの形状を変えた例である。第1実施例で用いた数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配線可能な最大配線数N1は17本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配線可能な最大配線数N3は17本である。外形辺114に配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とは等しいので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数N4は17本である。
図4(c)は、本実施形態の第3実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。配線領域R2の形状は、外周線113が外形辺114から3列目にあるランド111から2列目にあるランド111aに向かって突出する突出部を有する7角形である。配線領域R2の外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの6個分の長さである。配線領域R2の外周線113の外周長Bは、ランド間隔Pの9個分の長さである。つまり、本実施例は、図4(a)の第1実施例、図4(b)の第2実施例と同じ長さA、Bであり、無端子部112Gの形状を変えた例である。第1実施形態で用いた数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は17本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配置可能な最大配線数N3は17本である。外形辺114に配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とは等しい。しかし、実際に無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数は16本になる。これは、図1(c)に示す外形辺114’による制約と同じであり、図4(c)においても第1実施形態と同様に計算する。
外形辺114と平行な2列目にあるランド111a、111cをつなぐ外形辺114’の長さAは、ランド間隔Pの2個分の長さであり、1.0mmである。式1を用いて算出した2列目の外形辺114’の長さAから引き出し可能な最大配線数N1’は4本である。2列目の外形辺114’をつなぐ外周線113’の外周長Bは、ランド間隔Pの3個分の長さであり、1.5mmである。式3を用いて算出した外周線113’に配置可能な最大配線数N3’は5本である。2列目の外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は外周線113’に配置可能な最大配線数N3’よりも小さいので、配線領域R2’における配線パターン130の配置可能な配線数N4’は4本になる。つまり、配線領域R2’にある無端子部に配置可能な配線数N4’は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’よりも1本少なくなる。したがって、外周線113に配置可能な最大配線数N3は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’の制約を受けるので、最大配線数N3は16本になる。したがって、無端子部112Gに配置可能な配線数N4は16本になる。なお、ランド111aとランド111bとを結ぶ線を外形辺114’とする場合には、外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’と、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’とは等しくなる。したがって、ランド111aとランド111bとを結ぶ外形辺114’において、外周線113に配置可能な最大配線数N3への制約はない。
これに対し、図13(a)に示すような無端子112を設けない従来の場合では、ランド間隔Pの6個分の長さの外形辺114に配線可能な最大配線数N1は11本である。図4(a)では、無端子112の数は12個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は6本であり、配線効率は式4より0.50である。また、図4(b)では、無端子112の数は10個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は6本であり、配線効率は式4より0.60である。そして、図4(c)では、無端子112の数は8個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は5本であり、配線効率は式4より0.63である。
このように、本実施形態では、無端子部112Gの形状が異なるものの、外周線113の外周長Bと外形辺114の長さAとの関係は同じでも、無端子112の数を減らすことによって配線効率を上げることができる。第1実施例から第3実施例までの配線効率を比較すると、無端子112の数が最も少ない第3実施例の無端子部112Gの形状が最も効率がよいことがわかる。図4(a)の第1実施例に比べて図4(b)の第2実施例では、外周線113の一部が外形辺114側に窪むように無端子112の形状を変更している。これにより、第1実施例よりも配線効率を大きくすることができる。また、図4(a)の第1実施例及び図4(b)の第2実施例に比べて、図4(c)の第3実施例では、ランド111aが外形辺114から2列目にあり、これにより外周線113の一部が外形辺114側に突出するように無端子部112Gの形状を変更している。これにより、第1実施例及び第2実施例に比べて、第3実施例は、さらに配線効率を大きくすることができる。したがって、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板1について説明する。本実施形態に係るプリント回路板1は、無端子部112Gの形状を変更するものである。第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本実施形態に係るプリント配線板100の部分拡大図である。図5(a)は、本実施形態の第1実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。配線領域R2の形状は、外形辺114から5列目のランドを結ぶ台形である。配線領域R2の外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの7個分の長さであり、3.5mmである。配線領域R2の外周線113の外周長Bは、ランド間隔Pの11個分の長さであり、5.5mmである。第1実施形態で用いたランド間隔P、ランド径r、配線パターン幅w、配線パターン間隙sの数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は21本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配置可能な最大配線数N3は21本である。外形辺114に配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とは等しいので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数N4は21本である。
図5(b)は、本実施形態の第2実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。配線領域R2の形状は、外形辺114から4列目にあるランド111と3列目にあるランド111a、111bとを結んで外形辺114側に突出する突出部を有する8角形である。配線領域R2の外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの7個分の長さである。配線領域R2の外周線113の外周長Bは、ランド間隔Pの11個分の長さである。つまり、本実施例は、図5(a)の第1実施例の外形辺114及び外周線113の長さA、Bと同じ長さであり、無端子部112Gの形状を変えた例である。第1実施形態で用いた数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は21本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配置可能な最大配線数N3は21本である。外形辺114の長さAに配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とは等しいが、実際に配線パターン130の配置可能な配線数は19本である。これは、外形辺114から3列目にランド111a、111bがあり、配線領域R2は、外周線113の中央部が外形辺114側に突出した多角形の形状となり、図1(c)に示す外形辺114’による制約と同じ制約が生じるためである。そこで、図5(b)においても第1実施形態と同様に計算する。
図5(b)において、外形辺114から3列目にあるランド111a、111cを最短で結ぶ外形辺114’の長さAは、ランド間隔Pの2個分の長さであり、1.0mmである。式1を用いて算出した3列目の外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は4本である。外形辺114’の両端にあるランド111aからランド111cまでのランド111を結ぶ外周線113’の外周長Bは、ランド間隔Pの3個分の長さであり、1.5mmである。式3を用いて算出した外周線113’に配置可能な最大配線数N3’は5本である。これより、外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’よりも少なく、配線領域R2’に配置可能な配線パターン130の配線数N4’は4本になる。つまり、配線領域R2’の無端子部に配置可能な配線数N4’は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’よりも1本少なくなる。また、同様の制約は、ランド111bからランド111dまでのランド111を結ぶ外周線113’にも生じる。このため、全体として外周線113に配置可能な最大配線数N3は式3から算出した値よりも2本少なくなるので、補正後の外周線113に配置可能な最大配線数N3は19本になる。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は21本であり、外周線113に配置可能な最大配線数N3は19本なので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数N4は19本になる。
図5(c)は、本実施形態の第3実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。配線領域R2の形状は、外形辺114から3列目及び4列目のランド111と2列目のランド111aとを結んで外形辺114側に突出する7角形である。配線領域R2の外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの7個分の長さである。配線領域R2の外周線113の長さBは、ランド間隔Pの11個分の長さである。つまり、本実施例は、図5(a)に示す第1実施例及び図5(b)に示す第2実施例の外形辺114及び外周線113の長さA、Bと同じ長さであり、無端子部112Gの形状を変えた例である。第1実施形態で用いた数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は21本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配置可能な最大配線数N3は21本である。外形辺114に配置可能な最大配線数N1と、外周線113に配置可能な最大配線数N3とは等しいが、実際に無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数は19本である。これは、外形辺114から2列目にランド111aがあり、配線領域R2は、外周線113の中央部が外形辺114側に突出した多角形の形状となり、図1(c)に示す外形辺114’による制約と同じ制約が生じるためである。そこで、図5(c)においても図1(c)と同様に計算する。
図5(c)において、2列目にあるランド111a、111bを最短で結ぶ外形辺114’の長さAは、ランド間隔Pの3個分の長さであり、1.5mmである。式1を用いて算出した外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は7本である。2列目にある外形辺114’の両端にあるランド111aから111bまでのランド111をつなぐ外周線113’の外周長Bは、ランド間隔Pの5個分の長さである。式3を用いて算出した外周線113’に配置可能な最大配線数N3’は9本である。2列目の外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’よりも少ないので、配線領域R2’の無端子部に配置可能な配線数N4’は7本になり、2本少なくなる。したがって、外周線113に配置可能な最大配線数N3は、配線領域R2’の無端子部に配置可能な配線数N4’の制約を受けるので、最大配線数N3は19本になる。外周線113に配置可能な最大配線数N3は、外形辺114に配置可能な最大配線数N1よりも少ないので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数N4は19本になる。
これに対し、図13(a)に示すような無端子112を設けない従来の場合には、外形辺114の長さAはランド間隔Pの7個分の長さであり、外形辺114に配置可能な最大配線数N1は13本である。図5(a)では、無端子112の数は18個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は8本であり、配線効率は式4より0.44である。また、図5(b)では、無端子112の数は13個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は6本であり、配線効率は式4より0.46である。そして、図5(c)では、無端子112の数は11個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は6本であり、配線効率は式4より0.55である。このように、無端子部112Gの形状は異なるものの外周線113の外周長B及び外形辺114の長さAが同じでも、無端子112の数により配線効率が異なることがわかる。
図6は、本実施形態の変形例に係るプリント配線板100を第1の導体層101の第1面101aから見た平面図である。例えば、外周線113の中央部が外形辺114側に複数突出するように無端子部112Gを形成してもよい。これにより、無端子112の数を減らして配線効率を大きくし、上辺141及び下辺142との配線数の差を小さくすることができる。また、無端子部112Gを左辺143及び右辺144のランド群111Gの外周に沿ってそれぞれ形成することによって、配線効率を向上させ、上辺141及び下辺142と、左辺143及び右辺144との配線数の差をさらに小さくすることができる。
このように、本実施形態では、無端子部112Gの形状は異なるものの外周線113の外周長B及び外形辺114の長さAが同じ場合でも、無端子112の数を減らすことによって配線効率を上げることができる。図5(a)の第1実施例に比べて図5(b)の第2実施例では、外周線113の中央部が外形辺114側に突出するように無端子部112Gの形状を変更している。これにより、第1実施例よりも無端子112の数を減らして配線効率を大きくすることができる。さらに、図5(a)の第1実施例及び図5(b)の第2実施例に比べて、図5(c)の第3実施例では、ランド111aが外形辺114から2列目にあり、外周線113の中央部が外形辺114側に突出するように無端子部112Gの形状を変更している。これにより、第1実施例及び第2実施例よりも、さらに無端子112の数を減らして配線効率を大きくすることができる。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るプリント回路板1について説明する。本実施形態に係るプリント回路板1は、無端子部112Gの形状を変更するものである。第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7は本実施形態の第1実施例に係るプリント配線板100の部分拡大図である。図7(a)は、本実施形態の第1実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。配線領域R2の形状は、外形辺114から2列目のランド111を結ぶ台形である。本実施例は、無端子112を外形辺114上に1個設けた例である。外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの2個分の長さであり、1.0mmである。外周線113の外周長Bは、ランド間隔Pの3個分の長さであり、1.5mmである。第1実施形態で用いたランド間隔P、ランド径r、配線パターン幅w、配線パターン間隙sの数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は4本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配置可能な最大配線数N3は5本である。外周線113に配置可能な最大配線数N3よりも外形辺114に配置可能な最大配線数N1の方が少ないので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数N4は4本である。
図7(b)は、本実施形態の第2実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。配線領域R2の形状は、外形辺114から2列目のランド111を結ぶ台形である。本実施例では、無端子112を外形辺114上に2個設けた例である。外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの3個分の長さである。外周線113の長さBは、ランド間隔Pの4個分の長さである。第1実施形態で用いた数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114の長さAから引き出し可能な最大配線数N1は7本、ランド間配線数N2は1本、外周線113の外周長Bから引き出し可能な最大配線数N3は7本である。外形辺114の長さAから引き出し可能な最大配線数N1は、外周線113の外周長Bから引き出し可能な最大配線数N3と同じ本数なので、配線パターン130の引き出し可能な配線数N4は7本である。
これに対し、図13(a)のように無端子112を設けない従来の場合では、外形辺114の長さAはランド間隔Pの2個分の長さであり、外形辺114に配置可能な配線パターン130の最大配線数N1は3本である。図7(a)では、無端子112の数は1個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は1本であり、配線効率は式4より1.00である。また、図7(b)では、無端子112の数は2個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する配線増加数は2本であり、配線効率は式4より1.00である。
図8は、本実施形態の変形例に係るプリント配線板100の平面図である。図8(a)は、本実施形態の第1実施例の変形例に係るプリント配線板100を半導体パッケージ200が搭載される第1の導体層101の第1面101aから見た平面図である。図8(b)は、本実施形態の第2実施例の変形例に係るプリント配線板100を半導体パッケージ200が搭載される第1の導体層101の第1面101aから見た平面図である。例えば、図8(a)のような無端子部112Gを複数、左辺143及び右辺144に形成することによって、引き出し効率を向上させ、上辺141及び下辺142と左辺143及び右辺144との引き出し本数の差を小さくすることができる。また、図8(b)のような無端子部112Gを複数、左辺143及び右辺144に形成することによって、引き出し効率を向上させ、上辺141及び下辺142と左辺143及び右辺144との引き出し本数の差を小さくすることができる。
このように、本実施形態では、外周線113に配置可能な最大配線数N3と外形辺114に配置可能な最大配線数N1との関係は式4の条件を満たしつつ、無端子112の数をより少なくした無端子部112Gを形成する。これにより、配線効率を大きくすることができる。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係るプリント回路板1について説明する。本実施形態に係るプリント回路板1は、無端子部112G内に1つのランド111を残している。第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本実施形態に係るプリント配線板100の部分拡大図である。図9では、図2(d)と同じ外形辺114及び外周線113の長さ及び形状である。本実施形態は、無端子部112Gの領域内に、1個だけランド111が含まれる例である。配線領域R2において、外形辺114の長さAは、ランド間隔Pの5個分であり、2.5mmである。外周線113の長さBは、ランド間隔Pの8個分であり、4.0mmである。第1実施形態で用いたランド間隔P、ランド径r、配線パターン幅w、配線パターン間隙sの数値を式1〜3に代入して各値を計算する。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は14本、ランド間配線数N2は1本、外周線113に配置可能な最大配線数N3は15本である。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は、外周線113に配置可能な最大配線数N3よりも少ない。しかし、実際に無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数は13本である。これは、外形辺114から2列目にランド111aがあり、外周線113の中央部は外形辺114側に突出しているため、図9においても図1(c)の外形辺114’と同様の制約が生じるためである。そこで、図9においても図1(c)と同様に計算する。
外形辺114から2列目にある外形辺114’の長さAは、ランド間隔Pの2個分の長さであり、1.0mmである。式1を用いて算出した2列目の外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は4本である。外形辺114’を形成するランド111aからランド111bまでを結ぶ外周線113’の外周長Bは、ランド間隔Pの4個分の長さであり、2.0mmである。式3を用いて算出した外周線113’に配置可能な最大配線数N3’は7本である。外形辺114’に配置可能な最大配線数N1’は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’よりも少ないので、配線領域R2’において、無端子部に配置可能な配線パターン130の配線数N4’は4本になる。つまり、外周線113’及び外形辺114’に囲まれる配線領域R2’の無端子部に配置可能な配線数N4’は、外周線113’に配置可能な最大配線数N3’より3本少ない。よって、外周線113に配置可能な最大配線数N3は12本になる。しかし、配線領域R2にあるランド111aから配線パターン130を1本引き出すことができるので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数N4は13本になる。
これに対し、図13(a)に示すような無端子112を設けない従来の場合には、外形辺114の長さAはランド間隔Pの5個分の長さであり、式1を用いて算出した外形辺114に配置可能な配線パターン130の配線数N4は9本である。本実施例では、無端子112の数は8個、無端子部112Gを設けない場合の配線数に対する引き出し本数の増加は4本であり、配線効率は式4より0.50である。図2(d)における配線効率は0.56であった。本実施形態において、配線効率は図2(d)の場合よりも小さくなるものの、無端子部112Gの中にランド111aがある場合でも、配線数を増加させることができる。
このように、本実施形態では、無端子部112Gの中にランド111aを含む場合でも、外周線113に配置可能な最大配線数N3と外形辺114に配置可能な最大配線数N1との関係が式4を満たすように無端子部112Gを形成する。これにより、配線効率を大きくすることができ、領域R1の上辺141及び下辺142の配線数と、左辺143及び右辺144の配線数との差を小さくすることができる。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係るプリント配線板100について説明する。本実施形態に係るプリント配線板100は、ランド間配線数N2を変更する場合について説明する。第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図10は本実施形態の第1実施例に係るプリント配線板100の部分拡大図である。図10(a)は、本実施形態の第1実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。図10(b)は、図10(a)に示す配線領域R2の部分拡大図である。図10(a)、図10(b)に示すプリント配線板100は、ランド間配線数N2が2本となる場合を示している。ランド間隔Pを0.5mm、ランド径rを0.275mm、配線パターン幅wを0.045mm、配線パターン間隙sを0.045mmとする。外形辺114の長さAは、ランド間隔P5個分の長さなので、2.5mmである。式1を用いて計算した外形辺114に配置可能な最大配線数N1は24本である。式2を用いて計算したランド間配線数N2は2本である。外周線113の外周長Bは、ランド間隔P8個分の長さであり、4.0mmである。式3を用いて計算した外周線113に配置可能な最大配線数N3は23本である。外周線113に配置可能な最大配線数N3は、外形辺114に配置可能な最大配線数N1よりも少ないので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数は23本である。
図11は本実施形態の第2実施例に係るプリント配線板100の部分拡大図である。図11(a)は、本実施形態の第2実施例に係るプリント配線板100を第1面101aから見た部分拡大図である。図11(b)は、図11(a)に示す配線領域R2の部分拡大図である。図11(a)、図11(b)に示すプリント配線板100は、ランド間配線数N2が3本となる場合を示している。ランド間隔Pを0.5mm、ランド径rを0.275mm、配線パターン幅wを0.0321mm、配線パターン間隙sを0.0321mmとする。式1を用いて算出した外形辺114に配置可能な最大配線数N1は、34本である。式2を用いて算出したランド間配線数N2は、3本である。外周線113の長さBはランド間隔Pの9個分の長さであり、4.5mmである。式3を用いて算出した外周線113に配置可能な最大配線数N3は、35本である。外形辺114に配置可能な最大配線数N1は、外周線113に配置可能な最大配線数N3よりも少ないので、無端子部112Gに配置可能な配線パターン130の配線数は34本である。
これに対し、無端子112を設けない従来の場合、ランド間配線数を2本とすると、ランド間隔Pの5個分の長さの外形辺114に配置可能な配線パターン130の配線数は14本である。また、ランド間配線数N2を3本とすると、外形辺114に配置可能な配線パターン130の配線数は19本である。図10(a)では、無端子112の数は9個、配線増加数は9本であり、配線効率は式4より1.00である。また、図11(a)では、無端子112の数は10個、配線増加数は15本であり、配線効率は式4より1.50である。
このよう、本実施形態では、ランド間配線数N2を変更する場合でも、外周線113と外形辺114との関係が式4を満たすように無端子部112Gを形成することによって、配線効率を大きくすることができる。
つまり、上辺141及び下辺142と、左辺143及び右辺144との配線数の差を小さくすることができる。したがって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態に係る電子機器について、図12を用いて説明する。図12は、本実施形態に係る電子機器1300の一例を示す図である。電子機器1300は、第1実施形態に係るプリント配線板100と、半導体パッケージ200とを備えている。電子機器1300は、例えばデジタルカメラである。なお、電子機器1300はこれに限らず、例えばプリンター、デジタル複写機等であってもよい。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で多くの変形が可能である。上記実施形態のプリント配線板100による効果は、上記実施形態に限定されるものではない。また、半導体パッケージ200の外形が正方形である場合について説明したが、外形は正方形に限定されるものではない。そして、ランド群111Gを囲む領域R1が長方形であれば、いかなる形状であってもよい。また、プリント回路板1の場合に限らず、半導体パッケージ200が未実装のプリント配線板100のみ、プリント配線板100に未実装の半導体パッケージ200のみであってもよい。また、各実施形態における無端子部112Gを組み合わせて、領域R1の左辺143側及び右辺144側のランド群111Gの外周に沿って複数形成してもよい。