JP6651935B2 - カラオケ装置、及びプログラム - Google Patents

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Description

本開示は、カラオケ装置において出力する音量を調節する技術に関する。
特許文献1には、オーディオ再生装置において、デジタル音声信号をデジタルゲイン設定部でゲイン調節した後、アナログ音声信号に変換し、アナログゲイン設定部でゲイン調節して出力する音量調節技術が記載されている。
特開2010−141571号公報
ところで、カラオケ装置においては、楽曲が演奏された楽曲音と、マイクにより入力されたマイク音とを混合して出力する処理が行われている。この種のカラオケ装置において、複数の音声処理経路にそれぞれ出力レベルを調節するボリュームを備え、さらに複数の音声処理経路が混合された後に出力レベルを調節するボリュームを備えるものがある。
具体的には、楽曲音の音声処理経路及びマイク音の音声処理経路それぞれに備えられたデジタルボリュームによって個別に出力レベルを調節する。そして、さらに、デジタルボリュームによって出力レベルが調節された楽曲音とマイク音とが混合された後に、1つのアナログボリュームによって全体の出力レベルを調節する。
上述のようなカラオケ装置の構成では、前段のデジタルボリュームの用途として、楽曲音とマイク音との音量のバランスを調節する役割が想定されている。また、後段のアナログボリュームの用途として、混合された音全体の音量の大小を調整する役割が想定されている。しかしながら、カラオケ装置を利用する利用客によっては、前述の想定に関わらず、音全体の音量を調節する場合において前段のデジタルボリュームを使用するケースが多く見られた。しかし、デジタルボリュームを使って音量を小さくしていくと、音声信号のダイナミックレンジが狭くなり、ビット落ちによって楽曲音やマイク音の音質を劣化させるおそれがある。
一方、特許文献1には、前段のデジタルゲイン設定部(デジタルボリュームに相当)と後段のアナログゲイン設定部(アナログボリュームに相当)とにおいて、音量調節の配分を制御することで、全体の音量を保持しながら音質の劣化を低減することが記載されている。しかしながら、特許文献1の技術においては、楽曲音やマイク音といった複数の音声処理経路ごとに前段のボリュームが備えられている構成については考慮されていない。
そこで、本開示は、カラオケ装置の使用者が行う音量の設定に対して、楽曲音とマイク音との音量のバランスと全体の音量とを保持しながら、音質の劣化を低減するための技術を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るカラオケ装置は、マイク音量調節部と、楽曲音量調節部と、ミキシング部と、メイン音量調節部と、取得部と、決定部と、音量制御部とを備える。マイク音量調節部は、マイクを介して入力された音声に基づく音声信号の出力レベルであるマイク出力レベルを調節するように構成されている。楽曲音量調節部は、カラオケ楽曲の演奏音を発生する音源から出力された音声信号の出力レベルである楽曲出力レベルを調節するように構成されている。ミキシング部は、マイク音量調節部及び楽曲音量調節部において出力レベルが調節された2種類の音声信号を混合するように構成れている。メイン音量調節部は、ミキシング部によりミキシングされた音声信号の出力レベルであるメイン出力レベルを調節するように構成されている。
取得部は、マイク出力レベル、楽曲出力レベル、及びメイン出力レベルそれぞれについて、使用者によって指定された出力レベルの値を表す指定値を取得するように構成されている。決定部は、取得部により取得された各指定値に基づき、マイク出力設定値と、楽曲出力設定値と、メイン出力設定値とを決定するように構成されている。マイク出力設定値は、マイク出力レベルの指定値に対して、マイク出力レベルを実際に調節する設定値である。楽曲出力設定値は、楽曲出力レベルの指定値に対して、楽曲出力レベルを実際に調節する設定値である。メイン出力設定値は、メイン出力レベルの指定値に対して、メイン出力レベルを実際に調節する設定値である。
具体的には、決定部は、次のようにしてマイク出力設定値及び楽曲出力設定値を決定するように構成されている。すなわち、マイク出力設定値と楽曲出力設定値との差の値が、マイク出力レベルの指定値と楽曲出力レベルの指定値との差の値に等しくなるようにする。かつ、マイク出力レベルの指定値及び楽曲出力レベルの指定値のうち、小さい方の指定値に対応する設定値を予め定められた下限の値である下限基準値に合わせるようにする。また、決定部は、メイン出力レベルの指定値に対して、マイク出力レベル及び楽曲出力レベルの指定値とマイク出力設定値及び楽曲出力設定値との間の変化値を相反する方向に反映することによって、メイン出力設定値を決定するように構成されている。
音量制御部は、決定部により決定されたマイク出力設定値、楽曲出力設定値、及びメイン出力設定値に従って、マイク音量調節部、楽曲音量調節部、及びメイン音量調節部それぞれについて出力レベルを調節するように構成されている。
本開示に係るカラオケ装置では、マイク音量調節部及び楽曲音量調節部の出力レベルが過度に小さく設定されると音質が劣化することを鑑み、マイク出力レベル及び楽曲出力レベルの各指定値のうち、小さい方の指定値について実際に調節する設定値を下限基準値に合わせて決定することができる。なおかつ、マイク出力設定値と楽曲出力設定値との差の値が、マイク出力レベルの指定値と楽曲出力レベルの指定値との差の値に等しくなるように、マイク出力設定値及び楽曲出力設定値を決定することができる。
このようにすることで、カラオケ装置の使用者が行う音量の設定に対して、楽曲音とマイク音との音量のバランスを保持しながら、音質の劣化を低減することができる。また、マイク出力レベル及び楽曲出力レベルの指定値と、マイク出力設定値及び楽曲出力設定値との間の変化値を補償するようにメイン出力設定値を決定することで、全体の音量を保持しながら音質の劣化を低減することができる。
上記構成において、更に次のようにしてもよい。すなわち、決定部は、マイク出力設定値及び楽曲出力設定値の少なくとも何れかが下限基準値以上になるように、マイク出力設定値及び楽曲出力設定値を決定するように構成されている。例えば、下限基準値として、出力レベルの低下による音質の劣化が顕著にならない範囲の値が予め設定されていれば、マイク出力設定値及び楽曲出力設定値の少なくとも何れかを下限基準値以上になるように決定することで、音質の劣化を効果的に低減できる。
上記構成において、更に次のようにしてもよい。すなわち、マイク音量調節部は、マイクを介して入力された音声に基づいて生成されたデジタル音声信号の出力レベルであるマイク出力レベルを調節するように構成されている。また、楽曲音量調節部は、カラオケ楽曲の演奏音を発生する音源から出力されたデジタル音声信号の出力レベルである楽曲出力レベルを調節するように構成されている。
さらに、マイク音量調節部において出力レベルが調節されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する第1変換部と、楽曲音量調節部において出力レベルが調節されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する第2変換部とを備える。ミキシング部は、第1変換部及び第2変換部において変換された2種類のアナログ音声信号を混合するように構成されている。メイン音量調節部は、ミキシング部によりミキシングされたアナログ音声信号の出力レベルであるメイン出力レベルを調節するように構成されている。
このような構成によれば、デジタル音声信号の出力レベルを調節するマイク音量調節部及び楽曲音量調節部において、楽曲音とマイク音との音量のバランスを保持できる。また、アナログ音声信号の出力レベルを調節するメイン音量調節部において、全体の音量を保持しながら、音質の劣化を低減することができる。
上記構成において、更に次のようにしてもよい。すなわち、音量制御部は、決定部により決定されたマイク出力設定値、楽曲出力設定値、及びメイン出力設定値のうち、調節前の出力レベルより下げる対象を、調節前の出力レベルより上げる対象よりも先に調節するように構成されている。このようにすることで、マイク出力レベル、楽曲出力レベル、及びメイン出力レベルを調節する過程において突然音量が大きくなることを回避することができ、カラオケ装置の使用者が受ける違和感を低減できる。
なお、本開示は、カラオケ装置を制御するコンピュータにおいて実行されるプログラム、あるいはプログラムを記憶する記憶媒体の形態で実現することもできる。
カラオケ装置の構成を表すブロック図。 音響制御部の構成を表すブロック図。 音量設定UIの一例を表す説明図。 音量設定処理の手順を表すフローチャート。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本開示は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[カラオケ装置10の構成の説明]
図1に例示されるとおり、カラオケ装置10は、制御部11、通信インタフェース部12、記憶部13、操作部14、音響制御部15を備える。また、カラオケ装置10には、ディスプレイ16、マイク17、スピーカ18等の周辺機器が接続されている。このカラオケ装置10は、使用者からリクエストされたカラオケ楽曲を演奏する機能を有する機器であり、例えば、カラオケ店舗に設置される業務用のカラオケ装置で具現化される。
制御部11は、図示しないCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、入出力インタフェース等を中心に構成された情報処理装置である。制御部11の機能は、CPUがROMや半導体メモリ等の非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。通信インタフェース部12は、カラオケ装置10をネットワークに接続し、そのネットワークを介した通信を制御する通信装置である。本実施形態において、カラオケ装置10は、通信インタフェース部12を介してリモコン端末20との間で通信を行う。
記憶部13は、例えばハードディスクドライブや半導体メモリ等からなる記憶装置である。記憶部13には、カラオケ楽曲を演奏するための楽曲データを多数収録したカラオケデータベースや、カラオケ装置10の動作を制御するためのプログラムが記憶される。操作部14は、使用者からの操作を入力するための入力装置であり、カラオケ装置10本体に備えられたタッチパネルやキースイッチ等からなる。
本実施形態では、操作部14の用途として、マイク音量、ミュージック音量、及び主音量を個別に設定するためのユーザインタフェース(以下、UI)を提供することを想定している。マイク音量とは、マイク17を介して入力された音声が出力される音量である。ミュージック音量とは、カラオケ楽曲の演奏音が出力される音量である。主音量とは、マイク17の音声とカラオケ楽曲の演奏音とを含む全体の音量である。
音響制御部15は、音声の入出力を制御するデバイスである。音響制御部15の入力側にはマイク17が接続される。これにより音響制御部15は、使用者の歌唱音声を取得する。音響制御部15の出力側にはスピーカ18が接続される。これにより音響制御部15は、制御部11による演奏処理において再生された楽曲の演奏音と使用者の歌唱音声とを混合した音源信号をスピーカ18に出力する。スピーカ18は、音響制御部15から出力される音源信号を音に換えて出力する。ディスプレイ16は、制御部11から送られてくる映像データに基づいて映像の表示を行う表示装置である。
制御部11は、リモコン端末20を介して使用者から楽曲のリクエストを受付けると、その楽曲の曲番号とリクエストした使用者の識別情報とを対応付けて、内部のRAM等において管理されている予約リストに受付け順に登録する。制御部11は、予約リストに登録されている演奏順に従って、予約曲に対応する楽曲データを順番に取得して演奏処理を行う。なお、カラオケ装置10のその他の機能や構成については公知技術に従っているので、ここでは詳細な説明を省略する。
リモコン端末20は、カラオケ装置10用の遠隔操作機器である。このリモコン端末20は、リモコン端末20の動作を制御する情報処理装置である制御部や、情報を表示するディスプレイ、使用者の入力操作を受付けるタッチパネルやキースイッチ等の操作部、無線LAN通信部、赤外線通信部等(何れも不図示)を備える。このリモコン端末20を用いることで、使用者はカラオケサービスに関する情報の閲覧や、カラオケ装置10に演奏させるカラオケ楽曲の選曲操作、音量設定等を行うことができるようになっている。このリモコン端末20は、例えば、周知の無線LAN通信規格に則った無線通信機能を有し、ネットワークを介してカラオケ装置10との間で通信を行う。
つぎに、カラオケ装置10の音響制御部15の詳細な構成について、図2を参照しながら説明する。図2に例示されるように、音響制御部15は、A/D変換部151、マイクボリューム152、ミュージックボリューム153、2つのD/A変換部154,155、ミキサ156、メインボリューム157を備える。これらの各部のうち、A/D変換部151、マイクボリューム152、及びD/A変換部154は、マイク17により入力された音声を表す音声信号を処理する音声処理経路を構成する。一方、ミュージックボリューム153及びD/A変換部155は、制御部11において再生されたカラオケ楽曲の演奏音を表す音声信号を処理する音声処理経路を構成する。
A/D変換部151は、マイク17から入力されたアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する電子回路である。マイクボリューム152は、A/D変換部151により変換されたデジタル音声信号の振幅である出力レベルを増減することで音量を調節する、いわゆるデジタルボリュームである。このマイクボリューム152は、制御部11において設定されたマイク音量設定値(本開示におけるマイク出力設定値に相当)に従ってデジタル音声信号の出力レベルを調節する。D/A変換部154は、マイクボリューム152によって増幅されたデジタル音声信号を、アナログ音声信号に変換する電子回路である。
ミュージックボリューム153は、制御部11において楽曲データが再生されることで出力されるデジタル音声信号の振幅である出力レベルを増減することで音量を調節する、いわゆるデジタルボリュームである。このミュージックボリューム153は、制御部11において設定されたミュージック音量設定値(本開示における楽曲出力設定値に相当)に従ってデジタル音声信号の出力レベルを調節する。D/A変換部155は、ミュージックボリューム153によって増幅されたデジタル音声信号を、アナログ音声信号に変換する電子回路である。
ミキサ156は、D/A変換部154から出力されたアナログ音声信号(マイク側)、と、D/A変換部155から出力されたアナログ音声信号(ミュージック側)とを混合して出力する電子回路である。メインボリューム157は、ミキサ156から出力されたアナログ音声信号の振幅である出力レベルを増減することで音量を調節する、いわゆるアナログボリュームである。このメインボリューム157は、制御部11において設定された主音量設定値(本開示におけるメイン出力設定値に相当)に従ってアナログ音声信号の出力レベルを調節する。そして、メインボリューム157において増幅されたアナログ音声信号は、パワーアンプを経由してスピーカ18から音声として出力される。
カラオケ装置10は、マイクボリューム152、ミュージックボリューム153、及びメインボリューム157について、使用者が各個に音量を調節することができるように構成されている。具体的には、図3に例示されるようなユーザインタフェースである音量設定UI200を使用者に提供することで、使用者が所望する音量を数値で入力できるようになっている。この音量設定UI200は、例えば、リモコン端末20のディスプレイ上に設けられたタッチパネルと連動する画像で構成されるGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)として具現化される。あるいは、カラオケ装置10の操作部14のタッチパネル連動する画像で構成されるGUIとして具現化されるものであってもよい。あるいは、機械的なボタンスイッチと数値等を表示するインジケータとによって構成されるものであってもよい。
図3に例示されるとおり、音量設定UI200は、マイク音量指定部201と、ミュージック音量指定部202と、主音量指定部203とを備える。これらの各音量指定部201,202,203には、指定する音量の値を増減するためのボタンや、現在の音量の値を数値やグラフで表す表示部が設けられている。本実施形態では、各音量指定部201,202,203において音量を0(最小音量)から64(最大音量)までの数値で指定できるようになっているものとする。音量設定UI200において使用者から入力された音量の値である入力値は、カラオケ装置10の制御部11に送信される。
[音量設定処理の説明]
カラオケ装置10の制御部11が実行する音量設定処理の手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、カラオケ装置10の電源スイッチがオンにされてカラオケ装置10が稼働しているときに実行される処理である。
S100では、制御部11は、音量設定UI200(図3参照)を介して音量を変更する指示を受付けたか否かを判定する。音量を変更する指示を受付けていない場合(S100:NO)、制御部11はS100の処理を繰返す。音量を設定する指示を受付けた場合(S100:YES)、制御部11はS102に進む。
S102では、制御部11は、「マイク音量の指定値」と「主音量の指定値」とを加算した値を「X」、「ミュージック音量の指定値」と「主音量の指定値」とを加算した値を「Y」として算出する。ここでいう「マイク音量の指定値」、「ミュージック音量の指定値」、「主音量の指定値」とは、音量設定UI200において使用者から入力された各入力値を、各ボリューム152,153,157における出力レベルのゲインの値(単位はデシベル)に変換した値である。この変換は、例えば、音量の入力値と出力レベルのゲインとの対応を定義する所与のテーブルに基づいて行う。
S104では、制御部11は、S102において算出したXの値とYの値との差の絶対値を「Z」として算出する。すなわち、Zは、マイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差の絶対値に等しい。S106では、制御部11は、Xの値がYの値以上であるか否かに応じて処理を分岐する。Xの値がYの値以上である場合(S106:YES)、制御部11はS108に進む。一方、Xの値がYの値より小さい場合(S106:NO)、制御部11はS110に進む。
Xの値がYの値以上である場合に進むS108では、制御部11は、S104において算出されたZの値が6.0dB以下であるか否かに応じて処理を分岐する。この6.0dBという値は、本実施形態においてマイクボリューム152及びミュージックボリューム153が扱うデジタル音声信号のフルスケール(すなわち、最大音量)に相当する出力レベルである。
S108においてZの値が6.0dB以下である場合(S108:YES)、制御部11はS112に進む。S112では、制御部11は、各ボリューム152,153,157の出力レベルを実際に調節する値である音量設定値を算出するために用いる計算式を、以下の式(1)とおりに決定する。
マイク音量設定値=Z(dB)
ミュージック音量設定値=0.0(dB)
主音量設定値=Y(dB) …式(1)
ここで、マイク音量設定値とは、使用者から指定されたマイク音量の指定値に対して、マイクボリューム152の出力レベルを実際に調節する設定値である。ミュージック音量設定値とは、使用者から指定されたミュージック音量の指定値に対して、ミュージックボリューム153の出力レベルを実際に調節する設定値である。主音量設定値とは、使用者から指定された主音量の指定値に対して、メインボリューム157の出力レベルを実際に調節する設定値である。
上記式(1)によれば、マイク音量の指定値及びミュージック音量の指定値のうち、小さい方のミュージック音量に対応するミュージック音量設定値が0.0dBに設定される。この0.0dBという値は、本実施形態において出力レベルの低下による音質の劣化が顕著にならない範囲の下限基準値として予め定められた値である。一方、マイク音量設定値は、Zの値(すなわち、マイク音量とミュージック音量との差の絶対値)に設定される。これにより、マイク音量設定値とミュージック音量設定値との差が、使用者から指定されたマイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差と等しくなる。つまり、ここで設定されるマイク音量設定値及びミュージック音量設定値における音量のバランスが、使用者から指定されたマイク音量の指定値及びミュージック音量の指定値における音量のバランスと等しくなり、音量のバランスが維持されている。
また、主音量設定値は、Yの値(すなわち、ミュージック音量の指定値+主音量の指定値)に設定される。これは、ミュージック音量の指定値に対してミュージック音量設定値を0.0dBに変更した際の変化値を、主音量の指定値に対して相反する方向に加えた値に相当する。これにより、使用者から指定された主音量の指定値における全体の音量が維持されるようになっている。
一方、S108においてZの値が6.0dBより大きい場合(S108:NO)、制御部11はS114に進む。S114では、制御部11は、各ボリューム152,153,157の出力レベルを実際に調節する値である音量設定値を算出するために用いる計算式を、以下の式(2)とおりに決定する。
マイク音量設定値=6.0(dB)
ミュージック音量設定値=6.0−Z(dB)
主音量設定値=X−6.0(dB) …式(2)
上記式(2)によれば、マイク音量の指定値及びミュージック音量の指定値のうち、大きい方のマイク音量に対応するマイク音量設定値が6.0dBに設定される。6.0dBという値は、本実施形態におけるデジタル音声信号のフルスケール(すなわち、最大音量)に相当する出力レベルである。一方、ミュージック音量設定値は、6.0−Zの値に設定される。これにより、マイク音量設定値とミュージック音量設定値との差が、使用者から指定されたマイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差と等しくなる。
上記式(2)が適用される事例では、マイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差がフルスケールの6.0dBよりも大きいため、大きい方のマイク音量設定値が上限の6.0dBに設定されるようになっている。その上で、マイク音量設定値とミュージック音量設定値における音量のバランスを維持し、かつ音質の劣化を極力低減するために、小さい方のミュージック音量設定値を下限基準値である0.0dBに可能な限り近づくように設定されるようになっている。
また、主音量設定値は、X−6.0の値に設定される。これは、マイク音量の指定値に対してマイク音量設定値を6.0dBに変更した際の変化値を、主音量の指定値に対して相反する方向に加えた値に相当する。これにより、使用者から指定された主音量の指定値における全体の音量が維持されるようになっている。
一方、S106においてXの値がYの値より小さい場合と判定された場合に進むS110では、制御部11は、S104において算出されたZの値が、6.0dB以下であるか否かに応じて処理を分岐する。
S110においてZの値が6.0dB以下である場合(S110:YES)、制御部11はS116に進む。S116では、制御部11は、各ボリューム152,153,157の出力レベルを実際に調節する値である音量設定値を算出するために用いる計算式を、以下の式(3)とおりに決定する。
マイク音量設定値=0.0(dB)
ミュージック音量設定値=Z(dB)
主音量設定値=X(dB) …式(3)
上記式(3)によれば、マイク音量の指定値及びミュージック音量の指定値のうち、小さい方のマイク音量に対応するマイク音量設定値が下限基準値である0.0dBに設定される。一方、ミュージック音量設定値は、Zの値(すなわち、マイク音量とミュージック音量との差の絶対値)に設定される。これにより、マイク音量設定値とミュージック音量設定値との差が、使用者から指定されたマイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差と等しくなる。つまり、ここで設定されるマイク音量設定値及びミュージック音量設定値における音量のバランスが、使用者から指定されたマイク音量の指定値及びミュージック音量の指定値における音量のバランスと等しくなり、音量のバランスが維持されている。
また、主音量設定値は、Xの値(すなわち、マイク音量の指定値+主音量の指定値)に設定される。これは、マイク音量の指定値に対してマイク音量設定値を0.0dBに変更した際の変化値を、主音量の指定値に対して相反する方向に加えた値に相当する。これにより、使用者から指定された主音量の指定値における全体の音量が維持されるようになっている。
一方、S110においてZの値が6.0dBより大きい場合(S110:NO)、制御部11はS118に進む。S118では、制御部11は、各ボリューム152,153,157の出力レベルを実際に調節する値である音量設定値を算出するために用いる計算式を、以下の式(4)とおりに決定する。
マイク音量設定値=6.0−Z(dB)
ミュージック音量設定値=6.0(dB)
主音量設定値=Y−6.0(dB) …式(4)
上記式(4)によれば、マイク音量の指定値及びミュージック音量の指定値のうち、大きい方のミュージック音量に対応するミュージック音量設定値がフルスケールの音量レベルに相当する6.0dBに設定される。一方、マイク音量設定値は、6.0−Zの値に設定される。これにより、マイク音量設定値とミュージック音量設定値との差が、使用者から指定されたマイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差と等しくなる。
上記式(4)が適用される事例では、マイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差がフルスケールの6.0dBよりも大きいため、大きい方のミュージック音量設定値が上限の6.0dBに設定されるようになっている。その上で、マイク音量設定値とミュージック音量設定値における音量のバランスを維持し、かつ音質の劣化を極力低減するために、小さい方のマイク音量設定値を下限基準値である0.0dBに可能な限り近づくように設定されるようになっている。
また、主音量設定値は、Y−6.0の値に設定される。これは、ミュージック音量の指定値に対してミュージック音量設定値を6.0dBに変更した際の変化値を、主音量の指定値に対して相反する方向に加えた値に相当する。これにより、使用者から指定された主音量の指定値における全体の音量が維持されるようになっている。
S120では、制御部11は、上述のS112,S114,S116,S118の何れかにおいて決定された計算式に従って、マイク音量設定値、ミュージック音量設定値、及び主音量設定値を算出する。S122では、制御部11は、S122において算出されたマイク音量設定値、ミュージック音量設定値、及び主音量設定値の各値を、各ボリューム152,153,157において設定可能なバイナリデータに対応する値に変換する。ここで、算出されたマイク音量設定値、ミュージック音量設定値、及び主音量設定値の数値が、設定可能なバイナリデータに対応しない数値である場合、例えば、設定可能な近い数値にシフトさせる。また、算出された音量設定値の数値がミュート以下の数値である場合、ミュートに設定する。
S124では、制御部11は、各ボリューム152,153,157について、音量の調節を行う順序を決定する。具体的には、制御部11は、各ボリューム152,153,157のうち、変更前の時点における音量設定値から出力レベルを下げる処理を行う対象を、出力レベルを上げる処理を行う対象よりも先に調節するように順序を決定する。
S126では、制御部11は、各ボリューム152,153,157に対して、S122において変換されたマイク音量設定値、ミュージック音量設定値、及び主音量設定値に従って、S124において決定された順序で出力レベルを順次変更する制御を行う。これに対して、マイクボリューム152、ミュージックボリューム153、及びメインボリューム157は、制御部11により指示されたそれぞれの音量設定値に従って出力レベルを変更する。
S128では、制御部11は、カラオケ装置10の電源スイッチをオフにする指示を受付けたか否かを判定する。電源スイッチをオフにする指示を受付けていない場合(S128:NO)、制御部11はS100に戻る。一方、電源スイッチをオフにする指示を受付けた場合(S128:YES)、制御部11は音量設定処理を終了する。
[効果]
実施形態のカラオケ装置10によれば、以下の効果を奏する。
制御部11は、マイク音量設定値とミュージック音量設定値との差の値が、使用者により指定されたマイク音量の指定値とミュージック音量の指定値との差の値に等しくなるように、かつ、マイク音量の指定値及びミュージック音量の指定値のうち、小さい方の指定値について実際に調節する音量設定値を、下限基準値である0.0dBに可能な限り近くなるように、マイク音量設定値及びミュージック音量設定値を決定する。
また、制御部11は、マイク音量設定値及びミュージック音量設定値の少なくとも何れかが下限基準値以上になるように、マイク音量設定値及びミュージック音量設定値を決定する。また、下限基準値は、出力レベルの低下による音質の劣化が顕著にならない範囲の値で予め定められている。
このようにすることで、使用者が行う音量の設定に対して、ミュージック音とマイク音との音量のバランスを保持しながら、音質の劣化を低減することができる。また、マイク音量及びミュージック音量の指定値と、マイク音量設定値及びミュージック音量設定値との間の変化値を補償するように主音量設定値を決定することで、全体の音量を保持しながら音質の劣化を低減することができる。
また制御部11は、各ボリューム152,153,157のうち、変更前の時点における音量設定値から出力レベルを下げる処理を行う対象を、出力レベルを上げる処理を行う対象よりも先に調節するように順序を決定するように構成されている。このようにすることで、マイク音量、ミュージック音量、及び主音量を調節する過程において突然音量が大きくなることを回避することができ、使用者が受ける違和感を低減できる。
[特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態の各構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。
マイクボリューム152が、マイク音量調節部に相当する。ミュージックボリューム153が、楽曲音量調節部に相当する。D/A変換部154が、第1変換部に相当する。D/A変換部155が、第2変換部に相当する。ミキサ156が、ミキシング部に相当する。メインボリューム157が、メイン音量調節部に相当する。制御部11が音量設定UI200を介して各音量の入力値を取得して出力レベルのゲインの値に変換する処理が、取得部としての処理に相当する。制御部11が実行するS102〜S122の処理が、決定部としての処理に相当する。制御部11が実行するS124,S126の処理が、音量制御部としての処理に相当する。
[変形例]
上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が、本開示の実施形態である。
例えば、上述の実施形態においては、マイクボリューム152及びミュージックボリューム153としてデジタルボリュームが適用されており、メインボリューム157としてアナログボリュームが適用された事例について説明した。これに限らず、例えば、マイクボリュームやミュージックボリュームとしてアナログボリューム適用する構成や、メインボリュームとしてデジタルボリュームを適用する構成についても、本開示を適用可能である。
また、上述したカラオケ装置10の制御部11としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
10…カラオケ装置、11…制御部、12…通信インタフェース部、13…記憶部、14…操作部、15…音響制御部、16…ディスプレイ、17…マイク、18…スピーカ、20…リモコン端末、151…A/D変換部、152…マイクボリューム、153…ミュージックボリューム、154,155…D/A変換部、156…ミキサ、157…メインボリューム。

Claims (5)

  1. マイクを介して入力された音声に基づく音声信号の出力レベルであるマイク出力レベルを調節するように構成されたマイク音量調節部と、
    カラオケ楽曲の演奏音を発生する音源から出力された音声信号の出力レベルである楽曲出力レベルを調節するように構成された楽曲音量調節部と、
    前記マイク音量調節部及び前記楽曲音量調節部において出力レベルが調節された2種類の前記音声信号を混合するように構成されたミキシング部と、
    前記ミキシング部によりミキシングされた音声信号の出力レベルであるメイン出力レベルを調節するように構成されたメイン音量調節部と、
    前記マイク出力レベル、前記楽曲出力レベル、及び前記メイン出力レベルそれぞれについて、使用者によって指定された出力レベルの値を表す指定値を取得するように構成された取得部と、
    前記取得部により取得された各指定値に基づき、前記マイク出力レベルを実際に調節する設定値であるマイク出力設定値と、前記楽曲出力レベルを実際に調節する設定値である楽曲出力設定値と、前記メイン出力レベルを実際に調節する設定値であるメイン出力設定値とを決定するように構成された決定部と、
    前記決定部により決定されたマイク出力設定値、楽曲出力設定値、及びメイン出力設定値に従って、前記マイク音量調節部、前記楽曲音量調節部、及びメイン音量調節部それぞれについて出力レベルを調節するように構成された音量制御部とを備え、
    前記決定部は、
    前記マイク出力設定値と前記楽曲出力設定値との差の値が、前記マイク出力レベルの指定値と前記楽曲出力レベルの指定値との差の値に等しくなるように、かつ、前記マイク出力レベルの指定値及び前記楽曲出力レベルの指定値のうち、小さい方の指定値に対応する設定値を予め定められた下限の値である下限基準値に合わせるようにして、前記マイク出力設定値及び前記楽曲出力設定値を決定し、また、前記メイン出力レベルの指定値に対して、前記マイク出力レベル及び前記楽曲出力レベルの指定値と前記マイク出力設定値及び前記楽曲出力設定値との間の変化値を相反する方向に反映することによって、前記メイン出力設定値を決定するように構成されている、カラオケ装置。
  2. 請求項1に記載のカラオケ装置において、
    前記決定部は、前記マイク出力設定値及び前記楽曲出力設定値の少なくとも何れかが前記下限基準値以上になるように、前記マイク出力設定値及び前記楽曲出力設定値を決定するように構成されている、カラオケ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のカラオケ装置において、
    前記マイク音量調節部は、マイクを介して入力された音声に基づいて生成されたデジタル音声信号の出力レベルであるマイク出力レベルを調節するように構成されており、
    前記楽曲音量調節部は、カラオケ楽曲の演奏音を発生する音源から出力されたデジタル音声信号の出力レベルである楽曲出力レベルを調節するように構成されており、
    前記マイク音量調節部において出力レベルが調節されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する第1変換部と、
    前記楽曲音量調節部において出力レベルが調節されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する第2変換部とを更に備え、
    前記ミキシング部は、前記第1変換部及び前記第2変換部において変換された2種類のアナログ音声信号を混合するように構成されており、
    前記メイン音量調節部は、前記ミキシング部によりミキシングされたアナログ音声信号の出力レベルであるメイン出力レベルを調節するように構成されている、カラオケ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のカラオケ装置において、
    前記音量制御部は、前記決定部により決定されたマイク出力設定値、楽曲出力設定値、及びメイン出力設定値のうち、調節前の出力レベルより下げる対象を、調節前の出力レベルより上げる対象よりも先に調節するように構成されている、カラオケ装置。
  5. マイクを介して入力された音声に基づく音声信号の出力レベルであるマイク出力レベルを調節するように構成されたマイク音量調節部と、
    カラオケ楽曲の演奏音を発生する音源から出力された音声信号の出力レベルである楽曲出力レベルを調節するように構成された楽曲音量調節部と、
    前記マイク音量調節部及び前記楽曲音量調節部において出力レベルが調節された2種類の前記音声信号を混合するように構成されたミキシング部と、
    前記ミキシング部によりミキシングされた音声信号の出力レベルであるメイン出力レベルを調節するように構成されたメイン音量調節部と、
    を備えるカラオケ装置を制御するコンピュータが実行するプログラムであって、
    前記マイク出力レベル、前記楽曲出力レベル、及び前記メイン出力レベルそれぞれについて、使用者によって指定された出力レベルの値を表す指定値を取得する取得手順と、
    前記取得手順において取得された各指定値に基づき、前記マイク出力レベルを実際に調節する設定値であるマイク出力設定値と、前記楽曲出力レベルを実際に調節する設定値である楽曲出力設定値と、前記メイン出力レベルを実際に調節する設定値であるメイン出力設定値を決定する決定手順と、
    前記決定手順において決定されたマイク出力設定値、楽曲出力設定値、及びメイン出力設定値に従って、前記マイク音量調節部、前記楽曲音量調節部、及びメイン音量調節部それぞれについて出力レベルを調節する音量制御手順を有し、
    前記決定手順は、
    前記マイク出力設定値と前記楽曲出力設定値との差の値が、前記マイク出力レベルの指定値と前記楽曲出力レベルの指定値との差の値に等しくなるように、かつ、前記マイク出力レベルの指定値及び前記楽曲出力レベルの指定値のうち、小さい方の指定値に対応する設定値を予め定められた下限の値である下限基準値に合わせるようにして、前記マイク出力設定値及び前記楽曲出力設定値を決定し、また、前記メイン出力レベルの指定値に対して、前記マイク出力レベル及び前記楽曲出力レベルの指定値と前記マイク出力設定値及び前記楽曲出力設定値との間の変化値を相反する方向に反映することによって、前記メイン出力設定値を決定するように構成されている、プログラム。
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