JP6651067B1 - マスク装着時の耳保護材 - Google Patents

Abstract

【課題】マスク装着時の耳紐による疼痛を軽減し、繰り返しのマスク着脱行為を行うことにも対応でき、マスク装着行為の際に耳紐部分に煩わしい作業手順がなく、マスク非装着時においても頭頸部動作に制限がかからないようにすることを課題とする。【解決手段】マスクの耳紐が当たる部分の圧力をクッション機能で分散させるため、耳保護材を耳介付け根後方に設置する。耳保護材は耳介付け根の輪郭に沿って長軸方向にCの字型の形状をなし、上端は耳介付け根の上方を、下端は下方を覆う。繰り返しのマスク着脱でも耳保護材が脱落せず、マスク非装着時に頭頸部動作に制限をきたさぬように、粘着剤を用いて耳介後方の皮膚に耳保護材を貼付する。耳保護材背面には浅い縦溝があり、マスク耳紐は同部に係止して動作でズレない構造とする。【選択図】図４

Description

耳介後方の側頭骨部皮膚や乳様突起部皮膚に貼付して、衛生用マスク（以下、マスク）装着時にマスクの耳紐をかけた際に生じる疼痛を和らげる耳保護材に関する技術分野に属する。

近年の健康志向の高まりもあり、マスクは医療機関や衛生管理施設での使用のみではなく、家庭内、職場内、通勤や通学中の使用も増えてきた。

マスク需要の高まりにつれて、安価に大量生産されるようになった。この量産型のマスクは、細い耳紐により耳介付け根に係止して装着するタイプが一般的である。細い耳紐では、長時間の装着に際して耳介付け根部分への圧迫による疼痛が生じ不快感をもたらす。

この疼痛を回避する目的で、いくつかの工夫が試みられている。例えば、特許文献１では、耳介に係止して耳紐の圧力を防ぐサポート具の発明である。しかし、主に形状の工夫により耳介付け根に引っ掛けて落下を防ぐ構造であるため、マスク交換時などで耳紐の操作をした際や、マスク非装着時において姿勢変化や頭頸部動作により、当該サポート具が落下してしまう恐れがある。つまり、当該サポート具が落下して、紛失や損傷、汚染をきたしてしまうので、頻繁なマスクの着脱作業や、マスク非装着時の動作には不向きな側面がある。

特許文献２は、マスク装着時の耳紐を耳介と接触させず、耳介とは離れた部位に引っ掛けて固定するヘッドバンド型の保持具に関する発明である。しかし、当該保持具では動作によるマスクのズレを防止するため、頭部に強固に確実にヘッドバンドを固定する必要がある。また、外見上も大がかりな装具が頭部に装着されるため、美容上の問題が残る。

特開２０１６−１２３７３７号公報 特開２０１８−０８０４０８号公報

マスク装着時の耳紐による耳介付け根の疼痛を軽減し、繰り返しのマスク着脱行為を行うことにも対応でき、マスク装着行為の際にマスク本体や耳紐部分に煩わしい作業手順がなく、マスク非装着時においても頭頸部動作に制限がかからないようにすることを課題とする。

また、例えばマスクを一時的に外して眼鏡をかけ、その後に再びマスクを装着するような場合においても、煩わしい操作手順にならない簡便性を要す。

マスク装着時の耳紐による耳介付け根の疼痛を軽減する目的で、マスクの耳紐が当たる部分の圧力を分散させるため、クッション機能を有する耳保護材を耳介後方に設置する。

マスク耳紐による疼痛の生じやすい耳介付け根部分を覆い、同部になるべく限局して設置できる形状とする。すなわち、耳保護材は、耳介付け根の輪郭に沿って長軸方向にCの字型の形状（図１）をなし、上端（１）は耳介付け根の上方を、下端（３）は下方を覆う。マスク耳紐が接地する耳保護材の背面部分は、頭頚部動作で耳紐がズレないように、短軸断面で鍋底型に凹み（１２）、長軸方向に浅い縦溝を形成する背面構造とする。耳保護材の短軸断面は、前方に丸みを帯びた頂点とする三角形の形状（図５）をなし、設置時に耳保護材の外側面（４）は耳介（８）後面が接し、耳保護材の内側面（５）は粘着剤（６）を介して、側頭骨部皮膚や乳様突起部皮膚（９）に接する。

マスクの装着には、前もって粘着剤（６）を用いて耳介後方の側頭骨部皮膚や乳様突起部皮膚（９）に耳保護材を貼付しておき、耳保護材背面の浅い縦溝部分（１２）に、マスクの耳紐を係止するだけの作業手順である。マスクの着脱を繰り返す際にも、その都度耳保護材を交換する必要がない。そして、耳保護材は皮膚に貼付されているため、マスク非装着時においても体の動きで脱落せず、頭頚部の動作に大きな制限がかからない。さらに、マスクの装着に際して、マスク本体やマスクの耳紐に何らかの装着操作を加える必要がなく、簡便である。

耳保護材を後側方より見た斜視図。図左は外側後方より、図右は内側後方より眺める。 頭部を左斜め後方より見た斜視図。点線で囲った部位が耳保護材の貼付部位。 耳保護材を貼付し、耳介付け根に装着した斜視図。 耳保護材を装着した後に、マスクを装着した斜視図。点線部分は図５の断面図に相当。 耳介と貼付部位、耳保護材、マスク耳紐の位置関係を示した断面図。 耳保護材を両側耳介付け根に装着して、頭部後方より眺めた図。

マスク（１０）の装着をする前に耳保護材を以下の作業手順で設置する。すなわち、耳介後方の側頭骨部皮膚および乳様突起部皮膚（９）を確認する。同部は一般的に頭髪が殆どなく、耳保護材の使用後に粘着剤をはがす際にも疼痛を生じにくい。耳保護材内側面（５）にある粘着剤保護用剥離紙（７）をはがして、耳介後方の目的とする部位（９）に粘着剤（６）を介して貼付する。その際、耳保護材上端（１）が耳介上方の適切な位置に配置されるようにする。同様に、耳保護材下端（３）が耳介下方の適切な位置に配置されるように角度を調節する。こうすることで、耳保護材外側面（４）は耳介（８）の背面に接した位置関係となる。本操作を左右で行ってから、マスク本体部分（１０）を鼻および口にあてがい、マスクの耳紐（１１）を耳保護材背面の浅い縦溝（１２）に沿わせて係止する。

マスクは、医療機関や衛生管理施設において必要不可欠な装具である。近年の健康志向から、そのような施設以外でも利用範囲は広がり、家庭内や職場内、通勤や通学中での利用も多い。長時間のマスク使用を必要とする機会も増えており、その際の疼痛管理に対するニーズは非常に大きい。

１ 左耳保護材上端部
２ 左耳保護材中間部背面
３ 左耳保護材下端部
４ 左耳保護材外側面
５ 左耳保護材内側面
６ 粘着剤
７ 粘着剤保護用剥離紙
８ 左耳介
９ 耳保護材貼付部位（耳介後方の側頭骨部皮膚、乳様突起部皮膚）
１０ マスク
１１ マスク耳紐
１２ 左耳保護材背面の凹み構造
１３ 右耳保護材中間部背面
１４ 右耳介

Claims (1)

1. 耳介背側面で、マスク装着時の耳紐との間に介装される耳保護材であって、
   長軸断面形状は、
   耳介背面付け根の輪郭形状に沿う前方の空いたＣの字型で、
   短軸断面形状は、
   使用状態において前方になる頂点に丸みを設け、後方になる底辺側は内側に浅く湾曲している略三角形とされ、
   耳介背側面と頭部側面との間に形成される空間を埋めながら、皮膚に密着する立体形状を有しており、
   側頭骨部皮膚又は／及び乳様突起部皮膚に接する位置に限局させた粘着剤で、
   設定位置を固定させるマスク用の耳保護材。