以下、本発明の一実施形態の信号送信装置2について、図1〜図4を参照しながら説明する。信号送信装置2は、図1に示すように、入力部20と、出力部21と、昇圧回路10とを備えている。
入力部20は、直流の入力電圧V11が入力されるように構成されている。入力部20は、第1入力端子20A及び第2入力端子20Bを有している。第2入力端子20Bは、グランド(信号送信装置2のグランド)と電気的に接続されている。つまり、第1入力端子20Aは高電位側の入力端子であり、第2入力端子20Bは低電位側の入力端子である。ここで、「電気的に接続されている」とは、直接的又は間接的に接続されていることを意味する。
入力部20は、一対の給電路E11,E12を介して後述する直流電源装置1と電気的に接続されている。第1入力端子20Aは、給電路E11の一端と電気的に接続されている。第2入力端子20Bは、給電路E12の一端と電気的に接続されている。一対の給電路E11,E12それぞれの他端は、直流電源装置1と電気的に接続されている。本実施形態では、入力部20は、一対の給電路E11,E12を介して入力電圧V11が入力される。すなわち、直流電源装置1は、入力部20に入力電圧V11を印加するように構成されている。
出力部21は、直流の出力電圧V12を出力するように構成されている。出力部21は、第1出力端子21A及び第2出力端子21Bを有している。出力部21は、一対の給電路E21,E22を介して後述する点灯装置3と電気的に接続されている。第1出力端子21Aは、給電路E21の一端と電気的に接続されている。第2出力端子21Bは、給電路E22の一端と電気的に接続されている。一対の給電路E21,E22それぞれの他端は、点灯装置3と電気的に接続されている。本実施形態では、出力部21は、一対の給電路E21,E22を介して出力電圧V12を出力する。すなわち、点灯装置3は、出力部21から出力される出力電圧V12を電源として動作する。つまり、直流電源装置1から信号送信装置2を介して点灯装置3に供給される電力は直流電力であって、直流電源装置1から点灯装置3への配電は直流配電である。出力電圧V12の電圧値は、例えば30〜40[V]の範囲内の値である。
昇圧回路10は、入力電圧V11を昇圧することにより出力電圧V12を調節可能に構成されている。言い換えれば、昇圧回路10は、入力電圧V11を昇圧する機能を有効/無効に切り替え可能に構成されている。昇圧回路10は、図1に示すように、2つのコンデンサC1,C2と、インダクタL1と、2つのスイッチQ1,Q2と、制御回路22とを備えている。2つのスイッチQ1,Q2の各々は、例えばノーマリオフ型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。なお、以下では、説明の便宜上、コンデンサC1を「第1コンデンサC1」と称し、コンデンサC2を「第2コンデンサC2」と称する。また、スイッチQ1を「第1スイッチQ1」と称し、スイッチQ2を「第2スイッチQ2」と称する。
第1コンデンサC1は、入力コンデンサであって、入力部20に対して電気的に並列接続されている。つまり、第1コンデンサC1は、第1入力端子20A及び第2入力端子20B間に電気的に接続されている。第1コンデンサC1の高電位側の端子は、インダクタL1の第1端子11と電気的に接続されている。要するに、インダクタL1の第1端子11は、第1入力端子20A及び第1コンデンサC1の接続点(第1接続点)P1と電気的に接続されている。インダクタL1の第2端子12は、第1スイッチQ1のドレインと電気的に接続されている。第1スイッチQ1のゲートは、制御回路22と電気的に接続されている。第1スイッチQ1のソースは、第1コンデンサC1の低電位側の端子と電気的に接続されている。また、第1スイッチQ1のソースは、制御回路22と電気的に接続されている。なお、図1中のダイオードD1は、第1スイッチQ1の内蔵ダイオード(ボディダイオード)を表している。
第2スイッチQ2のソースは、第1スイッチQ1のドレインと電気的に接続されている。第2スイッチQ2のゲートは、制御回路22と電気的に接続されている。第2スイッチQ2のドレインは、第2コンデンサC2を介して、第1スイッチQ1のソースと電気的に接続されている。なお、図1中のダイオードD2は、第2スイッチQ2の内蔵ダイオードを表しており、インダクタL1の第2端子12に電気的に接続されている。要するに、第2スイッチQ2の内蔵ダイオードD2のアノードは、インダクタL1の第2端子12及び第1スイッチQ1の接続点(第2接続点)P2と電気的に接続されている。また、第2スイッチQ2の内蔵ダイオードD2のカソードは、第1出力端子21A及び第2コンデンサC2の接続点(第3接続点)P3と電気的に接続されている。
第2コンデンサC2は、出力コンデンサであって、出力部21に対して電気的に並列接続されている。つまり、第2コンデンサC2は、第1出力端子21A及び第2出力端子21B間に電気的に接続されている。
制御回路22は、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御するように構成されている。制御回路22は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等のハードウェアと、CPUで実行されるプログラムとで構成されている。また、制御回路22は、タイマを備えている。プログラムは、メモリに記憶されており、例えば、制御回路22の動作モード等が記述されている。制御回路22は、動作モードとして、第1制御モードと、第2制御モードとを有している。第1制御モードは、出力電圧V12の電圧値を変化させないモードである。第2制御モードは、出力電圧V12の電圧値を変化させて、出力部21から伝送データを送信するモードである。ここで、「第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御する」とは、制御回路22が第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオン状態にする場合だけでなく、制御回路22が第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態にする場合も含む。なお、伝送データの詳細については、後述する。
制御回路22は、後述する操作装置5から操作信号が入力されるように構成されている。また、制御回路22は、操作信号が入力されたか否かに基づいて、第1制御モードと第2制御モードとのいずれか一方を選択するように構成されている。ただし、本実施形態では、直流電源装置1から信号送信装置2の入力部20に入力電圧V11が印加されたとき、制御回路22は、操作信号によらず、動作モードとして第1制御モードを選択する。
制御回路22は、動作モードが第1制御モードの場合、図2に示すように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態とする。これにより、信号送信装置2では、入力電圧V11の電圧値(入力電圧値)と出力電圧V12の電圧値(出力電圧値)とが同じになる。すなわち、制御回路22は、動作モードが第1制御モードの場合、入力部20に入力された入力電圧V11を、出力部21から出力電圧V12として出力する。なお、図2中のVq1は、第1スイッチQ1のゲート電圧を表し、図2中のVq2は、第2スイッチQ2のゲート電圧を表している。また、「同じになる」とは、入力電圧値と出力電圧値との差がゼロになる場合だけでなく、入力電圧値と出力電圧値との差が実質的にゼロとみなすことができる程度の小さい値である場合を含む。例えば、昇圧回路10を構成する電子部品等による電圧降下によって出力電圧値が入力電圧値よりも小さな値になる場合を含む。
制御回路22は、操作装置5から操作信号が入力されたとき、操作信号に含まれる指示を伝送データに変換する。また、制御回路22は、操作装置5から操作信号が入力されたとき、動作モードとして第2制御モードを選択し、変換した伝送データに基づいて第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御する。本実施形態では、操作信号に含まれる指示は、点灯装置3の出力(出力電流)を変更する指示である。具体的には、操作信号に含まれる指示は、後述する光源4の点灯状態を変更する指示(例えば、光源4の調光レベル)である。
制御回路22は、動作モードが第2制御モードの場合、図3に示すように、出力電圧V12の電圧値を変化させるように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御する。詳細には、制御回路22は、動作モードが第2制御モードの場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1と第2電圧値v2との間で切り替わるように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御する。また、制御回路22は、動作モードが第2制御モードの場合、出力電圧V12の電圧値を第1電圧値v1と第2電圧値v2との間で切り替えて、出力部21から伝送データを送信する。第1電圧値v1は、入力電圧V11の電圧値と同じ値である。第2電圧値v2は、入力電圧V11を昇圧して得られた値であり、第1電圧値v1よりも大きな値である。なお、図3中のVq1は、第1スイッチQ1のゲート電圧を表し、図3中のVq2は、第2スイッチQ2のゲート電圧を表している。
伝送データは、光源4の点灯状態を変更するための情報(本実施形態では、光源4の調光レベル)である。調光レベルとは、光源4の光出力の度合い(程度)を意味し、光源4が全点灯(定格点灯)するときの調光レベルを100[%]と定義する。伝送データは、256段階の調光レベルが1対1に対応付けられた8ビットのビット列で構成されている。例えば、100[%]の調光レベルは、「00000000」のビット列に対応付けられている。50[%]の調光レベルは、例えば「01111111」に対応付けられている。0[%]の調光レベルは、「11111111」のビット列に対応付けられている。ただし、調光レベルは、必ずしも256段階である必要はなく、例えば128段階又は512段階であってもよい。つまり、調光レベルは、必ずしも8ビットである必要はなく、7ビット又は9ビットであってもよい。また、調光レベルは、例えば数段階、又は数十段階であってもよい。また、50[%]の調光レベルは、「01111111」に限らず、例えば「10000000」に対応付けられていてもよい。また、調光レベルは、連続的に変化(増加又は減少)してもよいし、段階的に変化してもよい。
制御回路22は、伝送データの任意のビットの値(ビット値)が「1」の場合、出力電圧V12の電圧値が第2電圧値v2となるように、第1スイッチQ1のオンオフを一定の周期で繰り返し、かつ、第2スイッチQ2をオフ状態とする。つまり、制御回路22は、伝送データの任意のビット値が「1」の場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1から第2電圧値v2に昇圧するように、第1スイッチQ1のオンオフを一定の周期で繰り返し、かつ、第2スイッチQ2をオフ状態とする。
また、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値が第2電圧値v2に達したとき(図3中のt2の時点)から第1所定時間を経過したとき(図3中のt3の時点)、第1スイッチQ1をオフ状態、かつ、第2スイッチQ2のオンオフを一定の周期で繰り返す。第1所定時間は、例えば10[ms]である。これにより、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替えることができる。このとき、制御回路22は、第1スイッチQ1をオフ状態、かつ、第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すことによって、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替えると共に、第2コンデンサC2に溜まった電荷を放電させている。なお、図3中のt1は、出力電圧V12が変化(立ち上がり)を開始した時点を表している。また、図3中のt4は、出力電圧V12の電圧値が第2電圧値v2から第1電圧値v1に戻った時点を表している。
第2コンデンサC2に溜まった電荷は、第1スイッチQ1がオフ状態かつ第2スイッチQ2がオン状態のとき、以下の放電経路で放電される。放電経路は、第2コンデンサC2の高電位側の端子、第2スイッチQ2、インダクタL1、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2の低電位側の端子の経路である。このとき、信号送信装置2では、インダクタL1に流れる電流IL1が増加するので、電流IL1がインダクタL1の定格電流を超える可能性がある。そこで、制御回路22は、図4に示すように、電流IL1が定格電流を超えないように、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2をオン状態にして第2所定時間T2が経過したとき、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態にする。第2所定時間T2は、例えば0.1[ms]である。この場合、放電経路は、インダクタL1の第1端子11、第1コンデンサC1、第1スイッチQ1の内蔵ダイオードD1、インダクタL1の第2端子12の経路となる。またこの場合、信号送信装置2では、インダクタL1に流れる電流IL1が減少する。なお、図4中のt5は、第1スイッチQ1をオフ状態、かつ、第2スイッチQ2をオン状態にした時点を表している。また、図4中のt6は、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態にした時点を表している。なお、図4中のVq1は、第1スイッチQ1のゲート電圧を表し、図4中のVq2は、第2スイッチQ2のゲート電圧を表している。
また、制御回路22は、図4に示すように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態にして第3所定時間T3が経過したとき、第1スイッチQ1をオフ状態、かつ、第2スイッチQ2をオン状態にする。第3所定時間T3は、例えば0.1[ms]である。すなわち、制御回路22は、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2をオン状態とする場合と、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態とする場合とを交互に繰り返す。これにより、信号送信装置2では、電流IL1が定格電流を超えることなく、第2コンデンサC2に溜まった電荷を放電することが可能になる。
一方、制御回路22は、伝送データの任意のビット値が「0」の場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1となるように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態とする。つまり、制御回路22は、伝送データの任意のビット値が「0」の場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1を維持するように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態とする。
制御回路22は、出力部21から8ビットの伝送データを送信する期間(伝送期間)を、8個のタイムスロットで構成する。8個のタイムスロットの各々は、一定の時間幅T0(図3参照)を有している。制御回路22は、伝送データの任意のビット値が「1」の場合、タイムスロットの時間幅T0よりも短い時間幅T1で、出力電圧V12の電圧値を第1電圧値v1から第2電圧値v2に切り替える(図3中のt1時点からt2時点までの期間)。なお、図3中のt2時点からt3時点までの期間は、出力電圧V12の電圧値が第2電圧値v2に維持されている。また、図3中のt3時点からt4時点までの期間に、出力電圧V12の電圧値が第2電圧値v2から第1電圧値v1に変化する。
ここで、制御回路22は、スタートビットを伝送データの先頭のビットの前に送信し、かつ、ストップビットを伝送データの末尾のビットの後に送信するように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御する。スタートビットは、伝送期間の開始を通知するためのビット又はビット列である。ストップビットは、伝送期間の終了を通知するためのビット又はビット列である。例えば、スタートビットは、「111」のようなビット列であり、ストップビットは、「000」のようなビット列である。
制御回路22は、動作モードが第2制御モードの場合、出力電圧V12の電圧値を変化させて、スタートビット、伝送データ及びストップビットを含む信号(伝送信号)を出力部21から送信する。ただし、伝送データのデータ長が固定されている場合、必ずしもストップビットを信号送信装置2から送信しなくても、後述する信号受信装置6が伝送期間の終了を判定することができる。
また、制御回路22は、伝送期間と異なる期間(伝送期間以外の期間)において、出力電圧V12の電圧値が入力電圧V11の電圧値と同じになるように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態とする。つまり、制御回路22は、出力部21から伝送信号を送信した後、動作モードとして第1制御モードを選択する。
昇圧回路10は、出力部21から伝送信号を送信するときに、入力電圧V11を昇圧する機能を有効にし、出力電圧V12の電圧値を第1電圧値v1と第2電圧値v2との間で切り替えて、伝送信号を送信している。つまり、昇圧回路10は、出力部21から伝送信号を送信するときに、出力電圧V12の電圧値を、第1電圧値v1よりも大きな第2電圧値v2としている。これにより、信号送信装置2では、伝送信号を伝送する一対の給電路E21,E22の電圧降下に起因して、伝送信号が信号受信装置6で受信できなくなるのを抑制可能となる。
信号送信装置2は、上述のように、入力部20と、出力部21と、昇圧回路10とを備えている。昇圧回路10は、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2と、インダクタL1と、第1スイッチQ1と、ダイオード(第2スイッチQ2の内蔵ダイオード)D2と、第2スイッチQ2と、制御回路22とを有している。制御回路22は、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御して出力電圧V12の電圧値を変化させることで、出力部21から伝送データを送信する。つまり、信号送信装置2は、特許文献1記載のLED照明システムの調光インタフェース部(以下、「従来例の装置」)よりも簡単な構成(回路構成)で、伝送データを送信することができる。よって、信号送信装置2は、従来例の装置よりも、装置を構成するスイッチの数を減らすことが可能となり、例えばスイッチの導通損を低減することが可能になる。すなわち、信号送信装置2は、従来例の装置よりも低損失化を図ることが可能になる。
ところで、特許文献1には、調光インタフェース部から出力される電圧(信号重畳電圧)は、AC/DC変換部から得られる直流電圧と振幅がほぼ同じで、調光器からの調光信号のオン/オフに合わせて電圧の正負が変化する電圧であることが記載されている。つまり、特許文献1記載のLED照明システムでは、調光インタフェース部からの信号重畳電圧を無極性化するダイオードブリッジが必須となる。これに対して、信号送信装置2は、出力電圧V12の電圧値を第1電圧値v1と第2電圧値v2との間で切り替えるので、出力電圧V12の電圧値がマイナスになることがなく、特許文献1記載のようなダイオードブリッジが不要になるという利点がある。
また、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、第2コンデンサC2に溜まった電荷を第2スイッチQ2によって放電する。これにより、信号送信装置2は、以下の比較例の信号送信装置に比べて、出力電圧V12の電圧値を短い時間で第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替えることが可能になる。比較例の信号送信装置は、第2スイッチQ2を備えず、かつ、第1スイッチQ1のみをオフ状態にして出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合の信号送信装置である。よって、信号送信装置2は、比較例の信号送信装置に比べて、伝送データの伝送期間を短くすることができる。つまり、信号送信装置2は、比較的短い時間で伝送データを送信することができる。
制御回路22は、動作モードが第2制御モードで、かつ、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返しているが、これに限らない。制御回路22は、動作モードが第2制御モードで、かつ、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2をオン状態としてもよい。この場合、第2スイッチQ2は、比較的高い耐圧性能を有するMOSFETである。ただし、信号送信装置2では、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すことによって、第2スイッチQ2に大きな電流が流れるのを抑制することが可能となり、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる。その結果、信号送信装置2では、第2スイッチQ2の長寿命化を図ることが可能になる。
第2スイッチQ2は、MOSFETに限らず、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであってもよい。この場合、第2スイッチQ2のエミッタがインダクタL1の第2端子12と電気的に接続され、第2スイッチQ2のゲートが制御回路22と電気的に接続され、第2スイッチQ2のコレクタが第2コンデンサC2の高電位側の端子と電気的に接続される。またこの場合、第2スイッチQ2のコレクタ及びエミッタ間には、ダイオード(外付けダイオード)が電気的に接続される。ダイオードのアノードは、第2スイッチQ2のエミッタと電気的に接続され、ダイオードのカソードは、第2スイッチQ2のコレクタと電気的に接続される。ただし、信号送信装置2は、第2スイッチQ2としてMOSFETを用いて、第2スイッチQ2の内蔵ダイオードD2がインダクタL1の第2端子12と電気的に接続されることで、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを用いた場合よりも、小型化を図ることが可能になる。つまり、信号送信装置2では、ダイオード(外付けダイオード)を別途用いることなく、第2スイッチQ2の内蔵ダイオードD2を利用しているため、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及び外付けダイオードを用いた場合よりも、小型化を図ることが可能になる。
上述の信号送信装置2は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、上記実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、本実施形態の変形例を列挙する。
制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合に、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すとき、第2スイッチQ2のオン時間を時間経過に伴って変化させてもよい。具体的には、制御回路22は、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すときに、第2スイッチQ2のオン時間を徐々に増加させてもよい。例えば、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って第2スイッチQ2のオン時間が徐々に長くなるように、第2スイッチQ2のオン時間を連続的に変化させる。要するに、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って、第2スイッチQ2のオン時間を長くする。この構成によれば、第2コンデンサC2に溜まった電荷が急に放電される(第2コンデンサC2から放電電流が急に流れる)のを抑制可能となる。よって、この構成であれば、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すときに第2スイッチQ2のオン時間を変化させない場合よりも、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる。
また、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合に、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すとき、第2スイッチQ2のスイッチング周波数を時間経過に伴って変化させてもよい。具体的には、制御回路22は、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すときに、第2スイッチQ2のスイッチング周波数を徐々に低下させてもよい。例えば、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って第2スイッチQ2のスイッチング周波数が徐々に低くなるように、第2スイッチQ2のスイッチング周波数を連続的に変化させる。要するに、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って、第2スイッチQ2のスイッチング周波数を低くする。この構成によっても、第2コンデンサC2に溜まった電荷が急に放電される(第2コンデンサC2から放電電流が急に流れる)のを抑制可能となる。よって、この構成であれば、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すときに第2スイッチQ2のスイッチング周波数を変化させない場合よりも、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる。
ここにおいて、制御回路22は、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返す場合に、第2スイッチQ2のオン時間と、第2スイッチQ2のスイッチング周波数との両方を時間経過に伴って変化させるように構成されていてもよい。すなわち、制御回路22は、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返す場合に、第2スイッチQ2のオン時間と、第2スイッチQ2のスイッチング周波数との少なくとも一方を時間経過に伴って変化させるように構成されていてもよい。第2スイッチQ2のオン時間と第2スイッチQ2のスイッチング周波数との両方を変化させる場合は、第2スイッチQ2のオン時間又は第2スイッチQ2のスイッチング周波数を変化させる場合よりも、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる。
制御回路22は、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って第2スイッチQ2のオン時間が徐々に長くなるように、第2スイッチQ2のオン時間を段階的に変化させてもよい。同様に、制御回路22は、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って第2スイッチQ2のスイッチング周波数が徐々に低くなるように、第2スイッチQ2のスイッチング周波数を段階的に変化させてもよい。
信号送信装置2は、例えば、第1出力端子21Aと第2コンデンサC2の高電位側の端子との間の電路に、出力部21から昇圧回路10に電流が流れ込むのを防止する整流素子が設けられていてもよい。整流素子は、例えばダイオードである。この場合、整流素子のアノードは、第2コンデンサC2の高電位側の端子と電気的に接続され、整流素子のカソードは、第1出力端子21Aと電気的に接続される。この構成によれば、昇圧回路10に過電流が流れ込むのを抑制できるので、昇圧回路10の長寿命化を図ることが可能になる。なお、整流素子は、ダイオードに限らず、例えばPチャネルMOSFET等であってもよい。この場合、PチャネルMOSFETのソースが第2コンデンサC2の高電位側の端子と電気的に接続され、PチャネルMOSFETのゲートが制御回路22と電気的に接続され、PチャネルMOSFETのドレインが第1出力端子21Aと電気的に接続される。またこの場合、制御回路22は、動作モードが第1制御モードの場合にPチャネルMOSFETをオン状態とし、動作モードが第2制御モードの場合にPチャネルMOSFETをオフ状態とする。また、整流素子は、第1出力端子21Aと第2コンデンサC2の高電位側の端子との間の電路以外に、第2出力端子21Bと第2コンデンサC2の低電位側の端子との間の電路に設けられてもよい。この場合、整流素子のアノードは、第2コンデンサC2の低電位側の端子と電気的に接続され、整流素子のカソードは、第2出力端子21Bと電気的に接続される。また、整流素子は、信号送信装置2に限らず、点灯装置3又は信号受信装置6に設けられてもよい。
制御回路22は、タイムスロットの始期と、出力電圧V12の変化(立ち上がり)の開始とが一致するように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御しているが、これに限らない。制御回路22は、タイムスロット内の任意の期間に、出力電圧V12の変化を開始させてもよい。
また、制御回路22は、電流IL1が定格電流を超えないように、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2をオン状態にして第2所定時間T2が経過したとき、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態にしているが、これに限らない。制御回路22は、例えば電流IL1の電流値が閾値(第1閾値)に達したときに、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態にしてもよい。この場合、信号送信装置2は、インダクタL1(一次巻線)と磁気的に結合された二次巻線を備え、制御回路22は、二次巻線に発生する電流の電流値が第1閾値に達したときに、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態とする。またこの場合、制御回路22は、二次巻線に発生する電流の電流値がゼロに達したときに、第1スイッチQ1をオフ状態、かつ、第2スイッチQ2をオン状態とする。
以下、上述の信号送信装置2を備える照明システム100について説明する。照明システム100は、図1に示すように、直流電源装置1と、信号送信装置2と、点灯装置3と、光源4と、操作装置5と、信号受信装置6とを備えている。
直流電源装置1は、交流電源200の交流電圧を直流電圧(本実施形態では、入力電圧V11)に変換するように構成されている。また、直流電源装置1は、入力電圧V11を、一対の給電路E11,E12を介して信号送信装置2へ出力するように構成されている。交流電源200は、例えば商用電源である。交流電圧の実効値は、例えば100[V]である。交流電圧の周波数(電源周波数)は、例えば50又は60[Hz]である。なお、照明システム100は、交流電源200を構成要件として含まない。
点灯装置3は、信号送信装置2の出力部21から出力される出力電圧V12によって、光源4を点灯させるように構成されている。また、点灯装置3は、信号受信装置6の後述する受信回路62で取得された伝送データに基づいて、光源4に対する出力(本実施形態では、出力電流)を変更するように構成されている。点灯装置3は、図1に示すように、入力部30と、出力部31と、定電流回路32とを備えている。
入力部30は、一対の給電路E21,E22を介して、出力電圧V12が入力されるように構成されている。入力部30は、一対の入力端子30A,30Bを有している。入力端子30Aは、給電路E21を介して、第1出力端子21Aと電気的に接続されている。入力端子30Bは、給電路E22を介して、第2出力端子21Bと電気的に接続されている。
出力部31は、一対の給電路E31,E32を介して光源4と電気的に接続されている。出力部31は、一対の出力端子31A,31Bを有している。出力端子31Aは、給電路E31の一端と電気的に接続されている。出力端子31Bは、給電路E32の一端と電気的に接続されている。一対の給電路E31,E32それぞれの他端は、光源4と電気的に接続されている。
定電流回路32は、光源4に流れる電流I1の電流値を目標値と一致させるように構成されている。定電流回路32は、例えば降圧型のスイッチングコンバータである。定電流回路32は、目標値が変更されたとき、電流I1を増加又は減少させることによって光源4の点灯状態を変更する。なお、本実施形態では、光源4に流れる電流I1は、点灯装置3の出力電流に相当する。
光源4は、複数の固体発光素子40を有している。複数の固体発光素子40の各々は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。LEDは、無機LEDであってもよいし、有機LEDであってもよい。複数の固体発光素子40の接続は、直列接続である。光源4のアノード側の端子は、給電路E31を介して出力端子31Aと電気的に接続されている。光源4のカソード側の端子は、給電路E32を介して出力端子31Bと電気的に接続されている。
操作装置5は、ユーザによる操作入力を受け付けるように構成されている。操作装置5は、操作部を備えている。操作装置5は、制御回路22と電気的に接続されている。操作装置5は、例えば調光器である。操作部は、例えば、ダイヤル(調光つまみ)、スライダー、又は押釦スイッチである。操作装置5は、ユーザにより操作部が操作されたとき、点灯装置3の出力を変更する指示を制御回路22に与える。例えば、操作装置5は、操作部の操作結果に従って、点灯装置3の出力を変更する指示を含む操作信号を制御回路22へ出力する。
信号受信装置6は、信号送信装置2から送信される伝送データを受信するように構成されている。信号受信装置6は、図1に示すように、接続部60と、分圧回路61と、受信回路62とを備えている。
接続部60は、一対の給電路E41,E42を介して信号送信装置2の出力部21と電気的に接続されている。接続部60は、第1接続端子60A及び第2接続端子60Bを有している。第1接続端子60Aは、給電路E41を介して、第1出力端子21Aと電気的に接続されている。第2接続端子60Bは、給電路E42を介して、第2出力端子21Bと電気的に接続されている。本実施形態では、接続部60は、一対の給電路E41,E42を介して出力電圧V12が入力される。
分圧回路61は、2つの抵抗R1,R2の直列回路で構成されている。分圧回路61は、第1接続端子60A及び第2接続端子60B間に電気的に接続されている。詳細には、抵抗R1の第1端子は、第1接続端子60Aと電気的に接続されている。抵抗R1の第2端子は、抵抗R2の第1端子と電気的に接続されている。抵抗R2の第2端子は、第2接続端子60Bと電気的に接続されている。分圧回路61は、接続部60に入力される出力電圧V12を分圧して、分圧した電圧(本実施形態では、抵抗R2の両端電圧)を受信回路62へ出力する。
受信回路62は、分圧回路61から出力される電圧の電圧値の変化を検出して、伝送データを取得するように構成されている。つまり、受信回路62は、接続部60に入力される出力電圧V12の電圧値の変化を検出して伝送データを取得する。また、受信回路62は、PWM(Pulse Width Modulation)信号を定電流回路32へ出力するように構成されている。受信回路62は、例えば制御用IC(Integrated Circuit)である。この制御用ICは、バッファメモリを備えている。
受信回路62は、分圧回路61から出力された電圧(検出電圧)を一定のサンプリング周期でサンプリングして、検出電圧の電圧値をバッファメモリに格納する。サンプリング周期は、信号送信装置2が1ビット分の伝送データを送信する時間幅T1(図3参照)よりも短い。また、受信回路62は、検出電圧の電圧値と、予め設定された第2閾値とを比較することによって、伝送信号(スタートビット、伝送データ及びストップビット)を受信する。例えば、受信回路62は、検出電圧の電圧値が第2閾値を上回った場合に、「1」のビット値を受信したと判定し、受信したビット値をバッファメモリに格納する。第2閾値は、第1電圧値v1よりも大きく、かつ、第2電圧値v2よりも小さな値である。本実施形態では、受信回路62は、スタートビットを受信すると、スタートビットに続いて送信される伝送データを受信してバッファメモリに格納する。そして、受信回路62は、ストップビットを受信すると、バッファメモリへの伝送データの格納を終了する。
受信回路62は、バッファメモリに格納した伝送データから光源4の調光レベルを読み取る。また、受信回路62は、読み取った調光レベルをPWM信号に変換して、変換したPWM信号を定電流回路32へ出力する。本実施形態では、受信回路62は、一定の周期の方形波のデューティ比を調光レベルに応じて変化させ、調光レベルをPWM信号に変換している。例えば、受信回路62は、調光レベルが100[%]のときに、デューティ比を100[%]とする。また、受信回路62は、調光レベルが50[%]のときに、デューティ比を50[%]とする。さらに、受信回路62は、調光レベルが0[%]のときに、デューティ比を0[%]とする。
点灯装置3の定電流回路32は、受信回路62からのPWM信号に基づいて、光源4の点灯状態を変更する。詳細には、定電流回路32は、受信回路62からのPWM信号に基づいて、光源4に流れる電流I1の目標値を変更する。例えば、定電流回路32は、PWM信号のデューティ比が100[%]の場合、電流I1の目標値を、光源4の定格電流の電流値(定格値)とする。また、定電流回路32は、PWM信号のデューティ比が50[%]の場合、電流I1の目標値を定格値の半分の値とする。さらに、定電流回路32は、PWM信号のデューティ比が0[%]の場合、電流I1の目標値を略ゼロの値とする。
以下、照明システム100の動作の一例について説明する。なお、以下では、ユーザが操作装置5を用いて光源4の調光レベルを100[%]から50[%]に変更する場合について説明する。
操作装置5は、調光レベルを50[%]とする操作信号を、信号送信装置2の制御回路22へ出力する。制御回路22は、操作装置5から操作信号が入力されたとき、第2制御モードを選択し、操作信号に含まれる50[%]の調光レベルを伝送データ(「01111111」の8ビットのビット列)に変換する。そして、制御回路22は、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御して、出力部21からスタートビットを送信した後に伝送データを送信し、最後にストップビットを送信する。すなわち、信号送信装置2は、出力部21から伝送信号を送信する。
信号送信装置2から送信された伝送信号は、信号受信装置6の受信回路62で受信される。受信回路62は、受信した伝送信号に含まれる伝送データから調光レベルを読み取り、読み取った調光レベルをPWM信号に変換する。そして、受信回路62は、変換したPWM信号を点灯装置3の定電流回路32へ出力する。定電流回路32は、受信回路62からのPWM信号に応じて、光源4に流れる電流I1の目標値を定格値の半分の値とする。これにより、電流I1の電流値が定格値の半分になるので、光源4から放射される光の量(光束)は、調光レベルが100[%]のとき(定格点灯時)の光束のおおよそ半分になる。つまり、光源4は、定格点灯時の半分の光束に調光される。
ところで、信号送信装置2、点灯装置3及び信号受信装置6は、点灯システム7(図1参照)を構成する構成要素に含まれていてもよい。つまり、点灯システム7は、信号送信装置2と、点灯装置3と、信号受信装置6とを備える。
また、点灯装置3、光源4及び信号受信装置6は、照明器具8(図1参照)を構成する構成要素に含まれていてもよい。つまり、照明器具8は、点灯装置3と、光源4と、信号受信装置6とを備える。照明器具8は、例えば、図5に示すように、スポットライトである。照明器具8は、照明器具用ライティングダクト300と組み合わせて使用される。なお、図5では、照明器具8の台数が3台の場合を表している。3台の照明器具8の各々は、信号送信装置2の出力部21に対して電気的に並列接続される。3台の照明器具8の構成及び機能は同様であるから、以下では、3台の照明器具8のうち1台の照明器具8について構成及び機能を説明する。また、以下では、説明の便宜上、照明器具用ライティングダクト300を、単に「ダクト300」と略称する。
ダクト300は、天井に取り付けられる。ダクト300は、第1ケーブル91を介して、信号送信装置2と電気的に接続される。すなわち、ダクト300は、信号送信装置2から第1ケーブル91を介して出力電圧V12が入力される。本実施形態では、第1ケーブル91は、一対の第1電線を備えている。
照明器具8は、本体80と、プラグ81と、アーム82とを備えている。本体80は、窓孔80Aを有している。本体80の内部には、点灯装置3、光源4及び信号受信装置6が収納されている。窓孔80Aは、パネル83で覆われている。
プラグ81は、一対の電極板を備えている。一対の電極板は、ダクト300の挿入口300Aからダクト300内に挿入され、ダクト300内に固定された2本の導体と電気的に接続されている。2本の導体は、第1ケーブル91を介して信号送信装置2と電気的に接続されている。また、プラグ81は、第2ケーブル92を介して、本体80内に収納された点灯装置3及び信号受信装置6と電気的に接続されている。
アーム82は、本体80を支持する。また、アーム82は、プラグ81に支持されている。
なお、照明器具8の台数は、3台に限らず、4台以上であってもよく、2台であってもよい。また、照明器具8の台数は、1台であってもよい。
以上説明したように、本実施形態の信号送信装置2は、入力部20と、出力部21と、昇圧回路10とを備えている。入力部20は、直流の入力電圧V11が入力されるように構成されている。入力部20は、第1入力端子20A及び第2入力端子20Bを有している。出力部21は、直流の出力電圧V12を出力するように構成されている。出力部21は、第1出力端子21A及び第2出力端子21Bを有している。昇圧回路10は、入力部20と出力部21との間に設けられている。昇圧回路10は、入力電圧V11を昇圧することにより出力電圧V12を調節可能に構成されている。昇圧回路10は、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2と、インダクタL1と、第1スイッチQ1と、ダイオード(第2スイッチQ2の内蔵ダイオード)D2と、第2スイッチQ2と、制御回路22とを有している。第1コンデンサC1は、第1入力端子20A及び第2入力端子20B間に電気的に接続されている。第2コンデンサC2は、第1出力端子21A及び第2出力端子21B間に電気的に接続されている。インダクタL1は、第1端子11及び第2端子12を有している。また、インダクタL1は、第1入力端子20A及び第1コンデンサC1の接続点(第1接続点)P1に第1端子11が電気的に接続されている。第1スイッチQ1は、インダクタL1の第2端子12と、第2入力端子20B及び第2出力端子21Bとの間の電路を開閉するように構成されている。ダイオードD2は、インダクタL1の第2端子12及び第1スイッチQ1の接続点(第2接続点)P2にアノードが電気的に接続され、かつ、第1出力端子21A及び第2コンデンサC2の接続点(第3接続点)P3にカソードが電気的に接続されている。第2スイッチQ2は、ダイオードD2に対して電気的に並列接続されている。制御回路22は、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御するように構成されている。また、制御回路22は、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御して出力電圧V12の電圧値を変化させることで、出力部21から伝送データを送信するように構成されている。
この構成によれば、特許文献1記載のLED照明システムの調光インタフェース部(従来例の装置)よりも簡単な構成(回路構成)で、伝送データを送信することができる。よって、この構成であれば、従来例の装置よりも、装置を構成するスイッチの数を減らすことが可能となり、例えばスイッチの導通損を低減することが可能になる。つまり、この構成であれば、低損失化を図ることが可能になる。またこの構成によれば、出力部21から伝送データを送信する場合に、昇圧回路10によって入力電圧V11を昇圧して出力電圧V12を変化させる(調節する)。よって、この構成であれば、伝送データを伝送する一対の給電路E21,E22の電圧降下に起因して、伝送データが信号受信装置6で取得できなくなるのを抑制可能となる。
昇圧回路10は、上述のように、出力電圧V12の電圧値を、第1電圧値v1と第2電圧値v2との間で切り替え可能に構成されていることが好ましい。第1電圧値v1は、入力電圧V11の電圧値と同じである。第2電圧値v2は、入力電圧V11を昇圧して得られた値である。制御回路22は、上述のように、動作モードとして、第1制御モードと、第2制御モードとを有していることが好ましい。第1制御モードは、出力電圧V12の電圧値を変化させないモードである。第2制御モードは、出力電圧V12の電圧値を変化させて出力部21から伝送データを送信するモードである。制御回路22は、上述のように、動作モードが第1制御モードの場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1となるように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフ状態とするように構成されていることが好ましい。また、制御回路22は、上述のように、動作モードが第2制御モードの場合、出力電圧V12の電圧値を第1電圧値v1と第2電圧値v2との間で切り替えて出力部21から伝送データを送信するように、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を制御するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、従来例の装置よりも簡単な制御で、伝送データを送信することができる。
制御回路22は、上述のように、動作モードが第2制御モードで、かつ、出力電圧V12の電圧値を第1電圧値v1から第2電圧値v2に切り替える場合、第1スイッチQ1のオンオフを繰り返し、かつ、第2スイッチQ2をオフ状態とするように構成されていることが好ましい。また、制御回路22は、上述のように、動作モードが第2制御モードで、かつ、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すように構成されていることが好ましい。又は、制御回路22は、動作モードが第2制御モードで、かつ、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2をオン状態とするように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、上述の比較例の信号送信装置に比べて、出力電圧V12の電圧値を短い時間で第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替えることが可能になる。よって、この構成であれば、比較例の信号送信装置に比べて、伝送データの伝送期間を短くすることができる。さらに、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返す場合であれば、第2スイッチQ2に大きな電流が流れるのを抑制することが可能となり、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できるという利点もある。
制御回路22は、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返す場合に、第2スイッチQ2のオン時間と、第2スイッチQ2のスイッチング周波数との少なくとも一方を時間経過に伴って変化させることが好ましい。
この構成によれば、第2コンデンサC2に溜まった電荷が急に放電される(第2コンデンサC2から放電電流が急に流れる)のを抑制可能となる。よって、この構成であれば、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すときに第2スイッチQ2のオン時間又はスイッチング周波数を変化させない場合よりも、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる。さらに、第2スイッチQ2のオン時間と第2スイッチQ2のスイッチング周波数との両方を変化させる場合であれば、第2スイッチQ2のオン時間又はスイッチング周波数を変化させる場合よりも第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる利点がある。
制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って、第2スイッチQ2のオン時間を長くすることが好ましい。
この構成によっても、第2コンデンサC2に溜まった電荷が急に放電される(第2コンデンサC2から放電電流が急に流れる)のを抑制可能となる。よって、この構成であれば、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すときに第2スイッチQ2のオン時間を変化させない場合よりも、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる。
制御回路22は、出力電圧V12の電圧値を第2電圧値v2から第1電圧値v1に切り替える場合、出力電圧V12の電圧値が第1電圧値v1に近づくに従って、第2スイッチQ2のスイッチング周波数を低くすることが好ましい。
この構成によっても、第2コンデンサC2に溜まった電荷が急に放電される(第2コンデンサC2から放電電流が急に流れる)のを抑制可能となる。よって、この構成であれば、第1スイッチQ1をオフ状態かつ第2スイッチQ2のオンオフを繰り返すときに第2スイッチQ2のスイッチング周波数を変化させない場合よりも、第2スイッチQ2に過度なストレスが加わるのを抑制できる。
第2スイッチQ2は、上述のように、MOSFETであることが好ましい。ダイオードD2は、第2スイッチQ2の内蔵ダイオードであることが好ましい。
この構成によれば、ダイオード(外付けダイオード)を別途用いることなく、第2スイッチQ2の内蔵ダイオードD2を利用しているため、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及び外付けダイオードを用いた場合よりも、小型化を図ることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の信号受信装置6は、接続部60と、受信回路62とを備えている。接続部60は、信号送信装置2の出力部21と電気的に接続される。受信回路62は、接続部60に入力される出力電圧V12の電圧値の変化を検出して、伝送データを取得するように構成されている。
この構成によれば、信号送信装置2から送信される伝送データを受信することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の点灯システム7は、信号送信装置2と、信号受信装置6と、点灯装置3とを備えている。信号受信装置6は、接続部60及び受信回路62を有している。接続部60は、信号送信装置2の出力部21と電気的に接続される。受信回路62は、接続部60に入力される出力電圧V12の電圧値の変化を検出して、伝送データを取得するように構成されている。点灯装置3は、出力部21から出力される出力電圧V12によって、光源4を点灯させるように構成されている。また、点灯装置3は、信号受信装置6の受信回路62で取得された伝送データに基づいて、光源4に対する出力を変更するように構成されている。
この構成によれば、低損失化を図ることが可能な信号送信装置2を備えた点灯システム7を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態の照明器具8は、信号受信装置6と、光源4と、点灯装置3とを備えている。点灯装置3は、信号送信装置2の出力部21から出力される出力電圧V12によって、光源4を点灯させるように構成されている。また、点灯装置3は、信号受信装置6の受信回路62で取得された伝送データに基づいて、光源4に対する出力を変更するように構成されている。
この構成によれば、信号送信装置2から送信される伝送データを受信可能な信号受信装置6を備えた照明器具8を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態の照明システム100は、点灯システム7と、光源4と、直流電源装置1と、操作装置5とを備えている。光源4は、点灯システム7の点灯装置3によって点灯される。直流電源装置1は、点灯システム7の信号送信装置2の入力部20に入力電圧V11を印加するように構成されている。操作装置5は、操作入力を受け付けて操作信号を信号送信装置2へ出力するように構成されている。信号送信装置2は、操作信号に基づいて伝送データを送信する。
この構成によれば、低損失化を図ることが可能な信号送信装置2を備えた照明システム100を提供することができる。ただし、直流電源装置1及び操作装置5は、照明システム100の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、本実施形態の照明システム100は、信号送信装置2と、照明器具8と、直流電源装置1と、操作装置5とを備えている。照明器具8は、接続部60及び受信回路62を有する信号受信装置6を含む。接続部60は、信号送信装置2の出力部21と電気的に接続される。受信回路62は、接続部60に入力される出力電圧V12の電圧値の変化を検出して、伝送データを取得するように構成されている。直流電源装置1は、信号送信装置2の入力部20に入力電圧V11を印加するように構成されている。操作装置5は、操作入力を受け付けて操作信号を信号送信装置2へ出力するように構成されている。信号送信装置2は、操作信号に基づいて伝送データを送信する。
この構成によっても、低損失化を図ることが可能な信号送信装置2を備えた照明システム100を提供することができる。ただし、直流電源装置1及び操作装置5は、照明システム100の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
なお、伝送データは、光源4の調光レベルに限らず、例えば光源4の色温度を変更する(光源4を調色する)ための調色レベルであってもよい。また、伝送データは、光源4の調光レベルのみに限らず、光源4の調光レベル及び調色レベルの両方を含んでもよい。また、伝送データは、光源4の調光レベルに限らず、例えば、照明器具8にスピーカが内蔵されている場合、音声データ(音楽データ)であってもよい。つまり、信号送信装置2は音声データを伝送データとして送信し、照明器具8のスピーカは信号受信装置6の受信回路62で取得された伝送データによって駆動され音声(音楽)を出力することができる。
第1スイッチQ1は、MOSFETに限らず、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであってもよい。この場合、第1スイッチQ1のコレクタ及びエミッタ間には、ダイオードが電気的に接続される。ダイオードのアノードは、第1スイッチQ1のエミッタと電気的に接続され、ダイオードのカソードは、第1スイッチQ1のコレクタと電気的に接続される。また、第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2は、同じスイッチであるが、異なるスイッチであってもよい。
直流電源装置1は、交流電圧を入力電圧V11に変換する機能を有しているが、入力電圧V11を生成する機能を有していてもよい。また、直流電源装置1は、太陽光発電装置から出力された直流電圧を入力電圧V11に変換する機能を有していてもよい。
点灯装置3は、定電流回路32を備えているが、これに限らず、例えば、定電圧回路を備えていてもよい。定電流回路32は、降圧型のスイッチングコンバータに限らず、例えば、昇圧型のスイッチングコンバータ又は昇降圧型のスイッチングコンバータ等であってもよい。
複数の固体発光素子40の接続は、直列接続に限らず、例えば、並列接続であってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。また、複数の固体発光素子40の各々は、LEDに限らず、例えば有機EL(Electro Luminescence)等であってもよい。また、固体発光素子40の数は、複数に限らず、1つであってもよい。
操作装置5は、調光器に限らず、例えば、赤外線又は電波を媒体とする無線通信を利用して操作信号を送信するリモートコントローラ又はタブレット端末等であってもよい。この場合、信号送信装置2には、操作信号を受信する受信部が必要になる。
受信回路62は、光源4の調光レベルをPWM信号に変換しているが、これに限らず、例えば、光源4の調光レベルを電圧値で表した電圧信号に変換してもよい。
照明器具8は、スポットライトに限らず、例えばダウンライト等であってもよい。
照明システム100では、直流電源装置1と信号送信装置2とが別体に構成されているが、一体に構成されていてもよい。