JP6649746B2 - 油冷式スクリュ圧縮機の制御方法及び油冷式スクリュ圧縮機 - Google Patents

油冷式スクリュ圧縮機の制御方法及び油冷式スクリュ圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は油冷式スクリュ圧縮機の制御方法,及び前記制御方法を実行する制御機構を備えた油冷式スクリュ圧縮機に関する。
油冷式スクリュ圧縮機900は,ケーシング内に形成されたシリンダ内にオス,メス一対のスクリュロータを噛み合い回転可能に収容し,前記一対のスクリュロータの噛み合い回転により被圧縮気体と冷却油を圧縮して気液混合流体として吐出する圧縮機本体910を備え,図10(A)に示すように,この圧縮機本体910に,前記圧縮機本体910より吐出された気液混合流体を導入して,圧縮気体と冷却油とに分離するレシーバタンク960,及び圧縮機本体910のいずれか一方のロータのロータ軸に対し回転駆動力を入力するためのモータやエンジン等の駆動源940等の機器を組み合わせることによって構成されている。
そして,駆動源940による回転に伴って圧縮機本体910より気液混合流体として吐出された圧縮気体は,レシーバタンク960内に導入され,レシーバタンク960内で圧縮気体と冷却油とに一次分離が行われ,分離された冷却油はオイルクーラ973やオイルフィルタ972等を備えた給油配管971を介して再度圧縮機本体910の噴射口919に導入される。
一方,レシーバタンク960内で冷却油が分離された圧縮気体は,セパレータ961によって圧縮気体中にミストの状態で残る冷却油が更に除去された後,図示せざる空気作業機等が接続された,圧縮気体の消費側に供給される。
以上のように構成された油冷式スクリュ圧縮機900には,消費側に対し圧縮気体を安定した圧力で供給することができるようにするために,圧縮機本体910に対する被圧縮気体の吸気量を制御する吸入制御装置950が設けられている。
一例として図10(A)に示す例では,この吸入制御装置950を,圧縮機本体910の吸入口を開閉する吸入弁951と,レシーバタンク960内の圧縮気体を前記吸入弁951の閉弁受圧室(図示せず)に導入する制御流路953と,前記制御流路953を開閉する圧力調整弁954によって構成している。
このように構成された吸入制御装置950を備えた油冷式スクリュ圧縮機900では,消費側で圧縮気体が消費される等してレシーバタンク960内の圧力が圧力調整弁954の作動圧力として設定された設定圧力以下になると,圧力調整弁954が制御流路953を閉じて吸入弁951の閉弁受圧室に対する圧縮気体の導入を停止して吸入弁951を開くことで圧縮機本体910を吸気可能な状態とする。
一方,消費側における圧縮気体の消費が停止する等してレシーバタンク960内の圧力が設定圧力を超えると,圧力調整弁954が制御流路953を開き,吸入弁951の閉弁受圧室に対する圧縮気体の導入が開始されて吸入弁951を絞り,又は閉じることによって圧縮機本体910の吸気を制限することで,圧縮機本体910がレシーバタンク960に吐出する圧縮気体を減少し,又は圧縮気体の吐出を停止する。
これにより,レシーバタンク960内の圧力,従って消費側に対する圧縮気体の供給圧力が,前述の設定圧力に近付くように制御されることで,消費側に対し安定した圧力の圧縮気体を供給することができるようになっている。
このような吸入制御装置950を備えた油冷式スクリュ圧縮機では,吸入制御装置950に設けられた圧力調整弁954の作動圧力,即ち前述した設定圧力を変更することにより,消費側に対する供給圧力を変更することができることから,この設定圧力を簡単に変更できるようにした油冷式スクリュ圧縮機900も提案されている。
このような油冷式スクリュ圧縮機900として,後掲の特許文献1には,図10(B)に示すように,吸入制御装置950に設けた制御流路953に,作動圧力が異なる複数の圧力調整弁954a,954b,954cと,この中から制御に使用する圧力調整弁を選択するための切替用電磁弁958を設け,切替用電磁弁958の操作によって圧力調整弁954a,954b,954cの中から使用する圧力調整弁を選択することで,前述した設定圧力を変更し,消費側に対し供給する圧縮気体の圧力を変更することができるようにした油冷式スクリュ圧縮機900が提案されている(特許文献1の図1参照)。
特開平2−283893号公報
以上のように構成された油冷式スクリュ圧縮機900において,圧縮機本体910を,吸入弁951を全開とした状態で,且つ,一定の回転速度で運転している場合で比較すると,圧縮機本体910の消費動力は,圧縮機本体910の吐出側圧力が高い程,増大し,圧縮機本体910の吐出側圧力が低い程,減少する。
そのため,特許文献1として紹介したように,設定圧力を可変として消費側に対する供給圧力を可変とした油冷式スクリュ圧縮機900では,設定圧力を高圧に設定してレシーバタンク960内の圧力を高くすると,消費動力が増大する。
従って,このような油冷式スクリュ圧縮機900には,最も高圧の設定としたときの圧縮機本体910定格運転時における消費動力以上の定格出力を発生し得る駆動源940を搭載することが必要で,経済性の観点より搭載する駆動源940が圧縮機本体910に対し過剰性能とならないよう,駆動源940の定格出力を,最も高圧に設定した時の圧縮機本体910の消費動力と同等,又は,この消費動力に対し所定の余裕分,高い定格出力とするのが一般的である。
しかし,高圧設定時における圧縮機本体910の消費動力を基準として駆動源940の定格出力を設定すると,高圧設定時に比較して消費動力が小さくなる低圧設定に切り替えて圧縮機本体910を駆動する際,駆動源940は圧縮機本体910の消費動力に対し過度の余裕を以て運転されることとなるため経済的でない。
一方,設定圧力を低圧の設定とした時の圧縮機本体910の消費動力にマッチした定格出力の駆動源940を採用すると,設定圧力を高圧に切り替えた際に,駆動源940の定格出力は,圧縮機本体910の消費動力に対し過小となるために過負荷となって駆動源940が停止してしまうおそれがある。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたもので,吸入制御装置の設定圧力を可変とした油冷式スクリュ圧縮機を経済的に運転することができると共に,設定圧力の変更に伴い,圧縮機本体の吐出側圧力が上昇した場合であっても,駆動源が過負荷によって停止することを防止できる油冷式スクリュ圧縮機の制御方法,及び,前記制御方法を実行可能な油冷式スクリュ圧縮機を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1の制御方法は,
ケーシング12内に形成したシリンダ13の内壁面と,前記シリンダ13内で相互に噛み合い回転するオス・メス一対のスクリュロータ11(11a,11b)の歯間によって形成される圧縮作用空間を備え,前記スクリュロータ11(11a,11b)の回転により吸入通路16を介して前記スクリュロータ11(11a,11b)の一端側より前記圧縮作用空間内に導入した被圧縮気体を,冷却油と共に圧縮して前記スクリュロータ11(11a,11b)の他端側で前記圧縮作用空間に連通する吐出通路18より気液混合流体として吐出する圧縮機本体10と,前記圧縮機本体10を駆動する駆動源40と,前記圧縮機本体10が吐出した気液混合流体を導入して圧縮気体と冷却油とに分離するレシーバタンク60と,消費側に対する圧縮気体の供給圧力Pγが設定圧力Pαを超えたときに前記圧縮機本体10の吸入口を絞り又は閉じ,前記設定圧力Pα以下に低下したときに前記圧縮機本体10の吸入口を開くことで,消費側に対する圧縮気体の供給圧力Pγを前記設定圧力Pαに近付ける制御を行う吸入制御装置50を備えた油冷式スクリュ圧縮機1において,
前記吸入制御装置50の前記設定圧力Pαを可変とし,
前記圧縮機本体10に設けた前記圧縮作用空間のうち,圧縮に使用する部分の長さである実効長Lを可変と成すと共に,
前記設定圧力Pαが所定値Pβを超える高圧設定時には前記実効長Lを短くして前記圧縮機本体10の吸気量を減少させ,前記設定圧力Pαが前記所定値Pβ以下の低圧設定時には,前記実効長Lを長く変更して前記圧縮機本体10の吸気量を増大させることを特徴とする(請求項1)。
前記圧縮作用空間の前記実効長Lを,長実効長Laと,前記長実効長Laに対し相対的に短い短実効長Lbに切替可能とし,
前記高圧設定時に前記短実効長Lbを適用し,前記低圧設定時に前記長実効長Laを適用するものとしても良い(請求項2)。
また,前記高圧設定時,前記供給圧力Pγに応じて,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβを超えた場合には前記実効長Lを短くして前記圧縮機本体10の吸気量を減少させ,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβ以下の場合には,前記実効長Lを長くして前記圧縮機本体10の吸気量を増大とせるものとしても良い(請求項3)。
この場合,前記圧縮作用空間の前記実効長Lを,長実効長Laと,前記長実効長Laに対し相対的に短い短実効長Lbとに切替可能とし,
前記高圧設定時における前記圧縮作用空間の実効長Lとして,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβを超えた場合には前記短実効長Lbを適用し,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβ以下の場合には前記長実効長Laを適用するように構成するものとしても良い(請求項4)。
この場合,更に,圧力検知手段38によって検知したレシーバタンク60内の圧力を前記供給圧力Pγとして前記実効長Lを変更するようにしても良い(請求項5)。
前述した圧縮作用空間の実効長Lと圧縮機本体10の吸気量の変更は,吸入閉じ込み位置に対し前記吐出通路18寄りで,且つ,前記吐出通路18と連通する前の前記圧縮作用空間を前記吸入通路16と連通させる逃がし穴21を設け,前記逃がし穴21を開閉することにより行うものとしても良く,
前記低圧設定時,前記逃がし穴21を閉じて前記実効長Lを前記長実効長Laとし,前記高圧設定時,前記逃がし穴21を開いて前記実効長Lを前記短実効長Lbとするものとしても良い(請求項6)。
この場合,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβの状態で,且つ,前記実効長Lを前記長実効長Laとして全負荷運転されている前記圧縮機本体10の消費動力に対し,前記駆動源40の定格出力が,同等,又は所定の余裕分上回ることとなるよう,前記所定値Pβを設定することが好ましい(請求項7)。
また,前記長実効長Laにおける前記圧縮機本体10の消費動力と,前記短実効長Lbにおける前記圧縮機本体10の消費動力が略同一で,且つ,前記消費動力の双方に対し,前記駆動源40の定格出力が,同等,又は所定の余裕分上回ることとなるよう,前記所定値Pβと前記実効長Lの組合せをそれぞれ設定することが好ましい(請求項8)。
また,上記制御方法を実行する本発明の油冷式スクリュ圧縮機1は,
ケーシング12内に形成したシリンダ13の内壁面と,前記シリンダ13内で相互に噛み合い回転するオス・メス一対のスクリュロータ11(11a,11b)の歯間によって形成される圧縮作用空間を備え,前記スクリュロータ11(11a,11b)の回転により吸入通路16を介して前記スクリュロータ11(11a,11b)の一端側より前記圧縮作用空間内に導入した被圧縮気体を,冷却油と共に圧縮して前記スクリュロータ11(11a,11b)の他端側で前記圧縮作用空間と連通する吐出通路18を介して気液混合流体として吐出する圧縮機本体10と,前記圧縮機本体10を駆動する駆動源40と,前記圧縮機本体10が吐出した気液混合流体を導入して圧縮気体と冷却油とに分離するレシーバタンク60と,設定圧力Pαを可変とする供給圧力設定手段52を備え,消費側に対する圧縮気体の供給圧力Pγが前記設定圧力Pαを超えたときに前記圧縮機本体10の吸入口を絞り又は閉じ,前記設定圧力Pα以下に低下したときに前記圧縮機本体10の吸入口を開くことで,消費側に対する圧縮気体の供給圧力Pγを前記設定圧力Pαに近付ける制御を行う吸入制御装置50を備えた油冷式スクリュ圧縮機1において,
前記圧縮機本体10に設けた前記圧縮作用空間のうち,圧縮に使用する部分の長さである実効長Lを可変と成す可変容量機構20と,
前記供給圧力設定手段52における前記設定圧力Pαが所定値を超える高圧設定時には前記実効長Lを短くして前記圧縮機本体10の吸気量を減少させ,前記設定圧力Pαが前記所定値Pβ以下の低圧設定時には,前記実効長Lを長くして前記圧縮機本体10の吸気量を増大するよう,前記可変容量機構20を動作させる,作動手段30を備えることを特徴とする(請求項9)。
上記構成の油冷式スクリュ圧縮機1において,
前記可変容量機構20が,前記圧縮作用空間の前記実効長Lを長実効長Laと,前記長実効長Laに対し相対的に短い短実効長Lbとで切替可能に構成されており,
前記作動手段30が,前記高圧設定時に前記短実効長Lbを適用し,前記低圧設定時に前記長実効長Laを適用するよう前記可変容量機構20を動作させるように構成することができる(請求項10)。
また,前記作動手段30が,
前記高圧設定時,前記供給圧力Pγに応じて,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβを超えた場合には前記実効長Lを短くして前記圧縮機本体10の吸気量を減少させ,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβ以下の場合には,前記実効長Lを長くして前記圧縮機本体10の吸気量を増大させるよう前記可変容量機構20を動作させるように構成することができる(請求項11)。
この場合,前記可変容量機構20を,前記圧縮作用空間の前記実効長Lを前記長実効長Laと,前記長実効長Laに対し相対的に短い短実効長Lbとで切替更可能に構成し,
前記作動手段30が,前記高圧設定時,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβを超えた場合に前記短実効長Lbを適用し,前記所定値Pβ以下の場合に前記長実効長Laを適用するよう前記可変容量機構20を動作させるように構成しても良い(請求項12)。
更に,前記作動手段30に,前記レシーバタンク60内の圧力を検知する圧力検知手段38を設け,該作動手段30が,該圧力検知手段38が検知した圧力を前記供給圧力Pγとして,前記実効長Lを変更するよう前記可変容量機構20を動作させても良い(請求項13)。
また,前記可変容量機構20が,吸入閉じ込み位置に対し前記吐出通路18寄りで,且つ,前記吐出通路18と連通する前の前記圧縮作用空間を前記吸入通路16と連通させる逃がし穴21と,前記逃がし穴21を開閉する逃がし弁23を備え,
前記作動手段30が,前記低圧設定時,前記逃がし穴21を閉じて前記実効長Lを前記長実効長Laとし,前記高圧設定時,前記逃がし穴21を開いて前記実効長Lを前記短実効長Lbとするよう,前記逃がし弁23を制御するよう構成しても良い(請求項14)。
更に,前記逃がし弁23を,
前記圧縮機本体10のケーシング12に形成されたピストン室231と,
該ピストン室231内を,前記逃がし穴21を閉じる前進位置と,前記逃がし穴21を開放する後退位置間で進退移動すると共に,前記後退位置に向けて付勢されたピストン232と,
作動油の導入によって前記後退位置にある前記ピストン232を,前記前進位置に移動させる閉弁受圧室233を備えた構成とし,
前記作動手段30を,
前記レシーバタンク60の油溜部と前記逃がし弁23の前記閉弁受圧室233間を連通する作動油流路31(給油配管32+分岐配管33)と,
前記作動油流路31を開閉する開閉弁34を備えた構成としても良い(請求項15)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1では,以下の顕著な効果を得ることができた。
圧縮機本体10に設けた圧縮作用空間のうち,圧縮に使用する部分の長さである実効長Lを可変とする可変容量機構20を設け,作動手段30によって前記吸入制御装置50における前記設定圧力Pαの設定変更に応じて前記可変容量機構20を操作して,前記設定圧力Pαが所定値Pβを超える高圧設定時には前記実効長Lを短くして前記圧縮機本体10の吸気量を減少させ,前記設定圧力Pαが前記設定値Pβ以下の低圧設定時には前記実効長Lを長く変更して前記圧縮機本体10の吸気量を増大させることで,油冷式スクリュ圧縮機1を経済的に運転することができると共に,駆動源が過負荷によって意図せず停止すること防止することができた。
すなわち,圧縮機本体10の吐出側圧力(供給圧力Pγ)は,それが高くなるにつれて圧縮機本体10の消費動力は増大し,これとは逆に,圧縮機本体10の吐出側圧力(供給圧力Pγ)が低下すると,圧縮機本体10の消費動力は減少することは前述した通りである。
これに対し,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lを可変とする可変容量機構20を設けた圧縮機本体10では,圧縮作用空間の実効長Lが長い場合には,圧縮機本体10の吸気量が大きくなり,圧縮作用空間の実効長Lが短い場合には,圧縮機本体10の吸気量は小さくなる。
そのため,圧縮作用空間の実効長Lが長い程,消費動力は大きくなり,圧縮作用空間の実効長Lが短くなる程,消費動力は小さくなる。
従って,設定圧力Pαを高く設定して供給圧力Pγが高くなっている場合には,その分,圧縮作用空間の実効長Lを短くし,これとは逆に,設定圧力Pαを低く設定して供給圧力Pγが低くなっている場合には,圧縮作用空間の実効長Lを長くして消費動力の変動を相殺することで,設定圧力Pαの変動によっても圧縮機本体10の消費動力の変動を抑制し,あるいは消費動力を略一定に維持することが可能となり,その結果,駆動源40が過負荷によって停止することを防止しつつ,圧縮気体の生成を,経済的な状態で行うことが可能となる。
前記可変容量機構20を,前記圧縮作用空間の実効長Lを,長実効長Laと,前記長実効長Laに対し相対的に短い短実効長Lbとで切替可能に構成し,前記高圧設定時に前記短実効長Lbを適用し,前記低圧設定時に前記長実効長Laを適用する構成では,実効長の切替が長短2種類(La,Lb)のみとなるため,制御や装置構成を単純なものとすることができた。
更に,前記作動手段30が,前記高圧設定時,前記供給圧力Pγに応じて,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβを超えた場合には前記実効長Lを短くして前記圧縮機本体10の吸気量を減少させ,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβ以下の場合には,前記実効長Lを長くして前記圧縮機本体10の吸気量を増大させるようにした構成では,例えば,消費側で急激かつ大量の圧縮気体の消費が開始される等して供給圧力Pγ(レシーバタンク60内の圧力)が一時的に低下した場合のように,一時的な供給圧力Pγの低下に伴い駆動源40の定格出力に余裕が生じた場合であっても,この余裕分を吸気量の増加に振り向けることができ,より一層経済的に圧縮気体の生成を行うことができると共に,低下したレシーバタンク60内の圧力(供給圧力Pγ)を短時間で急速に設定圧力Pαに近付けて回復させることが可能となる。
この場合においても,前記可変容量機構20を,前記圧縮作用空間の前記実効長Lを長実効長Laと,前記長実効長Laに対し相対的に短い短実効長Lbとに切替可能に構成し,前記高圧設定時における前記圧縮作用空間の実効長Lとして,前記供給圧力Pγが前記所定値Pβを超えた場合には前記短実効長Lbを適用することで,実効長を長短2種類(La,Lb)のみを切り替える比較的簡単な制御及び装置構成とすることができた。
前述の可変容量機構20として,前記圧縮作用空間を前記吸入通路16と連通させる逃がし穴21と,前記逃がし穴21を開閉する逃がし弁23を設けた構成では,逃がし弁23の操作によって逃がし穴21を閉じた状態では,圧縮作用空間の略全長が実効長Lとなる長実効長Laが実現されて圧縮機本体10の吸気量が増大する一方,逃がし穴21を開いた状態では,逃がし穴21よりも吐出通路18側の部分が実効長Lとなる短実効長Lbが実現されて圧縮機本体10の吸気量が減少して(図1参照),前述した所定値Pβの圧力を基準として逃がし弁23の操作によって逃がし穴21を開閉するという比較的簡単な制御によって,圧縮作用空間の実効長Lと圧縮機本体10の吸気量を容易かつ確実に変更することができた。
上記構成において,供給圧力Pγ(レシーバタンク60内の圧力)を前述の所定値Pβとし,且つ,逃がし穴21を閉じた長実効長Laの状態で全負荷運転されている圧縮機本体10の消費動力に対し,前記駆動源40の定格出力が,同等,又は所定の余裕分上回ることとなるよう,前記所定値Pβを設定した構成では,駆動源40に対し過負荷がかかることを確実に防止することができた。
更に,前記長実効長Laの前記圧縮機本体10の消費動力と,前記短実効長Lbの前記圧縮機本体10の消費動力が略同一で,且つ,前記消費動力の双方に対し,前記駆動源40の定格出力が,同等,又は所定の余裕分上回ることとなるよう,前記所定値Pβと前記実効長Lの組合せをそれぞれ設定した場合には,駆動源40に過負荷がかかることを防止できるだけでなく,油冷式スクリュ圧縮機1を常に最も経済的な状態で運転させることができた。
更に,前記逃がし弁23を,圧縮機本体10のケーシング12に形成されたピストン室231と,該ピストン室231内を,前記逃がし穴21を閉じる前進位置と,前記逃がし穴21を開放する後退位置間で進退移動すると共に,前記後退位置に向けて付勢されたピストン232と,作動油の導入によって前記後退位置にある前記ピストン232を,前記前進位置に移動させる閉弁受圧室233を備えた構成とし,この閉弁受圧室233に対し,レシーバタンク60の油溜部に回収された冷却油を作動油として導入する作動油流路31(給油配管32+分岐配管33)と,該作動油流路31を開閉する開閉弁34によって前述の作動手段30を形成した構成では,可変容量機構20の作動圧力を,油冷式スクリュ圧縮機1に元々設けられている冷却油の循環系を一部利用して形成することができ,可変容量機構20を作動させるための油圧発生源等を別途新たに設ける必要がなく装置構成を簡略化することができた。
本発明の油冷式スクリュ圧縮機の一構成例(実施例1)を示す説明図。 図1の油冷式スクリュ圧縮機(実施例1)における消費動力(駆動源の出力)とレシーバタンク内の圧力との関係を示す相関図。 本発明の油冷式スクリュ圧縮機の要部断面図。 本発明の油冷式スクリュ圧縮機におけるシリンダの展開図。 本発明の油冷式スクリュ圧縮機における逃がし弁部分の拡大断面図。 ピストンの変形例を示した本発明の油冷式スクリュ圧縮機における逃がし弁部分の拡大断面図。 本発明の油冷式スクリュ圧縮機の別の構成例(実施例2及び3)を示す説明図。 図7の油冷式スクリュ圧縮機(実施例2)における消費動力(駆動源の出力)とレシーバタンク内の圧力との関係を示す相関図。 図7の油冷式スクリュ圧縮機における制御装置の動作を変更した変更例(実施例3)における消費動力(駆動源の出力)とレシーバタンク内の圧力との関係を示す相関図。 従来の油冷式スクリュ圧縮機の説明図であり,(A)は一般的な油冷式スクリュ圧縮機,(B)は供給圧力設定手段を備えた油冷式スクリュ圧縮機(特許文献1に対応)。
以下に,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1について,添付図面を参照しながら説明する。
〔油冷式スクリュ圧縮機の全体構造〕
図1中の符号1は,本発明の油冷式スクリュ圧縮機を示し,この油冷式スクリュ圧縮機1は,圧縮機本体10と,この圧縮機本体10を駆動するモータやエンジン等の駆動源40,前記圧縮機本体10より冷却油との気液混合流体として吐出された圧縮気体が導入されるレシーバタンク60,及び,前記圧縮機本体10の吸入口を開閉する吸入弁51と,この吸入弁51をレシーバタンク60内の圧力に応じて開閉制御する制御機構(制御配管53,圧力調整弁54)を備えた,吸入制御装置50を備えている点では,図10(A)を参照して説明した従来の油冷式スクリュ圧縮機と基本構造を共通とする。
本発明の油冷式スクリュ圧縮機では,図10(A)を参照して説明した既知の油冷式スクリュ圧縮機の構造に対し,更に,圧縮機本体10に,圧縮作用空間のうち圧縮に使用される部分の長さである実効長Lを可変とする可変容量機構20を設けると共に,吸入制御装置50に,消費側に対する供給圧力の設定を可変とする供給圧力設定手段52を設け,この供給圧力設定手段52によって設定された設定圧力Pαの変更に対応して,前述の可変容量機構20の動作を制御して圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lを変更させる作動手段30を設けた点で異なる。
〔圧縮機本体の全体構成〕
本発明の油冷式スクリュ圧縮機1に装備する前述の圧縮機本体10は,図1及び図3に示すようにオスのスクリュロータ11a及びメスのスクリュロータ11bから成る一対のスクリュロータ11と,前記スクリュロータ11を収容するシリンダ13が内部に形成されたケーシング12を備えている。
このケーシング12内に形成されるシリンダ13は,図3に示すように,オスのスクリュロータ11aの収容部となる円筒部と,メスのスクリュロータ11bの収容部となる円筒部を周方向の一部分が重なり合うように平行に配置,組み合わせた,スクリュロータ11の軸直交方向の断面において略横向きの8の字状に形状されており,前述のオスのスクリュロータ11aとメスのスクリュロータ11bとを噛み合わせた状態で共にシリンダ13内に収容することができるようになっている。
図示の例では,メスのスクリュロータ11bに対し大径に形成されたオスのスクリュロータ11aを収容することができるよう,メスのスクリュロータ11bの収容部に対し,オスのスクリュロータ11aの収容部の径を大きく形成しているが,メスのスクリュロータ11bとオスのスクリュロータ11aを同径に形成し,従って,オスのスクリュロータ11aの収容部とメスのスクリュロータ11bの収容部についても同径に形成した圧縮機本体10を使用しても良い。
シリンダ13内に収容されたオスのスクリュロータ11aとメスのスクリュロータ11bは,相互に噛み合った状態で逆向きに回転することができるよう,図1に示すように各ロータ11(11a,11b)の両端に設けられたロータ軸のそれぞれをケーシング12内に設けた軸受14,15によって回転可能に軸支すると共に,オスのスクリュロータ11a又はメスのスクリュロータ11bの一方のロータ軸,図示の例ではオスのスクリュロータ11aの吸入側のロータ軸に対し,エンジンやモータ等の駆動源40の出力軸を連結して回転駆動力を入力することができるように構成されている。
このように,オスのスクリュロータ11a及びメスのスクリュロータ11bを噛み合い回転可能に収容したシリンダ13の吸入側端部は吸入通路16と連通しており,この吸入通路16を介して導入された被圧縮気体を,冷却油の噴射孔17を介して噴射された冷却油と共にスクリュロータ11の噛み合い回転によって圧縮することができるようになっていると共に,シリンダ13の吐出側端部に設けた吐出通路18を介して,冷却油と共に圧縮された気液混合流体である圧縮気体を吐出することができるように構成されている。
〔可変容量機構〕
以上のように構成された圧縮機本体10には,スクリュロータ11(11a,11b)の歯間とシリンダ13の内壁面とによって形成された圧縮作用空間のうち,実際に圧縮に使用される部分の長さ(実効長L)を可変として,圧縮機本体10の吸気量を可変とする可変容量機構20を設けている。
このような可変容量機構20の一例として,図示の圧縮機本体10は,前述のケーシング12に,吸入閉じ込み位置に対し吐出通路18寄りで,且つ,吐出通路18と連通する前の圧縮作用空間と連通する逃がし穴21を設け,この逃がし穴21と前記吸入通路16を連通する逃がし通路22を設けると共に,前述の逃がし穴21を開閉して,前記逃がし穴21の開放時,逃がし穴21を介して圧縮作用空間と逃がし通路22を連通させると共に,前記逃がし穴21の閉塞時,圧縮作用空間と逃がし通路22間の連通を遮断する,逃がし弁23を設けている。
この逃がし弁23は,図5に示すように,ケーシング12に設けたピストン室231と,このピストン室231内を進退移動して,前記逃がし穴21を開閉するピストン232と,前記ピストン232を,前記逃がし穴21を閉塞する前進位置に移動させる作動油が導入される閉弁受圧室233を備えている。
図示の実施形態にあっては,前述した逃がし穴21をオスのスクリュロータ11aを収容するロータ室側に設けると共に,この逃がし穴21と連通する逃がし通路22を形成し,この逃がし通路22の外周側に,前述の逃がし穴21と同一の軸心cを有するピストン室231を形成し,このピストン室231内に収容したピストン232を進退移動させることにより,前記ピストン232の先端部で逃がし穴21を開閉することができるように構成している。
この逃がし穴21とピストン室231の軸線Cは,図5に示すように,シリンダ13内壁が描く円弧とその接線tとの接点pにおいて,前記接線tと直交する方向に設けられていると共に,図1に示すように,スクリュロータ11のロータ軸の軸心a(図示の例ではオスのスクリュロータ11aの軸心)に対し,直交する方向に設けられている。
このピストン室231は,図5に示す実施形態にあっては,逃がし穴21側に,該逃がし穴21と同径に形成された細径部231aを備えると共に,前記逃がし穴21側とは反対側に,前記細径部231aに対し後述するコイルスプリング234を収容可能な間隔分,大径に形成されたスプリング収容部231b,及び前記スプリング収容部231bに対し更に大径に形成されると共に,ケーシング12の外方に向かって開口する大径部231cを備えており,このピストン室231内にピストン232が進退移動可能に収容される。
前述したピストン室231内に収容されるピストン232は,該ピストン232の進退移動方向に対し直交方向に形成された平坦な先端面232aを有すると共に,前記逃がし穴21及びピストン室231の細径部231aに対応する径に形成された円筒部232bと,前記円筒部232bの後端に,前記ピストン室231の大径部231cに対応する径に形成されたフランジ部232cを備えており,円筒部232bにコイルスプリング234を外嵌した状態で,ピストン室231内に先端面232aを逃がし穴21に向けて挿入すると共に,前記ピストン232の挿入後,ピストン室231の開口端を端板235で塞ぐことで,ケーシング12に前述した逃がし弁23が形成されている。
前述のピストン232の円筒部232bは,ピストン室231のスプリング収容部231bと大径部231cとの境界部分に設けられた段部231dにピストン232のフランジ部232cが突合する前進位置迄ピストン232を前進させた際に,ピストン232の円筒部232bの先端が逃がし穴21内に挿入されて逃がし穴21を塞ぐことができる長さに形成されていると共に,ピストン232の後退時,前記逃がし穴21内よりピストン232の円筒部232b先端が抜き取られて逃がし穴21を開放すると共に逃がし通路22と連通させることができるように構成されている。
このピストン232の円筒部232bに外嵌した前述のコイルスプリング234は圧縮バネであり,ピストン232は,逃がし穴21を開放する後退位置に向けて常時付勢されていると共に,大径部231cのうち,端板235とピストン232のフランジ部232c間の部分には閉弁受圧室内233が形成されており,この閉弁受圧室233内に端板235に設けた注油口236を介して作動油を注入することにより,注入した作動油の圧力によってコイルスプリング234の付勢力に抗してピストン232を前進位置迄前進させることができるように構成されている。
このピストン232の先端面232aは,前述したようにピストン232の進退移動方向に対して直交する平坦面という単純な形状に形成したことから,円弧状のシリンダ13の内壁面に形成された逃がし穴21をこのピストン232の先端部で塞ぐ場合,シリンダ13の内壁面における逃がし穴の開口縁と,ピストン232の先端面232aの外周縁との間には段差が生じ,この段差の角部に,窪みDができる。
このように,シリンダ13の内壁面に窪みDが形成されると,この窪みDの部分においてスクリュロータ11の歯先とシリンダ13内壁間の間隔は,他の部分に比較して大きくなることから,この窪みDの発生部分をスクリュロータ11の歯先が通過する際,高圧側の圧縮作用空間内の圧縮気体が,隣接する低圧側の圧縮作用空間に漏出し易くなり,このような圧縮気体の漏出に伴う圧力損失によって,比動力(吸気量あたりの消費動力)の増加が生じ得る。
そこで,本発明の油冷式スクリュ圧縮機に使用する圧縮機本体10では,このような窪みDの発生によっても比動力の増加が起こらないようにするために,逃がし穴21の形成位置において圧縮作用空間内に給油を行うことで,スクリュロータの歯先が前述した窪みD上を通過するとき,スクリュロータの歯先と窪みDとの間を密封する冷却油の量を増やし,また、高圧の給油でスクリュロータの歯先と窪みDとの間をシールドし,窪みDの存在によっても高圧側の圧縮作用空間内の圧縮気体が,低圧側の圧縮作用空間内に漏出することを防止している。
圧縮作用空間内に対するこのような給油を可能とするために,本発明の油冷式スクリュ圧縮機10にあっては,前述のピストン232に,一端が前記先端面232aにおいて開口し,他端が閉弁受圧室233で開口する給油流路237を設け,閉弁受圧室233内に作動油を導入すると,この作動油が,この給油流路237を介してピストン232の先端面232aに設けた開口を介して圧縮作用空間内に導入されるように構成している。
図示の実施形態にあっては,このピストン232を,先端部分を除き中空に形成し,この中空部分から前述の端板235に至る部分までを前述の閉弁受圧室233と成すと共に,ピストン232の先端面232aを貫通してピストン232の内部に形成された閉弁受圧室233と連通する給油流路(給油孔)237を設けている。
図1,図3〜5に示す実施形態にあっては,この給油流路237を,ピストン232の先端面232aの中心に1つだけ設けた構成としているが,この給油流路237は,図6に示すようにピストン232の先端面232aに複数設けるものとしても良く,この場合,図6に示すように,スクリュロータ11の軸線方向に対する直交方向の断面において,ピストン232の軸心に対し左右対称の位置にそれぞれ給油流路237を設けるものとしても良い。
このように,2つの給油流路237を設けた構成では,前述した窪みDに対する作動油の充填をより効率的に行うことができる。
すなわち,ピストン232の先端面232aを平坦とした本発明の油冷式スクリュ圧縮機10の構成では,ピストン232が前進位置にあるときにシリンダ13の内壁面に生じる窪みDは,スクリュロータ11の軸線方向に対する直交方向の断面におけるピストン232の先端面232aの幅方向の両端部分に生じ,又は,この部分において最も深くなる。
そのため,図6に示したように,給油流路237をピストン232の先端面232aの幅方向における両端部にそれぞれ設けた構成では,窪みDの形成部分,あるいは窪みDの最深部分に対し,効率的に注油を行うことができ,その結果,圧縮気体の漏出をより効果的に防止することができるものとなっている。
なお,上記実施形態では,ピストンの先端面を前述のように平坦面に形成する構成について説明したが,このピストンの先端面は,シリンダの内壁面に対応した湾曲形状に形成するものとしても良く,この場合,給油流路(給油孔)237は設けなくても良い。
〔圧縮機本体の動作等〕
以上で説明した可変容量機構20を備えた圧縮機本体10は,逃がし弁23に設けた閉弁受圧室233に対し作動油の導入がされていないとき,逃がし弁23のピストン232は,コイルスプリング234の付勢力によって後退位置に後退しており,これにより逃がし穴21が開くことで,圧縮作用空間は,逃がし穴21及び逃がし通路22を介して吸入通路16に連通する。
その結果,スクリュロータ11の歯間とシリンダ13の内壁面によって画成される圧縮作用空間のうち,被圧縮気体の圧縮は,逃がし穴21が閉じている状態では圧縮作用空間の略全長を使用して行われるが,逃がし穴21が開いた状態では,吸入側から逃がし穴21の連通部分に至る部分は圧縮に使用されず,被圧縮気体の圧縮は,逃がし穴21よりも吐出側の部分においてのみ行われることとなる。
従って,逃がし弁23によって逃がし穴21を閉じた状態では,圧縮作用空間の略全長が実効長Lとなる長実効長Laが実現される一方,逃がし穴21を開いた状態では,逃がし穴21から吐出通路18に至る部分が実効長Lとなる短実効長Lbが実現されることで,長実効長Laの場合に比較して,短実効長Lbの場合には,圧縮機本体10に対する被圧縮気体の吸気量が減少し,その分,圧縮機本体10の消費動力が減少する。
この点につき圧縮機本体10のシリンダの展開図である図4を参照して説明すると,図4に記載の構成例では,前述の逃がし穴21を吸入閉じ込み位置から略1ピッチ,吐出側に後退させた位置に設けており,この例では,逃がし弁23によって逃がし穴21が開放されている時には,吸入閉じ込み後,約1ピッチ分の圧縮作用空間で圧縮された圧縮空気は逃がし穴21を介して吸入通路16側に排出されてしまうために,圧縮されない。
そのため,逃がし穴21を閉じている場合に比較して,スクリュロータ11の吸気量は減少し,その分,圧縮機本体10のスクリュロータ11を回転させるために必要な動力は減少してより小さな力で回転させることができるようになる。
一方,逃がし弁23の閉弁受圧室233に対し作動油を導入した状態では,この作動油の導入によってピストン232が逃がし穴21に向かってスクリュロータ11のロータ軸の軸心aに向かって前進し,前進位置に移動するとピストン232の先端部が逃がし穴21を塞ぎ,逃がし通路22を介した逃がし穴21と吸入通路16間の連通が解除される。
その結果,逃がし弁23のピストン232が前進位置にある状態では,吸入側から吐出側に至る圧縮作用空間の略全長が圧縮に使用されることとなり,逃がし穴21を開いた状態で運転する場合に比較し,圧縮機本体10に対する被圧縮気体の吸気量や,吸入した被圧縮気体に対する圧縮比を増大させることができる。
〔供給圧力設定手段〕
本発明の対象となる油冷式スクリュ圧縮機1の吸入制御装置50には,吸入制御装置50による吸入弁51の開閉動作の基準となる設定圧力Pαを可変とするための供給圧力設定手段52が設けられている。
図1に示す油冷式スクリュ圧縮機1では,前述の供給圧力設定手段52として,吸入制御装置50の制御配管53に設けられた圧力調整弁(高圧用)54をバイパスするバイパス配管55を設け,このバイパス配管55中に,前記圧力調整弁(高圧用)54に対し低い作動圧力で動作する低圧用圧力調整弁56を設けると共に,このバイパス配管55を開閉する電磁開閉弁57を設け,電磁開閉弁によってバイパス配管55を開閉することで,バイパス配管55を開いた状態では低圧用圧力調整弁56を介して吸入弁51の閉弁受圧室に対し圧縮気体が導入され,バイパス配管55を閉じた状態では,高圧用圧力調整弁54を介して吸入弁51の閉弁受圧室に対し圧縮気体が導入されるように構成し,これにより,高圧用,低圧用,2つの圧力調整弁54,56のいずれを介して吸入弁51に作動圧力を供給するかを選択して,設定圧力Pαとして,高圧用圧力調整弁54の作動圧力である高圧設定圧力Pα1と,低圧用圧力調整弁56の作動圧力である低圧設定圧力Pα2のいずれを適用するかの選択ができるように構成されている。
なお,この供給圧力設定手段52は,高圧又は低圧の2種類のみの択一的な設定より選択する構成のみならず,より多数の設定圧力から多段階に選択できるように構成しても良く,あるいは無段階に設定圧力を変更できるように構成しても良い。
図7に示す油冷式スクリュ圧縮機1は,設定圧力Pαを多段階,あるいは無段階に設定できるようにした供給圧力設定手段52を備えたもので,可変抵抗等によって構成されたダイヤル式の入力スイッチ81’と,入力スイッチ81’の操作によって設定された設定圧力Pαとレシーバタンク60に設けた圧力検知手段38からの検知信号を受信してこれを比較すると共に,比較結果に基づいて制御信号を出力する制御装置82と,前記制御装置82から受信した制御信号に応じて開度を変化する,制御配管53に設けられた電空弁58によって,圧力設定手段52を実現させている。
この供給圧力設定手段52では,前述の制御装置82が,入力スイッチ81’の操作によって設定された設定圧力Pαと,圧力検知手段38が検知した検知圧力を比較して,検知圧力が設定値Pα以下のときには制御配管53に設けた電空弁58の開度を0とする制御信号(開度信号)を出力し,検知圧力が設定圧力Pαを超えると,圧力差に応じて制御配管53の通路面積を変化さるように電空弁53に制御信号(開度信号)を出力することで,入力スイッチ81’によって設定された設定圧力Pαに従い,圧縮機本体10の吸入制御を行うことができるように構成されている。
〔作動手段〕
以上で説明したように,圧縮機本体10に設けた可変容量機構20,図示の実施形態にあってはこのうちの逃がし弁23は,作動手段30によって開閉制御されることで,供給圧力設定手段52によって設定された圧力に応じ,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lを変更することができるように構成されている。
この作動手段30が前記可変容量機構20を操作して行う圧縮作用空間の実効長Lの変更方法の具体例については,後掲の実施例において詳述する。
〔実施例1〕
図1に示す実施例は,供給圧力設定手段52で設定した設定圧力Pαの変更に連動して圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lを変更する制御を実行する作動手段30として,設定された前記設定圧力Pαに応じて,該設定圧力Pαが所定値Pβを超える高圧設定の場合には前記実効長Lを短く,前記設定圧力Pαが所定値Pβ以下の低圧設定時には,前記実効長Lを長く変更する制御を行う作動手段30を設けている。
図示の実施形態にあっては,供給圧力設定手段52によって設定できる設定圧力Pαを,所定値Pβよりも高い設定圧力Pαである高圧設定圧力Pα1と,前記所定値Pβと同一圧力として設定した低圧設定圧力Pα2の2種類の中から1つを選択できるように構成すると共に,可変容量機構20による圧縮作用空間の実効長Lの変更を,長実効長Laと,短実効長Lbの2つの長さで切替可能にし,供給圧力設定手段52によって設定された設定圧力Pαが,前述の低圧設定圧力Pα2である場合には長実効長Laを適用し,高設定圧力Pα1である場合には短実効長Lbを適用するように構成した。
図1に示す油冷式スクリュ圧縮機1には,前述の設定圧力Pαを,高圧設定圧力Pα1と低圧設定圧力Pα2の2種類の中から選択できるようにするために,供給圧力設定手段52として,吸入制御装置50の制御配管53に,圧力調整弁(高圧用)54をバイパスするバイパス配管55を設け,このバイパス配管55中に,前記圧力調整弁(高圧用)54に対し低い作動圧力で動作する低圧用圧力調整弁56を設けると共に,このバイパス配管55を開閉する電磁開閉弁57を設けており,この電磁開閉弁によってバイパス配管55を開閉することで2つの圧力調整弁54,56のいずれを介して吸入弁51に作動圧力を供給するかを選択して,設定圧力Pαとして,高圧用圧力調整弁54の作動圧力である高圧設定圧力Pα1と,低圧用圧力調整弁56の作動圧力である低圧設定圧力Pα2のいずれを適用するかの選択ができるように構成されている。
この供給圧力設定手段52で設定された設定圧力Pα(Pα1又はPα2)の変更に対応して,可変容量機構20を構成する前述の逃がし弁23を開閉して,圧縮作用空間の実効長Lを可変とするために,図1に示す実施形態にあっては,前述の作動手段30として,給油配管32より分岐した分岐配管33と,該分岐配管33を開閉制御する電磁開閉弁35を設けると共に,油冷式スクリュ圧縮機1の設定を,「高圧」,「低圧」で切り替えるための切替スイッチ81と,この切替スイッチ81の切替に対し,供給圧力設定手段52のバイパス配管55に設けた電磁開閉弁57と,分岐配管33に設けた電磁開閉弁35に対し制御信号を出力する制御装置82を備えている。
従って,図1に示す構成において,前述の切替スイッチ81と制御装置82は,作動手段30及び供給圧力設定手段52の一部を構成している。
この制御装置82は,オペレータが切替スイッチ81の操作によって「低圧」を選択した場合には,供給圧力設定手段52のバイパス配管55に設けた電磁開閉弁57にバイパス配管55を開かせる制御信号を出力すると共に,作動手段30の分岐配管33に設けた電磁開閉弁35に,分岐配管33を閉じさせる制御信号を出力する。
一方,オペレータが切替スイッチ81の操作によって「高圧」を選択した場合には,供給圧力設定手段52のバイパス配管55に設けた電磁開閉弁57に,バイパス配管55を閉ざさせる制御信号を出力すると共に,作動手段30の分岐配管33に設けた電磁開閉弁35に,分岐配管33を開かせる制御信号を出力するように構成されている。
なお,ここでいう制御信号の出力には,信号の出力停止(無信号)を含み,図示の例では,バイパス配管55に設けた電磁開閉弁57と,分岐流路33に設けた電磁開閉弁35として,いずれも常時開型の電磁開閉弁を使用しており,両電磁開閉弁57,35を開く制御信号は,制御信号の出力停止(無信号)を意味する。
以上のように構成された図1に記載の油冷式スクリュ圧縮機1では,供給圧力設定手段52の設定圧力Pαが,高圧設定圧力Pα1に設定されたとき,これに連動して作動手段30が可変容量機構20を,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lを短実効長Lbとするように動作させ,供給圧力設定手段52の設定圧力Pαが低圧設定圧力Pα2のとき,これに連動して作動手段30が可変容量機構20を,圧縮機本体の圧縮作用空間の実効長Lを,長実効長Laとするように動作させる。
なお,本実施例の構成において,高圧設定圧力Pα1,低圧設定圧力Pα2,長実効長La,短実効長Lbは,設定圧力Pαを高圧設定圧力Pα1とし,且つ,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長を短実効長Lbとして圧縮機本体10を全負荷運転した場合の消費動力と,設定圧力Pαを低圧設定圧力Pα2とし,且つ,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長を長実効長Laとして圧縮機本体10を全負荷運転した場合の消費動力が,略同一で,且つ,設定圧力Pαの変更前後における前記消費動力のいずれもが,駆動源40の定格出力と同等又は駆動源40の定格出力に対し所定の余裕分低い値となるよう,設定圧力Pα(Pα1,Pα2)と圧縮作用空間の実効長L(La,Lb)の組み合わせ(Pα1とLb;Pα2とLa)となるように設定することが好ましい。
以上のように構成された図1に記載の油冷式スクリュ圧縮機1において,切替スイッチ81を「低圧」位置に切り替えたとき,制御装置82は制御信号の出力を行わず,作動手段30の分岐配管33に設けた電磁開閉弁35と,供給圧力設定手段52のバイパス配管55に設けた電磁開閉弁57は,双方共に開となり,以後,切替スイッチ81の操作が行われない限り,2つの電磁開閉弁35,57は,開状態を維持する。
従って,切替スイッチ81を「低圧」とした状態で駆動源40を起動して圧縮機本体10のスクリュロータ11の回転を開始すると,圧縮機本体10の停止時にはレシーバタンク60内の圧力は大気圧まで低下していることから,電磁開閉弁35によって分岐配管33が開放されているものの,逃がし弁23の閉弁受圧室233に対する作動油の導入は行われておらず,逃がし弁23のピストン232は後退位置にあり,圧縮作用空間は逃がし穴21が開いた短実効長Lbの状態にあることから,起動時に圧縮機本体10の起動負荷を低下させて駆動源40の起動負荷を低減することができる。
「低圧」の選択時,作動手段30を構成する分岐配管33に設けた電磁開閉弁35は開状態を維持することで,油冷式スクリュ圧縮機1の運転を継続することによりレシーバタンク60内の圧力が上昇すると,逃がし弁23の閉弁受圧室233に対し,レシーバタンク60内の冷却油が導入され,逃がし弁23のピストン232は,レシーバタンク60内の圧力上昇によって,コイルスプリング234の付勢力に抗して,スクリュロータ11のロータ軸の軸心aに向かって前進して,ピストン232のフランジ部232cがピストン室231内の段部231dと突合する迄前進する。
これにより,逃がし穴21内にピストン232の先端部が挿入されて逃がし穴21が塞がることにより,圧縮作用空間は,吸入側から吐出側に至る略全範囲が吸入空気の圧縮に使用される,長実効長Laの状態となることで,後述する「高圧」の設定時に比較して,圧縮機本体10の吸気量が増大することで,経済的に圧縮空気を生成することができる。
レシーバタンク60内の圧力が更に上昇して供給圧力設定手段52のバイパス配管55に設けた低圧用圧力調整弁56の作動圧力(低圧設定圧力Pα2)を超えて上昇すると,電磁開閉弁57はバイパス配管55を開き,吸入弁51の閉弁受圧室にレシーバタンク60内の圧縮気体を導入して,吸入弁51を絞り,又は閉じる。
一方,消費側における圧縮気体の消費等によってレシーバタンク60内の圧力が低圧用圧力調整弁56の作動圧力(低圧設定圧力Pα2)以下に低下すると,吸入弁51の閉弁受圧室に対する圧縮気体の導入が停止され,吸入弁51が開くことで,圧縮機本体10に対する吸気が再開されて,レシーバタンク60に対する圧縮気体の吐出が再開される。
このように,吸入制御装置50は,消費側に対する供給圧力Pγであるレシーバタンク60内の圧力が,供給圧力設定手段52で設定された低圧設定圧力Pα2に近付くように制御され,切替スイッチ81により「低圧」が設定されている間,作動手段30を構成する電磁開閉弁35は開状態を維持することで,レシーバタンク60内の圧縮気体がパージ(放気)されない限り,可変容量機構20は,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lを,長実効長Laに維持する。
一方,図1の油冷式スクリュ圧縮機1に設けられている切替スイッチ81を「高圧」に切り換えると,制御装置82は供給圧力設定手段52のバイパス配管55に設けた電磁開閉弁57と,作動手段30を構成する分岐配管33に設けた電磁開閉弁35の双方に対し閉信号を出力して,バイパス配管55と分岐配管33のいずれ共に閉じる。
このようにして,電磁開閉弁57によって供給圧力設定手段52のバイパス配管55が閉じることで,吸入弁51の閉弁受圧室に対する圧縮気体の供給は高圧用圧力調整弁54を介して行われ,レシーバタンク60内の圧力は,高圧設定圧力Pα1に近付くように制御される。
そのため,レシーバタンク60内の圧力は,「低圧」の設定時に比較して上昇することから,このレシーバタンク60内の圧力(圧縮機本体10の吐出側圧力)の上昇に伴い,圧縮機本体10の消費動力は増加する。
しかし,制御装置82からの制御信号によって,作動手段30を構成する電磁開閉弁35が分岐配管33を閉じることで,レシーバタンク60内の圧力変化に拘わらず,逃がし弁23の閉弁受圧室233に対しレシーバタンク60内の冷却油が導入されることはないから,切替スイッチ81で「高圧」を選択した時には,圧縮機本体10の圧縮作用空間は,常に短実効長Lbの状態となるために,圧縮機本体10に対する吸気量が低下する分,圧縮機本体10の消費動力が低下する。
そのため,同一の定格出力の駆動源40を使用して設定圧力Pαを低圧設定圧力Pα2から高圧設定圧力Pα1に上昇させたとしても,駆動源40が過負荷によって停止することがない。
以上で説明した図1に記載の油冷式スクリュ圧縮機1における圧縮機本体の消費動力(駆動源の出力)とレシーバタンク60内の圧力の対応関係を示す相関図を図2に示す。
図2から判るように,供給圧力設定手段52による設定圧力の変化に伴う消費動力の変化と,圧縮作用空間の実効長Lの変化に伴う圧縮機本体の消費動力の変化が相殺されるように,設定圧力Pαの変動幅(Pα1−Pα2)と,圧縮作用空間の実効長Lの変動幅(La−Lb)を設定することで,設定圧力Pαを低圧設定圧力Pα2から高圧設定圧力Pα1に上昇させても,圧縮機本体10の消費動力を駆動源40の定格出力の範囲内に収めることができ,駆動源40をストール等させることなく,消費側に対し供給する圧縮気体の圧力を上昇させることが可能となり,又は,設定圧力Pαを高圧設定圧力Pα1から低圧設定圧力Pα2に低下させても,駆動源40の定格出力に対し生じた余裕分,圧縮作用空間の実効長Lを長実効長Laに増大させて圧縮機の消費動力を駆動源40の定格出力に近付けることで,設定圧力Pαの低下によって生じた駆動源40の出力余裕を吸気量の増加に振り分けることが可能となる。
〔実施例2〕
以上,図1を参照して説明した実施例1の油冷式スクリュ圧縮機1の構成では,供給圧力設定手段52として,設定圧力Pαを,高圧設定圧力Pα1と低圧設定圧力Pα2の2つの中から択一的に選択できるように構成すると共に,可変容量機構20が,圧縮作用空間の実効長Lとして長実効長Laと短実効長Lbの二種類間で切替できるようにし,作動手段30が,供給圧力設定手段52による設定圧力Pαが低圧設定圧力Pα2である場合には長実効長Laを,高圧設定圧力Pα1である場合には短実効長Lbを適用する制御を行うものとして説明した。
これに対し,図7に示す本実施例の構成では,可変容量機構20が,圧縮作用空間の実効長Lを,長実効長Laと短実効長Lbとに切替可能に構成されている点では実施例1の構成と共通であるが,供給圧力設定手段52が,高圧設定と低圧設定の2段階の設定のみでなく,所定の下限値Pαminから上限値Pαmaxまでの所定の範囲内で設定圧力Pαを多段階,又は無段階に設定可能に構成している点で,実施例1として説明した構成とは異なる。
このように,多段階又は無段階での設定圧力Pαの設定を可能とするために,図7に示す油冷式スクリュ圧縮機1では,前述の供給圧力設定手段52を,ダイヤル式の入力スイッチ81’と,入力スイッチ81’の操作によって設定された設定圧力Pαとレシーバタンク60に設けた圧力検知手段38からの検知信号を受信してこれを比較すると共に,比較結果に基づいて制御信号を出力する制御装置82と,前記制御装置82から受信した制御信号に応じて開度を変化する,制御配管53に設けられた電空弁58によって実現し,入力スイッチ81’によって設定圧力Pαを前述した下限値Pαminから上限値Pαmaxの範囲で多段階又は無段階に設定できるように構成している。
そして,この設定圧力Pαに応じて可変容量機構20を動作させる作動手段30を,給油配管32より分岐した分岐配管33と,この分岐配管33に設けた電磁開閉弁35の他,入力スイッチ81’で設定された設定圧力Pαに応じて分岐配管33に設けた電磁開閉弁35に対し制御信号を出力する制御装置82によって構成した。
従って,この構成では,前述の制御装置82は,供給圧力設定手段52の構成要素であると共に,作動手段30の構成要素でもある。
この制御装置82は,該制御装置82に接続された供給圧力設定手段52を構成する入力スイッチ81’の操作によって設定された設定圧力Pαと,予め記憶させておいた前記所定値Pβとを比較し,設定圧力Pαが所定値Pβ以下の値,一例として下限値Pαminに設定された場合,設定圧力Pαminが所定値Pβ以下であると判断すると,分岐配管33に設けた電磁開閉弁35に開弁信号を出力し,この開弁信号を受信した電磁開閉弁35は,分岐配管33を開く。
そのため,起動後,レシーバタンク60内の圧力が,逃がし弁23のコイルスプリング234の付勢力に抗してピストン232を前進位置迄押し出す圧力に上昇する迄の間,圧縮機本体の圧縮作用空間は短実効長Lbとなっているが,その後は,逃がし穴21が閉じて長実効長Laとなり,以後,長実効長Laに維持された状態で運転が行われ,吸入制御装置50は,レシーバタンク60内の圧力が設定圧力Pαminに近付くよう,圧縮機本体10の吸入制御を行う。
一方,設定圧力Pαを所定値Pβよりも高い圧力,一例として上限値Pαmaxに設定した場合,制御装置82は,予め記憶している所定値Pβと,入力スイッチ81’で設定された設定圧力Pαmaxを比較して,設定圧力Pαmaxが所定値Pβを超える圧力であると判断すると,分岐配管33に設けた電磁開閉弁35に閉弁信号を出力する。
この閉弁信号の受信により,作動手段30を構成する電磁開閉弁35は,分岐配管33を閉じて逃がし弁23の閉弁受圧室233に対する作動油の導入を停止する。
その結果,逃がし弁23のピストン232に設けた給油流路237を介して閉弁受圧室233内の作動油が圧縮作用空間内に導入され,作動圧力を失った逃がし弁23のピストン232は,コイルスプリング234の付勢力によって逃がし穴21を開く後退位置に移動する。
この逃がし穴21の開放によって,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lが短くなって,短実効長Lbに切り替わり,この状態で設定圧力Pαmaxとなる迄,圧縮気体の生成が行われると共に,吸入制御装置50は,レシーバタンク60内の圧力が設定圧力Pαmaxに近付くよう,圧縮機本体10の吸入制御を行う。
以上で説明した図7に記載の油冷式スクリュ圧縮機1における圧縮機本体の消費動力(駆動源の出力)と各圧力の対応関係を示す相関図を図8に示す。
図8から判るように,上記構成の油冷式スクリュ圧縮機1においても,圧縮機本体10の吐出側圧力を前述した所定値Pβとし,且つ,圧縮作用空間を長実効長Laとした状態で圧縮機本体10を全負荷運転した場合の圧縮機本体の消費動力を,駆動源40の定格出力と同等,又は駆動源40の定格出力に対し所定の余裕分低い値となるよう,前記所定値Pβを設定しておけば,設定圧力Pαが所定値Pβを超えた高い圧力に設定された場合であっても,駆動源40に対し過負荷がかかることを防止することができる。
〔実施例3〕
以上,図7を参照して説明した実施例2では,制御装置82が予め記憶した所定値Pβと,入力スイッチ81’によって設定した設定圧力Pαとを比較し,この比較結果に応じて電磁開閉弁35に制御信号を出力するものとして説明した。
これに対し,本実施例(実施例3)では,前述の実施例2と同様,図7に示す装置構成を採用するものの,作動手段30を構成する前述の制御装置82が,レシーバタンク60内の圧力を検知する圧力検知手段38が検知した圧力(供給圧力Pγ)と,予め記憶した所定値Pβとを比較し,レシーバタンク60内の圧力(供給圧力Pγ)が所定値Pβ以下であるときに電磁開閉弁35に対し開弁信号を出力し,レシーバタンク60内の圧力(供給圧力Pγ)が所定値Pβを超えた場合に電磁開閉弁35に対し閉弁信号を出力するように構成した。
この構成では,供給圧力設定手段52で設定した設定圧力Pαが所定値Pβ以下の圧力,一例として下限値Pαminに設定されている場合,吸入制御装置50による吸入制御によってレシーバタンク60内の圧力は設定圧力PαであるPαminまでしか上昇せず,定値Pβを超えることがないため,分岐配管33に設けた電磁開閉弁35は,設定圧力Pαが所定値Pβ以下である低圧設定時には,分岐配管33を開いた状態に維持する。
そのため,起動後,レシーバタンク60内の圧力が,逃がし弁23のコイルスプリング234の付勢力に抗してピストン232を前進位置迄押し出す圧力に上昇する迄の間,圧縮機本体の圧縮作用空間は短実効長Lbとなるものの,その後は,逃がし穴21が閉じて長実効長Laが実現され,以後,設定圧力PαがPαminの状態から所定値Pβを超える圧力に変更されるか,又は,レシーバタンク60内の圧縮気体がパージ(放気)されるまで,長実効長Laに維持された状態で運転が行われ,吸入制御装置50は,レシーバタンク60内の圧力が設定圧力Pαminに近付くよう,圧縮機本体10の吸入制御を行う。
一方,設定圧力Pαを所定値Pβよりも高い圧力,一例として上限値Pαmaxに設定した場合には,分岐配管33に設けた電磁開閉弁35は,設定圧力Pαが所定値Pβよりも低いと判断した制御装置82からの閉弁信号を受信して閉じ,逃がし弁23の閉弁受圧室233に対する作動油の導入を停止する。
そのため,逃がし弁23のピストン232に設けた給油流路237を介して閉弁受圧室233内の作動油が圧縮作用空間内に導入され,作動圧力を失った逃がし弁23のピストン232は,コイルスプリング234の付勢力によって逃がし穴21を開く後退位置に移動する。
この逃がし穴21の開放によって,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lが短くなって,短実効長Lbに切り替わり,この状態で設定圧力Pαmaxとなる迄,圧縮気体の生成が行われると共に,吸入制御装置50は,レシーバタンク60内の圧力が設定圧力Pαmaxに近付くよう,圧縮機本体10の吸入制御を行う。
従って,作動手段30は,入力スイッチ81’の操作によって設定された設定圧力Pαに基づき,このPαが所定値Pβを超えた高圧設定であり,且つ,レシーバタンク60内の圧力(供給圧力Pγ)が設定圧力Pαを超えると,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lを,短実効長Lbに切り替える。
このように,本実施例の構成においても,供給圧力設定手段52で設定した設定圧力に応じて,作動手段30が可変容量機構20を動作させて圧縮機本体10を圧縮作用空間の実効長Lを適切な長さとして運転することで,圧縮機本体10を経済的に,かつ,駆動源40に過負荷をかけることなく運転することができる。
特に,この構成では,供給圧力設定手段52で設定した設定圧力が,所定値Pβよりも高い高圧設定時である場合は,レシーバタンク60内の圧力(供給圧力Pγ)に応じて,レシーバタンク60内の圧力(供給圧力Pγ)が所定値Pβ以下の場合には長実効長Laが,レシーバタンク60内の圧力(供給圧力Pγ)が所定値Pβを超える場合には短実効長Lbが適用されることで,圧縮機本体10の吐出側圧力の低下に伴って生じる駆動源40の出力余裕を,吸気量の増加に振り向けることで,経済的に圧縮気体の生成を行うことができるものとなっている。
〔その他/変形例等〕
以上で説明した実施例では,いずれも可変容量機構20として,圧縮機本体10の圧縮作用空間の実効長Lの選択を,「長」,「短」の二種類から選択する構成として説明したが,圧縮作用空間の実効長Lの選択は,二種類以上の実効長より選択できるようにしても良く,また,実効長Lを無段階に変更可能としても良く,この場合,上記実施例に記載の構成において逃がし弁23による逃がし穴21を開閉制御するだけでなく,逃がし穴21の開度を変更できるように構成するものとしても良い。
また,前述した実施例では,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1として単段構成のもののみを例に挙げて説明したが,本発明は,多段式の油冷式スクリュ圧縮機に対し適用することもでき,この場合,最低圧段の圧縮機本体に,前述した可変容量機構20を設けることができる。
1 油冷式スクリュ圧縮機
10 圧縮機本体
11 スクリュロータ
11a オスのスクリュロータ
11b メスのスクリュロータ
12 ケーシング
13 シリンダ
14,15 軸受
16 吸入通路
17 噴射孔
18 吐出通路
20 可変容量機構
21 逃がし穴
22 逃がし通路
23 逃がし弁
231 ピストン室
231a 細径部
231b スプリング収容部
231c 大径部
231d 段部
232 ピストン
232a 先端面
232b 円筒部
232c フランジ部
233 受圧室(閉弁受圧室)
234 コイルスプリング
235 端板
236 注油口
237 給油流路
238 Oリング
30 作動手段
31 作動油流路
32 給油配管
33 分岐配管
34 開閉弁(圧力調整弁)
35 開閉弁(電磁開閉弁)
38 圧力検知手段
40 駆動源
50 吸入制御装置
51 吸入弁
52 供給圧力設定手段
53 制御配管
54 圧力調整弁(高圧用)
55 バイパス配管
56 圧力調整弁(低圧用)
57 開閉弁(電磁開閉弁)
58 電空弁
60 レシーバタンク
61 セパレータ
72 オイルフィルタ
73 オイルクーラ
81 切替スイッチ
81’ 入力スイッチ
82 制御装置
a ロータの軸心
c 軸心(逃がし穴及びピストン室)
t 接線
p 接点
Pα 設定圧力
Pα1 高圧設定圧力
Pα2 低圧設定圧力
Pβ 所定値
Pγ 供給圧力
900 油冷式スクリュ圧縮機
910 圧縮機本体
919 噴射口
940 駆動源
950 吸入制御装置
951 吸入弁
953 制御流路
954,954a,954b,954c 圧力調整弁
958 切替用電磁弁
960 レシーバタンク
961 セパレータ
971 給油配管
972 オイルフィルタ
973 オイルクーラ

Claims (15)

  1. ケーシング内に形成したシリンダの内壁面と,前記シリンダ内で相互に噛み合い回転するオス・メス一対のスクリュロータの歯間によって形成される圧縮作用空間を備え,前記スクリュロータの回転により吸入通路を介して前記スクリュロータの一端側より前記圧縮作用空間内に導入した被圧縮気体を,冷却油と共に圧縮して前記スクリュロータの他端側で前記圧縮作用空間に連通する吐出通路より気液混合流体として吐出する圧縮機本体と,前記圧縮機本体を駆動する駆動源と,前記圧縮機本体が吐出した気液混合流体を導入して圧縮気体と冷却油とに分離するレシーバタンクと,消費側に対する圧縮気体の供給圧力が設定圧力を超えて上昇したときに前記圧縮機本体の吸入口を絞り又は閉じ,前記設定圧力以下に低下したときに前記圧縮機本体の吸入口を開くことで,消費側に対する圧縮気体の供給圧力を前記設定圧力に近付ける制御を行う吸入制御装置を備えた油冷式スクリュ圧縮機において,
    前記吸入制御装置の前記設定圧力を可変とし,
    前記圧縮機本体に設けた前記圧縮作用空間のうち,圧縮に使用する部分の長さである実効長を可変と成すと共に,
    前記設定圧力が所定値を超える高圧設定時には前記実効長を短くして前記圧縮機本体の吸気量を減少させ,前記設定圧力が前記所定値以下の低圧設定時には,前記実効長を長く変更して前記圧縮機本体の吸気量を増大させることを特徴とする油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  2. 前記圧縮作用空間の前記実効長を,長実効長と,前記長実効長に対し相対的に短い短実効長とで切替可能とし,
    前記高圧設定時に前記短実効長を適用し,前記低圧設定時に前記長実効長を適用することを特徴とする請求項1記載の油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  3. 前記高圧設定時,前記供給圧力に応じて,前記供給圧力が前記所定値を超えた場合には前記実効長を短くして前記圧縮機本体の吸気量を減少させ,前記供給圧力が前記所定値以下の場合には,前記実効長を長くして前記圧縮機本体の吸気量を増大させることを特徴とする請求項1記載の油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  4. 前記圧縮作用空間の前記実効長が,長実効長と,前記長実効長に対し相対的に短い短実効長とで切替可能であり,
    前記高圧設定時における前記圧縮作用空間の実効長として,前記供給圧力が前記所定値を超えた場合には前記短実効長を適用し,前記供給圧力が前記所定値以下の場合には前記長実効長を適用することを特徴とする請求項3記載の油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  5. 圧力検知手段によって検知したレシーバタンク内の圧力を前記供給圧力として前記実効長を変更することを特徴とする請求項3又は4記載の油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  6. 吸入閉じ込み位置に対し前記吐出通路寄りで,且つ,前記吐出通路と連通する前の前記圧縮作用空間を前記吸入通路と連通させる逃がし穴を設け,前記逃がし穴を開閉することにより,前記圧縮作用空間の前記実効長と前記圧縮機本体の吸気量を可変と成すと共に,
    前記低圧設定時,前記逃がし穴を閉じて前記実効長を前記長実効長とし,前記高圧設定時,前記逃がし穴を開いて前記実効長を前記短実効長とすることを特徴とする請求項2又は4記載の油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  7. 前記供給圧力が前記所定値の状態で,且つ,前記実効長を前記長実効長として全負荷運転されている前記圧縮機本体の消費動力に対し,前記駆動源の定格出力が,同等,又は所定の余裕分上回ることとなるよう,前記所定値を設定したことを特徴とする請求項6記載の油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  8. 前記長実効長における前記圧縮機本体の消費動力と,前記短実効長における前記圧縮機本体の消費動力が略同一で,且つ,前記消費動力の双方に対し,前記駆動源の定格出力が,同等,又は所定の余裕分上回ることとなるよう,前記所定値と前記実効長の組合せをそれぞれ設定したことを特徴とする請求項7記載の油冷式スクリュ圧縮機の制御方法。
  9. ケーシング内に形成したシリンダの内壁面と,前記シリンダ内で相互に噛み合い回転するオス・メス一対のスクリュロータの歯間によって形成される圧縮作用空間を備え,前記スクリュロータの回転により吸入通路を介して前記スクリュロータの一端側より前記圧縮作用空間内に導入した被圧縮気体を,冷却油と共に圧縮して前記スクリュロータの他端側で前記圧縮作用空間と連通する吐出通路を介して気液混合流体として吐出する圧縮機本体と,前記圧縮機本体を駆動する駆動源と,前記圧縮機本体が吐出した気液混合流体を導入して圧縮気体と冷却油とに分離するレシーバタンクと,設定圧力を可変とする供給圧力設定手段を備え,消費側に対する圧縮気体の供給圧力が前記設定圧力を超えたときに前記圧縮機本体の吸入口を絞り又は閉じ,前記設定圧力以下に低下したときに前記圧縮機本体の吸入口を開くことで,消費側に対する圧縮気体の供給圧力を前記設定圧力に近付ける制御を行う吸入制御装置を備えた油冷式スクリュ圧縮機において,
    前記圧縮機本体に設けた前記圧縮作用空間のうち,圧縮に使用する部分の長さである実効長を可変と成す可変容量機構と,
    前記供給圧力設定手段における前記設定圧力が所定値を超える高圧設定時には前記実効長を短くして前記圧縮機本体の吸気量を減少させ,前記設定圧力が前記所定値以下の低圧設定時には,前記実効長を長くして前記圧縮機本体の吸気量を増大するよう,前記可変容量機構を動作させる,作動手段を備えることを特徴とする油冷式スクリュ圧縮機。
  10. 前記可変容量機構が,前記圧縮作用空間の前記実効長を長実効長と,前記長実効長に対し相対的に短い短実効長とで切替可能に構成されており,
    前記作動手段が,前記高圧設定時に前記短実効長を適用し,前記低圧設定時に前記長実効長を適用するよう前記可変容量機構を動作させることを特徴とする請求項9記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  11. 前記作動手段が,
    前記高圧設定時,前記供給圧力に応じて,前記供給圧力が前記所定値を超えた場合には前記実効長を短くして前記圧縮機本体の吸気量を減少させ,前記供給圧力が前記所定値以下の場合には,前記実効長を長くして前記圧縮機本体の吸気量を増大させるよう前記可変容量機構を動作させることを特徴とする請求項9記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  12. 前記可変容量機構が,前記圧縮作用空間の前記実効長を長実効長と,前記長実効長に対し相対的に短い短実効長とで切替可能に構成されており,
    前記作動手段が,前記高圧設定時,前記供給圧力が前記所定値を超えた場合に前記短実効長を適用し,前記所定値以下の場合に前記長実効長を適用するよう前記可変容量機構を動作させることを特徴とする請求項11記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  13. 前記作動手段が,前記レシーバタンク内の圧力を検知する圧力検知手段を備え,該圧力検知手段が検知した圧力を前記供給圧力として,前記実効長を変更するよう前記可変容量機構を動作させることを特徴とする請求項11又は12記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  14. 前記可変容量機構が,吸入閉じ込み位置に対し前記吐出通路寄りで,且つ,前記吐出通路と連通する前の前記圧縮作用空間を前記吸入通路と連通させる逃がし穴と,前記逃がし穴を開閉する逃がし弁を備え,
    前記作動手段が,前記低圧設定時に前記逃がし穴を閉じて前記実効長を前記長実効長とし,前記高圧設定時,前記逃がし穴を開いて前記実効長を前記短実効長とするよう,前記逃がし弁を制御することを特徴とする請求項10又は12記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  15. 前記逃がし弁が,
    前記圧縮機本体のケーシングに形成されたピストン室と,
    該ピストン室内を,前記逃がし穴を閉じる前進位置と,前記逃がし穴を開放する後退位置間で進退移動すると共に,前記後退位置に向けて付勢されたピストンと,
    作動油の導入によって前記後退位置にある前記ピストンを,前記前進位置に移動させる閉弁受圧室を備え,
    前記作動手段が,
    前記レシーバタンクの油溜部と前記逃がし弁の前記閉弁受圧室間を連通する作動油流路と,
    前記作動油流路を開閉する開閉弁を備えること特徴とする請求項14記載の油冷式スクリュ圧縮機。
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