JP6649012B2 - リニアガイドのシール材 - Google Patents

リニアガイドのシール材 Download PDF

Info

Publication number
JP6649012B2
JP6649012B2 JP2015166298A JP2015166298A JP6649012B2 JP 6649012 B2 JP6649012 B2 JP 6649012B2 JP 2015166298 A JP2015166298 A JP 2015166298A JP 2015166298 A JP2015166298 A JP 2015166298A JP 6649012 B2 JP6649012 B2 JP 6649012B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide rail
slider
layer
sealing material
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015166298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017044250A (ja
Inventor
岳人 出井
岳人 出井
洋治 石崎
洋治 石崎
清原 好晴
好晴 清原
堅一朗 青木
堅一朗 青木
康弘 青木
康弘 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Corp
THK Co Ltd
Original Assignee
Nitta Corp
THK Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Corp, THK Co Ltd filed Critical Nitta Corp
Priority to JP2015166298A priority Critical patent/JP6649012B2/ja
Publication of JP2017044250A publication Critical patent/JP2017044250A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6649012B2 publication Critical patent/JP6649012B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Description

本発明は、工作機械、産業機械等に用いられるリニアガイドに取り付けられるシール材に関する。
従来より、案内レールと、その上に転動体を介して移動可能に取り付けられたスライダとで構成されるリニアガイドが知られている。このリニアガイドは、案内レールとスライダとの間に隙間が介在しており、その隙間にゴミ、埃、切粉等の異物が入り込むと、転動体の円滑な転動が妨げられてしまう。通常、そのような異物の入り込みを防止するために、案内レールとスライダとの隙間の開口をシールするシール材がスライダの前後方向の両端部に取り付けられている。
例えば特許文献1に開示されたリニアガイドのシール材は、案内レールに摺接するシールリップ部を有しており、シールリップ部には、潤滑材含有のゴム又は合成樹脂が用いられている。このようなシール材によれば、案内レールとスライダとの隙間の開口をシールして異物が上記隙間に入り込むことを防止することができ、また、案内レールと摺接するシールリップ部に、潤滑材含有のゴム又は合成樹脂が用いられていることで、外部からの潤滑剤の供給が不要となる。
特開平6−346919号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたリニアガイドのシール材においては、案内レールとスライダの隙間に微細な異物が入り込まない程度にシール性を高めるために、シールリップ部を案内レールに一定以上の力で押し付けることが必要であり、その結果、摺動抵抗が増加して、摺動性が悪化してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、案内レールとスライダの隙間への微細な異物の侵入を抑制しつつ、案内レールに対するシール材の摺動抵抗を低減可能なリニアガイドのシール材を提供することを目的とする。
(1)案内レールと、この案内レール上に転動体を介して移動可能に嵌め付けられたスライダと、を備えるリニアガイドの前記スライダに取り付けられ、前記案内レールと前記スライダとの隙間の開口をシールする、リニアガイドのシール材であって、前記案内レールと摺接する摺接部が、繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維で構成されることを特徴とするものである。
上記(1)の構成によれば、案内レールに対して摺接するシール材の摺接部が、繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維で構成された繊維からなるものであるので、当該摺接部が案内レールとスライダの隙間に微細な異物が入り込まないように、案内レールに押し付けられた状態で使用されても、専らゴム又は樹脂からなるシール材を使用した場合と比較して、案内レールに対するスライダの摺動抵抗を小さくすることができる。つまり、案内レールとスライダとの隙間への微細な異物の侵入の抑制、及び、案内レールに対してスライダが軸方に移動する際の摺動抵抗といった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができる。
(2)本発明のリニアガイドのシール材は、案内レールと、この案内レール上に転動体を介して移動可能に嵌め付けられたスライダと、を備えるリニアガイドの前記スライダに取り付けられ、前記案内レールと前記スライダとの隙間の開口をシールする、リニアガイドのシール材であって、補強板と、この補強板に貼り付けられた、ゴムを含浸させた繊維と、を備え、前記案内レールと摺接する摺接部が、繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維で構成されることを特徴とするものであってもよい。
上記(2)の構成によれば、上記(1)の構成を備える場合と同様の作用効果が得られるほか、補強板により、ゴムを含浸させた繊維の形状維持が図られる。特に当該繊維からなる摺接部の形状維持が図られることにより、安定したシール性が期待できる。
(3)本発明のリニアガイドのシール材は、案内レールと、この案内レール上に転動体を介して移動可能に嵌め付けられたスライダと、を備えるリニアガイドの前記スライダに取り付けられ、前記案内レールと前記スライダとの隙間の開口をシールする、リニアガイドのシール材であって、繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維からなる第1層と、補強板からなる第2層と、を含む積層構造を備え、前記案内レールと摺接する摺接部も前記積層構造からなることを特徴とするものであってもよい。
上記(3)の構成によれば、案内レールに対して摺接するシール材の摺接部が、繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維で構成された繊維からなる第1層と、補強板からなる第2層とを含むので、当該摺接部が案内レールとスライダの隙間に微細な異物が入り込まないように、案内レールに押し付けられた状態で使用されても、専らゴム又は樹脂からなるシール材を使用した場合と比較して、案内レールに対するスライダの摺動抵抗を小さくすることができる。つまり、案内レールとスライダとの隙間への微細な異物の侵入の抑制、及び、案内レールに対してスライダが軸方に移動する際の摺動抵抗といった、互いにトレードオフの関係にある両課題を同時に解決することができる。また、スライダが案内レール上を移動するときに、第1層の摺接部の摺動方向への撓みが、その片面に貼り付けられた補強板からなる第2層によって抑制されるので、摺接部を案内レールに押し付ける力を軽くしても十分なシール性を確保することが可能となる。
(4)本発明のリニアガイドのシール材は、上記(3)の構成を備えるものにおいて、前記積層構造は、フェルト又は発泡材からなる第3層を更に含んでおり、前記案内レールと摺接する摺接部も前記第3層を更に含んだ積層構造からなる、ものであってもよい。
上記(4)の構成によれば、フェルト又は発泡材からなる第3層に予め潤滑剤を含浸させておくことで、第1層および第2層の前記摺接部に潤滑剤を供給することができ、他からの潤滑剤の供給を不要とすることができる。
本発明の第1又は第2の実施の形態におけるリニアガイドおよびそのシール材を示す斜視図である。 本発明の第1又は第2の実施の形態におけるリニアガイドおよびそのシール材を示す斜視図であって、スライダの一部を断面化して転動体であるボールを露出させた図である。 (a)は本発明の第1の実施の形態に係るリニアガイドのシール材を示す正面図である。(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)は本発明の第2の実施の形態に係るリニアガイドのシール材を示す正面図である。(b)は(a)のB−B断面図である。 (a)は本発明の第1の実施の形態の変形例に係るリニアガイドのシール材を示す正面図である。(b)は(a)のC−C断面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態に係るリニアガイドのシール材について図面を参照しつつ説明する。
図1および図2に例示するリニアガイド1は、シール材2と、案内レール3と、案内レール3上に転動体であるボール4を介して軸方向に移動可能に嵌め付けられたスライダ5と、で主に構成されている。
案内レール3は、直線状に延びており、その両側面にレール側転動体転動溝6が軸方向に形成されている。また、案内レール3の上面の両側部にもレール側転動体転動溝8が軸方向に形成されている。
スライダ5は、略直方体の外観を有し、その下部中央部に案内レール3に遊嵌される凹部10が形成されている。凹部10の両側には、袖部11が形成され、両袖部11の内側面には、レール側転動体転動溝6に対向するスライダ側転動体転動溝12が形成されている。互いに対向したレール側転動体転動溝6およびスライダ側転動体転動溝12の間には転動体である多数のボール4が転動自在に装填されている。また、スライダ5の両袖部11の肉厚内には、軸方向にボール戻り通路13が形成されており、さらに、スライダ5の前後方向の両端部に設けられた軸方向視略コ字状のエンドキャップ14内に上記ボール戻り通路13と転動体転動溝6,12とを連通するU字形の湾曲通路15が形成されて無端状のボール循環路が構成されている。
スライダ5の背部16の底面には、レール側転動体転動溝8に対向するスライダ側転動体転動溝9が形成されており、互いに対向したレール側転動体転動溝8およびスライダ側転動体転動溝9の間に転動体である多数のボール4が転動自在に装填されている。また、スライダ5の背部16の肉厚内にも、軸方向にボール戻り通路17が形成されており、さらに同様に、エンドキャップ14に上記ボール戻り通路17と転動体転動溝8,9とを連通するU字形の湾曲通路18が形成されて無端状のボール循環路が構成されている。
シール材2は、スライダ5の前後方向の両端面又は片端面に、ボルト19にて取り付けられ、案内レール3とスライダ5との隙間の開口をシールする。本実施形態に係るシール材2は、例えば図3に示すように、繊維を含まないゴム、樹脂又は金属等で形成された支持板2bと、この支持板2bから案内レール3に摺接する摺接部2aに亘って形成された、ゴム又は樹脂を含浸させた繊維からなる繊維入りシール層2cとを有する。繊維入りシール層2cは、少なくとも摺接部2aに形成されていればよい。なお、図3では、説明の便宜上、支持板2bと繊維入りシール層2cとの境界が実線で表されているが、実物において境界が明確に表れることを意味するものではない。
シール材2は、軸方向から視ると、図3(a)に示すように、案内レール3と摺接する摺接部2aが、案内レール3の横断面形状に対応している。特に、シール材2がスライダ5に取付けられた状態で、摺接部2aが案内レール3に対して常時隙間なく接し、案内レール3とスライダ5との隙間に微細な異物(転動体の転動を悪化させる大きさの異物)が入り込まない程度の圧力で、案内レール3に押し付けられる。つまり、そうなるよう、摺接部2aの寸法形状やその他の必要な寸法形状が設定される。当然に、摺接部2aの形状は、レール側転動体転動溝6,8にも対応しており、レール側転動体転動溝6に嵌合しつつ摺接する凸部2dと、レール側転動体転動溝8に嵌合しつつ摺接する凸部2eとが摺接部2aに形成されている。
シール材2の摺接部2a以外の輪郭の寸法形状は、厳密に定める必要はないが、本実施形態では、シール材2の摺接部2a以外の部分の寸法形状はエンドキャップ14の形状に対応しており、シール材2全体として、略コの字状に形成されている。なお、図3中の符号20は、前記ボルト19を挿通するための貫通孔である。
上記繊維入りシール層2cは、アラミド繊維、ナイロン、ウレタン、木綿、絹、麻、アセテート、レーヨン、フッ素を含む繊維、及び、ポリエステル等によって形成可能であって、ゴム又は樹脂で含浸処理されている。繊維の形状は、例えば短繊維形状や長繊維形状であってもよい。
ゴム又は樹脂により繊維を含浸処理することで、繊維の間にゴム材又は樹脂材が入り込み、繊維同士を接着させてまとめあげ、繊維入りシール層2cとして機能させることが可能となる。また、繊維にゴム等が含浸されることにより、繊維同士の擦れによる摩耗が低減されると共に、さらには繊維入りシール層2cと案内レール3との間で発生する繊維入りシール層2c表面の摩耗性のアップを図ることが可能となる。
なお、ゴムは、繊維を含浸処理できるものであればよい。このゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロヒドリンゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム等を単独で、又はこれらのゴムを各種変性処理したものを使用することができる。これらのゴムは、単独で使用することができるほか、複数種のゴムをブレンドして用いることもできる。また、ゴムには、加硫剤のほか、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、及び、着色剤等の従来からゴムの配合剤として使用していたものを適量配合することができる。これら以外に、繊維入りシール層2cの潤滑性を向上させるために、グラファイト、シリコンオイル、フッ素パウダー、又は二硫化モリブデン等の固体潤滑剤がゴムに含まれていてもよい。さらに、上記ゴムの代わりに、又は上記ゴムとともに、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PET樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂、又は熱硬化樹脂を用いることもできる。
上記のゴム又は樹脂による繊維への含浸処理は、ゴム又は樹脂を溶剤等で溶解し液状とした後、所定の繊維(短繊維、長繊維や布)をディッピング処理する方法が好適に使用される。繊維入りシール層2cの前駆体として、繊維をシート状に形成した布を使用することができる。この布のゴム又は樹脂の含浸処理の方法も上記と同様な方法で行われる。
布を構成するものとしては、繊維を不規則にからめた不織布や、規則的に成形した織布や編布(ニット)等が挙げられる。これらの布は、繊維(短繊維や長繊維)のみから構成されたものと比べ、シート状であることから、ゴム等による含浸処理を行い易い(ハンドリングが容易)といった特徴を有する。なお、上記織布の織り方については、平織、朱子織、及び綾織等が用いられる。
また、上記の布は、ある程度の伸縮性があるものがよい。布をレール側転動体転動溝6,8の形状に沿った形へ成型する場合、布に伸縮性があることで、布表面がレール側転動体転動溝6,8の形状に追従して馴染みやすく、出来上がった繊維入りシール層2cの表面にシワ等が発生しにくく、表面が均一に仕上がるといった利点がある。その結果、案内レール3とシール材2との間で発生する摺動抵抗を更に低減することができる。
(第1の実施の形態に係るリニアガイドのシール材の作用効果)
上記構成によれば、案内レール3に対するシール材2の摺接部2aがゴム又は樹脂を含浸させた繊維からなるものであるので、案内レール3とスライダ5の隙間に微細な異物が入り込まない程度の圧力で、シール材2の摺接部2aが案内レール3に押し付けられた状態で使用されても、専らゴム又は樹脂からなるシール材を使用した場合と比較して、案内レール3に対するスライダ5の摺動抵抗を小さくすることができる。また、繊維入りシール層2cが繊維を含んでいることにより、専らゴム又は樹脂からなるシール材と比較して耐久性が向上する。
つぎに、本発明の第2の実施の形態に係るリニアガイドのシール材について図面を参照しつつ説明する。なお、シール材以外の構成については、第1の実施の形態で説明したものと同様であるため、以下ではシール材以外の説明を省略する。
図4に示すように、第2の実施の形態に係るリニアガイドのシール材2Aは、ゴム又は樹脂を含浸させた繊維からなる第1層21と、樹脂または金属からなる第2層22と、フェルトからなる第3層23とを含む積層構造を備えている。シール材2Aは、スライダ5の前後方向の両端面又は片端面にボルト19にて取付けられる。取付は、第1層21が最もスライダ5側に配置され、第1層21の反スライダ5側に第2層22が配置され、第2層22の反スライダ5側に第3層23が配置されるようになされる。
ゴム又は樹脂を含浸させた繊維からなる第1層21は、第1の実施の形態において説明した繊維入りシール層2cと同じ材料であり、その製造方法等も既述したとおりである。この材料は、ゴム等と同様にシール材として機能する上、第1の実施形態で説明したように、専らゴム又は樹脂からなるシール材と比較して、案内レール3に対する摺動抵抗が小さくなるという利点を有する。
樹脂または金属からなる第2層22は、シール材2A全体の形状維持のための補強板として機能する。また、この第2層22は、スライダ5が案内レール3上を移動するときに、第1層21の摺接部2Aaを支持して、当該第1層21の摺接部2Aaが摺動方向へ撓むのを抑制する役割をも果たす。第2層22は、樹脂または金属の何れでもよいが、樹脂の方が接着性に優れているため、シール材2Aの積層構造の耐久性が向上する。
フェルトからなる第3層23は、予め潤滑剤を含浸させておくことで、第1層21および第2層22の摺接部2Aaに潤滑剤を供給することができる。これにより、他からの潤滑剤の供給を不要にすることができる。フェルトとしては、芳香族ポリアミド、炭素繊維、ポリエステル繊維、耐炎化繊維、天然繊維を単独で又は複合させて用いることができ、通常、不織布に形成される。なお、第3層23を、フェルトからなるものではなく、発泡材からなるものとしてもよい。発泡材も潤滑剤を含有することができ、フェルトからなるものと同様の効果が得られるからである。
第1層21〜第3層23は、本実施形態では、軸方向から視て略同じ輪郭形状とされており、何れの層21〜23にも案内レール3に対して摺接する摺接部2Aaが形成されている。特に、第1層21の摺接部2Aaは、案内レール3に対して常時隙間なく接し、案内レール3とスライダ5との隙間に微細な異物(転動体の転動を悪化させる大きさの異物)が入り込まない程度の圧力で、案内レール3に押し付けられるような寸法形状に設定される。第2層22および第3層23の摺接部2Aaについては、シール機能を果たすものではないので、案内レール3に対して軽く接する程度の寸法形状とすることが望ましい。このシール材2Aの摺接部2Aaにも、レール側転動体転動溝6に嵌合しつつ摺接する凸部2Adやレール側転動体転動溝8に嵌合しつつ摺接する凸部2Aeが形成されている。
シール材2Aの摺接部2Aa以外の輪郭部分の寸法形状は、厳密に定める必要はないが、本実施形態では、シール材2Aの摺接部2Aa以外の部分の寸法形状はエンドキャップ14の形状に対応しており、全体として、略コの字状とされている。なお、図4中の符号20は、前記ボルト19を挿通するための貫通孔である。
上記積層構造を有するシール材2Aは、種々の周知の製法により、製造することが可能である。例えば、第1層21と第2層22の貼り合わせ面にそれぞれ接着剤を塗布してこれらを積層するとともに、第2層22と第3層23の貼り合わせ面にもそれぞれ接着剤を塗布してこれらを積層した後、プレス成形し、図4(a)に示すような形状に打ち抜き加工することで製造することができる。
(第2の実施の形態に係るリニアガイドのシール材の作用効果)
上記構成によれば、案内レール3に対して摺接するシール材2Aの摺接部2Aaが、ゴム又は樹脂を含浸させた繊維からなる第1層21と、補強板として機能する第2層22とを含む積層構造からなるので、当該摺接部2Aaが案内レール3とスライダ5の隙間に微細な異物が入り込まないように、案内レール3に押し付けられた状態で使用されても、専らゴム又は樹脂からなるシール材を使用した場合と比較して、案内レール3に対するスライダ5の摺動抵抗を小さくすることができる。また、スライダ5が案内レール3上を移動するときに、第1層21の摺接部2Aaが、第2層22によって支持されることにより、当該第1層21の摺接部2Aaの摺動方向の撓みが抑制されるので、摺接部2Aaを案内レールに押し付ける力を軽くしても十分なシール性が確保できる。さらに、シール材2Aの第1層21は、繊維を含んでいることにより、専らゴム又は樹脂からなるシール材と比較して耐久性に優れている。また、フェルト又は発泡材からなる第3層23に予め潤滑剤を含浸させておくことで、第1層21が案内レール3に対して摺接する摺接部2Aaに潤滑剤を供給することができ、他からの潤滑剤の供給を不要とすることができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、案内レールの両側面および上面に転動体転動溝が形成されたタイプのリニアガイドを例に挙げて説明したが、本発明に係るシール材の適用な上記のタイプのリニアガイドに限定されず、様々なタイプのリニアガイドに適用することができる。
また、上記第1の実施形態では、「繊維入りシール層2c」の繊維をゴム等で含浸処理する例について述べたが、本発明はこれに限定されず、当該繊維は、ゴム等で含浸処理することができるとともに金属面との間での摺動抵抗が低いものであれば良い。また繊維をシート状に形成した布を用いて繊維入りシール層2cを形成しても良い。例えば、ゴム等で含浸処理された帆布、ベルベット、デニム、織布、編布を採用することができる。また、縦横一方に伸縮する、または縦横両方に伸縮する繊維を採用しても良い。
また、上記第1の実施形態では、シール材2は、案内レール3に摺接する摺接部2aおよびその近傍のみが繊維入りシール層2cとされ、その他は支持板2bとされたものであったが、例えば図5に示すシール材2Bのように、形状維持のために樹脂板材又は金属板材からなる補強板2fと、その補強板2fの表面全体を覆うように貼り付けられた、ゴム又は樹脂を含浸させた繊維からなる繊維入りシール層2cとを有するものであってもよい。このシール材2Bも図3に示したシール材2と同様の凸部2d,2eおよび貫通孔20を有している。図5に示す例では、繊維入りシール層2cが補強板2f全体を覆ったものとなっているが、少なくとも案内レール3に摺接する摺接部2aが繊維入りシール層2cで構成されていればよく、摺接部2c以外は繊維入りシール層2c以外の材質、例えば、繊維を含まないゴム、樹脂又は金属等で形成されていてもよい。このシール材2Bによれば、補強板2fにより、繊維入りシール層2cの形状維持、特に、摺接部2aの形状維持が図られることにより、安定したシール性が期待できる。
また、上記第2の実施形態では、シール材2Aは、第1層21〜第3層23を含む積層構造となっていたが、他から潤滑剤を供給する等の事情がある場合は、フェルト又は発泡材からなる第3層23を省略してもよい。
また、上記第2の実施形態では、シール材2Aとして、第2層22の一方の面に第1層21が積層され、第2層22の他方の面に第3層23が積層されたものとされたものが採用され、そのシール材2Aは、スライダ5に近い方から第1層21、第2層22、第3層23の順に配置されるように取付けられていたが、シール材2Aにおける各層の積層順はこれに限定されない。例えば、スライダ5に近い方から第2層22、第1層21、第3層23の順に配置されたもの、スライダ5に近い方から第3層23、第2層22、第1層21の順に配置されたもの、スライダ5に近い方から第3層23、第1層21、第2層22の順に配置されたものなどであってもよい。
1 リニアガイド
2、2A、2B シール材
2a、2Aa 摺接部
2f 補強板
2c 繊維入りシール層(ゴム又は樹脂を含浸させた繊維)
3 案内レール
4 ボール(転動体)
5 スライダ
21 第1層
22 第2層
23 第3層

Claims (4)

  1. 案内レールと、この案内レール上に転動体を介して移動可能に嵌め付けられたスライダと、を備えるリニアガイドの前記スライダに取り付けられ、前記案内レールと前記スライダとの隙間の開口をシールする、リニアガイドのシール材であって、
    前記案内レールと摺接する摺接部が、繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維で構成されることを特徴とするリニアガイドのシール材。
  2. 案内レールと、この案内レール上に転動体を介して移動可能に嵌め付けられたスライダと、を備えるリニアガイドの前記スライダに取り付けられ、前記案内レールと前記スライダとの隙間の開口をシールする、リニアガイドのシール材であって、
    補強板と、この補強板に貼り付けられた、ゴムを含浸させた繊維と、を備え、
    前記案内レールと摺接する摺接部が、繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維で構成されることを特徴とするリニアガイドのシール材。
  3. 案内レールと、この案内レール上に転動体を介して移動可能に嵌め付けられたスライダと、を備えるリニアガイドの前記スライダに取り付けられ、前記案内レールと前記スライダとの隙間の開口をシールする、リニアガイドのシール材であって、
    繊維の間にゴムを含浸させて該繊維どうしを接着させてまとめあげるとともに、前記案内レール側の形状に追従するよう伸縮性を有する繊維からなる第1層と、補強板からなる第2層と、を含む積層構造を備え、
    前記案内レールと摺接する摺接部も前記積層構造からなることを特徴とするリニアガイドのシール材。
  4. 請求項3に記載のリニアガイドのシール材において、
    前記積層構造は、フェルト又は発泡材からなる第3層を更に含んでおり、
    前記案内レールと摺接する摺接部も前記第3層を更に含んだ積層構造からなることを特徴とするリニアガイドのシール材。
JP2015166298A 2015-08-25 2015-08-25 リニアガイドのシール材 Active JP6649012B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015166298A JP6649012B2 (ja) 2015-08-25 2015-08-25 リニアガイドのシール材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015166298A JP6649012B2 (ja) 2015-08-25 2015-08-25 リニアガイドのシール材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017044250A JP2017044250A (ja) 2017-03-02
JP6649012B2 true JP6649012B2 (ja) 2020-02-19

Family

ID=58209469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015166298A Active JP6649012B2 (ja) 2015-08-25 2015-08-25 リニアガイドのシール材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6649012B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007285479A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Nippon Thompson Co Ltd 高密封シール装置を備えた直動案内ユニット
JP4943204B2 (ja) * 2007-03-28 2012-05-30 Thk株式会社 案内装置とその潤滑剤導入部材及び潤滑剤供給構造
DE112009002104B4 (de) * 2008-08-28 2022-03-31 Thk Co., Ltd. Abdichtplatte für eine Bewegungs-Leitvorrichtung
JP5882148B2 (ja) * 2011-07-14 2016-03-09 株式会社阪上製作所 シール部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017044250A (ja) 2017-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4836216B2 (ja) 運動案内装置のシールプレート
KR102058637B1 (ko) 볼 나사, 시일재, 및, 시일 구조
EP2613063A1 (en) Linear motion guide device
JP5164699B2 (ja) 直動転がり案内ユニット用の潤滑部材および直動転がり案内ユニット用のスライダ
JP5975783B2 (ja) ボールジョイント
JP2007211900A (ja) エンドシール及びそれを備えた直動案内装置
KR102616476B1 (ko) 리니어 가이드의 씰재
US20130243355A1 (en) Side Seal for Linear Guide Apparatus and Linear Guide Apparatus
US20160102748A1 (en) Rack and rack manufacturing method
JP6649012B2 (ja) リニアガイドのシール材
JP2007285479A (ja) 高密封シール装置を備えた直動案内ユニット
US20160341244A1 (en) Curved sliding liner and curved sliding unit
TWI710719B (zh) 線性滑軌的密封構材
JP6863550B2 (ja) 摺動スクレーパーの取付け構造およびリニアガイド装置
JP6165460B2 (ja) ボールねじ、シール材、及び、シール構造
JP6045822B2 (ja) ボールねじ、シール材、及び、シール構造
JP2017009077A (ja) 直動機構用サイドシールユニットおよび直動機構
WO2017109924A1 (ja) 直動機構用サイドシールユニットおよび直動機構
JP6038537B2 (ja) ボールねじ、シール材、及び、シール構造
JP6134250B2 (ja) リニアガイド装置
JP6295043B2 (ja) 転がり案内装置
WO2017199579A1 (ja) 摺動スクレーパーの取付け構造およびリニアガイド装置
JP2015021511A (ja) 伸縮軸
JP2023183927A (ja) 潤滑剤供給体及び潤滑剤供給体を備えた直動案内装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190423

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6649012

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150