JP6648458B2 - 楽器用キャリア - Google Patents
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Description
パレードやショー等の演奏中において、演奏者は、停止して楽器を演奏するだけでなく、移動しながら演奏することがある。このため、演奏者の身体と楽器用キャリアとの接触面積を大きくして、演奏者の体の特定の場所に楽器及び楽器用キャリアの荷重が集中しないようにすることが望ましい。
上記構成とされたマーチングキャリアの肩掛けストラップは、支持ロッドの端を回転軸として回動可能な構成とされているので、演奏者の体型に応じて演奏者と肩当て部材との間の接触面積を増加させることが可能となる。
これにより、楽器用キャリアの見栄えを良くすることができるとともに、演奏者が衣装の下に楽器用キャリアを装着した場合に衣装が破損することを抑制できる。
また、演奏時に楽器用キャリアが演奏者の体からずれることを抑制できる。
これにより、演奏者の体型に肩当て部材の形状を合わせて、楽器用キャリアと演奏者との接触面積を増加させることが可能となるので、演奏時に楽器用キャリアが演奏者の体からずれることを抑制できる。
なお、下記実施の形態において、上及び下等の方向は、特に説明がない場合、演奏者が楽器用キャリアを装着して立った状態を基準としたときの方向を示している。
図1は、本発明の実施の形態に係る楽器用キャリアの斜視図である。図2は、図1に示す楽器用キャリアの正面図である。図3は、図1に示す楽器用キャリアの背面図である。図4は、図2に示す楽器用キャリアの側面図である。図2〜図4において、図1に示す楽器用キャリア10と同一構成部分には、同一符号を付す。
腹当て部材11は、演奏者の負担を軽減する観点から、軽量の材料(例えば、アルミニウム)で構成することが好ましい。
スライド溝32,33は、連結部材16の延在方向(言い換えれば、演奏者が楽器用キャリア10を装着した状態での高さ方向(上下方向))に延在するように配置されている。
スライド溝32,33の幅は、それぞれボルト52,57の軸部が通過可能な大きさに設定されている。
ロッドクランプ12は、ロッド収容部35と、突出部36と、ワッシャープレート38と、ボルト39と、を有する。
突出部36は、隙間を介在させて、対向配置された2枚の板部で構成されている。2枚の板部のうち、腹当て部材本体31の正面31a側と接触する板部は、腹当て部材本体31の背面31b側から2つのねじ37で腹当て部材本体31に固定されている。突出部36は、ロッド収容部35と一体に構成されている。
一方、ボルト39を締結すると、2枚の板部の間の隙間が狭くなることで、ロッド挿入穴の径も狭くなるため、ロッド14の位置が規制(言い換えれば、ロッド14の開き具合や高さが固定)される。
例えば、楽器用キャリア10を用いてドラムを支持する場合には、ドラムに装着されたキャリア連結部材(図示せず)に設けられた2つのロッド挿入穴のぞれぞれにロッド14の一端側を挿入する。このため、楽器用キャリア10を用いてドラムを支持する場合、ドラムに装着されたキャリア連結部材の2つのロッド挿入穴にロッド14が挿入可能なように、ロッド14の開き具合や位置を調整する必要がある。
なお、図5では、説明の便宜上、一対の第1の湾曲部41−1,42−1、及び第2の湾曲部62−1を断面で図示する。
第1の湾曲部41−1は、板部材41の上端部側の一部を湾曲させることで形成され、中空円筒をその軸線に沿って切った一部で構成された形状となっている。第1の湾曲部41−1の形状は、演奏者が楽器用キャリア10を装着した状態において、演奏者の胸から離間する方向に突出し、演奏者側には凹部が形成される形状とされている。
板部材41は、下端部側には複数のボルト52,57が貫通する穴(図示せず)設けられ、その穴の位置が少なくともスライド溝32,33の一部と一致するように、かつ腹当て部本体31の正面31aの中央部と接触するように配置されている。板部材41は、上下方向に延在している。板部材41の一部は、腹当て部材11の上方に突出している。
板状部材41,42の材料としては、例えば、軽量な金属であるアルミニウムを例示することができる。
複数のスペーサ44は、その高さによって板部材41,42の対向させた面の間隔を所定の間隔に保つ機能を有する。
これにより、板部材41,42の下端部の間に配置される腹当て部材11がスライド可能な隙間、及び第1の湾曲部41−1,42−1の間に配置されるスライド部材62の第2の湾曲部62−1がスライド可能な隙間がそれぞれ形成される。
ボルト57は、ワッシャープレート56、スライド溝33、板部材42の背面に配置された当て板53を貫通している。それぞれのボルト52,57は、ナットプレート54に螺合されている。
これにより、楽器用キャリア10を装着した演奏者の腹に対して、容易に腹当て部材11を当接するように高さを調整することができる。
このため、板部材41,42に対して腹当て部材本体31がスライド溝32,33の延在方向にスライドすることで容易に調整できる。
また、腹当て部材本体31の正面31aと板部材41の背面とが面接触するとともに、腹当て部材本体31の背面31bと板部材42の正面とが面接触するように挟持して位置関係を保持することで、一面のみで面接触してスライドする場合と比較して、抵抗を大きくすることが可能となる。これにより、演奏時に楽器用キャリアが演奏者の体からずれることを抑制できる。
肩当て部材本体61は、例えば、板材を湾曲させることで形成される。肩当て部材本体61は、先に説明した第1の湾曲部41−1,42−1の湾曲よりも大きく湾曲した形状とされている。楽器用キャリア10の軽量化の観点から、肩当て部材本体61の材料としては、例えば、アルミニウムを用いることができる。
スライド部材62は、その下部に第1の湾曲部41−1,42−1の湾曲形状に対応した形状を有する第2の湾曲部62−1(肩当て部材18の一部)を有する。
第2の湾曲部62−1は、一対の第1の湾曲部41−1,42−1間に形成された隙間に挿入されている。第2の湾曲部62−1は、一対の第1の湾曲部41−1,42−1の湾曲面の円弧に沿って案内されながらスライドする。
楽器用キャリア10の軽量化の観点から、スライド部材本体81の材料としては、例えば、アルミニウムを用いることができる。
スライド溝82〜84のそれぞれの溝幅は、ボルト22−1〜22−3の軸部が通過可能で、かつボルト22−1〜22−3の頭部及びワッシャープレート21が通過不可能な大きさに設定されている。
ボルト穴85は、U字形状とされたスライド部材本体81の両端部に設けられている。ボルト穴85は、スライド部材本体81を貫通するように設けられている。ボルト穴85には、ボルト65が螺合される。
ボルト22−2,22−3は、それぞれスライド溝83,84に軸部が挿入されており、ボルト22−1と同様にナットプレート24に螺合されている。
これにより、楽器用キャリア10の見栄えを良くすることができるとともに、演奏者が衣装の下に楽器用キャリア10を装着した場合に衣装が破損することを抑制できる。
これにより、楽器用キャリア10を装着する演奏者の体型に合わせて、肩当て部材18の角度や頂点の位置を、湾曲部の大きな曲率の円弧に沿って容易に調整でき、ボルト22−1,22−2,22−3を締めることで、湾曲部の大きな曲率の曲面同士を接触した状態で保持できるので、演奏時に楽器用キャリア10が演奏者の体からずれることを抑制できる。
これにより、大きな曲率で支持できるとともに接触する面積が増えて保持力が大きくなり、楽器用キャリア10が演奏者の体に密着した状態を維持しやすくなるので、演奏時に楽器用キャリア10が演奏者の体からずれることを抑制できる。
図7及び図8において、図1〜図6に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図7及び図8では、説明の便宜上、一対の第1の湾曲部41−1、及び第2の湾曲部62−1を断面で図示する。
痩せた体型(腹厚の小さい体型)の演奏者Bが楽器用キャリア10を装着すると、演奏者Bの体の厚さが薄いため、一対の第1の湾曲部41−1,42−1に沿って第2の湾曲部62−1が下方にスライドする。これにより、肩当て部材18の頂点T1が連結部材16に近い位置に配置される。そして、このような位置において、演奏者Bの肩と肩当て部材18との接触面積が多い状態となる。
そして、このような位置において、演奏者Cの肩と肩当て部材18との接触面積が多い状態となる。
背当て部材19の両端は、ワッシャープレート26、ボルト27、及びナットプレート28により、一対の肩当て部材本体61の他方の端部に連結されている。背当て部材19は、演奏者の背中に当接される部材である。
これにより、楽器用キャリア10の見栄えを良くすることができるとともに、演奏者が衣装の下に楽器用キャリア10を装着した場合に衣装が破損することを抑制できる。
また、連結部材16に対して面接触で肩当て部材18をスライドさせることで、肩当て部材がスライドするときに発生する抵抗が大きくなるので、連結部材16が肩当て部材18を保持する力(保持力)を向上させることが可能となる。これにより、演奏時に楽器用キャリア10が演奏者の体からずれることを抑制できる。
一対の第1の湾曲部41−1,42−1及び第2の湾曲部62−1は、例えば、板部材41,42と腹当て部材31の間に配置してもよいし、板部材41,42と肩当て部材本体61の間に配してもよい。
さらには、板部材41,42を省略し、腹当て部材31とスライド部材62のそれぞれを板状に延設し、そのそれぞれに第1の湾曲部41−1,42−1及び第2の湾曲部62−1を設けるようにしてもよい。このような場合も本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
一対の第1の湾曲部41−1,42−1及び第2の湾曲部62−1の大きさ(例えば、湾曲の曲率半径の大きさや円弧を成す角度)や湾曲の程度を変更することで、肩当て部材18の半径の大きさや頂点の位置等を変化させることが可能となる。これにより、体型の異なるより多くの演奏者に適用することが可能となる。
スライド溝が2つ以上であれば、図5に示すA方向に安定してスライド部材62をスライドさせることが可能となる。
これにより、ボルト22−1,22−2,22−3の頭部が直接、衣装に引っ掛かったり局所的に擦れたりすることがなくなるため、衣装の損傷をより抑制することができる。
このように、演奏者側に連結部材89を配置し、連結部材89の正面側にスライド部材62を配置することで、連結部材89をスライド部材62の正面側に配置させた場合と比較して、連結部材89の厚さ分、出っ張りを小さくすることが可能となるので、衣装の中に楽器用キャリアを装着する際に、衣装の損傷をさらに抑制できる。
なお、連結部材89を用いる場において、演奏者側にスライド部材62を配置し、スライド部材62の正面側に連結部材89を配置してもよい。
この場合、無段階ではなく多段階での調整となるが、スライド溝の構成よりも良好に板部材41,42と肩掛け部材18の向き(位置関係)を保持できる。
屈曲部91−2は、肩掛け接続部材88と対向する部分に、4つの平坦面93−1,93−2,93−3,93−4が角度を持ってつながることで形成される。屈曲部91−2を構成する4つの面には、それぞれに図面視奥行き方向に配された3つのボルト29(前述の22−1〜22−3と同様な構成とされたボルト)が貫通する穴92−1,92−2,92−3,92−4が形成される。屈曲部91−2の肩掛け接続部材88と対向しない側は、湾曲面が形成されている。
肩掛け接続部材88の両端部には、ボルト穴(図示せず)に、前述のスライド部材62と同様に、図示しない肩掛け部材61がボルト65とナット66とで接続される。
肩掛け接続部材88の中央部には腹当て部材91の屈曲部91−2と対向する屈曲部88−1が形成される。屈曲部88−1は、7つの平坦面が角度を持ってつながることで形成される。屈曲部88−1に形成される1つの面に連結ボルト穴88Aが設けられている。連結ボルト穴88Aは、腹当て部材91の屈曲部91−2が対向している状態で穴92−1,92−2,92−3,92−4のいずれか一つと連結ボルト29が貫通した状態でナット24に螺合することで、腹当て部材91と肩当て部材90が連結される。
このような構成とされた腹当て部材91と肩当て部材90は、屈曲部91−2を形成する4つの平坦面93−1,93−2,93−3,93−4のいずれかが連結ボルト29を有する面に選択的に合せられ、その合せられた状態で連結ボルト29とナット24によって締結されることによって、腹当て部材91と肩当て部材90の角度の関係が異なる4つの姿勢のいずれかを安定してとることができる。
このような構成とした場合も、先に説明した楽器用キャリア10と同様な効果を得ることができる。
Claims (5)
- 演奏者の前方において楽器を支持する楽器用キャリアであって、
前記演奏者の肩に当接される肩当て部材と、
前記肩当て部材とは別体に設けられ、前記肩当て部材に直接または間接的に連結される部分を含み、かつ前記演奏者の腹部に当接される腹当て部材と、
を含み、
前記肩当て部材と前記腹当て部材との間の連結は、湾曲部または屈曲部を持つ板状部材を重ねて固定されることで面接触した状態で連結され、前記湾曲部または前記屈曲部の重ねる位置を変えることで前記肩当て部材に対する前記腹当て部材の角度を変更可能であることを特徴とする楽器用キャリア。 - 前記肩当て部材側に位置する一部が、前記肩当て部材の少なくとも一面に配置された連結部材を有し、
重ね合される前記湾曲部または前記屈曲部の一方が前記連結部材に設けられており、前記連結部材に設けられた前記湾曲部または前記屈曲部の面と、前記肩当て部材と前記腹当て部材との少なくとも一方に設けられた前記湾曲部または前記屈曲部の面とを重ねた状態で締結手段により締結されることで、前記肩当て部材と前記腹当て部材とが連結されることを特徴とする請求項1記載の楽器用キャリア。 - 前記肩当て部材は、前記連結部材に対して、異なる角度で連結するように、円弧状または多段階でスライド可能あるいは多段階で異なる位置で脱着可能な構成であることを特徴とする請求項2記載の楽器用キャリア。
- 前記連結部材は、所定の間隔で対向配置された2枚の板部材を含み、
前記肩当て部材の一部が前記2枚の板部材間に配置され、
前記肩当て部材の一部がずれる際または脱着する際、前記肩当て部材の一部の二面が、前記2枚の板部材の一面と面接触することを特徴とする請求項2または3記載の楽器用キャリア。 - 前記連結部材側に位置する前記腹当て部材は、前記2枚の板部材の間に配置されるとともに、該2枚の板部材に対して面接触し、かつ前記腹当て部材と前記肩当て部材との間が、スライド可能または脱着可能な構成であることを特徴とする請求項4記載の楽器用キャリア。
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