JP6647526B2 - 聴診トレーニングシステムおよび模擬採音部 - Google Patents

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Description

この発明は、新生児蘇生法の訓練するためのシミュレーション装置の技術に関する。
医師が、病状、病名を診断するに際して、診察の一環として聴診器(正確には採音部)を患者の患部に当てて生体音(呼吸音、心音、腸雑音等)を聴き、その異常性を判断することが行われる。
ここで、聴診器は大きく分けて採音部、チューブ(ゴム管とも呼ばれる)及び耳管からなる。
従来から、医師を目指す医学生や看護師を目指す看護学生などの実習生に対して、聴診の技術を修得させるための聴診トレーニングシステムが報告されている。
たとえば、特許文献1に開示の聴診教育用装置は、人体の上半身を模して形成された人体モデルと、人体モデルに対して模擬的に聴診動作を行うための模擬聴診器と、模擬聴診器による聴診動作を検知する聴診検知センサと、模擬聴診器及び聴診検知センサとそれぞれ接続され、聴診動作を検知した聴診検知センサから送出される検知シグナルを受付け、模擬聴診器の耳管部に設けられた生体音再生部から、検知シグナルに対応する聴診位置の心音及び呼吸音等の生体音を再生させるための処理を行う制御部とを主に具備している。
また、たとえば、特許文献2に開示の聴診トレーニングシステムは、位置表示手段を備えた採音部、チューブ及び耳管からなる模擬聴診器、採音部位置を検知する位置検知手段、生体音データベース、生体音再生手段及び再生呼吸音の繰り返しタイミングを表示するタイミング表示手段からなる。ここで、データベースは、予め真の患者から胸の位置に対応付けて録音された生体音を情報として保有している。また、生体音再生手段は音声再生器を備えており、位置検知手段が検知した採音部位置に応じてデータベースから所定の生体音情報を取り出し音声再生器から再生生体音を発し、それを実習生は耳管を通して聞く。そして、タイミング表示手段は模擬患者がそれを見て自分の呼吸動作を再生呼吸音に合わせる、という構成である。
ただし、これらの聴診トレーニングシステムは、基本的には、成人の患者に対する聴診をトレーニングすることを目的としている。
一方で、厚生労働省の調査によると日本の2014年間出生数は約103万人である。そして、非特許文献1によると、その15%にあたる約18万人の新生児には出生直後に呼吸循環機能の安定のために新生児蘇生法を正しく施術する必要がある。そのため、日本周産期・新生児医学会が運営する新生児蘇生法普及事業では「すべての周産期医療関係者が標準的な新生児救急蘇生法を体得して、すべての分娩に新生児の蘇生を開始することができる要員が専任で立ち会うことのできる体制を実現する」ということを目標に掲げている。
このような目標の達成のために開催される、従来の新生児蘇生法普及事業による新生児蘇生法を習得するための講習会では、座学と実習が行われている。
実習では、新生児を模擬したシミュレータを使用し処置を学ぶ。シミュレータには、新生児の身体の構造やバイタルを高度に模擬した高性能シミュレータから、身体の形だけ模擬した新生児蘇生モデルなど様々なものがある。高性能シミュレータでは訓練生の処置に対してシミュレータの心拍数や呼吸数等の状態を操作でき、シミュレータで生成される心音を訓練生は聞くことができる。そのため、現実の新生児に処置を行っているような訓練効果が高い臨場感のある訓練ができる。
一方、人体の形を模擬した人形である新生児蘇生モデルでは、訓練生の処置に対してモデルの状態を変更できず、訓練生は、聴診を模擬的に行うことができない。そのため、現実の新生児に処置を行っているような効果が高い訓練ができない。
特開2005−77521号公報 特開2012−247513号公報
JRC蘇生ガイドライン2015 オンライン版:http://www.ncpr.jp/guideline_update/pdf/jrc_guideline_2015.pdf
上述した講習会は、たとえば、座学と実習から構成されている。座学では新生児蘇生法のアルゴリズムの流れに沿いながら処置の仕方などの説明が行われる。
実習では、使用する器具の説明、人工呼吸や胸骨圧迫等の基本的な手技の訓練、シミュレータを使用したシナリオベースの訓練が行われる。
シナリオベースの訓練の前半のシミュレーションではトレーナが訓練生に質問し、一つ一つ確認しながら進めている。後半では実際の臨床現場と同じような緊張感のある状況を作るために、トレーナはシナリオの流れが途切れないようシミュレーションの流れをコントロールする。
講習会に使用されているシミュレータは、訓練効果が高い高性能シミュレータと、訓練効果が低い新生児蘇生モデルに分類できる。
(高性能シミュレータ)
高性能シミュレータの一例であるのLeardl社のSimBaby(登録商標)では、心拍音、呼吸音、皮膚の色など新生児の状態をシミュレータが再現し、コントローラによってトレーナが状態を操作することができる。また、このシステムには様々な訓練シナリオが用意されており、訓練生はそのシナリオをシミュレートすることができる。これらの機能はコンピュータで制御している。しかし多機能である反面、トレーナはシミュレータを操作するために習熟を要する。また、高額かつメンテナンスが必要であるため一般の病院では導入することが困難である。
(新生児蘇生モデル)
一方で、たとえば、高研社などからは、「新生児蘇生モデル」という名称で、新生児の重さや形、気道・気管の形状が解剖学的に模擬された人形が発売されている。
人形であるため、訓練生が行った処置によって新生児蘇生モデルの状態に変化はない。つまり、訓練生は新生児蘇生モデルからは心拍数等の処置に必要な情報を臨床現場と同じ方法で得ることができない。
例えば心拍数を知るために、訓練生は聴診器を新生児蘇生モデルにあてても、聴診器から心拍を聞くことはできない。そのためトレーナが口頭や、手で机を叩いて心拍数を提示しているというような現状である。
そこで、この発明の目的は、新生児蘇生法を習得するスタッフを増やすために、導入コストが低く、訓練効果が高い新生児蘇生法の訓練用の聴診トレーニングシステムおよびそのシステムに使用される模擬採音部を提供することを目的とする。
この発明の1つの局面に従うと、聴診トレーニングシステムであって、新生児の人体を模して形成された人体モデルと、トレーニーの耳孔部に挿着可能な耳管部と、人体モデルに対して聴診動作を行うための模擬採音部と、耳管部と模擬採音部とをつなぐための管部とを有する聴診器とを備え、模擬採音部は、管部に着脱可能であって、模擬採音部人体モデルの表皮への密着の程度を検知するためのセンサと、受信した生体音データに対応する音を再生するための再生部と、センサの検知結果を送信し、生体音データを受信するための第1の送受信部とを含み、聴診トレーニングシステムの動作を制御するための制御装置をさらに備え、制御装置は、第1の送受信部との間でデータの送受を行うための第2の送受信部と、人体から発せられる心音を含む生体音に対応する生体音データを記憶する記憶手段と、センサの検知結果に基づき、模擬採音部が人体モデルの表皮に密着しているか否かを判断する密着性判断手段と、密着性判断手段により密着していると判断した場合に、生体音データを第2の送受信部を介して、再生部に対して送出する生体音送出部とを含む。
好ましくは、制御装置は、心音の心拍数の変更を入力する入力手段をさらに含み、生体音送出部は、変更された心拍数に対応する生体音データを第2の送受信部を介して、再生部に対して送出する。
好ましくは、第1の表示装置をさらに備え、制御装置は、第1の表示装置に対して、動脈血酸素飽和度の値と脈拍数の値とを表示させるためのデータを第2の送受信部を介して送信するテスト情報管理手段をさらに含み、テスト情報管理手段は、入力手段からの入力に応じて、動脈血酸素飽和度の値および脈拍数の値を更新する。
好ましくは、制御装置は、第2の表示装置をさらに含み、テスト情報管理手段は、予め定められた新生児蘇生法の手続きの各ステップを示す図と、現在のステップの位置を示す情報を第2の表示装置に表示させ、入力手段からの入力に応じて、現在のステップの位置を更新する。
好ましくは、テスト情報管理手段は、予め定められた新生児蘇生法の手続きの各ステップにおけるチェック項目を第2の表示装置に表示させ、制御装置は、入力手段からの入力に応じて、チェック項目に対応するチェック結果を記憶手段に履歴情報として格納するテスト履歴記録手段をさらに含む。
好ましくは、テスト履歴記録手段は、心拍数および動脈血酸素飽和度の値の変更履歴をさらに記憶手段に履歴情報として格納し、制御装置は、入力手段からの入力に応じて、履歴情報を再現するテスト履歴再現手段をさらに含む。
好ましくは、人体モデルの体表には、所定位置にマーカが付されており、模擬採音部は、マーカを読み取るための読取センサをさらに含み、生体音送出部は、マーカにより示される体表位置に応じて、第2の送受信部を介して、再生部に対して送出する生体音データを変更する。
この発明の他の局面に従うと、新生児の人体モデルを使用して新生児の蘇生手順を訓練するための聴診トレーニングシステムにおいて使用される模擬採音部であって、使用者の耳孔部に挿着可能な耳管部と採音部と耳管部と採音部とをつなぐための管部とを有する聴診器に対して、採音部と交換可能であって管部と着脱可能に接続するための接続部と、模擬採音部が人体モデルの表皮に密着の程度を検知するためのセンサと、聴診トレーニングシステムの制御装置から受信した生体音データに対応する音を再生するための再生部と、センサの検知結果を送信し、生体音データを受信するための送受信部とを備える。
本発明では、新生児蘇生法の訓練用の聴診トレーニングシステムにおいて、導入コストが低減し、同時に、訓練効果を高めることが可能である。
実施の形態1の聴診トレーニングシステムの一例を説明するための概念図である。 模擬聴診器100の構成を説明するための外観図である。 制御コンピュータ2000の構成を説明するための機能ブロック図である。 模擬採音部10の構成を説明するための機能ブロック図である。 制御コンピュータ2000のハードウェア構成を示すブロック図である。 模擬採音部10に搭載される照度センサの外観を示す図である。 模擬採音部10のモデル人形2の体表への接触状態を説明するための図である。 「新生児蘇生法アルゴリズム」を説明するためのフローチャートである。 トレーニング中の制御コンピュータ2000の動作を説明するためのフローチャートである。 表示装置2120における表示画面例を示す図である。 従来使用されているシミュレータと実施の形態1の聴診トレーニンングシステムとの比較を示す概念図である。 実施の形態1の聴診トレーニンングシステムの主要な構成および機能を説明するための概念図である。 実施の形態2の聴診トレーニングシステムの一例を説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態に係る聴診トレーニングシステムについて、図に従って説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の聴診トレーニングシステムの一例を説明するための概念図である。
本実施形態の聴診トレーニングシステム1000は、図1に示すように、新生児の人体を模したモデル人形2に対し、訓練生(トレーニー)が模擬的に聴診動作を行うために使用する模擬聴診器100と、後述するように生体音データベースを内蔵し、模擬聴診器100に対して適切な生体音を生成して送信するための制御コンピュータ2000と、制御コンピュータ2000から送信される信号に応じて、模擬的にパルスオキシメータを模して脈拍数および酸素飽和度の値を表示するための表示装置3000とを含む。
なお、表示装置3000は、例えば、いわゆるタブレット型端末を使用することが可能であるが、そのような構成に限定されるものではない。
ここで、「パルスオキシメーター(pulse oximeter)」とは、プローブを指先や耳などに付けて、侵襲せずに脈拍数と経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)をモニターする医療機器である。「経皮的動脈血酸素飽和度」とは、ヘモグロビンに何%の酸素が結合しているのかを表す指標である。それにより、動脈血酸素分圧が推測できる。経皮的動脈血酸素飽和度が90%以下となると、一般に、臨床症状としては、呼吸困難や血圧上昇または低下、脈拍上昇、意識混濁などの症状が出現する。
図2は、模擬聴診器100の構成を説明するための外観図である。
一般的な聴診器は大きく分けて採音部、チューブ(たとえば、ゴムを素材とした場合は、ゴム管とも呼ばれる。以下、「管部」と呼ぶ)および耳管からなる。なお、採音部は、チェストピースとも呼ばれる。
模擬聴診器100は、図2に示すように、実際の医療現場において医師や看護師が聴診の際に利用する聴診器の構成において、採音部を、以下に説明するような模擬採音部に交換したものである。
より詳しくは、図2に示すように、模擬聴診器100は、モデル人形2の体表に対して当接される聴診面を有する模擬採音部10と、模擬採音部10に着脱可能に接続され二つに分岐した軟素材製のY字管部20と、Y字管部20の分岐したY字部のそれぞれの端部に取着され、訓練生の耳孔部に挿着可能な耳管部30aおよび30bを備える。
模擬採音部10は、後述するように、制御コンピュータ2000から送信される生体音(たとえば、心音)を再生し、また、模擬採音部10が、モデル人形2の体表に密着されているか否かを示すセンサの検知結果を制御コンピュータ2000に送信する構成を有する。
図3は、制御コンピュータ2000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図3において、制御コンピュータ2000の実行する機能は、後述するように、制御コンピュータ2000内の中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)により、プログラムに基づいて、実行される。
図3を参照して、無線インタフェース2090は、模擬採音部10および表示装置3000との間で、無線通信によりデータの授受を行う。
無線インタフェース2090と模擬採音部10との間の無線通信方式としては、特に限定されないが、たとえば、Bluetooth(登録商標)を使用することができる。
また、無線インタフェース2090と表示装置3000との間の無線通信方式としては、特に限定されないが、たとえば、無線LAN(Local Area Network)を使用することができる。なお、制御コンピュータ2000と表示装置3000との間の通信は、有線であってもよい。
模擬採音部10からは、模擬採音部10がモデル人形2の体表に密着されているか否かを示すセンサの検知結果が制御コンピュータ2000に送信され、制御コンピュータ2000からは、現在設定されている生体音データが、模擬採音部10に送信される。
制御コンピュータ2000から表示装置3000へは、現在設定されている脈拍数および酸素飽和度の値が送信され、表示装置3000は、受信したデータを表示する。
密着性判断部2420は、受信したセンサの検知結果により、模擬採音部10がモデル人形2の体表に密着されていると判断した場合は、生体音送出部2430に対して、現在設定されている生体音データ(たとえば、設定されている心拍数に対応する心音データ)を、無線インタフェース2090経由で、模擬採音部10に送信するように指示する。生体音送出部2430は、不揮発性記憶装置2080に格納されている生体音データベース(以下、生体音DB)2450aから、生体状態情報2450bにより現在設定されている生体音データを読み出し、模擬採音部10に送信する。
なお、生体音DB2450aには、たとえば、症状に応じた心音のデータや、その他、新生児の蘇生において聴診されることが想定される生体音のデータが格納されているものとする。心音のデータは、心拍数ごとに、予め格納されていてもよいし、所定の基準の心拍数の音データが格納されており、生体音送出部2430が、基準の心拍数の音データを指定された心拍数のデータに変換してもよい。
不揮発性記憶装置2080に格納されているテストアルゴリズム情報2450cには、後述するような新生児蘇生アルゴリズムに対応するシナリオ情報が格納されており、生体状態情報2450bには、現在の訓練対象となる新生児モデルの心拍数、経皮的動脈血酸素飽和度の値などが格納される。生体状態情報2450bには、初期値の他、現在値が格納されており、現在値は、入力装置2100からのトレーナによる入力操作により変更可能であるものとする。
テスト情報管理部2460は、テストアルゴリズム情報2450cおよび生体状態情報2450bとして格納されている情報に基づき、制御コンピュータ2000の表示装置2120に画像を表示するための情報および表示装置3000に画像を表示するための情報を生成する。表示装置3000には、無線インタフェース2090を介して、表示する画像に関する情報が送信される。
なお、表示装置3000がタブレット型端末であって、スピーカを内蔵している場合は、生体音送出部2430は、現在設定されている生体音データの一部として呼吸音データを、無線インタフェース2090を介して表示装置3000に送信して、表示装置3000において、新生児の呼吸音を模擬的に再生する構成としてもよい。この場合は、トレーナの入力装置2100からの入力に応じて、呼吸数を変更することを可能な構成とする。設定された呼吸数は、生体状態情報2450bに格納される。
テスト履歴記録部2470は、タイマー2470からの時刻情報を基に、トレーニング開始からの時刻情報と関連付けて、トレーニング中の訓練生についてのテスト履歴情報を、テスト履歴データベース(以下、テスト履歴DB)2450dに、訓練生ごとに格納する。テスト履歴情報としては、たとえば、テスト開始からの時刻に従った訓練ステップの進行の履歴(心拍数の情報、経皮的動脈血酸素飽和度の履歴情報を含む。好ましくは、呼吸数の履歴を含んでもよい)に関する情報や、後述するトレーナによる「チェック結果情報」などが含まれる。
テスト履歴再現部2490は、トレーニング終了後において、入力装置2100からの指定に基づき、指定された訓練生についてのテスト履歴情報を、テスト履歴DB2450dから読出し、表示装置2120に再現して表示する。
図4は、模擬採音部10の構成を説明するための機能ブロック図である。
模擬採音部10は、接続管32により管部20と着脱可能に接続され、モデル人形2の体表に接触させるためのスカート状の形状の接触部22を備える。
接触部22の内部の中心付近には、照度センサ18が設けられる。接触部22がスカート状の形状を有し、光の非透過性の材質で構成されているため、モデル人形2の体表に接触部22が密着すると、照度センサ18に入射する光量が所定値以下に減少する。したがって、照度センサ18により検知される値により、接触部22の密着の程度を判断することができる。
なお、接触部22の密着の程度を検出するためのセンサとしては、このような照度センサに限定されることなく、他の接触センサ、圧力センサなどを利用してもよい。
模擬採音部10のヘッド部11の内部には、制御コンピュータ2000と無線通信するための無線通信部12と、無線通信部12により受信された生体音データを音声に変換して再生するための音声再生部14と、音声再生部14の出力を音として出力するための小型スピーカ16と、照度センサ18からの信号を、無線通信部12を介して制御コンピュータ2000に送信するデータ形式に変換するためのセンスデータ送信部21とを含む。
ヘッド部11と接触部22とは、円筒状の結合部材24により結合されており、小型スピーカ16からの音は、結合部材24および接続管32の内部を経由して、管部20に伝達される。
(ハードウェアの構成)
図5は、制御コンピュータ2000のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5において、制御コンピュータ2000のコンピュータ本体2010は、メモリドライブ2020と、ディスクドライブ2030と、CPU2040と、ディスクドライブ2030及びメモリドライブ2020に接続されたバス2050と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM2060と、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM2070と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するための不揮発性記憶装置(たとえば、SSD:Solid State Drive)2080と、ネットワーク等を介して外部機器と通信するための無線通信インタフェース2090とを含む。
CPU2040が、プログラムに基づいて実行する演算処理により、上述した図3の各機能が実現される。
制御コンピュータ2000に、上述した実施の形態の情報処理等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM2200、またはメモリ媒体2210に記憶されて、ディスクドライブ2030またはメモリドライブ2020に挿入され、さらに不揮発性記憶装置2080に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ本体2010に送信され、不揮発性記憶装置2080に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM2070にロードされる。
制御コンピュータ2000は、さらに、入力装置2100としてのキーボード2100aおよびマウス2100bと、出力装置としてのディスプレイ2120とを備える。
上述したような機能を実現するためのプログラムには、コンピュータ本体2010に、情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。制御コンピュータ2000がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
また、CPU2040は、単一コアの構成であってもよいし、いわゆるマルチコアの構成であってもい。上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
なお、制御コンピュータ2000も、いわゆるタブレット型端末であってもよい。その場合、入力装置2100としては、ディスプレイ2120に組み込まれたタッチセンサ式ディスプレイとすることができる。また、ディスクドライブは省略される。
さらに、上述のとおり、表示装置3000も、タブレット型端末としてもよい。
図6は、模擬採音部10に搭載される照度センサの外観を示す図である。
上述したとおり、模擬採音部10は、外観形状は、通常の採音部の形状とほぼ同様の構成となっており、接触部22の中心付近に、照度センサが設けられる。
図7は、模擬採音部10のモデル人形2の体表への接触状態を説明するための図である。
図7(a)に示すように、模擬採音部10のモデル人形2の体表への接触が不十分な場合は、照度センサ18により、一定値以上の光量が検知されるため、訓練生には、生体音(たとえば、心音)が聞こえない。一方、図7(b)に示すように、模擬採音部10が、モデル人形2の体表に十分に接触している場合は、訓練生に生体音が聞こえる。
[新生児蘇生法アルゴリズム]
図8は、非特許文献1に開示された「新生児蘇生法アルゴリズム」を説明するためのフローチャートである。
この「新生児蘇生法アルゴリズム」については、非特許文献1に詳しいので、以下では、その概略について、説明する。
まず、この「新生児蘇生法アルゴリズム」の対象となるのは、分娩室,新生児室と新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)入院中の(修正月齢1か月未満)児の蘇生である。
病院前救護や小児科病棟ならびに小児集中治療部門をはじめ、病棟や外来における救急
蘇生において、28日未満の乳児(新生児)の心停止には、乳児に対する心肺蘇生法を適応しても良い。
(蘇生の流れ)
出生直後の新生児において蘇生が必要かどうかの判断は、i)早産児、ii)弱い呼吸・弱い啼泣、iii)筋緊張の低下、の3項目で行う(S100)。
それらすべてを認めない児に対しては母のそばでルーチンケアを行う(S110)。
ルーチンケアでは、保温、気道開通、皮膚の乾燥を行い、その後、さらに児の評価を行う。
(蘇生のステップ)
一方、S100において、3項目のうち1つでも当てはまる場合は、蘇生のステップに入りる。
すなわち、S100で、蘇生が必要と判断された場合、蘇生の必要な乳児は、順番に以下の処置が必要かどうかを評価する。
(1) 蘇生の初期処置(皮膚の羊水を拭き取り、保温し,気道確保の体位をとらせ、必要であれば気道を吸引して、呼吸を誘発するように皮膚刺激をする)(S120)
(2) 人工呼吸および呼吸補助(S132)
(3) 胸骨圧迫(S136)
(4) 薬物投与または補液(S140)
次のステップに進むかどうかは,まず2つのバイタルサイン(心拍数と呼吸)を同時に評価して決定する。次のステップへは,前のステップを完了してから進む。各々のステップでその処置の実施に概ね30秒を割り当てて処置の効果を再評価し、次へ進むかどうかを決める。
1)蘇生の初期処置とその評価(S120〜S130)
蘇生の初期処置(S120)では、皮膚の羊水を拭き取り、保温し、気道確保の体位をとらせ、必要であれば気道を吸引し、呼吸誘発のために皮膚刺激をする。
蘇生の初期処置終了後、概ね生後330秒後に、その効果を心拍数と呼吸で評価する(S130)。心拍数の確認は臍帯拍動の触知よりも聴診がより確実である。また、蘇生が必要と予見される児では心拍数と酸素化の評価のためにパルスオキシメータの装着を考慮する。
自発呼吸があり、かつ心拍数が100/分以上の場合は、努力呼吸と中心性チアノーゼの有無を評価する(S150)。特に人工呼吸を受ける児に対し、より早く正確な心拍数の測定を目的に、必要に応じECG(心電図)モニターの装着を検討する。
努力呼吸と中心性チアノーゼを認める場合はパルスオキシメータを装着した上で、空気を用いた持続的気道陽圧(Continuous Positive Airway Pressure:CPAP)かフリーフロー酸素投与を開始する(S152)。
SpO2値は生後時間に対応して、生後1分で60%、生後3分で70%、生後5分で80%、生後10分で90%を概ねの目安とするが、SpO2値の結果を必ずしも待つ必要はない。
さらに概ね30秒後に心拍数と呼吸を評価し(S154)、心拍数が100/分以上にもかかわらず努力呼吸と中心性チアノーゼの改善が認められない場合には人工呼吸を開始する(S156)。
人工呼吸の回数は40〜60回/分とする。どちらか一方だけが持続する場合(S154で、「なし」)は、原因検索(先天性心疾患,新生児一過性多呼吸,呼吸窮迫症候群等)をしながら適切な対応を選ぶ(S158,S160)。
一方、初期処置後の評価で自発呼吸がないか心拍数が100/分未満の場合(S130)は、人工呼吸を開始した上でパルスオキシメータを装着する(S132)。喘ぎ呼吸も無呼吸と同様に扱う。人工呼吸の回数は40〜60回/分とする。
有効な人工呼吸開始後、概ね30秒後に心拍数と呼吸を評価し(S134)、心拍数が60〜100/分未満の場合には換気が適切か確認し、気管挿管の施行を検討する。
有効な人工呼吸を30秒以上施行しても心拍数が60/分未満の場合には(S134)、胸骨圧迫と人工呼吸を連動して開始する(S136)。ただし人工呼吸の実施にあたり、適切に換気できていない場合は、胸骨圧迫にはステップを進めず、換気の確保・実施に専念する。胸骨圧迫と人工呼吸の比は3:1とし,1サイクル2秒間を目安に行う。
(薬物投与または補液)
有効な人工呼吸と胸骨圧迫にもかかわらず心拍数が60/分未満の場合(S138)には、アドレナリンの投与を検討する(S140)。ただしアドレナリンのエビデンスは乏しく、人工呼吸と胸骨圧迫を中断してまで実施する処置ではない。人工呼吸と胸骨圧迫を優先しながらその投与を検討する。アドレナリンは0.01〜0.03mg/kgの静脈内投与を第一選択とする。
児の失血が疑われる場合には,循環血液増量剤(生理食塩液など)10ml/kgを5〜10分かけて静脈内投与する。薬物投与の際にも胸骨圧迫と人工呼吸は連動して続ける。
以下に説明するように、実施の形態1の聴診トレーニングシステムは、このような「新生児蘇生法アルゴリズム」の手順を、訓練生が適切に実行できるようなトレーニングを提供する。
図9は、トレーニング中の制御コンピュータ2000の動作を説明するためのフローチャートである。
処理が開始されると、まず、トレーナは、訓練日時、トレーナ名の入力、トレーニー名の入力等を行う(S200)。
なお、トレーナ名の入力、トレーニー名の入力等は、これらの個人を特定できる情報であれば、IDの入力などでもよい。入力された訓練日時、トレーナ名の入力、トレーニー名の情報は、テスト履歴DB2450dに格納される。
続いて、トレーナによるスタート入力により、制御コンピュータ2000は、画面表示や変数を初期化し、タイマー2480によう計時を開始する(S202)。
次に、テスト情報管理部2460は、図8に示した新生児蘇生アルゴリズム図を表示装置2120に表示するとともに、現在は、この新生児蘇生アルゴリズム図のどのステップに相当しているか識別可能に表示する(S204)。
さらに、テスト情報管理部2460は、生体状態情報2450bから、現在の心拍数およびパルスオキシメータによる経皮的動脈血酸素飽和度の値を読出し、表示装置2120に対応する値を表示する(S206)。
また、テスト情報管理部2460は、表示部3000にも現在の心拍数および経皮的動脈血酸素飽和度の値を表示させるとともに、生体音送出部2430は、生体状態情報2450bから現在の心拍数を読出し、対応する心音データを生成して、模擬採音部10に対して送出する(S208)。
なお、初期状態では、パルスオキシメータの装着がされていないので、この時点では、具体的な値の表示ではなく、未装着状態であることを示す表示がされる。
続いて、テスト情報管理部2460は、表示装置2120に、現在のステップにおけるチェック項目の表示する(S210)。
図10は、このような状態での表示装置2120における表示画面例を示す図である。
図10の左側には、図8に示した「新生児蘇生法アルゴリズム」が表示され、現在のステップが太枠や色の変化により表示される。図10の右側には、チェック項目が表示されるとともに、現在の心拍数および経皮的動脈血酸素飽和度の値、現在のステップになってからの経過時間、呼吸音の再生の有無などが表示される。
なお、心拍数および経皮的動脈血酸素飽和度の値については、表示バーを移動させることで、トレーナがこれらの値を変更することができる。
チェック項目については、表示した内容についてトレーナによりチェックされた結果が入力される。また、図8のフローにおける次のステップに進むかについての入力についても表示される。なお、図8のフローにおける前のステップに戻るかを入力して、処理を現在のステップから前のステップにもどすことを可能としてもよい。
図9にもどって、テスト情報管理部2460は、トレーナにより、心拍数および経皮的動脈血酸素飽和度の値の変更が入力されたかを判断し、変更入力がされていれば(S212でY)、生体状態情報2450bの情報を更新して記録し(S216)、表示装置2120に対応する値を表示する(S214)。また、テスト情報管理部2460は、表示部3000にも更新された心拍数および経皮的動脈血酸素飽和度の値を表示させるとともに、生体音送出部2430は、生体状態情報2450bから更新された心拍数を読出し、対応する心音データを生成して、模擬採音部10に対して送出する(S216)。
続いて、テスト情報管理部2460は、トレーナにより、チェック項目について入力があったかどうかを判断し(S218)、入力があれば、表示装置2120についてチェックがあったことを示す表示に表示内容を変更し(S220)、テスト履歴記録部2470は、現在のステップ、現在の時刻、およびチェック項目の内容を、テスト履歴DB2450dに格納する(S222)。
次に、テスト情報管理部2460は、トレーナにより、中断を指示する入力があったかどうかを判断し(S224でY)、入力があれば、テスト履歴記録部2470は、中断時刻をテスト履歴DB2450dに記録する(S226)。さらに、テスト情報管理部2460は、中断の解除の入力があるまで待機し(S228でN)、中断の解除があれば(S228でY)、テスト履歴記録部2470は、解除時刻をテスト履歴DB2450dに記録する(S230)。
続いて、テスト情報管理部2460は、トレーナにより次のステップへの移行が入力されているかを判断し(S232)、移行が入力されていれば、図8のフローにおけるステップを次に進め、テスト履歴記録部2470は、当該ステップが終了した時刻をテスト履歴DB2450dに記録して(S234)、処理をステップS204に復帰させる。
一方で、テスト情報管理部2460は、トレーナにより終了が指示されていれば(S240でY)、処理を終了し、終了が指示されいなければ(S240でN)、処理をステップS206に復帰させる。
以上、説明したように、本実施形態の聴診トレーニングシステムによれば、通常の聴診器において、模擬採音部10を交換することで、新生児の蘇生の手続きにおける聴診動作や蘇生に必要な処理の流れを、モデル人形2に対して行うことにより、実際の処置と同等の緊張感のもとで訓練生が体感することができる。
また、トレーンング中においてトレーナが、模擬的に新生児の状態を適宜変更できるため、一層、実際の処置に近い状態で訓練を行うことができる。
また、トレーニング中の履歴データが逐一保存されているので、トレーニングが一通り終了した後に、トレーナと訓練生とが、トレーニング中の処置を振り返ることが容易で、トレーニング効果を高めることが可能である。
また、トレーニングシステムを構成する部品が簡単・低コストな部品部材から成る構成であるため、特定の訓練生がある程度習熟すれば、訓練生同志で、聴診トレーニングを実施することも容易である。
以下では、実施の形態1の聴診トレーニンングシステムの奏する効果について、補足して説明する。
図11は、上述したような従来使用されているシミュレータと実施の形態1の聴診トレーニンングシステムとの比較を示す概念図である。
図11においては、導入性と訓練効果の軸によって示している。訓練効果と導入性はトレードオフの関係にあり、実施の形態1の聴診トレーニンングシステムは、導入が容易で訓練効果が高い。
ここで、訓練効果を高めるためには、単純にはシミュレータがより現実に近づくことで達成できると考える。
新生児蘇生訓練において、単純に新生児の形状をだけを模擬したシミュレータにより現実の新生児に近い応答をさせるには以下のようなバイタルの再現手法が考えられる。
a)聴診によって心拍数を測定可能
b)パルスオキシメータによって動脈血酸素飽和度(SpO2)が表示・確認可能
c)新生児の状態が訓練生の処置によって変動する
したがって、実施の形態1の聴診トレーニンングシステムでは、これらの再現を要する内容を模擬的に実現できている。
また、実施の形態1の聴診トレーニンングシステムでは、上述したように、訓練効果を高めるために、訓練生が臨床現場と同じように聴診を行える必要がある。また訓練生は心拍数によって処置を行い、その処置によって心拍数は変化する。そのため、トレーナは訓練生の処置を見ながら心拍数を変更する。
これらを解決するために、実施の形態1の聴診トレーニンングシステムでは以下のような機能が達成されている。
機能1)訓練生が聴診を主体的に行えるシミュレータ
機能2)トレーナが訓練生の処置によって自由に心拍数を操作するコントローラ
図12は、このような実施の形態1の聴診トレーニンングシステムの主要な構成および機能を説明するための概念図である。
(訓練生側のシミュレータ)
既述のとおり、訓練生側のシミュレータは新生児蘇生モデルとセンサが組み込まれた聴診器から構成されている。実際の診断において、聴診器のチェストピース部分を新生児の胸に密着させなければ正しく聴診できない。
照度センサが一定の暗さ以下になった場合密着していると判定し、聴診器に組み込んだスピーカよりトレーナが設定した心拍音を流すことで、訓練生が聴診を行えるシミュレータが実現される。
(トレーナ側のコントローラ)
一方で、制御コンピュータ2000のコントローラ画面には日本蘇生協議会が作成した新生児蘇生法のアルゴリズムを表現したフローチャート、新生児蘇生法普及事業が提供しているフローチャートの項目ごとのチェックリスト、心拍数の選択バー、動脈血酸素飽和度の選択バー、経過時間が表示される。
シナリオベースの訓練ではフローチャートにそってシナリオが運行するため、トレーナが訓練の進行をフローチャートで確認できる。 また、進行中の処置に対する訓練生の行動を直ちに評価できるように、各処置項目にあわせてチェックリストを切り替えて表示する。また、トレーナはシナリオに応じて、訓練生の処置を見ながら心拍数や動脈血酸素飽和度を随時変更できるように、チェストピースから聞こえる心拍数や動脈血酸素飽和度を操作する入カバーを用意されている。
さらに、新生児蘇生法のアルゴリズムでは処置を行う目安の時間が設定されており、目安の時間通りに訓練生の処置が行われているかどうかトレ-ナが確認できるように訓練の経過時間も表示される。
さらに、訓練生は訓練終了後に自らのシミュレーション結果を振り返ることを推奨されている。
そこで、訓練生がシミュレーションを振り返るための資料を提供するため、トレーナが訓練の過程で訓練生の行動をチェックしたチェックリストの結果を、トレーンング終了後に提示することが可能である。たとえば、項目ごとにあるチェックリストが全てチェックしているかどうかを○×で示したり、全てのチェックリストのチェック状態を一覧で示すことができる。
さらに、講習会でのシナリオを用いた訓練ではトレーナが訓練生に問いかけながら進めていくので、訓練を一時的に停止・再開し、それにあわせた経過時間を表示する機能も備える。
また、訓練生への効果的なフィードバックとして、振り返りの際に提示するフローチャートに、トレーナが予定していたシナリオの流れと、訓練生が実際に行った処置の結果を流れとして表示する構成としてもよい。
さらに、どのような呼吸しているかは新生児の声から判断できるので、シナリオにあわせて新生児の声を再現する構成としてもよい。
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2の聴診トレーニングシステムの一例を説明するための概念図である。
実施の形態1の聴診トレーニングシステムの構成と異なる点は、以下の点である。
1)モデル人形2の体表面には、聴診対象位置を示すマーカ3a,…がつけられている。マーカとしては、特に限定されないが、たとえば、QRコード(登録商標)などの2次元マーカを用いることができる。
2)模擬採音器10には、照度センサ18に加えて、または、照度センサ18の代わりに、マーカ読取センサ19が設けられている。マーカ読取センサ19としては、特に、限定されないが、たとえば、光学カメラを使用することができる。
その他の構成は、実施の形態1の聴診トレーニングシステムの構成と同様であるので、説明は繰り返さない。
ここで、マーカ読取センサ19として光学カメラを使用する場合は、模擬採音器10が、モデル人形2の体表面のマーカ3aに接近していく過程で、撮像された画像からマーカ3aにより表現されるデータを読み取ることができ、模擬採音器10がモデル人形2の体表面に密着したか否かについても、光学カメラから読み取られた画像の輝度が所定レベルである場合に密着している、と判断することができる。
あるいは、照度センサ18の代わりに密着の度合いについては、圧力センサなどにより検知する構成であってもよい。
図3に示した生体音DB2450aには、生体の位置に応じて、それぞれ異なる、聴診されるべき音声のデータが予め格納されており、生体音送出部2430は、マーカ読取センサ19により検出されたモデル人形2の体表面上の位置に応じて、模擬採音器10において、小型スピーカ16により再生される音声を変更する。
このような構成により、模擬採音器10に、マーカを読み取る機能を加えることで、より精緻に聴診器のあて方に応じた聴診音提示を実現することが出来る。
また、実施の形態1と同様に、模擬採音器10を、従来の聴診器の先端の採音器と交換可能な構造とすることで、医師・看護師が「自分がこれまで使用している」聴診器を使ってシミュレーションを行うことが出来る。加えて、ソフトウエアで模擬的に与える音を自由に制御できることにすることで、シミュレーションの幅を広げることが可能になる。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
2 モデル人形、10 模擬採音器、11 ヘッド部、12 無線通信部、14 音声再生部、16 小型スピーカ、18 照度センサ、19 マーカ読取センサ、20 管部、21 センスデータ送信部、22 接触部、24 結合部材、30a,30b 耳管部、32 接続管、100 模擬聴診器、1000 聴診トレーニングシステム、2000 制御コンピュータ、2080 不揮発性記憶装置、2090 無線インタフェース、2100 入力装置、2120 表示装置、2420 密着性判断部、2430 生体音送出部、2430 生体音送出部、2450a 生体音DB、2450b 生体状態情報、2450c テストアルゴリズム情報、2450d テスト履歴DB、2460 テスト情報管理部、2470 テスト履歴記録部、2480 タイマー、3000 表示装置。

Claims (8)

  1. 聴診トレーニングシステムであって、
    新生児の人体を模して形成された人体モデルと、
    トレーニーの耳孔部に挿着可能な耳管部と、前記人体モデルに対して聴診動作を行うための模擬採音部と、前記耳管部と前記模擬採音部とをつなぐための管部とを有する聴診器とを備え、
    前記模擬採音部は、前記管部に着脱可能であって、
    前記模擬採音部前記人体モデルの表皮への密着の程度を検知するためのセンサと、
    受信した生体音データに対応する音を再生するための再生部と、
    前記センサの検知結果を送信し、前記生体音データを受信するための第1の送受信部とを含み、
    聴診トレーニングシステムの動作を制御するための制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記第1の送受信部との間でデータの送受を行うための第2の送受信部と、
    前記人体から発せられる心音を含む生体音に対応する前記生体音データを記憶する記憶手段と、
    前記センサの検知結果に基づき、前記模擬採音部が前記人体モデルの表皮に密着しているか否かを判断する密着性判断手段と、
    前記密着性判断手段により密着していると判断した場合に、前記生体音データを前記第2の送受信部を介して、前記再生部に対して送出する生体音送出部とを含む、聴診トレーニングシステム。
  2. 前記制御装置は、前記心音の心拍数の変更を入力する入力手段をさらに含み、
    前記生体音送出部は、変更された前記心拍数に対応する前記生体音データを前記第2の送受信部を介して、前記再生部に対して送出する、請求項1記載の聴診トレーニングシステム。
  3. 第1の表示装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記第1の表示装置に対して、動脈血酸素飽和度の値と脈拍数の値とを表示させるためのデータを前記第2の送受信部を介して送信するテスト情報管理手段をさらに含み、
    前記テスト情報管理手段は、前記入力手段からの入力に応じて、前記動脈血酸素飽和度の値および前記脈拍数の値を更新する、請求項2記載の聴診トレーニングシステム。
  4. 前記制御装置は、第2の表示装置をさらに含み、
    前記テスト情報管理手段は、
    予め定められた新生児蘇生法の手続きの各ステップを示す図と、現在のステップの位置を示す情報を前記第2の表示装置に表示させ、
    前記入力手段からの入力に応じて、前記現在のステップの位置を更新する、請求項3記載の聴診トレーニングシステム。
  5. 前記テスト情報管理手段は、
    予め定められた新生児蘇生法の手続きの各前記ステップにおけるチェック項目を前記第2の表示装置に表示させ、
    前記制御装置は、
    前記入力手段からの入力に応じて、前記チェック項目に対応するチェック結果を前記記憶手段に履歴情報として格納するテスト履歴記録手段をさらに含む、請求項4記載の聴診トレーニングシステム。
  6. 前記テスト履歴記録手段は、前記心拍数および前記動脈血酸素飽和度の値の変更履歴をさらに前記記憶手段に前記履歴情報として格納し、
    前記制御装置は、前記入力手段からの入力に応じて、前記履歴情報を再現するテスト履歴再現手段をさらに含む、請求項5記載の聴診トレーニングシステム。
  7. 前記人体モデルの体表には、所定位置にマーカが付されており、
    前記模擬採音部は、前記マーカを読み取るための読取センサをさらに含み、
    前記生体音送出部は、前記マーカにより示される体表位置に応じて、前記第2の送受信部を介して、前記再生部に対して送出する前記生体音データを変更する、請求項1記載の聴診トレーニングシステム。
  8. 新生児の人体モデルを使用して新生児の蘇生手順を訓練するための聴診トレーニングシステムにおいて使用される模擬採音部であって、
    使用者の耳孔部に挿着可能な耳管部と採音部と前記耳管部と前記採音部とをつなぐための管部とを有する聴診器に対して、前記採音部と交換可能であって前記管部と着脱可能に接続するための接続部と、
    前記模擬採音部が前記人体モデルの表皮に密着の程度を検知するためのセンサと、
    前記聴診トレーニングシステムの制御装置から受信した生体音データに対応する音を再生するための再生部と、
    前記センサの検知結果を送信し、前記生体音データを受信するための送受信部とを備える、模擬採音部。
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