JP6647048B2 - 放射線計測システム - Google Patents

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

本発明は、放射線計測システム及びそれに使用される中性子捕捉装置に関し、詳しくは
、原子力発電所内の使用済み燃料貯蔵プール、原子炉圧力容器内外、原子炉格納容器内外
、サプレッションプール内外、及び、再処理施設等において、高いガンマ線バックグラウ
ンド下における中性子束を計測するシステムに関する。
中性子束を計測する装置として、比例計数管等を備えた装置が広く用いられている。これらのうちでも、例えば比例計数管を備えた装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、出力信号比測定部は、原子炉内に配置された第1の中性子検出器の検出値及び第1の中性子検出器の配置位置から原子炉中心軸に対して対角位置に設置された第2の中性子検出器の検出値に対して、各々の検出器の感度補正を行い、その補正を行った測定結果の出力信号比を求め、核特性演算部では、出力信号測定部で得られた出力信号比に基づいて原子炉燃料の物質構成比を演算することが記載されている。
特開平11−326584号公報
福島第一原発事故の早期解決が望まれており、そのためには、原子炉格納容器や原子炉圧力容器等の内部における正確な状況把握が重要である。しかし、これらの内部ではガンマ線が非常に強くなっており、比例計数管等を使用した従来の放射線計測装置を使用することができない。
例えば比例計数管では、ガンマ線照射によっても電気信号が生じることから、高ガンマ線環境下では、ガンマ線による電気信号と中性子による電気信号の区別がつかなくなる。さらには、ガンマ線によって比例計数管からの電気信号の飽和が起こる。そのため、比例計数管を備えた従来の装置では、福島第一原発での原子炉格納容器等の内部のような特殊な環境での適用が困難である。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題
は、高ガンマ線環境下のような特殊な環境下であっても正確に中性子束を計測可能な放射
線計測システムを提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下のようにすることで前記課題を解決できることを見出した。即ち、本発明の要旨は、中性子を捕捉することにより、ガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方を放出する核種に核変換される金属を有する中性子捕捉体と、当該中性子捕捉体の周囲を囲うようにして配置された、中性子を遮蔽する中性子遮蔽体と、前記中性子捕捉体を移動させることで前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉可能にする駆動装置と、を備えるとともに、前記中性子遮蔽体の内部には、前記中性子捕捉体として、第一の中性子捕捉体及び第二の中性子捕捉体の少なくとも二体の中性子捕捉体が備えられ、前記駆動装置は、前記第一の中性子捕捉体のみを移動させて前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉可能にする中性子捕捉装置と、前記中性子捕捉体が前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉したことで、前記中性子捕捉体から放出されるようになったガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方の放射線量を計測する放射線計測装置と、当該放射線計測装置により計測されたガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方の放射線量を用いて、前記金属に固有の式であって、前記放射線量と捕捉された中性子の中性子束との関係式に基づいて、前記中性子捕捉体に捕捉された中性子の中性子束を導出するとともに、前記第一の中性子捕捉体及び前記第二の中性子捕捉体のそれぞれに捕捉された中性子の中性子束を導出し、導出された前記第一の中性子捕捉体についての中性子束と、導出された前記第二の中性子捕捉体についての中性子束との差分を導出することで、前記第一の中性子捕捉体が移動されて前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉したときの当該中性子の中性子束を導出する演算装置と、を備えることを特徴とする、放射線計測システムに関する。その他の解決手段は以下の発明を実施するための形態において記載する。
本発明によれば、高ガンマ線環境下のような特殊な環境下であっても正確に中性子束を
計測可能な放射線計測システムを提供することができる。
第一実施形態に係る放射線計測システムの適用例である。 第一実施形態に係る放射線計測システムに備えられる中性子捕捉装置の模式図である。 中性子捕捉装置に備えられる金部材である。 中性子捕捉装置を用いて行われる放射線量計測フローである。 ガンマ線のエネルギスペクトルである。 ベータ線のエネルギスペクトルである。 Au−197と熱中性子との反応断面積の関係である。 Au−197と高速中性子との反応断面積の関係である。 第二実施形態に係る中性子捕捉装置の模式図である。 第三実施形態に係る中性子捕捉装置の模式図である。 第四実施形態に係る中性子捕捉装置の模式図である。 第五実施形態に係る中性子捕捉装置の模式図である。 第六実施形態に係る中性子捕捉装置の模式図である。 第七実施形態に係る放射線計測システムの適用例である。 第八実施形態に係る放射線計測システムの適用例である。 第九実施形態に係る放射線計測システムの適用例である。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)について図面を参照しながら説明するが、本実施形態は以下の例に限定されるものではない。また、各実施形態において、同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明については記載を省略する。なお、各図において、図示の簡略化のために、部材の一部を省略して示すことがある。
[1.第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る放射線計測システム100の適用例である。放射線計測システム100は、高ガンマ線環境にある格納容器30やサプレッションチャンバ31の内部における中性子束を計測するものである。中性子捕捉装置10は、格納容器30やサプレッションチャンバ33の内外を連通する既設又は新設のガイドパイプ31に収容されている。図1では、放射線計測装置100により、圧力容器20の側方と、格納容器30に溜まった水41の中であって底面32近傍と、サプレッションチャンバ33の内部との三カ所における中性子束が計測されている。
放射線計測装置100は、中性子捕捉装置10と、放射線計測装置51aと、演算装置51bとを備えている。これらのうち、中性子捕捉装置10は、中性子を捕捉することにより、ガンマ線を放出する核種に核変換される金(Au)を有する金部材1(中性子捕捉体)と、金部材1の周囲を囲うようにして配置された、中性子を遮蔽するカドミウム(Cd)を有する中性子吸収材2(中性子遮蔽体)と、金部材1を移動させることで格納容器30の内部等(即ち中性子吸収材2の外部)に存在する中性子を捕捉可能にする駆動装置9と、を備えている。これらのさらに詳細な説明は、図2等を参照しながら後記する。
放射線計測装置51aは、格納容器30等から離れて比較的低線量の場所に設置される者であり、金部材1が中性子吸収材2の外部に存在する中性子を捕捉したことで、金部材1から放出されるようになったガンマ線の放射線量を計測するものである。具体的には例えば、放射線計測装置51aは例えばガイガーカウンタである。
演算装置51bは、放射線計測装置51aにより計測されたガンマ線の放射線量を用いて、金(Au)に固有の式であって、前記放射線量と捕捉された中性子の中性子束との関係式(例えば以下の式(1)及び式(2))に基づいて、金部材1に捕捉された中性子の中性子束を導出するものである。具体的な導出方法は後記する。なお、演算装置51bは、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、I/F(インターフェイス)等を備えて構成される。そして、演算装置51bは、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
図2は、第一実施形態に係る中性子捕捉装置10の模式図である。図2(a)は金部材1が中性子吸収材2の内部に収容された状態、図2(b)は金部材1が中性子吸収材2の外部に露出された状態、図2(c)は金部材1が中性子吸収材2の内部に再び収容された状態を示している。なお、図2では、図1を参照しながら説明した駆動装置9の図示を省略している。
中性子捕捉装置10は、前記の金部材1及び中性子吸収材2と、金部材1を上下方向に移動させるための移動治具3と、中性子吸収材2を上下方向に移動させるための移動治具4と、移動治具3,4を駆動する駆動装置9とを備えている。従って、駆動装置9が移動治具3を上下方向に移動すれば、これに伴って金部材1も上下方向に移動することになる。また、駆動装置9が移動治具4を上下方向に移動すれば、これに伴って中性子吸収材2も上下方向に移動することになる。
金部材1は、箔状の金(Au、即ち金箔)を圧縮することで柱状に成形した成形体である。(詳細は図3を参照しながら後記する)。詳細は後記するが、放射線の測定時に箔1aに戻すため、ここでは「箔状の金を成形した」という表現を使用している。金部材1を構成する金は、中性子との核反応によって、ガンマ線を放出する核種に核変換される。従って、詳細は後記するが、金部材1から放出されるガンマ線のエネルギ、及び、エネルギ毎の強度を計測することで、金部材1に捕捉された中性子の中性子束、即ち計測位置での中性子束が計測される。ここで、図3を参照しながら、金部材1の形状を説明する。
図3は、中性子捕捉装置10に備えられる金部材1である。図3(a)は金部材1の外観を示す図であり、図3(b)は金部材1を構成する金箔1aを示している。図3(a)に示す金部材1は、図3(b)に示す金箔1aを柱状にすることで構成される。中性子束の計測時には、図3(a)に示す状態で使用されるが、詳細は後記するが、放射線計測装置51aを用いたガンマ線の計測時には、図3(b)に示す金箔1aの状態で使用される。このようにすることで、中性子束の計測時には金部材1を小型化できる。一方で、ガンマ線の計測時には、箔状とすることでガンマ線の自己吸収の影響を抑えることができる。
図2に戻って中性子捕捉装置10を構成する各部材の説明を行う。
中性子吸収材2は、金部材1を覆うように形成され、特には、下方が開口した箱形に形成されている。そして、この箱形の中性子吸収材2の内部には、前記の金部材1が収容されている。従って、中性子吸収材2の内部に金部材1が収容されているときには、金部材1は中性子の影響を受けにくくなっている。中性子吸収材2は、前記のようにカドミウムにより構成されている。
移動治具3は、金部材1及び駆動装置9(図2では図示しない)に接続されており、駆動装置9の駆動によって、金部材1の上下方向の移動を可能にするものである。移動治具3は、ロープやひも等により構成され、筒状の移動治具4の内部に配置されている。
移動治具4は、箱状の中性子吸収材2及び駆動装置9(図2では図示しない)に接続されており、駆動装置9の駆動によって、移動治具4の上下方向の移動を可能にするものである。移動治具4は筒状に構成され、中性子捕捉装置10では中空のロープ状のものやSUS管等により構成されている。なお、前記の通り、移動治具3及び移動治具4は、駆動装置9によって、それぞれ独立して移動可能となっている。
駆動装置9は、モータ等を用いて移動治具3,4を駆動させることで、移動治具3,4に接続された金部材1及び中性子吸収材2を上下方向に移動させるものである。モータによる移動治具3,4の移動距離を制御することで、金部材1及び中性子吸収材2による中性子束の計測位置が制御される。なお、駆動装置9の駆動は、前記した演算装置51bと同様の構成を有する演算制御装置(図示しない)によって行われる。
次に、図4とともに、必要に応じて図1や図2を参照しながら、中性子捕捉装置10を用いた中性子束の計測方法を説明する。
図4は、中性子捕捉装置10を用いて行われる放射線量計測フローである。まず、図示しない移動装置により、中性子捕捉装置10がガイドパイプ31の上方に配置される(ステップS101)。このとき、金部材1は中性子吸収材2の内部に収容された状態(即ち図2(a)に示す状態)である。そして、駆動装置9は、図2(a)に示す状態を維持しながら移動治具3,4をガイドパイプ31の内部に挿入し、中性子束の計測位置に金部材1が配置されるように、移動治具3,4を移動させる(ステップS102)。なお、この移動後の状態が図1に示す状態である。
この移動の途中、中性子によって核変換を生じる金部材1の周囲には中性子吸収材2が配置されている。そのため、移動途中に中性子束が強い場所があっても、中性子吸収材2によって中性子が遮蔽され、金部材1には中性子が到達しにくいため、当該強い中性子束の影響を受けにくい。
次いで、駆動装置9は、移動治具4を移動させずに(即ち中性子吸収材2の位置を維持した状態で)移動治具3のみを下方向に移動させる。これにより、金部材1が中性子吸収材2の外部に露出することで外部の中性子を吸収可能になり(ステップS103)、金部材1は、計測位置での中性子を吸収することになる(図2(b))。このとき、金部材1を構成する金(Au−197)は、吸収した中性子によって別の金(Au−198)に核変換されている。そして、図2(b)に示す状態が所定時間保持される。
所定時間経過後、駆動装置9は移動治具3を上方向に移動させて、金部材1を中性子吸収材2の内部に収容する(ステップS104、図2(c))。そして、この状態を維持しながら駆動装置9は移動治具3,4を上方向に移動させて、金部材1及び中性子吸収材2の全体を格納容器30の外部に移動させる(ステップS105)。
そして、取り出された金部材1から放出されるガンマ線が、放射線計測装置51aを用いて計測される(ステップS106)。具体的には、柱状の金部材1を解して金箔1aの状態に戻し、この金箔1aを例えばガイガーカウンタ(図示しない)の測定部に貼り付けることでガンマ線の測定が行われる。次いで、演算装置51bは、計測されたガンマ線のエネルギ、及び、エネルギ毎の計測結果に基づいて中性子束を導出する(ステップS107)。これにより、高ガンマ線という特殊環境下であっても、中性子束を計測することができる。
また、放射線計測システム100では、図1のように電源を使用しない金部材1や中性子吸収材2、移動治具3,4が格納容器30の内側に配置され、電力を使用する駆動装置9は放射線計測装置51a、演算装置51bは格納容器30の外側に配置される。そのため、格納容器30の内部に例えば水素等の可燃性ガスが充満している場合でも、格納容器30の内部には電源が存在しないため防爆性を高めることができる。
そして、このような放射線計測システム100によれば、高ガンマ線環境下でも、簡易、かつ、中性子の捕捉部分に電源不要な放射線計測システムを提供できることに加えて、原子力発電所内の使用済み燃料貯蔵プール、原子炉圧力容器内外、原子炉格納容器内外、サプレッションプール内外、及び、再処理施設等において、燃料集合体又は燃料デブリ等の状況を把握することができる。
ここで、金部材1に含まれる金は、中性子捕獲反応によりガンマ線を放出するとともに、中性子非弾性散乱により、前記中性子捕獲反応によって放出されるガンマ線のエネルギとは異なるエネルギの、ガンマ線を放出するものである。そこで、このような性質を有する金を用いた理由について説明する。
図5は、ガンマ線のエネルギスペクトルである。金部材1における中性子捕獲反応によって生じたガンマ線と、金部材1における中性子非弾性散乱によって生じたガンマ線とは、基本的にエネルギ(即ちガンマ線の波長)が異なる。そのため、図9に示すように、複数のピークが検出される。そこで、各ピークの計数率を計測することで、中性子捕獲反応及び中性子非弾性散乱の頻度が導出できる。
中性子捕獲反応の断面積として、熱中性子等のエネルギの低い中性子での断面積が大きく、高いエネルギの中性子に対する断面積は非常に小さい。従って、中性子捕獲反応の頻度から、熱中性子等のエネルギの低い中性子束を導出することが可能となる。また、中性子非弾性散乱には、しきい値が存在し、ある一定のエネルギ以上の中性子においてしか反応が起こらない。そのため、中性子非弾性散乱の頻度から、ある一定エネルギ以上の中性子束を導出することが可能となる。
図6は、ベータ線のエネルギスペクトルである。金部材1における中性子捕獲反応によって生じたベータ線と、金部材1における中性子非弾性散乱によって生じたベータ線とも、ガンマ線と同様、基本的にエネルギ(即ちベータ線の波長)が異なる。そのため、図6に示すように、複数の山が重なった形状のスペクトルが検出される。各山のエネルギの高い先端部分のエネルギ及び形状は、各反応及びベータ線検出器により決まっていることから、図6に示すように、複数の反応における計数率を導出できる。そして、前記のガンマ線の場合と同様に、導出した計数率から中性子捕獲反応及び中性子非弾性散乱の頻度を導出でき、熱中性子等のエネルギの低い中性子束を導出、及び、ある一定のエネルギ以上の中性子束を導出することが可能となる。
これらの点について、中性子捕捉装置10において中性子を吸収させる金部材1を構成する金(Au−197)を例に、さらに具体的に説明する。
図7は、Au−197と熱中性子との反応断面積の関係である。自然界の金(Au)では、その100%がAu−197であり、中性子捕獲反応によりAu−198(411.8keVのガンマ線(95.5%))を生成する。Au−198は、半減期T1=2.7×24[時間]で、β−崩壊をしてHg−198の励起状態になった後、411.8keVのガンマ線を放出(放出率h1=95.5%)してHg−198の基底状態となる。
中性子束の計測位置における中性子を熱中性子(エネルギ=0.025eV)であると仮定し、計測位置に設置した時間をt0、熱中性子束をφth[個/cm/秒]、中性子エネルギ0.025eVにおけるAu−197の中性子捕獲反応の断面積(図7において矢印で示すグラフ)をσ[barn]、計測に用いたAu−197の量をm[g]、中性子計測からガンマ線計測までの時間をt1[時間]、411.8keVのガンマ線に対するガンマ線検出器の検出効率をη1、ガンマ線検出器による411.8keVのガンマ線の計数率をc1[cps]、T1を前記の半減期でありh1を前記の放出率とすると、以下の式(1)が成立する。
φth=c1×197/(m×6.02×1023)/σ/(1−exp(−t0/T1))/(1/2)(t1/T1)/η1×(100/h1) ・・・式(1)
なお、1MeV以上のエネルギの中性子に対する前記の反応断面積は、熱中性子に対する反応断面積と比較して3桁以上小さい値であることから、高速中性子束が熱中性子束の10倍程度あった場合でも、熱中性子束の計測結果と仮定してもよい。
図8は、Au−197と高速中性子との反応断面積の関係である。Au−197は、中性子非弾性散乱の一つで中性子1個の照射によって中性子2個を放出する反応により、Au−196(355.7keVのガンマ線(87.7%))を生成する。Au−196は、半減期T2=6.2×24[時間]で、β−崩壊をしてHg−196の励起状態になった後、355.7keVのガンマ線を放出(放出率h2=87.7%)してHg−196の基底状態となる。
中性子束の計測位置における高速中性子のエネルギを10MeV以上であると仮定し、計測位置に設置した時間をt0[時間]、中性子束をφ[個/cm/秒]、中性子エネルギ10MeV以上のAu−197の前記中性子非弾性散乱の反応断面積(図8において矢印で示すグラフ)をσin[barn]、計測に用いたAu−197の量をm[g]、中性子計測からガンマ線計測までの時間をt1[時間]、355.7keVのガンマ線に対するガンマ線検出器の検出効率をη2、ガンマ線検出器による355.7keVのガンマ線の計数率をc2[cps]、T2を前記の半減期でありh2を前記の放出率とすると、以下の式(2)が成立する。
φ=c2×197/(m×6.02×1023)/σin/(1−exp(−t0/T2))/(1/2)(t1/T2)/η2×(100/h2) ・・・式(2)
反応断面積のしきい値が、約8MeVと高いことから、例えば熱中性子のような反応断面積のしきい値以下の中性子が照射されても前記の反応は起こらず、Ag−196は生成されない。
これらの式(1)及び式(2)を用いれば、計測されたガンマ線から中性子束を導出することができる。特に、金を用いることで、熱中性子及び高速中性子の双方の中性子束を導出することができる。なお、ここでは金を挙げたが、例えばニッケル等の他の原子を用いた場合でも同様の式を容易に導出することができ、この導出された式を用いて中性子束を導出することができる。
[2.第二実施形態]
図9は、第二実施形態に係る中性子捕捉装置20の模式図である。格納容器30(図1参照)等に中性子捕捉装置20を設置するとき、金部材1及び中性子吸収材2が著しく高い中性子束の場所を通過する場合がある。このような場合には、当該高い中性子束の場所での中性子束がバックグラウンドとして発生してしまい、所望の計測位置での中性子束が正確に計測できない可能性がある。そこで、図9に示す中性子捕捉装置20では、図9(a)に示すように、箱形の中性子吸収材2の内部に二つの金部材1A(第一の中性子捕捉体)及び金部材1B(第二の中性子捕捉体)が配置されている。そして、金部材1Aによって所望の位置での中性子束が計測されつつ、金部材1Bによって移動中に生じた高中性子束の影響、即ちバックグラウンドが計測されるようになっている。
中性子捕捉装置20を用いた放射線量計測方法を簡単に説明する。金部材1A,1Bが中性子吸収材2の内部に配置された状態で、放射線の計測位置まで中性子捕捉装置20が移動される(図9(a))。そして、駆動装置9(図9では図示しない)は、当該計測位置において金部材1Aのみを中性子吸収材2の外部に露出させる(図9(b))。そして、所定時間経過後、金部材1Aが再度中性子吸収材2の内部に戻されて(図9(c))、金部材1及び中性子吸収材2の全体が格納容器30の外部に移動される。
次いで、金部材1A,1Bのそれぞれにつき、前記の式(1)及び式(2)に基づいて、中性子束が導出される。導出された中性子束のうち、金部材1Aについて導出された中性子束はバックグラウンドを含めた計測位置での中性子束、金部材1Bについて導出された中性子束はバックグラウンドのみの中性子束である。そこで、演算装置51bが、金部材1Aについて導出された中性子束と、金部材1Bについて導出された中性子束との差分を導出することで、計測位置での中性子束が精度良く導出される。
[3.第三実施形態]
図10は、第三実施形態に係る中性子捕捉装置30の模式図である。前記の中性子捕捉装置30において金部材1が中性子吸収材2の外部に露出されたとき、金部材1の周囲全方向から中性子が金部材1に到達するため、特定の方向からの中性子束については計測できない。そこで、図10に示す中性子捕捉装置30では、特定の方向からの中性子束が計測可能なようになっている。
具体的には、中性子捕捉装置30では、前記の中性子捕捉装置10とは異なり、下方が閉じている一方で側壁下方に開口部2a(中性子非遮蔽部位)を有する箱形の中性子吸収材2が備えられている。従って、中性子吸収材2は、金部材1の全体を覆うように金部材1を囲って形成されており、その一部に開口部2aが形成されていることになる。そして、中性子捕捉装置30の移動時には、金部材1は、中性子吸収材2の内部上方であって開口部2aから外部に臨まない位置に収容されている(図10(a))。従って、移動中、金部材1が外部の中性子から遮蔽されていることになる。
そして、所望の計測位置での中性子束の計測時には、駆動装置9(図10では図示しない)は、金部材1を開口部2aの近傍にまで移動させる(図10(b))。これにより、金部材1は、開口部2aを通じて中性子吸収材2の外部に臨む(外部に露出される)状態になる。そして、金部材1は、開口部2aを通じて、外部に中性子を捕捉することになる。このとき、開口部2aのみを通じて金部材1に到達した中性子のみが金部材1に捕捉される。そして、この状態で所定時間保持し、当該所定時間経過後、金部材1の位置を戻すことで(図10(c))、特定方向のみの中性子束が計測されることになる。
なお、駆動装置9が中性子吸収材2を回転させて開口部2aの位置を所望の方向に変更することで、所望する方向の中性子束を任意に計測することができる。
[4.第四実施形態]
図11は、第四実施形態に係る中性子捕捉装置40の模式図である。図11に示す中性子捕捉装置40は、前記の図10に示す中性子捕捉装置30と同様に一方向のみの中性子束を計測可能なほか、四方向からの中性子束を同時に計測可能になっている。具体的には、放射線計測装置40では、四つの金部材1A,1B,1C,1Dが箱形の中性子吸収材2の内部に配置されている(図11(a))。そして、箱形の中性子吸収材2の四つの側壁には、高さ方向の位置が異なるように四つの開口部2a,2b,2c,2d(中性子非遮蔽部位)が形成されている(図11(a))。
計測位置での中性子束を計測する際には、金部材1A,1B,1C,1Dのそれぞれは、開口部2a,2b,2c,2dのそれぞれにのみ臨むように、駆動装置9(図11では図示しない)が移動治具3A,3B,3C,3Dを駆動させる。即ち、金部材1Aは開口部2aのみを通じて外部に臨み、金部材1Bは開口部2bのみを通じて外部に臨み、金部材1Cは開口部2cのみを通じて外部に臨み、金部材1Dは開口部2dのみを通じて外部に臨むようになっている(図11(b))。そして、この状態で所定時間経過したら、駆動装置9は全ての金部材1A,1B,1C,1Dを上方に引き上げる(図11(c))。
このようにすることで、四方向からの中性子束を同時に独立して計測することができる。
[5.第五実施形態]
図12は、第五実施形態に係る中性子捕捉装置50の模式図である。中性子捕捉装置50は、高さ方向の位置が異なる複数の位置で、同時に独立して中性子束を計測可能になっている。中性子捕捉装置50は、SUS等の中性子非吸収材料により構成されるSUS管8と、その内部に収容される金部材1A,1B,1C,1Dとを備えて構成される。SUS管8は、前記の移動治具4としても機能するものである。また、SUS管8の外壁には、所定間隔ごとに中性子吸収材2が貼り付けられている。従って、中性子は、中性子吸収材2が貼り付けられていない部分(中性子非遮蔽部位)からはSUS管8の内部に到達するが、中性子吸収材2が貼り付けられている部分からはSUS管8の内部に到達しない。
中性子捕捉装置50の移動時には、図12(a)に示すように、金部材1A,1B,1C,1Dは、放射線吸収材2の陰に隠れるようにSUS管8の内部に収容されている。そして、中性子束の計測位置の近傍において、金部材1A,1B,1C,1Dが、放射線吸収材2の貼り付けられていない位置に移動すると(図12(b))、金部材1A,1B,1C,1Dはその位置で中性子を捕捉することになる。ここで、金部材1A,1B,1C,1Dは高さ方向の位置が異なっているから、異なる高さでの中性子束が同時に独立して計測されることになる。そして、所定時間経過後に金部材1A,1B,1C,1Dの位置が戻され(図12(c))、その後は前記の中性子捕捉装置10等と同様にして中性子束が導出される。
このようにすることで、異なる高さでの中性子束を同時に計測することができる。
[6.第六実施形態]
図13は、第六実施形態に係る中性子捕捉装置60の模式図である。図13に示す中性子捕捉装置60は、前記の中性子捕捉装置10での箱型の放射線吸収材2の下方に形成されていた開口を覆うように、開閉可能な蓋2eを備えたものである。蓋2eは、当該開口の開口端に対し、スプリング蝶番によって常閉になるように接続固定されている。さらには、金部材1を上下方向に移動させる移動治具3は、剛性の高いSUS等の金属により構成されている。
図13(a)に示すように、中性子捕捉装置60の移動時には、金部材1は中性子吸収材2の内部に収容されている。また、このとき、蓋2eは前記のスプリング蝶番により閉じた状態になっている。従って、金部材1はその周囲にある中性子吸収材2によって完全に覆われていることになる。そして、駆動装置9(図13では図示しない)によって移動治具3が下方向に移動されると、移動治具3に接続された金部材1が蓋2eの内面を押して、蓋2eが開かれる(図13(b))。そして、この状態からさらに移動治具3が下方向に移動されると、蓋部材2eを押し切って、金部材1は完全に中性子吸収材2の外部に露出することになる(図13(c))。
この図13(c)の状態が所定時間保持された後、駆動装置9が移動治具3を上方向に移動することで、金部材1が再び中性子吸収材2の内部に収容される(図示せず)。金部材1が中性子吸収材2の内部に収容されると、蓋2eはスプリング蝶番によって再度閉じられた状態となる。そのため、金部材1が再び中性子吸収材2によって完全に覆われた状態で、中性子捕捉装置60が移動可能になる。従って、移動途中における中性子束の影響をより確実に防止することができる。
[7.第七実施形態]
図14は、第七実施形態に係る放射線計測システム200の適用例である。図14では、放射線計測装置51a及び演算装置51bの図示を省略している。図14に示す例では、圧力容器20における異なる高さでの中性子束を計測するために三つの中性子捕捉装置10と、格納容器30における異なる高さでの中性子束を計測するために二つの中性子捕捉装置10とが備えられている。
中性子捕捉装置10がこれらのように配置されることで、原子力発電所の格納容器30の高さ方向、及び、周方向の複数個所を計測することでき、中性子束の高さ方向分布及び周方向分布を計測できる。また、計測したデータをもとに、燃料集合体又は燃料デブリの存在位置を同定することが可能である。
[8.第八実施形態]
図15は、第七実施形態に係る放射線計測システム300の適用例である。前記の例では中性子捕捉装置10を移動させるために図示しない移動装置を使用していたが、図15に示す例では、中性子捕捉装置10は自走式移動装置52に取り付けられている。自走式移動装置52は、前輪50aと後輪50bとこれらを駆動するための図示しないモータとを備えている。そして、自走式移動装置52は、図示しないコントローラを用いた遠隔操作により、所望の位置まで中性子捕捉装置10を移動可能になっている。
自走式移動装置52は、図15(a)に示すように、金部材1を中性子吸収材2の内部に収容した状態で中性子束の計測位置まで移動する。そして、計測位置に到達した時点で自走式移動装置52は停止し、駆動装置9によって金部材1を上方に移動する(図15(b))。これにより、計測位置での中性子束が計測される。所定時間経過後、駆動装置9は金部材1を再び放射線吸収材2の内部に収容し(図15(c))、自走式移動装置52は前輪50a及び後輪50bによって自走して初期位置まで戻ってくる。
原子炉建屋の内部等、比較的広い空間においては、自走可能な自走式移動装置52を用いることで、高いガンマ線や中性子束の影響を抑制しつつ所望の計測位置まで自ら移動して、中性子束を計測することができる。
[9.第九実施形態]
図16は、第七実施形態に係る放射線計測システム400の適用例である。図16に示す自走式移動装置53においては、中性子捕捉装置10が自走式の移動装置に取り付けられている点は前記の自走式移動装置52と同じであるが、その取り付け位置が自走式移動装置52とは異なっている。具体的には、図16に示す自走式移動装置53では、前側下方の中性子束を計測可能なように、中性子捕捉装置10が取り付けられている。特に、図示はしていないが、移動治具4は伸縮可能となっている。そのため、自走式移動装置53が走行できないような狭い場所でも、移動治具4を伸ばすことで奥まった場所での中性子束を計測することができる。また、図16に示す例では、滑車61が取り付けられており、これにより、金部材1を地面に近づけることができる。そのため、地面近傍の中性子束を計測することができる。
[10.変形例]
以上、九つの実施形態を挙げて本実施形態を説明したが、本発明は前記の例に何ら限られるものではなく、各実施形態同士を組み合わせて実施してよい。例えば、第二実施形態に係る中性子捕捉装置20(図9参照)を用いて、第一実施形態で示した格納容器30(図1参照)の内部の中性子束を計測してもよい。
また、前記の各実施形態において、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更したりして実施することができる。
前記の例では、中性子捕捉体に含まれる金属として「金(Au−197)」を挙げたが、中性子を捕捉することでガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方を放出する核種に核変換される金属は、金以外であってもよい。ただし、核変換反応断面積が比較的大きく、かつ、半減期が数時間から数日程度な材料が好ましいという観点からは、中性子捕捉体に含まれる金属は、前記の金のほか、ニッケル、サマリウム、ユーロピウム、ランタン、ジスプロシウム及びプラセオジムからなる群より選ばれる一種以上の金属であることが好ましい。また、このような金属を複数種併用する場合には、核変換により異なる波長のガンマ線やベータ線を放出する金属が好ましい。
そして、中性子捕捉体に含まれる金属の種類によって、中性子の捕捉により放出されるガンマ線又はベータ線の種類やエネルギが異なることから、当該金属の種類に応じて適宜放射線計測装置51aの種類や計測条件を変更すればよい。
また、中性子捕捉体である金部材1は、前記のように、箔状の金属を圧縮して柱状等(例えば円柱や角柱)に成形した成形体の形態が好ましいものの、金部材1の形状はこれに限られるものではない。例えば、軸心に箔状の金属を巻きつけて得られる巻き付け体(成形体の一形態)としてもよいし、金属からなる柱体や錐体の形状を有する一体物により構成される中性子捕捉体としてもよい。
さらに、前記の例では、中性子遮蔽体に含まれる金属として「カドミウム」を挙げたが、中性子遮蔽体に含まれる金属は、カドミウム以外であってもよい。ただし、中性子の吸収断面積が大きく良好な吸収効率という観点から、中性子遮蔽体に含まれる金属は、前記のカドミウムのほか、サマリウム及びガドリニウムからなる群より選ばれる一種以上の金属であることが好ましく、中でも、前記のカドミウムのほか、ガドリニウムが好ましい。また。中性子を遮蔽できるものであれば、中性子を吸収するものでなくてもよい。
また、核変換により放出されたガンマ線やベータ線から中性子束を導出するための関係式は、前記の式(1)及び式(2)に限られるものではなく、適宜関係式を設定して導出することができる。また、前記の例では、中性子捕捉体として金を用いた場合の関係式を挙げたが、金以外の他の金属を用いる場合であっても、技術常識に基づいて容易に関係式を導くことができる。また、計測フローも図4の例に限定されるものではなく、ステップを適宜追加や変更、削除等したうえで実施することができる。
さらに、図8に示す例ではSUS管8を用いたが、軽量化の観点や、使用時間の点を考慮したうえで、ポリエチレン等の有機材料を用いてもよい。
また、図10に示す中性子捕捉装置30において中性子非遮蔽部位として開口部2aを形成したが、この中性子非遮蔽部位としては、密閉した箱形容器の側壁における「中性子吸収材2を貼り付けていない部位」(例えば図12参照)のようにしてもよい。一方で、図12における中性子捕捉装置50において「中性子吸収材2を貼り付けていない部位」に代えて、同じ位置に開口部を形成してもよい。
さらに、前記の中性子捕捉装置10〜60は様々な構造物や装置等に取り付けることが可能であって、図示の例に何ら限られるものではなく、所望の計測位置で計測できるように取り付ければよい。
また、金部材1には、適宜おもりを取り付けてもよい。これにより、金部材1の安定性を高めることができ、中性子を安定して捕捉することができる。
さらに、前記の図9や図11、図12等において、金部材1を中性子吸収材2の内部に複数は位置する場合には、その数は図示の例に何ら限定されず、複数であればいくつでもよい。
また、金部材1の形状も図示の例に限られるものではなく、例えば塊状等、適宜選択して決定すればよい。
さらに、例えば図2では、中性子吸収材2によって金部材1の周囲を囲う形態としては、図2に示すような下方が開口している形態や、図10に示すようにその全体を覆うように囲う形態(ただし、開口部2aが形成されている)、図15に示すようにその上方が開口している形態等、金部材1の周囲に中性子が到達しにくくなっている形態であれば、どのような形態であってもよい。
1,1C,1D 金部材(中性子捕捉体)
1A 金部材(中性子捕捉体、第一の中性子捕捉体)
1B 金部材(中性子捕捉体、第二の中性子捕捉体)
1a 金箔
2 放射線吸収材(中性子遮蔽体)
2a,2b,2c,2d 開口部(中性子非非遮蔽部位)
2e 蓋
3,3A,3B,3C,3D 移動治具
4 移動治具
8 SUS管
9 駆動装置
10,20,30,40,50,60 中性子捕捉装置
51a 放射線計測装置
51b 演算装置
52 自走式移動装置
53 自走式移動装置
100,200,300,400, 放射線計測システム

Claims (10)

  1. 中性子を捕捉することにより、ガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方を放出する核種に核変換される金属を有する中性子捕捉体と、当該中性子捕捉体の周囲を囲うようにして配置された、中性子を遮蔽する中性子遮蔽体と、前記中性子捕捉体を移動させることで前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉可能にする駆動装置と、を備えるとともに、前記中性子遮蔽体の内部には、前記中性子捕捉体として、第一の中性子捕捉体及び第二の中性子捕捉体の少なくとも二体の中性子捕捉体が備えられ、前記駆動装置は、前記第一の中性子捕捉体のみを移動させて前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉可能にする中性子捕捉装置と、
    前記中性子捕捉体が前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉したことで、前記中性子捕捉体から放出されるようになったガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方の放射線量を計測する放射線計測装置と、
    当該放射線計測装置により計測されたガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方の放射線量を用いて、前記金属に固有の式であって、前記放射線量と捕捉された中性子の中性子束との関係式に基づいて、前記中性子捕捉体に捕捉された中性子の中性子束を導出するとともに、前記第一の中性子捕捉体及び前記第二の中性子捕捉体のそれぞれに捕捉された中性子の中性子束を導出し、導出された前記第一の中性子捕捉体についての中性子束と、導出された前記第二の中性子捕捉体についての中性子束との差分を導出することで、前記第一の中性子捕捉体が移動されて前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉したときの当該中性子の中性子束を導出する演算装置と、を備えることを特徴とする、放射線計測システム。
  2. 中性子を捕捉することにより、ガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方を放出する核種に核変換される金属を有する中性子捕捉体と、前記中性子捕捉体の全体を覆うように前記中性子捕捉体を囲って形成された、中性子を遮蔽する中性子遮蔽体と、前記中性子捕捉体を移動させることで前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉可能にする駆動装置と、を備えるとともに、前記中性子遮蔽体には、前記駆動装置によって前記中性子捕捉体を移動させたときに、前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉可能なように中性子非遮蔽部位が形成された中性子捕捉装置と、
    前記中性子捕捉体が前記中性子遮蔽体の外部に存在する中性子を捕捉したことで、前記中性子捕捉体から放出されるようになったガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方の放射線量を計測する放射線計測装置と、
    当該放射線計測装置により計測されたガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方の放射線量を用いて、前記金属に固有の式であって、前記放射線量と捕捉された中性子の中性子束との関係式に基づいて、前記中性子捕捉体に捕捉された中性子の中性子束を導出する演算装置と、を備えることを特徴とする、放射線計測システム。
  3. 前記中性子遮蔽体の内部には、複数の中性子捕捉体が備えられ、
    前記中性子遮蔽体には、形成された方向と高さ方向の位置とが異なるように、複数の前記中性子非遮蔽部位が形成され、
    前記複数の中性子捕捉体を構成するそれぞれの中性子捕捉体は、前記複数の中性子非遮蔽部位を構成するそれぞれの中性子非遮蔽部位のいずれか一つを通過した中性子を捕捉することを特徴とする、請求項に記載の放射線計測システム。
  4. 前記中性子遮蔽体の内部には、複数の中性子捕捉体が備えられ、
    前記中性子遮蔽体には、高さ方向の位置が異なるように、複数の前記中性子非遮蔽部位が形成されていることを特徴とする、請求項に記載の放射線計測システム。
  5. 前記中性子捕捉体に含まれる金属は箔状に形成され、
    前記中性子捕捉体は、当該箔状の金属を成形して得られる成形体であり、
    前記成形体は、前記箔状の金属を圧縮して柱状に成形した成形体、又は、軸心に前記箔状の金属を巻きつけて得られる成形体のいずれかであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射線計測システム。
  6. 前記中性子捕捉体に含まれる金属として、中性子を捕捉することで異なる波長の、ガンマ線及びベータ線のうちの少なくとも一方を放出する金属を複数含むものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射線計測システム。
  7. 前記中性子捕捉装置を中性子束の計測位置まで移動させる移動装置を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射線計測システム。
  8. 前記中性子捕捉装置は自走式移動装置に搭載されていることを特徴とする、請求項に記載の放射線計測システム。
  9. 前記中性子捕捉体が有する金属は、金、ニッケル、サマリウム、ユーロピウム、ランタン、ジスプロシウム及びプラセオジムからなる群より選ばれる一種以上の金属であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射線計測システム。
  10. 前記中性子遮蔽体は金属を含み、
    前記中性子遮蔽体に含まれる金属は、カドミウム、サマリウム及びガドリニウムからなる群より選ばれる一種以上の金属であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放射線計測システム。
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