JP2001343464A - 中性子測定方法及び測定治具 - Google Patents

中性子測定方法及び測定治具

Info

Publication number
JP2001343464A
JP2001343464A JP2000162883A JP2000162883A JP2001343464A JP 2001343464 A JP2001343464 A JP 2001343464A JP 2000162883 A JP2000162883 A JP 2000162883A JP 2000162883 A JP2000162883 A JP 2000162883A JP 2001343464 A JP2001343464 A JP 2001343464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neutron
hydrogen
containing substance
neutrons
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000162883A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Ueda
精 植田
Kenichi Yoshioka
研一 吉岡
Tadaharu Masuyama
忠治 増山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000162883A priority Critical patent/JP2001343464A/ja
Publication of JP2001343464A publication Critical patent/JP2001343464A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】保守管理を必要としない中性子異常放出時の中
性子を測定する。 【解決手段】上部アクリル円柱1と下部アクリル円柱2
との間に金箔3を収納する。中性子照射により金箔3を
放射化させて中性子束強度の絶対測定を行う。中性子エ
ネルギー分析を減速,拡散距離,カドミウムによる熱中
性子吸収効果、またはステンレス鋼のニッケルのしきい
値反応を利用して行い、中性子束強度の経時変化を半減
期の異なる複数の放射化物質の核種により測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば核燃料取扱施
設等での中性子測定方法及び測定治具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば核燃料物質を取扱う施設等で臨界
が発生した場合、臨界時には強い中性子線を放出して、
施設外周でも中性子被曝を及ぼすことがある。このよう
な場合、従来の「レムカウンタ」と呼ばれている中性子
計測機器を持参してオンライン的に計測することは容易
にできることではない。
【0003】レムカウンタは優れた特性を持っている
が、専門家が保守管理及び校正を行わなければならず、
またβ線やγ線の検出器と異なり手に持って測定するに
はかなり重く、しかも通常時間応答特性があまり良くな
く、かつ高価な計測器である。
【0004】したがって、核燃料施設近傍に置かれてい
る物質の放射化量を測定して人体の放射線被曝量を推定
することになるが、放射化量は著しく環境、特に水素の
影響を受けるため、推定値の誤差が大きくなるとされて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、保守管理を必
要とせず、環境の影響をあまり受けることがなく、低コ
ストで中性子を簡易に測定できる方法及びその測定治具
が望ましいことになる。しかしながら、従来、そのよう
な中性子測定方法及びその測定治具は知られていない。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、中性子放出が発生した場合に、例えば核燃料
取扱施設等の建屋の外側からでも中性子の発生率,中性
子エネルギー情報,及び中性子発生率の経時変化の概要
を推定することができ、しかも中性子検出原理が環境の
影響を受け難く、校正作業が単純で、保守管理が不必要
で簡単に測定することができる中性子測定方法及びその
測定治具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、水素
含有物質内に中性子の照射を受けて放射化する中性子放
射化物質を収納し、中性子照射により前記中性子放射化
物質が放射化した核種の中性子束強度の絶対測定を行
い、中性子エネルギー分析を、減速に伴う中性子の移動
およびカドミウムによる熱中性子吸収効果を利用して行
うことを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、放射化法を用
い、中性子束強度の絶対測定を中性子放射化物質の放射
化法を基本として行い、中性子エネルギー分析を、減速
に伴う中性子の移動およびカドミウム(Cd)による熱中
性子吸収効果を利用して行い、中性子強度の経時変化を
半減期の異なる複数の放射化物質の核種により測定す
る。これにより中性子放出時における保守管理が不要と
なる。また、低コストで構成し得る後述する中性子測定
治具を多数配置することにより、特定の場所ではより高
感度で測定を行うことができる。
【0009】請求項2の発明は、第1の水素含有物質ブ
ロックと第2の水素含有物質ブロックとの間に中性子の
照射を受けて放射化する中性子放射化物質が収納されて
一体化してなることを特徴とする。
【0010】請求項2の発明によれば、中性子の照射を
受けて放射化する中性子放射化物質をアクリル,ポリエ
チレン等の空洞部の形成を抑制した水素含有物質ブロッ
ク内に収納したものであって、中性子放射化物質は金
(Au)箔を主体とし、必要に応じてインジウム(In),
ディスプロシウム(Dy),あるいはマンガン(Mn)のう
ち少なくとも1種類を併用することもできる。
【0011】外形は中性子放射化物質の中心から2ない
し7cm程度の半径、通常3cm程度のブロックでよい。大
きくなると高速中性子に対する感度が高くなる。5〜7
cm程度以上になると入射する熱中性子に対する感度が低
下する。
【0012】水素含有物質にはなるべく隙間を設けない
ように設計して大型化が抑制される。水素によって中性
子は減速され、放射化されるべき物質に吸収されやすく
なるので測定感度が高まる。絶対測定技術が確立してい
るAuを用いることにより、精度の良い絶対測定ができ
る。
【0013】ただし、さらに測定感度を向上させるため
には、In,Dy,Mnから選択された少なくとも1種を併用
することが望ましい。Auに対するこれらの感度の比は同
じ大きさの場合1よりかなり大きいためである。この比
は予備試験または計算によって評価できる。
【0014】また、これらは測定しやすいβ線を放出す
るのでバックグラウンドの低減が容易であり、計数率が
非常に高くできるので計測系も非常に単純に設計でき
る。計数効率の経時変化も経験によると極めて少ない。
【0015】その主な原因は、ディスクリミネータの設
定エネルギーが非常に低く、ゲイン変動の影響を受けな
いためである。Au,In,Mnは設定しやすいγ線も放出す
るのでγ線を測定することもできる。また、放射化法で
はカウンタと異なり飽和現象を生じないので、予知でき
ない時点においても中性子放射現象に比例した測定がで
きる。
【0016】なお、透明なアクリル樹脂の内部に純金の
箔を装着したものは室内装飾品としても価値があり、さ
らに装飾品や小型の検出器、例えばγ線検出器を装着す
ることもできる。
【0017】請求項3の発明は、水素含有物質ブロック
に穴部を有し、この穴部内に中性子の照射を受けて放射
化する中性子放射化物質を有する水素含有物質性棒状体
が挿脱自在に設けられてなることを特徴とする。
【0018】請求項3の発明によれば、水素含有物質ブ
ロック内に垂直または水平の穴部を設け、この穴部に棒
状水素含有物質体を挿脱する。これにより、棒状水素含
有物質体に取り付けた中性子放射化物質の取り出し交換
が容易となる。
【0019】請求項4の発明は、水素含有物質ブロック
に穴部を有し、この穴部内に塩化ナトリウムが充填さ
れ、前記穴部の開口端を閉塞するプラグが設けられてい
ることを特徴とする。
【0020】請求項4の発明によれば、塩化ナトリウム
が中性子検出物質となり、放射能の計測ではγ線を側面
から直接検出できる。また、プラグ操作により塩化ナト
リウムの出し入れが容易となる。
【0021】請求項5の発明は、第1の水素含有物質ブ
ロックと第2の水素含有物質ブロックとの間に水素含有
物質の中間ブロックが介在され、前記中間ブロック内に
塩化ナトリウムが充填されてなることを特徴とする。
【0022】請求項5の発明によれば、塩化ナトリウム
が中性子検出物質となり、塩化ナトリウムを大量に収納
することができる。放射能を計測する場合、中間ブロッ
クの外側面に設けた切り込みにドライバの先端部を挿入
してこじ開けるようにして曲げると、中間ブロックを容
易に取り外すことができる。また、取り外された中間ブ
ロックの上下面から放射化された塩化ナトリウム中のγ
線を計測することにより、計数効率を高めることができ
る。
【0023】請求項6の発明は、第1から第4の水素含
有物質ブロックが積層された4層構造の水素含有物質ブ
ロックからなり、前記4層構造の水素含有物質ブロック
間の各々に中性子の照射を受けて放射化する各々異なる
種類の中性子放射化物質が挿着されてなることを特徴と
する。
【0024】請求項6の発明によれば、中性子に照射さ
れて生成する半減期が異なる放射性核種を複数種類組み
合わせることによって、中性子異常放出時の中性子束の
概略的な経時的変化を容易に求めることができる。
【0025】請求項7の発明は、水素含有物質ブロック
内に、第1のステンレス鋼を収納した第1の中性子検出
部と、この第1の中性子検出部から離れた位置に第2の
ステンレス鋼を収納した第2の中性子検出部とを設けて
なることを特徴とする。
【0026】請求項7の発明によれば、ステンレス鋼の
ニッケルのしきい値反応を利用した中性子エネルギー分
析を行うことにより、第2の中性子スペクトル情報を得
ることができる。すなわち、ステンレス鋼にはNi−58,
Cr−50,Mn−55が含まれており、Ni−58で約2MeV以上
の高速中性子をCr−50あるいはMn−55で熱中性子や熱外
中性子を測定することができる。
【0027】第1の中性子検出部では高速中性子の感度
低下を抑制し、かつ熱中性子または熱外中性子に対する
検出感度を高め、第2の中性子検出部では高速中性子に
対する検出感度の低下を抑制する。
【0028】Mnは測定容易、Niは高速中性子のみに反応
(しきい値反応)する。Niのデータは放射線被曝量に直
接関係する重要データとなる。なお、Cdを必要に応じて
使用することにより熱中性子と熱外中性子とを分離する
ことができる。
【0029】請求項8の発明は、容器内に第1の水素含
有物質,第1のステンレス鋼,第2の水素含有物質,中
性子の照射を受けて放射化する中性子放射化物質,リン
グスペーサ及び第2のステンレス鋼を積層配置してなる
ことを特徴とする。
【0030】請求項8の発明によれば、中性子放射化物
質として金箔を使用した場合、金箔で中性子束密度を測
定し、金箔とステンレス鋼円盤中のMnとで中性子束強度
の時間変化を検出できる。また、ステンレス鋼円盤中の
Niによって高速中性子も測定することができ、中性子ス
ペクトル情報が得られる。
【0031】請求項9記載の発明は、水素含有物質ブロ
ック内にインジウム,ディスプロシウム,マンガン,ユ
ーロピウム,ランタンおよび金から選択された少なくと
も2種類を独立して配置してなることを特徴とする。
【0032】さらに好適には、放射性核種を生成する物
質は金属または合金の箔状物質であって、Au,Dy,In,
Dy−Al,Mn−Cu,Eu−Au,La−Alから選択された複数種
類の組み合わせで、これらの箔状物質を水素含有物質ブ
ロック内に独立に約5cm以上離すか、または1〜3cm程
度若干離し、密着させておく。
【0033】箔状物質は長期間安定な物質であり、β線
測定ができるもので、測定感度が高く、測定治具も非常
に単純に構成できる。時間経過の様子を調べる際、中性
子エネルギーを分析する必要はないので、熱中性子にし
て測定感度を高くするために2ないし7cm程度厚さの水
素含有物質ブロック内に中性子放射化物質を配置する。
それぞれの放射化物質の感度は予め一様な中性子場にお
いて照射試験を行うことが望ましいが、計算でも求める
ことができる。
【0034】請求項10の発明は、水素含有物質ブロック
内にインジウム,ステンレス鋼,二酸化マンガン,酸化
ユーロピウム,塩化ナトリウム,酸化ランタン及び金か
ら選択された少なくとも2種類を独立して配置してなる
ことを特徴とする。
【0035】請求項10の発明によれば、中性子に照射さ
れて生成する半減期が異なる放射性核種を組み合わせる
ことによって、中性子異常放出時の中性子束の概略的な
経時的変化を求めることができる。すなわち、放射性核
種を生成する物質は金属,合金または酸化物であって、
インジウム(In),ステンレス鋼(SUS),二酸化マン
ガン(MnO2),酸化ユーロピウム(Eu23),塩化ナ
トリウム(NaCl),酸化ランタン(La23)及び金(A
u)から選択された複数種類の組み合わせで、これらの
物質を水素含有物質ブロック内に5cm以上離して独立に
または1〜3cm程度若干離して密着して収納する。
【0036】これらの物質は長期間安定で、γ線測定で
き、またその量によって検出感度を高めることができ、
測定も容易である。これらの物質に生成する放射性核種
の半減期はIn−116が54.2分、SUS中のMn−56が2.6時
間、Eu−152が9.3時間、La−140が40.3時間、Au−198が
64.8時間(2.7日)である。いずれも化学的に安定で無
害のものが得られ、放射線の測定が容易である。
【0037】長い時間中性子に照射される場合を考える
と、半減期の短いものは照射が終了する直前の情報を中
心に持っており、半減期が長いものは全体の情報を持っ
ているので、この特性を利用して複数の時間区画を想定
し、区画ごとの中性子照射量の概要を評価することがで
きる。
【0038】請求項11の発明は、ステンレス鋼を収納し
た第1の水素含有物質ブロックと、塩化ナトリウムを収
納した第2の水素含有物質ブロックとが一体化されてな
ることを特徴とする。
【0039】請求項11の発明によれば、ステンレス鋼の
Mn−56と塩化ナトリウム中のNa−24により中性子束強度
の時間変化を検出することができる。また、ステンレス
鋼内部で生成したCo−58とMn−56により中性子スペクト
ル情報が得られる。なお、中性子束の強度は例えば予め
金とのNa−24やMn−56の放射化量の比較校正を行ってお
くことにより評価できる。
【0040】請求項12の発明は、容器と、この容器内に
収納された第1の中性子検出部,第2の中性子検出部及
び第3の中性子検出部を具備し、前記第1の中性子検出
部は前記容器内に収納される水素含有物質ブロックと、
この水素含有物質ブロック内に挿入したカドミウム容器
と、このカドミウム容器内に収納された水素含有物質体
に取り付けた中性子の照射を受けて放射化する中性子放
射化物とからなり、前記第2の中性子検出部は前記水素
含有物質ブロック上に載置されるカドミウム容器と、こ
のカドミウム容器内に収納した水素含有物質と、この水
素含有物質内に設けた中性子の照射を受けて放射化する
中性子放射化物質とからなり、前記第3の中性子検出部
は前記第2の中性子検出部にカドミウム板を介して載置
される水素含有物質と、この水素含有物質内に収納した
中性子の照射を受けて放射化する中性子放射化物質とか
なることを特徴とする。
【0041】請求項12の発明によれば、第1の中性子検
出部は最外周の厚さ3〜5cm程度の水素含有物質ブロッ
クに入射する中性子のうち、熱中性子をなるべく減速さ
せ内側のCd容器に吸収させ、Cd容器を透過した本来高速
中性子であった高速中性子とある程度減速されて熱外中
性子となったものを小径Cd容器内部に導き、内部の1〜
5cm程度の水素含有物質ブロックによって減速させて放
射化物質に吸収しやすくしている。
【0042】この内側の水素含有物質は熱化された内側
の中性子がCdに吸収される現象を抑制する機能も有して
いる。入射する熱中性子はCdに吸収されるので放射化物
質には到達できない。したがって、第1の中性子検出部
によって主に高速中性子を感度良く測定することができ
る。入射する熱外中性子もある程度放射化物質に到達す
るので、最外周の厚さをパラメータとして予め理論計算
により高速中性子との比率を評価しておくことになる。
【0043】第2の中性子検出部は最外周に厚さ0.3〜
2mm程度の大径Cd容器を配置して入射する熱中性子を遮
蔽し、大径Cd容器の内側に中性子を減速させるために1
〜7cmの水素含有物質を収納して、その内部に放射化物
質を装着する。したがって、放射化物質は効率よく中性
子を吸収することができる。なお、Cdは金属として使用
する。大気中での腐食は少ないが、腐食物は有害物質と
されているので簡単な気密構造とすることによって長期
に亘り使用できる。
【0044】第3の中性子検出部は第2の中性子検出部
の最外周からCdを取り外した構造である。この構成によ
り入射する全ての中性子が放射化物質の放射化に寄与で
きる。したがって、第3の中性子検出部のデータから第
2の中性子検出部のデータを差し引くと熱中性子情報が
得られる。
【0045】以上によって中性子エネルギー成分を分離
できるので、各エネルギーに対して別途規定されている
被曝の重み関数を掛けて合計することにより、被曝量の
評価ができる。現在用いられているレムカウンタは特に
重要な高速中性子に感度が高くなるように大きさを規定
しているが、本発明ではエネルギーごとに測定するの
で、レムカウンタより小さくすることができる。
【0046】また、レムカウンタでは直径2〜3cmのカ
ウンタを使用するので、その空間は中性子減速に使用で
きないが、本発明では厚さ1mm程度以内の中性子放射化
物質の箔などを使用することができるので、水素含有物
質が殆ど減少することなく、その分だけでも小型化する
ことができる。
【0047】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る中性子測定方
法の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る中性子
測定方法は、水素含有物質内に中性子の照射を受けて放
射化する中性子放射化物質を収納し、中性子照射により
前記中性子放射化物質が放射化した核種の中性子束強度
の絶対測定を行い、中性子エネルギー分析を減速された
中性子の移動距離,カドミウムによる熱中性子吸収効
果、またはステンレス鋼のニッケルのしきい値反応を利
用して行い、中性子束強度の経時変化を半減期の異なる
複数の前記中性子放射化物質の核種により測定する。
【0048】本実施の形態では、なるべく正確に中性子
照射量をモニタできる単純,低コストで保守管理を必要
としない放射化法を利用する。そして、放射化された試
料を回収してプラスチックシンチレーションカウンタで
β線を、またはNaI検出器でγ線を計測する極力単純
な計測方式を採用する。被曝量の評価では高速中性子の
寄与が重要であるため中性子エネルギー情報を取得す
る。
【0049】さらに経時的な中性子放射量の変化を監視
できる治具も開示する。エネルギー情報と経時的な中性
子放射量の変化は特定の場所で測定すればよいが,中性
子束の強度は広い範囲で測定することが重要である。そ
こで中性子束強度測定治具は、極力単純,低コストの
「最低限の構成物」とする。
【0050】最低限の構成物は、核燃料取扱施設近傍の
一般家庭に配置できるもので、例えば直径と高さが5〜
7cmの透明なアクリルコラムの中央部に純金で0.2g程
度(20×20mm×30μm)の金箔を配置したものである。
この場合、室内装飾品として利用できる。食塩を用いる
とやや低コストで製作できるが、その場合は放射化断面
積が小さいため、通常10〜100g程度の量が必要にな
る。
【0051】核燃料取扱い施設内あるいは近傍の特定の
場所では、次のような、より「高度の構成物」を準備す
る。: (a)中性子エネルギースペクトル情報取得 例えばCd製容器内に水素含有物質としてポリエチレンま
たはアクリルブロックを入れ、そのブロック中に中性子
放射化物質として例えば金箔とステンレス鋼(SUS)板
を収納する。Cd製容器により熱中性子吸収効果を利用し
て高速中性子成分を強調したデータを得ることができ
る。また、レムカウンタより大幅に小型、例えば直径10
cm,高さ15〜20cm程度にでき、そして全く保守管理を必
要としない構成でレムカウンタの機能をある程度達成で
きる。この構成では、前記「最低限の構成物」の機能も
含まれている。中性子異常放出時には容器を開いてβ線
を計測する。SUS板が放出する放射線はγ線、またはβ
線を計測する。
【0052】(b)中性子束強度の時間変化の大まかな
変化の情報取得 前記「最低限の構成物」を複数核種組み合わせた構成で
あって、放射化物の半減期の違いを利用して時間変化の
情報を得る。半日ないし1日継続する事故を想定した場
合、金属または合金箔でβ線計数に好適なものとして
は、In箔(In−116:54min),Dy−Al合金箔(Dy−16
5:2.3h),Mn−Cu合金箔(Mn−56:2.6h),Eu−Al
合金箔(Eu−152:9.3h),Au箔(Au−198:2.7d)な
どがある。
【0053】γ線計数方式ではIn−116,MnO2粉末また
はSUS(Mn),Eu23粉末,NaCl(Na−24:15h),La2
3(La−140:40h),Auが可能である。これらの中か
ら2〜4種を選定して組み合わせ使用する。
【0054】次に、本発明で取り上げる放射化物と放射
化生成物について説明する。インジウム(In)の中に
は、In−115が95.8%存在し、これが中性子を吸収してI
n−116となり、半減期54.2分でベータ崩壊しSn−116と
なるが、その際1.29,1.10,0.42,2.11,1.51MeV等の
各種のγ線を放出する。In−116は生成しやすく測定し
やすいが、半減期が比較的短い。
【0055】したがって、中性子照射時間が長い場合、
照射終了辺りの情報を中心に持ち、照射初期に生成した
In−116は崩壊してなくなっている。インジウムは柔ら
かい金属であり、0.1ないし1mm程度の厚さのものが便
利である。熱中性子吸収断面積が非常に大きいため、中
性子測定が容易である。
【0056】熱中性子吸収断面積が大きいことが中性子
場の歪みを大きくするので、他のものとの距離をある程
度(例えば3cm以上)取ることで誤差を大きくしないよ
うに配慮することが望ましい。
【0057】Inは1.46eVに大きな共鳴があり、熱中性子
領域において断面積は中性子速度(v)の逆数に比例し
て変化する(以下1/v特性という)。Cdを適切に使用
することにより、熱中性子と熱外中性子を分離測定する
ことができる。
【0058】ディスプロシウム(Dy)の中にはDy−164
が28.3%存在し、これが熱中性子を吸収してDy−165と
なり、半減期2.33時間でベータ崩壊してHo−165とな
る。放出されるγ線のエネルギーは低いのでγ線測定は
あまり適さないが、β線計測は極めて好適である。この
場合、アルミニウム合金(Dy−Al)箔として使用するの
が好適である。この合金は大気中でも非常に安定であ
る。Dyは熱外中性子に対しては殆ど感度がない。
【0059】マンガン(Mn)は、Mn−55の核種が100%
であり、中性子を吸収してMn−56となり、半減期2.58時
間でベータ崩壊しFe−56となるが、この際β線もγ線も
計測が容易である。Mn金属は酸化しやすいため、SUSと
して、あるいはMn−Cu合金箔などとして使用できる。
【0060】Mn−Cu合金は長期間大気中に放置すると徐
々に酸化が進むが使用に差支えはない。Mnは337eVに大
きな共鳴があり、熱中性子領域では断面積は1/v特性
となっている。Cdを適切に使用することにより熱中性子
と熱外中性子を分離測定することができる。
【0061】Mnの共鳴エネルギーは比較的高いので、本
実施の形態で用いる含水素物質の厚さをAuやInの場合に
比べて原理的には若干薄くしてもよい。これは中性子吸
収までに中性子の減速が少なくて済むために、減速に伴
う拡散距離が小さいためである。
【0062】ユーロピウム(Eu)の中にはEu−151が47.
7%存在し、これが中性子を吸収してEu−152mとなり、
半減期9.33時間でベータ崩壊してGd−152となる。この
際非常に多種類の測定しやすいγ線やβ線を放出する。
ユーロピウムは希土類金属であるため、安定なアルミニ
ウム合金(Eu−Al)や酸化物(例えば粉末のEu23)を
使用するのが好適である。Eu−151は熱中性子領域とさ
れる0.3eVに大きな共鳴があり、Cdを使用するのはやや
難しい。
【0063】ナトリウム(Na)は100%のNa−23で構成
されており、中性子吸収断面積は2200m/sの中性子に
対して0.9バーンと小さいが、塩化ナトリウム、例えば
食塩などとして身近にありふれており、中性子を吸収す
ることによってNa−24となり、これは半減期15時間でベ
ータ崩壊してMg−24となる。この際、1.36MeVと2.75MeV
のγ線をそれぞれ崩壊数と同数(100%)だけ放出す
る。
【0064】これらのγ線はそのエネルギーが測定に極
めて好都合な値であり、精度良い測定が可能である。し
たがって、これらのγ線を測定することによって中性子
照射量を評価することができる。
【0065】ところで事故等で放出されNaに到達する際
の中性子エネルギーは非常に高い成分が多いため、適切
に減速してNaに吸収しやすくする必要がある。そのた
め、本実施の形態では水素原子の個数密度が水とおおよ
そ等しく、熱中性子吸収断面積が小さく、耐久性に極め
て優れたポリエチレンやアクリルなどのプラスチックを
2〜7cm程度の厚さとした厚肉容器の内部に直接または
間接にNa含有物質(塩化ナトリウム、例えば食塩を10〜
100g程度)を充填する構成とする。
【0066】厚さを変えることによって入射中性子のエ
ネルギーの違いに対して感度の差異を生じさせることが
できる。また、必要に応じて容器をCdなどの熱中性子吸
収材で取り囲んで熱中性子を除く中性子を測定する構成
を併用することもできる。
【0067】ランタン(La)の中にはLa−139が殆ど100
%存在し、中性子を吸収してLa−140となり、半減期40.
3時間でベータ崩壊しCe−140となる際に1.6MeV他の多く
のγ線やβ線を放出する。ランタンも希土類金属である
ため、安定なアルミニウム合金(La−Al)や酸化物(例
えば粉末のLa23)を使用するのが好適である。
【0068】金(Au)はAu−197が100%であり、中性子
を吸収してAu−198となり、半減期2.7日でベータ崩壊し
てHg−198となる際に0.41MeVのγ線を放出する。Au−19
8が放出するβ線は測定にも好適であり、γ線測定の場
合より約10倍の計数率を得ることが十分可能であり、中
性子吸収量の測定に極めて好都合である。
【0069】金箔は金属であり、厚さ20〜40μmのもの
が取扱いが容易であるのみでなく、放射線自己遮蔽評価
問題や中性子場の歪み評価問題などでもよく研究されて
いて好都合である。近年γ線測定が主流になっている
が、低い中性子場の測定には好適に設計された試料を使
用する場合にはβ線計測の方が有利な場合が多い。
【0070】クロム(Cr)はSUSに約18%含まれる重要
構成元素の1つであり、Crに4.35%含まれるCr−50の中
性子捕獲反応によりCr−51が生成し、半減期27.7日の電
子捕獲崩壊によりV−51となり、その際0.32MeVのγ線
を放出する。中性子捕獲反応は1/v特性である。
【0071】ニッケル(Ni)はSUSに約8%含まれる重
要元素の1つであり、Ni−58は天然Niに67.9%含まれて
いる。Ni−58は約2MeV以上の高速中性子としきい値反
応を起こし、Co−58が生成し、半減期70.8日で電子捕獲
反応と(+)β線崩壊によりFe−58となる。この場合、
測定しやすいγ線(0.51,0.81MeV)を放出する。β線
測定はできない。
【0072】高速中性子を直接測定可能な点で、本実施
の形態では貴重な反応であるが、反応断面積が小さいた
め中性子放出率が高い場合でないと利用できない問題が
あり、より大量のステンレス鋼、またはNiを用いること
によってその問題は大幅に緩和できる。
【0073】つぎに、図1により本発明に係る中性子測
定治具の第1の実施の形態を説明する。図1は中性子測
定治具の第1の実施の形態を示す縦断面図で、本実施の
形態の中性子測定治具は第1の水素含有物質ブロックと
しての上部アクリル円柱1と、第2の水素含有物質ブロ
ックとしての下部アクリル円柱2が積層され、内部に中
性子放射化物質としての金箔3が収納されて接着により
一体化したものからなっている。
【0074】上下部のアクリル円柱1,2は透明で、直
径と高さが5〜7cmである。下部アクリル円柱2の中央
部に例えば2cm×2cm,厚さ30μmの金箔3が収納され
ている。アクリルは中性子減速材であり、水素原子の数
密度が水とほぼ同じ(僅かに少ない)である。
【0075】ポリエチレンでも中性子に対してはほぼ同
じ作用があるためアクリルに代えて適用可能ではある
が、金箔3を装飾品として活用すること、製造の低コス
ト化及び接着性から、本実施の形態ではアクリルを選定
した。金箔3を適切に保持するため、下部のアクリル円
柱2には浅い切り込み凹み4を設けている。上下部のア
クリル円柱1,2は金箔3を収納する凹み4の外周部で
接着剤を用いて接着されている。
【0076】上下部アクリル円柱1,2の合体接着部周
囲の一部に小さな切り込み5を設けている。この切り込
み5は、測定時などで金箔3を取り出す場合にスクリュ
ードライバなどの先端部を挿入してこじ開けて接着を剥
がし易くするためのものである。上部アクリル円柱1の
上面には小穴6を設けているが、これは本実施の形態の
必須要件ではなく、例えば造花などの装飾品を取り付け
たり、メモ類を保持するなどに使用することができる。
【0077】なお、測定作業者はγ線検出器のTLD
(熱蛍光型検出器)を取り付けても良いが、この場合,
γ線は弱いながら常時存在するので、時間積分するとか
なりの線量となり、時折交換しなければならない。中性
子放出事故時にもγ線は放出されるが、正常時のγ線が
蓄積されてかなり大きなバックグラウンドとなるので、
保守管理が必要である。
【0078】上下部アクリル円柱1,2に入射した高速
中性子または熱外中性子は上下部アクリル円柱1,2内
の水素原子で減速され、金箔3に吸収されやすい熱中性
子や4.9eV付近の共鳴中性子となって金箔3に吸収さ
れ、金箔3を放射化する。熱中性子は5〜7cm程度の厚
さまでは容易に透過できるので、結局この構成では高
速,熱外及び熱中性子が金箔3を放射化することにな
る。もし上下部アクリル円柱1,2がないと高速中性子
は金箔3には吸収されない。
【0079】また、金箔3の近傍に水素を含む物質が存
在すると、その影響を直接受けるので、中性子異常放出
時の金箔3近傍の環境を正確に調査し、解析で影響を評
価するという複雑な作業を行わないと著しい誤差を招く
ことになるが、本実施の形態をはじめとして以下詳述す
る全ての実施の形態において、外部環境の影響が小さく
なるように、放射化させる物質のすぐ周りに水素含有物
質を好適に配置している。
【0080】本実施の形態では金箔3を使用したが、金
箔3に限定する必要はなく、非常に中性子検出感度の高
いインジウムや、かなり感度が高いディスプロシウム合
金箔,マンガン合金箔,ユーロピウム合金箔などを使用
することもできる。
【0081】箔を使用すると、箔の内側の水素も減速に
寄与するので、箔放射化の感度を高めることができる。
この現象は「trap(トラップ)効果」と呼ばれ、内側で
減速され、箔の内側からも吸収できる現象である。従来
のレムカウンタではカウンタを用いているので、内部に
減速材を配置することができないので、本実施の形態よ
りも大型になる一因ともなる。
【0082】なお、参考値として、中性子が水で減速さ
れる途中でいかに拡散するかを示す目安として、炉物理
理論で用いられる実効的なフェルミ年齢τの計算値の例
を示す。アクリルやポリエチレンもほぼ同じである。水
は中性子を連続減速させる原子ではないため、フェルミ
理論は原理的には水に適用してはいけないが、拡散係数
を除去断面積で割ったものは実効的にフェルミ年齢τと
等価になることが分かっている。
【0083】本実施の形態では減速に伴う中性子の移動
距離(平均自乗距離と呼ばれ、6τの平方根で与えられ
る)の違いを念頭において発明を完成させた。ただし、
同じエネルギーの中性子は減速につれて全て同じ距離だ
け移動するわけではなく、あくまで平均の移動距離であ
る点に注意する必要がある。
【0084】エネルギーの高い中性子は一定のエネルギ
ーへ減速される場合、遠方まで到達する可能性(割合、
数)が高く、逆の場合は遠くまで到達する可能性(割
合、数)は低い。このような特性を数値で示したのが実
効的なフェルミ年齢τである。表1で、任意の組み合わ
せの差を取ると両者間のフェルミ年齢τの変化に相当す
る。
【0085】
【表1】
【0086】つぎに、図2により本発明に係る中性子測
定治具の第2の実施の形態を説明する。図2において、
符号7は水素含有物質ブロックとしてのアクリルブロッ
クで、アクリルブロック7には中央部に垂直または水平
に円柱状穴部8が形成されており、この円柱状穴部8内
に下部外周面に金箔3を巻き付けた水素含有物質体とし
てのアクリル棒状体9が挿脱自在に設けられている。
【0087】本実施の形態の作用,効果は第1の実施の
形態と殆ど同様である。金箔3以外の箔も使用できる
が、曲げ延ばしの点からは金箔とインジウム箔が優れて
いる。金箔3を巻き付けたアクリル棒状体9は無理に外
周に接着する必要はない。棒状体9の挿脱が容易で、金
箔3の交換が容易となる。
【0088】つぎに、図3により本発明に係る中性子測
定治具の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は
第2の実施の形態と同様にアクリルブロック7に設けた
円柱状穴部8内に中性子検出物質として塩化ナトリウム
10を収納するとともに、穴部8の間に端部をプラグ11に
より密封したことにある。
【0089】塩化ナトリウム10ではナトリウムが中性子
検出物質となる。ナトリウムの放射化断面積は小さいの
で、塩化ナトリウム10をかなり大量に収納できる必要が
ある。直径6cm,高さ8.5cmのアクリルブロック7内に
直径2cm,高さ5cmの円柱状穴部8を設けると、15.7cc
の塩化ナトリウム10を収納できる。放射能の計測では側
面からγ線を検出するのが便利である。なお、アクリル
ブロック7はポリエチレンブロックと置き換えることも
できる。
【0090】つぎに、図4により本発明に係る中性子測
定治具の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態は
第1の水素含有物質ブロックとしての上部アクリル厚板
12,上部アクリル薄板13と、中間ブロックとしてのアク
リル中間環状体14と、第2の水素含有物質ブロックとし
ての下部アクリル薄板15及び下部アクリル厚板16を積層
して各々の接合面を接着し、全体としてアクリルブロッ
クが構成されている。
【0091】このアクリルブロックのアクリル中間環状
体14の空間内には中性子検出物質として塩化ナトリウム
10が収納されている。塩化ナトリウム10ではナトリウム
が中性子検出物質となる。塩化ナトリウム10の量をさら
に大量に収納できるようにするため、直径10cm,高さ7.
5cmのアクリル中間環状体14内に直径6cm,高さ2.5cmの
円板状空間を設け、この空間に70.7ccの塩化ナトリウム
10を収納する。
【0092】放射能の計測では、塩化ナトリウム10を収
納している部分の上下に貼り付けられている5mm程度の
薄いアクリル板とそれらのさらに上下の厚板との間の接
着部の一部に設けられた切り込み5にスクリュードライ
バなどの先端部を挿入して上下部のアクリル厚板12,16
を取り外す。これによって計数効率を高めるようにして
上下部のアクリル薄板13,15の上下面からγ線を検出す
るのが便利である。
【0093】図5により本発明に係る中性子測定治具の
第5の実施の形態を説明する。本実施の形態は第1から
第4の水素含有物質ブロックとしての第1のアクリル板
17,第2のアクリル板18,第3のアクリル板19及び第4
のアクリル板20を4層構造に積層して接着し、第1と第
2のアクリル板17,18の接合面に金(Au)箔3,第2と
第3のアクリル板18,19の接合面にディスプロシウム
(Dy)合金箔21,第3と第4のアクリル板19,20の接合
面にインジウム(In)箔22を挿着したことにある。Inと
Dyとの間隔、つまり第3のアクリル板19を若干厚くした
ことは、Inの大きな中性子吸収効果がDyに及ぶのを抑制
しているためである。
【0094】これらの中性子放射化物質を水素含有物質
内に独立して5cm以上離す必要があるが、理論計算で補
正できることとコンパクト化を図るため、本実施の形態
では1〜3cm程度、好ましくは2.5cm離間することにす
る。In,Dy,Auは中性子に照射されてそれぞれの半減期
の異なる核種を生成するので、放射される中性子束強度
の時間変動を評価するのに使用できるが、単に図1に示
した第1の実施の形態を補強する目的で使用しても良
い。
【0095】Inは極めて弱い放出中性子に対しても感度
を有しており、Dyはその次でありAuは最も感度が低い。
しかし半減期は逆であり、金箔3は時間をかけて計測す
ることができるので、ある程度計数値を蓄積することが
できる。金箔3は絶対測定にもっとも好適である。
【0096】なお、上記中性子放射化物質の金属元素の
ほかにDy−Al,Mn−Cu,Eu−Al,La−Al等の合金箔を使
用することができる。これらは長期間安定な物質であ
り、β線測定ができるもので測定感度が高く、測定治具
を非常に簡単にできる。時間経過の様子を調べる際、中
性子のエネルギーを分析する必要がないので、熱中性子
にして測定感度を高くするために2〜7cm程度厚さの水
素含有物質ブロック内に上記中性子放射化物質を配置す
る。それぞれの放射化物質の感度は予め一様な中性子場
において照射試験を行うことが望ましいが、計算で求め
ることもできる。
【0097】つぎに図6を参照しながら本発明に係る中
性子測定治具の第6の実施の形態を説明する。本実施の
形態は水素含有物質ブロックとしての長尺のポリエチレ
ンブロック23の軸心に沿って上端から中央部に細径孔24
を設け、また、下端から中央部の若干下方に到達する太
径孔25を設けている。
【0098】細径孔24内には中性子放射化物質としての
金箔3を巻き付けたアクリル棒状体9と、二酸化マンガ
ン(粉)27を充填したカプセル26を挿入し、太径孔25内
に塩化ナトリウム(粉)10を収納し、下部端栓28により
密封されている。このように本実施の形態では、中性子
の照射により半減期の異なる放射性核種を生成する物質
を複数種類独立して配置している。
【0099】ナトリウムは放射化断面積が小さいので、
なるべく多くの量を収納できるように構成されている。
二酸化マンガン(粉)27は逆に放射化断面積が非常に大
きいので、必要に応じてアルミナなどの中性子吸収断面
積の小さい粉末で希釈した方が良い場合もある。誘導放
射能は原則としてγ線を測定するが、金箔3はβ線測定
の方が通常は好都合である。
【0100】なお、二酸化マンガン27の代りにマンガン
を含むステンレス鋼を使用することもできる。また、Mn
に限らずEu,La,In,Dy−Al,Mn−Cu,Eu−Alなども適
用できる。
【0101】これらの放射化物質に生成する放射性核種
の半減期はIn−116が54.2分、SUSのMn−56が2.6時間、E
u−152が9.3時間、Na−24が15時間、La−140が40.3時
間、Au−198が64.8時間(2.7日)である。いずれも化学
的に安定で無害のものが得られ、放射線の測定が容易で
ある。
【0102】長い時間中性子に照射される場合を考える
と、半減期の短いものは照射が終了する直前の情報を中
心に持っており、半減期が長いものは全体の情報を持っ
ているので、この特性を利用して複数の時間区画を想定
し、区画ごとの中性子照射量の概要を評価することがで
きる。いずれも化学的に安定で無害のものが得られ、放
射線の測定が容易である。
【0103】つぎに、図7を参照しながら本発明に係る
中性子測定径の第7の実施の形態を説明する。本実施の
形態は、中性子束の強度,中性子スペクトル情報,及び
中性子束強度の時間変化を検出できる例である。上端が
開口し有底の容器29内に下から2cm厚のポリエチレン
(PE)あるいはアクリルなどの第1の水素含有物質
(H)30,第1のステンレス鋼としての5mm厚の下部ス
テンレス鋼(SUS)円盤31,2cm厚の第2の水素含有物
質(H)32,金箔3,2cm厚の第3の水素含有物質
(H)33,3cm高さのSUSまたはアルミニウムなどの非
水素含有物質でできたリングスペーサ34を介して間隙を
設け,第2のステンレス鋼としての5mm厚の上部ステン
レス鋼(SUS)円盤35が配置され、容器29の上端開口は
上蓋36により密封されている。容器29は直径約5〜6cm
程度,高さ約10cm程度である。
【0104】本実施の形態において、第1から第3の水
素含有物質30,32,33に挟まれたステンレス鋼円盤31と
金箔3では主としてMn,Cr及び金を、減速させた中性子
で放射化することを狙っている。一方、上部ステンレス
鋼円盤35は第3の水素含有物質33から隔離し、主として
高速中性子で放射化することを主に目的としている。高
速中性子による放射化の程度は上部ステンレス円盤35と
下部ステンレス鋼円盤31とで通常大きな差異はないの
で、上部ステンレス鋼円盤35は場合によっては省略して
もよい。
【0105】本実施の形態によれば、金箔3で中性子束
強度を測定し、金箔3とステンレス鋼円盤のMnとで中性
子束強度の時間変化を検出できるだけでなく、ステンレ
ス鋼に含まれるNiによって高速中性子も測定できるた
め、中性子スペクトル情報を得ることができる。
【0106】つぎに、図8により本発明に係る中性子測
定治具の第8の実施の形態を説明する。本実施の形態は
第7の実施の形態をより単純化して、中性子検出物質と
して大量の塩化ナトリウム10とステンレス鋼円盤31をそ
れぞれ第1及び第2の水素含有物質30,32内に収納した
構成となっている。
【0107】本実施の形態では、直径10cm,高さ8.5cm
の第1の水素含有物質30内に体積28ccのステンレス鋼円
盤31と、第2の水素含有物質32内に71ccの塩化ナトリウ
ム10が収納されている。
【0108】塩化ナトリウム10部の放射能の計測では、
図4の場合と同様に、塩化ナトリウム10を収納している
部分の上下に貼り付けられている5mm程度の上部アクリ
ル薄板13と下部アクリル薄板15との間の接着部の一部に
設けられた切り込み5にスクリュードライバなどの先端
部を挿入して上部アクリル厚板12と第1の水素含有物質
30を取り外すことによって計数効率を高めるようにして
上下面からγ線を検出するのが便利である。
【0109】ステンレス鋼円盤31も同様な手順でステン
レス鋼を取り出して測定することができる。ステンレス
鋼円盤のMn−56と食塩のNa−24により中性子束強度の時
間変化を検出することができ、ステンレス鋼内部で生成
したCo−58とMn−56により中性子スペクトル情報が得ら
れる。この例では金箔は装着していないが、中性子束の
強度は例えば予め金箔とのNa−24やMn−56の放射化量の
比較構成を行っておくことにより評価できる。
【0110】つぎに、図9により本発明に係る中性子測
定治具の第9の実施の形態を説明する。本実施の形態
は、中性子束強度と中性子スペクトル情報を検出できる
ように構成した例である。本実施の形態では金箔のみで
目的を達成することとしているが、In箔やMn箔を用いて
ることもできる。
【0111】全体は直径約12cm,高さ約25cmの比較的大
きな気密容器38に収納されている。Cdを使用しており、
Cd金属の耐蝕性は比較的良好であるものの、腐食生成物
は有害物質とされており一般大衆に一切害を及ぼさない
という考えに基いて、容器38を気密としている。通常は
大気中に放置しても有機化合物とならない限り問題はな
い程度のものである。
【0112】気密容器38内には下から第1の中性子検出
部39,第2の中性子検出部40及び第3の中性子検出部41
が積み重ねられている。第1の中性子検出部39は直径約
12cm,高さ約8cmのポリエチレンまたはアクリル等の水
素含有物質製の大径ブロック42内に直径約4cm,高さ約
6cmの小径Cd容器43があり、Cd容器43内に金箔3を巻き
付けた直径0.7cm程度の水素含有物質細棒44を挿入した
水素含有物質45が挿入されている。小径Cd容器43の厚さ
は0.3〜2mm程度である。
【0113】外部から入射した熱中性子は小径Cd容器43
で完全に吸収されるので内部に侵入できない。熱外中性
子の大部分は外部の水素含有物質で減速されて熱中性子
となるのでCdで吸収されるが、一部の熱外中性子は減速
を免れCdを透過して熱中性子となり、一部は内側からCd
に吸収されるが他の熱化された中性子は金箔3に吸収さ
れて放射化する。
【0114】外部から入射した高速中性子は外部の水素
含有物質では一部のものが減速されるだけで大部分のも
のは高速中性子と熱外中性子の状態でCdを透過し、内部
の水素含有物質で熱中性子となり、金箔3に吸収され
る。
【0115】結局全体的に見ると、入射した中性子のう
ち、一部熱外中性子も含まれるが大部分は入射した高速
中性子が熱中性子になって金箔に吸収されることになる
(高速中性子が検出される)。最外周の水素含有物質の
厚さを調節することによって、Cdを透過する入射高速中
性子と入射熱外中性子との比率を調節することができ
る。
【0116】第2の中性子検出部40は第1の中性子検出
部39よりも外形がやや小さく、例えば直径約8cm,高さ
約7cmの大径Cd容器46と、大径Cd容器46内に収納した水
素含有物質47と、この水素含有物質47内に中央部に金箔
3を巻き付けた直径1cm程度の棒状水素含有物質48及び
Cd板49とからなっている。
【0117】第2の中性子検出部40の外周はCdが取り囲
んでいるため入射する熱中性子は内部へは侵入できな
い。入射した高速中性子と熱外中性子はCdの内部の水素
含有物質で減速され、熱中性子あるいは4.9eV付近の熱
外(共鳴)中性子となり、金箔3に吸収されて放射化さ
せる。すなわち、第2の中性子検出部40は高速,熱外中
性子が検出される。したがって第1の中性子検出部39の
結果との比較から熱外中性子の情報が得られる。
【0118】第3の中性子検出部41は水素含有物質の下
部ブロック50及び上部ブロック51を主体とし、下部ブロ
ック50の中央部には直径1cm程度の棒状水素含有物質に
金箔3を巻き付けた短小棒52が配置されている。これら
のブロック50,51ではCdは装着されていない。
【0119】下部ブロック50及び上部ブロック51の全体
の大きさは直径約8cm,高さ約9cmである。上部ブロッ
ク51の上部中央にはピン穴53が設けられ、ピン穴53に位
置決めピン54が挿入される。位置決めピン54は気密容器
38の上蓋55の下面に取り付けられている。
【0120】第2の中性子検出部40側は約4cmと厚肉に
され、Cdによる熱中性子吸収効果の影響を抑制してい
る。理想的には4cm以上とされる。第3の中性子検出部
41では、高速,熱外,及び熱中性子が検出される。した
がって、第3の中性子検出部41と第2の中性子検出部40
の結果の比較から熱中性子の情報が得られる。
【0121】なお、第3の中性子検出部41を省略する方
法では、熱中性子束の情報が得られなくなるが、被曝管
理のみの目的では熱中性子の重要度は一般に低いので省
略することも許される。
【0122】本実施の形態によれば、入射する中性子の
エネルギーを区別して測定することができる。中性子エ
ネルギーによって被曝効果が異なるので、エネルギーを
区別して測定することは被曝量評価において極めて重要
なことである。この種の測定治具では第1の中性子検出
部39が全体の大きさを支配することになるが、直径21cm
程度のレムカウンタよりは大幅に小型化することができ
る。
【0123】第1の中性子検出部39を第2及び第3の中
性子検出部40,41と分離した構成にすると、第2及び第
3の中性子検出部40,41は本実施の形態よりかなり小型
化することは十分可能であり、直径2〜3cmとすること
ができる。
【0124】
【発明の効果】本発明に係る中性子測定方法によれば、
中性子放出が発生した場合に、施設現場の建屋の外側か
らでも中性子束の強度,中性子束強度の経時変化の概
要,及び中性子エネルギー情報を推定することができ
る。よって、放射線被曝管理に精度良いデータを提供で
きる。
【0125】また、本発明に係る中性子測定治具によれ
ば、中性子検出原理と構造が簡単で環境の影響を受け難
く、放射化物の計測器の構成とその校正作業が単純であ
り、さらに保守管理が不要で低コストの構成とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中性子測定治具の第1の実施の形
態を示す縦断面図。
【図2】本発明に係る中性子測定治具の第2の実施の形
態を示す縦断面図。
【図3】本発明に係る中性子測定治具の第3の実施の形
態を示す縦断面図。
【図4】本発明に係る中性子測定治具の第4の実施の形
態を示す縦断面図。
【図5】本発明に係る中性子測定治具の第5の実施の形
態を示す縦断面図。
【図6】本発明に係る中性子測定治具の第6の実施の形
態を示す縦断面図。
【図7】本発明に係る中性子測定治具の第7の実施の形
態を示す縦断面図。
【図8】本発明に係る中性子測定治具の第8の実施の形
態を示す縦断面図。
【図9】本発明に係る中性子測定治具の第9の実施の形
態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…上部アクリル円柱、2…下部アクリル円柱、3…金
箔、4…凹み、5…切り込み、6…小穴、7…アクリル
ブロック、8…円柱状穴部、9…アクリル棒状体、10…
塩化ナトリウム、11…プラグ、12…上部アクリル厚板、
13…上部アクリル薄板、14…アクリル中間環状体、15…
下部アクリル薄板、16…下部アクリル厚板、17…第1の
アクリル板、18…第2のアクリル板、19…第3のアクリ
ル板、20…第4のアクリル板、21…ディスプロシウム合
金箔、22…インジウム箔、23…長尺のポリエチレンブロ
ック、24…細径孔、25…太径孔、26…カプセル、27…二
酸化マンガン(粉)、28…下部端栓、29…容器、30…第
1の水素含有物質、31…下部ステンレス鋼円盤、32…第
2の水素含有物質、33…第3の水素含有物質、34…リン
グスペーサ、35…上部ステンレス鋼円盤、36…上蓋、37
…ステンレス鋼円盤、38…気密容器、39…第1の中性子
検出部、40…第2の中性子検出部、41…第3の中性子検
出部、42…大径ブロック、43…小径Cd容器、44…水素含
有物質細棒、45…水素含有物質、46…大径Cd容器、47…
水素含有物質、48…棒状水素含有物質、49…Cd板、50…
下部ブロック、51…上部ブロック、52…短小棒、53…ピ
ン穴、54…位置決めピン、55…上蓋。
フロントページの続き (72)発明者 増山 忠治 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 2G075 AA01 AA17 FA06 FA19 FC14 FC20 GA18 GA37 2G088 BB01 BB19 EE09 EE23 FF09 FF15 GG30 JJ01 JJ08 JJ09 JJ30 JJ37 LL05 LL08 LL09 LL27

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素含有物質内に中性子の照射を受けて
    放射化する中性子放射化物質を収納し、中性子照射によ
    り前記中性子放射化物質が放射化した核種の中性子束強
    度の絶対測定を行い、中性子エネルギー分析を、減速に
    伴う中性子の移動およびカドミウムによる熱中性子吸収
    効果を利用して行うことを特徴とする中性子測定方法。
  2. 【請求項2】 第1の水素含有物質ブロックと第2の水
    素含有物質ブロックとの間に中性子の照射を受けて放射
    化する中性子放射化物質が収納されて一体化してなるこ
    とを特徴とする中性子測定治具。
  3. 【請求項3】 水素含有物質ブロックに穴部を有し、こ
    の穴部内に中性子の照射を受けて放射化する中性子放射
    化物質を有する水素含有物質性棒状体が挿脱自在に設け
    られてなることを特徴とする中性子測定治具。
  4. 【請求項4】 水素含有物質ブロックに穴部を有し、こ
    の穴部内に塩化ナトリウムが充填され、前記穴部の開口
    端を閉塞するプラグが設けられていることを特徴とする
    中性子測定治具。
  5. 【請求項5】 第1の水素含有物質ブロックと第2の水
    素含有物質ブロックとの間に水素含有物質の中間ブロッ
    クが介在され、前記中間ブロック内に塩化ナトリウムが
    充填されてなることを特徴とする中性子測定治具。
  6. 【請求項6】 第1から第4の水素含有物質ブロックが
    積層された4層構造の水素含有物質ブロックからなり、
    前記4層構造の水素含有物質ブロック間の各々に中性子
    の照射を受けて放射化する各々異なる種類の中性子放射
    化物質が挿着されてなることを特徴とする中性子測定治
    具。
  7. 【請求項7】 水素含有物質ブロック内に、第1のステ
    ンレス鋼を収納した第1の中性子検出部と、この第1の
    中性子検出部から離れた位置に第2のステンレス鋼を収
    納した第2の中性子検出部とを設けてなることを特徴と
    する中性子測定治具。
  8. 【請求項8】 容器内に第1の水素含有物質,第1のス
    テンレス鋼,第2の水素含有物質,中性子の照射を受け
    て放射化する中性子放射化物質,リングスペーサ及び第
    2のステンレス鋼を積層配置してなることを特徴とする
    中性子測定治具。
  9. 【請求項9】 水素含有物質ブロック内にインジウム,
    ディスプロシウム,マンガン,ユーロピウム,ランタン
    および金から選択された少なくとも2種類を独立して配
    置してなることを特徴とする中性子測定治具。
  10. 【請求項10】 水素含有物質ブロック内にインジウ
    ム,ステンレス鋼,二酸化マンガン,酸化ユーロピウ
    ム,塩化ナトリウム,酸化ランタン及び金から選択され
    た少なくとも2種類を独立して配置してなることを特徴
    とする中性子測定治具。
  11. 【請求項11】 ステンレス鋼を収納した第1の水素含
    有物質ブロックと、塩化ナトリウムを収納した第2の水
    素含有物質ブロックとが一体化されてなることを特徴と
    する中性子測定治具。
  12. 【請求項12】 容器と、この容器内に収納された第1
    の中性子検出部,第2の中性子検出部及び第3の中性子
    検出部を具備し、前記第1の中性子検出部は前記容器内
    に収納される水素含有物質ブロックと、この水素含有物
    質ブロック内に挿入したカドミウム容器と、このカドミ
    ウム容器内に収納された水素含有物質体に取り付けた中
    性子の照射を受けて放射化する中性子放射化物とからな
    り、前記第2の中性子検出部は前記水素含有物質ブロッ
    ク上に載置されるカドミウム容器と、このカドミウム容
    器内に収納した水素含有物質と、この水素含有物質内に
    設けた中性子の照射を受けて放射化する中性子放射化物
    質とからなり、前記第3の中性子検出部は前記第2の中
    性子検出部にカドミウム板を介して載置される水素含有
    物質と、この水素含有物質内に収納した中性子の照射を
    受けて放射化する中性子放射化物質とかなることを特徴
    とする中性子測定治具。
JP2000162883A 2000-05-31 2000-05-31 中性子測定方法及び測定治具 Pending JP2001343464A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000162883A JP2001343464A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 中性子測定方法及び測定治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000162883A JP2001343464A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 中性子測定方法及び測定治具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001343464A true JP2001343464A (ja) 2001-12-14

Family

ID=18666727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000162883A Pending JP2001343464A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 中性子測定方法及び測定治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001343464A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006044734A1 (de) * 2006-09-20 2008-03-27 Berthold Technologies Gmbh & Co. Kg Verfahren und System zur Messung der Anzahl hochenergetischer Neutronen
JP2009204581A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Toshiba Corp 中性子測定装置及び中性子測定方法
JP2011503599A (ja) * 2007-11-15 2011-01-27 ヘルス プロテクション エージェンシー 放射線検出
AT509490B1 (de) * 2010-04-28 2011-09-15 Univ Wien Tech Neutronenflussmonitor
JP2017125792A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 放射線計測システム及びそれに使用される中性子捕捉装置
CN110428917A (zh) * 2019-08-06 2019-11-08 中国原子能科学研究院 用于快堆的中子注量探测器及相应的实验装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006044734A1 (de) * 2006-09-20 2008-03-27 Berthold Technologies Gmbh & Co. Kg Verfahren und System zur Messung der Anzahl hochenergetischer Neutronen
JP2011503599A (ja) * 2007-11-15 2011-01-27 ヘルス プロテクション エージェンシー 放射線検出
JP2009204581A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Toshiba Corp 中性子測定装置及び中性子測定方法
AT509490B1 (de) * 2010-04-28 2011-09-15 Univ Wien Tech Neutronenflussmonitor
AT509490A4 (de) * 2010-04-28 2011-09-15 Univ Wien Tech Neutronenflussmonitor
JP2017125792A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 放射線計測システム及びそれに使用される中性子捕捉装置
CN110428917A (zh) * 2019-08-06 2019-11-08 中国原子能科学研究院 用于快堆的中子注量探测器及相应的实验装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8642971B2 (en) Neutron dosimeter
Konijn et al. A high resolution, large volume Ge (Li) NaI (Tl) compton-suppression spectrometer
JP6991501B2 (ja) 中性子検出器及び中性子測定装置
Walker et al. Measurement of radiative capture resonance integrals in a thermal reactor spectrum, and the thermal cross section of Pu-240
US6452992B1 (en) Method and device for measuring the relative proportions of plutonium and uranium in a body
Watanabe Applications of scintillators in optical-fiber-based detectors
JP2001343464A (ja) 中性子測定方法及び測定治具
Saha Radiation safety in nuclear medicine: a practical, concise guide
Gibson et al. Neutron monitoring for radiological protection
Law et al. A study of photoactivation with a 60 Co source
Matthews et al. Multielemental analysis of bulk matrices by measurement of prompt and delay γ-rays as well as cyclic activation using an isotopic neutron source
Nargolwalla et al. Experimental sensitivities for 3 MeV neutron activation analysis
Ryzhikov et al. A new multi-layer scintillation detector for detection of neutron-gamma radiation
Nitsch Completion of the muon veto for the Dortmund low background facility and proton activation measurements on irradiated metals from proton beam therapy
Wallner DETERMINATION OF 228Ra, 226Ra, AND210Pb IN DRINKING WATER USING LIQUID SCINTILLATION COUNTING
EP3542188A1 (en) System and method of neutron radiation detection
Kessler et al. Development and characterization of scintillation based detectors for the use in radiological early warning networks
EP3859404A1 (en) Lightweight neutron dosimeter
Reimer Fast neutron induced reactions leading to activation products: selected cases relevant to development of low activation materials, transmutation and hazard assessment of nuclear wastes
JP2001281384A (ja) 臨界近接監視方法及び監視用測定治具
Kusaka et al. Non-destructive determination of chlorine in organic compounds by neutron-capture gamma-ray measurement, using an isotopic neutron source
Uchrin et al. Thermoluminescence dosimetry
Glenn et al. The Hanford Critical Radiation Dosimeter
Alfassi et al. Simultaneous measurement of gamma-rays and neutron fluences using a HPGE detector
Klett Neutron Detection

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070228