JP6358751B2 - 放射性テクネチウム99m含有物質生成方法及び生成装置 - Google Patents

放射性テクネチウム99m含有物質生成方法及び生成装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射性テクネチウム99m含有物質生成方法に関する。
放射性テクネチウム99m(99mTc:テクネチウム99核異性体)は、半減期6.0時間であり、ベータ線を出さず、140keVという測定し易いガンマ線を発生する特性を有する。放射性テクネチウム99mは、この特性を生かして、核医学という医療の一分野を支える重要な放射線元素であり、骨・腎臓・肺・甲状腺・肝臓など身体各部に対するシンチグラムに用いられている。医用に用いられている全放射性元素のうち、80%が99mTcであり、現在、99mTcの国内使用量は、1k 6day-Ci/週(6day-Ciは、分離・精製施設を出荷してから6日後の放射能量を示す)に達する。
これまで、放射性テクネチウム99mは、専用原子炉に高濃縮ウラン135(135U)を挿入し核分裂反応を起こさせ、その結果生ずる半減期67時間のモリブデン99(99Mo)を作り、99Moがベータ崩壊することで、得られてきた(原子炉法)。他に、高強度低エネルギー陽子加速器を用いて、高濃縮モリブデン100の(p,2n)反応によって得られるが、現時点では、医療に使用されている放射性テクネチウム99mのほぼすべてが、原子炉法によっている。また、我が国で使用されるすべての放射性テクネチウム99mは、外国の原子炉施設からの輸入に依存している。
特開2011−153827号公報 特開2010−127825号公報 特開2001−85200号公報 特開平10−106800号公報 特開2011−105567号公報 特開2011−2370号公報 特開2008−31048号公報 特許2857349号公報
J.M. Cuttler, 31st Ann. Conf. Canadian Nucl. Soc. (2010). B. Scholten et al., Appl. Radia. Isotopes, 51 (1999) 69. K. Nagamine, "Introductory Muon Science", Cambridge Univ. Press (2003) 1-208. H. Miyadera et al., Nucl. Instr. 569 (2006) 713. T. Suzuki et al., Phys. Rev. C35 (1987) 2212. The Table of Isotopes (8th edition) eds. R.B. Firestone et al. John Wiley (1996). D.F. Measday, Phys. Report 354 (2001) 243. M. Lifshitz et al., Phys. Rev. C22 (1980) 2135.
近年になって、これまで放射性テクネチウム99mの親核モリブデン99を供給してきていた外国の原子炉が老朽化し、運転終了廃止の時期が迫っており、高効率の代替の放射性テクネチウム99mの生産方法が模索されている。
本発明は、放射性テクネチウム99m含有物質の生成方法を提供することを目的とする。
開示のテクネチウム99m含有物質生成方法は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
第1の形態は、負ミュオンを発生する工程と、前記負ミュオンをルテニウム試料に照射する工程とを有するテクネチウム99m含有物質生成方法である。
第2の形態は、さらに、ルテニウム試料は、金属ルテニウム及びルテニウム化合物のうち少なくとも1つを含む放射性テクネチウム99m含有物質生成方法である。
第3の形態は、さらに、前記ルテニウム試料は、複数の厚さ4mm以下のルテニウム薄板を重ねたものである、放射性テクネチウム99m含有物質生成方法である。
本発明によれば、放射性テクネチウム99m含有物質の生成方法を提供することができる。
図1は、本実施形態のテクネチウム99m含有物質生成装置の構成例を示す図である。 図2は、ミュオン生成ビーム光学系部の断面の例を示す図である。 図3は、500MeVの陽子と炭素との反応による正パイオン発生の微分断面積、パイオンの運動量依存性(実験値)を示す図である。 図4は、パイオン崩壊によるミュオン発生の様子を示す図である。 図5は、飛行中パイオンから発生するミュオンの最高運動量と最低運動量のパイオン運動量依存性を示す図である。 図6は、色々な運動量のパイオンが崩壊する際に、最低から最高までの運動量のミュオンに対する角度の拡がりを示す、崩壊角を示す図である。 図7は、期待される負ミュオン発生量の計算例を示す図である。 図8は、負ミュオンによるルテニウム核吸収反応(1)を示す図である。 図9は、負ミュオンによるルテニウム核吸収反応(2)を示す図である。 図10は、原子番号がルテニウムに近い107Agとミュオンとの核吸収反応の割合の実験値又は理論値を示す図である。 図11は、様々な物質中のミュオンの飛程のミュオン運動量依存性を示す図である。 図12は、様々な物質中の光の吸収係数の光エネルギー依存性を示す図である。 図13は、原子炉・低エネルギー陽子加速器・中間エネルギー陽子加速器による放射性テクネチウム99mの生成量と特徴とを示す図である。 図14は、シミュレーション計算によるミュオン生成ビーム光学系部116の±5%運動量幅の確認を示す図である。 図15は、シミュレーション計算によるミュオン生成ビーム光学系部116の立体角の確認を示す図である。 図16は、照射試料分析系の例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、開示の実施形態の構成に限定されない。
〔実施形態〕
(ミュオン)
ミュオンは、素粒子の一種である。ミュオンには、正負の電荷を持つ2種類の粒子がある。正の電荷を有する正ミュオン及び負の電荷を有する負ミュオンの真空中の寿命は、2.2μsである。ミュオンの質量は、陽子の1/9倍、電子の207倍である。ミュオンは、宇宙線としても地表に飛来するが、150MeV以上のエネルギーの陽子等を発生することのできる粒子加速器を用いて大量に作られる。
物質中に止められたミュオンは、主として、周囲の原子と電磁相互作用をするため、正ミュオンを軽い陽子、負ミュオンを重い電子と考えて、ミュオンの物質中での挙動を理解することができる。
1MeV程度以上のエネルギーを有する負ミュオン(重い電子)を物質中に注入し、静止させると、次の現象が起こる。
(1)負ミュオンは、周辺電子をくぐり抜け原子核に近づき、原子核周辺に小さい原子(ミュオン原子)の高励起状態をつくる。
(2)負ミュオンは、ミュオン原子内遷移を経て、1ナノ秒以下の時間で、基底状態に達する。原子番号Zのミュオン原子の基底状態の半径は、270/Z×10-13cmであり、100Ru(Z=44)では、6.14×10-13cmである。
(3)質量数Aの原子核の半径は、1.2×A1/3×10-13cmであり、100Ru(Z=44)の原子核の半径は、5.57×10-13cmである。ミュオン原子の基底状態の半径と原子核の半径とが同程度となるため、核子と負ミュオンとの間に近接距離で働く弱い相互作用が有効となり、素過程(μ-+p→n+νμ)の核吸収反応が起こり、負ミュオンの自由崩壊(μ-→e-+νμ+νe)と競争する。100Ru(Z=44)では、弱い相互作用の性質、及び、原子核とミュオンとの原子軌道の波動関数から、95%が核吸収となり、5%が自由崩壊となる。
(4)ミュオン核吸収反応に続いて、励起核状態から中性子、陽子等の粒子放出が多岐にわたって起こり、これに応じて、様々な原子核同位体が生じる。負ミュオンによって負の電荷が付加されるため、ユニークな原子核変換・元素変換反応が実現する。
ここで、負ミュオンとルテニウムとの核反応によって生じる放射性物質の内、殆どが、寿命が短く短時間で減衰するものか、寿命が長いものである。
以下、負ミュオンをミュオンともいう。
(テクネチウム99m含有物質生成装置)
図1は、本実施形態のテクネチウム99m含有物質生成装置の構成例を示す図である。テクネチウム99m含有物質生成装置100は、ミュオン発生装置110及びルテニウム試料保持部120を含む。ミュオン発生装置110は、陽子加速器112、パイオン/ミュオン生成標的保持部114、ミュオン生成ビーム光学系部116を含む。
陽子加速器112は、陽子を加速し、所定の位置を焦点とする陽子ビームを生成する。
パイオン/ミュオン生成標的保持部114は、陽子加速器112で加速された陽子ビームの焦点の位置にパイオン/ミュオン生成標的を保持する。パイオン/ミュオン生成標的として、例えば、直径5cm長さ15cmの円筒形の黒鉛材が使用される。パイオン/ミュオン生成標的は、陽子ビームのパイプとつながる真空中に置かれる。
ミュオン生成ビーム光学系部116は、パイオン/ミュオン生成標的に陽子ビームが照射されることで発生したパイオンを、閉じ込め輸送し、出射する。パイオンの一部は閉じ込め輸送の際にミュオンに変化するので、ミュオン生成ビーム光学系部116は、ミュオンビームを出射することができる。パイオン/ミュオン生成標的の周囲に、2基のミュオン生成ビーム光学系部116が陽子ビームに対し左右対称に設置されてもよい。
ルテニウム試料保持部120は、ミュオン生成ビーム光学系部116で集光されたミュオンビームの焦点の位置にルテニウム試料を保持する。
ルテニウム試料は、例えば、(1)金属ルテニウム、(2)ルテニウム酸化物、(3)硝酸ルテニウム、(4)硫酸ルテニウム、(5)その他のルテニウム化合物、または、これらの混合物である。ルテニウム試料は、これらに限定されるものではない。ルテニウム試料は、例えば、金属ルテニウム及びルテニウム化合物のうち少なくとも1つを含むものであってもよい。ルテニウム試料は、少なくとも、ルテニウムを含む試料である。
ルテニウム試料は、例えば、複数のルテニウム薄板を重ねたものである。ルテニウム薄板の厚さは、0.4cm以下である。
ルテニウム試料に含まれるルテニウムは、天然ルテニウムであっても、特定の1つの質量数のルテニウムであっても、特定の複数の質量数のルテニウムを含むものであってもよい。ルテニウム試料に含まれるルテニウムは、例えば、質量数100のルテニウムを他の質量数のルテニウムと比べて多く含むものでもよい。質量数100のルテニウムを多く含むルテニウム試料を用いることで、テクネチウム99mを多く含むテクネチウム99m含有物質を生成することができる。
(陽子加速器)
陽子加速器112の例として、エネルギー500MeV、電流300μA、磁場8Tの中型超電導陽子サイクロトロンが挙げられる。当該中型超伝導陽子サイクロトロンを陽子加速器112として使用した場合、毎秒2.2×1011個のミュオンが得られる。
テクネチウム99mを適切なサイズのRu試料内に生成するためには、cm厚の領域にミュオンを止めることが必要である。そのために、150MeV/cの運動量を有するパイオンをミュオン生成ビーム光学系部116に取り込み、ミュオンに変換する。図3に示すように、150MeV/cのパイオンを効率よく生成するには、500MeV程度の陽子が適切である。
また、原理確認用の陽子加速器112として、例えば、エネルギー250MeV、電流0.8μAのがん治療用陽子加速器が使用されうる。
エネルギーがパイオンの質量140MeVに比べて十分高い陽子加速器が、陽子加速器112として、使用されうる。
(ミュオン生成ビーム光学系部)
図2は、ミュオン生成ビーム光学系部の断面の例を示す図である。ミュオン生成ビーム光学系部116は、常伝導磁気コイル152、複数の超電導磁気コイル154、放射線シールド156、磁気シールド158を含む。
ミュオン生成ビーム光学系部116の全長(ビーム進行軸方向の長さ)は、例えば、6mである。パイオンの静止時の寿命は26nsであるが、パイオンの運動による相対論的効果で寿命が伸びる。パイオンの崩壊長L(cm)と運動量P〈MeV/c〉との関係は、L=5.593Pである。パイオンの崩壊長は、パイオンの強度が1/eになる長さである。従って、150MeV/cのパイオンの崩壊長は、8.4mである。また、150MeV/cのパイオンは、6mの飛行で51%がミュオンになり、10mの飛行で71%がミュオンになる。
ミュオン生成ビーム光学系部116では、ビーム進行軸(図2の横方向)と直角方向にビームが拡がろうとする運動を、ビーム進行軸方向にかけた磁場によって、軸の周りの回転運動に変えることによって、パイオン/ミュオンの大立体角捕獲と閉じ込め輸送を実現する。150MeV/cのパイオンを22度の角度で20cmの半径で捕獲し、閉じ込めるためには、ビーム進行軸方向に最大1テスラの磁場があればよい。複数の円形コイルによりビーム進行軸方向の磁場を発生させ複数回収束させることで、1つのコイルを使用する場合に比べてコイルの大きさを小さくすることができる。ビーム進行軸方向は、パイオン/ミュオン標的からルテニウム試料への方向である。
常伝導磁気コイル152は、パイオン/ミュオン生成標的保持部114に保持されるパイオン/ミュオン生成標的に最も接近している。常伝導磁気コイル152は、円形コイルである。常伝導磁気コイル152により、円形コイルによるビーム進行軸方向の磁場が発生する。常伝導磁気コイル152は、ミュオン生成ビーム光学系部116の入口に設置される。常伝導磁気コイル152は、例えば、半径20cmで、パイオン/ミュオン標的からの角度が22度になるように設置される。常伝導磁気コイル152に代えて、超電導コイルが使用されてもよい。
超電導磁気コイル154は、ミュオン生成ビーム光学系部116に取り込まれたパイオン/ミュオンを収束する。直径1mの超電導磁気コイル154は、ビーム進行軸方向に、最大1テスラの磁場を発生する。図2の例では、ミュオン生成ビーム光学系部116は11基の超電導磁気コイル154を含む。超電導磁気コイル154により、円形コイルによるビーム進行軸方向の磁場が発生する。超電導磁気コイル154に代えて、常伝導コイルが使用されてもよい。
放射線シールド156は、ミュオン軌道の内側及び外側に設置される。即ち、ミュオンは、内側の放射線シールド156と外側の放射線シールド156との間を通過する。ミュオン軌道の内側の放射線シールドは、例えば、ミュオン軌道の外側から伸びるステンレス線によって吊るされる。
磁気シールド158は、超電導磁気コイル154からの磁場を系外に漏洩させないために設置される。
図14は、シミュレーション計算によるミュオン生成ビーム光学系部116の±5%運動量幅の確認を示す図である。図14では、色々な運動量のパイオン/ミュオンに対して、シミュレーション計算で得られる取り込み立体角を縦軸に示す。
図15は、シミュレーション計算によるミュオン生成ビーム光学系部116の立体角の確認を示す図である。図15では、最小(最大)立体角で取り込まれたパイオン/ミュオンが取る軌道が、下側(上側)の曲線で示されている。

陽子加速器112で生成された陽子ビームがパイオン/ミュオン生成標的に照射されると、パイオンが発生する。ミュオン生成ビーム光学系部116は、パイオン/ミュオン生成標的で生成されたパイオンを常伝導磁気コイル152側から取り込む(図2の左側)。取り込まれたパイオンは、常伝導磁気コイル152及び超電導磁気コイル154により閉じ込め輸送され、閉じ込め輸送される際にパイオンのうちの一部がミュオンに変化し、出射する(図2の右側)。ミュオンビームの焦点の位置には、ルテニウム試料が設置される。ルテニウム試料は、ルテニウム試料保持部120によって保持される。ルテニウム試料に、ミュオンビームが照射されることで、ルテニウムとミュオンとによる核反応が生じる。
図3は、500MeVの陽子と炭素との反応による正パイオン発生の微分断面積、パイオンの運動量依存性(実験値)を示す図である。測定の立体角は0.5ステラジアンである。図3のグラフの横軸は運動量であり、縦軸は微分断面積である。
図4は、パイオン崩壊によるミュオン発生の様子を示す図である。図4は、静止パイオンからの等方的ミュオン発生のベクトル表示と、飛行中の異方的ミュオン発生のベクトル表示とを示す。
図5は、飛行中パイオンから発生するミュオンの最高運動量と最低運動量のパイオン運動量依存性を示す図である。図5のグラフの横軸はパイオンの運動量であり、縦軸はミュオンの運動量である。図6は、色々な運動量のパイオンが崩壊する際に、最低から最高までの運動量のミュオンに対する角度の拡がりを示す、崩壊角を示す図である。図6のグラフの横軸はミュオンの運動量であり、縦軸は崩壊角である。
図7は、期待される負ミュオン発生量の計算例を示す図である。
電流300μAの陽子強度は、素電荷1.60×10-19クーロンを使用して、毎秒1.9×1015(=J)となる。エネルギー500MeVの陽子が標的の炭素に衝突し、運動量150MeV/cの正パイオンが発生する立体角0.5ステラジアンに対する微分断面積の運動量依存性は、図3に示すようになる。負パイオンと正パイオンとの断面積の比は、1/7である。運動量±5%で150MeV/c(65MeV)の負パイオンが生まれる断面積は、立体角1ステラジアン、運動量幅±5%で取り込んだとすると、0.48×1-27cm2(=σ)である。12cm厚の炭素の原子数は、2.4×1023cm-2(=nt)である。これらの3つの値の積(J・σ・nt)から、ミュオン生成ビーム光学系部に取り込まれるパイオンの強度は、毎秒2.2×1011となる。
このパイオンが6.0m飛行するうちに、51%のパイオンがミュオンに変わるので、ミュオン生成ビーム光学系部の出口での負ミュオンの強度は、毎秒1.1×1011となる。パイオン・ミュオン変換の結果、図6に示すように、ミュオンが有する運動量(エネルギー)は、70MeV/c(21MeV)−155MeV/c(82MeV)となる。このとき、図6に示すように、崩壊角が20度以内に収まるため、パイオンはすべてミュオン生成ビーム光学系部に取り込まれる。パイオンからミュオンに変化する割合は、パイオンの静止時の寿命26nsの相対論的補正から、求まる。例えば、ミュオン生成ビーム光学系部を陽子ビームの方向に対して、直角に2基配置することにより、負ミュオンの強度は、毎秒2.2×1011個となる。このとき、ミュオン生成ビーム光学系部は、鏡映対称に置かれる。
(負ミュオンによるルテニウム核吸収反応)
図8及び図9は、負ミュオンによるルテニウム核吸収反応を示す図である。図8及び図9では、負ミュオンによる、ルテニウム96、ルテニウム98、ルテニウム99、ルテニウム100、ルテニウム102、ルテニウム104との、核吸収反応が示される。ルテニウム96、ルテニウム98、ルテニウム99、ルテニウム100、ルテニウム102、ルテニウム104は、天然に存在するルテニウムである。
ルテニウム試料に入射され、ルテニウム試料中に静止したすべての負ミュオンは、物質中の原子核の周りにミュオン原子を作る。ルテニウムの場合、95%以上の負ミュオンが、ミュオンと原子核との間の弱い相互作用によって、原子核に吸収され、図8及び図9に示す核反応を起こす。
図8及び図9において、ルテニウムと負ミュオンとの核反応で発生する主な放射性元素のうち、主な半減期が6時間程度の放射性元素は、99mTcのみである。他の放射性元素は、半減期が6時間と比べて非常に短い放射性元素、半減期が6時間と比べて非常に長い放射性元素、若しくは、生成割合が小さい放射性元素である。
負ミュオン核吸収反応には、中性子を発生する反応に加えて、陽子やアルファ粒子を発生する反応があることが知られている。
図10は、原子番号がルテニウムに近い107Agによるミュオン核吸収反応の割合の実験値又は理論値を示す図である。図10の実験値又は理論値において、例えば、107Agによるミュオン核吸収反応で、51%が1個の中性子を放出し、25%が2個の中性子を放出し、0.23%が1個の陽子を放出する。図10において、中性子放出の割合は実験値であり、陽子放出の割合は理論値である。ここでは、107Agによるミュオン核吸収反応のうち、割合の大きい、中性子放出1個(51%)、2個(25%)、3個(12%)を有効とする。ルテニウムとミュオンとの核吸収反応は、107Agとミュオンとの核吸収反応と同様であるとみなすと、ルテニウムによるミュオン核吸収反応は、中性子放出1個(51%)、2個(25%)、3個(12%)となる。例えば、ルテニウム100の負ミュオン核吸収反応では、51%が放射性テクネチウム99mを生ずる。
天然ルテニウムを含むルテニウム試料に対して、毎秒2.2×1011個のミュオンが照射されると、次の式のように、毎秒3.3×1010個の放射性テクネチウム99mが生成される。ここで、天然ルテニウムにおける、102Ru、101Ru、100Ruの存在比は、それぞれ、0.32、0.17、0.13である。
Figure 0006358751
このとき、放射性テクネチウム99mの永続平衡値(生成・崩壊が同時に進行する際の原子数)は、1.0×1015(=3.3×1010/3.19×10-5)である。
天然ルテニウムを含むルテニウム試料に対して、毎秒2.2×1011個のミュオン照射を12時間行うことで、2.5×1010Bq/12hの累積放射線強度を有する放射性テクネチウム99mが得られる。さらに、これを12回繰り返すことで、6日間で、合計3.0×1011Bqの放射線強度を有する放射性テクネチウム99mが得られる。
ルテニウムとしてルテニウム100のみを含むルテニウム試料(以下、ルテニウム100試料という)に対して、毎秒2.2×1011個のミュオンが照射されると、次の式のように、毎秒1.1×1011個の放射性テクネチウム99mが生成される。
Figure 0006358751
このとき、放射性テクネチウム99mの永続平衡値は、3.4×1015(=1.1×1011/3.19×10-5)である。
また、ルテニウム100試料に対して、毎秒2.2×1011個のミュオン照射を12時間行うことで、8.5×1010Bq/12hの累積放射線強度を有する放射性テクネチウム99mが得られる。さらに、これを12回繰り返すことで、6日間で、合計1.0×1012Bqの放射線強度を有する放射性テクネチウム99mが得られる。
ルテニウム試料に含まれるルテニウムが、負ミュオン核吸収反応により、放射性テクネチウム99mに原子核変換されることにより、放射性テクネチウム99m含有物質が得られる。
将来、さらなる生産量の増大を図るには、(1)陽子加速器の強度の増大(300μA(0.15MW)→3mA(1.5MW)、10倍)、(2)ミュオン生成ビーム光学系部の改良による運動量アクセプタンスの増大(1.5倍)、(3)ミュオン生成ビーム光学系部の長さの延長(6m→10m、1.4倍)等を行うことが考えられる。これらの増強により、ルテニウム100試料を用いると、1.8×1012Bq/12hの放射線強度を有する放射性テクネチウム99mが得られる。
ルテニウム試料に照射されるミュオンのエネルギーが高いと、ミュオンはルテニウムを通り抜けてしまう。一方、ルテニウム試料に照射されるミュオンのエネルギーが低いと、ミュオンはルテニウムの原子核近傍に到達しない。したがって、ルテニウム試料に照射されるミュオンのエネルギーが高すぎても低すぎても、放射性テクネチウム99mの生成効率が下がる。
図11は、様々な物質中のミュオンの飛程のミュオン運動量依存性を示す図である。ここでは、図11の横軸は、運動量(エネルギー)であり、縦軸は、飛程に対応する厚さに密度を掛けた量である。
図12は、様々な物質中の光の吸収係数の光エネルギー依存性を示す図である。図12の横軸は、エネルギーであり、縦軸は、吸収長である。
図11及び図12のグラフにおいて、ルテニウム(Ru)は、鉄(Fe)と錫(Sn)との中間の値をとるとする。
チャネルのパイオン運動量アクセプタンスを150MeV/c±5%と設定すると、運動量(エネルギー)70MeV/c(21MeV)から155MeV/c(82MeV)のミュオンが、輸送され、ルテニウム試料に照射される。すべてのミュオン(運動量(エネルギー)70MeV/c(21MeV)から155MeV/c(82MeV)のミュオン)をルテニウム試料中に止めるには、図11のミュオンの飛程から0.4cmから2.8cmであるので、ルテニウム試料の厚さは2.8cm以上であることが好ましい。ここで、ルテニウム試料の厚さは、ビーム進行軸における厚さである。
一方、テクネチウム99mの生成は、140keVのガンマ線を検出することで確認される。140keVのガンマ線は、テクネチウム99mが崩壊するときに放出する放射線である。図12のグラフから、140keVで、FeとSnとの中点をルテニウムの値とすると、4g/cm2である。よって、テクネチウム99mが崩壊する際に発生する140keVのガンマ線を検出するには、ルテニウムの密度12.45g/cm3を使用して、ルテニウム試料の厚さが0.4cm以下であることが求められる。従って、例えば、2mm(=0.2cm)厚のルテニウム試料を14枚の多重薄板状にして標的とする。
1つの薄板状のルテニウム試料(ルテニウム薄板)の厚さは、140keVのガンマ線を測定できる厚さ(0.40cm)以下であることが好ましい。また、照射されるすべてのミュオンをルテニウム試料中に止めるためには、ルテニウム試料の厚さは2.8cm以上であることが好ましい。よって、照射されるミュオンのエネルギーに基づいて、複数の0.4cm以下のルテニウム薄板を重ねて、2.8cm以上の多重薄板状にしたルテニウム試料とすることが好ましい。またミュオンビームは直径5cm程度に収束されるため、ルテニウム試料は直径5cm厚さ2.8cm程度の大きさになる。
(照射試料分析系)
図16は、照射試料分析系の例を示す図である。
ミュオン照射によるテクネチウム99mの生成状態をモニタするために、テクネチウム99m含有物質生成装置100に連結して、照射試料分析系が用意される。照射試料分析系は、放射線シールド、遠隔操作系、Ge検出器を含む。放射シールドは、Ge検出器を覆い、外部からの放射線をシールドする。遠隔操作系終端部は、ミュオンが照射されたルテニウム試料から1つのルテニウム薄板を取り出し、放射シールド内のGe検出器に輸送する。Ge検出器は、ミュオンを照射されたルテニウム試料から発生する140keVのガンマ線を計測する。
(テクネチウム99mの収率)
一般に放射能がミュオン照射等によって連続的に作られる場合、生成される放射性核の半減期の数倍の時間がたてば、毎秒作られる数と崩壊してゆく数とが等しくなる。
Figure 0006358751
ここでルテニウム核のミュオン核吸収によるテクネチウム99m生成について考えると、R0はミュオン核吸収によるTc99mの生成頻度(長時間後のTc99mの崩壊頻度)、λはTc99m核の崩壊定数(=3.19×10-5 /s = ln2/半減期)、N1は長時間後のTc99mの原子核数である。
Figure 0006358751
ここで、N0 はTcの1g当たりの原子核数(=6.02x1023/98.9=6.09x1021)である。
R0を1.1×1011/sとして、Tc99mの含有量は 0.55 μgとなる。
ここで直径5cm厚さ2.8cmのルテニウム試料からこのTc99mを創るとすれば、Tc99mの収量(Tc99mの含有量と試料の質量との比)は次のようになる。
Figure 0006358751
(医用の放射性テクネチウム99m)
ルテニウム試料として、例えば、三酸化ルテニウムが使用され得る。三酸化ルテニウムにミュオンを照射すると、三酸化ルテニウムと三酸化テクネチウムとの混合物が生成される。この三酸化テクネチウムの中には、放射性テクネチウム99mを含む三酸化テクネチウムが存在する。当該混合物内の三酸化ルテニウムはすべて安定であることから、当該混合物に含まれる放射性物質は、放射性テクネチウム99mを含む三酸化テクネチウム及びテクネチウム99を含む三酸化テクネチウムである。放射性テクネチウム99mを医用として用いるには、生成物に、他の放射性物質が含まれることは好ましくない。本実施形態の方法によれば、他の放射性物質をほとんど含むことなく、放射性テクネチウム99mを含む過テクネチウム酸イオンを得ることができる。
ルテニウム試料として、例えば、三酸化ルテニウム(RuO3)を用いる。照射後の試料から高純度のテクネチウム99mを含有する水溶液を得るには、例えば、以下のような操作が行われる。すなわち、照射後のサンプルを減圧処理容器に入れ、減圧下、310℃〜320℃の範囲に加熱し、昇華物を得る。減圧は、通常、10パスカル〜100パスカルの範囲であればよい。該得られる昇華物は、通常、ルテニウム酸化物の含有量が0.01%以下の酸化テクネチウム(Tc27)である。この操作は、テクネチウム99mを含有する酸化テクネチウム(Tc27)の気体が生じる温度が約310℃(常圧下)であるのに対して、三酸化ルテニウムの気体が生じる温度が約400℃(常圧下)であることを利用している。次に前記昇華物に高濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加え、昇華物を完全に溶解させた後、塩酸水溶液を加え、PHを4〜8の範囲に調整する。該得られる水溶液は、過テクネチウム酸イオン(TcO4 -)を含有する水溶液である。水酸化ナトリウムのモル濃度は、4M〜8M程度であればよい。次に、この過テクネチウム酸イオン(TcO4 -)を含有する水溶液を上層に吸着材と下層にイオン交換樹脂が充填されたカラムを通し、カラムを通過してくる水溶液を採取する。該吸着材は、過テクネチウム酸イオン(TcO4 -)を含有する水溶液に含まれる[99TcO4 -]イオンを吸着除去するものであり、通常、活性アルミナや活性炭が用いられる。この操作では、[99TcO4 -]イオンと同量の[99mTcO4 -]イオンも吸着除去されるので、前記過テクネチウム酸イオン(TcO4 -)を含有する水溶液に含まれる[99TcO4 -]イオンの含有量を予めガンマ線スペクトロメータ等により測定しておき、除去する[99TcO4 -]イオンの量に見合うだけの吸着材の充填量が適宜決められる。前記イオン交換樹脂は、吸着材による吸着除去が難しい金属イオン種を除去するものであり、通常、ポリスチレン系イオン交換樹脂が用いられる。以上の操作により、過テクネチウム酸水溶液に含有される99mTcの放射能が総放射能の99.985%以上である過テクネチウム酸水溶液が得られる。
(その他)
放射性テクネチウム99m含有物質生成装置100におけるミュオン発生装置は、上記の例に限定されるものではなく、ミュオンを発生する他の装置によるものであってもよい。
(実施形態の作用、効果)
放射性テクネチウム99m含有物質生成装置100は、ミュオンを発生させ、ターゲットとしてのルテニウム試料に照射する。ルテニウム試料にミュオンが照射されると、ルテニウム試料中のルテニウムとミュオンとの核反応により、ルテニウム試料は、放射性テクネチウム99mを含む物質(放射性テクネチウム99m含有物質)となる。
ミュオン1個あたりの天然ルテニウムからの放射性テクネチウム99m生成率は15%と、中性子や陽子を用いた原子核反応に比べて高い。また、ミュオンを作る効率を向上することで、全体の生成効率を上げることができる。ミュオン1個あたりの質量数100のルテニウムからの放射性テクネチウム99m生成率は、51%である。よって、質量数100のルテニウムを多く含むルテニウム試料が使用されることで、全体の生成効率が上がる。即ち、質量数100のルテニウムを多く含むルテニウム試料が使用されることで、より多くの放射性テクネチウム99mを得ることができる。
陽子加速器として、エネルギー500MeV、電流300μA、磁場8Tの中型超電導陽子サイクロトロンが使用された場合、天然ルテニウムを含むルテニウム試料から、毎秒3.3×1010個の放射性テクネチウム99mが生成される。ルテニウムとしてルテニウム100のみを含むルテニウム試料から、毎秒1.1×1011個の放射性テクネチウム99mが生成される。
本実施形態の方法によれば、放射性テクネチウム99m以外の放射性元素をほとんど含まない放射性テクネチウム99m含有物質を得ることができる。
図13は、原子炉・低エネルギー陽子加速器・中間エネルギー陽子加速器による放射性テクネチウム99mの生成量と特徴とを示す図である。本実施形態の方法によれば、エネルギー500MeV、電流300μA、磁場8Tの陽子加速器を用いることにより、原子炉法と同程度の高効率で放射性テクネチウム99mを生産することができる。
本実施形態の放射性テクネチウム99m含有物質生成装置によるミュオン発生効率は、10-4μ-/protonであり、さらなる改善が期待できる。したがって、ミュオン発生効率に依存する放射性テクネチウム99mの生成効率の改善も期待できる。
ルテニウムとミュオンとの核反応で生じる放射性物質は、実質的に、放射性テクネチウム99mのみである。従って、ルテニウム試料として選択される物質の化学的状態及び物理的状態の自由度が高い。即ち、ルテニウム試料として、例えば、金属ルテニウム或いはルテニウム酸化物、硝酸ルテニウム、硫酸ルテニウム等のルテニウム化合物を用いて、ルテニウムとミュオンとの核反応を生じさせることにより、医用に用いることのできる放射性テクネチウム99mを得ることができる。
ルテニウム試料として、複数の厚さ0.4cm以下のルテニウム薄板が使用されることで、放射性テクネチウム99m含有ルテニウム試料に含まれるテクネチウム99mがから発生する140keVのガンマ線をルテニウム試料の外から検出することができる。
本実施形態の方法によれば、病院等に設置される低エネルギー陽子加速器によっても、骨・腎臓・肺・甲状腺・肝臓など身体各部に対するシンチグラムに用いられる放射性テクネチウム99mが、生成され得る。
本実施形態の方法で生成される放射性テクネチウム99m含有物質は、医療応用を阻害する放射線は発生しない。従って、放射性テクネチウム99mの生成作業が極めて容易になる。
また、本実施形態の方法によれば、原子炉や濃縮ウラン235を使用しないため、ウラン核分裂特有の長寿命放射性廃棄物が生成されない。また、高強度低エネルギー陽子加速器を用いる場合でも、試料中や試料周辺の残留放射能の問題が発生しない。
100 放射性テクネチウム99m含有物質生成装置
110 ミュオン発生装置
112 陽子加速器
114 パイオン/ミュオン生成標的保持部
116 ミュオン生成ビーム光学系部
120 ルテニウム試料保持部
152 常伝導磁気コイル
154 超電導磁気コイル
156 放射線シールド
158 磁気シールド

Claims (7)

  1. 負ミュオンを発生する工程と、
    前記負ミュオンをルテニウム試料に照射する工程と、
    を有する放射性テクネチウム99m含有物質生成方法。
  2. 前記ルテニウム試料は、金属ルテニウム及びルテニウム化合物のうち少なくとも1つを含む
    請求項1に記載の放射性テクネチウム99m含有物質生成方法。
  3. 前記ルテニウム試料は、複数の厚さ4mm以下のルテニウム薄板を重ねたものである、請求項1または2に記載の放射性テクネチウム99m含有物質生成方法。
  4. 負ミュオンを発生するミュオン発生装置と、
    前記ミュオン発生装置で発生した前記負ミュオンを照射されるルテニウム試料の保持装置と、
    を備える放射性テクネチウム99m含有物質生成装置。
  5. 前記ルテニウム試料は、金属ルテニウム及びルテニウム化合物のうち少なくとも1つを含む
    請求項4に記載の放射性テクネチウム99m含有物質生成装置。
  6. 前記ルテニウム試料は、複数の厚さ4mm以下のルテニウム薄板を重ねたものである、請求項4または5に記載の放射性テクネチウム99m含有物質生成装置。
  7. 前記ミュオン発生装置は、
    複数の超伝導コイルを有し、全長6m以上であるミュオン生成ビーム光学系部を備える請求項4乃至6のいずれか1つに記載の放射性テクネチウム99m含有物質生成装置。
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