JP6646416B2 - 回転機の短絡診断装置および回転機の短絡診断方法 - Google Patents

回転機の短絡診断装置および回転機の短絡診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転機の短絡を診断する短絡診断装置および短絡診断方法に関する。
特開2014−194727号公報(特許文献1)には、各相に流れる電流の正側の最大値を特徴量として測定し、当該特徴量を用いることによって回転機としての電動機の固定子巻線で発生した短絡の有無を診断する回転機の短絡診断装置が開示されている。当該回転機の短絡診断装置では、予め正常な電動機における特徴量の分布を直線で近似すると共に、当該近似直線と各特徴量との距離の関数として確率密度関数を定義しておき、電動機を診断するに際して、特徴量を測定すると共に、当該測定した特徴量と予め求めておいた近似直線との距離を求めると共に、当該求めた距離と予め定義しておいた確率密度関数とを用いて故障確率を求めることによって、回転機としての電動機の短絡の有無を診断している。
当該回転機の短絡診断装置では、回転機としての電動機を停止させることなく、当該電動機が稼働している状態で電動機の固定子巻線で発生した短絡の有無を診断することができる。
特開2014−194727号公報
ところで、電動機の短絡は、コイル表面の絶縁不良によって隣同士のコイル間で通電する現象として規定され、短絡が発生した場合には、正常な場合と比べて電気的特性に変化が生じる。上述した回転機の短絡診断装置は、こうした電気的特性の変化を利用して短絡の有無を診断する構成であるが、短絡したコイルの巻き数(ターン数)が小さい場合、特に1ターンで電動機の短絡が発生した場合には、当該電気的特性の変化が小さくなるため、短絡の有無の診断が困難となる場合があり、かかる点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、短絡したコイルの巻き数(ターン数)が小さい場合、特に1ターンで回転機の短絡が発生した場合であっても短絡を確実に検出することができる回転機の短絡診断装置および回転機の短絡診断方法を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の回転機の短絡診断装置の好ましい形態によれば、回転機の短絡を診断する回転機の短絡診断装置が構成される。当該回転機の短絡診断装置は、回転機に流れる負荷電流を計測する電流計測手段と、当該電流計測手段によって計測された負荷電流に対して周波数解析を行うと共に複数の特定の周波数それぞれに対応する複数の振幅値を抽出する解析抽出手段と、複数の振幅値に基づいて回転機の短絡の有無を判定する判定手段と、を備えている。そして、解析抽出手段は、複数の特定の周波数として、回転機に負荷電流を供給するための電源の周波数を、回転機の極対数で除した値の整数倍の値を設定する。
本発明者は、1ターンで短絡が生じている回転機について鋭意研究を行った結果、負荷が接続された状態で稼働している回転機に流れる電流(以下、「負荷電流」という)に対する周波数解析において複数の特定の周波数それぞれに対応する複数の振幅が、短絡が生じていない正常な場合に比べて、1ターンで短絡が生じている場合に大きくなることを見出した。このような研究結果を踏まえて、本発明では、1ターンで短絡が生じている場合に大きな振幅値を示す当該複数の特定の周波数を所定周波数として設定することによって、1ターン短絡という極めて軽微な短絡が生じている場合であっても確実に検出することができるようになったものである。なお、本発明者の鋭意研究の結果、複数の特定の周波数が、回転機に負荷電流を供給するための電源の周波数を回転機の極対数で除した値の整数倍となっていることを見出し、当該電源の周波数を回転機の極対数で除した値の整数倍の複数の特定の周波数に対応する複数の振幅値に基づいて回転機の短絡の有無を判定する構成であるため、1つの周波数に対応する振幅値のみに基づいて回転機の短絡発生の有無を判定する構成に比べてより確実に回転機の短絡を検出することができる。即ち、仮にある1つの周波数成分がノイズ等の影響により正しく測定されなかった場合であっても、残りの周波数成分によってその影響を緩和することができるため、結果的に診断精度が向上する。
本発明に係る第1の回転機の短絡診断装置の更なる形態によれば、判定手段は、複数の所定周波数それぞれに対応する複数の振幅値をクラスタリングすることによって回転機の短絡の有無を判定するように構成されている。
本形態によれば、客観的にグループ分けすることができると共に視覚的に判断することができるため、短絡発生の有無を容易に判定することができる。
本発明に係る回転機の短絡診断装置の好ましい形態によれば、判定手段は、クラスタリングの手法として自己組織化マップを用いるように構成されている。
本発明によれば、複数の所定周波数の値および複数の振幅値を予備知識なし(教師なし)に、かつ、複雑な計算式を用いることなく簡易にクラスタリングすることができると共に、クラスタリングした結果が視覚的に認識し易い。
本発明に係る回転機の短絡診断装置の更なる形態によれば、判定手段は、クラスタリングの手法としてサポートベクターマシーンを用いるように構成されている。
本発明によれば、明確な基準を持ってクラスタリングを行うことができるため、短絡有無の判定を確実に行うことができる。
本発明に係る回転機の短絡診断装置の更なる形態によれば、判定手段は、クラスタリングの手法としてk−means法を用いるように構成されている。
本発明によれば、複数の所定周波数それぞれに対応する複数の振幅値を、階層的クラスタリング手法を用いる場合に比べて迅速にクラスタリングを行うことができる。
本発明に係る回転機の短絡診断方法の好ましい形態によれば、回転機の短絡を診断する回転機の短絡診断方法が構成される。当該回転機の短絡診断方法では、(a)回転機に流れる負荷電流を計測し、(b)計測した負荷電流に対して周波数解析を行うと共に、(c)回転機に負荷電流を供給するための電源の周波数を回転機の極対数で除した値の整数倍の値として複数の特定の周波数を設定し、(d)等該複数の特定の周波数に対応する複数の振幅値を抽出し、(e)複数の振幅値に基づいて回転機の短絡の有無を判定する。
本発明者は、1ターンで短絡が生じている回転機について鋭意研究を行った結果、負荷電流に対する周波数解析において複数の特定の周波数それぞれに対応する複数の振幅が、短絡が生じていない正常な場合に比べて、1ターンで短絡が生じている場合に大きくなることを見出した。このような研究結果を踏まえて、本発明では、1ターンで短絡が生じている場合に大きな振幅値を示す当該複数の特定の周波数を所定周波数として設定することによって、1ターン短絡という極めて軽微な短絡が生じている場合であっても確実に検出することができるようになったものである。なお、本発明者の鋭意研究の結果、複数の特定の周波数が、回転機に負荷電流を供給するための電源の周波数を回転機の極対数で除した値の整数倍となっていることを見出し、当該電源の周波数を回転機の極対数で除した値の整数倍の複数の特定の周波数に対応する複数の振幅値に基づいて回転機の短絡の有無を判定する構成であるため、1つの周波数に対応する振幅値のみに基づいて回転機の短絡発生の有無を判定する構成に比べてより確実に回転機の短絡を検出することができる。即ち、仮にある1つの周波数成分がノイズ等の影響により正しく測定されなかった場合であっても、残りの周波数成分によってその影響を緩和することができるため、結果的に診断精度が向上する。
本発明によれば、短絡したコイルの巻き数(ターン数)が小さい場合、特に1ターンで回転機の短絡が発生した場合であっても短絡を確実に検出することができる。
本発明の実施の形態に係る短絡診断装置10を備えた設備1の構成の概略を示す構成図である。 診断用制御装置20によって実行される短絡診断処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電動機2のU相に流れる負荷電流Iuに対してFFT解析を行った結果を示す説明図である。 正常時の電動機2において、負荷6の大きさと11個の所定周波数Friに対する振幅値(周波数スペクトル)との関係を示す説明図である。 1ターン短絡発生時の電動機2において、負荷6の大きさと11個の所定周波数Friに対する振幅値(周波数スペクトル)との関係を示す説明図である。 短絡診断用SOMの一例を示す説明図である。 固定子巻線(コイル)が正常な時の電動機および1ターン短絡が発生している電動機それぞれ30個について、負荷6が接続された状態で稼働させながら短絡診断装置10を用いて診断した実験結果を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る短絡診断装置10は、図1に示すように、回転機としての電動機2と、当該電動機2に電力を供給する電源4と、電動機2の回転軸2aに接続され当該電動機2によって駆動される負荷6と、を備える設備1に適用され、電動機2が稼働された状態(オンライン)で当該電動機2のコイルに短絡が発生したか否かを診断することができる装置として構成されている。
電動機2は、内部にかご型もしくは巻線型のロータと、U相,V相,W相の各相の複数のコイル(図示せず)が巻回されたステータと、を含む汎用三相誘導電動機(例えば、2.2kw、200V、8.6A、1705m−1、4極)として構成されている。電源4は、例えば、周波数60Hzの商用交流電源として構成されている。
短絡診断装置10は、図1に示すように、主に診断用制御装置20と、表示装置30と、から構成されている。診断用制御装置20は、CPU22を中心とするマイクロプロセッサを備え、CPU22の他にデータの一時的な記憶や処理プログラムの記憶を行う記憶装置24と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートと、を備えている。診断用制御装置20には、電動機2の回転軸2aの回転数を検出する回転数検出センサ82からの信号や、電動機2の三相コイルのU相,V相,W相の各相に流れる負荷電流Iu,Iv,Iwを検出する電流センサ84U,84V,84Wからの負荷電流、あるいは、電動機2の各線間電圧を検出する電圧センサ86UV,86VW,86WUからの線間電圧Vuv,Vvw,Vwuが入力されており、診断用制御装置20からは、電動機2のコイルに短絡が生じたことを表示する表示装置30への表示制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
表示装置30は、後述する短絡診断用自己組織化マップ(短絡診断用SOM)が表示されるように構成されていると共に、表示された短絡診断用SOM上に短絡有無の診断結果が表示されるように構成されている。
次に、こうして構成された本発明の実施の形態に係る短絡診断装置10によって電動機2のコイルに短絡が生じたか否かの診断が行われる際の動作について説明する。図2は、診断用制御装置20によって実行される短絡診断処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、設備1が稼働された際、即ち、電動機2が稼働された際に実行され、電動機2の稼働が停止されるまで繰り返し実行される。
短絡診断処理ルーチンが実行されると、診断用制御装置20のCPU22は、図2に示すように、まず、電動機2の三相コイルのU相に流れる負荷電流Iuを読み込むと共に(ステップS100)、読み込んだ負荷電流Iuを記憶装置24の所定領域に設定された負荷電流用バッファに格納する(ステップS102)。負荷電流用バッファに格納された負荷電流Iuが所定個数となったら、当該負荷電流Iuに対して周波数解析を行う(ステップS104)。なお、本実施の形態では、周波数解析として、FFT解析を行うものとした。また、所定個数としては、後述する周波数解析を精度よく実施することが可能なデータ数として設定される。
そして、FFT解析の結果から所定周波数Fri(i=1〜11)における振幅値Ami(i=1〜11)の読み込みを行う(ステップS106)。ここで、所定周波数Friは、本実施の形態では、Fr1=30Hz,Fr2=90Hz,Fr3=120Hz,Fr4=150Hz,Fr5=240Hz,Fr6=270Hz,Fr7=330Hz,Fr8=360Hz,Fr9=390Hz,Fr10=450Hz,Fr11=480Hzの11個を用いる構成とした。ステップS104〜ステップS106を実行する診断用制御装置20は、本発明における「解析抽出手段」に対応する実施構成の一例である。
本発明者は、研究や実験,解析などによって、電動機2のコイルに1ターンで短絡が生じている場合において、電源4の周波数Fr(本実施の形態ではFr=60Hz)を電動機2の極対数k(本実施の形態ではk=2)で除した値(本実施の形態では値30)の整数倍の周波数Fri(Fri=i×Fr/k、iは整数)における振幅値Ami(iは整数)が、電動機2のコイルに短絡が生じていない場合(以下、「正常時」ということがある)に比べて大きくなることを見出した。なお、当該周波数Friにおける振幅値Amiが大きくなる傾向は、電動機2のコイルに1ターン以上の短絡が生じている場合においても同様である。
図3は、電動機2のU相に流れる負荷電流Iuに対してFFT解析を行った結果を示す図である。なお、図3(a)は、コイルに短絡が生じていない正常時の結果であり、図3(b)は、コイルに1ターン短絡が生じているときの結果であり、図3(c)は、正常時のデータ(図3(a))と1ターン短絡が生じているときのデータ(図3(b))との差の絶対値を取った結果である。なお、図3(a)および図3(b)では、最大となる振幅値(縦軸の値のうち最大値、最大周波数スペクトル)が0dbとなるように正規化されている。
図3(a)ないし図3(c)に示すように、1ターン短絡が発生した場合に、正常時では観測されなかった大きな振幅値(周波数スペクトル)Amiが観測される特定の周波数Friが複数個確認できる。当該特定の複数の周波数Friは、電源4の周波数Fr(本実施の形態ではFr=60Hz)を電動機2の極対数k(本実施の形態ではk=2)で除した値(本実施の形態では値30)の整数倍の周波数Fri(Fri=i×Fr/k、iは整数)となっている。これら周波数Friのうち所定周波数Fri(i=1〜11)=30Hz,90Hz,120Hz,150Hz,240Hz,270Hz,330Hz,360Hz,390Hz,450Hz,480Hzの11個において特に大きな振幅値(周波数スペクトル)Ami(i=1〜11)を示すことが判明した。
図4および図5は、負荷6の大きさと上述した11個の所定周波数Friに対する振幅値(周波数スペクトル)との関係を示す図である。なお、図4は、コイルに短絡が生じていない正常時の結果であり、図5は、コイルに1ターン短絡が生じているときの結果である。また、図4(a)および図5(a)は、U相に流れる負荷電流Iu(の波高値)が約8Aから12Aまでの区間で推移するように負荷6の大きさを可変した様子を示す説明図であり、図4(b)および図5(b)ないし図4(d)および図5(d)は、負荷6の大きさと振幅値Amiとの関係を上述した11個の各周波数Fri別に示す図である。なお、正常時のデータ数は83個、1ターン短絡時のデータ数は89個である。
図4および図5に示すように、各周波数Fri(i=1〜11)において、負荷6の大きさが変化した場合、即ち、U相に流れる負荷電流Iuの大きさが変化した場合であっても振幅値Ami(i=1〜11)の変動は小さく、ほぼ一定値となっていることが分かる。
以下、これら11個の周波数Friの振幅値Amiを特徴量と呼び、これら11個の特徴量をまとめたものを11次元の特徴ベクトルと呼ぶ。このような研究・実験・解析の結果を踏まえて、本実施の形態では、電動機2のコイルの短絡発生有無の診断には、11次元の特徴ベクトルを用いることとした。
こうして読み込んだ11次元の特徴ベクトルに基づいて電動機2のコイルに短絡が生じているか否かの診断を行う(ステップS108)。ステップS108を実行する診断用制御装置20は、本発明における「判定手段」に対応する実施構成の一例である。
電動機2のコイルに短絡が生じているか否かの診断は、本実施の形態では、読み込んだ11次元の特徴ベクトルを短絡診断用自己組織化マップ(以下、「短絡診断用SOM」)上に写像し、写像されたデータの配置場所によって行うものとした。本実施の形態では、上述した83個の正常時のデータおよび89個の1ターン短絡が生じたときのデータを用いて予め学習・構築した短絡診断用SOMを記憶装置24に記憶させておく構成とした。そして、11次元の特徴ベクトルが与えられたときに記憶させた短絡診断用SOM上に当該11次元の特徴ベクトルが写像され、写像された当該11次元の特徴ベクトルの配置場所によって短絡発生の有無の診断を行う構成とした。なお、本実施の形態では、短絡診断用SOMの学習回数は10000回、マップは六角格子構造、学習係数は0.2とした。
上述した83個の正常時のデータおよび89個の1ターン短絡が生じたときのデータを用いて学習・構築した短絡診断用SOMを図6に示す。短絡診断用SOMは、図6に示すように、隣り合うノードとの距離が遠いほど各ノードまわりの濃淡が濃く、隣り合うノードとの距離が近いほど淡くなるように構成されており、図6の右側に正常時83個のデータ(図示「h」)が分布し、図6の左側に1ターン短絡時89個のデータ(図示「f」)が分布している。本発明者は、研究や実験,解析などによって、自己組織化マップを用いることによって、1ターン短絡のような軽微な欠陥であっても、正常時のデータと区別して2つのクラスに分類することができ、視覚的な判断が容易なものとなることを見出した。なお、自己組織化マップは、ばらつきの多いデータに対して良好に分類結果を得ることができる。
そして、短絡診断用SOM上に写像された11次元の特徴ベクトルが表示装置30に表示された短絡診断用SOM上に表示されるよう診断結果を出力して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。なお、作業者は、図6の左側に診断結果がプロットされた際に設備1の電動機2に短絡が発生したことを認識することができ、図6の右側に診断結果がプロットされた際に設備1の電動機2が正常であることを認識することができる。
ここで、本実施の形態に係る本発明の短絡診断装置10を用いて電動機の短絡の発生の有無を診断した実験結果について図7を参照しながら説明する。固定子巻線(コイル)が正常な時の電動機および1ターン短絡が発生している電動機をそれぞれ負荷6が接続された状態で稼働させながら得られたそれぞれ30個のデータに対して短絡診断装置10を用いて診断したところ、図7に示すように、各30個の全てのデータが各クラスに正しく振り分けられ、コイルの短絡発生の有無を正しく判別することができることを確認できた。即ち、正常な時の電動機から得られた30個のデータ(図7のh1〜h30)が、図7の右側の正常領域に配置され、1ターン短絡発生時の電動機から得られた30個のデータ(図7のf1〜f30)が、図7の左側の短絡発生領域に配置されたことが確認できた。
以上説明した本実施の形態に係る本発明の短絡診断装置10によれば、電動機2の負荷電流に対する周波数解析を行って、短絡が生じていない正常な場合に比べて、1ターンで短絡が生じている場合に大きな振幅値(周波数スペクトル)Amiを示す所定周波数Friのうち、特に大きな振幅値(周波数スペクトル)Ami(i=1〜11)を示す11個の所定周波数Fri(i=1〜11)に着目して、その振幅を特徴量と見なし、自己組織化マップを用いてクラスタリングを行うことによって短絡発生の有無を診断する構成であるため、極めて軽微な故障である1ターン短絡の発生を確実に検出することができる。もとより、上述した11個の所定周波数Fri(i=1〜11)において正常時に比べて大きな振幅値(周波数スペクトル)Ami(i=1〜11)を示す傾向は、1ターン以上の短絡が生じている場合においても同様であるため、1ターン以上の短絡発生の有無の診断も行うことができる。
本実施の形態では、電動機2のU相に流れる負荷電流Iuを計測して、当該負荷電流Iuに対してFFT解析を行う構成としたが、電動機2のV相に流れる負荷電流IvやW相に流れる負荷電流Iwに対してFFT解析を行う構成としても良い。
本実施の形態では、11個の周波数Fri(i=1〜11)に対応する振幅値(周波数スペクトル)Ami(i=1〜11)を特徴量として用いる構成としたが、特徴量は、電源4の周波数Frを電動機2の極対数kで除した値の整数倍の周波数Fri(iは整数)であれば良く、その数は11個未満であっても良く、あるいは、12個以上であっても良い。
本実施の形態では、自己組織化マップを用いて短絡発生の有無を診断する構成としたが、これに限らない。例えば、サポートベクターマシーン(SVM)を用いて短絡発生の有無を診断する構成や、k−means法を用いて短絡発生の有無を診断する構成としても良い。SVMは二つのクラスに分類する識別面を求める学習手法であり、k−means法はデータを予め与えておいた数のクラスタに分類する手法である。この場合、上述した本実施の形態に係る本発明の短絡診断装置10と同様、複数個の正常時のデータおよび複数個の1ターン短絡が生じたときのデータを用いて、SVMの場合は識別面を、k−means法の場合は各クラスタの中心を予め求めておく。そして診断時に11次元の特徴ベクトルのデータが与えられたときに、SVMの場合はそのデータが識別面のどちらの領域に属するかで短絡発生の有無の診断を行うものとすればよい。k−means法の場合は、そのデータと上述の予め求めておいた各クラスタの中心との距離を計算して、距離が最も近いクラスタにそのデータを分類することで、短絡発生の有無の診断を行うものとすれば良い。
なお、本発明者は、正常時のデータ83個、1ターン短絡時のデータ89個を用いて予め学習・構築したSVMを記憶装置24に記憶させた短絡診断装置10を用いて電動機の短絡の発生有無の診断を行った。以下、当該実験結果について説明する。固定子巻線(コイル)が正常な時の電動機60個および1ターン短絡が発生している電動機110個について、負荷6が接続された状態で稼働させながら電動機に流れる三相分の負荷電流を計測し(ステップS100)、この負荷電流に対して周波数解析を行って11次元の特徴ベクトルを抽出すると共に(ステップS104、S106)、当該11次元の特徴ベクトルをSVMに写像させたところ(ステップS108)、正常時60個のデータおよび1ターン短絡時98個のデータが各クラスに正しく振り分けられることを確認した(ステップS110)。これにより、SVMを用いても短絡診断用SOMを用いる場合とほぼ同等の高い正答率で1ターン短絡発生の有無を正しく判別することができることを確認できた。
本実施の形態では、電動機2に短絡診断装置10を適用する構成としたが、発電機に短絡診断装置10を適用する構成としても良い。
本実施の形態では、短絡診断用SOM上に写像された11次元の特徴ベクトルを表示装置30に表示された短絡診断用SOM上に表示させる構成としたが、これに限らない。例えば、表示装置30には、短絡発生したか否かの診断結果のみ、即ち、短絡が発生していない場合には「正常」を、短絡が発生した場合は「異常」を表示する構成としても良い。
本実施の形態では、短絡診断装置10は、表示装置30を備える構成としたが、表示装置30は無くても良い。なお、短絡診断装置10が表示装置30を有さない構成の場合には、表示装置30の代わりに電動機2のコイルに短絡が発生した際に短絡が発生したことを知らせる報知手段を備える構成とすることが望ましい。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。
1 設備
2 電動機(回転機)
2a 回転軸
4 電源
6 負荷
10 短絡診断装置(短絡診断装置)
20 診断用制御装置(解析抽出手段、判定手段)
22 CPU
24 記憶装置
30 表示装置
82 回転数検出センサ
84U 電流センサ(電流計測手段)
84V 電流センサ(電流計測手段)
84W 電流センサ(電流計測手段)
86UV 電圧センサ
86VW 電圧センサ
86WU 電圧センサ
Iu 負荷電流
Iv 負荷電流
Iw 負荷電流
Vuv 線間電圧
Vvw 線間電圧
Vwu 線間電圧
Fr 周波数
Fri 所定周波数(特定の周波数)
Tpr 所定時間
k 極対数(極対数)
Ami 振幅値

Claims (6)

  1. 回転機の短絡を診断する回転機の短絡診断装置であって、
    前記回転機に流れる負荷電流を計測する電流計測手段と、
    該電流計測手段によって計測された前記負荷電流に対して周波数解析を行うと共に複数の特定の周波数それぞれに対応する複数の振幅値を抽出する解析抽出手段と、
    前記複数の振幅値に基づいて前記回転機の短絡の有無を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記解析抽出手段は、前記複数の特定の周波数として、前記回転機に前記負荷電流を供給するための電源の周波数を、前記回転機の極対数で除した値の整数倍の値を設定する手段である
    回転機の短絡診断装置。
  2. 前記判定手段は、前記複数の特定の周波数それぞれに対応する前記複数の振幅値をクラスタリングすることによって前記回転機の短絡の有無を判定するよう構成されている
    請求項に記載の回転機の短絡診断装置。
  3. 前記判定手段は、前記クラスタリングの手法として自己組織化マップを用いるよう構成されている
    請求項に記載の回転機の短絡診断装置。
  4. 前記判定手段は、前記クラスタリングの手法としてサポートベクターマシーンを用いるよう構成されている
    請求項に記載の回転機の短絡診断装置。
  5. 前記判定手段は、前記クラスタリングの手法としてk−means法を用いるよう構成されている
    請求項に記載の回転機の短絡診断装置。
  6. 回転機の短絡を診断する回転機の短絡診断方法であって、
    (a)前記回転機に流れる負荷電流を計測し、
    (b)計測した前記負荷電流に対して周波数解析を行うと共に
    (c)前記回転機に前記負荷電流を供給するための電源の周波数を前記回転機の極対数で除した値の整数倍の値として複数の特定の周波数を設定し、
    (d)該複数の特定の周波数に対応する複数の振幅値を抽出し、
    (e)前記複数の振幅値に基づいて前記回転機の短絡の有無を判定する
    回転機の短絡診断方法。
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