JP6238928B2 - 電動機の診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば閉鎖配電盤であるコントロールセンタなどで使用され、電動機の異常の有無を診断する電動機の診断装置に関するものである。
従来、電動機の入力電圧と電流およびモータ速度のリアルタイム情報を測定して、モデリングされた結果と測定された結果とを比較し、それぞれの信号を減算することによって生成される誤差に関する比較結果を評価するとともに、診断オブザーバで誤差を分析して電動機の故障の有無を判定するモデル・ベースの故障検出システムが提案されている。(例えば、特許文献1)
特表2000−513097号公報
従来のモデル・ベースの故障検出システムにおいては、電動機の入力電圧と電流およびモータ速度のリアルタイム情報を測定して、モデリングされた結果と測定された結果とを比較するものであるため、基準となるモデルが必要なうえ測定したリアルタイム情報と比較して故障の有無を判定するので、負荷変動の大きい電動機に適用するのは困難であるという課題があった。
この発明は以上のような課題を解決するためになされたもので、負荷が変動する電動機においても、サンプリング入力した電圧および電流情報から演算した負荷トルクを統計処理することによって、電動機の異常の有無を診断することができる電動機の診断装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電動機の診断装置は、電動機が接続された主回路からサンプリング入力された電圧および電流を使用して前記電動機の負荷トルクを演算する負荷トルク演算部と、前記負荷トルク演算部で演算されたサンプリング個数の負荷トルクの確率密度関数の平均値と標準偏差を算出してヒストグラム化するヒストグラム演算部と、前記ヒストグラム演算部で求められたヒストグラムにピーク箇所が二個以上あるとき、最も値の大きいピーク値と二番目に値の大きいピーク値との比を算出して前記電動機の異常の有無を判定する異常判定部とを備えていることを特徴とするものである。
この発明によれば、電動機が接続された主回路からサンプリング入力された電圧および電流を使用して前記電動機の負荷トルクを演算する負荷トルク演算部と、前記負荷トルク演算部で演算されたサンプリング個数の負荷トルクの確率密度関数の平均値と標準偏差を算出してヒストグラム化するヒストグラム演算部と、前記ヒストグラム演算部で求められたヒストグラムにピーク箇所が二個以上あるとき、最も値の大きいピーク値と二番目に値の大きいピーク値との比を算出して前記電動機の異常の有無を判定する異常判定部とを備えているため、サンプリング入力した電圧および電流情報から演算したサンプリング個数の負荷トルクを統計処理することによって、電動機の異常の有無を診断することができる電動機の診断装置を得ることができる効果がある。
この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の設置状況を示す概略構成図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の論理演算部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の記憶部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置のサンプリング速度と忘却係数およびスケールファクタの関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の動作を説明するフロー図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の負荷トルクのヒストグラムを説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の正常時のヒストグラムよりも異常時のヒストグラムのピーク箇所がずれている場合を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置のヒストグラムにおけるマハラノビス距離を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置のマハラノビス距離によるしきい値判定を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の正常時のヒストグラムに対して異常時のヒストグラムのピーク箇所が2カ所ある場合を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置の異常時のヒストグラムの2カ所のピーク箇所のピーク比を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における電動機の診断装置のピーク比によるしきい値判定を説明する説明図である。
以下、この発明の実施の形態について説明するが、各図において同一、または相当部分については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の設置状況を示す概略構成図、図2はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の論理演算部の構成を示すブロック図、図3はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の記憶部の構成を示すブロック図、図4はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置のサンプリング速度と忘却係数およびスケールファクタの関係を説明する説明図、図5はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の動作を説明するフロー図、図6はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の負荷トルクのヒストグラムを説明する説明図、図7はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の正常時のヒストグラムよりも異常時のヒストグラムのピーク箇所がずれている場合を説明する説明図、図8はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置のヒストグラムにおけるマハラノビス距離を説明する説明図、図9はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置のマハラノビス距離によるしきい値判定を説明する説明図、図10はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の正常時のヒストグラムに対して異常時のヒストグラムのピーク箇所が2カ所ある場合を説明する説明図、図11はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置の異常時のヒストグラムの2カ所のピーク箇所のピーク比を説明する説明図、図12はこの発明の実施の形態1における電動機の診断装置のピーク比によるしきい値判定を説明する説明図である。
図1において、電力系統1から引き込まれた主回路2には、配線用遮断器3と電磁接触器4と、三相の主回路2の相間電圧を二相間分検出する計器用変圧器などの電圧検出器5と、主回路2の二相分の負荷電流を検出する計器用変成器などの電流検出器6が設けられている。主回路2には負荷である三相誘導電動機などの電動機7が接続され、電動機7により機械設備8が運転駆動される。電動機の診断装置9は主に閉鎖配電盤であるコントロールセンタで使用されるものであり、電動機の診断装置9は入力部10と論理演算部20と記憶部30と出力部40により構成されている。
入力部10には電圧検出器5で検出された電圧を予め設定されているサンプリング速度で入力(以下、サンプリング入力と称す)する電圧入力部11と、電流検出器6で検出された電流をサンプリング入力する電流入力部12と、サンプリング速度を設定するサンプリング速度設定部13と、電動機7の定格情報等を入力する定格情報入力部14が設けられている。
サンプリング速度設定部13は、例えば1秒間に100個のサンプリング速度で10秒間サンプリングすることを設定する。これにより1000個のサンプリングされたデータが得られることとなる。設定されたサンプリング速度等は記憶部30の図3に示すサンプリング速度記憶部31に記憶される。
定格情報入力部14は、電源周波数や電動機7の定格出力、定格電圧、定格電流、定格回転数等および負荷トルクの演算に使用される磁極数ならびに巻線抵抗値等を予め入力しておくもので、入力された定格情報等は記憶部30の図3に示す定格情報記憶部32に記憶される。定格情報等は、電動機7の製造会社のカタログまたは電動機7に取付けられている銘板を見ることで容易に取得可能な情報である。なお、診断対象の電動機7が複数台ある場合には、予め全ての診断対象の電動機7の定格情報を入力しておく必要がある。
論理演算部20の構成について図2にもとづき説明する。論理演算部20には、電圧入力部11から入力された電圧および電流入力部12から入力された電流を負荷トルクの演算に適したd軸方向およびq軸方向(以下dq軸方向と称す)の電圧および電流に変換するdq変換演算部21と、dq変換演算部21で変換された電圧および電流を使用して負荷トルクを演算する負荷トルク演算部22と、負荷トルク演算部22で演算されたサンプリング個数の負荷トルクを使用してヒストグラムを求めるヒストグラム演算部23と、ヒストグラム演算部23で求められたヒストグラムと予め記憶部30の図3に示す正常曲線記憶部33に記憶されている正常時のヒストグラムを比較することにより電動機7および機械設備8の異常の有無を判定する異常判定部24が設けられている。
また、負荷トルク演算部22で使用されるデータを予め求めて設定するものとして、電動機7の固定子巻線の巻線抵抗値Rsを求める巻線抵抗値演算部22aと、サンプリング速度から忘却係数kfを演算する忘却係数演算部22bおよびスケールファクタαを演算するスケールファクタ演算部22cが設けられている。
一般に、電動機7の固定子巻線の温度が上昇すると巻線抵抗値Rsが増えるため、例えば電動機7の製造メーカ等で試験して得られた巻線抵抗値Rsと温度の相関関係を予め定格情報記憶部32に設定しておいて、電圧および電流のサンプリングを行う時の固定子巻線の温度を検出入力して、巻線抵抗値演算部22aで設定された相関関係から巻線抵抗値Rsを精度よく求めることが可能である。なお、巻線抵抗値Rsは検出した電圧および電流から演算して求める方法もあり、巻線抵抗値演算部22aの演算は、上記説明の方法に限定されるものではない。
サンプリング速度と忘却係数kfおよびスケールファクタαは図4に示す相関関係があるため、例えば診断装置の製造メーカ側で予め実測した結果得られた図4の相関関係をデータテーブルとして記憶部30に設定しておいて、サンプリング速度設定部13からサンプリング速度等が設定されたときに、記憶されているデータテーブルを使用して、忘却係数演算部22bで忘却係数kfを求めるとともにスケールファクタ演算部22cでスケールファクタαを求めて、図3に示すサンプリング速度記憶部31に設定記憶しておく。サンプリング速度は最初に一度設定されるとその電動機に対しては同じ条件でのサンプリング速度が以降の診断時の全てに適用される。
ヒストグラム演算部23には、負荷トルク演算部22で求められたサンプリング個数の負荷トルクの平均値を演算する平均値演算部23aと、標準偏差を演算する標準偏差演算部23bが設けられている。
異常判定部24には、後で詳細に動作説明する異常の状態に応じて異常の有無を判定するマハラノビス距離判定部24aとピーク数判定部24bが設けられている。
記憶部30の構成について図3にもとづき説明する。記憶部30には、サンプリング速度設定部13によって設定されたサンプリング速度等を記憶するサンプリング速度記憶部31と、定格情報入力部14から入力された電動機7の定格情報等を記憶する定格情報記憶部32と、異常判定の基準となる正常時のヒストグラムを記憶する正常曲線記憶部33と、ヒストグラム演算部23で求められたヒストグラムを時系列で保存するヒストグラム保存部34が設けられている。
また、正常曲線記憶部33には、正常時のヒストグラムの元データである平均値と標準偏差をそれぞれ記憶する平均値記憶部33aと標準偏差記憶部33bが設けられており、ヒストグラム保存部34には、ヒストグラムの元データである平均値と標準偏差をそれぞれ保存する平均値保存部34aと標準偏差保存部34bが設けられている。
出力部40には、異常判定部24で比較した正常時と異常時のヒストグラムの比較結果やマハラノビス距離判定部24aでマハラノビス距離をトレンド解析した結果およびピーク数判定部24bでピーク比をトレンド解析した結果などを表示出力する統計結果出力部41と、異常判定部24で異常と判定したときに例えば警報音を鳴らしたり異常ランプを点灯させるなどの警報出力を行う警報出力部42が設けられている。
次に、図5に示すフロー図にもとづき動作説明をする。電動機の診断装置9は、例えば10分間隔など所定の時間間隔で起動されて電動機7等の異常診断を実施する。
ステップ101において、電圧入力部11から二相間分の電圧vuvとvvwがサンプリング速度設定部13で設定されサンプリング速度記憶部31に記憶されているサンプリング速度で入力されるとともに、電流入力部12から二相分の電流iuとivがサンプリング入力される。
ステップ102において、dq変換演算部21は入力された電圧および電流をdq軸方向の電圧および電流に変換する。
dq変換演算部21での演算について説明する。まず、三相電流をdq変換する場合には、三相uvwが平衡している状態では二相分の電流情報だけで十分であるため、電流入力部12から入力した二相分の電流iuとivを使用して、d軸方向の電流idとq軸方向の電流iqを式(1)に示す変換式によって演算する。
同様に電圧についても二相分の電圧情報だけで十分であるが、電圧は通常では線間電圧を測定する場合が多いため、電圧入力部11から入力した二相間分の電圧vuvとvvw(添字のuvはu相とv相間、vwはv相とw相間を示す)を使用して、d軸方向の電圧vdとq軸方向の電圧vqを式(2)に示す変換式によって演算する。
ステップ103において、負荷トルク演算部22はdq変換演算部21で変換されたdq軸方向の電圧および電流を使用して負荷トルクを演算する。
負荷トルク演算部22での演算について説明する。負荷トルク演算部22では、dq変換演算部21で演算して求められたdq軸方向の電流idiqと、予め定格情報入力部14から入力され定格情報記憶部32に記憶されている電動機7の磁極数Ppと、電動機7の固定子巻線のdq軸方向の鎖交磁束φdφqとによって負荷トルクTeを式(3)によって演算する。
ここで、dq軸方向の鎖交磁束φdφqは式(4)から式(9)によって演算して求めることができる。式(4)と式(5)は微分表示しているため、数値解析して表したものが式(6)と式(7)であり、式(6)と式(7)を演算した結果にスケールファクタαをそれぞれ積算して式(8)と式(9)で演算したものが鎖交磁束の最終結果として得られる同定値である。式(8)の演算結果が鎖交磁束φdに相当し、式(9)の演算結果が鎖交磁束φqに相当する。
なお、式(4)から式(9)で使用している各記号については以下のデータを表すものである。vdおよびvqはdq変換演算部21で演算されたdq軸方向の電圧、idおよびiqはdq変換演算部21で演算されたdq軸方向の電流、Rsは巻線抵抗値演算部22aで演算された巻線抵抗値、kfは忘却係数演算部22bで演算された忘却係数、αはスケールファクタ演算部22cで演算されたスケールファクタ、Ψは鎖交磁束の数値解析の記号、添字のnはサンプリングのn番目の値を使用することを示す変数であり、添字のn−1はサンプリングのn−1番目の値を使用することを示す変数である。従ってnは1,2,3・・・の値となる。Δtはサンプリング時間幅を示すものでサンプリング速度によって決まる値であり、例えばサンプリング速度が1秒間に100個であればサンプリング時間幅Δtは0.01となる。
ステップ104において、上記ステップ101からステップ103までの動作をサンプリング完了まで繰り返すことによって、負荷トルク演算部22で演算して求められた負荷トルクの値(以下負荷トルク値と称す)がサンプリング個数の例えば1000個得られることとなる。
ステップ105において、ヒストグラム演算部23は負荷トルク演算部22で求められたサンプリング個数の負荷トルク値を確率密度関数に表現する。そして、変数を負荷トル
ク値Tkとした確率密度関数の平均値μと標準偏差σを、それぞれ平均値演算部23aと標準偏差演算部23bで式(10)および式(11)によって算出する。式中のP(k)は負荷トルク値Tkの確率である。
確率密度関数は、負荷トルク値のばらつきがランダムであれば正規分布で表現される。このとき、横軸を負荷トルク値とし、縦軸を確率密度にしてグラフ化すると、図6に示すヒストグラムで表現される。平均値の確率密度が最も高く、平均値を中心としてなだらかな曲線となる。
ここで、電動機の診断装置9を導入する初期設定として実施する必要のある正常曲線の取得について説明しておく。設備導入初期の比較的新しい電動機7および機械設備8で故障が無い状態であると断定できる時点で、上記ステップ101からステップ105の動作を実施してヒストグラムを得て、この時の曲線を正常時として正常曲線記憶部33に記憶するものであるが、測定時点の負荷状態のばらつきによって平均値と標準偏差にばらつきがあるため、複数回測定して最も適切と思われる曲線を選定して、正常時のヒストグラムとして正常曲線記憶部33および平均値記憶部33aならびに標準偏差記憶部33bに記憶する。正常曲線の選定基準としては、例えば正規分布の曲線形状が良くて平均値が比較的大きいものなどを選定する。このようにして正常曲線記憶部33に記憶された正常時のヒストグラムは異常判定の基準となるものである。
ステップ106において、異常判定部24は、正常曲線記憶部33に記憶されている正常時のヒストグラムと、ヒストグラム演算部23で求められたヒストグラムとを比較して異常の有無を判定する。異常の形態としては、例えば図7に示すように正常時のヒストグラムに対して負荷トルク値の平均値が大きい方にずれている場合と、図10に示すようにヒストグラムに二個以上のピークが発生している場合が考えられる。従って、最初にヒストグラムのピーク箇所をカウントして、ピーク箇所が一個の場合にはマハラノビス距離判定部24aで判定し、ピーク箇所が二個以上ある場合にはピーク数判定部24bで判定する構成となっている。ヒストグラムのピーク箇所は微分法により算出可能である。
マハラノビス距離判定部24aについて説明する。図7に示すようにヒストグラムの平均値が正常時の平均値よりも大きい場合には、例えば電動機7の軸受の摩耗劣化や機械設備8の摩耗劣化などの可能性がある。マハラノビス距離判定部24aは、図8に示すように平均値と標準偏差に関して正常時からのマハラノビス距離を算出し、予め設定しているしきい値よりも大きい場合に異常と判定する。しきい値の算出方法は、例えば複数回測定した曲線から正常曲線を決定したときなどに最大偏差3σを求めて、最大偏差3σ以上乖離したときをしきい値として異常と判定する。また、ヒストグラム保存部34に時系列で
保存されている過去のヒストグラム情報を利用して、図9に示すようにマハラノビス距離のトレンド解析を実施して、統計結果出力部41に表示出力することで、劣化トレンドを監視することもできる。
ピーク数判定部24bについて説明する。図10に示すようにヒストグラムにピーク箇所が二個以上ある場合には、周期的にトルク異常が発生している可能性が高い。例えばギア不良の異常の場合、回転周波数を減速比で除算した周期で周期的な負荷トルクが掛ることで、周期的なトルク異常となることがある。ピーク数判定部24bは、図11に示すように最も値の大きいピーク値をAとし、二番目に値の大きいピーク値をBとすると、ピーク比をB/Aにより演算し、演算したピーク比に対してしきい値を設定することで、周期的なトルク異常を検出可能となる。仮に、ヒストグラムに三個以上のピーク箇所が検出されたとしても、最も値の大きいピーク値と二番目に値の大きいピーク値のピーク比を演算すればよい。また、ヒストグラム保存部34に時系列で保存されている過去のヒストグラム情報を利用して、図12に示すようにピーク比のトレンド解析を実施して、統計結果出力部41に表示出力することで、異常発生のトレンドを監視することもできる。
ステップ107において、異常判定部24のマハラノビス距離判定部24aまたはピーク数判定部24bで異常と判定された場合には、ステップ108に進み、警報出力部42から警報音または異常ランプ等で警報を出力する。一般に、電動機の診断装置9が使用されるコントロールセンタは、電気室に設置され管理されているため、電動機7の稼働している場所に出向くことなく、電気室で容易に複数台の電動機7や機械設備8の監視を行うことが可能となる。
最後に、ステップ109において、ヒストグラム演算部23で求められたヒストグラムのデータを記憶部30のヒストグラム保存部34に時系列で保存して処理を終了する。
なお、トレンド解析を実施した場合には、そのデータも保存しておくとよい。
以上説明したように、電動機が接続された主回路からサンプリング入力した電圧および電流情報から演算したサンプリング個数の負荷トルクを統計処理することによって、電動機の異常の有無を診断することができる。
なお、上記実施の形態1の説明では、入力された電圧および電流をdq変換演算部21でdq軸方向の電圧および電流に変換する場合について説明したが、この変換機能を電圧入力部11および電流入力部12に持たせるように構成されていてもよい。
さらに、異常判定の精度を向上させるためには、複数台の電動機と機械設備のデータを一元的に管理して、データ解析する手法が好ましい。例えば、同様の出力の電動機と同様の機械設備の組み合わせであれば、負荷トルクの挙動も類似する。すなわち、個別管理ではなく複数設備の同時管理によって、故障検出精度を向上させることが可能となる。
また、負荷トルクによる異常診断ではなく電流の確率密度関数に着目した異常診断手法も考えられるが、電動機7や機械設備8などの負荷設備の故障は負荷トルクに反映されやすいため、本件発明のように負荷トルクに着目した方がよい。
さらに、本件発明の電動機の診断装置は、高効率電動機にも当然適用可能である。高効率電動機では、定格回転速度が汎用電動機に比べ高くなり、回転速度上昇により仕事量が増加して電動機の出力が増加することとなる。このため、電動機の仕様である定格トルクを超えて電動機に流れる電流が増加し、最悪の場合には電動機の焼損に至る故障を引き起こす可能性もある。本件発明の負荷トルクによる診断監視は、このような故障を防ぐという観点からも有用である。
なお、この発明は、その発明の範囲内において実施の形態を自由に組み合わせたり、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 電力系統、2 主回路、3 配線用遮断器、4 電磁接触器、5 電圧検出器、6 電流検出器、7 電動機、8 機械設備、9 電動機の診断装置、10 入力部、11 電圧入力部、12 電流入力部、13 サンプリング速度設定部、14 定格情報入力部、20 論理演算部、21 dq変換演算部、22 負荷トルク演算部、23 ヒストグラム演算部、24 異常判定部、30 記憶部、31 サンプリング速度記憶部、32 定格情報記憶部、33 正常曲線記憶部、34 ヒストグラム保存部、40 出力部、41 統計結果出力部、42 警報出力部

Claims (3)

  1. 電動機が接続された主回路からサンプリング入力された電圧および電流を使用して前記電動機の負荷トルクを演算する負荷トルク演算部と、前記負荷トルク演算部で演算されたサンプリング個数の負荷トルクの確率密度関数の平均値と標準偏差を算出してヒストグラム化するヒストグラム演算部と、前記ヒストグラム演算部で求められたヒストグラムにピーク箇所が二個以上あるとき、最も値の大きいピーク値と二番目に値の大きいピーク値との比を算出して前記電動機の異常の有無を判定する異常判定部とを備えていることを特徴とする電動機の診断装置。
  2. 正常時の負荷トルクを複数回測定して得たヒストグラムから選定した曲線を正常時のヒストグラムとして記憶した正常曲線記憶部をさらに備え、前記異常判定部は、前記正常曲線記憶部に記憶されている正常時のヒストグラムと前記ヒストグラム演算部で求められたヒストグラムを比較して前記電動機の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の電動機の診断装置。
  3. 前記異常判定部は保存されている過去のヒストグラム情報を使用してトレンド解析することを特徴とする請求項1または2に記載の電動機の診断装置。
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