JP6645567B2 - 画像表示装置及び移動体及び被走査面素子 - Google Patents
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Description
そして、偏向された光ビームにより、被走査面素子を2次元的に走査し、被走査面素子に2次元画像を形成する。
形成された2次元画像を、虚像結像光学系により拡大虚像として結像させる。
このようなノイズを以下「干渉性ノイズ」と呼ぶ。典型的な干渉性ノイズは「干渉縞」である。
即ち、被走査面素子に、微小レンズ(凸シリンドリカルレンズ)を配列形成し、光走査するコヒーレントな光束の光束径を、微小レンズの配列ピッチよりも小さくする。
しかし、光束の走査に同期して、光束をパルス発光させ、光束が微小レンズにのみ入射するようにするのは、光束を走査する部分の構成が複雑化する。
即ち、この発明は、干渉性ノイズを軽減できる新規な画像表示装置の実現を課題とするものである。
図1は、マイクロレンズアレイを被走査面素子として用いる画像表示装置(以下「2次元画像表示装置」とも言う。)の実施の1形態を説明するための図である。
ビーム合成プリズム101は、R色光を透過させG色光を反射するダイクロイック膜D1と、R・G色光を透過させB光を反射するダイクロイック膜D2を有する。
この「平行ビーム」が、画素表示用ビームLCである。
2次元偏向手段6は、この形態例では、微小なミラーを「互いに直交する2軸」を揺動軸として揺動するように構成されたものである。
即ち、凹面鏡7により反射された画素表示用ビームLCは、2次元偏向手段6による偏向に伴い平行移動しつつ被走査面素子8に入射し、被走査面素子を2次元的に走査する。
被走査面素子8に、上記の如く形成された「カラーの2次元画像」を構成する光は、凹面鏡9に入射して反射される。
拡大虚像12の結像位置の手前側には、反射面素子10が設けられ、拡大虚像12を結像する光束を、観察者11(図には観察者の目を示す。)の側へ反射する。
後述するように、凸レンズ構造は「凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列された」ものである。
以下に、この拡散機能を簡単に説明する。
被走査面素子802は、凸レンズ801を配列した凸レンズ構造を有する。
なお、説明中の形態例で、画素表示用ビーム803はレーザ光束であり、光束中心のまわりにガウス分布状の光強度分布をなす。
従って、光束径807は、光強度分布における光強度が「1/e2」に低下する光束半径方向距離である。
図2(a)では、光束径807は凸レンズ801の大きさに等しく描かれているが、光束径807が「凸レンズ801の大きさ」に等しい必要は無い。
凸レンズ801の大きさを食み出さなければよい。
この場合、凸レンズ822に入射したビーム部分は発散光束826となり、凸レンズ823に入射したビーム部分は発散光束827となって拡散される。
このため、凸レンズ822、823に、図の如く入射する画素表示用ビーム824から発生する発散光束は、発散光束826、827のみである。
周知の如く、サブ波長構造は「サブ波長構造よりも大きい波長の光」に対してはレンズ作用を生じない。
従って、波長:λより小さい曲率半径:rをもった境界部843は「レンズ」として作用せず、画素表示用ビームを直進的に透過させ、発散させることがない。
D>d、λ>r
従って、上記の大小関係を満足することにより干渉性ノイズを抑制できる。
画素表示用ビームLCが「R、G、Bの3色のビームの合成されたもの」である場合、
干渉性ノイズは、これら3色の成分について独立に発生する。
そして、これら独立した3色の干渉性ノイズの「総体」が、視認される干渉性ノイズとなる。
従って、3色の干渉性ノイズのうち、1色でも干渉性ノイズが無くなれば、視認される干渉性ノイズは大幅に改善され、観察画像の画質向上に寄与する。
従って、干渉性ノイズの防止効果は、3色のうちで最も長波長のR成分のみでも効果があり、次いでG成分、B成分という順で「低減効果」が向上する。
したがって、最長波長:λRよりも小さい曲率半径:r(例えば600nm)を設定すれば、干渉性ノイズの軽減上、一定の効果を達成できる。
干渉性ノイズの視認性は、波長やビーム径・マルチ/シングルモードなどでノイズ強度は変わるが、一般的にはR≒G>Bの順で高い。
即ち、波長:λBの光は人間の眼の視感度が低く、干渉性ノイズは目立ちにくい。
従って、波長:λGよりも小さい曲率半径:r(例えば500nm)を設定すれば、視認性の比較的高い波長:λRとλGの光による干渉性ノイズを軽減できる。
視感度が低い波長:λBの光による干渉性ノイズは発生しても、さほど目立たない。
勿論、波長:λBよりも小さい曲率半径:r(例えば400nm)を設定すれば、上記の如く、干渉性ノイズを更に有効に軽減できる。
金型における転写面の形成は、切削やフォトリソグラフィなどを用いて形成する方法が知られている。
小さい境界幅は、隣接マイクロレンズ面の形成する境界部を「尖鋭化」することにより実現できる。
即ち、上に説明した被走査面素子は、複数のマイクロレンズが相互に近接して配列した構造を有するマイクロレンズアレイとして構成できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを640nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成することにより、R成分光の干渉性ノイズを防止できる。
また、上記曲率半径:rを510nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R成分光とG成分光による干渉性ノイズを防止できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを445nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R、G、B成分光の干渉性ノイズを防止できる。
2次元画像表示装置は、光源部と、該光源部からの光によって画像を形成するための画像形成素子と、前記画像を形成する光が照射される被走査面素子と、を備え、前記被走査面素子に照射された光を用いて画像を表示させる画像表示装置である。
被走査面素子は、複数のマイクロレンズが、相互に近接して配列されたマイクロレンズアレイ構造を有し、隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rが、前記光の波長:λよりも小さい。
即ち、凹面鏡7は「2次元的に偏向された画素表示用ビームの偏向範囲を調整し、被走査面素子の走査範囲を規制する偏向範囲規制手段」として機能する。
図4(a)に形態例を示すマイクロレンズアレイ87は、正方形形状のマイクロレンズ8711、8712・・等を正方行列状に配列したものである。
ジグザグ型配列とアームチェア型配列を合わせて「ハニカム型配列」と呼ぶ。
ジグザグ型配列では、マイクロレンズの配列では、図に示すX2を「X方向の実効画素ピッチ」、Y2を「Y方向の実効画素ピッチ」と見做すことができる。
拡大虚像12は、凹面鏡9により虚像として結像される拡大画素像の集合である。
勿論、説明図であるから、マイクロレンズ相互の境界部の大きさは度外視されている。
図6におけるマイクロレンズ80は、X方向のパワーがY方向のパワーよりも大きい場合を示している。
即ち、マイクロレンズ面の曲率は、X方向の曲率がY方向の曲率より大きい。
図6には、説明図として、マイクロレンズ80をY方向に長い縦長の楕円形状として示した。
マイクロレンズの形状は、例えば、後述の図5(b)に示すマイクロレンズ9211等のように「Y方向に長い縦長の6角形形状」であることもある。
この場合、X方向のパワーがY方向のパワーよりも大きい場合であれば、マイクロレンズ9211による拡散ビームの光束断面は「X方向に長い横長の6角形形状」となる。
この場合、フロントガラス前方に拡大虚像12として、例えば「ナビゲーション画像」を表示でき、観察者11である運転者は、この画像を運転席に居ながら観察できる。
このため、長手方向(X方向)には短手方向(Y方向)に比して大きな拡散角(非等方拡散)が要求されるのである。
このように定められるX方向の実効画素ピッチを一般に「SX」、Y方向の実効画素ピッチを一般に「SY」とするとき、両者の比:SY/SXを「アスペクト比」と言う。
例えば、図5(b)において、凸レンズ9211、9212等のX方向のレンズ径:R2x=100μm、Y方向のレンズ径:R2y=200umとする。
図5(d)においては、凸レンズ9411、9421等は、X方向に平行な上下の辺が短く、斜辺が長い。
また、図5(e)においては、凸レンズ9511、9521等は、X方向に平行な上下の辺が長く、斜辺が短い。
図5(c)〜(e)に示す如き「凸レンズの形状」は、例えば、発散光束の発散角制御のため、任意に選択することが可能である。
このように、凸レンズの縦長六角形の形状は、どのような辺の長さでも良い。
LC 画素表示用ビーム
6 2次元偏向手段
7 凹面鏡
8 被走査面素子
9 凹面鏡
10 反射面素子
11 観察者
12 拡大虚像
Claims (14)
- 光源部と、
前記光源部からの光を偏向することにより前記光を走査する偏向手段と、
前記光により走査される被走査面素子と、を備え、
前記被走査面素子に照射された光を用いて画像を表示させる画像表示装置において、
前記被走査面素子は、前記光源部からの光を発散光束に変換する複数の光学面が、相互に近接して配列された光学面構造を有し、隣接する光学面の境界部をなす面の曲率半径が、前記光の波長よりも小さいことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1記載の画像表示装置において、
光源部は複数の光源を有し、
前記複数の光源は、互いに異なる波長の光を放射するものであり、
前記被走査面素子において、前記光学面構造における隣接する前記光学面の境界部の曲率半径が、前記複数の光の波長のうちの最長波長よりも小さいことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1または2記載の画像表示装置において、
前記偏向手段は、前記光源部からの光を画素表示用ビームとして2次元的に偏向させる2次元偏向手段であり、
該2次元偏向手段により2次元的に偏向された前記画素表示用ビームの偏向範囲を調整し、前記被走査面素子の走査範囲を規制する偏向範囲規制手段を有することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1〜3の任意の1に記載の画像表示装置において、
前記被走査面素子に形成された前記光学面構造の複数の前記光学面の個々が、画像表示用ビームを縦方向よりも横方向に広い拡散角で拡散させる光学面であることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1〜4の任意の1に記載の画像表示装置において、
前記被走査面素子の有する個々の前記光学面が、長方形形状であり、正方行列状に配列されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1〜4の任意の1に記載の画像表示装置において、
前記被走査面素子の有する個々の前記光学面が、六角形形状であり、ハニカム状に配列されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項6記載の画像表示装置において、
前記光学面の前記ハニカム状の配列が、ジグザグ型配列であることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項6記載の画像表示装置において、
前記光学面の前記ハニカム状の配列が、アームチェア型配列であることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項5〜8の任意の1に記載の画像表示装置において、
前記光学面の配列における、横方向の実効画素ピッチ:SX、縦方向の実効画素ピッチ:SYの比であるアスペクト比:SY/SXが1より大きいことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1〜9の任意の1に記載の画像表示装置において、
前記光学面構造の光学面は、レンズであり、前記レンズのレンズ面光軸が、前記被走査面素子の基準面に対して直交方向から傾いていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1〜10の任意の1に記載の画像表示装置において、
前記被走査面素子により発散光束に変換され拡散された光の拡散光により拡大虚像を結像させる虚像結像光学系と、
前記拡大虚像の結像位置より手前に設けられ、前記拡大虚像を結像する結像光束を観察部側へ反射させる反射面素子と、を有する画像表示装置。 - 請求項11記載の画像表示装置において、
運転席の前方に透明部材を備える移動体に搭載され、
前記透明部材を反射面素子として用い、前記透明部材の前方で、且つ、前記運転席から観察可能な位置に拡大虚像を形成することを特徴とする画像表示装置。 - 請求項12記載の画像表示装置を備え、
前記運転席の前方に備えられた前記透明部材を前記反射面素子として、前記運転席から観察可能な位置に前記拡大虚像を形成することを特徴とする移動体。 - 光源からの光を被走査面素子に照射することで発散光束に変換された可視画像を表示させる画像表示装置に用いられる被走査面素子であって、
前記光源からの光を発散光束に変換する複数の光学面が、相互に近接して配列された光学面構造を有し、隣接する前記光学面の境界部をなす面の曲率半径が、照射される前記光の波長よりも小さい被走査面素子。
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