しかしながら、特許文献1の計量装置は、例えば、トマトのような被計量物を、所定個数パックした商品を生産するものであり、個数単位で被計量物を計量器に供給することを前提としており、上記のようなカットねぎのような刻み野菜、ポテトサラダのような惣菜類といった個数単位で取り扱うことが困難であって、かつ、付着性を有する被計量物の計量に適用することはできない。
このため、従来では、個数単位で取り扱うことが困難であって、かつ、付着性を有する被計量物の定量パックを生産する場合には、手動式の組合せ秤を使用せずに、作業者は、上皿秤等の計量装置のように1つの計量皿に、トレー等の容器を載せて容器の風袋補正を行い、重量表示を見ながら、所定重量範囲となるように、被計量物を計量皿上の容器に手作業で供給するという計量作業を行っている。
この計量方法では、作業者は、重量表示を見て、被計量物の重量が所定重量範囲になったか否かを確認する必要があり、また、表示値を見誤る場合もある。更に、一人の作業者が、1つの計量皿に被計量物を供給して定量パックを生産するので、定量パックの生産量を上げるためには、計量装置の台数と作業者の数を増やす必要がある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであって、個数単位で取り扱うことが難しく、かつ、付着性のある被計量物の計量作業の効率を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
(1)本発明の計量装置は、被計量物の供給及び取出しが、それぞれ手動で行われ、供給される被計量物の重量をそれぞれ計量する複数の計量部と、各計量部によってそれぞれ計量される被計量物の各重量が、所定重量範囲に対して、軽量、適量、過量のいずれであるかをそれぞれ判定する判定部と、前記複数の計量部に個別的に対応すると共に、前記判定部による判定結果を、対応する計量部毎に報知する複数の報知部とを備え、前記判定部は、前記複数の計量部の内、前記軽量であると判定された計量部の被計量物の重量と、前記過量であると判定された計量部の被計量物の重量との間に、当該軽量であると判定された計量部及び当該過量であると判定された計量部を、前記適量であると判定される計量部とするために有用な重量関係が成立するか否かを判定するものであり、前記報知部は、前記判定部によって、前記有用な重量関係が成立すると判定されたときに、前記有用な重量関係が成立する、前記軽量であると判定された計量部及び前記過量であると判定された計量部を報知する。
本発明の計量装置によると、被計量物が供給された複数の各計量部は、所定重量範囲に対して、軽量、適量、過量のいずれであるかが、各計量部に個別的に対応する複数の各報知部によって報知されるので、軽量である計量部には、被計量物を追加し、過量である計量部からの被計量物の一部を取り除くことによって、適量な計量部とすることができ、複数の計量部毎に、被計量物の重量を適量にすることができる。
これによって、組合せ演算を行って計量する場合のように、所定重量範囲となる適量組合せに選択された複数の計量部の被計量物を、1つに集める作業が不要となり、例えば、個数単位で取り扱うことが困難であって、かつ、付着性を有する被計量物のように、1つに集める作業に手間がかかる被計量物であっても、容易に計量することができる。
しかも、上皿秤等の計量装置のように1つの計量部で重量表示を見ながら計量する場合のように、作業者自身が所定重量範囲になったか否かを目視確認する必要がなく、また、複数の計量部でそれぞれ計量するので、効率的に計量することができる。
更に、軽量の計量部及び過量の計量部の内、それら計量部を適量な計量部にするために、有用な重量関係が成立する計量部については、それが報知されるので、作業者は、有用な重量関係が成立している軽量の計量部及び過量の計量部を認識することができ、作業者は、両計量部の被計量物の重量を調整することによって、両計量部の間に成立する有用な重量関係を利用して、効率的に適量の計量部にすることができる。
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記有用な重量関係は、前記軽量であると判定された計量部の被計量物の重量と、前記過量である判定された計量部の重量とを加算した加算重量の1/2が、前記所定重量範囲となる第1の有用な重量関係である。
この実施態様によると、第1の有用な重量関係は、軽量の計量部の被計量物の重量と、過量の計量部の被計量物の重量とを加算した加算重量の1/2が、所定重量範囲となる、すなわち、軽量の計量部の被計量物の重量と、過量の計量部の被計量物の重量とを加算した加算重量が、適量の計量部の2つ分の被計量物の重量となる。
したがって、第1の有用な重量関係が成立している、過量の計量部の被計量物の一部を取り除いて、軽量の計量部に追加することで、2つの計量部を、共に適量の計量部にすることができる。
第1の有用な重量関係が成立している、軽量の計量部と過量の計量部とは、作業者に報知されるので、作業者は、過量の計量部の被計量物の一部を、軽量の計量部に移し替えることによって、2つの計量部を、共に適量の計量部にすることができ、効率的な計量作業となる。
(3)本発明の好ましい他の実施態様では、前記複数の計量部の内、前記第1の有用な重量関係が成立する、前記軽量であると判定された計量部と前記過量である判定された計量部との組が、複数組存在するときには、前記複数の報知部は、前記第1の有用な重量関係が成立する前記複数組の内、前記軽量であると判定された計量部と前記過量である判定された計量部とが、最も近接した位置にある組を報知する。
この実施態様によると、第1の有用な重量関係が成立する、軽量の計量部と過量の計量部との組が、複数組存在するときには、作業者にとって被計量物の移し替え作業が行い易い、軽量の計量部と過量の計量部とが最も近接した位置にある組が報知される。
(4)本発明の計量装置の他の実施態様では、前記複数の計量部の内、前記第1の有用な重量関係が成立する、前記軽量であると判定された計量部と前記過量である判定された計量部との組が、複数組存在するときには、前記複数の報知部は、前記第1の有用な重量関係が成立する前記複数組の組毎に、報知の態様を異ならせる。
この実施態様によると、第1の有用な重量関係が成立する、軽量の計量部と過量の計量部との組が、複数組存在するときには、組毎に報知の態様が異なるので、作業者は、第1の有用な重量関係が成立する、軽量の計量部と過量の計量部との複数組を、組毎に認識することができる、すなわち、どの過量の計量部の被計量物を、どの軽量の計量部に移し替えればよいかを認識することができる。
(5)本発明の計量装置の好ましい実施態様では、前記複数の計量部に供給される前記被計量物が収納された収納容器内の被計量物の重量を計量する外部秤を備え、前記判定部は、前記外部秤で計量される被計量物の減少重量を、前記収納容器から前記複数の計量部へ供給される被計量物の供給重量とし、該供給重量と、前記複数の計量部の内、前記軽量であると判定された計量部の被計量物の重量との間に、当該軽量であると判定された計量部を、前記適量であると判定される計量部とするために有用な第2の有用な重量関係が成立するか否かを判定するものであり、前記報知部は、前記判定部によって、前記第2の有用な重量関係が成立すると判定されたときに、前記第2の有用な重量関係が成立する、前記軽量であると判定された計量部を報知する。
この実施態様によると、収納容器から取り出されて計量部へ供給される被計量物の供給重量と、軽量の計量部の被計量物の重量との間に、当該軽量の計量部を適量な計量部にするために有用な第2の有用な重量関係が成立するときには、その軽量の計量部が報知されるので、作業者は、第2の有用な重量関係が成立している軽量の計量部を認識することができ、作業者は、軽量の計量部の被計量物の重量を、収納容器から供給する被計量物の供給重量で調整することによって、第2の有用な重量関係を利用して、効率的に適量の計量部にすることができる。
(6)本発明の計量装置の他の実施態様では、前記第2の有用な重量関係が、前記供給重量と、前記軽量であると判定された計量部の被計量物の重量とを加算した加算重量が、前記所定重量範囲となる重量関係である。
この実施態様によると、第2の有用な重量関係は、収納容器から取り出されて計量部へ供給される被計量物の供給重量と、軽量の計量部の被計量物の重量とを加算した加算重量が、所定重量範囲となる重量関係であるので、作業者は、収納容器から取り出した被計量物を、第2の有用な重量関係が成立して報知されている軽量の計量部に追加供給することで、軽量の計量部を、適量の計量部にすることができる。
(7)本発明の計量装置の別の実施態様では、前記判定部は、前記供給重量と、前記複数の計量部の内、前記軽量であると判定された2つの計量部の被計量物の各重量との間に、当該軽量であると判定された前記2つの計量部を、前記適量であると判定される計量部とするために有用な第3の有用な重量関係が成立するか否かを判定するものであり、前記報知部は、前記判定部によって、前記第3の有用な重量関係が成立すると判定されたときに、前記第3の有用な重量関係が成立する、前記軽量であると判定された前記2つの計量部を報知する。
この実施態様によると、収納容器から取り出されて計量部に供給される被計量物の供給重量と、2つの軽量の計量部の被計量物の各重量との間に、前記2つの軽量の計量部を、適量な計量部にするために有用な第3の有用な重量関係が成立するときには、前記2つの軽量の計量部が報知されるので、作業者は、第3の有用な重量関係が成立している2つの軽量の計量部を認識することができ、作業者は、2つの軽量の計量部の被計量物の重量を、収納容器から取り出して供給する被計量物の供給重量で調整することによって、第3の有用な重量関係を利用して、2つの軽量の計量部を、効率的に2つの適量の計量部にすることができる。
(8)本発明の計量装置の他の実施態様では、前記第3の有用な重量関係は、前記供給重量と、前記軽量である判定された前記2つの計量部の被計量物の各重量とを加算した加算重量の1/2が、前記所定重量範囲となる重量関係である。
この実施態様によると、第3の有用な重量関係は、収納容器から取り出されて計量部へ供給される被計量物の供給重量と、2つの軽量の計量部の被計量物の各重量とを加算した加算重量の1/2が、所定重量範囲となる、すなわち、収納容器から供給される被計量物の供給重量と、2つの軽量の計量部の被計量物の重量とを加算した加算重量が、適量の計量部の2つ分の被計量物の重量となる重量関係である。
したがって、作業者が、収納容器から取り出した被計量物を、第3の有用な重量関係が成立している、2つの軽量の計量部の内、いずれか一方の軽量の計量部に追加することで、この一方の計量部が過量の計量部となり、この過量の計量部の被計量物の重量と、他方の軽量の計量部の被計量物の重量との間に、上記第1の有用な重量関係が成立することになり、この第1の有用な重量関係を利用して、前記一方の過量の計量部の被計量物を、前記他方の軽量の計量部に追加供給することで、2つの計量部を、共に適量の計量部にすることができる。
(9)本発明の計量装置の更に他の実施態様では、前記判定部は、前記所定重量範囲を定める下限重量と前記軽量であると判定された計量部の被計量物の重量との重量差、及び、前記所定重量範囲を定める上限重量と前記過量であると判定された計量部の被計量物の重量との重量差を判定するものであり、前記報知部は、前記軽量であると判定された計量部及び前記過量であると判定された計量部を、前記判定部によって判定された前記重量差に応じてそれぞれ報知する。
この実施態様によると、所定重量範囲の下限重量と軽量の計量部の被計量物の重量との重量差、及び、所定重量範囲の上限重量と過量の計量部の被計量物の重量との重量差が報知されるので、作業者は、軽量の計量部における被計量物の不足量、及び、過量の計量部における被計量物の過剰量を認識することができ、軽量の計量部及び過量の計量部を、適量の計量部にするために必要な被計量物の調整重量を認識できることになり、効率的に適量の計量部にすることができる。
(10)本発明の計量装置の別の実施態様では、前記複数の各計量部は、前記被計量物が供給される計量皿を有し、前記複数の各報知部は、前記計量皿の近傍に配置される表示灯であり、当該計量装置が、複数の前記計量皿に供給される被計量物の重量を種々組合せた組合せ重量が、許容重量範囲となる前記計量皿の適量組合せを選択する組合せ演算を行って、前記適量組合せの計量皿を、前記表示灯で報知することが可能な組合せ秤である。
この実施態様によると、組合せ演算を行う組合せ秤を、その複数の計量皿毎の計量部として、組合せ演算によらない個別の計量を行うことが可能となる。これによって、当該計量装置を、組合せ秤として使用することができる一方、例えば、個数単位で取り扱うことが困難であって、かつ、付着性を有する被計量物を計量する場合には、組合せ演算を行わない、複数の計量皿毎の個別の計量部を有する計量装置として使用することができる。
本発明によれば、複数の計量部毎に、個別に計量を行って、所定重量範囲の被計量物とすることができ、組合せ演算を行って計量する場合のように、所定重量範囲となる適量組合せに選択された複数の計量部の被計量物を、1つに集める作業が不要となり、例えば、個数単位で取り扱うことが困難であって、かつ、付着性を有する被計量物のように、1つに集める作業に手間がかかる被計量物であっても、効率的に計量することができる。
しかも、上皿秤等の計量装置のように1つの計量部で重量表示を見ながら計量する場合のように、作業者自身が所定重量範囲になったか否かを目視確認する必要がなく、また、複数の計量部でそれぞれ計量するので、効率的に計量することができる。
更に、軽量の計量部及び過量の計量部の内、それら計量部を適量な計量部にするために、有用な重量関係が成立する計量部については、それが報知されるので、作業者は、有用な重量関係が成立している軽量の計量部及び過量の計量部を認識することができ、両計量部の被計量物の重量を調整することによって、両計量部の間に成立する有用な重量関係を利用して、効率的に適量の計量部にすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る計量装置の平面図であり、図1(b)は、その側面図であり、図1(c)は、その正面図である。また、図2は、図1の計量装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態の計量装置は、被計量物の供給及び取り出し(排出)を、作業者が手作業によって行う手動式の組合せ秤1である。
この組合せ秤1は、被計量物が載せられる複数の計量皿2と、各計量皿2を支持して計量皿2上の被計量物の重量を検出するロードセル等の重量センサ3と、各計量皿2に個別的に対応する複数の報知部としての複数の表示灯4と、低い箱状の本体フレーム5と、この本体フレーム5の長手方向の一端側に配置された制御ユニット6とを備えている。
複数の計量皿2は、本体フレーム5の長手方向に沿って、2列に並んで配置されており、この実施形態では、各列が6個の計量皿2でそれぞれ構成されている。各計量皿2の近傍に配置される各表示灯4は、例えば3色LED(発光ダイオード)を用いて構成される。
制御ユニット6は、その前面に表示部7を備えると共に、入力キーを有する入力部8を備えている。なお、表示部7と入力部8とは、タッチパネル式として一体に構成してもよい。
この制御ユニット6は、マイクロコンピュータ等によって構成された制御部20を備えており、この制御部20は、後述のように判定部21としての機能を有すると共に、組合せ演算部22としての機能を有する、この制御部20は、重量センサ3からのアナログ重量信号を、デジタル重量信号に変換する図示しないA/D変換回路や表示灯4を駆動する表示灯駆動回路等を内蔵している。
この実施形態の組合せ秤1は、後述の単独計量運転モードが設定されていない通常運転モードのときには、従来の組合せ秤と同様に、組合せ演算を行うものである。
すなわち、通常運転モードでは、作業者が各計量皿2に被計量物を載せると、各計量皿2の被計量物の重量が重量センサ3によって検出されて、制御ユニット6に与えられ、制御ユニット6の制御部20は、各計量皿2の重量値に基づいて組合せ演算を行う。そして、被計量物の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、所定重量範囲であって、かつ、目標組合せ重量に等しいかまたは最も近い重量となる適量組合せの計量皿2を選択し、その適量組合せに選択された各計量皿2の近傍の各表示灯4を点灯させる。これによって、作業者は、表示灯4が点灯している各計量皿2から被計量物をそれぞれ取り出して1つのトレー等の容器に集め、プラスチックフィルム等で容器をラッピングして定量パックを生産する。
この実施形態では、被計量物が、例えば、カットねぎのような刻み野菜、ポテトサラダのような惣菜類といった個数単位で取り扱うのが困難であって、かつ、付着性を有する被計量物の場合には、作業者は、入力部8を操作して、組合せ演算を行わない単独計量運転モードを設定して計量を行う。
この単独計量運転モードの設定では、所定重量範囲を定める上限重量値と下限重量値とを設定し、更に、この実施形態では、後述の補完関係の計量皿を表示するモード等を併せて設定する。
この単独計量運転モードでは、制御ユニット6の制御部20は、組合せ演算は行わず、計量皿2毎に、被計量物の重量が、所定重量範囲の適量、所定重量範囲未満の軽量、所定重量範囲を超える過量のいずれであるかを判定し、判定結果に応じて、対応する表示灯4を点灯して作業者に報知する。
なお、被計量物は、付着性を有するので、作業者は、計量皿2上に、トレー等の容器を載置し、この容器に、被計量物を載せる、すなわち、供給する。容器の重量は、予め風袋重量として補正する。
この実施形態では、計量皿2上の被計量物の重量が、適量であるときには、「緑色」、軽量であるときには「赤色」、過量であるときには「橙色」で表示灯4をそれぞれ点灯するようにしている。
ここでは、被計量物として、刻み野菜であるカットねぎを例に挙げて、単独計量運転モードにおける作業者の基本的な作業手順の例を説明する。
作業者は、予め、トレー等の容器の重量を、風袋重量として補正し、組合せ秤1の各計量皿2に各容器を載置する。
被計量物であるカットねぎが多量に収納されている収納容器(図示せず)からカットねぎを掴んで、各計量皿2上の空の容器に載せる、すなわち、供給する。各計量皿2の重量が重量センサ3によって検出されて、制御ユニット6に与えられる。制御ユニット6の制御部20は、各計量皿2のカットねぎの重量値に基づいて、所定重量範囲に対して、軽量、適量、過量のいずれであるかを判定し、その判定結果に応じて、各計量皿2に対応する各表示灯4を、「赤色」(軽量)、「緑色」(適量)、「橙色」(過量)のいずれかで点灯させる。
作業者は、「緑色」(適量)で点灯した、適量のカットねぎの入った容器を計量皿2から取り出し、別の空の容器を計量皿2に載せ、この空の容器にカットねぎを供給する。適量のカットねぎが入った容器は、例えば、他の作業者によって、プラスチックフィルム等でラッピングされて定量パックの商品となる。
作業者は、「赤色」(軽量)で点灯した、重量不足のカットねぎの入った容器に対して、「橙色」(過量)で点灯した、過剰重量のカットねぎの入った容器からカットねぎの一部を掴んで追加供給し、あるいは、上記収納容器に収納されているカットねぎを掴んで追加供給する。
作業者は、「橙色」(過量)で点灯した、過剰重量のカットねぎの入った容器のカットねぎを掴んで、上記ように「赤色」(軽量)で点灯した、重量不足のカットねぎの入った容器へ追加供給し、あるいは、掴んだカットねぎを、上記収納容器に戻す。
このようにして、作業者は、経験と勘によって、「赤色」(軽量)で点灯した、重量不足のカットねぎの入った容器に対して、適当な量のカットねぎを追加供給する一方、「橙色」(過量)で点灯した、過剰重量のカットねぎの入った容器から適当な量のカットねぎを取除いて、「緑色」(適量)で点灯するように被計量物の重量を調整する。「緑色」(適量)で点灯した容器は、計量皿2から取り出してラッピングして定量パックの商品とする一方、空の計量皿2には、別の容器を載置してカットねぎを供給する。
このように計量皿2毎、すなわち、容器毎に、適量のカットねぎが入った定量パックとすることができ、これによって、組合せ演算を行って計量する場合のように、所定重量範囲となる適量組合せに選択された複数の容器の内の1つの容器に、他の容器のカットねぎを、残らないようにきれいに取り出して前記1つの容器に集めるといった手間のかかる作業が不要となる。したがって、カットねぎのような刻み野菜、ポテトサラダのような惣菜類といった個数単位で取り扱うことが困難で、かつ、付着性を有する被計量物の定量パックの生産に好適である。
また、複数の各計量皿2でそれぞれ個別に計量され、適量となった計量皿2は、表示灯4によって報知されるので、上皿秤等の計量装置のように1つの計量皿で重量表示を見ながら計量する場合のように、作業者自身が所定重量範囲になったか否かを目視確認する必要がなく、複数の計量皿2で効率的に計量することができる。
更に、この実施形態では、計量作業の効率を一層高めるために、次のようにしている。
すなわち、制御ユニット6の制御部20は、複数の計量皿2の内、軽量の計量皿2の被計量物の重量と、過量の計量皿2の被計量物の重量との間に、当該軽量の計量皿2及び当該過量の計量皿2を、適量の計量皿2とするために有用な重量関係が成立するか否かを判定し、有用な重量関係が成立するときには、その重量関係が成立する、前記軽量の計量皿2及び前記過量の計量皿2を、作業者に報知する。
具体的には、前記有用な重量関係は、軽量の計量皿2の被計量物の重量と、過量の計量皿2の被計量物の重量とを加算した加算重量の1/2が、所定重量範囲となる、第1の有用な重量関係である。
この第1の有用な重量関係が成立する場合には、軽量の計量皿2の被計量物の重量をx(g)、過量の計量皿2の被計量物の重量をy(g)とし、下限重量値をLL(g)、上限重量値をHL(g)とすると、次式が成立する。
LL≦(x+y)/2≦HL
被計量物がカットねぎの場合に、下限重量値LLを、例えば、50g、上限重量値HLを、例えば、51.5gすると、所定重量範囲は、50g以上、51.5g以下となる。
第1の有用な重量関係は、上記のように、軽量の計量皿2の被計量物の重量と、過量の計量皿2の被計量物の重量とを加算した加算重量の1/2が、所定重量範囲となるのであるから、軽量の計量皿2の被計量物の重量と、過量の計量皿2の被計量物の重量とを加算した加算重量は、所定重量範囲の2倍の重量、すなわち、適量の計量皿2の2つ分の重量となる。
つまり、第1の有用な重量関係が成立する、軽量の計量皿2と過量の計量皿2とでは、過量の計量皿2の被計量物の一部を取り出して、軽量の計量皿2に移し替えることによって、両計量皿2を、共に適量の計量皿2にできることになる。
このように過量の計量皿2の被計量物の一部を、軽量の計量皿2に移し替えることによって、両計量皿2が共に適量となる一組(2つ)の計量皿を、以下では、「補完関係にある計量皿」という場合がある。
制御ユニット6の制御部20では、第1の有用な重量関係が成立する補完関係にある計量皿2が存在するときには、対応する一組(2つ)の表示灯4を点滅表示して報知するようにしている。
この実施形態では、制御ユニット6の入力部8を操作して、補完関係の計量皿2を表示する表示モードが設定されているときには、補完関係にある、軽量の計量皿2の表示灯4が、「赤色」で点滅し、過量の計量皿2の表示灯4が、「橙色」で点滅する。なお、単独計量運転モードを設定することによって、補完関係の計量皿2を表示する表示モードを設定しなくても、補完関係の計量皿2を表示するようにしてもよい。
作業者は、補完関係にある2つの計量皿2を認識できるので、「橙色」(過量)で点滅している計量皿2の容器に載っているカットねぎが適量となるように、その一部を取り出して、「赤色」(軽量)で点滅している計量皿2の容器に移し替える。これによって、「赤色」で点滅していた軽量の計量皿2の被計量物の重量と、「橙色」で点滅していた過量の計量皿2の被計量物の重量とが、共に適量となり、いずれの計量皿2の表示灯4も「緑色」で点灯する。
このように補完関係にある計量皿2の1組の表示灯4を、点滅表示させることによって、作業者は、過量の計量皿2のカットねぎの適当な量を、軽量の計量皿2に移すだけで、2個の計量皿2のカットねぎの重量を、共に適量にできることになり、計量作業の効率が一層向上する。
更に、この実施形態では、補完関係にある計量皿2の組が、複数組あったときには、その表示の態様を選択できるようにしている。すなわち、補完関係を1組だけ表示する補完関係1組表示モードを、上記入力部8を操作して設定したときには、補完関係にある複数組の計量皿2の内、最も距離が近接した位置ある補完関係の計量皿2に対応する一組の表示灯4を点滅させる。これによって、作業者は、「橙色」で点滅している計量皿2の容器のカットねぎの適当な量を掴んで、それと近接した位置にある、「赤色」で点滅している計量皿2の容器に移し替えればよく、作業を効率的に行うことができる。
なお、補完関係にある複数組の計量皿2の内、最も近接した位置ある補完関係の計量皿2の被計量物が適量となって容器が計量皿2から取り出されると、表示灯4が消灯し、補完関係にある複数組の計量皿2の内、次に近接した位置にある補完関係の計量皿2の一組の表示灯4が点滅表示され、同様に、補完関係の計量皿2が無くなるまで点滅表示される。
補完関係にある計量皿2の組が、複数組あった場合に、補完関係1組表示モードが設定されていないときには、補完関係にある複数組の計量皿2の表示灯4の全てを点滅させる。この場合、組毎に点滅周期を異ならせ、同じ組の点滅周期は同じとする。例えば、補完関係にある計量皿2の組が、2組あるときには、一方の組の表示灯4の点滅周期は短くし、他方の組の表示灯4の点滅周期は長くする。
これによって、作業者は、「橙色」(過量)で点滅周期が短い(または長い)表示灯4の計量皿2のカットねぎの適当な量を取り出して、「赤色」(軽量)で点滅周期が短い(または長い)表示灯4の計量皿2に移し替えればよく、計量作業を効率的に行うことができる。
図3及び図4は、上記実施形態の単独計量運転モードの動作説明に供するフローチャートである。
先ず、電源がONされたか否かを判断し(ステップS1)、電源がONされると、イニシャライズ処理、具体的には、制御ユニット6の制御部20を初期化し、表示灯4を順番に点灯して、使用者が、組合せ秤1が故障していないか容易にチェックできるようにし、また、組合せ秤1が安定した時点で、自動で零点補正を行う(ステップS2)。
作業者は、入力部8を操作して、単独計量運転モードを設定すると共に、所定重量範囲を規定する下限重量値、上限重量値、及び、補完関係にある計量皿を表示する表示モード等を設定する(ステップS3)。
次に、各計量皿2について処理を繰り返すための変数kを初期値「1」にセットし(ステップS4)、変数kに対応する計量皿2(k)の計量値を読み込み(ステップS5)、計量皿2(k)の計量値の安定判別処理を行う(ステップS6)。この安定判別処理では、例えば、一定時間の間において計量値が変化しなかった時に安定と判別する。この安定判別処理によって、計量皿2(k)の計量値が安定しているか否かの判断を行う(ステップS7)。
ステップS7で計量値が安定していると判断したときには、零点補正キーがONされたか否かを判断し(ステップS8)、零点補正キーがONされたときには、計量値は、零点補正が可能な零点補正範囲であるか否かを判断し(ステップS13)、零点補正範囲であるときには、計量皿2(k)の零点補正処理を行ってステップS12に移り(ステップS15)、零点補正範囲でないときには、零点が大きくずれる何らかの異常であるとして、計量皿2(k)の零点補正エラー表示を行ってステップS12に移る(ステップS19)。
上記ステップS8において、零点補正キーがONされていないときには、風袋引きキーがONされたか否かを判断し(ステップS9)、風袋引きキーがONされたときには、計量皿2(k)の風袋引き処理を行ってステップS12に移る(ステップS16)。
上記ステップS9において、風袋引きキーがONされていないときには、計量値が、載荷検出点以上であるか否かを判断し(ステップS10)、載荷検出点以上でないときには、計量皿2(k)には、被計量物がない空の状態であるとしてステップS11に移り、計量皿2(k)の表示灯4を消灯してステップS12に移る。
上記ステップS10において、計量値が載荷検出点以上であるときには、計量値が下限重量値未満であるか否か、すなわち、軽量であるか否かを判断し(ステップS17)、下限重量値未満であるときには、計量皿2(k)の被計量物が軽量であることを示す「赤色」で表示灯4を点灯してステップS12に移る(ステップS18)。ステップS17において、下限値未満でないときには、計量値が、下限値以上であって、上限値以下、すなわち、所定重量範囲の適量であるか否かを判断し(ステップS20)、所定重量範囲であるときには、計量皿2(k)の被計量物が適量であることを示す「緑色」で表示灯4を点灯してステップS12に移る(ステップS21)。ステップS20において、所定重量範囲でないときには、過量であるとして、計量皿2(k)の被計量物が過量であることを示す「橙色」で表示灯4を点灯してステップS12に移る(ステップS22)。
ステップS12では、変数kをインクリメントしてステップS13に移り、ステップS13では、変数kが、計量皿2の総数(n+1)に達したか否かを判断し、達していないときには、次の計量皿2の処理のために、ステップS5に戻り、達したときには、図4のステップS23に移る。
ステップS23では、補完関係の計量皿を表示する表示モードが設定されているか否かを判断し、補完関係の計量皿を表示する表示モードであるときには、上記のように、各計量皿2の被計量物の重量、上限重量値、及び、下限重量値に基づいて、補完関係の計量皿2を探す処理を行い(ステップS24)、補完関係の計量皿2の組があるか否かを判断し(ステップS25)、補完関係の計量皿2の組がないときには、図3のステップS5に戻る。
ステップS25において、補完関係の計量皿2の組があるときには、補完関係の計量皿2の組が、複数組あるか否かを判断し(ステップS26)、複数組ないときには、補完関係にある一組の計量皿2に対応する一組の表示灯4を、「橙色」と「赤色」でそれぞれ点滅させて、図3のステップS5に戻る(ステップS30)。
ステップS26において、補完関係の計量皿2の組が複数組あるときには、補完関係の計量皿を1組表示する表示モードが設定されているか否かを判断し(ステップS27)、補完関係の計量皿を1組表示する表示モードが設定されているときには、補完関係の計量皿2の複数組の内、過量の計量皿2と軽量の計量皿2とが最も近接した位置にある計量皿2の組に対応する一組の表示灯4を、「橙色」と「赤色」でそれぞれ点滅させて、図3のステップS5に戻る(ステップS28)。
ステップS27において、補完関係の計量皿を1組表示する表示モードが設定されていないときには、補完関係の計量皿2の複数組の組毎に、対応する一組の表示灯4を、点滅周期を異ならせて、「橙色」と「赤色」でそれぞれ点滅させて、図3のステップS5に戻る。
図5(a)は、本発明の他の施形態の計量装置13の平面図であり、図5(b)は、その側面図であり、また、図6は、図5の計量装置13の構成を示すブロック図であり、上記実施形態に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態の計量装置13は、手動式の組合せ秤1aと、外部秤として上皿秤12とを備えている。
組合せ秤1aは、上記実施形態の組合せ秤1と同様の機能を有しており、従来の組合せ秤と同様に組合せ演算を行える共に、上記の単独計量運転モードの実行が可能である。更に、この組合せ秤1aでは、後述のように、外部秤である上皿秤12と連係した単独計量運転を行う連係単独計量運転モードの実行が可能である。
上皿秤12は、被計量物が載せられる計量皿14と、計量皿14を支持し、計量皿14上の被計量物の重量を計量するためのロードセル等からなる重量センサ15と、重量センサ15により計量された被計量物の重量を取得し、その重量を表示パネル(図示せず)に表示させる制御装置16とを備えている。
上皿秤12の制御装置16は、組合せ秤1aの制御ユニット6aの制御部20aと無線または有線で通信可能に構成されており、計量皿14に載せられている被計量物の重量の計量値が安定し、その安定した計量値が変化する度にその計量値を、組合せ秤1aの制御ユニット6aの制御部20へ送信する。
この実施形態の組合せ秤1aでは、上記実施形態と同様に、被計量物が、例えば、カットねぎのような個数単位で取り扱うことが困難であって、かつ、付着性を有する被計量物の場合には、制御ユニット6aの入力部8を操作して、外部秤と連係した単独計量運転モードである連係単独計量運転モードを設定することができる。この連係単独軽量運転モードにおいても、上記実施形態と同様の単独計量運転モードと同様の動作を行うことができる。
この連係単独軽量運転モードでは、外部秤である上皿秤12に、組合せ秤1aの計量皿2に供給する被計量物、例えば、カットねぎを多量に収納した収納容器(図示せず)を載置し、上皿秤12では、収納容器自体の重量を風袋重量として補正し、収納されているカットねぎの重量を計量し、計量した重量値を組合せ秤1aの制御ユニット6aに送信する。
制御ユニット6aの制御部20aでは、上皿秤12から送信される重量値に基づいて、重量値が減少したときには、その減少重量を、作業者によって、収納容器から取り出されたカットねぎの重量であって、計量皿2へ供給されるカットねぎの供給重量として算出する。
制御ユニット6aの制御部20は、収納容器から取り出されて計量皿2へ供給されるカットねぎの供給重量と、複数の計量皿2の内、軽量の計量皿2のカットねぎの重量との間に、当該軽量の計量皿2を、適量の計量皿2とするために有用な第2の有用な重量関係が成立するか否かを判定し、第2の有用な重量関係が成立するときには、前記軽量の計量皿2を作業者に報知するようにしている。
具体的には、前記第2の有用な重量関係とは、収納容器から取り出されて計量皿2へ供給されるカットねぎの供給重量と、軽量の計量皿2のカットねぎの重量とを加算した加算重量が、所定重量範囲、すなわち、適量となる重量関係である。
つまり、第2の有用な重量関係が成立する軽量の計量皿2は、当該計量皿2に、収納容器から取り出したカットねぎを追加供給することによって、適量の計量皿2となる。
この実施形態では、作業者が、収納容器からカットねぎを取り出した場合に、第2の有用な重量関係が成立する軽量の計量皿2があるときには、その軽量の計量皿2に対応する表示灯4を、軽量を示す「赤色」の点灯から、収納容器から取り出したカットねぎの供給先を示す「青色」の点灯に切替える。
このように、作業者が、収納容器からカットねぎを取り出すと、第2の有用な重量関係が成立する軽量の計量皿2があるときには、その軽量の計量皿2の表示灯4が、「赤色」(軽量)の点灯から、供給先を示す「青色」の点灯へ切替わるので、作業者は、取り出したカットねぎを、「青色」で点灯している軽量の計量皿2に追加供給し、これによって、軽量の計量皿2が適量となり、その表示灯4が、「青色」の点灯から「緑色」(適量)の点灯に切替わる。
作業者は、「緑色」(適量)の点灯に切替わった表示灯4に対応する計量皿2から容器を取り出してラッピングして定量パックの商品とし、空の計量皿2には、別の容器を載置してカットねぎを供給する。
上記のように、作業者が、収納容器からカットねぎを取り出すと、その取り出したカットねぎを追加供給することによって適量となる軽量の計量皿2があるときには、その計量皿2の表示灯4が、「赤色」(軽量)から「青色」の点灯に切替わるので、作業者は、取り出したカットねぎを、「青色」で点灯する表示灯4の計量皿2に追加供給することによって、適量の計量皿2とすることができる。
また、この実施形態では、上記の補完関係の計量皿を表示する表示モードでは、制御ユニット6aの制御部20aは、収納容器から取り出されて計量皿2へ供給されるカットねぎの供給重量と、複数の計量皿2の内、2つの軽量の計量皿2のカットねぎの各重量との間に、当該2つの軽量の計量部を、適量の計量皿2とするために有用な第3の有用な重量関係が成立するか否かを判定し、第3の有用な重量関係が成立するときには、第3の有用な重量関係が成立する、2つの軽量の計量皿2を作業者に報知する。
具体的には、前記第3の有用な重量関係とは、収納容器から取り出されて計量皿2へ供給されるカットねぎの供給重量と、2つの軽量の計量皿2のカットねぎの各重量とを加算した加算重量の1/2が、所定重量範囲となる重量関係である。
この第3の有用な重量関係では、収納容器から取り出したカットねぎを、前記2つの軽量の計量皿2の内、いずれか一方の計量皿2に追加供給すると、この一方の計量皿2が過量の計量皿2となり、この過量の計量皿2のカットねぎの重量と、前記2つの軽量の計量皿2の他方の計量皿2のカットねぎの重量とを加算した加算重量の1/2が、所定重量範囲の重量となる、すなわち、前記2つの計量皿2は、上記補完関係にある計量皿2となる。
この実施形態では、作業者が、収納容器からカットねぎを取り出した場合に、第3の有用な重量関係が成立する2つの軽量の計量皿2があるときには、その2つの軽量の計量皿2に対応する2つの表示灯4を、軽量を示す「赤色」の点灯から、収納容器から取り出したカットねぎの供給先を示す「青色」の点灯に切替える。
このように、作業者が、収納容器からカットねぎを取り出すと、第3の有用な重量関係が成立する2つの軽量の計量皿2があるときには、その2つの軽量の計量皿2の表示灯4が、「赤色」(軽量)の点灯から、供給先を示す「青色」の点灯へ切替わるので、作業者は、取り出したカットねぎを、「青色」で点灯している2つの軽量の計量皿2のいずれか一方の計量皿2に追加供給する。
これによって、一方の計量皿2が過量になると共に、この一方の計量皿2と、軽量の他方の計量皿2とは、補完関係にある計量皿2となる。したがって、前記一方の計量皿2の表示灯4は、「橙色」(過量)で点滅を始め、前記他方の計量皿2の表示灯4は、赤色「軽量」で点滅を始める。
これによって、上記実施形態と同様に、作業者は、「橙色」(過量)で点滅している計量皿2のカットねぎの適当な量を、「赤色」(軽量)で点滅している計量皿2に移し替えて、共に適量の計量皿2とすることができる。
このように収納容器からカットねぎを取り出して、「青色」の計量皿2に追加供給することによって、補完関係の計量皿2とし、補完関係の計量皿において、カットねぎの重量を調整することによって、2つの適量の計量皿2とすることができるので、計量作業の効率が一層向上する。
なお、上記では、作業者が、収納容器からカットねぎを取り出して、第3の有用な重量関係が成立する2つの軽量の計量皿2があるときには、その2つの軽量の計量皿2の表示灯4を、いずれも「青色」の点灯へ切替えたが、一方の表示灯4のみを「青色」の点灯に切替えるようにしてもよい。
[その他の実施形態]
本発明の他の実施形態として、制御ユニット6,6aの制御部20,20aでは、軽量の計量皿2の被計量物の重量と、所定重量範囲を定める下限重量値との重量差、及び、過量の計量皿2の被計量物の重量と、所定重量範囲を定める上限重量値との重量差をそれぞれ算出し、その重量差に応じて、表示灯4を点灯させる輝度レベルや色の濃淡を異ならせるようにしてもよい。
例えば、重量差が小さいときには、輝度レベルを高く(低く)し、重量差が大きいときには、輝度レベルを低く(高く)するようにしてもよい。
これによって、作業者は、軽量の計量皿2の被計量物の不足重量の程度、あるいは、過剰の計量皿2の被計量物の過剰重量の程度を認識することができ、軽量の計量皿2に追加すべき被計量物の重量、あるいは、過量の計量皿2から取り除くべき被計量物の重量を認識できることになり、適量の計量皿2にするための重量の調整がし易くなり、計量作業の効率が向上する。
上記実施形態では、組合せ秤に適用して説明したが、本発明の計量装置は、組合せ秤に限らず、上記単独計量運転モードが実行できる計量装置であればよい。
上記実施形態の表示灯4の点灯や点滅の色は、一例であり、他の色でよいのは勿論であり、また、表示灯4の数も上記に限らず、増やしてもよい。
また、表示灯4による報知に限らず、例えば、小さな液晶表示部等を設け、報知内容を表示してもよく、更に、視覚的な報知に限らず、音声メッセージ等の聴覚的な報知としてもよく、それらを組合せてもよい。