JP6644275B2 - ポリロタキサン及びゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、ポリロタキサン及びゴム組成物に関する。
ポリロタキサンは、包接した環状分子が直鎖状分子に串刺し状に貫通する構造を持つユニークな分子集合体であり、これを含む組成物については、様々な物性の向上が報告されている。特に、ポリロタキサンが架橋された架橋ポリロタキサンは、環状分子(例えばシクロデキストリン)が直鎖状分子に沿って滑車のように移動することが可能なためスライドリングマテリアルとして注目されており、優れた伸縮性や粘弾性、機械的強度を有する。さらに、スライドリングマテリアルは、張力が加わっても、この滑車効果によって当該張力を均一に分散させることができるので、これを用いた材料はクラックや傷が極めて生じ難いという優れた性質を有する。
ポリロタキサンを含有したゴム組成物としては、上述の性質を利用した、タイヤの硬度低下を起こすことなく操縦安定性並びに耐久性を改善できるタイヤリムクッションまたはガクフィニッシング用ゴム組成物が報告されている(例えば、特許文献1)。
特開2014−34623号公報
ポリロタキサンをゴム組成物中に配合する場合に、ゴムと同じような構成成分、すなわちジエン系ポリマー、特に1,4−ポリブタジエンを直鎖状分子の主鎖とするポリロタキサンを用いることは、ポリロタキサンの組成物中への分散性向上に大きく貢献できると期待できる。
しかしながら、特許文献1に示されるように、これまでのゴム組成物に配合されてきたポリロタキサンは、主鎖分子をポリエチレングリコール(PEG)とするものがほとんどであり、1,4−ポリブタジエンに関する報告例はわずかである。
また、ポリブタジエン部分に環状分子の移動を阻害する因子、特に側鎖にビニル基が存在する場合、それがわずかな場合であっても、環状分子が移動できる範囲もしくは一定時間内に移動できる範囲が大幅に狭められ、スライドリングマテリアルとしての十分な滑車効果が得られない結果を招くことが予想される。
これに対し、環状分子の環のサイズを単に大きい分子に変更する方法も考えられる。しかし、環が大きくなることで余分な分子も内包されるデメリットや環状分子の離脱を防止するために直鎖状分子の末端に結合される封鎖分子を環状分子のサイズに合わせて大きくする必要性が生じることも想定される。
このような理由から、環状分子を広い範囲でかつすみやかに移動できるジエン系ポリマーを含むポリロタキサンの構築、及びそのようなポリロタキサンを含むゴム組成物が望まれていた。
本発明は前記事項を考慮し、直鎖状分子上を環状分子がすみやかに移動することが可能なポリロタキサン、及びそれを含むゴム組成物の提供を目的とする。
<1>ビニル結合量0.01%以下の1,4−ポリブタジエンに由来する構造を含む直鎖状分子と、前記直鎖状分子を串刺し状に包接する環状分子と、前記直鎖状分子の両末端に配置され前記環状分子の脱離を防止する封鎖基と、を有するポリロタキサンである。
<2>前記環状分子の前記直鎖状分子に対する包接率が1%〜30%である<1>に記載のポリロタキサンである。
<3>前記環状分子がα−シクロデキストリンである<1>又は<2>に記載のポリロタキサンである。
<4>前記封鎖基が、アダマンタン基である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリロタキサンである。
<5>前記直鎖状分子の重量平均分子量が1,000〜50,000である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のポリロタキサンである。
<6>前記環状分子がエポキシ基、カルボキシル基、水酸基及びアミノ基から選ばれる少なくとも一つを有する<1>〜<5>のいずれか1つに記載のポリロタキサンである。
<7><1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリロタキサンと、変性ジエン系ゴムを含むゴム成分と、を含み、前記ゴム成分が、前記ポリロタキサンとウレタン結合を介して前記変性ジエン系ゴムの少なくとも一部が結合している分子を含むゴム組成物である。
<8>前記変性ジエン系ゴムがイソシアネート基を有する<7>に記載のゴム組成物である。
<9>前記イソシアネート基を有する変性ジエン系ゴムの含有量が、前記ゴム成分の全質量に対して0.5質量%〜30質量%である<8>に記載のゴム組成物である。
<10>前記ポリロタキサンの含有量が、前記ゴム成分の全質量に対して0.5質量%〜10質量%である<7>〜<9>のいずれか1つに記載のゴム組成物である。
本発明によれば、直鎖状分子上を環状分子がすみやかに移動することが可能なポリロタキサン、及びそれを含むゴム組成物を提供することができる。
本発明のポリロタキサンを概念的に示す摸式図である。 1,4−ポリブタジエン誘導体1aをH−NMRにより測定した結果を示す図である。 (A)1,4−ポリブタジエン誘導体1a及び同1bをH−NMRにより測定した結果を示す図である。(B)1,4−ポリブタジエン誘導体1a及び同1bをATR−FTIRにより測定した結果を示す図である。 (A)1,4−ポリブタジエン誘導体1b及び同2をH−NMRにより測定した結果を示す図である。(B)1,4−ポリブタジエン誘導体1b及び同2をATR−FTIRにより測定した結果を示す図である。 1,4−ポリブタジエン誘導体2、アダマンタン、αシクロデキストリン及びポリロタキサンをATR−FTIRにより測定した結果を示す図である。 (A)アセチル化ポリロタキサンをH−NMRにより測定した結果を示す図である。(B)アセチル化ポリロタキサンのGPCクロマトグラムを示す図である。 ポリロタキン、1,4−ポリブタジエン誘導体2及びαシクロデキストリンについてのTGA測定の結果を示す図である。
本発明のポリロタキサンは、ビニル結合量0.01%以下の1,4−ポリブタジエンに由来する構造を含む直鎖状分子と、前記直鎖状分子を串刺し状に包接する環状分子と、前記直鎖状分子の両末端に配置され前記環状分子の脱離を防止する封鎖基と、を有する。
尚、明細書等において、数値範囲を表す「〜」はその上限及び下限の数値を含む範囲を表す。
ここで「ロタキサン」とは、図1に示すように、環状分子1の環を直鎖状分子2が貫通しており、さらに直鎖状分子の両末端に環状分子が抜けないように嵩高い分子(封鎖基3)が結合された構造を有する分子複合体を意味する。また、ロタキサンにおいて環状分子が複数存在するものを「ポリロタキサン」と称する。本発明のポリロタキサンは、その直鎖状分子が1,4−ポリブタジエンを主要な構成部分とするものである。また、ポリロタキサンには、その環状分子を変性あるいは他の基で修飾したものも含まれる。本発明のポリロタキサンは、ビニル基の結合量(ビニル結合量)が0.01%以下であるポリブタジエン部分を直鎖状分子の主鎖とすることで、環状分子の移動を阻害する要因を大きく低減させることができる。また、環状分子の主鎖上での移動を阻害する要因が低減されるために、環状分子の移動範囲があらかじめ予想しやすくなる。このため、例えば、スライドリングマテリアルなどに用いられるような修飾された環状分子を持つポリロタキサンにおいても、その主軸方向における該環状分子の大きさを考慮し、該環状分子を導入する数を調節するだけで、該環状分子の移動範囲を確保できるようになる。
「直鎖状分子」とは、ポリロタキサンの環状分子を貫通する分子のことである。直鎖状分子の主要な高分子鎖を主鎖という。なお、直鎖状分子は封鎖基を含まないが、封鎖基を連結する部分を含む。本発明において「主鎖」とは、上述のように、1,4−ポリブタジエン部分をさし、封鎖基との連結基を含む。ここで、「ポリブタジエン部分」と称した場合、直鎖状分子の主鎖のうち連結基を除いた部位を意味する。また、封鎖基を有しないが、封鎖基との連結基もしくは連結基を導入する前の置換基を有する1,4−ポリブタジエンを、「1,4−ポリブタジエン誘導体」と称する。更に、メタセシス重合によってジエンモノマー誘導体が重合したものも、1,4−ポリブタジエン誘導体と称する。なお、1,4−ポリブタジエンを単に「ポリブタジエン」と称することがある。
「ビニル結合量」とは、主鎖である1,4−ポリブタジエン部分に側鎖基として存在するビニル基のブタジエン1ユニットに対する存在比率を意味する。ここで、ブタジエンの「ユニット」とは、1,4−ポリブタジエンを構成する炭素数4の構成単位を指す。従って、例えばビニル結合量が25%であれば、1,4−ポリブタジエン部分の4つのブタジエンユニットに対して1つのビニル基が存在することを示す。ビニル結合量は、例えば、1,4−ポリブタジエン誘導体又はポリロタキサンをH−NMR(400MHz)によって測定することによって算出することができる。
また、「反応基」とは、他の分子と結合できる基であり、かつ環状分子に結合した基である。
包接率とは、直鎖状分子において、主鎖のポリブタジエン部分に対して環状分子が包接する割合(%)をいい、例えば、シクロデキストリンを環状分子として有する場合には、主鎖のポリブタジエン部分のブタジエン1.5ユニットに環状分子が一つ包接した状態を100%とした場合における相対値(%)として表す。従って、包接率は、下記式(1)で示されるように、直鎖状分子の重量平均分子量(以下、単に分子量と称することがある)から算出された、ポリロタキサン1分子中のポリブタジエン部分が有する総ユニット数に対する、ポリロタキサン1分子中の環状分子の数から算出される。なお、シクロデキストリン以外の分子を環状分子として有する場合は、上記とは異なったユニット数のブタジエン部分をその環状分子が一つ包接した状態が100%と定義される。
包接率(%)=(ポリロタキサン1分子中の環状分子の数×2)/(ポリロタキサン1分子中のポリブタジエン部分の総ユニット数×3)×100・・・式(1)
ポリロタキサンそのものを熱重量測定(TGA測定)することによって包接率を求めることができる。TGA測定では、ポリロタキサンそのものの粉末を用い、温度上昇に伴って重量減少する場合の、重量と温度との相関を示す波形を得ることができる。直鎖状分子(1,4−ポリブタジエン誘導体)をTGA測定した場合に得られた重量と温度との相関を示す波形、及び環状分子をTGA測定した場合に得られた重量と温度との相関を示す波形をそれぞれ比較し、ポリロタキサンの重量減少分の全量における1,4−ポリブタジエンの重量減少分と環状分子の重量減少分を特定し、それらの重量比率を算出することができる。このため、直鎖状分子のポリブタジエン部分の分子量及び環状分子の分子量が判明している場合には、直鎖状分子であるポリブタジエン誘導体1分子に包接する環状分子の数、すなわちポリロタキサン中の環状分子の数を算出できるので、包接率を決定することができる。
以下、詳細について説明する。
<ポリロタキサン>
(直鎖状分子)
ポリロタキサンにおいて、直鎖状分子は、ビニル結合量0.01%以下の1,4−ポリブタジエンに由来する構造を含む分子である。直鎖状分子は、環状分子の環を串刺し状に貫通し、さらに両末端に封鎖基を有するための連結部分(連結基)を含む。即ち、直鎖状分子は、複数の環状分子に包接されており、環状分子が直鎖状分子に沿って滑車のように移動することで優れた伸縮性や粘弾性、機械的強度を発揮することができる。
直鎖状分子を構成するポリブタジエン部分(主鎖のうち連結基を含まない部分)は、包接する環状分子が十分に移動することが可能であって、十分に滑車効果を発揮できるように、主鎖の1,4−ポリブタジエンに対する側鎖基であるビニル基の結合量(ビニル結合量)が0.01%以下である。前記ビニル基の結合量が0.01%を越えると十分にスライドリングマテリアルの性能を発揮できないことがある。前記ビニル基の結合量は、少ないほど好ましく、0%であることが特に好ましい。ポリブタジエン部分のビニル結合量が0%とは、ポリブタジエン部分に、実質的にビニル基(ビニル結合)が存在しない(測定できる範囲でビニル基の存在を確認できない)ことを意味する。
また、ポリブタジエン部分のビニル基は、例えば、1,4−ポリブタジエン誘導体のH−NMR(400MHz)測定によって得られる側鎖ビニル基に結合したプロトン(5.9〜6.3ppm)の存在(スペクトルのピーク)によって確認でき、ビニル結合量は、そのピークの積分値で算出される。この場合に、H−NMR測定における積算回数は、測定する試料中の1,4−ポリブタジエン誘導体の濃度によるが、例えば5mg/mlの場合、積算回数は128回以上であることが好ましい。
直鎖状分子を構成するポリブタジエン部分の調製方法は、ビニル結合量が0.01%以下になるような調製方法であれば特に限定されないが、例えば特表2009−528434号公報に示される方法を参考に調製することができる。すなわち、鎖状(非環式)のジエンモノマーの両末端の炭素に「置換基」が結合したジエンモノマー誘導体を、有機基を有する金属触媒によってメタセシス重合させることによって、ポリブタジエン部分の両末端に置換基が導入された1,4−ポリブタジエン誘導体を得ることができる。ジエンモノマー誘導体とは、重合によって1,4−ポリブタジエン誘導体を形成できるようなモノマーをいう。
一方、環状のジエンモノマーであれば、開環重合反応において、環が開く前の炭素−炭素結合を形成する2か所の炭素に「置換基」が結合したジエンモノマー誘導体について、前記と同様の方法で、ポリブタジエン部分の両末端に置換基が導入された1,4−ポリブタジエン誘導体を得ることができる。
メタセシス重合に用いられる前記ジエンモノマーに結合させることができる置換基は、ポリマー調製後に導入する封鎖基の種類を考慮して適宜選択されるが、例えば、ヒドロキシル、カルボン酸、エステル、カーボネート、環状カーボネート、酸無水物、環状酸無水物、ラクトン、アミン、アミド、エーテル、アルデヒド、チアゾリン、オキサゾリン、フェノール、メラミン及びこれらの複合物から選択される基が挙げられる。これらの中でも、メタセシス重合への影響のなさと、置換の容易さとその安定性から、ヒドロキシル、カルボン酸、エステル、ラクトン及びアミドから選択される基が好ましい。
前記置換基は、封鎖基と連結する連結基となる場合がある。また、前記置換基を更に別の基で修飾して前記封鎖基と連結する直鎖状分子の連結基としてもよい。尚、連結基の詳細については後述する。
メタセシス重合によって得られる1,4−ポリブタジエンを形成するためのモノマーとしては、1,3−ブタジエン等の鎖状ジエンモノマーや、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン等の環状のジエンモノマーが挙げられる。また、前記ジエンモノマー誘導体のジエン部位も前記モノマーに由来する構造を有するものを好適に用いることができる。
メタセシス重合を利用して本発明における1,4−ポリブタジエン誘導体を調製する場合は、特許第5276452号を参考にして、上記の環状のジエンモノマーの適切な2箇所に置換基を導入したジエンモノマー誘導体を用いることができる。
前記ジエンモノマー誘導体を用いたメタセシス重合においては、開環式ジエンメタセシス重合(ROMP)法によって本発明における直鎖状分子を調製するための1,4−ポリブタジエン誘導体を調製することができる。
また、前記文献を参考にして、適切な2箇所に置換基を導入した非環状のオレフィン化合物あるいは環状のオレフィン化合物と、上記の1,5−シクロオクタジエン又は1,5,9−シクロドデカトリエン等の環状のジエンモノマーとの、開環式ジエンメタセシス重合(ROMP)法による共重合によっても、本発明における直鎖状分子を調製するための1,4−ポリブタジエン誘導体を調製することができる。
前記メタセシス重合に用いる触媒としては、有機基を有する金属触媒(メタセシス触媒)を用いることが好ましい。中でも、前記金属触媒としては遷移金属カルベン錯体が挙げられる。遷移金属カルベン錯体は、正電荷を持つ5配位又は6配位の金属原子を中心とした構造を有する。遷移金属カルベン錯体に用いられる金属原子としては、IUPAC慣例法に従う周期表の3族から12族の遷移金属が挙げられる。これらの金属原子の中でも、ビニル結合量(%)を0%に近づける観点から、ルテニウムが好ましい。
前記遷移金属カルベン錯体としては、例えば、ルテニウムカルベン錯体であるグラブス触媒と称されるものを挙げることができる。前記グラブス触媒としては、特表2009−528434号公報に示されるルテニウム(Ru)系メタセシス触媒又はオスミウム(Os)系メタセシス触媒等を適宜使用することができる。
本発明におけるポリブタジエン誘導体の具体的な調製方法としては、例えば、前記文献の実施例に記載の合成による方法が挙げられる。すなわち、シス−1,4−ジアセトキシ−2−ブテンと1,5−シクロオクタジエンとを、適切な溶媒中、[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(グラブス第二世代触媒とも称する)を触媒とする共重合反応によって、末端にのみアセチル基を有する1,4−ポリブタジエンを得ることができる。
直鎖状分子の分子量としては、重量平均分子量で1,000〜50,000であることが好ましい。1,000以上であることで、環状分子を直鎖状分子により包接させ易くし、さらに環状分子の可動範囲をより有効な範囲とすることができ、50,000以下とすることで、溶剤への溶解性をより高めることができる。前記直鎖状分子の重量平均分子量としては、1,500〜30,000であることが更に好ましく、2,000〜10,000であることがより好ましく、3,000〜10,000であることが特に好ましく、4,000〜8,000であることが最も好ましい。なお、前記直鎖状分子の重量平均分子量は、例えば、GPC測定による方法や光散乱法による測定方法によって得ることができる。
また、前記ポリブタジエン部分に含まれる二重結合の両側に位置するメチレン基の結合タイプ(シスとトランス)については特に限定されないが、ポリロタキンの環状分子の移動しやすさの観点から、好ましくはシス−トランス比(シス/トランス)は、50/50〜80/20が好ましく、より好ましくは60/40〜70/30である。
(環状分子)
環状分子としては、環状構造を有し、本発明における直鎖状分子を串刺し状に包接して、ポリブタジエン部分を移動できるものであれば特に制限されない。なお、ここで、「直鎖状分子を串刺し状に包接する」とは、環状分子の環を直鎖状分子が貫通している状態を意味する。本発明において、「環状分子」とは完全に閉環ではないものも含めた種々の環状分子をいい、実質的に環状である分子又は物質をいう。即ち「実質的に環状である」とは、英字の「C」のように、完全に閉環でないものを含む意であり、英字の「C」の一端と多端とが結合しておらず重なった螺旋構造を有するものも含む意である。
また、特開2009−62484号公報に記載の「ビシクロ分子」についての環についても、環状分子の「実質的に環状である」と同義に定義することができる。即ち、「ビシクロ分子」の一方の環又は双方の環は、英字の「C」のように、完全に閉環ではないものであってもよく、英字の「C」の一端と他端とが結合しておらず重なった螺旋構造を有するものであってもよい。
環状分子としては、例えば、種々のシクロデキストリン類(α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、これらの誘導体又は変性体)、クラウンエーテル類、ベンゾクラウン類、ジベンゾクラウン類、ジシクロヘキサノクラウン類、ならびにこれらの誘導体が挙げられる。
シクロデキストリン類の場合の環を形成する糖の数は特に限定されるものではないが、ブタジエン部分を移動でき更に封鎖基によって封鎖できる観点から、5〜10が好ましく、6〜8が更に好ましい。
これらの環状分子の中でも、1,4−ポリブタジエンで構成される直鎖状分子への包接に適した環の大きさ、及びポリブタジエン部分上をすみやかに移動できる、という観点から、α−シクロデキストリン及びこれらの誘導体が好ましい。α−シクロデキストリンは、ポリブタジエン部分を包接するのに適した内腔の大きさを有し、さらにα−シクロデキストリンがポリブタジエン部分を包接した場合には、他の分子がα−シクロデキストリンの内腔に入り込む余地を大きく制限する。このため、該ポリロタキンは、環状分子であるα−シクロデキストリンの滑車効果を高め、かつその効果をより広い環境下で維持できるようになる。
シクロデキストリン誘導体とは、後述するように、例えば、アミノ体、トシル体、メチル体、プロピル体、モノアセチル体、トリアセチル体、ベンゾイル体、スルホニル体およびモノクロロトリアジニル体等の化学修飾を意図したものである。
環状分子は、さらに反応基を有することが好ましい。なお、環状分子の反応基は、その環状分子が元々有する構造に由来するものであってもよいし、別途導入したものでもよい。また、反応基は後述する封鎖基とは反応しない基が好ましい。反応基を有していることによって、例えば、後述するジエン系ゴムの変性基と反応させることが容易になる。このような反応基としては、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、チオール基、アルデヒド基などを挙げることができる。これらの中でも、水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びエポキシ基が好ましく、水酸基及びカルボキシル基がより好ましい。
前記反応基以外の基も環状分子に導入することができる。例としては、アセチル基、プロピル基、ヘキサノイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、シクロヘキシル基、ブチルカルバモイル基、ヘキシルカルバモイル基、フェニル基、ポリカプロラクトン基、アルコキシシラン基、アクリロイル基、メタクリロイル基またはシンナモイル基、ポリマー類(ポリカプロラクトン基、ポリカーボネート基、ポリエステル基、ポリアミド基、ポリウレタン基など)、もしくはこれらの誘導体が挙げられる。また、前記反応基が直接環状分子に結合されても、反応基以外の基を介して環状分子に結合されてもよい。
前記環状分子の、直鎖状分子に対する包接率は、直鎖状分子、主にポリブタジエン部分の鎖長を考慮し適宜調節されるが、ポリロタキサンの滑車効果の向上という観点から、1%〜30%とすることが好ましい。1%以上であることで、スライドリングマテリアルとした時において、他の成分との結合をより高め、30%以下であることで、環状分子の移動範囲がより大きくなるので滑車効果をより高めることができる。さらに、1%〜15%が好ましく、1%〜10%がより好ましく、1%〜5%が特に好ましい。
(封鎖基)
封鎖基は、主鎖であるポリブタジエン部分の両末端に連結部分を介して配置され、環状分子が脱離しないように作用する基であれば、特に限定されない。
封鎖基の炭素数は特に限定はないが、十分に環状分子の離脱を抑制する観点から、6〜90が好ましく、6〜50が更に好ましい。また封鎖基の構造は特に限定されるものではないが、環状構造、立体構造又はこれらと鎖状構造の組み合わせなどを選択することができる。
封鎖基としては、例えば、置換基を有していてもよいジニトロフェニル基、置換基を有していてもよいシクロデキストリン、置換基を有していてもよいアダマンタン基、置換基を有していてもよいトリチル基、置換基を有していてもよいフルオレセイン類、置換基を有していてもよいシルセスキオキサン類、置換基を有していてもよいナフタレン基、置換基を有していてもよいピレン基および置換基を有していてもよいステロイド類からなる群から選択することができる。
前記置換基としては、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、シアノ基、スルホニル基、カルボキシル基、アミノ基又はフェニル基が好ましい。また、封鎖基は置換基を1つまたは複数有していてもよい。
前記の中でも、安定性から、置換基を有していてもよいアダマンタン基及びは置換基を有していてもよいピレン基が好ましい。さらに好ましい基は、置換基を有していてもよいアダマンタン基であり、特にアダマンタン基、すなわち無置換のアダマンタン基が好ましい。
また、前記の基に加えて、「イオン性」を有する基を挙げることができる。「イオン性」を有する基のイオン性と、環状分子の有するイオン性とが相互に影響を及ぼしあい、例えば反発し合うことにより、環状分子が直鎖状分子に串刺しにされた状態を保持することができる。具体的には、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基などのジニトロフェニル基類が挙げられる。
また、封鎖基とポリブタジエン部分の末端との結合部分は、特に限定されるものではないが、ポリロタキサン調製の観点から、直鎖状分子と封鎖基とが結合した分子としては、下記一般式(1)に表される構造を有することが好ましい。下記一般式(1)で表される分子に環状分子が包接されたものが、本発明のポリロタキサンとなる。
一般式(1)中、Yは封鎖基を表す。X及びXはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基を表し、Rは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニレン基を表し、nは10〜900である。
及びXにおける2価の連結基としては、エーテル、エステル、アミド、スルフィド、スルホニルが挙げられる。XとXは互いがそれぞれ同じであっても異なってもよいが、直鎖状分子の調製における容易さから、異なっていることが好ましい。また、分子の両末端に位置するそれぞれのX(もしくはX)は、異なっていてもよいし同じでもよいが、ポリロタキサン調製の観点から同じであることが好ましい。
前記のRについては、封鎖基の導入の容易さ、および封鎖基導入後の安定性から、さらに炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましい。
nとしては、10〜900であり、20〜550であることがさらに好ましく、30〜175がより好ましく、50〜175であることが特に好ましく、65〜140であることが最も好ましい。
一般式(1)中、Yで示される封鎖基は、上述の封鎖基を意味し、好ましい範囲も同じである。
(ポリロタキサンの好適な態様)
ポリロタキサンの好適な態様としては、例えば、下記に示すように、上述の直鎖状高分子、環状分子、及び封鎖基を組み合わせたポリロタキサンが挙げられる。
直鎖状分子及び封鎖基の組み合わせ:一般式(1)において、X及びXがそれぞれ独立にエステル又はアミド、Rが炭素数2〜8のアルキレン基、及びYがアダマンタン基
環状分子:αシクロデキストリン又はβシクロデキストリン
また、さらに好適な態様としては、下記に示すポリロタキサンが挙げられる。
直鎖状分子と封鎖基:一般式(1)において、Xがエステル、Xはアミド、Rが炭素数4〜6のアルキレン基、及びYがアダマンタン基
環状分子:αシクロデキストリン
(ポリロタキサンの製造方法)
本発明のポリロタキサンは、以下の(1)〜(4)の工程にて製造することができる。但し、本発明のポリロタキサンの製造方法はこの製造方法には限定されない。なお、以下の環状分子には反応基を有する環状分子も含まれる。
(1)ジエンモノマー誘導体をメタセシス重合させることによって、1,4−ポリブタジエン誘導体を得る工程
(2)ポリブタジエン誘導体の末端置換基を変換して直鎖状分子を調製する工程
(3)環状分子と直鎖状分子とを混合し、前記環状分子の中空部に直鎖状分子を貫通させ、封鎖基を有しないポリロタキサン(擬ポリロタキサン)を得る工程
(4)環状分子が前記直鎖状分子から脱離しないように、前記直鎖状分子の両末端を封鎖基で封鎖してポリロタキサンを得る工程
前記(1)の工程は、上述のジエンモノマー誘導体をメタセシス重合させることによって得られる。ここで、ジエンモノマー誘導体が有する置換基は、次の工程(2)において、直鎖状分子が有する連結基を結合できるようにさせるために、適宜選択される。
前記(2)の工程は、工程(1)で得られた1,4−ポリブタジエン誘導体の置換基をさらに他の置換基に変換する工程である。変換する方法としては、通常の有機合成反応を利用した誘導法による変換方法を用いることができる。この場合に、ポリブタジエン部分の末端に連結基が形成されるまで、複数の誘導段階を経てもよい。
また、工程(1)で得られた1,4−ポリブタジエン誘導体の置換基によっては、(1)の工程の後、(2)の工程を経ないで、(3)の工程を行うことで、擬ポリロタキサンを得てもよい。
前記(3)の工程は、環状分子を直鎖状分子に包接させる工程である。本工程においては、擬ポリロタキサンを得ることができるが、環状分子の直鎖状分子への包接量を良好に制御しながら行うとよい。この場合に、環状分子と直鎖状分子とを混合させる時間、湿度、温度、圧力及び用いる直鎖状分子の分子量について制御することができる。より具体的には、例えば、環状分子の飽和溶液中に、過剰な直鎖状分子を溶解する方法などが挙げられる。
直鎖状分子に環状分子を包接させる場合には、有機溶剤中又は水溶液と有機溶剤の混合溶媒中に溶解させた直鎖状分子と環状分子をそのまま静置させるか、超音波を発生させながら数時間から数十時間置いてもよい。また、適宜温度条件を調製することが好ましい。
次に、前記静置後又は超音波処理後は、反応液を、遠心分離、凍結乾燥、熱風乾燥、減圧蒸留、減圧乾燥、真空乾燥などによって、溶媒を除去して、擬ポリロタキサンを得ることができる。また、適宜、溶媒により洗浄するなどして、より純度の高い擬ポリロタキサンを得てもよい。
前記(4)の工程は、環状分子が直鎖状分子から脱離しないように、直鎖状分子の両末端を封鎖基で封鎖して、ポリロタキサンを得る工程である。封鎖基は通常の有機合成反応を利用した方法で導入できる。反応において使用する溶剤においては、適宜選択することが好ましいが、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)及びアセトニトリルなどが挙げられる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、前記のポリロタキサンとゴム成分とを含むゴム組成物である。該ゴム成分は、特に限定はないが、ジエン系ゴムを用いることができる。前記ゴム成分としては、具体的には、天然ゴム(NR)の他、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、イソブテン−イソプレン共重合体(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等を用いることができ、これらの中でも、ブタジエンゴム(BR)が好ましい。これらの成分は、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。ブタジエンゴム(BR)としては、ビニル含有量が10%〜80%であるものがさらに好ましい。このようなブタジエンゴムとしては、例えば、旭化成株式会社製のタフデン2000R等が挙げられる。
ゴム組成物は、ゴム成分全体を100質量%とした場合に、前記ポリロタキサンを0.5質量%〜10質量%で配合することが好ましい。ポリロタキサンが0.5質量%以上では、ポリロタキサンの添加に基づく効果をさらに有効に発揮することができる。10質量%以下では、破断物性を高め、ウェット性能がより向上する。さらに、ポリロタキサンが1質量%〜5質量%配合されることが特に好ましい。
ゴム組成物は前記ポリロタキンをそのまま含んでいてもよいが、ゴム組成物の破断特性を向上させるという観点から、ゴム組成物は、ゴム成分として変性ゴムを含み、さらに、前記ゴム成分が、前記ポリロタキンと前記変性ゴムの少なくとも一部が結合している分子を含むことが好ましい。「前記ポリロタキンと前記変性ゴムの少なくとも一部が結合している分子」とは、変性ゴム中に存在する複数の官能基(以下変性基とも称する)全体のうちの少なくとも一つがポリロタキンと結合している分子のことをいう。ここで、ポリロタキサンに結合する前記変性ゴム中の変性基の数の前記変性ゴム全体数に対する割合は、前記ゴム組成物中に含ませる変性ゴムの含有量やポリロタキサン等の配合比率により適宜調整されることが好ましい。
前記ポリロタキンと前記変性ゴムとの結合の種類は、結合の安定性という観点から、ウレタン結合を介して結合されていることが好ましい。
また、ゴム成分に含める変性ゴムの種類は、特に限定されないが、上記のゴムとの相溶性の観点から、変性ジエン系ゴムが好ましい。
変性ジエン系ゴムに用いる変性基としては、ポリロタキサンの環状分子に結合した反応基と化学結合が可能な基であれば特に制限はなく、具体例としては、イソシアネート基、チオール基、無水マレイン酸基、水酸基又はエポキシ基等が挙げられる。これらの中でも、ゴム組成物の破断特性を向上させる観点から、イソシアネート基及びチオール基が好ましい。また、ウレタン結合を介して前記ポリロタキサンと変性ジエン系ゴムとが結合した分子を含む場合には、前記変性ジエン系ゴムがイソシアネート基を含むものであることが好ましい。前記変性ジエン系ゴムがイソシアネート基を含むことによって、前記変性ジエン系ゴムのイソシアネート基の一部がポリロタキン中の環状分子の反応基と容易に反応して結合を形成する。従って、ゴム組成物中にイソシアネート基を有する変性ジエン系ゴムとポリロタキサンを含めて混合させた場合には、ポリロタキサンがウレタン結合を介して変性ジエン系ゴムと結合した分子が必ず存在することになる。
また、上記のイソシアネート基の一部とポリロタキン中の環状分子の反応基を反応させる場合には、必要に応じて触媒を用いてもよく、例えばジラウリン酸ジブチル錫などが好適に用いられる。
上記のイソシアネート基を有する変性ジエン系ゴムとしては、特開昭62−101638号公報で示されるように公知技術により調製可能であり、イソシアネートは例えば市販品(例えば、日本ポリウレタン社製、ミリオネートシリーズ)を利用できる。
また、前記ゴム成分中における前記イソシアネート基を有する変性ジエン系ゴムの含有量としては、前記ゴム成分の全質量に対して0.5質量%〜30質量%であることが好ましい。前記変性ジエン系ゴムの含有量が0.5質量%以上であると、前記ポリロタキサンとのウレタン結合の形成をより十分に行うことができ、30質量%以下であることで、ゴム組成物としての破断特性をより高めることができる。また、変性ジエン系ゴムの含有量として、前記ゴム成分の全質量に対して5質量%〜25質量%であることが特に好ましい。
前記ポリロタキサンの環状分子の反応基としては、上述したような種類が挙げられる。変性ジエン系ゴムの変性基とポリロタキサンの環状分子の反応基との組合せとしては、これらの反応性から、前記変性基としてイソシアネート基と、前記反応基としてカルボキシル基又は水酸基と、の組合せが好ましい。
また前記に加えて、ポリロタキサンの環状分子とゴム成分としてのジエン系ポリマーとの結合は、架橋剤による化学結合であってもよい。
本発明のゴム組成物には、前記した成分に加えて、一般的なゴム用架橋剤を用いることができ、ゴム用架橋剤と加硫促進剤とを組み合わせて用いることが好ましい。ここで、ゴム用架橋剤としては、硫黄等が挙げられ、ゴム用架橋剤の使用量は、ゴム成分100質量%に対して硫黄分として0.1質量%〜10質量%の範囲が好ましく、1質量%〜5質量%の範囲がさらに好ましい。ゴム用架橋剤の配合量が、ゴム成分100質量%に対しての硫黄分として0.1質量%以上では、加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性及び低発熱性をより高めることができ、10質量%以下であれば、より好ましいゴム弾性が得られる。また、加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジベンゾチアジルスルフィド(DM)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(NS)等のチアゾール系加硫促進剤、ジフェニルグアニジン(DPG)等のグアニジン系加硫促進剤等が挙げられる。該加硫促進剤の使用量は、ゴム100質量%に対して0.1質量%〜5質量%の範囲が好ましく、0.2質量%〜3質量%の範囲がさらに好ましい。これらの加硫促進剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物には、前記以外にも、例えば、一般的なゴム組成物に用いられるカーボンブラックやシリカ等の充填剤、アロマオイル、軟化剤、老化促進剤、可塑剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等の無機充填剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することがすることができる。
また、ゴム組成物の調製においては、本発明の効果を損なわない限り、上記の各成分を配合させる順序は特に限定されないが、ゴム組成物中のポリロタキサンと変性ジエン系ゴムとのウレタン結合の形成を促進させる観点から、ゴム組成物を加硫させる場合には、まず硫黄や加硫促進剤を除いた各成分を混合させてウレタン結合を形成させた混合物を得た後、得られた混合物にさらに硫黄と加硫促進剤を添加して加硫処理を行うことが好ましい。
また、ゴム組成物の加硫処理後は、室温にまで下げて、そのまま7日間程度静置しておくことで、熟成させることが可能である。
本発明のゴム組成物は、上記の各成分をプラストミル、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー及びインターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤのトレッドゴム、アンダートレッド、サイドウオール、ビード等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホース、その他の工業製品等にも用いることができるが、タイヤのトレッドゴムとして特に好適である。
本発明のゴム組成物を含む空気入りタイヤは、前記ゴム組成物を用いて得られたトレッドゴムを装備する。該タイヤは、ヒステリシスロス(tanδ)が高く、耐久性に優れた前記のゴム組成物をトレッドゴムに適用しているため、操縦安定性及び耐久性に優れる。なお、該タイヤは、前記のゴム組成物をトレッドゴムに用いる以外に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
(各種測定法)
[NMR測定]
NMR測定は、NMR装置(JNM−AL400 spectrometer、JEOL社製)を用いたH−NMR(400MHz)測定により行った。また、測定は、試料を重水素化クロロホルム(CDCl)中に溶解させ、25℃で行った。
[GPC測定]
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)測定は、分析用GPCカラム(LF−804、Shodex社製(長さ30cm))を装備したクロマトグラフィーシステム(LCsolution、島津製作所社製)によって、下記の条件にて測定した。
・カラム温度:40℃
・流速:1.0ml/分・溶離液:クロロホルム
・検出方法:示唆屈折(RI)
・分子量算出方法:ポリエチレングリコールを標準試料として用い、前記システム付属のLCsolutionによって分子量(Mw及びMn)を算出した。
[TGA測定]
TGA(熱重量測定)はThermoPlusEvo(リガク社製)を用いて、窒素雰囲気下、下記の条件にて行った。
・測定温度範囲:50℃〜500℃
・測定感度:0.1μg
・昇温速度:5℃/分
[ATR−FTIR]
全反射赤外分光法(ATR−FTIR)による測定は、N(Thermo Fisher Scientific社製)を用いて、室温で行った。
(試薬)
ポリロタキサン等の合成及び各種測定に用いるための試薬は、すべて市販のものを用いた。
<ポリロタキサンの合成>
本発明のポリロタキサンの合成スキームの概略を下記に示す。
まず、ジエンモノマー誘導体の重合によって得られた1,4−ポリブタジエン誘導体1aの末端をさらに改変して1,4−ポリブタジエン誘導体2とし、さらに環状分子を包接させた後に封鎖基を導入することで、本発明のポリロタキサンを調製した。
以下にポリロタキサンを構成する各分子及びそれらに用いる分子の合成方法について説明する。なお、下記に示す「擬ポリロタキサン」とは、1,4−ポリブタジエン誘導体に環状分子が包接され、封鎖基を有しない複合体をさす。
(直鎖状分子の合成)
〜1,4−ポリブタジエン誘導体1aの合成〜
アルゴン雰囲気下、シス−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン(アルドリッチ社製、純度95%)3.6gと1,5−シクロオクタジエン(アルドリッチ社製、純度99%以上)80gをヘキサン400ml中に溶解させ、[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(グラブス第二世代触媒)110mgをトルエン2.7mlに溶解して調製した溶液(グラブス第二世代触媒溶液)のうちの0.6mlを添加し、50℃で2時間撹拌した。その後、2−プロパノール中にて再沈殿操作を行うことで得られたポリマーを回収し、溶媒を除去することにより、半透明白色固体の生成物を得た。
得られた半透明白色固体の生成物をH−NMRにより測定した結果を図2に示す。5.3ppm〜5.8ppmに1,4ポリブタジエンの直鎖状部分に由来するプロトンのピークが確認されたことから、1,4−ポリブタジエン誘導体1aが得られたことが確認された。
また1,4−ポリブタジエン誘導体1aについて、4.7ppm〜5.3ppmのビニル基のピークにおける面積値から、少なくとも1,4−ポリブタジエン誘導体1a中のビニル基が0.01%以下の存在量であることがわかった。なお、面積値は積算回数128回で得られた。
以上の結果から、1,4−ポリブタジエン誘導体1aには実質的に側鎖ビニル基を有しないこと示された。
〜1,4−ポリブタジエン誘導体1bの合成〜
1,4−ポリブタジエン誘導体1a2.0gを、水酸化リチウム(LiOH)0.060gを含むテトラヒドロフラン(THF)とイオン交換水の混合溶液(THFとイオン交換水との体積比(vol/vol)が5/1)24mlに溶解させ、45℃で一晩撹拌した。その後、エバポレータでTHFを除去した後、ジクロロメタンを加えて抽出を行った。有機層を回収して溶媒留去することで白色粉末状の生成物1.74gを得た。得られた生成物をH−NMR及びATR−FTIRにより測定し、1,4−ポリブタジエン誘導体1aのスペクトルと比較した結果を図3(A)及び図3(B)に示す。図3(A)の上段において、4.5ppm付近に存在した1,4−ポリブタジエン誘導体1aの矢印の位置の2つのメチレンプロトンに由来するピーク(図3(A)の上段のa)が、得られた生成物(図3(A)の下段)において消失し、4.1ppm付近に新たなピーク(図3(A)の下段のb)が出現した。また、図3(B)の結果から、1,4−ポリブタジエン誘導体1a(PB−Ac)に現れていた1741cm−1付近のエステル基のカルボニル伸縮振動に由来するピークが、得られた生成物の測定結果では完全に消失した。同時に、3300cm−1付近に水酸基のO−H伸縮振動由来のブロードなシグナルが出現した。以上の結果から、1,4−ポリブタジエン誘導体1aの末端のアセチル基が遊離した1,4−ポリブタジエン誘導体1b(PB−OH)を収率87%で得られたことが確認された。
〜1,4−ポリブタジエン誘導体2の合成〜
次に、1,4−ポリブタジエン誘導体1b2.0gを2mLのピリジンに溶解し、0.33gの無水コハク酸を添加し、アルゴン雰囲気下60℃で一晩撹拌した。得られた溶液に1Nの塩酸とジクロロメタンを加えて分液操作を行い、有機層を回収して溶媒留去することで白色粉末状の生成物1.84gを得た。得られた生成物をH−NMR及びATR−FTIRにより測定し、1,4−ポリブタジエン誘導体1bのスペクトルと比較した結果をそれぞれ図4(A)及び図4(B)に示す。図4(A)の上段において、4.1ppm付近に存在した1,4−ポリブタジエン誘導体1bの矢印の位置の2つのメチレンプロトンに由来するピーク(図4(A)の上段のa)が、得られた生成物(図4(A)の下段)において消失し、4.55ppm付近にメチレンプロトンに由来するピーク(図4(A)の下段のb)、2.7ppm付近にスクシニル基のメチレンプロトンに由来するピーク(図4(A)の下段のc)が、それぞれ新たに出現した。また、図4(B)の結果から、1,4−ポリブタジエン誘導体1b(PB−OH)には現れなかった1740cm−1のエステル基のカルボニル伸縮振動に由来するピークと1713cm−1付近のカルボキシル基のカルボニル伸縮振動に由来するピークが、得られた生成物の測定結果では明らかに出現した。以上の結果から、1,4−ポリブタジエン誘導体1b(PB−OH)の末端にコハク酸がエステルで結合した1,4−ポリブタジエン誘導体2(PB−COOH)を収率92%で得られたことが確認された。
(擬ポリロタキサン混合物の合成)
1,4−ポリブタジエン誘導体2の1.00gをナスフラスコに入れ、さらにαシクロデキストリン1.46gを加え、60℃で一晩超音波処理を行った。さらに、同容器中にイオン交換水10mlを加え、60℃で一晩超音波処理を行った。その後、イオン交換水を加えて撹拌した後に遠心分離を行い、得られた生成物を凍結乾燥することによって、擬ポリロタキサンを含む混合物を得た。
(ポリロタキサンの合成)
前記で得られた擬ポリロタキサンを含む混合物0.8gを、ジメチルホルムアミド(DMF)5mlに溶解させ、さらに0.8gの1−アダマンタンアミン、0.48gのBOP試薬、0.2mLのN−エチルジイソプロピルアミンを添加して、室温で一晩撹拌した。反応液は固相と液相に分離したため液相を除去し、そこへジクロロメタンを加えて撹拌し、遠心分離をして固相を回収した。同様にイオン交換水を添加して撹拌し、再度遠心分離を行い固相を回収した。これを4mLのDMSOに分散させ、その分散液を40mLのイオン交換水に滴下することによって再沈殿を行った。得られた沈殿物を遠心分離によって回収し、凍結乾燥することでポリロタキサンを得た。得られたポリロタキサンをそのまま後述するATR−FTIR測定及びTGA測定に供した。
粉末状のポリロタキサンについてATR−FTIR測定を行い、得られたスペクトルを、1,4−ポリブタジエン誘導体2(PB−COOH)、アダマンタン(ada)、シクロデキストリン(CD)及びポリロタキサン(PR)のスペクトルと比較したものを図5に示す。PB−PRのスペクトルのみがアミド結合のC=O及びN−H伸縮振動である1639cm−1及び1549cm−1のピークを有することが示された。
また、得られたポリロタキサンの0.1gは、リチウムクロリド0.9gを含むDMF10ml中に溶解し、さらに1mLの無水酢酸、1mLの脱水ピリジン及び8mgのN,N−ジメチルー4−アミノピリジンを加えて室温で一晩撹拌した。得られた溶液を80mLのイオン交換水に滴下することで再沈殿を行い、遠心分離によって沈殿物を回収した。この沈殿物を繰り返しイオン交換水で洗浄した後に凍結乾燥することで、白色粉末状のアセチル化ポリロタキサンが得られた。
得られたアセチル化ポリロタキサンをH−NMRにより測定した結果を図6(A)に示す。2.1ppm付近のピークの積分値、すなわちアセチル基中のメチルプロトンに由来するピーク(図6(A)のa+b)とポリブタジエン部分のメチレンプロトンに由来するピークの両方の積分値と、ポリブタジエン部分のメチンプロトンに由来する5.5ppm付近のピーク(図6(A)のc)の積分値との比較から、得られたアセチル化ポリロタキサンのアセチル化度は72%であることが確認された。
(包接率の測定)
[GPC測定の結果]
前記によって得られたアセチル化ポリロタキサンの一定量をクロロホルムに溶解し、GPCクロマトグラフィーによる測定を行った。測定により得られたアセチル化ポリロタキサン(Ac−PR)のGPCクロマトグラムを、1,4−ポリブタジエン誘導体2(PB6000)のGPCクロマトグラムと比較した結果を図6(B)に示す。
得られたGPCクロマトグラムから分子量を算出した結果、アセチル化ポリロタキサンの重量平均分子量(MW:14,000)は、直鎖状分子である1,4−ポリブタジエン誘導体2(PB6000、MW:6,300)に比べて、いずれも2倍以上増加していることが確認された。
以上により得られた1,4−ポリブタジエン誘導体2(PB6000)の分子量から、PB−6000のポリブタジエン部分の総ユニット数が111であることが示された。
[TGA測定の結果]
前記によって得られたポリロタキサン(Ac−PR)、1,4−ポリブタジエン誘導体2(PB)及びαシクロデキストリン(αCD)についてのTGA測定の結果を図7に示す。結果から、昇温に伴うポリロタキサンの重量減少が主に2つの温度領域で顕著であることと、αシクロデキストリンが顕著に重量減少する温度領域との比較から、ポリロタキサンの2つの重量減少のうち、低い温度領域での重量減少分は、αシクロデキストリンの重量減少に相当するものであり、高い温度領域での重量減少分は、直鎖状分子の重量減少に相当するものであることが判明した。
TGA測定nによるαCDと直鎖状分子の重量比から算出されたAc−PR1分子中のαCDの数と、上記で得られたPBの平均ユニット数から、αCDの包接率を決定したところ、6.0%であった。
以上の結果から、本発明のポリロタキサンは、全くビニル結合を含まない1,4−ポリブタジエンポリマーで構成される直鎖状分子を有し、ポリブタジエン部分を数個程度の環状分子が包接し、かつ直鎖状分子の末端が封鎖されることで環状分子が脱離しなくなった分子集合体であることが示された。このように、本発明のポリロタキサンは、滑車効果が十分に得られるスライドリングマテリアルの構成成分として期待できる分子集合体であることが示された。
<実施例1及び2、比較例1及び2>
(変性ジエン系ゴムの調製)
特開昭62−101638号公報に記載されている“ポリマーN”の調製方法を参考にして、ジエン系ゴムとしてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)(旭化成社製、タフデン2000R(登録商標))と、イソシアネート(ポメリックMDI)としてジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMR−400’、日本ポリウレタン社製)とを反応させることで、イソシアネート基を有する変性ジエン系ゴム(変性SBR)を調製した。
(ゴム組成物の調製)
前記により調製したポリロタキサンを含む下記表1に示す硫黄と加硫促進剤を除く各成分を、実施例1及び2、比較例1及び2における各配合比(質量%)になるように容器中に投入し、さらにプラストミルで混練することで、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物に硫黄及び加硫促進剤を表1に記載の配合量で添加し所定の金型中で145℃、33分間プレス加硫して、次の測定試験に用いるための試験片(3号ダンベル型試験片(10cm×2.5cm×0.2cm))としての加硫ゴム片を得た。
(評価)
試験片に対する評価について、JIS K6301(1995年)に準拠し、25℃、引張速度300mm/分での破断時の引張強さ、引張応力、伸びについて測定した。なお表1において、実施例1、2及び比較例2の破断時の引張強さ、引張応力、伸びについては、比較例1の値を100として指数(%)で示した。指数が大きいほど破断時の引張強さ、破断時の引張応力及び破断時の伸び、すなわち破断特性に優れることを示す。
*1 旭化成株式会社製、タフデン2000R(登録商標):溶液重合スチレン−ブタジエンゴム.
*2 上記で調製したイソシアネート基を有する変性ジエン系ゴム.
*3 昭和キャボット株式会社製、ショウブラックN134(登録商標)(NSA:146m/g):カーボンブラック
*4 富士興産株式会社製、アロマックス#3(登録商標):アロマオイル
*5 大内振興化学工業株式会社製、ノクラック6C:N−1、3−ジメチルブチル−N’−フェニレンジアミン.
*6 大内振興化学工業株式会社製、ノクセラーCZ−G:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド.
*7 上記の方法で製造したポリロタキサン.
表1より、上記で調製したポリロタキサンを配合した実施例1及び2は、比較例1及び2に比べて破断時の引張応力、伸び及び引張強さのすべてにおいて向上した。特に、実施例2ように、本発明のポリロタキサンの添加量を多くした場合には、上記の物性値の全てが最も向上した。
一方、ゴム組成物にポリロタキサンを添加しないで、変性ジエン系ゴムを添加した場合の比較例2では、破断時の引張応力や引張強さが向上するものの、破断時の伸びが劣化することが示された。すなわち、本発明のポリロタキサンを添加しない場合では、破断特性としての向上は限定的であることが示された。
以上のように、本発明におけるポリロタキサンを変性ジエン系ゴムと共にゴム組成物に含ませることで、破断特性が向上することが示された。

Claims (10)

  1. 主鎖の1,4−ポリブタジエンに対する側鎖基であるビニル基の結合量0.01%以下である1,4−ポリブタジエンに由来する構造を含む直鎖状分子と、
    前記直鎖状分子を串刺し状に包接する環状分子と、
    前記直鎖状分子の両末端に配置され前記環状分子の脱離を防止する封鎖基と、
    を有するポリロタキサン。
  2. 前記環状分子の前記直鎖状分子に対する包接率が1%〜30%である請求項1に記載のポリロタキサン。
  3. 前記環状分子がα―シクロデキストリンである請求項1又は請求項2に記載のポリロタキサン。
  4. 前記封鎖基が、アダマンタン基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のポリロタキサン。
  5. 前記直鎖状分子の重量平均分子量が1000〜50000である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポリロタキサン。
  6. 前記環状分子がエポキシ基、カルボキシル基、水酸基及びアミノ基から選ばれる少なくとも一つを有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のポリロタキサン。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のポリロタキサンと、変性ジエン系ゴムを含むゴム成分と、を含み、
    前記ゴム成分が、前記ポリロタキサンとウレタン結合を介して前記変性ジエン系ゴムの少なくとも一部が結合している分子を含むゴム組成物。
  8. 前記変性ジエン系ゴムがイソシアネート基を有する請求項7に記載のゴム組成物。
  9. 前記イソシアネート基を有する変性ジエン系ゴムの含有量が、前記ゴム成分の全質量に対して0.5質量%〜30質量%である請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 前記ポリロタキサンの含有量が、前記ゴム成分の全質量に対して0.5質量%〜10質量%である請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載のゴム組成物。
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