JP6642277B2 - 乗物内装品の表皮及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物内装品の意匠面を構成するとともに、隣り合う表皮ピースを縫着するインステッチ部と、意匠面に部分的に露出しているアウトステッチ部とを備えた乗物内装品の表皮及びその製造方法に関する。
一般的な乗物内装品では、外観をなす意匠面が表皮にて構成されており、この表皮は、複数の表皮ピースを縫着することで形成されている。そして表皮には、各種のステッチ部(縫目)が形成されており、さらに一部のステッチ部が、乗物内装品の意匠性向上の観点から意匠面に露出して配置されている。例えば特許文献1に開示の乗物用シートのシートカバー(表皮の一例)は、複数の表皮ピースを縫着して形成されており、インステッチ部と、一対のアウトステッチ部を有している。このシートカバーにおいては、隣り合う表皮ピースの縫い代部同士が対面状とされてインステッチ部にて縫着されており、これら一対の表皮ピースの境には、閉じ状態の継ぎ目が線状に形成されている。そして公知技術においては、アウトステッチ部が、閉じ状態とされた表皮ピースの継ぎ目の両隣にそれぞれ配置されて、表皮の意匠面に露出している。
特開2006‐117092号公報
ところでこの種のアウトステッチ部は、ミシンによる直線縫いで形成されていることが多く、表皮ピースの継ぎ目に沿って連続的に延びていることから、やや単調な印象を与えやすい構成であった。このためこの種の分野においては、更なる意匠性向上の観点から、アウトステッチ部の見栄えをさらに向上させたいとの要請があった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、アウトステッチ部をより見栄え良く形成することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物内装品の表皮は、乗物内装品の意匠面を構成する一対の表皮ピースと、一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている線状のインステッチ部と、一対の表皮ピースの少なくとも一方に設けられたアウトステッチ部とを備え、一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である継ぎ目が、インステッチ部によって閉じ状態とされている。そして乗物内装品の意匠性向上の観点から、アウトステッチ部の一部を意匠面に露出させるのであるが、この種の構成においては、更なる意匠性向上の観点等から、アウトステッチ部を見栄え良く形成できることが望まれる。
そこで本発明では、アウトステッチ部が、インステッチ部の延びる方向に沿って連続的に延びている第一ステッチ部と、第一ステッチ部から適宜の位置で枝分かれしている複数の第二ステッチ部とを有している。そして第一ステッチ部が、閉じ状態の継ぎ目の奥側に配置されるように、表皮ピースの縫い代部のみに形成されて、インステッチ部の形成箇所から縫い代部の意匠面とは反対の末端までの範囲に配置されている。また複数の第二ステッチ部が、第一ステッチ部と同一の糸で形成されて、それぞれ第一ステッチ部の延びている方向とは異なる方向に延びて継ぎ目から対応する表皮ピースの意匠面に突出して配置されている。本発明では、連続的に延びている第一ステッチ部を、縫い代部の適宜の位置に形成することにより、インステッチ部とともに外部に極力露出しないように配置することができる。そして第一ステッチ部から枝分かれしている各第二ステッチ部だけが意匠面に断続的に露出することで、アウトステッチ部が単調な印象を与えることを極力回避することができる。
第2発明の乗物内装品の表皮は、第1発明の乗物内装品の表皮において、各表皮ピースに、インステッチ部を通すための針孔が適宜の間隔で設けられているとともに、アウトステッチ部を通すための針孔が適宜の間隔で設けられている。そこで本発明では、第一ステッチ部に対する各第二ステッチ部の枝分かれ基点となるアウトステッチ部を通す針孔が、インステッチ部を通す針孔に重ならない位置に配置されている。本発明では、第一ステッチ部と各第二ステッチ部の枝分かれ基点となる特定の針孔を、インステッチ部を通す針孔に重ならない位置に配置する。こうすることで各第二ステッチ部を、インステッチ部に極力邪魔されることなく第一ステッチ部から枝分かれさせておくことができる。
第3発明の乗物内装品の表皮は、第1発明又は第2発明の乗物内装品の表皮において、第一ステッチ部が、インステッチ部の形成箇所よりも縫い代部の意匠面とは反対の末端側に配置されている。本発明においては、第一ステッチ部が、さらに意匠面に露出しにくい縫い代部の末端側に形成されているため、アウトステッチ部をより見栄え良く形成することができる。
第4発明の乗物内装品の表皮は、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物内装品の表皮において、各第二ステッチ部が、一対の表皮ピースのいずれか一方にのみ形成されている。本発明においては、各第二ステッチ部が、一対の表皮ピースに跨ることなく一方の表皮ピースのみに形成されている。このため各アウトステッチ部を、他方の表皮ピースからの影響を受けることなく、一方の表皮ピースに見栄え良く形成することができる。
第5発明の乗物内装品の表皮は、乗物内装品の意匠面を構成する一対の表皮ピースと、一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている線状のインステッチ部と、一対の表皮ピースの少なくとも一方に設けられたアウトステッチ部とを備え、一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である継ぎ目が、インステッチ部によって閉じ状態とされている。そしてアウトステッチ部が、インステッチ部の延びる方向に沿って連続的に延びている第一ステッチ部と、第一ステッチ部から適宜の位置で枝分かれしている複数の第二ステッチ部とを有している。そこで本発明では、第一ステッチ部が、一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である閉じ状態の継ぎ目の奥方に配置されて、継ぎ目において表皮の裏側に配置する面材に縫付けられている。また複数の第二ステッチ部が、第一ステッチ部と同一の糸で形成されて、それぞれ第一ステッチ部の延びている方向とは異なる方向に延びて継ぎ目から対応する表皮ピースの意匠面に突出して配置されている。本発明では、連続的に延びている第一ステッチ部を、継ぎ目上に形成することにより、インステッチ部とともに外部に極力露出しないように配置することができる。そして第一ステッチ部から枝分かれしている各第二ステッチ部だけが意匠面に断続的に露出することで、アウトステッチ部が単調な印象を与えることを極力回避することができる。
第6発明の乗物内装品の表皮の製造方法は、乗物内装品の意匠面を構成する一対の表皮ピースと、一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている線状のインステッチ部と、一対の表皮ピースの少なくとも一方に設けられたアウトステッチ部とを備え、一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である継ぎ目が、インステッチ部によって閉じ状態とされている乗物内装品の表皮の製造方法である。そしてアウトステッチ部として、ミシンによって、インステッチ部の延びる方向に沿って連続的に延びている第一ステッチ部と、第一ステッチ部から適宜の位置で枝分かれしている複数の第二ステッチ部とを形成する。このとき上面視において縦33mm未満で横18mm未満の略矩形状をなす縦向きのミシンの押え脚で、アウトステッチ部を形成すべき表皮ピース部分を押えながら、第一ステッチ部を、閉じ状態の継ぎ目の奥側に配置されるように、表皮ピースの縫い代部のみに形成して、インステッチ部の形成箇所から縫い代部の意匠面とは反対の末端までの範囲に配置する。また複数の第二ステッチ部を、第一ステッチ部と同一の糸で形成しつつ、それぞれ第一ステッチ部の延びている方向とは異なる方向に延ばして、継ぎ目から対応する表皮ピースの意匠面に突出させて配置させる。本発明においては、比較的小寸の押え脚を用いることにより、アウトステッチ部を形成すべき方向を好適に確認しながらアウトステッチ部を形成することができる。
本発明に係る第1発明によれば、アウトステッチ部をより見栄え良く形成することができる。また第2発明によれば、アウトステッチ部をより確実に見栄え良く形成することができる。また第3発明によれば、アウトステッチ部をさらに見栄え良く形成することができる。また第4発明によれば、アウトステッチ部をさらに確実に見栄え良く形成することができる。また第5発明によれば、アウトステッチ部をより見栄え良く形成することができる。そして第6発明によれば、ミシンを用いて、アウトステッチ部をより見栄え良く形成することができる。
乗物用シートの斜視図である。 乗物用シートの別角度の斜視図である。 インステッチ部を示すシートカバー一部の正面図である。 アウトステッチ部を示すシートカバー一部の正面図である。 インステッチ部を示すシートカバー一部の拡大図である。 アウトステッチ部を示すシートカバー一部の拡大図である。 図6のVII−VII線断面に相当するシートカバー一部の断面図である。 ミシンの押え脚の概略上面図である。 ミシンの送り歯の概略上面図である。 変形例1のアウトステッチ部を示すシートカバー一部の正面図である。 変形例1のインステッチ部を示すシートカバー一部の正面図である。 変形例1のシートカバー一部の断面図である。 別例1のアウトステッチ部の正面図である。 別例2のアウトステッチ部の正面図である。 別例3のアウトステッチ部の正面図である。 実施例2の乗物用シートの斜視図である。 実施例3のアウトステッチ部を示すシートカバー一部の拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図17を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示することがある。図1の乗物用シート2は、乗物内装品の一例であり、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。本実施例では、シートクッション4の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結するとともに、起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト8が配設される。
ここでシートバック6の前側の意匠面は、図1を参照して、天板メイン部6aと、左右の天板サイド部6bと、左右のカマチ部6cに区分けできる。天板メイン部6aは、シート幅方向におけるシートバック6の中央部分であり、適度な幅寸法でシート上下方向に延びている。また天板メイン部6aの左右両側には、それぞれ天板メイン部6aよりも前方に突出する天板サイド部6bが設けられており、これら左右の天板サイド部6bによってカーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持できる。そしてカマチ部6cは、シート幅方向におけるシートバック6の左右の側面をなす面である。またシートバック6の後側の意匠面は、図2を参照して、左右のカマチ部6cにつながっている後面6dで構成されている。
またシートクッション4の前側の意匠面も、図1を参照して、天板メイン部4aと、天板サイド部4bと、カマチ部4cに区分けできる。天板メイン部4aは、シート幅方向におけるシートクッション4の中央部分であり、適度な幅寸法でシート前後方向に延びている。また天板メイン部4aの左右両側には、それぞれ天板メイン部4aよりも上方に突出する天板サイド部4bが設けられており、これら左右の天板サイド部4bによってカーブ走行時などの旋回時に乗員側部を支持できる。そしてカマチ部4cは、シート幅方向におけるシートクッション4の左右の側面をなす面である。
<実施例1>
各シートカバー4S,6S,8Sは、それぞれシートの意匠面を構成する面材であり、複数の表皮ピースを縫合して構成されている。そして図1及び図2を参照して、各シートカバー4S,6S,8Sの適所には、各々、隣り合う表皮ピースの継ぎ目(J1〜J5)と、アウトステッチ部(20A〜20E)が複数又は単数露出している(各構成の詳細は後述)。例えばシートバック6では、左側(右側)の天板サイド部6bとカマチ部6cの間に、継ぎ目J1(J2)とアウトステッチ部20A(20B)が露出している。またシートクッション4では、左側(右側)の天板サイド部4bとカマチ部4cの間に、継ぎ目J3(J4)とアウトステッチ部20C(20D)が露出している。そしてヘッドレスト8では、左右の側面から上面にかけての部分に、継ぎ目J5とアウトステッチ部20Eが露出している。
そして各継ぎ目J1〜J5においては、隣り合う表皮ピース同士がインステッチ部10によって縫着されており、このインステッチ部10は、各継ぎ目が閉じ状態とされていることで意匠面には極力露出していない。こうして各シートカバー4S,6S,8Sでは、対応するアウトステッチ部20A〜20Eだけを意匠面に露出させてシートの意匠性を向上させるのであるが、この種の構成では、各アウトステッチ部20A〜20Eをより見栄え良く形成できることが望まれている。そこで本実施例では、後述する構成によって、各アウトステッチ部20A〜20Eをより見栄え良く形成することとした。ここで各シートカバー4S,6S,8Sに形成された各ステッチ部10,20A〜20Eは略同一の基本構成を有する。そこで以下に、シートバック6の左側において、天板サイド部6bとカマチ部6cに形成されている各ステッチ部10,20Aを一例にその詳細を説明することとする。
[シートバックのシートカバー]
シートバック6の左側においては、図1及び図2を参照して、一対の表皮ピース(第一表皮ピースSP1,第二表皮ピースSP2)で天板サイド部6bとカマチ部6cが構成されている。第一表皮ピースSP1は、左側のカマチ部6cを構成する縦長の略矩形の表皮ピースである。この第一表皮ピースSP1は、シート上方から下方に向かうにつれて次第に前後の寸法が大きくされており、第一縫い代部31となる前縁側が、下方に向かうにつれて次第に前方に突出する湾曲形状を有している。また第二表皮ピースSP2は、左側の天板サイド部6bを構成する縦長の略矩形の表皮ピースである。この第二表皮ピースSP2は、シート上方から下方に向かうにつれて次第に前後の寸法が大きくされており、第二縫い代部32となる前縁側が、下方に向かうにつれて次第に前方に突出する湾曲形状を有している。なお各表皮ピースの素材は特に限定しないが、典型的には布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)で構成できる。
そして両表皮ピースSP1,SP2を縫着する際には、図5を参照して、第一縫い代部31と第二縫い代部32を中表状に対面させた状態として、これら縫い代部同士を、後述するインステッチ部10にて縫着する。こうすることで、両表皮ピースSP1,SP2の境となる継ぎ目J1が、インステッチ部10にて閉じ状態とされて、図2に示すようにシート上下方向に向けて形成されることとなる。そして図5を参照して、第一縫い代部31の末端E1は、インステッチ部10を基点として第一表皮ピースSP1側に内折りされている。また第二縫い代部32の末端E2も、インステッチ部10を基点として第二表皮ピースSP2側に内折りされている。
[インステッチ部]
インステッチ部10は、図2及び図5を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2を縫着する縫目であり、両表皮ピースSP1,SP2の間の継ぎ目J1を閉じ状態としつつ上下方向に連続的に延びている。そして本実施例においては、閉じ合わされている継ぎ目J1にて、インステッチ部10が、意匠面側から極力目視できないように隠されている。このインステッチ部10は、後述するようにミシン(図示省略)による直線縫いにて形成されており、図5を参照して、第一縫い代部31側に配置する上糸11Yと、第二縫い代部32側に配置する下糸12Yとを有している。そしてインステッチ部10の上糸11Yと下糸12Yが、両縫い代部31,32に設けられた複数の基本針孔PHi内で交絡しており、これら複数の基本針孔PHiは、それぞれ両縫い代部31,32を厚み方向に貫通し、さらにインステッチ部10の縫目ピッチP1に倣って上下に等間隔で配置されている。
[アウトステッチ部]
アウトステッチ部20Aは、図4及び図6を参照して、継ぎ目J1に沿って形成されているツリー状の縫目であり、第一ステッチ部41と、複数の第二ステッチ部42を有している(図4では、便宜上、一つの第二ステッチ部にのみ符号42を付す)。第一ステッチ部41は、アウトステッチ部20Aの幹となる縫目であり、インステッチ部10の延びる上下方向に連続的に形成されている。また複数の第二ステッチ部42は、それぞれアウトステッチ部20Aの枝になる縫目であり、図6を参照して、第一ステッチ部41から角度θ1で下方傾斜状に突出している。ここで第一ステッチ部41の縫目ピッチP2は、インステッチ部10の図5に示す縫目ピッチP1よりも短く設定されており、典型的に縫目ピッチP1の半分以下に設定できる。また第二ステッチ部42の縫目ピッチP3は、第一ステッチ部41の縫目ピッチP2よりも長く設定されており、典型的にインステッチ部10の縫目ピッチP1と同程度に設定できる。
そしてアウトステッチ部20Aも、ミシンにて形成されており、図6及び図7を参照して、第一表皮ピースSP1の意匠面をなす表側に配置する上糸21Yと、第一表皮ピースSP1の裏側に配置する下糸22Yとで構成されている。これらアウトステッチ部20Aの上糸21Yと下糸22Yは、第一表皮ピースSP1を厚み方向に貫通する複数種類の針孔(第一針孔PH1,第二針孔PH2,第三針孔PH3)内で交絡している。ここで第一針孔PH1と第二針孔PH2は、第一ステッチ部41を構成する上糸21Yと下糸22Yを通すことのできる針孔である。これら第一針孔PH1と第二針孔PH2は、図6を参照して、上下方向において交互に形成されており、さらに両針孔PH1,PH2は、第一ステッチ部41の縫目ピッチP2に倣って等間隔で配置されている。また第二針孔PH2と第三針孔PH3は、第二ステッチ部42を構成する図7に示す上糸21Yと下糸22Yを通すことのできる針孔であり、本実施例においては、両針孔PH2,PH3の間に、第二ステッチ部42を構成する上糸21Yと下糸22Yが往復して配置されている。この第三針孔PH3は、第二針孔PH2から角度θ1で下方且つ後方に形成されており、さらに第二ステッチ部42の縫目ピッチP3に倣った間隔で第二針孔PH2から離間している。そして第二針孔PH2が、本発明の第一ステッチ部41に対する各第二ステッチ部42の枝分かれ基点となる針孔に相当する。
そして本実施例においては、図6及び図7を参照して、第一ステッチ部41が、第一針孔PH1と第二針孔PH2とともに第一縫い代部31に形成されて、インステッチ部10(基本針孔PHi)の形成箇所に配置されている。このため図4を参照して、第一ステッチ部41が、閉じ合わされている継ぎ目J1によって、インステッチ部10とともに意匠面に極力露出しないように隠されている。そして複数の第二ステッチ部42だけが、継ぎ目J1から第一表皮ピースSP1の意匠面側に突出し且つ継ぎ目J1に沿って断続的に配置されている。
[各ステッチ部の形成手法]
図3〜図7を参照して、図示しないミシンにより、一対の表皮ピースSP1,SP2の適所にインステッチ部10とアウトステッチ部20Aをこの順でそれぞれ形成する。ここでミシンは、図8及び図9を参照して、比較的小寸の押え脚50と送り歯52を有している(各部材の寸法は後述)。この押え脚50は、縦置きされた状態において図示しないミシンの針板に向けて昇降可能とされており、また送り歯52は、針板の周囲に配置されている。そして押え脚50と送り歯52で各表皮ピースSP1,SP2を送り出しながら、図示しないミシン針を各表皮ピースSP1,SP2に刺し通す。こうしてミシン針に保持されている上糸を、針板の裏側で、図示しない釜から送り出された下糸に交絡することにより、各ステッチ部10,20Aをそれぞれ形成することができる。なお図4を参照して、アウトステッチ部20Aの形成に際しては、押え脚50を、インステッチ部の形成された各表皮ピースSP1,SP2部分に押し当てて食い込ませながら、アウトステッチ部20Aを形成していく。
そして本実施例では、図5を参照して、第一縫い代部31と第二縫い代部32をインステッチ部10にて縫着して縫い合わせる。こうして第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2が縫着されて、これら両表皮ピースSP1,SP2の間に、上下方向に延びる継ぎ目J1が形成される。つぎに第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の間の継ぎ目J1を若干開くことで、インステッチ部10の基本針孔PHiに通されている上糸11Yと下糸12Yを露出させる。この状態で図6を参照して、アウトステッチ部20Aを継ぎ目J1に沿って形成する。このときインステッチ部10の露出した糸11Y,12Yを目印として、第一ステッチ部41を、第一縫い代部31に形成しつつ、インステッチ部10の形成箇所から第一縫い代部31の端部E1の間の範囲に配置しておく。例えば第一縫い代部31に形成されている複数の基本針孔PHiを結ぶ線上に第一針孔PH1と第二針孔PH2を交互に形成することで、第一ステッチ部41を、インステッチ部10の形成箇所と同一の位置に配置しておくことができる。さらに本実施例では、第二ステッチ部42の枝分かれ基点となる第二針孔PH2を、インステッチ部10の基本針孔PHiに重ならないように形成しつつ、第一ステッチ部41を、インステッチ部10に沿って第一縫い代部31側に形成する。
そして第一ステッチ部41の形成とともに、各第二ステッチ部42を、第一ステッチ部41の適宜の位置で枝分かれ状に形成していく。このとき特定の第二針孔PH2と対応する第三針孔PH3の間で、アウトステッチ部20Aの上糸21Yと下糸22Yを往復して(各糸を二本ずつ)配置させることにより、第一ステッチ部41から枝分かれした各第二ステッチ部42を形成できる。すなわちアウトステッチ部20Aの上糸21Yと下糸22Yを、特定の第二針孔PH2から対応する第三針孔PH3に通したのち再び特定の第二針孔PH2に戻し、さらに特定の第二針孔PH2の下方に配置する第一針孔PH1に通していく。このとき本実施例では、枝分かれ基点となる第二針孔PH2が、インステッチ部10の基本針孔PHiに重ならない位置に配置されている。このため各第二ステッチ部42を、インステッチ部の上糸11Yと下糸12Yに極力邪魔されることなく第一ステッチ部41から枝分かれさせておくことができる。なお第二針孔PH2と基本針孔PHiが重なっていると、インステッチ部の糸11Y,12Yが、第二ステッチ部42をなす二本の上糸21Yの間に配置されることがある。そして上記縫製作業を繰り返すことにより、複数の第二ステッチ部42が、それぞれ第一ステッチ部41から角度θ1で下方傾斜状に形成される。こうして複数の第二ステッチ部42が、第一ステッチ部41の縫目ピッチP2に倣った等間隔で上下に配置されて、第一ステッチ部41から断続的に枝分かれした状態で形成されていく。
さらに本実施例では、第一縫い代部31が、第一表皮ピースSP1の外形形状に倣って下方に向かうにつれて次第に前側に突出する湾曲形状をなしている。このとき本実施例のアウトステッチ部20Aは、一対の表皮ピースSP1,SP2に跨って形成されていないため、第二表皮ピースSP2からの影響を極力受けることなく、第一表皮ピースSP1に好適に形成することができる。すなわちアウトステッチ部20Aは、第一表皮ピースSP1の内側にのみ形成されており、第一表皮ピースSP1の外側から第二表皮ピースSP2に駆けての部分には形成されていない。このとき例えば第二ステッチ部42が、第二表皮ピースSP2側に形成されていると、この第二表皮ピースSP2側の第二ステッチ部42が、湾曲部分において過度に緊張するなどしてアウトステッチ部20Aの形状がいびつになることがある。
[押え脚]
ところでミシンによる縫製においては、作業者が、アウトステッチ部20Aを形成すべき表皮ピース部分を目視しながら各表皮ピースSP1,SP2を縫製する。この作業においては、図4を参照して、押え脚50が邪魔となるなどして、アウトステッチ部20Aを形成すべき方向を正確に確認できないおそれがある。そこで本実施例では、押え脚50が、図8を参照して、上面視において縦寸法L1が33mm未満で横寸法L2が18mm未満の略矩形状をなす小寸の平板材で構成されている。また送り歯52も、図9を参照して、押え脚50に倣った寸小の部材で構成されている。例えば本実施例では、押え脚50が、上面視において縦寸法L1が16mmで横寸法L2が10mm〜11mmの略矩形状をなす縦向きの平板材で構成されている。また送り歯52が、上面視において縦寸法L3が30mmで横寸法L4が10mmの略U字状をなす部材で構成されている。
そして小寸の押え脚50を用いることで、縫目ピッチP2が3mm〜7mmの第一ステッチ部41と、縫目ピッチP3が3mm〜10mmの第二ステッチ部42を、所望の表皮ピース部分を目視しながら好適に形成できる。さらに本実施例では、第二ステッチ部42の縫目ピッチP3を相対的に長くして、押え脚50から部分的に突出させることにより、アウトステッチ部20Aを形成すべき方向を正確に確認できる。このとき例えば第二ステッチ部42の縫目ピッチP2の長さ寸法を1とした場合に、押え脚50の縦寸法L1を5〜11、横寸法L2を8〜16の範囲の比に設定することができる。
こうしてシートカバー6Sに各ステッチ部10,20Aを形成したのち、両表皮ピースSP1,SP2の継ぎ目J1を再び閉じ状態としておく。そして図4を参照して、第一ステッチ部41が、閉じ状態の継ぎ目J1によってインステッチ部10とともに隠されることにより、継ぎ目J1から突出する第二ステッチ部42だけが、第一表皮ピースSP1の意匠面に断続的に露出することとなる。この状態のシートカバー6Sを、図示しないシートパッド6Pに被覆してシートバック6を構成する。こうして図2を参照して、シートバック6の左側には、上下に延びる継ぎ目J1に沿って、複数の第二ステッチ部が断続的に現れたアウトステッチ部20Aが設けられることとなる。そして同様に図1を参照して、各シートカバー4S,6S,8Sの他の部分においても、対応する継ぎ目J2〜J5が適宜の向きに延長しており、各継ぎ目からは、対応するアウトステッチ部20B〜20Eの第二ステッチ部だけがシートの意匠面に断続的に露出することとなる。こうして本実施例の乗物用シートにおいては、アウトステッチ部20A〜20Eが直線状に連続して形成されている場合に比して、単調な印象を極力与えない構成とされている。
以上説明したとおり本実施例では、連続的に延びている第一ステッチ部41を、第一縫い代部31の適宜の位置に形成することにより、インステッチ部10とともに外部に極力露出しないように配置することができる。そして第一ステッチ部41から枝分かれしている各第二ステッチ部42だけが意匠面に断続的に露出することで、アウトステッチ部20Aが単調な印象を与えることを極力回避することができる。また第一ステッチ部41と各第二ステッチ部42の枝分かれ基点となる第二針孔PH2を、インステッチ部10を通す基本針孔PHiに重ならない位置に配置する。こうすることで各第二ステッチ部42を、インステッチ部10に極力邪魔されることなく第一ステッチ部41から枝分かれさせておくことができる。そして本実施例においては、第二ステッチ部42が、一対の表皮ピースに跨ることなく第一表皮ピースSP1のみに形成されている。このため各第二ステッチ部42を、第二表皮ピースSP2からの影響を受けることなく、第一表皮ピースSP1に見栄え良く形成することができる。このため本実施例によれば、アウトステッチ部20A等をより見栄え良く形成することができる。
[変形例1]
ここでインステッチ部とアウトステッチ部の形成順序は適宜入れ替えることができる。例えば変形例1では、図10を参照して、第一表皮ピースSP1にアウトステッチ部20Aを形成したのち、図11を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2をインステッチ部10で縫着する。この形成順序によると、図12を参照して、アウトステッチ部20Aの第一ステッチ部41を、インステッチ部10の形成箇所よりも第一縫い代部31の末端E1側にスムーズに形成することができる。こうして本変形例では、第一ステッチ部41が、意匠面に更に露出しにくい第一縫い代部31の末端E1側に形成されているため、アウトステッチ部20Aをより見栄え良く形成することができる。
[別例1]
またアウトステッチ部の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図13を参照して、別例1のアウトステッチ部20Fは、第一ステッチ部41と、複数の第二ステッチ部42と、複数の第三ステッチ部43を有している。第一ステッチ部41と複数の第二ステッチ部42は、実施例1と同一構成の縫目である。そして複数の第三ステッチ部43は、それぞれ第二ステッチ部42と同様にアウトステッチ部20Fの枝になる縫目であり、第一ステッチ部41を境に対応する第二ステッチ部42と前後対称となるように形成されている。各第三ステッチ部43は、第一ステッチ部41から角度θ2(θ2=θ1)で下方傾斜状に突出しながら第二表皮ピースSP2の意匠面に露出している。なおθ1とθ2は、本別例で図示されている角度に限定されることなく、0°より大きく180°未満における範囲中で適宜の角度に設定できる。
そして本別例においては、両表皮ピースSP1,SP2の適宜の位置に、複数種類の針孔(第一針孔PH1,第二針孔PH2,第三針孔PH3,第四針孔PH4)が形成されている。第一針孔PH1〜第三針孔PH3は、それぞれ実施例1の対応する針孔と同一の針孔である。また第四針孔PH4は、継ぎ目J1よりも第二表皮ピースSP2の意匠面側に形成されている針孔であり、特定の第二針孔PH2を境に対応する第三針孔PH3と前後対称となる位置に形成されている。そして本別例では、第二針孔PH2を基点として、第一ステッチ部41から第二ステッチ部42を枝分かれ状に形成し、続いて第三ステッチ部43を枝分かれ状に形成することができる。すなわちアウトステッチ部20Fの上糸と下糸を、特定の第二針孔PH2から対応する第三針孔PH3に通したのち再び特定の第二針孔PH2に戻すことで第二ステッチ部42を形成する。つづいて上糸と下糸を、特定の第二針孔PH2から対応する第四針孔PH4に通したのち再び特定の第二針孔PH2に戻すことで第三ステッチ部43を形成することができる。こうして本別例のアウトステッチ部20Fでは、第二ステッチ部42が、第一表皮ピースSP1の意匠面に断続的に露出しているとともに、第三ステッチ部43が、第二表皮ピースSP2の意匠面に断続的に露出している。このため本別例では、第二ステッチ部42と第三ステッチ部43を両表皮ピースSP1,SP2に断続的に形成したことで、アウトステッチ部20Fをさらに見栄え良く形成することができる。
[別例2]
また図14を参照して、別例2のアウトステッチ部20Gは、別例1のアウトステッチ部20Aと同一の構成を備えているが、第二ステッチ部42と第三ステッチ部43が、第一ステッチ部41から互い違いとなるように枝分かれしている。すなわち第二ステッチ部42は、第二針孔PH2で第一ステッチ部41から枝分かれしているが、第三ステッチ部43は、第一針孔PH1で第一ステッチ部41から枝分かれしている。このように本別例では、第二ステッチ部42と第三ステッチ部43を互い違いに形成したことで、アウトステッチ部20Gを見栄え良く形成することができる。
[別例3]
また図15を参照して、別例3のアウトステッチ部20Hは、別例2のアウトステッチ部20Gと同一の構成を備えているが、第二ステッチ部42と第三ステッチ部43が、第一ステッチ部41から異なる角度で枝分かれしている。すなわち複数の第二ステッチ部42は、第一ステッチ部41から角度θ1(略90°)で傾斜状に突出しながら第一表皮ピースの意匠面に露出している。また複数の第三ステッチ部43は、第一ステッチ部41から角度θ2(鈍角)で傾斜状に突出しながら第二表皮ピースの意匠面に露出している。このように本別例では、第二ステッチ部42と第三ステッチ部43を異なる角度で枝分かれさせたことで、アウトステッチ部20Hを見栄え良く形成することができる。
<実施例2>
実施例2では、実施例1の構成部材とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。実施例2では、図16を参照して、シート幅方向における乗物用シートの中央にアウトステッチ部を設けた点が、実施例1の乗物用シートと異なっている。すなわちシートバック6のシートカバー6Sでは、天板メイン部6aの上部が、右側の第三表皮ピースSP3と、左側の第四表皮ピースSP4で覆われている。そして両表皮ピースSP3,SP4の境には、シート上下に延びる継ぎ目J6と、この継ぎ目J6に沿って断続的に形成されているアウトステッチ部20Iが形成されている。またヘッドレスト8のシートカバー8Sの前面は、右側の第五表皮ピースSP5と、左側の第六表皮ピースSP6で覆われている。そして両表皮ピースSP5,SP6の境には、シート上下に延びる継ぎ目J7と、この継ぎ目J7に沿って断続的に形成されているアウトステッチ部20Jが形成されている。こうして本実施例においては、見栄えの良い各アウトステッチ部20I,20Jを、シート幅方向におけるシート中央の目立ちやすい位置に形成することにより、シートの意匠性を向上させることができる。
<実施例3>
実施例3では、実施例1の構成部材とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。実施例3では、図17を参照して、実施例1と略同一構成のアウトステッチ部20Aがシートカバー6Sに設けられているが、このアウトステッチ部20Aが継ぎ目J1上に配置されている点が実施例1と異なっている。すなわち本実施例では、継ぎ目J1におけるシートカバー6Sの裏側に面材60が設けられている。この面材60は、布帛又は皮革製の部材であり、継ぎ目JIに沿って帯状に延びている。そして第一ステッチ部41は、継ぎ目J1を通して裏側の面材60に縫付けられており、これによって第一ステッチ部41が継ぎ目J1上に配置されている。また複数の第二ステッチ部42が、それぞれ第一ステッチ部41から角度θ1で下方傾斜状に突出しつつ、継ぎ目J1から第一表皮ピースSP1の意匠面に突出して配置されている。こうして本実施例では、連続的に延びている第一ステッチ部41を、継ぎ目JI上に形成することにより、インステッチ部10とともに外部に極力露出しないように配置することができる。そして第一ステッチ部41から枝分かれしている各第二ステッチ部42だけが意匠面に断続的に露出することで、アウトステッチ部20Aが単調な印象を与えることを極力回避することができる。なお面材60は、アウトステッチ部20Aによってシートカバー6Sの裏側に取付けられるが、シートカバー6Sの裏側に接着などの手法で取付けることもできる。
本実施形態の乗物内装品の表皮及びその製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、各ステッチ部10,20A等の構成(延長方向,縫目ピッチ,構成糸など)を例示したが、各ステッチ部の構成は、表皮の構成に応じて適宜変更可能である。なお各ステッチ部は、大寸の押え脚を備えたミシンで形成することができ、手縫いにて形成することもできる。また第一ステッチ部と第二ステッチ部等の縫目ピッチも適宜変更可能であり、複数の第二ステッチ部を等間隔に形成することができ、部分的に異なる間隔で形成することもできる。また第一ステッチ部を、第一縫い代部と第二縫い代部の双方に形成することもできる。例えば図6を参照して、第一針孔PH1を第二縫い代部32に形成し、第二針孔PH2を第一縫い代部31に形成して、第一ステッチ部41を、第一縫い代部31と第二縫い代部32の双方に跨るようにジグザグに形成することができる。またアウトステッチ部は、例えば第一表皮ピースと第二表皮ピースの少なくとも一方に形成することができ、両表皮ピースにそれぞれ形成することもできる。
また本実施形態では、乗物内装品として、乗物用シート2例示したが、乗物内装品の種類を限定する趣旨ではない。乗物内装品は、乗物室内に配置され且つ表皮を備えた部材であればよく、ドア部やインストルメントパネルや天井部やコンソールなどの各種部材を例示できる。また乗物用シートにおいては、シートクッションやシートバックやヘッドレストのほか、アームレスト等の各種シート構成部材のシートカバーに本実施形態の構成を適用できる。そして乗物内装品に応じて、表皮の構成を適宜変更することができ、さらに継ぎ目や各ステッチ部の配置位置も適宜変更することができる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物に搭載される乗物内装品に適用できる。
2 乗物用シート(本発明の乗物内装品)
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4S,6S,8S シートカバー(本発明の表皮)
4a,6a 天板メイン部
4b,6b 天板サイド部
4c,6c カマチ部
6d 後面
10 インステッチ部
11Y インステッチ部の上糸
12Y インステッチ部の下糸
20A〜20J アウトステッチ部
21Y アウトステッチ部の上糸
22Y アウトステッチ部の下糸
41 第一ステッチ部
42 第二ステッチ部
50 押え脚
52 送り歯
J1〜J7 継ぎ目
SP1 第一表皮ピース(本発明の一対の表皮ピースの一方)
31 第一縫い代部
E1 第一縫い代部の端部
SP2 第二表皮ピース(本発明の一対の表皮ピースの他方)
32 第二縫い代部
E2 第二縫い代部の端部
P1 インステッチ部の縫目ピッチ
P2 第一ステッチ部の縫目ピッチ
P3 第二ステッチ部の縫目ピッチ
PH1 第一針孔
PH2 第二針孔(本発明の第二ステッチ部の枝分かれ基点となる針孔)
PH3 第三針孔
PH4 第四針孔
PHi 基本針孔

Claims (6)

  1. 乗物内装品の意匠面を構成する一対の表皮ピースと、前記一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている線状のインステッチ部と、前記一対の表皮ピースの少なくとも一方に設けられたアウトステッチ部とを備え、前記一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である継ぎ目が、前記インステッチ部によって閉じ状態とされている乗物内装品の表皮において、
    前記アウトステッチ部が、前記インステッチ部の延びる方向に沿って連続的に延びている第一ステッチ部と、前記第一ステッチ部から適宜の位置で枝分かれしている複数の第二ステッチ部とを有し、
    前記第一ステッチ部が、閉じ状態の前記継ぎ目の奥側に配置されるように、前記表皮ピースの縫い代部のみに形成されて、前記インステッチ部の形成箇所から縫い代部の前記意匠面とは反対の末端までの範囲に配置され、
    前記複数の第二ステッチ部が、前記第一ステッチ部と同一の糸で形成されて、それぞれ前記第一ステッチ部の延びている方向とは異なる方向に延びて継ぎ目から対応する表皮ピースの前記意匠面に突出して配置されている乗物内装品の表皮。
  2. 前記各表皮ピースに、前記インステッチ部を通すための針孔が適宜の間隔で設けられているとともに、前記アウトステッチ部を通すための針孔が適宜の間隔で設けられており、
    前記第一ステッチ部に対する各第二ステッチ部の枝分かれ基点となる前記アウトステッチ部を通す針孔が、前記インステッチ部を通す針孔に重ならない位置に配置されている請求項1に記載の乗物内装品の表皮。
  3. 前記第一ステッチ部が、前記インステッチ部の形成箇所よりも縫い代部の前記意匠面とは反対の末端側に配置されている請求項1又は2に記載の乗物内装品の表皮。
  4. 前記各第二ステッチ部が、前記一対の表皮ピースのいずれか一方にのみ形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物内装品の表皮。
  5. 乗物内装品の意匠面を構成する一対の表皮ピースと、前記一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている線状のインステッチ部と、前記一対の表皮ピースの少なくとも一方に設けられたアウトステッチ部とを備え、前記一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である継ぎ目が、前記インステッチ部によって閉じ状態とされている乗物内装品の表皮において、
    前記アウトステッチ部が、前記インステッチ部の延びる方向に沿って連続的に延びている第一ステッチ部と、前記第一ステッチ部から適宜の位置で枝分かれしている複数の第二ステッチ部とを有し、
    前記第一ステッチ部が、前記一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である閉じ状態の継ぎ目の奥方に配置されて、前記継ぎ目において前記表皮の裏側に配置する面材に縫付けられており、
    前記複数の第二ステッチ部が、前記第一ステッチ部と同一の糸で形成されて、それぞれ前記第一ステッチ部の延びている方向とは異なる方向に延びて前記継ぎ目から対応する表皮ピースの前記意匠面に突出して配置されている乗物内装品の表皮。
  6. 乗物内装品の意匠面を構成する一対の表皮ピースと、前記一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている線状のインステッチ部と、前記一対の表皮ピースの少なくとも一方に設けられたアウトステッチ部とを備え、前記一対の表皮ピースの縫い代部同士を縫着して閉じ合せている箇所である継ぎ目が、前記インステッチ部によって閉じ状態とされている乗物内装品の表皮の製造方法において、
    前記アウトステッチ部として、前記インステッチ部の延びる方向に沿って連続的に延びている第一ステッチ部と、前記第一ステッチ部から適宜の位置で枝分かれしている複数の第二ステッチ部とをミシンによって形成するに際して、
    上面視において縦33mm未満で横18mm未満の略矩形状をなす縦向きの前記ミシンの押え脚で、前記アウトステッチ部を形成すべき表皮ピース部分を押えながら、前記第一ステッチ部を、閉じ状態の前記継ぎ目の奥側に配置されるように、前記表皮ピースの縫い代部のみに形成して、前記インステッチ部の形成箇所から縫い代部の前記意匠面とは反対の末端までの範囲に配置するとともに、前記複数の第二ステッチ部を、前記第一ステッチ部と同一の糸で形成しつつ、それぞれ前記第一ステッチ部の延びている方向とは異なる方向に延ばして、前記継ぎ目から対応する表皮ピースの前記意匠面に突出させて配置させる乗物内装品の表皮の製造方法。
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