JP6641854B2 - コジェネレーション・システムの機器特性を作成するための方法、システム、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、コジェネレーション・システムの機器特性を作成するための方法、システム、及びプログラムに関する。
近年、環境問題と資源問題の双方の観点から、エンジン、タービン、燃料電池等の発電設備をエネルギーの需要地の近くに配置し、発電した電力と共に、発電に伴って発生する熱エネルギーを有効に利用するコジェネレーション・システム(Co−Generation System(CGS))が注目されている。現在、我が国の電力需給システムの主流は、電力会社の大規模集中発電によるものであるが、需要地に隣接して分散配置されるこのような小規模な発電システム全般は、「分散型エネルギーシステム」と呼ばれる。
一般的に、分散型エネルギーシステムの構成の問題は、最適配置問題と最適運用問題が複合した非常に複雑な問題となる。分散型エネルギーシステムの設計する際には、設計条件となるパラメータが多く、また時間ごとの煩雑なエネルギー計算を年間にわたって行う必要がある。特に、コジェネレーション・システムの場合には、発電を行なうためのガスエンジン、ガスタービン、燃料電池等の原動機と、発電時に発生する熱を利用する熱交換器、熱で駆動する吸収式冷温水器等の排熱利用機器から構成され、発電出力と熱の両方を有効に利用しなければ、本来の効率を発揮できないことから、コジェネレーション・システムのシステム構成を決定する問題は重要である。
この運用問題は、互いに関連する複数の機器の時間毎の運転スケジュール等を決める問題であり、熟練したオペレータでなければ、人手で運転計画を策定するのは不可能である。このため、分散型エネルギーシステムの運用問題においては、パーソナル・コンピュータ等による支援ツールを活用するのが望ましい。
例えば、特許文献1は、 電力供給源(EP)と都市ガス供給減(UG)からのエネルギーに基づいて、ガスエンジン(GE)31とヒートポンプ(HP)30と排熱利用吸収式冷凍機(AR)32を用いて、電力負荷と冷房負荷と暖房負荷にエネルギーを供給するコジェネレーション・システムを教示している。特許文献1のコジェネレーション・システムは、制御処理プログラムを実行して、ハミルトンアルゴリズムに従って、ガスエンジン(GE)を含む発電機51とヒートポンプ(HP)を含む電気式熱源52と排熱利用吸収式冷凍機(AR)を含む排熱利用機54とからなる建物エネルギーシステムのコストを表す評価関数を最小化する。その際に、GE、HP、及びARそれぞれの効率と、GEの排熱回収率をパラメータとして上記の評価関数に組み込んでいる。評価関数の最小化の際に、特許文献1のシステムは、複数の異なる種類の熱源機器の効率及び発電機の排熱回収率を入力パラメータとして使用して、評価関数の最小化又は最大化を行う。
特開2000‐146257号公報
しかしながら、これらの入力パラメータとして使用されるGE、HP、及びARそれぞれの効率及びGEの排熱回収率は負荷率に応じて変動するものであるが、特許文献1に記載されたシステムでは、これらのパラメータは最適化手順の最初にキーボードから入力されており、負荷率に応じた変動は何ら考慮されていない。
従って、特許文献1のシステムでは、省エネ機器として普及が進んでいる排熱投入型吸収冷温水機の排熱回収特性が負荷率に依存することへの対応ができていない。
本発明の第1の態様によれば、本発明は、少なくとも1つの発電設備と少なくとも1つの排熱利用機器とを含むコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークにおいて、該コジェネレーション・システムの該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する機器特性モデル生成装置であって、
該少なくとも1つの発電設備の負荷率と、該少なくとも1つの排熱利用機器の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値とを取得する第1の入出力特性取得部と、
該少なくとも1つの排熱利用機器の該入出力特性を該発電設備の負荷率及び該排熱利用機器の負荷率の関数として表した、該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する排熱利用機器特性モデル生成部とを含む、機器特性モデル生成装置である。
本発明の第2の態様によれば、本発明は、少なくとも1つの発電設備と少なくとも1つの排熱利用機器とを含むコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークにおいて、該コジェネレーション・システムの該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する機器特性モデル生成方法であって、
該少なくとも1つの発電設備の負荷率と、該少なくとも1つの排熱利用機器の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値とを取得するステップと、
該少なくとも1つの排熱利用機器の該入出力特性を該発電設備の負荷率及び該排熱利用機器の負荷率の関数として表した、該排熱利用機器の機器特性モデルを生成するステップとを含む、機器特性モデル生成方法である。
本発明の第3の態様によれば、本発明は、少なくとも1つの発電設備と少なくとも1つの排熱利用機器とを含むコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークにおいて、該コジェネレーション・システムの該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する方法を機器特性モデル生成装置に実行させる機器特性モデル生成プログラムであって、
該機器特性モデル生成装置は、第1の入出力特性取得部と排熱利用機器特性モデル生成部とを含み、該方法は、
該第1の入出力特性取得部が、該少なくとも1つの発電設備の負荷率と、該少なくとも1つの排熱利用機器の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値とを取得するステップと、
該排熱利用機器特性モデル生成部が、該少なくとも1つの排熱利用機器の該入出力特性を該発電設備の負荷率及び該排熱利用機器の負荷率の関数として表した、該排熱利用機器の機器特性モデルを生成するステップとを含む、機器特性モデル生成プログラムである。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄の記載、及び図面の記載等により明らかにされる。
排熱投入型吸収冷温水機は発電機からの排熱を利用しているため、発電機の機器特性と排熱投入型吸収冷温水機の機器特性をモデル化する必要があるが、本発明に係るシステム及び方法は、メーカーから提供される特性カーブを、負荷率を変数として、発電機における排熱量と排熱投入型吸収冷温水機における排熱回収量及び成績係数(COP)を回帰して係数を推計するように構成される。従って、メーカーから提供される特性データを用いて特性関数を推計してモデル化することで、任意の負荷率における特性値を容易に取得できるようになる。すなわち、負荷率がわかれば、精度の高い発電機排熱量を得た後、排熱回収量や成績係数を容易に得ることが可能となる。
本発明に従ったコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークを示す図である。 コジェネレーション・システムの機能ブロック図である。 電動冷凍機(ERU)108の機能ブロック図である。 ガス吸収式冷温水機(GAB)114の機能ブロック図である。 本願発明に従った熱源機器ネットワークの運転計画を最適化するためのシステムの概念図である。 需要予測部のハードウェア構成の機能ブロック図を示している。 需要予測部のソフトウェア構成を示す図である。 外気冷房(ナイトパージ)ブロック206の動作を示す概念図である。 比エンタルピ予測ブロック208及び外気冷房(ナイトパージ)ブロック206によって行われる排熱量予測の概念図である。 外気冷房(ナイトパージ)制御装置を示す機能ブロック図である。 建物外の気温の予測値、湿度の予測値、空気密度、及び比エンタルピ、建物内の気温の予測値、湿度の予測値、空気密度、比エンタルピ、換気量、及び排熱量の関係を示す図である。 各熱源機器の冷却水温予測の概念図である。 予測モデルを用いて予測した冷却水温T(i)の予測値T(i,t)と実績値との比較を示す図である。 発電設備(EGE)110の機器特性モデルの作成及びコスト計算方法を示すブロック図である。 排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率―排熱回収量特性及び負荷率―COP特性を示す図である。 排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のコスト計算方法を示すブロック図である。 機器特性モデル化ブロック212を用いて電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器モデルを求める際の各機能のブロック図である。 冷房機器のCOP特性を示す図である。 電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器特性を示す図である。 電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器特性を示す図である。 電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器特性を示す図である。 電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114のコストの計算の手順を示す機能ブロック図である。 本発明に従った熱源機器ネットワークの運転計画の最適化方法のフローチャートである。 本発明に従った熱源機器ネットワークの運転計画の最適化方法のフローチャートである。
本発明は様々な変更形態及び代替形態が可能であるが、本発明の一例としての実施形態が実施例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし、一例としての実施形態の本明細書における説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、本発明は、特許請求の範囲によって規定された本発明の趣旨及び範囲に入る全ての変更形態、同等形態、及び代替形態を含む。
(1) 熱源機器ネットワークの全体構成
図1は、本発明に従ったコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークを示す図である。
熱源機器ネットワーク100は、受電設備102、燃料供給設備104、電気負荷106、電動冷凍機108、コジェネレーション・システム(CGS)120、ガス吸収式冷温水機114、及び空調負荷116を含む。コジェネレーション・システム(CGS)120は、発電設備(EGE)110及び排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112を含む。
受電設備102は、t番目(t=1,…,n)の単位時間tにおいて、総計Prec(t)の電力を外部から受け取り、電力Precl(t)を電気負荷(EL)106に供給し、電力Precre(t)を電動冷凍機(ERU)108に供給する。燃料供給設備(FSF)104は、合計F(t)の供給燃料のうち、燃料FSEGE(t)を発電設備(EGE)110に供給し、燃料FSEXH(t)を排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に供給し、燃料FSGAB(t)をガス吸収式冷温水機(GAB)114に供給する。発電設備(EGE)110は、発電電力PEG(t)のうち、電力PEGl(t)を電気負荷(EL)106に供給し、電力PEGER(t)を電動冷凍機(ERU)108に供給する。また、発電設備(EGE)110は、排熱HhEG(xEGE(t))を排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に供給する。電動冷凍機(ERU)108は、冷水により冷熱HcERU(t)を空調負荷116に供給し、ガス吸収式冷温水機(GAB)114は、冷温水により冷熱HcGAB(t)を空調負荷116に供給する。排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112は、燃料供給設備(FSF)104から供給された燃料FSEXH(t)と発電設備(EGE)110から供給された排熱HhEG(t)を使用して、冷温水により冷熱HcEXH(t)を空調負荷116に供給する。
動作中、発電設備(EGE)110は、温度TEGE(t)の冷却水で設備を冷却しつつ、指定された負荷率xEGE(t)に応じた電力PEG(t)を生成する。また、発電設備(EGE)110は、負荷率xEGE(t)に応じた排熱HhEG(xEGE(t))を排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に供給する。電動冷凍機(ERU)108は、温度TERU(t)の冷却水で設備を冷却しつつ、指定された負荷率xERU(t)に応じた冷熱HcERU(t)を生成する。排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112は、温度TEXH(t)の冷却水で設備を冷却しつつ、指定された負荷率xEXH(t)に応じた冷熱HcEXH(t)を生成する。排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の排熱回収特性は、負荷率xEXH(t)に依存して決まる。ガス吸収式冷温水機(GAB)114は、温度TGAB(t)の冷却水で設備を冷却しつつ、指定された負荷率xGAB(t)に応じた冷熱HcGAB(t)を生成する。また、各設備には冷却ポンプ等の補機が装備されており、これらの動力である電気は、受電設備及び発電設備で供給される。
単位時間tにおける電力需要をP(t)、熱需要をH(t)とすると、熱源機器ネットワーク100は、
rec(t)=Precl(t)+Precre(t) (1)
EG(t)=PEGl(t)+PEGER(t) (2)
(t)=FSEGE(t)+FSEXH(t)+FSGAB(t) (3)
recl(t)+Precre(t)+PEGl(t)+PEGER(t)=P(t) (4)
cERU(t)+HcEXH(t)+HcGAB(t)=H(t) (5)
を満たす必要がある。
(2) コジェネレーション・システム
図2は、コジェネレーション・システムの機能ブロック図である。図2において、それぞれ、図2(a)は、発電設備(EGE)の機能ブロック図、図2(b)は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)の機能ブロック図である。
コジェネレーション・システムは、エンジン、タービン、燃料電池といった発電装置を需要地の近くに設置し、熱交換器や吸収式冷温水機といった発電時に発生する排熱を利用する排熱利用機器で発電装置の排熱を有効利用するシステムである。
(i) 発電設備
発電設備(EGE)110は、機器諸元入力部1302、機器諸元格納部1304、負荷率計算部1306、発電量設定部1308、機器特性データ入力部1310、機器特性データ格納部1312、機器特性モデル生成部1314、排熱量計算部1316、所要燃料計算部1218、補機類稼働判定部1320、コスト等計算部1322、計算結果格納部1324を含む。
発電設備(EGE)110を動作させる際に、最初に、機器諸元入力部1302に発電設備(EGE)110の定格P(rat) EGを含む諸元を入力する。入力された諸元は、機器諸元格納部1304に格納される。同時に、発電量設定部1308に所望の発電量を入力すると、発電設備(EGE)110の負荷率xEGE(t)が負荷率計算部1306で計算される。負荷率xEGE(t)を使用することによって、排熱量計算部1316で、総排熱量HhEG (gross)(xEGE(t))及び回収可能な排熱量(すなわち、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に供給される排熱量)HhEG(xEGE(t))が計算される。排熱量という絶対値を計算する際には機器の定格が必要となるため、機器諸元格納部1304から機器諸元を取得して、それぞれの排熱量を計算する。
発電機は、一般的に、負荷率xEGE(t)に応じて効率(すなわち、損失)ηEGE(xEGE(t))が定まるようになっており、効率ηEGE(xEGE(t))が分かればそれぞれの排熱量がわかる仕組みになっている。総排熱量HhEG (gross)(xEGE(t))が分かれば燃料消費量(所要燃料)FSEGE(t)がわかるので、所要燃料FSEGE(t)を、所要燃料計算部1318で計算しておく。計算された所要燃料に基づいてコストをコスト等計算部1322で計算する。コストを計算する際に、外部から電力料金単価、ガス料金単価、及びCO排出原単価を取得する。排熱量の計算結果とコストの計算結果は、計算結果格納部1324に格納される。回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))の計算結果は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の排熱量入力部1356に送られる。
発電設備(EGE)110は、補機類稼働判定部1320を含むが、補機類とは、例えば、発電設備(EGE)110の冷却ポンプである。冷却ポンプの数は発電設備(EGE)110の負荷率xEGE(t)によって決まってくるので、負荷率計算部1306からの負荷率xEGE(t)を使用することによって、補機類稼働判定部1320において補機類が稼働中か否かを判定する。
(ii) 排熱投入型吸収冷温水機
排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112は、機器諸元入力部1352、機器諸元格納部1354、排熱量入力部1356、負荷率計算部1358、熱量設定部1360、機器特性データ入力部1362、機器特性データ格納部1364、機器特性モデル生成部1366、排熱回収量計算部1368、補機類稼働判定部1370、COP計算部1372、所要燃料計算部1374、コスト計算部1376、計算結果格納部1378を含む。
排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112は、発電設備(EGE)110から供給された発生した回収可能な排熱HhEG(xEGE(t))を使用して冷房用の冷熱を生成する熱源機器である。排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112を動作させる際に、最初に、機器諸元入力部1352に排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の定格値H(rat) cEXHを含む諸元を入力する。入力された諸元は、機器諸元格納部1354に格納される。同時に、熱需要H(t)のうち排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に割り当てられた熱需要HcEXH (rec)(t)を熱量設定部1360に入力すると、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)が負荷率計算部1358で計算される。排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収量HhEXH (rec)(xEXH(t))は、図15(a)に示されているように、負荷率xEXH(t)の関数である。従って、排熱回収量HhEXH (rec)(xEXH(t))は、排熱量入力部1356の回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))と機器特性モデル生成部1366の出力と機器諸元格納部1354からの機器諸元とを使用して、排熱回収量計算部1368で計算される。この際に、排熱回収量HhEXH (rec)(xEXH(t))という絶対値を求めるのに機器の定格が必要となるため、機器諸元格納部1354から機器定格を取得して計算を行う。排熱回収量HhEXH (rec)(xEXH(t))がわかると消費燃料(所要燃料)FSEXH(t)がわかるので、燃料供給設備(FSF)104から供給を受けることが必要となる所要燃料が所要燃料計算部1374において計算される。
さらに、計算された所要燃料に基づいてコストをコスト計算部1376で計算する。コストを計算する際に、外部から電力料金単価、ガス料金単価、及びCO排出原単価を取得する。コストの計算結果は、計算結果格納部1378に格納される。
(3) 電動冷凍機及びガス吸収式冷温水機
図3は、電動冷凍機(ERU)108の機能ブロック図である。
電動冷凍機(ERU)108は、機器諸元入力部402、機器諸元格納部1404、負荷率計算部1406、熱量設定部1408、機器特性データ入力部1410、機器特性データ格納部1412、機器特性モデル生成部1414、冷却水温入力部1416、冷却水温格納部1418、COP計算部1420、所要燃料計算部1422、コスト計算部1424、計算結果格納部1426、補機類稼働判定部1428を含む。
電動冷凍機(ERU)108の動作は冷却水温TERU(t)に大きく影響を受ける。まず、機器特性データ入力部1410にT=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃についてのCOP値を入力し、機器特性データ格納部1412に入力されたCOP値を格納しておく。これと並行して、冷却水温入力部1416に冷却水温TERU(t)を入力し、冷却水温格納部1418に冷却水温TERU(t)を格納しておく。機器特性モデル生成部1414では、上記のCOP値を補間することにより、機器特性COP(i,TERU(t),xERU(t))を生成する(i=1,…,mは、熱源機器のインデックスを表すものとする)。生成された機器特性COP(i,TERU(t),xERU(t))は、COP計算部1420に送られ、機器特性COP(i,TERU(t),xERU(t))からある特定の負荷率xERU(t)と冷却水温TERU(t)についてのCOP値が計算される。COP値がわかれば、燃料消費特性がわかるため、ある特定の熱需要に対する所要燃料を所要燃料計算部1422で計算することができる。所要燃料がわかれば、コスト計算部1424でコストを計算することができる。
図4は、ガス吸収式冷温水機(GAB)114の機能ブロック図である。
ガス吸収式冷温水機(GAB)114は、機器諸元入力部1502、機器諸元格納部1504、負荷率計算部1506、熱量設定部1508、機器特性データ入力部1510、機器特性データ格納部1512、機器特性モデル生成部1514、冷却水温入力部1516、冷却水温格納部1518、COP計算部1520、所要燃料計算部1522、コスト計算部1524、計算結果格納部1526、補機類稼働判定部1528を含む。
ガス吸収式冷温水機(GAB)114は、ガスを燃焼させて内部にある冷媒を濃縮することにより、冷房用の冷熱を生成する熱源機器である。ガス吸収式冷温水機(GAB)114の動作は冷却水温TGAB(t)に大きく影響を受ける。まず、機器特性データ入力部1510にT=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃についてのCOP値を入力し、機器特性データ格納部1512に入力されたCOP値を格納しておく。これと並行して、冷却水温入力部1516に冷却水温TGAB(t)を入力し、冷却水温格納部1518に冷却水温TGAB(t)を格納しておく。機器特性モデル生成部1514では、入力された上記のCOP値を補間することにより、機器特性COP(i,TGAB(t),xGAB(t))を生成する。生成された機器特性COP(i,TGAB(t),xGAB(t))は、COP計算部1520に送られ、機器特性COP(i,TGAB(t),xGAB(t))からある特定の負荷率xGAB(t)と冷却水温TGAB(t)についてのCOP値が計算される。COP値がわかれば、燃料消費特性がわかるため、ある特定の熱需要に対する所要燃料を所要燃料計算部1522で計算することができる。所要燃料がわかれば、コスト計算部1524でコストを計算することができる。
(4) 運転計画最適化システムの全体構成
図5は、本願発明に従った熱源機器ネットワークの運転計画を最適化するためのシステムの概念図である。
本発明の最適化システム200は、電力需要予測ブロック202、熱需要予測ブロック204、外気冷房(ナイトパージ)ブロック206、比エンタルピ予測ブロック208、冷却水温予測ブロック210、機器特性モデル化ブロック212、需要計算ブロック214、熱源機器運転計画最適化ブロック216、実績データ入力ブロック218、計画・予測データ入力ブロック220、熱源機器・補機類諸元入力ブロック222、熱源機器特性データ入力ブロック224、運転計画作成諸元入力ブロック226、及び運転計画出力ブロック228を含む。
実績データ入力ブロック218及び計画・予測データ入力ブロック220の入力データは、各種予測ブロック202乃至208において使用される。実績データ入力ブロック218では、カレンダー情報、建物内外の気温θin及びθoutの実績値(t−1以前のデータ)、建物内外の湿度humin及びhumoutの実績値、各熱源機器の冷却水温Tの実績値、建物内に入る人の数、イベント情報、熱源機器別の需要の実績値、及び換気熱量VQの実績値が入力される。計画・予測データ入力ブロック220では、カレンダー情報、建物内外の気温θin(t)及びθout(t)の予測値、建物内外の湿度humin(t)及びhumout(t)の予測値、建物に入る人の数NP(t)の予測値、イベント情報、及び換気熱量VQ(t)の予測値が入力される。実績データ入力ブロック218の入力データは、電力需要予測ブロック202、熱需要予測ブロック204、及び冷却水温予測ブロック210に供給される。計画・予測データ入力ブロック220の入力データは、電力需要予測ブロック202、熱需要予測ブロック204、外気冷房(ナイトパージ)ブロック206、比エンタルピ予測ブロック208、及び冷却水温予測ブロック210に供給される。
機器特性データとしての成績係数(COP)は、機器特性モデル化ブロック212に供給される。機器特性モデル化ブロック212は、発電設備(EGE)110の負荷率xEGE(t)の関数として、総排熱量HhEG (gross)(xEGE(t))を決定し、さらに、負荷率xEGE(t)の関数として、回収可能な排熱量(すなわち、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に供給される排熱量)HhEG(xEGE(t))を決定する。機器特性モデル化ブロック212は、決定された回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))を使用して、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)の関数として、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収量HhEXH (rec)(xEXH(t))を表す。さらに、機器特性モデル化ブロック212は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に対して割り当てられた熱需要HcEXH (rec)(t)と排熱回収量HhEXH (rec)(xEXH(t))とから、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のガス焚き分負荷率をx(gd) EXH(t)を求め、ガス焚き分負荷率をx(gd) EXH(t)の関数として、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のガス焚きCOP特性をCOP(gd)(x(gd) EXH(t))として決定する。機器特性モデル化ブロック212は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)の関数として、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の排熱COP特性をCOP(exh)(xEXH(t))として決定する。また、器特性モデル化ブロック212は、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の負荷率xERU(t)及びのxGAB(t)、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の冷却水温TERU(t)及びTGAB(t)の関数として、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の熱源機器モデルCOP(x(i,t),T(i,t))を計算する(i=1,…,mは、熱源機器のインデックスを表すものとする)。
(5) 電力需要予測ブロック及び熱需要予測ブロック
電力需要予測ブロック202での電力需要予測は、周知の方法で行われる。
図6は、需要予測部のハードウェア構成の機能ブロック図を示している。
需要予測部300は、CPU302、メモリ304、記憶装置306、インタフェース308、入力装置310、及び出力装置312を含む。CPU302は、記憶装置306に記憶されているプログラムをメモリ304に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。メモリ304は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)及び/又は読取り専用メモリ(ROM:read only memory)を含む。記憶装置306は、テープ・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ドライブ、ハード・ディスク・ドライブ又はコンパクト・ディスク・ドライブを含む。インタフェース308は、センサ314と接続する、例えば、シリアルケーブルや通信ケーブル等を接続するためのインタフェースである。センサ314は、外気温θoutを測定するセンサであってもよい。需要予測部300は、インタフェース308を介してセンサ314から外気温θoutの測定値を取得することができる。
入力装置310は、データの入力を受け付ける、例えば、キーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォン等を含む。出力装置106は、データを出力する、例えば、ディスプレイやプリンタ、スピーカ等を含む。
図7は、需要予測部のソフトウェア構成を示す図である。
需要予測部400は、データベース402、実績データ(実測値)期間入力部404、実績データ取得部406、及びパラメータ推計部408を含む。
データベース402は、外気温θoutの実績値を含む、熱需要予測に必要なデータを記憶する。データベース402には、年月日、曜日、時刻、休日等のカレンダー情報が記憶されており、そのカレンダー情報の中の日付及びある特定の単位時間tに関連させた形で、その単位時間t以前の単位時間、例えば、単位時間t−1及びt−2における、外気温θoutの実績値、建物内空気の温度(内気温)θinの実績値、建物外の湿度(外湿度)humoutの実績値、建物内の湿度(内湿度)huminの実績値、熱需要Hの実績値、換気熱量VQの実績値、建物内の目標設定温度、建物に入る人の数NP、及びイベントの有無IVが記憶される。
換気熱量VQ(t)は、単位時間tにおいて建物を換気したことにより変化した熱量として算出される。比エンタルピは温度と湿度とから算出することができる。また、空気密度は温度と大気圧とから算出することができる。
単位時間tにおいて建物外から取り入れられた熱量Din(t)は、建物外の空気の比エンタルピをhout(t)[kJ/kg]、建物外の空気の空気密度をρout[kg/m]、換気量をVV(t)[m]とすると、
in(t)=hout(t)×ρout×VV(t) (6)
により求めることができる。
また、単位時間tにおいて建物外に排出された熱量Dout(t)は、建物内の空気の比エンタルピをhin(t)[kJ/kg]、建物内の空気の空気密度をρin[kg/m]、換気量をVV(t)[m]とすると、
out(t)=hin(t)×ρin×VV(t) (7)
により求めることができる。
従って、換気熱量VQ(t)は、
VQ(t)=Din(t)−Dout(t) (8)
により求めることができる。
本発明では、CPU302は、計画・予測データ入力ブロック220から取得した単位時間tにおける建物外の気温θout(t)の予測値及び建物外の湿度humout(t)に基づいて建物外の空気の比エンタルピhout(t)の予測値を算出し、計画・予測データ入力ブロック220から取得した単位時間tにおける建物内の気温θin(t)の予測値及び建物内の湿度humin(t)に基づいて建物内の空気の比エンタルピhin(t)の予測値を算出する。CPU302は、また、単位時間tにおいて換気が行われた場合にはVV(t)の値を取得し、換気が行われていない場合にはVV(t)を0とする。CPU302は、所定の大気圧と、建物内外の気温θin(t)及びθout(t)に基づいて建物内外の空気の空気密度をρin及びρoutを算出する。CPU302は、上記式に建物外の空気の比エンタルピをhout(t)、建物外の空気の空気密度をρout及び換気量VV(t)を適用して、単位時間tにおいて建物外から取り入れられた熱量Din(t)を算出し、上記式に建物内の空気の比エンタルピをhin(t)、建物内の空気の空気密度をρin及び換気量VV(t)を適用して、単位時間tにおいて建物外に排出された熱量Dout(t)を算出し、上記式により換気熱量VQ(t)を算出する。
実績データ取得部406は、予測を行う単位時間を実績データ期間入力部404から取得し、パラメータ推計に用いる実績データのセットをデータベース402から取得する。パラメータ推計部408は、熱需要の予測モデルに用いるパラメータのセットを推計する。熱需要の予測値H (t)の予測モデルは、式
(t)=k+k・θout(t)+k・humout(t)+k・NP(t)+VQ(t) (9)
によって表される。ここで、kは定数であり、k、k、及びkは回帰係数である。パラメータ推計部408は、変量のセットΩ=[θout(t),humout(t),NP(t),VQ(t)]の多数のサンプルを使用して、定数k及び回帰係数k、k、及びkの推計を行い、推計処理は、一般的な回帰分析の手法により行われる。代替的に、推計処理は、LMSアルゴリズムを用いて適応的に行われてもよい。
パラメータ推計部408は、推計したパラメータのセットK=[k,k,k,k]をデータベース402に格納する。CPU302は、単位時間tにおける変量のセットΩ=[θout(t),humout(t),NP(t),VQ(t)]に格納したパラメータのセットK=[k,k,k,k]を適用して、熱需要の予測値H (t)を計算する。
代替的に、熱需要予測は、ニューラルネットワーク(NN)、カルマンフィルタ等のモデル、時系列解析、ファジー理論等の手法を用いて行われても良い。
建物に入る人の数NPが増えれば熱需要も増加するが、小売店や飲食店等の店舗においては、経験的に、曜日や時間帯によって来客数が変動する。また、建物のエリア内においてイベントが開催された場合には通常とは異なる人の数NPとなるが、イベントの有無を表すIVも考慮される。上記の予測モデルによれば、曜日や時間帯、イベントの有無を考慮することで、熱需要の予測値の精度が向上する。
(6) 外気冷房(ナイトパージ)ブロック
図8は、外気冷房(ナイトパージ)ブロック206の動作を示す概念図である。
図9は、比エンタルピ予測ブロック208及び外気冷房(ナイトパージ)ブロック206によって行われる排熱量予測の概念図である。
図5及び図9を参照すると、比エンタルピ予測ブロック208は、実績データ入力ブロック218からカレンダー情報、建物内外の気温θin及びθoutの実測値(t−1以前のデータ)、及び建物内外の湿度humin及びhumoutの実測値を取得し、計画・予測データ入力ブロック220からカレンダー情報、建物内外の気温θin(t)及びθout(t)の予測値、及び建物内外の湿度humin(t)及びhumout(t)の予測値を取得する。上記のように、比エンタルピ予測ブロック208は、単位時間tにおける建物外の気温θout(t)の予測値及び建物外の絶対湿度humout(t)に基づいて建物外の空気の比エンタルピをhout(t)の予測値を算出し、単位時間tにおける建物内の気温θin(t)の予測値及び建物内の絶対湿度humin(t)に基づいて建物内の空気の比エンタルピをhin(t)の予測値を算出する。比エンタルピ予測ブロック208は、予測した建物内外の空気の比エンタルピhin(t)及びhout(t)を外気冷房(ナイトパージ)ブロック206に供給する。
図10は、外気冷房(ナイトパージ)制御装置を示す機能ブロック図である。
外気冷房(ナイトパージ)ブロック206は、実績データ入力ブロック218から取得した建物外の気温θoutの実績値及び建物外の湿度humoutに基づいて建物外の空気のエンタルピの実績値を算出し、実績データ入力ブロック218から取得した建物内の気温θinの実績値及び建物内の湿度huminに基づいて建物内の空気のエンタルピの実績値を算出する。外気冷房(ナイトパージ)ブロック206は、比エンタルピ予測ブロック208から建物外の空気のエンタルピの予測値及び建物外の空気のエンタルピの予測値を取得する。
ナイトパージ時間帯判定装置704は、比エンタルピ予測ブロック208から取得した建物外の空気の比エンタルピをhout(t)の予測値及び建物内の空気の比エンタルピをhin(t)の予測値に基づいて各単位時間tにおけるエンタルピ差予測値を算出し、ナイトパージ設定装置702で設定された基準エンタルピ差以上のエンタルピ差があり、最もエンタルピ差の大きい単位時間を選択する。ナイトパージ実行判定装置706は、ナイトパージ設定装置702で設定されたナイトパージの基準エンタルピ差に基づいて、ナイトパージ時間帯判定装置704によって求められたナイトパージ実行時間帯の予測エンタルピ差が最大となる単位時間から、又は、基準エンタルピ差を越える予測単位時間から、建物内の空気のエンタルピの実績値から建物外の空気のエンタルピの実績値を減じた差が基準エンタルピ差を越えているか否かを判定する。タイマ装置708は、ナイトパージ実行判定装置706が判定した、建物内外のエンタルピ差の実績値の間の差が基準エンタルピ差を越えている単位時間を検出し、検出した単位時間をナイトパージ実行判定装置706に送る。ナイトパージ実行判定装置706は、タイマ装置708が検出した単位時間からナイトパージ設定装置702で設定されたナイトパージ継続時間が経過した場合にナイトパージの終了の判定を行う。
外気冷房(ナイトパージ)ブロック206の排熱量予測ブロック608は、建物外の空気の比エンタルピhout(t)の予測値、建物外の空気の空気密度ρout、及び予定換気量VV(t)に基づいて、単位時間tにおいて建物外から取り入れられた熱量Din(t)の予測値を算出し、建物内の空気の比エンタルピhin(t)の予測値、建物内の空気の空気密度ρin、及び予定換気量VV(t)に基づいて、単位時間tにおいて建物外に排出された熱量Dout(t)の予測値を算出する。排熱量予測ブロック608は、建物外から取り入れられた熱量Din(t)の予測値から建物外に排出された熱量Dout(t)の予測値を減じて、換気熱量VQ(t)の予測値を算出し、これに基づいて、排熱量の予測値を求める。
図11は、建物外のθout(t)の予測値、湿度humout(t)の予測値、空気密度ρout、及び比エンタルピhout(t)、建物内の気温θin(t)の予測値、湿度humin(t)の予測値、空気密度ρin、及び比エンタルピhin(t)、換気量VV(t)、及び排熱量の関係を示す図である。
排熱量の予測値を求めると、熱需要の予測値H (t)のうちどれだけを外気冷房で賄えるかを予測することができる。上記のように、電力需要予測ブロック202、熱需要予測ブロック204、外気冷房(ナイトパージ)ブロック206、及び比エンタルピ予測ブロック208を取り込むことにより、より正確な電力需要P(t)及び熱需要H(t)を計算することができる。
(7) 冷却水温予測ブロック
図12は、各熱源機器の冷却水温予測の概念図である。
本発明では、各熱源機器の運転効率を上げるために、各熱源機器の冷却水温T(i,t)の予測精度の向上を図る。冷熱負荷が大きく、負荷変動の大きいビルやデパート等の空調には複数の熱源機器が設置されており、コストが小さくなるなどの目的に沿って運転計画を作成して、これに基づいて熱源機器の運転を行っている。熱源機器の冷凍能力に関しては、過去の実績を参考にして運転計画を作成しているのが現状であるが、実際の冷凍能力は冷却水温に大きく依存している。運転計画作成のためには冷却水温が重要であるが、運転計画作成の際に冷却水温を予測する先行技術は、現段階では存在しない。
熱源を通過した冷却水は、一般的に、冷却塔へ送水され、そこで冷却される。従って、冷却水温は、熱源の放熱量(すなわち、空調需要)と外気温の影響を大きく受けることが予想される。そこで、本発明では、熱需要予測結果と気象庁等から公表される予測気温値を説明変数として使用し、冷却水温を予測する。
冷却水温予測ブロック210は、実績データ入力ブロック218からカレンダー情報、建物外の気温θoutの実績値、各熱源機器(i=1,…,m)の冷却水温T(i)の実績値、及び熱需要Hの実績値を取得し、計画・予測データ入力ブロック220からカレンダー情報及び建物外の気温θoutの予測値θ out(t)を取得する。冷却水温予測ブロック210は、また、熱需要予測ブロック204から熱需要Hの予測値H (t)を取得する。lを定数、l、l、l、及びlを回帰係数として、冷却水温T(i,t)の予測モデルは、
(i,t)=l+l・θ out(t)+l・θout(t−1)+l・T(i,t−1)+l・(H(i,t−1)−H(i,t−2)) (i=1,…、m) (10)
で表される。
冷却水温予測ブロック210は、変量のセットΩ=[θ out(t),θout(t−1),T(i,t−1),H(i,t−1),H(i,t−2)]の多数のサンプルを使用して、定数l、及び回帰係数l、l、l、及びlの推計を行い、推計処理は、一般的な回帰分析の手法により行われる。代替的に、推計処理は、LMSアルゴリズムを用いて適応的に行われてもよい。
冷却水温予測ブロック210は、推計したパラメータのセットL=[l,l,l,l,l]を図示しないデータベースに格納する。冷却水温予測ブロック210は、変量のセットΩ=[θ out(t),θout(t−1),T(i,t−1),H(i,t−1),H(i,t−2)]に格納したパラメータのセットL=[l,l,l,l,l]を適用して、冷却水温T(i)の予測値T(i,t)を計算する。
図13は、式(10)で示される予測モデルを用いて予測した冷却水温T(i)の予測値T(i,t)と実績値との比較を示す図である。
冷却水温予測は、ニューラルネットワーク(NN)、カルマンフィルタ等のモデル、時系列解析、ファジー理論等の手法を用いて行われても良い。
冷却水の水温を予測するのは、各熱源機器において冷却水は設備冷却後に元の場所に戻されるため、各熱源機器の負荷率x(i,t)及び効率(すなわち、燃料及び電力の消費特性)と相関を持っているためであり、冷却水の水温を予測することは、各熱源機器の機器モデルを決定する上で必要だからである。予測モデル(10)に熱需要Hを取り込むのは、熱需要Hの値が冷却水の水温予測の過程でフィードバックとして作用するからである。式(10)の最後の項、すなわち、(H(i,t−1)−H(i,t−2))は熱需要Hの増加率(勾配)であるが、この項は、温度変化の値では補えない部分を補足する補正項として作用する。
上記のように、熱源機器ネットワークの運転計画を最適化するためのシステムに、電力需要予測ブロック202、熱需要予測ブロック204、外気冷房(ナイトパージ)ブロック206、及び比エンタルピ予測ブロック208を取り込むことにより、より正確な電力需要及び熱需要の計算が可能となる。需要計算ブロック214は、上記のブロックからの情報に基づいて、単位時間tにおける電力需要P(t)及び熱需要H(t)を計算する。
(8) 機器特性モデル化ブロック(コジェネレーション・システムの場合)
一般的に、空調負荷が大きく、負荷変動の大きいビルやデパート等の空調には複数の熱源機器が設置されており、コストが小さくなるなどの目的に沿って運転計画を作成して、これに基づいて多種多様な熱源機器からなる熱源機器ネットワークの運転を行っている。
ここで、発電設備と排熱利用吸収冷温水機とからなるコジェネレーション・システムの運転計画作成の際には、実測もしくはシュミュレーションによって得られた特性カーブを機器メーカーから入手し、これを運転計画システムに入力することにより運転計画を作成しているのが現状である。
本発明は、メーカーから提供される特性データを用いて、特性関数を推計してモデル化し、任意の負荷率における特性値を容易に取得できるようにすることを目的の1つとしている。
ここで、コジェネレーション・システムの場合には、発電を行なうためのガスエンジン、ガスタービン、燃料電池等の原動機と、発電時に発生する熱を利用する熱交換器、熱で駆動する吸収式冷温水器等の排熱利用機器から構成され、発電出力と熱の両方を有効に利用しなければ、本来の効率を発揮できない。本発明においても、排熱投入型吸収冷温水機は発電機からの排熱を利用しているため、発電設備(EGE)110の機器特性と排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の機器特性をモデル化する必要がある。
本発明においては、メーカーから提供される特性カーブを、負荷率を変数として、発電設備(EGE)110における排熱量と排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112における排熱回収量及び成績係数(Coefficient of Performance(COP))を回帰して、係数を推計する。すなわち、負荷率がわかれば、精度の高い発電機排熱量を得た後、排熱回収量や成績係数を容易に得ることが可能となる。
(i) 発電機の機器特性モデルの作成及びコスト計算方法
図14は、発電設備(EGE)110の機器特性モデルの作成及びコスト計算方法を示すブロック図である。
発電設備(EGE)110の機器特性モデル化ブロック212は、発電設備(EGE)110の機器特性データ格納部1312から発電設備(EGE)110の機器特性を取得する。機器特性データとして、発電設備(EGE)110の負荷率xEGE(t)が、xEGE(t)=50[%],75[%],100[%]の各値をとる場合について、それぞれ、入熱量[MJ/h]、軸出力[MJ/h]、冷却水熱量[MJ/h]、排気ガス熱量[MJ/h]、インタークーラー熱量[MJ/h]、放熱量[MJ/h]の各値が与えられている。ここで、入熱量は、燃料供給設備(FSF)104から発電設備(EGE)110に供給される燃料FSEGE(t)を燃焼させた際に発生する熱量を示しており、軸出力は、発電設備(EGE)110に供給される燃料FSEGE(t)を燃焼させた際に発生する熱量のうち、発電機のタービンの軸を回すために当該熱量がタービンに対してする仕事量を示しており、冷却水熱量は、冷却水に放熱される熱量を示しており、排気ガス熱量は、排気ガス中に含まれる熱量を示しており、インタークーラー熱量は、冷却フィンから放熱される熱量を示しており、放熱量は、発電設備の壁面等から放熱される熱量を示している。
ここで、発電設備(EGE)110の総排熱量H(gross) hEG(xEGE(t))は、冷却水熱量[MJ/h]、排気ガス熱量[MJ/h]、インタークーラー熱量[MJ/h]、及び放熱量[MJ/h]の合計をとることで求められ、
となる。ここで、k=1,…,4は、冷却水熱量[MJ/h](k=1)、排気ガス熱量[MJ/h](k=2)、インタークーラー熱量[MJ/h](k=3)、及び放熱量[MJ/h](k=4)のそれぞれに対応しており、cは定数であり、bは負荷率xEGE(t)に乗じる係数である。x(t|EGE)はxEGE(t)を表している。このうち、回収可能な排熱は、冷却水熱量[MJ/h](k=1)及び排気ガス熱量[MJ/h](k=2)であるので、回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))は、
となる。
発電設備(EGE)110の機器特性モデル生成部1314は、負荷率xEGE(t)=50[%],75[%],100[%]についての冷却水熱量[MJ/h](k=1)、排気ガス熱量[MJ/h](k=2)、インタークーラー熱量[MJ/h](k=3)、及び放熱量[MJ/h](k=4)の値を内挿補間して、任意の負荷率xEGE(t)についてパラメータのセット[c,b](k=1,…,4)を推計する。代替的に、発電設備(EGE)110の機器特性モデル生成部1314は、離散的な負荷率xEGE(t)の値に対する冷却水熱量[MJ/h](k=1)、排気ガス熱量[MJ/h](k=2)、インタークーラー熱量[MJ/h](k=3)、及び放熱量[MJ/h](k=4)の値の多数のサンプルを使用して重回帰分析を行い、パラメータのセット[c,b](k=1,…,4)を推計しても良い。機器特性モデル生成部1314は、推計したパラメータのセット[c,b]を熱源機器運転計画最適化ブロック216に送り、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、熱源機器モデル記憶ブロック216aに受け取ったパラメータのセット[c,b]を格納する。
発電設備(EGE)110の負荷率計算部1306は、機器諸元格納部1304に格納されている機器定格を取得し、電力需要をP(t)のうち発電設備(EGE)110に割り当てられている発電電力PEG(t)の値を発電量設定部1308から取得し、負荷率xEGE(t)を計算する。計算された負荷率xEGE(t)は、排熱量計算部1316と所要燃料計算部1318に送られる。所要燃料計算部1318では、機器特性モデル生成部1314からのパラメータのセット[c,b]と、負荷率xEGE(t)を使用して、式(11)に従って発電設備(EGE)110の総排熱量H(gross) hEG(xEGE(t))を計算する。所要燃料計算部1318は、さらに、発電量PEG(t)と発電機の効率(すなわち、損失)ηEGE(xEGE(t))と総排熱量H(gross) hEG(xEGE(t))とを用いて、所要燃料FSEGE(t)を、
SEGE(t)=PEG(t)/ηEGE(xEGE(t))+H(gross) hEG(xEGE(t)) (13)
として求める。求めた所要燃料FSEGE(t)は、コスト等計算部1322に送られ、コスト等計算部1322は、発電設備(EGE)110の総コストをEXEGE(t)、燃料単価をpfue、電力単価をppow、補機類駆動用電力をPEGP(t)とすると、総コストEXEGE(t)を、
EXEGE(t)=FSEGE(t)×pfue+PEGP(t)×ppow (14)
として求める。
(II) 排熱投入型吸収冷温水機の機器特性モデルの作成及びコスト計算方法
排熱回収型吸収冷温水機は、いわゆる、ジェネリンクと呼ばれるものであるが、発電設備のガスエンジンの排温水を補助熱源として有効利用することで、主燃料であるガスの使用量を定格時の冷凍出力比率で20乃至40パーセント削減可能な冷温水機である。従って、排熱のみを熱源として冷房負荷の冷熱を供給できるときは、排熱のみで動作し、排熱のみで熱需要を賄いきれなくなると、燃料供給設備から供給を受けたガスを使用して動作する。また、排熱を利用できない場合、例えば、発電設備のガスエンジンが停止している等の場合には、ガスのみで動作する。従って、排熱投入型吸収冷温水機のCOP特性は、(1) 排熱のみで動作する場合(排熱COP特性の場合)、(2) 排熱+ガスで動作する場合、(3) ガスのみで動作する場合(ガス焚きCOP特性の場合)で異なる特性となる。排熱+ガスで動作する場合のCOP特性は、排熱COP特性及びガス焚きCOP特性から導き出すことができる。
図15は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率―排熱回収量特性及び負荷率―COP特性を示す図である。図15(a)は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率―排熱回収容量特性を示している。
排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の排熱量入力部1356は、発電設備(EGE)110の排熱量計算部1316で計算された回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))の計算結果を受け取る。機器諸元入力部1352に排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の冷熱出力HcEXH(t)の定格値H(rat) cEXH等の定格を表す諸元が入力され、熱需要H(t)のうち排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に割り当てられた熱需要である熱量設定値HcEXH (req)(t)を熱量設定部1360に入力すると、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)が負荷率計算部1358で計算される。
図15(a)に示されているように、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))は、負荷率xEXH(t)の関数である。図15(a)において、0≦xEXH(t)≦x(x≒58%)の範囲内では、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))は、負荷率xEXH(t)に比例して増加するが、負荷率xEXH(t)がxを超えると、負荷率xEXH(t)の3次関数で近似されるプロファイルに従って減少する。排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))の最大値は、おおよそ580[kW]である。従って、dを定数項、dを係数、eを定数項、e、e、eを係数とすると、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))は、
で表される。パラメータのセット[d,d]及び[e,e,e,e]は、離散的な負荷率xEXH(t)の値に対するH(rec) hEXH(xEXH(t))の値を内挿補間して、任意の負荷率xEXH(t)についてのH(rec) hEXH(xEXH(t))の値を求めることができるように推計することができる。代替的に、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の機器特性モデル生成部1366は、離散的な負荷率xEXH(t)の値に対するH(rec) hEXH(xEXH(t))の値の多数のサンプルを使用して重回帰分析を行い、パラメータのセット[d,d]及び[e,e,e,e]を推計しても良い。
発電設備(EGE)110からの回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))及び排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))がわかると、排熱回収量計算部1368は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))を、
(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))=min{HhEG(xEGE(t)),H(cap) hEXH(xEXH(t))} (16)
として決定する。すなわち、回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))と排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))のうちのいずれか小さなほうを排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))として決定する。これは、冷房需要H(rec) cEXH(t)は大きい(この場合には、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)が大きくなる)が、発電設備(EGE)110が発電する発電電力PEG(t)があまり大きくなく(電力需要をP(t)があまり大きくなく)、排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))よりも回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))自体が小さい場合には、少ない排熱量HhEG(xEGE(t))をそのまま使い、残りは、燃料供給設備(FSF)104から供給された燃料FSEXH(t)を使用して、冷熱HcEXH(t)を生成せざるを得ない。逆に、発電設備(EGE)110からの回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))が、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))を超えている場合には、排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))の分だけ目いっぱい回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))を利用するということである。
図15(b)は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率―COP特性を示している。排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のCOP特性は、大きく分けて、(1) 排熱のみで動作する場合(排熱COP特性の場合)、(2) 排熱+ガスで動作する場合、(3) ガスのみで動作する場合(ガス焚きCOP特性の場合)で異なる特性となる。排熱+ガスで動作する場合のCOP特性は、排熱COP特性及びガス焚きCOP特性から導き出すことができる。排熱COP特性は、投入排熱1単位当たりでどの程度熱需要を充足することができるかを示す尺度である。
上記のように、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112では、熱量設定部1360に、熱需要H(t)のうち排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に割り当てられた熱需要である熱量設定値H(rec) cEXH(t)を入力すると、負荷率計算部1358が、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)を計算する。ここで、排熱のみで動作する場合(上記の場合(1))の排熱回収COP特性をCOP(exh)(xEXH(t))、fを定数項、f、f、fを係数とすると、排熱回収COP特性は、
で表すことができる。上記と同様に、パラメータのセット[f,f,f,f]は、離散的な負荷率xEXH(t)の値に対するCOP(exh)(xEXH(t))の値を内挿補間して、任意の負荷率xEXH(t)についてのCOP(exh)(xEXH(t))の値の値を求めることができるように推計することができる。代替的に、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の機器特性モデル生成部1366は、離散的な負荷率xEXH(t)の値に対するCOP(exh)(xEXH(t))の値の多数のサンプルを使用して重回帰分析を行い、パラメータのセット[f,f,f,f]を推計しても良い。
排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”が決定されると、排熱回収量計算部1368は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の発電機排熱回収分H(rec) cEGEXH(xEXH(t))を、
(rec) cEGEXH(xEXH(t))=COP(exh)(xEXH(t))・H(rec) hEXH(xEXH(t)) (18)
として求めることができる。
図16は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のコスト計算方法を示すブロック図である。
排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112は、排熱量入力部1356で、発電設備(EGE)110の排熱量計算部1316で計算された回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))の計算結果を受け取る。一方、負荷率計算部1358は、熱量設定部1360から、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112に割り当てられた熱需要である熱量設定値H(req) cEXH(t)を受け取り、機器諸元格納部1354から冷熱出力HcEXH(t)の定格値H(rat) cEXHを受け取り、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)を計算する。この負荷率xEXH(t)から、式(15)に従って、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))を求めることができ、排熱回収量計算部1368は、式(16)に従って、実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))を求めることができる。さらに、この負荷率xEXH(t)から、図15(b)の(1)に示されている排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”を、式(17)に従って求めることができ、実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))と排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”から、発電機排熱回収分H(rec) cEGEXH(xEXH(t))を求めることができる。
熱量設定値H(req) cEXH(t)、実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))、排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”、定格値H(rat) cEXHがわかると、負荷率計算部1358は、ガス焚き分負荷率をx(gd) EXH(t)を、
として求めることができる。式(19)では、熱量設定値H(req) cEXH(t)から発電機排熱回収分H(rec) cEGEXH(xEXH(t))、すなわち、COP(exh)(xEXH(t))×H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))を減じ、その減じたものと0とを比較し、大きいものを選択する。そして、その選択したものを定格値H(rat) cEXHで割り、その割った値と1とを比較し、小さいほうを選択し、選択したものに100を乗じてガス焚き分負荷率をx(gd) EXH(t)を求める。つまり、満たすべき需要である熱量設定値H(req) cEXH(t)のうち実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))で賄えない部分を求め、その部分と定格値H(rat) cEXHとからガス焚き分負荷率x(gd) EXH(t)を求めるものである。従って、式(19)から明らかであるように、発電機排熱回収分H(rec) cEGEXH(xEXH(t))が熱量設定値H(req) cEXH(t)を上回ってしまう場合、すなわち、H(req) cEXH(t)−COP(exh)(xEXH(t))×H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))≦0となってしまう場合には、燃料供給設備(FSF)104から供給された燃料FSEXH(t)を使う必要はなく、ガス焚き分負荷率をx(gd) EXH(t)は0となる。
図15(b)に示されているように、ガス焚きCOP特性“COP(gd)(x(gd) EXH(t))”は、ガス焚き分負荷率をx(gd) EXH(t)の関数となる。ここで、gを定数項、g、g、gを係数とすると、COP計算部1372は、ガス焚きCOP特性“COP(gd)(x(gd) EXH(t))”を、
COP(gd)(x(gd) EXH(t))=g+g・x(gd) EXH(t)+g・{x(gd) EXH(t)}+g・{x(gd) EXH(t)} (20)
として求めることができる。上記と同様に、パラメータのセット[g,g,g,g]は、離散的な負荷率x(gd) EXH(t)の値に対するCOP(gd)(x(gd) EXH(t))の値を内挿補間して、任意の負荷率x(gd) EXH(t)についてのCOP(gd)(x(gd) EXH(t))の値を求めることができるように推計することができる。代替的に、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の機器特性モデル生成部1366は、離散的な負荷率x(gd) EXH(t)の値に対するCOP(gd)(x(gd) EXH(t))の値の多数のサンプルを使用して重回帰分析を行い、パラメータのセット[g,g,g,g]を推計しても良い。
熱量設定値H(req) cEXH(t)、実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))、排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”、ガス焚きCOP特性“COP(gd)(x(gd) EXH(t))”がわかると、所要燃料計算部1374は、所要燃料FSEXH(t)を、
SEXH(t)=max[H(req) cEXH(t)−{COP(exh)(xEXH(t))×H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))},0]/COP(gd)(x(gd) EXH(t)) (21)
として求めることができる。式(21)は、満たすべき需要である熱量設定値H(req) cEXH(t)のうち実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))で賄えない部分を求め、その部分とガス焚きCOP特性“COP(gd)(x(gd) EXH(t))”とから所要燃料FSEXH(t)を求めるものである。従って、式(21)から明らかであるように、発電機排熱回収分H(rec) cEGEXH(xEXH(t))が熱量設定値H(req) cEXH(t)を上回ってしまう場合、すなわち、H(req) cEXH(t)−COP(exh)(xEXH(t))×H(rec) hEXH(xEGE(t),xEXH(t))≦0となってしまう場合には、燃料供給設備(FSF)104から供給された燃料FSEXH(t)を使う必要はない。
求めた所要燃料FSEXH(t)は、コスト等計算部1376に送られる。コスト等計算部1376は、燃料単価をpfue、電力単価をppow、補機類駆動用電力をPEXHP(t)とすると、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の総コストをEXEXH(t)を、
EXEXH(t)=FSEXH(t)×pfue+PEXHP(t)×ppow (22)
として求める。
(9) 機器特性モデル化ブロック(電動冷凍機及びガス吸収式冷温水機の場合)
図17は、機器特性モデル化ブロック212を用いて電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器モデルを求める際の各機能のブロック図である。
電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の特性は、通常、実測もしくはシミュレーションによって得られた特性カーブを機器メーカーから入手し、これを運転計画最適化システムへ入力することによって作成される。これらの熱源機器の運転効率に影響を与える主な要因は冷却水温と負荷率であるが、メーカーから提供される機器特性は代表的な冷却水温に対する不連続的な機器特性データしかないため、他の冷却水温における特性値は、何らかの方法で推測せざるを得ないのが現状である。この点に関して、従来技術は、その推測方法を提示していない。
本発明においては、不連続的な機器特性データを使用して、統計的な手法に従って代表的な冷却水温以外の水温における機器特性値を推計して、パラメトリックな方法で冷却水温及び負荷率の関数として表すことでモデル化し、任意の冷却水温における機器特性値を容易に取得できるようにする。一例として、負荷率を変数として不連続的な特性カーブについて冷却水温毎に回帰分析を行い、負荷率の回帰係数を推計する。
電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114等の熱源機器の成績係数(Coefficient of Performance(COP))は、図18に示されるように、通常、複数の離散的な冷却水温値Tについて計測したCOP値をプロットしたもので与えられる。熱源機器特性データ入力ブロック224は、上記の離散的なTについての不連続的なCOP値データを取得する。熱源機器特性データ入力ブロック224は、機器特性データとして不連続的なCOP値を機器特性モデル化ブロック212に供給する。
機器特性モデル化ブロック212は、熱源機器特性データ入力ブロック224から各熱源機器の冷却水温T及び負荷率x(i,t)、そして離散的な冷却水温値Tについての不連続的なCOP値データを取得する。機器特性モデル化ブロック212は、さらに、冷却水温予測ブロック210から冷却水温の予測値T(i,t)を取得する。
例えば、図18を参照すると、COP値データは、T=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃について、それぞれの冷却水温ごとの曲線として得られる。機器特性モデル化ブロック212は、例えば、スプライン補間(spline interpolation)法を使用して、それぞれの冷却水温ごとの各曲線を、負荷率x(i,t)の3次関数として記述する。COP値データの各曲線を表す関数は、例えば、
COP(i,17,x(i,t))=a(i,17)+a(i,17)・x(i,t)+a(i,17)・{x(i,t)}+a(i,17)・{x(i,t)}
COP(i,20,x(i,t))=a(i,20)+a(i,20)・x(i,t)+a(i,20)・{x(i,t)}+a(i,20)・{x(i,t)}
COP(i,24,x(i,t))=a(i,24)+a(i,24)・x(i,t)+a(i,24)・{x(i,t)}+a(i,24)・{x(i,t)}
COP(i,28,x(i,t))=a(i,28)+a(i,28)・x(i,t)+a(i,28)・{x(i,t)}+a(i,28)・{x(i,t)}
COP(i,32,x(i,t))=a(i,32)+a(i,32)・x(i,t)+a(i,32)・{x(i,t)}+a(i,32)・{x(i,t)}
として求めることができる。冷却水温T=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃についての関数を決定する際に、1組のパラメータA=[a,a,a,a]が得られるが、このパラメータAは、冷却水温T=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃ごとに得られる。機器特性モデル化ブロック212は、例えば、スプライン補間法を使用して、このパラメータAを、T(i,t)の関数として、
(i,T(i,t))=α+α・T(i,t)+α・{T(i,t)}+α・{T(i,t)} (23a)
(i,T(i,t))=β+β・T(i,t)+β・{T(i,t)}+β・{T(i,t)} (23b)
(i,T(i,t))=γ+γ・T(i,t)+γ・{T(i,t)}+γ・{T(i,t)} (23c)
(i,T(i,t))=δ+δ・T(i,t)+δ・{T(i,t)}+δ・{T(i,t)} (23d)
のように求める。
次いで、機器特性モデル化ブロック212は、上記の(11a)乃至(11d)によって定まるパラメータA=[a,a,a,a]を冷却水温T=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃について決定された関数に適用して、各熱源機器(i=1,…,m)T=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃についてのCOP値を、
COP(i,T(i,t),x(i,t))=a(i,T(i,t))+a(i,T(i,t))・x(i,t)+a(i,T(i,t))・{x(i,t)}+a(i,T(i,t))・{x(i,t)} for (i,t) (i=1,…,m),(t=1,…,n) (24)
として求める。
次いで、機器特性モデル化ブロック212は、各冷却水温T=17℃、20℃、24℃、28℃、32℃におけるCOP値を補間することにより、そのほかの冷却水温T(i,t)における値を求める。補間された関数は、各熱源機器(i=1,…,m)ごとに求められ、すべての冷却水温T(i,t)及び負荷率x(i,t)についての機器特性値を表す関数を求めるように補間が行われるので、機器特性モデルCOP(i,T(i,t),x(i,t))におけるtの依存性は除かれる。
本実施形態においては、各熱源機器(i=1,…,m)ごとの熱源機器モデルCOP(i,T(i,t),x(i,t))を求めることは、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114等の各熱源機器(i=1,…,m)ごとに行列
を求めることと同じである。
機器特性モデル化ブロック212は、求めた機器特性COP(i,T(i,t),x(i,t))を表す行列V(i,t)を熱源機器運転計画最適化ブロック216に送り、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、熱源機器モデル記憶ブロック216aに受け取った行列V(i,t)を格納する。
得られた負荷率の回帰係数[a,a,a,a]は冷却水温毎に異なっているので、この負荷率を冷却水温で回帰分析することにより、負荷率の回帰係数は、冷却水温で説明することが可能となる。従って、負荷率と冷却水温がわかれば、精度の高い機器の特性値を容易に得ることが可能となる。このことにより、熱源冷凍能力をより正確に見極めることができるため、熱源機器ネットワーク全体の消費エネルギーの低減を図ることができる。
図19乃至図21は、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器特性を示す図である。
図22は、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114のコストの計算の手順を示す機能ブロック図である。
熱需要H(t)のうち電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114に割り当てられた熱需要である熱量設定値H(req) cERU(t)及びH(req) cGAB(t)が、熱量設定部1408及び1508に入力され、熱量設定値H(req) cERU(t)及びH(req) cGAB(t)は、負荷率計算部1406及び1506に送られる。一方、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の定格H(rat) cERU及びH(rat) cGABが、機器諸元格納部1404及び1504から読み出され、負荷率計算部1406及び1506に入力される。負荷率計算部1406及び1506は、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の負荷率xERU(t)及びxGAB(t)を計算し、負荷率xERU(t)及びxGAB(t)は、COP計算部1420及び1520に送られる。一方、COP計算部1420及び1520は、冷却水温格納部1418及び1518から電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の冷却水温TERU(t)及びTGAB(t)を取得する。COP計算部1420及び1520は、電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器特性を、
COPERU(TERU(t),xERU(t))=a(TERU(t))+a(TERU(t))・xERU(t)+a(TERU(t))・{xERU(t)}+a(TERU(t))・{xERU(t)} (25)
COPGAB(TGAB(t),xGAB(t))=a(TGAB(t))+a(TGAB(t))・xGAB(t)+a(TGAB(t))・{xGAB(t)}+a(TGAB(t))・{xGAB(t)} (26)
に従って計算する。
電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器特性COPERU(TERU(t),xERU(t))及びCOPGAB(TGAB(t),xGAB(t))は、所要燃料計算部1422及び1522に送られる。所要燃料計算部1422及び1522は、熱量設定部1408及び1508から受け取った熱量設定値H(req) cERU(t)及びH(req) cGAB(t)と、COP計算部1420及び1520から受け取った機器特性COPERU(TERU(t),xERU(t))及びCOPGAB(TGAB(t),xGAB(t))とを使用して、電動冷凍機(ERU)108の所要電力PERU(t)及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の所要燃料FSGAB(t)を、それぞれ、
ERU(t)=H(req) cERU(t)/COPERU(TERU(t),xERU(t)) (27)
SGAB(t)=H(req) cGAB(t)/COPGAB(TGAB(t),xGAB(t)) (28)
に従って計算する。ここで、電動冷凍機(ERU)108の所要電力PERU(t)は、受電設備102からの電力Precre(t)及び発電設備(EGE)110からの電力PEGER(t)との和となり、
ERU(t)=Precre(t)+PEGER(t) (29)
の関係が成り立つ。
求めた所要電力PERU(t)及び所要燃料FSGAB(t)は、コスト計算部1424及び1524に送られる。電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の補機類駆動用電力をそれぞれPERUP(t)及びPGABP(t)、燃料単価をpfue、電力単価をppowとすると、電動冷凍機(ERU)108の総コストEXERU(t)及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の総コストEXGAB(t)は、それぞれ、
EXERU(t)={PERU(t)+PERUP(t)}×ppow (30)
EXGAB(t)=FSGAB(t)×pfue+PGABP(t)×ppow (31)
に従って計算される。
(10) 熱源機器運転計画最適化ブロック
図23及び図24は、本発明に従った熱源機器ネットワークの運転計画の最適化方法のフローチャートである。
ステップS1602において、処理が開始される。
ステップS1604において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、単位時間を、t=1に設定する。
ステップS1606において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、熱源機器・補機類諸元入力ブロック222から、機器諸元を取得する。機器諸元は、例えば、発電設備(EGE)110の定格P(rat) EG、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の定格値H(rat) cEXH、電動冷凍機(ERU)108の定格H(rat) cERU、及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の定格値H(rat) cGABを含む。
ステップS1608及びステップS1610において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、各熱源機器(i=1,…,m)の冷却水温T(i,t)の実績値、冷却水温T(i,t)の予測値T(i,t)、外気温θoutの実績値、外気温θoutの予測値θ out(t)を取得する。冷却水温予測ブロック210は、式(10)によって表される予測モデルを用いて、単位時間tにおける冷却水温の予測値T(i,t)を計算する。
ステップS1612において、電力需要予測ブロック202が、周知の方法で、単位時間tにおける電力需要の予測値P (t)を計算する。
ステップS1614において、熱需要予測ブロック204が、式(9)によって表される予測モデルを用いて、単位時間tにおける熱需要の予測値H (t)を計算する。
ステップS1616において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、制約条件を取得する。制約条件の詳細については、ステップS1622のところで説明する。また、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、目的関数Fob(j,t)の値を初期値Fに設定する。
ステップS1618において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、運転パターンp(j,t)(j=1,…,N)について、j=1に設定する。
ステップS1620において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、運転パターンp(j,t)を設定する。運転パターンp(j,t)は、単位時間tにおける電力需要P(t)及び熱需要H(t)を満たすために、各熱源機器をどのように運転すればよいかを示す変数のセット(ベクトル)である。運転パターンp(j,t)は、単位時間tにおいてN個存在し、j=1,…,Nである。運転パターンp(j,t)は、受電電力Prec(j,t)、発電電力PEG(j,t)、発電設備(EGE)110の総排熱量H(gross) hEG(xEGE(j,t))及び回収可能な排熱量HhEG(xEGE(j,t))、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での実際の排熱回収量H(rec) hEXH(xEGE(j,t),xEXH(j,t))、排熱回収型吸収冷温水機出力HcEXH(j,t)、電動冷凍機出力HcERU(j,t)、及び吸収式冷温水機出力HcGAB(j,t)に基づいて決定される。運転パターンp(j,t)は、
p(j,t)=[prec(j,t),pGE(j,t),hEXH(j,t),hERU(j,t),hGAB(j,t)] (32)
と表される。運転パターンp(j,t)の各値が実数かつ連続値となるのは、本発明の運転計画最適化システムが、各熱源機器の負荷率x(i,t)に基づいてコストを評価することと密接な関連性がある。
燃料供給設備(FSF)104から供給された燃料をFSEXH(j,t)、発電設備(EGE)110からの回収可能な排熱量HhEG(xEGE(t))、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の負荷率xEXH(t)、排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のガス焚き分負荷率をx(gd) EXH(j、t)、ガス焚きCOP特性“COP(gd)(x(gd) EXH(t))”とから、排熱回収型吸収冷温水機出力HcEXH(j,t)は、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の出力特性を表す関数をg()とすると、
cEXH(j,t)=g(FSEXH(j,t),HhEG(xEGE(j,t)),xEXH(j,t), H(cap) hEXH(xEXH(j,t)),COP(exh)(xEXH(t)),x(gd) EXH(j、t),COP(gd)(x(gd) EXH(t))) (33)
で表される。
ステップS1622において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、可能な運転パターンp(j,t)の集合Λから取得した運転パターンp(j,t)が制約条件を満たしているか否かを判定する。制約条件としては、例えば、以下に示す(1)´乃至(5)´、(11)´乃至(31)´、及び(32)が考えられるが、
他にも、熱源機器の各々の受電電力及び機器出力が0又は上下限値の範囲内にあること、COの排出量が上限値以下であること、及びガス消費量が下限値以上であることを含んでもよい。
集合Λから取得した運転パターンp(j,t)が制約条件を満たしている場合には、処理は、ステップS1624に進み、満たしていない場合には、処理は、ステップS1628に進む。
ステップS1624において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、負荷率x(i,t)及び冷却水温T(i,t)を用いて、単位時間tにおける電動冷凍機(ERU)108及びガス吸収式冷温水機(GAB)114の機器特性を表すCOP(i,T(i,t),x(i,t))を計算する。また、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、機器特性モデル生成部1314から、発電設備(EGE)110の排熱量を求めるモデルのパラメータのセット[c,b](k=1,…,4)、発電設備(EGE)110の発電機の効率ηEGE(xEGE(t))、排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112での排熱回収容量H(cap) hEXH(xEXH(t))を求めるパラメータのセット[d,d]及び[e,e,e,e]、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112の排熱回収COP特性“COP(exh)(xEXH(t))”を求めるパラメータのセット[f,f,f,f]、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のガス焚きCOP特性“COP(gd)(x(gd) EXH(t))”を求めるパラメータのセット[g,g,g,g]、排熱投入型吸収冷温水機(EXH)112のガス焚き分負荷率x(gd) EXH(j、t)を取得する。これらのパラメータは、制約条件を満たしているか否かを判定するステップS1622において使用されている。
ステップS1626において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、目的関数Fob(j、t)の最適化を行う。この最適化は、集合Λに含まれるすべての運転パターンp(j,t)(但し、制約条件を満たさないものを除く)について目的関数Fob(j、t)を最適化することを含み、最適化は、目的関数Fob(j、t)の最大値を求めるものであってもよく、最小値を求めるものであってもよい。
例えば、目的関数Fob(j、t)は、
ob(j、t)=EXEGE(j,t)+EXEXH(j,t)+EXERU(j,t)+EXGAB(j,t) (33)
であっても良い。
ここで、最適化の際の条件を表す変数の組をΓconとし、各部でのエネルギーを表す変数の組をΓeneとすると、
Γcon=[θin(t),θout(t),humin(t),humout(t),NP(t),IV(t),VQ(t),θ in(t),θ out(t),hum in(t),hum out(t),NP(t)VQ(t)];
Γene=[Prec(t),Precl(t),Precre(t),P(t),F(t),FSEGE(t),FSEXH(t),FSGAB(t),PEG(t),PEGl(t),PEGER(t),HhEG(t),HhEG(t),HcERU(t),HcEXH(t),HcGAB(t),TEGE(t),x(i,t)(xEGE(t),xEXH(t),x(gd) EXH(t),xERU(t),xGAB(t)),T(i,t)(TEGE(t),TERU(t),TEXH(t),TGAB(t)),P(t),H(t),P (t),H (t)]
となる。これを用いて目的関数Fob(j,t)を表すと、
ob(j,t)=f(j,t,Γcon,Γene,COP(exh)(xEXH),COP(gd)(x(gd) EXH),COPERU(TERU,xERU),COPGAB(TGAB,xGAB)) (34)
となる。従って、単位時間tにおけるFob(j,t)の最適値をfopt(t)とすると、
となる。従って、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、fopt(t)を求めるべく、制約条件を満たす各jについてf(j,t,Γcon,Γene,COP(exh)(xEXH),COP(gd)(x(gd) EXH),COPERU(TERU,xERU),COPGAB(TGAB,xGAB))の値を計算する。
目的関数は、熱源機器の電力及び熱エネルギーの提供のためのコストの合計、契約電力以下という制約条件の下での熱源機器の電力及び熱エネルギーの提供のためのコストの合計、熱源機器の電力及び熱エネルギーの提供のためのCO排出量の合計、熱源機器の電力及び熱エネルギーの提供のためのCO排出量の合計が所定の値以下という制約条件の下での熱源機器の電力及び熱エネルギーの提供のためのコストの合計、熱源機器の電力及び熱エネルギーの提供のためのガス消費量の合計が所定の値以下であるという制約条件の下での熱源機器の電力及び熱エネルギーの提供のためのコストの合計、のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。
ステップS1626における処理が終了すると、処理は、ステップS1628に進み、jがNよりも小さいか否かが判定される。
jがNよりも小さい場合には、ステップS1630において、j←j+1の処理が行われる。jがN以上である場合には、その単位時間tについてすべての運転パターンp(j,t)の判定が終了したということであるので、処理は、ステップS1632に進む。Fob(j,t)の最適値を与えるjをjopt(t)とすると、
opt(t)=p(jopt(t),t) (35)
となるので、ステップS1632において、このjopt(t)とpopt(t)(単位時間tにおける最適な運転パターン)を格納する。なお、ここで、
である。
ステップS1634において、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、tがnよりも小さいか否かを判定する。
tがnよりも小さい場合には、ステップS1636において、t←t+1の処理が行われる。
tがn以上である場合には、熱源機器運転計画最適化ブロック216は、ステップS1638において、最適運転パターンpのシーケンスを、
=[popt(1),…,popt(n)] (36)
として求める。
本発明の熱源機器ネットワークのコスト関数f(j,t,Γcon,Γene,COP(exh)(xEXH),COP(gd)(x(gd) EXH),COPERU(TERU,xERU),COPGAB(TGAB,xGAB))のモデル化及び最適化、及び運転パターンpの最適化popt(t)=p(jopt(t),t)は、構造化ニューラルネットワーク(Neural Network(NN))によって行われてもよい。
ステップS1640で、最適化の処理は終了する。
本発明に従った上記の方法の各ステップは、CPUとメモリとを備えた、図示しないオペレータの端末によって行われてもよい。本発明の実施形態においては、上記の方法を実行するのに用いられるソフトウェアプログラムが、デジタル・データ・ストレージ媒体等のプログラム・ストレージ・デバイスに格納されていてもよく、これらのプログラム・ストレージ・デバイスは、機械読取り可能、又はコンピュータ読取り可能であり、また、これらのコンピュータ又は機械は、プログラム命令を機械実行可能プログラム、又はコンピュータ実行可能プログラムとしてエンコードし、エンコードされたプログラム命令は、本発明の方法のステップのうちの一部又は全部を実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスク及び磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、又は光学的読取り可能デジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。
本発明は、ソフトウェア、及び/又はソフトウェアとハードウェアの組合せで、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)と、汎用コンピュータ、又は他の任意のハードウェア等価物を使用して実装されてもよい。
上記の説明は、単に、本発明の特定の実施形態の開示を提供しているにすぎず、本発明を上記の実施形態のみに限定するように意図されてはいない。従って、本発明は、上記で説明された実施形態だけに限定されるものではなく、むしろ、当業者が本発明の範囲内に含まれる代替の実施形態を考案し得ることが認識される。
100 熱源機器ネットワーク
102 受電設備
104 燃料供給設備
106 電気負荷(EL)
108 電動冷凍機(ERU)
110 発電設備(EGE)
112 排熱投入型吸収冷温水機(EXH)
114 ガス吸収式冷温水機(GAB)
116 空調負荷
200 最適化システム
202 電力需要予測ブロック
204 熱需要予測ブロック
206 外気冷房(ナイトパージ)ブロック
208 比エンタルピ予測ブロック
210 冷却水温予測ブロック
212 機器特性モデル化ブロック
214 需要計算ブロック
216 熱源機器運転計画最適化ブロック
218 実績データ入力ブロック
220 計画・予測データ入力ブロック
222 熱源機器・補機類諸元入力ブロック
224 熱源機器特性データ入力ブロック
226 運転計画作成諸元入力ブロック
228 運転計画出力ブロック

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの発電設備と少なくとも1つの排熱利用機器とを含むコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークにおいて、該コジェネレーション・システムの該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する機器特性モデル生成装置であって、
    該少なくとも1つの発電設備の負荷率と、該少なくとも1つの排熱利用機器の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値とを取得する第1の入出力特性取得部と、
    該少なくとも1つの排熱利用機器の該入出力特性を該発電設備の負荷率及び該排熱利用機器の負荷率の関数として表した、該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する排熱利用機器特性モデル生成部とを含む、機器特性モデル生成装置。
  2. 請求項1に記載の機器特性モデル生成装置において、
    該少なくとも1つの発電設備の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値を取得する第2の入出力特性取得部と、
    該少なくとも1つの発電設備の該入出力特性を該発電設備の該負荷率の関数として表した、該発電設備の機器特性モデルを生成する発電設備機器特性モデル生成部とをさらに含む、機器特性モデル生成装置。
  3. 請求項1に記載の機器特性モデル生成装置において、
    該熱源機器ネットワークは、複数の種類の熱源機器をさらに含み、該機器特性モデル生成装置は、
    該複数の種類の熱源機器のうちの少なくとも1つについて、該熱源機器の負荷率、冷却水温の予測値、及び複数の離散的な冷却水温値の各値ごとに複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値を取得する第3の入出力特性取得部と、
    該少なくとも1つの熱源機器の入出力特性を表す値を冷却水温及び負荷率の関数として表した、該熱源機器の機器特性モデルを生成する熱源機器特性モデル生成部とを含む、機器特性モデル生成装置。
  4. 請求項2に記載の機器特性モデル生成装置において、
    該発電設備機器特性モデル生成部は、
    該少なくとも1つの発電設備の総排熱量と、該少なくとも1つの発電設備から該少なくとも1つの排熱利用機器に送られる回収可能な排熱量を、該少なくとも1つの発電設備の該負荷率の関数として決定する排熱量決定部を含み、
    該排熱利用機器特性モデル生成部は、
    該回収可能な排熱量と該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱回収容量とに基づいて、該少なくとも1つの発電設備の負荷率と該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱利用分の負荷率の関数として該少なくとも1つの排熱利用機器の実際の排熱回収量を決定する排熱回収量決定部と、
    該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱利用分の負荷率の関数として、該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱利用分の機器特性モデルを生成する排熱利用分機器特性モデル生成部と、
    該熱源機器ネットワーク全体の熱需要のうち該少なくとも1つの排熱利用機器に割り当てられた熱需要と、該少なくとも1つの排熱利用機器の該排熱利用分の機器特性モデルと、該実際の排熱回収量とに基づいて、該少なくとも1つの排熱利用機器の燃料利用分の負荷率を算出し、該燃料利用分の負荷率の関数として、該少なくとも1つの排熱利用機器の燃料利用分の機器特性モデルを生成する燃料利用分機器特性モデル生成部とを含む、機器特性モデル生成装置。
  5. 請求項3に記載の機器特性モデル生成装置において、
    該熱源機器特性モデル生成部は、
    該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとの該複数の種類の熱源機器の入出力特性を表す値を該第の入力特性取得部から受け取り、該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとにパラメータの異なるセットを使用して、該複数の種類の熱源機器の入出力特性を表す値を、該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとの負荷率の連続的な関数として表す関数推定部と、
    該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとに異なる該パラメータのセットを該関数推定部から受け取り、該冷却水温値の各値ごとに異なる該パラメータのセットの中の各パラメータ値を冷却水温の連続的な関数として表すパラメータ推定部と、
    該入出力特性を表す該冷却水温値の各値ごとの該負荷率の連続的な関数に関する情報を該関数推定部から、及び各パラメータ値を表す該冷却水温の連続的な関数に関する情報を該パラメータ推定部からそれぞれ受け取り、該冷却水温の連続的な関数として表した各パラメータ値を、該入出力特性を表す該冷却水温値の各値ごとの該負荷率の連続的な関数に適用することにより、該入出力特性を冷却水温及び負荷率の連続的な関数として表す関数モデル決定部とを含む、機器特性モデル生成装置。
  6. 請求項4に記載の機器特性モデルによってモデル化されるコジェネレーション・システムにおいて、
    該少なくとも1つの発電設備は、
    該少なくとも1つの発電設備の発電量と発電機の効率と該総排熱量とに基づいて、該少なくとも1つの発電設備の所要燃料を算出する発電設備所要燃料計算部と、
    該算出された所要燃料と該少なくとも1つの発電設備の補機類駆動用電力と電力単価と燃料単価とに基づいて、該少なくとも1つの発電設備のコストを算出する発電設備コスト計算部とを含み、
    該少なくとも1つの排熱利用機器は、
    該熱源機器ネットワーク全体の熱需要のうち該少なくとも1つの排熱利用機器に割り当てられた熱需要と、該少なくとも1つの排熱利用機器の該排熱利用分の機器特性モデルと、該実際の排熱回収量とに基づいて、該少なくとも1つの排熱利用機器の所要燃料を算出する排熱利用機器所要燃料計算部と、
    該算出された所要燃料と該少なくとも1つの排熱利用機器の補機類駆動用電力と燃料単価と電力単価とに基づいて、該少なくとも1つの排熱利用機器のコストを算出する排熱利用機器コスト計算部とを含む、コジェネレーション・システム。
  7. 請求項5に記載の関数モデル決定部によって冷却水温及び負荷率の連続的な関数として表される該入出力特性を用いてモデル化される該熱源機器において、
    該冷却水温及び該負荷率の連続的な関数として表された該入出力特性と、該熱源機器全体の熱需要のうち該熱源機器に割り当てられた熱需要である熱量設定値とに基づいて、該熱源機器の所要燃料を算出する熱源機器所要燃料計算部と、
    該算出された所要燃料と該熱源機器の補機類駆動用電力と燃料単価と電力単価とに基づいて、該熱源機器のコストを算出する熱源機器コスト計算部とを含む、熱源機器。
  8. なくとも1つの発電設備と少なくとも1つの排熱利用機器とを含むコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークにおいて、該コジェネレーション・システムの該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する機器特性モデル生成方法であって、
    該少なくとも1つの発電設備の負荷率と、該少なくとも1つの排熱利用機器の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値とを取得するステップと、
    該少なくとも1つの排熱利用機器の該入出力特性を該発電設備の負荷率及び該排熱利用機器の負荷率の関数として表した、該排熱利用機器の機器特性モデルを生成するステップとを含む、機器特性モデル生成方法。
  9. 請求項8に記載の機器特性モデル生成方法において、
    該少なくとも1つの発電設備の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値を取得するステップと、
    該少なくとも1つの発電設備の該入出力特性を該発電設備の該負荷率の関数として表した、該発電設備の機器特性モデルを生成するステップとをさらに含む、機器特性モデル生成方法。
  10. 請求項8に記載の機器特性モデル生成方法において、
    該複数の種類の熱源機器のうちの少なくとも1つについて複数の離散的な冷却水温値の各値ごとに複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値を取得するステップと、
    該少なくとも1つの熱源機器の入出力特性を表す値を冷却水温及び負荷率の関数として表した、該熱源機器の機器特性モデルを生成するステップとをさらに含む、機器特性モデル生成方法。
  11. 請求項9に記載の機器特性モデル生成方法において、
    該発電設備の機器特性モデルを生成するステップは、
    該少なくとも1つの発電設備の総排熱量と、該少なくとも1つの発電設備から該少なくとも1つの排熱利用機器に送られる回収可能な排熱量を、該少なくとも1つの発電設備の該負荷率の関数として決定するステップを含み、
    該排熱利用機器の機器特性モデルを生成するステップは、
    該回収可能な排熱量と該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱回収容量とに基づいて、該少なくとも1つの発電設備の該負荷率と該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱利用分の負荷率の関数として該少なくとも1つの排熱利用機器の実際の排熱回収量を決定するステップと、
    該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱利用分の負荷率の関数として、該少なくとも1つの排熱利用機器の排熱利用分の機器特性モデルを生成するステップと、
    該熱源機器ネットワーク全体の熱需要のうち該少なくとも1つの排熱利用機器に割り当てられた熱需要と、該少なくとも1つの排熱利用機器の該排熱利用分の機器特性モデルと、該実際の排熱回収量とに基づいて、該少なくとも1つの排熱利用機器の燃料利用分の負荷率を算出し、該燃料利用分の負荷率の関数として、該少なくとも1つの排熱利用機器の燃料利用分の機器特性モデルを生成するステップとを含む、機器特性モデル生成方法。
  12. 請求項10に記載の機器特性モデル生成方法において、
    該熱源機器の機器特性モデルを生成するステップは、
    該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとの該複数の種類の熱源機器の入出力特性を表す値を受け取り、該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとにパラメータの異なるセットを使用して、該複数の種類の熱源機器の入出力特性を表す値を、該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとの負荷率の連続的な関数として表すステップと、
    該複数の離散的な冷却水温値の各値ごとに異なる該パラメータのセットを受け取り、該冷却水温値の各値ごとに異なる該パラメータのセットの中の各パラメータ値を冷却水温の連続的な関数として表すステップと、
    該入出力特性を表す該冷却水温値の各値ごとの該負荷率の連続的な関数に関する情報、及び各パラメータ値を表す該冷却水温の連続的な関数に関する情報をそれぞれ受け取り、該冷却水温の連続的な関数として表した各パラメータ値を、該入出力特性を表す該冷却水温値の各値ごとの該負荷率の連続的な関数に適用することにより、該入出力特性を冷却水温及び負荷率の連続的な関数として表すステップとを含む、機器特性モデル生成方法。
  13. 請求項11に記載の機器特性モデル生成方法において、
    該少なくとも1つの発電設備の発電量と発電機の効率と該総排熱量とに基づいて、該少なくとも1つの発電設備の所要燃料を算出するステップと、
    該算出された所要燃料と該少なくとも1つの発電設備の補機類駆動用電力と電力単価と燃料単価とに基づいて、該少なくとも1つの発電設備のコストを算出するステップと、
    該熱源機器ネットワーク全体の熱需要のうち該少なくとも1つの排熱利用機器に割り当てられた熱需要と、該少なくとも1つの排熱利用機器の該排熱利用分の機器特性モデルと、該実際の排熱回収量とに基づいて、該少なくとも1つの排熱利用機器の所要燃料を算出するステップと、
    該算出された所要燃料と該少なくとも1つの排熱利用機器の補機類駆動用電力と燃料単価と電力単価とに基づいて、該少なくとも1つの排熱利用機器のコストを算出するステップとを含む、機器特性モデル生成方法。
  14. 請求項12に記載の機器特性モデル生成方法において、
    該冷却水温及び該負荷率の連続的な関数として表された該入出力特性と、該熱源機器全体の熱需要のうち該熱源機器に割り当てられた熱需要である熱量設定値とに基づいて、該熱源機器の所要燃料を算出するステップと、
    該算出された所要燃料と該熱源機器の補機類駆動用電力と燃料単価と電力単価とに基づいて、該熱源機器のコストを算出するステップとを含む、機器特性モデル生成方法。
  15. 少なくとも1つの発電設備と少なくとも1つの排熱利用機器とを含むコジェネレーション・システムを含む熱源機器ネットワークにおいて、該コジェネレーション・システムの該排熱利用機器の機器特性モデルを生成する方法を機器特性モデル生成装置に実行させる機器特性モデル生成プログラムであって、
    該機器特性モデル生成装置は、第1の入出力特性取得部と排熱利用機器特性モデル生成部とを含み、該方法は、
    該第1の入出力特性取得部が、該少なくとも1つの発電設備の負荷率と、該少なくとも1つの排熱利用機器の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値とを取得するステップと、
    該排熱利用機器特性モデル生成部が、該少なくとも1つの排熱利用機器の該入出力特性を該発電設備の負荷率及び該排熱利用機器の負荷率の関数として表した、該排熱利用機器の機器特性モデルを生成するステップとを含む、機器特性モデル生成プログラム。
  16. 請求項15に記載の機器特性モデル生成プログラムにおいて、
    該機器特性モデル生成装置は、第2の入出力特性取得部と発電設備機器特性モデル生成部とをさらに含み、該方法は、
    該第2の入出力特性取得部が、該少なくとも1つの発電設備の負荷率及び複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値を取得するステップと、
    該発電設備機器特性モデル生成部が、該少なくとも1つの発電設備の該入出力特性を該発電設備の該負荷率の関数として表した、該発電設備の機器特性モデルを生成するステップとをさらに含む、機器特性モデル生成プログラム。
  17. 請求項15に記載の機器特性モデル生成プログラムにおいて、
    該機器特性モデル生成装置は、第3の入出力特性取得部と熱源機器特性モデル生成部とをさらに含み、該方法は、
    該第3の入出力特性取得部が、該複数の種類の熱源機器のうちの少なくとも1つについて複数の離散的な冷却水温値の各値ごとに複数の離散的な負荷率における入出力特性を表す値を取得するステップと、
    該熱源機器特性モデル生成部が、該少なくとも1つの熱源機器の入出力特性を表す値を冷却水温及び負荷率の関数として表した、該熱源機器の機器特性モデルを生成するステップとを含む、機器特性モデル生成プログラム。
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