JP6640819B2 - 排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法 - Google Patents

排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法 Download PDF

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Description

本発明は、排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法に関する。
従来、都市部における地盤改良工法では、近接施工となるケースが多く、周囲地盤の変位を抑えた変位低減型の工法が求められており、例えば特許文献1に示されるような2軸の回転軸を有する処理装置を用いた排土式深層混合処理工法が知られている。
特許文献1は、2軸の回転軸を貫入する際に、固化材の供給量に相当する土量を積極的に排土した後、回転軸の引き抜き時に貫入した地盤に固化材を供給して撹拌混合することで、固化材の供給に伴う地盤膨張を防止して周辺地盤に変位が生じることを回避する変位低減型の地盤改良工法である。この場合には、貫入時に固化材を供給しないので、固化材が混入されずに元の地盤のまま排土される。
変位を低減するための施工中の排土量を把握する方法としては、特許文献2に示される排土係数を求める方法がある。実測試験において、実測排土量V1および(スクリュー断面積S)×(スクリューピッチP)×(軸回転数N)の値を求め、これらの結果からK=V1/(S×P×N)を基に排土係数Kを求めるものである。具体的には、(S×P×N)を横軸、V1を縦軸とする直交座標上に、(S×P×N)の値に対するV1の値の点をいくつか落とし込む。これらの点から一次近似式を求める。この一次近似式における傾きがKとなる。そして、この設定された排土係数Kとその後の実施工における実測可能なS、P、N値とから、V=K×S×P×Nの算定式によって実施工での推定排土量Vを求め管理する。
また、変位低減型の工法でなく施工効率を合理化した地盤改良工法として、例えば特許文献3に示すような先端部に撹拌翼を備え並列に配置された3軸の回転軸を有する3軸深層混合処理装置を使用した3軸式深層混合処理工法も知られている。この場合には、中央の回転軸の外周面にスパイラルが形成されており、このスパイラルによって排土する土砂を中央回転軸に集中させて効率よく排土することができる。
さらに、近年では、改良面積を大きくした大口径改良が可能で、施工費を低減できる2軸の地盤改良工法が用いられるケースもある。この工法の場合、回転軸の貫入時にエアを地盤に混入させながら固化材を吐出するので、地盤が高流動化し、かつエアの混入によるエアリフトの作用によって上昇し易くなった固化材混合土を排出させる工法となっている。この場合には、排土する地盤が高流動化して排土し易い状態となるので、固化材の吐出に伴う地盤膨張を防ぐことができ、周辺地盤の変位を小さく抑えることができる。しかも、この場合には、1度の改良面積が大きくなるので、施工回数を少なくでき、施工費の低減できる。
特許第3094266号公報 特許第3583307号公報 特許第4418305号公報
しかしながら、従来の都市部における地盤改良工法では、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1の場合には、2軸の回転軸であるので、3軸の回転軸を備えた装置や、エアを固化材に混入する地盤改良工法で改良面積を増大できる装置に比べて改良面積が小さくなるため、施工効率の向上が求められていた。
また、特許文献2の場合には、3軸の回転軸を備えているので2軸の回転軸の場合に比べて改良面積を増大することは可能であるが、回転軸の貫入時に固化材を吐出する方法となるので、排土に固化材のセメント分が混入するという問題があった。
また、エアを固化材に混入する地盤改良工法では、排土する地盤を高流動化させるためにエアの混入設備が必要となるうえ、周辺地盤に生じる変位を抑えるためのエアの混入量や排土量の管理が上述した特許文献1のように排土量で管理する場合に比べて困難であるから、変位を小さく抑えることが難しく、その点で改善の余地があった。
しかも、この場合においても、回転軸の貫入時に固化材を吐出するため、排土にセメント分が混入するという課題があった。
さらに排土により変位を低減する方法では、土層構成による深度方向での変位の発生に違いがあった。砂質土層では貫入時やスラリー吐出時に押し出し変位が小さいのに比べ、粘性土層では押し出し変位が大きくなる。このため砂質土層と粘性土層が互層状態で深度方向に対し同じ排土量で施工した場合、深度方向に対する変位分布が平行移動するため、粘性土層の押し出し変位が小さくなるが砂質土層では引き込み変位が大きくなるという課題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、周辺地山の変位を抑制し互層地盤での変位分布にも対応することができ、かつ3軸の回転軸により形成される改良面積において施工効率が向上できる排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、固化材の成分を混入させずに排土することができる排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る排土式3軸深層混合処理装置は、先端部に撹拌翼を備え並列に配置された3軸の回転軸と、前記3軸の回転軸の各外周面に設けられたスパイラルと、前記回転軸の先端部から地盤に向けて固化材を吐出させる固化材吐出口と、を備え、前記3軸の回転軸は、回転速度と回転方向とを個別に制御することが可能に設けられていることを特徴としている。
また、本発明に係る排土式3軸深層混合処理工法は、上述した排土式3軸深層混合処理装置を使用して地盤改良を施工する排土式3軸深層混合処理工法であって、前記回転軸をそれぞれ回転させて地盤に貫入していきつつ前記スパイラルによってその周囲の土を上方に押し上げる工程と、前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、前記3軸の回転軸の回転速度と回転方向とを個別に制御しつつ、前記各回転軸の前記固化材吐出口から地盤中に固化材を吐出する工程と、を有することを特徴としている。
ここで、固化材吐出口は、3軸の回転軸のすべてに装備する場合と、外側の側方回転軸の2軸に装備する場合に係わらず可能としている。
本発明では、各回転軸をそれぞれ回転させた貫入時には固化材を吐出させずに貫入させ、各回転軸に形成されるスパイラルによって排土することができる。そして、所定の深度まで貫入させた後に各回転軸を引き抜く際に、各回転軸の先端上部吐出口に切り換えて上部吐出口から地盤中に固化材を吐出させつつ、例えば外側2軸の側方回転軸を逆回転させることで、スパイラルにより周囲の土を押し下げつつ中央に位置する中央回転軸の周囲の土を押し上げたり、中央回転軸の周囲の土を両側の側方回転軸の周囲の土よりも相対的に早く押し上げるとともに、中央回転軸を正回転させて固化材の上昇撹拌効果をもたせた状態で地盤改良体を形成することができる。
このように、各回転軸を貫入する際に、固化材の供給量に相当する土量を積極的に排土した後の、回転軸の引き抜き時に貫入した地盤に固化材が供給され撹拌混合されるので、固化材の供給に伴う地盤膨張を防止して周辺地盤に変位が生じることを抑制することができる。
また、本発明では、回転軸を地盤から引き抜く際に、3軸とも排土する方向に回転させた場合でも中央の回転軸を他の2軸の回転軸よりも高速で回転させることが可能となるので、貫入時には3軸の回転軸全体で排土しつつ、中央の回転軸で土砂を寄せ集めさらに速く土砂を上昇させて効率よく排土することができる。また、引き抜き時には、中央の回転軸の回転数を大きくすることで、固化材の上昇撹拌効果をもたせることができる。
さらに、本発明では、回転軸の貫入時に固化材を吐出しないので、排土した土砂に固化材のセメント等の成分を混入させずに排土することができる。そのため、排土の処理にかかる費用を低減することができる。
さらにまた、本発明では、上述したような効果を3軸の回転軸を備えた構成とすることにより達成でき、2軸の回転軸の場合よりも改良面積を増大させることができるので、施工効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る排土式3軸深層混合処理装置は、前記各回転軸の下端部同士を連結する連結部材が設けられ、該連結部材に対して直交する方向に延びる複数のスタビライザが設けられていることが好ましい。
このような構造によれば、各回転軸の下端部相互間にスタビライザを設けておくことにより、撹拌領域内における撹拌流がスタビライザの設置方向に案内されるとともに、それに対して交差する方向の撹拌流が抑制されることによって、撹拌領域において上記のような一連の撹拌流をより確実かつ効率的に形成することができ、より一層優れた撹拌混合効果が得られる。
また、本発明に係る排土式3軸深層混合処理工法は、前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、両側に位置する側方回転軸を反転させるようにしてもよい。
また、本発明に係る排土式3軸深層混合処理工法は、前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、中央に位置する中央回転軸を側方回転軸よりも高速で回転させるようにしてもよい。
また、本発明に係る排土式3軸深層混合処理工法は、前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、中央に位置する中央回転軸と側方回転軸のスパイラルのピッチや大きさを変えるようにしてもよい。
この場合には、スパイラルにより周囲の土を押し下げつつ中央に位置する中央回転軸の周囲の土を押し上げたり、中央回転軸の周囲の土を両側の側方回転軸の周囲の土よりも相対的に早く押し上げることを確実に行うことができ、中央回転軸を正回転させて固化材の上昇撹拌効果をもたせた状態で地盤改良体を形成することができる。
砂質土層と粘性土層の互層状態に対する深度方向の変位分布への対応としては、砂質土層の層厚範囲と粘性土層の層厚範囲で、スクリュー断面積とスクリューピッチの組み合わせによるスクリュー特性を変化させることで対応できる。また組合せは、両外側と中央軸で深度方向の特性を変化させても良い。これらのスクリュー特性と中央軸および両外側軸の軸回転数、回転方向を制御することにより、砂質土層では排土量を少なく、粘性土層では排土量を多く排出することができる。
本発明の排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法によれば、周辺地山の変位を抑制することができ、深度方向の変位分布も少なくすることができ、かつ3軸の回転軸により形成される改良面積において施工効率が向上できる。
また、本発明の排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法によれば、固化材の成分を混入させずに排土することができる。
本発明の実施の形態による排土式3軸深層混合処理装置の概略構成を示す正面図である。 図1に示す排土式3軸深層混合処理装置の3軸の回転軸の詳細な構成を示す正面図である。 一連の撹拌領域における基本的な撹拌流を上方から見た図であって、(a)は貫入時の状態を示す図、(b)、(c)は引抜き時の状態を示す図である。 スタビライザの設置状態を示す図であって、(a)は図2に示すIVa−IVa線矢視図、(b)は図2に示すIVb−IVb線矢視図である。 (a)〜(g)は、3軸深層混合処理工法の工程を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の排土式3軸深層混合処理装置1は、先端部に撹拌翼14を備え並列に配置された3軸の回転軸11(11A、11B、11C)と、これら3軸の回転軸11A、11B、11Cの各外周面に設けられたスパイラル12と、固化材を3軸で吐出する場合は回転軸11A、11B、11Cの先端部から地盤Gに固化材を噴出する固化材吐出口13と、を備えている。なお、外側の2軸の回転軸(後述する側方回転軸11A、11C)で吐出する場合は、固化材吐出口13Aa、13Ab、13Ca、13Cbを備える。
回転軸11A、11B、11Cは、それぞれ先端部に掘削翼15を備え、それぞれ専用の駆動モータ2によって独立に駆動される。ここで、並列に配置される3軸の回転軸11A、11B、11Cのうち、中央の回転軸を中央回転軸11Bといい、中央回転軸11Bの両側に位置する回転軸を側方回転軸11A、11Cという。
そして、それら回転軸11A、11B、11Cの回転方向は、貫入時の正・逆回転時および引き抜き時の正・逆回転時のいずれにおいても、図示しているように両側方回転軸11A、11Cが同一方向に回転する(図3(a)参照)。引き抜き時に3軸とも同方向に回転する場合には、3軸とも高速回転し両側方回転軸11A、11Cでは周囲の土を下方に押し下げ、中央の回転軸11Bでは排土する(図3(b)参照)。
また、引き抜き時において中央回転軸11Bが両側方回転軸11A、11Cと逆方向に回転する場合には、両側方回転軸11A、11Cよりも高速回転するように設定されている(図3(c)参照)。つまり、3軸の回転軸11A,11B,11Cが交互に逆方向に回転し3軸ともに排土する。
図2に示すように、撹拌翼14は、各回転軸11A、11B、11Cの先端部においてそれぞれ複数段(図示例では4段)で設けられている。
また、固化材吐出口13は、各回転軸11A、11B、11Cの先端部に、それぞれ最下段の撹拌翼14付近と最上段の撹拌翼14付近に設けられている。そして、各回転軸11A、11B、11Cの内部に軸方向全体にわたって流路(不図示)が設けられており、3軸吐出の場合には、回転軸11A、11B、11Cの上端に供給された固化材が固化材吐出口13A,13B、13Cへ流通するようになっていて、貫入時の改良部先端処理時には固化材を下段側の固化材吐出口13Aa、13Ba、13Caから吐出し、引き抜き時には固化材を上段側の固化材吐出口13Ab、13Bb、13Cbから吐出することが基本となっている。2軸吐出の場合には、同様に下段側の固化材吐出口13Aa、13Caと上段側の固化材吐出口13Ab、13Cbを切り替えて使用する。
本実施形態の排土式3軸深層混合処理装置1では、図3(a)〜(c)に示すように、各回転軸11A、11B、11Cの回転方向をそのように設定したことにより、引き抜き時において、改良土が3連の撹拌領域R全体にわたって連続して流れるような一連の安定した撹拌流が形成されるものとなっており、撹拌領域Rの一部において改良土の流れが分断されてしまうようなことがなく、それにより撹拌領域R全体にわたって固化材と土とを確実かつ効率的に撹拌し混合できるものとなっている。
さらに、図2に示すように、本実施の形態の排土式3軸深層混合処理装置1には、各回転軸11A、11B、11Cの下端部相互間にそれら回転軸11A、11B、11C同士を結ぶ線上においてその方向に対して傾斜するようにスタビライザ16が3段にわたって設置されている。これらスタビライザ16により撹拌領域R(図3参照)における上記のような一連の撹拌流がより確実かつ効率的に生じるようになっている。
すなわち、図2に示すように各回転軸11A、11B、11Cの下部同士を連結している2段の連結部材17A、17Bには、上段側の連結部材17Aの上部、及び下段側の連結部材17Bの上部および下部にそれぞれ板状のスタビライザ16がいずれも図4(a),(b)に示すように連結部材17A、17Bの長さ方向に対して傾斜する状態で固定されている。そして、それらスタビライザ16の向き(設置方向)は図3(b)、(c)に示すように引き抜き時の回転時において両側から中央部に向かう撹拌流に沿う方向(したがって中央部から両側に向かう撹拌流に対しては横切る方向)に設定されている。
このようにスタビライザ16を設けたことにより、図3(b)、(c)に示すように、引き抜き時においては外側から中央部に向かう方向の撹拌流がスタビライザ16に案内されて滞ることなくスムーズに流れるが、中央部から外側に向かう方向の撹拌流はスタビライザ16に妨げられるようになっており、これにより中央部に向かう撹拌流に比べて外側に向かう撹拌流が抑制されるようになっている。
各回転軸11A、11B、11Cの外周面に形成されるスパイラル12は、図2に示すように、最上段の撹拌翼14よりも上部において例えば400mm程度のピッチで回転軸11の全長にわたって、或いは要所に部分的に設ければ良い。
次に、上記構成の排土式3軸深層混合処理装置による3軸深層混合処理工法について、図5等に基づいて詳細に説明する。
ここでは、排土式3軸深層混合処理装置1を使用して地盤G中の所定範囲をなす改良領域P(図5(g)参照)を改良する施工方法である。
先ず、図5(a)及び(b)に示すように、排土式3軸深層混合処理装置1を所定の施工位置に位置決めした後、各回転軸11A、11B、11Cをそれぞれ回転させて地盤Gに貫入していく。その際、貫入速度を考慮して各回転軸11A、11B、11Cの回転量を適正に制御してそれぞれのスパイラル12により排土を行う。
そして、図5(c)に示すように、各回転軸11A、11B、11Cの先端(掘削翼15)の位置が着底管理により改良下端深度P2に到達したときに、貫入を停止する。ここで、図5(g)に示すように、地盤G中の所定の改良領域Pにおける上端位置を改良上端深度P1といい、下端位置を改良下端深度P2という。
次いで、図5(d)に示すように、各回転軸11A、11B、11Cを改良領域P中の途中まで引き抜く。このときの各回転軸11A、11B、11Cは、各回転軸11A、11B、11C及び撹拌翼14を貫入時の回転を維持したまま引き抜く。そして、各回転軸11A、11B、11Cの引き抜き位置は、改良領域Pのうち所定高さの先端処理部分Paよりも浅い位置までとされる。ここで先端処理部分は、上下吐出口間距離に相当する。
さらに、図5(e)に示すように、固化材を吐出させながら各回転軸11A、11B、11Cを改良下端深度P2まで再貫入することで、改良領域Pの先端処理を行う。この際、固化材の供給は、両側方回転軸11A、11Cの最下段の撹拌翼14付近に設けられている固化材吐出口13A(図2参照)からのみ行う。
先端処理の再貫入時には、引き抜き時の回転を行うことで、各撹拌翼14により形成される3連の撹拌領域R(図4(a)、(b))においては上記のような連続する一連の撹拌流が生じる。これに加え、各中央回転軸11Bのスパイラル12によりその中央部の土が自ずと上方に押し上げられていくことから、撹拌領域Rの中央部の土圧が両側の土圧よりも自ずと相対的に低下し、しかも撹拌領域Rの両側にのみ固化材が供給されることから両側での土圧が中央部での土圧よりも相対的に上昇し、さらにスタビライザ16によって中央部に向かう撹拌流が外側に向かう撹拌流に比べて促進されることから、図3(b)に示すように両側から中央部に向かって流れるような改良土の流れが自ずと促進され、それによって撹拌領域R全体にわたって撹拌混合が促進されて充分な撹拌混合効果が得られる。3軸ともに固化材吐出口13を有する場合には、各回転軸11A、11B、11Cの下段吐出口から行う。
次に、図5(e)に示すように回転軸11A、11B、11Cを再貫入し、下端深度を確認した後、固化材の吐出を停止する。その後、とくに図示しないが、撹拌翼14の段差分だけ引き抜きと再貫入をすることにより先端処理を行う。
その後、図5(f)及び(g)に示すように、固化材を改良領域Pの範囲で吐出させながら各回転軸11A、11B、11Cを引き抜くことで、1スパンあたりの改良領域Pの地盤改良が完了する。
また引き抜き時には、各回転軸11A、11B、11Cの回転数は高速回転とし、中央回転軸11Bではスパイラル12により排土を行う。このとき、側方回転軸11A、11Cをそれぞれ11Bと同方向に回転させることから、スパイラル12によりその周囲の土が自ずと下方に押し下げられて撹拌領域Rの中央部の土圧が両側の土圧よりも自ずと相対的に下降する。さらに、スタビライザ16によって中央部に向かう撹拌流が外側に向かう撹拌流に比べて促進されることから、両側から中央側に向かって流れるような改良土の流れが自ずと促進され、貫入時と同様に撹拌領域R全体にわたって撹拌混合が促進されて充分な撹拌混合効果が得られる。
なお、引き抜き時における固化材の供給は、側方回転軸11A、11Cの最上段の撹拌翼14付近に設けている固化材吐出口13Bから行う。なお、3軸ともに固化材吐出口13を有する場合には、各回転軸11A、11B、11Cの上段吐出口から行う。
そして、所望深度の改良体を施工した後、図5(g)に示すように装置全体を地上に引き上げて次の施工位置まで移動させ、上述した図5(a)〜(g)と同様の工程を繰り返して他の改良体を施工する。なお、深度管理の場合には、貫入時の深度が先端処理部分Paに到達した後、着底管理時の再貫入以降の手順を行う。
次に、上述した排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、図2及び図5に示すように、各回転軸11A、11B、11Cを回転させた貫入時には固化材を吐出させずに貫入させ、各回転軸11A、11B、11Cに形成されるスパイラル12によって排土することができる。そして、所定の深度(改良下端位置P2)まで貫入させた後に各回転軸11A、11B、11Cを引き抜く際に、各回転軸11A、11Cの上側吐出口から地盤G中に固化材を吐出させつつ、各回転軸11A、11Cを逆回転させることで、スパイラル12により両側回転軸周囲の土を下方に押し下げ、地盤改良体を形成する。
このように、各回転軸11A、11B、11Cを貫入する際に、固化材の供給量に相当する土量を積極的に排土した後の、回転軸11A、11B、11Cの引き抜き時に貫入した地盤Gに固化材が供給され撹拌混合されるので、固化材の供給に伴う地盤膨張を防止して周辺地盤に変位が生じることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、各回転軸11A、11B、11Cの回転方向をスパイラル12の方向に合わせて制御することが可能となるので、貫入時には3軸の回転軸11A、11B、11C全体で効率よく排土することができる。また、引き抜き時には、中央回転軸11Bの回転方向と両側回転軸の回転方向を反対とすることで、固化材の上昇撹拌効果をもたせることができる。
さらに、本実施の形態では、回転軸11A、11B、11Cの貫入時に固化材を吐出しないので、排土した土砂に固化材のセメント等の成分を混入させずに排土することができる。そのため、排土の処理にかかる費用を低減することができる。
さらにまた、本実施の形態では、上述したような効果を3軸の回転軸11A、11B、11Cを備えた構成とすることにより達成でき、2軸の回転軸の場合よりも改良面積を増大させることができるので、施工効率の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、各回転軸11A、11B、11Cの下端部相互間にスタビライザ16を設けておくことにより、撹拌領域R内における撹拌流がスタビライザ16の設置方向に案内されるとともに、それに対して交差する方向の撹拌流が抑制されることによって、撹拌領域Rにおいて上記のような一連の撹拌流をより確実かつ効率的に形成することができ、より一層優れた撹拌混合効果が得られる。
上述のように本実施の形態による排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法では、周辺地山の変位を抑制し互層地盤での変位分布にも対応することができ、かつ3軸の回転軸11A、11B、11Cにより形成される改良面積において施工効率が向上できる。
また、本実施の形態では、固化材の成分を混入させずに排土することができる。
以上、本発明による排土式3軸深層混合処理装置および3軸深層混合処理工法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、各回転軸11A、11B、11Cのそれぞれが個別に駆動モータ2によって回転駆動される構成としているが、例えば、側方回転軸11A、11Cの回転数を同じに設定する場合には1台の駆動モータで動力伝達機構を介して両側方回転軸11A、11Cを共通で駆動させるようにしてもよい。また、駆動モータ2は、電動式、油圧式等に限らず、他の駆動源を採用することも可能である。
また、本実施の形態のように撹拌領域R全体にわたって一連の撹拌流がより確実かつ効率的に生じるようにスタビライザ16を設けることが好ましいのではあるが、そのスタビライザ16も必須ではない。
また、スタビライザ16を設ける場合においても、貫入時や引き抜き時における各回転軸11A、11B、11Cの回転方向を考慮して各工程において好ましい撹拌流が生じるようにその位置や向きを設定すれば良く、例えば上段側に設けるスタビライザ16と下段側に設けるスタビライザ16を逆向きに設けることにより、撹拌領域の上下において中央部に向かう撹拌流と外側に向かう撹拌流が同時に生じるように構成してもよい。
また、引き抜き時において中央回転軸11Bと側方回転軸11A、11Cを反対方向に回転させているが、中央回転軸11Bの回転数を貫入時及び引き抜き時において、側方回転軸11A、11Cの回転数よりも大きく設定するなど、具体的な回転方向、回転数は、地盤の強度、供給する固化材の供給量、材料等の条件に応じて適宜、設定を変更することが可能である。
また、中央回転軸11Bと側方回転軸11A、11Cのスパイラル12のピッチや大きさを変えることでも、相対的に中央部を早く押し上げることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 排土式3軸深層混合処理装置
2 駆動モータ
3 固化材
11 回転軸
11A、11C 側方回転軸
11B 中央回転軸
12 スパイラル
13 固化材吐出口
14 撹拌翼
15 掘削翼
16 スタビライザ
17、17A、17B 連結部材
G 地盤
P 改良領域
P1 改良上端深度
P2 改良下端深度

Claims (6)

  1. 先端部に撹拌翼を備え並列に配置された3軸の回転軸と、
    前記3軸の回転軸の各外周面に設けられたスパイラルと、
    前記回転軸の先端部から地盤に向けて固化材を吐出させる固化材吐出口と、
    を備え、
    前記3軸の回転軸は、回転速度と回転方向とを個別に制御することが可能に設けられていることを特徴とする排土式3軸深層混合処理装置。
  2. 前記各回転軸の下端部同士を連結する連結部材が設けられ、該連結部材に対して直交する方向に延びる複数のスタビライザが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排土式3軸深層混合処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の排土式3軸深層混合処理装置を使用して地盤改良を施工する排土式3軸深層混合処理工法であって、
    前記回転軸をそれぞれ回転させて地盤に貫入していきつつ前記スパイラルによってその周囲の土を上方に押し上げる工程と、
    前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、前記3軸の回転軸の回転速度と回転方向とを個別に制御しつつ、前記各回転軸の前記固化材吐出口から地盤中に固化材を吐出する工程と、
    を有することを特徴とする排土式3軸深層混合処理工法。
  4. 前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、両側に位置する側方回転軸を反転させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の排土式3軸深層混合処理工法。
  5. 前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、中央に位置する中央回転軸を側方回転軸よりも高速で回転させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の排土式3軸深層混合処理工法。
  6. 前記各回転軸を地盤から引き抜く際に、中央に位置する中央回転軸と側方回転軸のスパイラルのピッチや大きさを変えるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の排土式3軸深層混合処理工法。
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