JP6640605B2 - 超音波診断装置、信号処理装置および信号処理プログラム - Google Patents

超音波診断装置、信号処理装置および信号処理プログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、超音波診断装置、信号処理装置および信号処理プログラムに関する。
超音波診断装置で行われる超音波診断のモードの一つとして、ドプラモードがある。ドプラモードにおいては、超音波プローブが、所定の速度を持って移動している観察対象の部位に向けて超音波を同一方向に複数回照射し、ドプラ効果による周波数偏移(ドプラ変化)を検出することにより、例えば血流成分の速度などを算出する。
ドプラモードにおける受信信号には、観察対象である血流成分の信号に交じり、静止しているまたは低速度で運動する組織に起因する、クラッタ成分と呼ばれる信号が含まれる。通常、クラッタ成分の信号強度は血流成分の信号より数十〜数百dB大きい。従って、血流成分の信号を抽出するため、クラッタ成分の除去が行われる。
クラッタ成分の除去を行う方法として、得られたIQ(In−phase Quadrature−phase)信号の時系列データに対して、ルジャンドル多項式等の多項式でフィッティングを行い、低次の次数の成分をクラッタ成分として特定する方法がある。しかしながら、この方法では、クラッタ成分の特定の精度が十分でないこともある。
特許第4369427号明細書
"On the Performance of Regression and Step−Initialized IIR Clutter Filters for Color Doppler Systems in Diagnostic Medical Ultrasound",IEEE Transactions on Ultrasonics,Ferroelectrics,and Frequency Control,Vol.42,No.5,p.927−937
本発明の実施形態は、クラッタの特定精度を向上させることのできる超音波診断装置を提供する。
実施形態に係る超音波診断装置は、生成部と、第1算出部とを備える。生成部は、超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する。第1算出部は、前記時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する。前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に基づいて生成されることが可能な関数である。
図1は、実施形態に係る超音波診断装置を示す図。 図2は、実施形態の背景について説明した図。 図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の流れについて説明した図。 図4は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の流れについて説明した図。 図5は、従来技術及び第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理を比較するために作成されたデータの例。 図6は、従来技術に係る超音波診断装置の行う処理の例について説明した図。 図7は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の例について説明した図。 図8は、従来技術に係る超音波診断装置の行う処理の例について説明した図。 図9は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の例について説明した図。 図10は、従来技術に係る超音波診断装置により生成された画像の例について説明した図。 図11は、第1の実施形態に係る超音波診断装置により生成された画像の例について説明した図。 図12は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の流れについて説明した図。 図13は、実施形態に係る信号処理装置のハードウェア構成について説明した図。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。図1に例示するように、第1の実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ101と、装置本体10と、ディスプレイ135と、入力装置134とを有する。
超音波プローブ101は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体10が有する送信回路9から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号(反射波信号)に変換する。また、超音波プローブ101は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体10と着脱自在に接続される。
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波として超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子にて受信され、反射波信号に変換される。反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
入力装置134は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等を有する。入力装置134は、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定要求を転送する。
ディスプレイ135は、超音波診断装置の操作者が入力装置134を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像データ等を表示したりする。
装置本体10は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。装置本体10は、図1に例示するように、送信回路9と、受信回路11と、A/D変換回路102と、直交検波回路103と、記憶回路132と、処理回路150を有する。処理回路150は、Bモード処理機能151と、ドプラ処理機能152と、制御機能153と、画像生成機能154とを備える。ドプラ処理機能152は、より詳細には、パラメータ値取得機能152a、基底算出機能152b、展開係数算出機能152c、クラッタ成分算出機能152d、血流情報演算機能152eを有する。
送信回路9は、レートパルス発生器と、送信遅延回路と、送信パルサとを有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。レートパルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。レートパルスは、送信遅延回路を通ることで異なる送信遅延時間を有した状態で送信パルサへ電圧を印加する。すなわち、送信遅延回路は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの送信遅延時間を、レートパルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。なお、ビーム状に集束された超音波のことを「超音波ビーム」と呼ぶ。
送信パルサは、かかるレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。駆動パルスは、送信パルサからケーブルを介して超音波プローブ101内の圧電振動子まで伝達した後に、圧電振動子において電気信号から機械的振動に変換される。この機械的振動は、生体内部で超音波として送信される。ここで、圧電振動子ごとに異なる送信遅延時間を持った超音波は、収束されて、所定方向に伝搬していく。すなわち、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える送信遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向を任意に調整する。
送信回路9は、処理回路150の制御機能153により、送信開口(超音波ビームの送信時に用いる圧電振動子の数及び位置)を制御することで、送信指向性を与える。送信回路9は、1本の走査線での超音波送信が完了する度に、送信開口を移動する。また、送信回路9は、送信開口の各圧電振動子が駆動するタイミングを、送信遅延回路を用いて制御することで、超音波をビーム状に集束させる。
なお、送信回路9は、後述する制御機能153の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
なお、ドプラモードを搭載した超音波診断装置の場合、超音波診断装置は、例えば、複数の超音波圧電素子からなる超音波プローブ101を介して、Kを1パケット(同一深度の複数の反射エコー信号(反射波)を時系列に並べたときの一組のデータ)における送信回数を表す整数として、K回分の超音波パルスを被検体に照射する。
受信回路11は、超音波プローブ101から反射波信号を受信する。例えば、ドプラモードの場合、被検体Pに照射された超音波ビームのK個の反射エコー信号(反射波)からなるパケットは、超音波プローブ101により電気信号へ変換される。
より具体的には、超音波プローブ101が送信した超音波の反射波が超音波プローブ101内部の圧電振動子まで到達した後、圧電振動子において、機械的振動から電気的信号(反射波信号)に変換され、受信回路11に入力される。受信回路11は、プリアンプと、受信遅延加算回路とを有し、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって、アナログデータである反射波データを生成する。
プリアンプは、チャンネルごとに反射波信号を増幅してゲイン調整を行なう。受信遅延加算回路は、反射波信号に受信指向性を決定するのに必要な受信遅延時間を与える。また、受信遅延加算回路は、受信遅延時間が与えられたことで時相が揃えられた反射波信号の加算処理(整相加算処理)を行なって反射波データを生成する。受信遅延加算回路の整相加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
受信回路11は、制御機能153により、受信開口(反射波信号の受信時に用いる圧電振動子の数及び位置)を制御することで、受信指向性を与える。受信回路11は、送信開口が移動される度に、受信開口を移動する。受信回路11は、受信開口の各圧電振動子が受信した反射波信号を整相加算することで、1本の走査線における反射波データを生成する。
このように、送信回路9及び受信回路11は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。
A/D変換器102は、受信回路11によって受信した収集信号列をデジタル変換する。また、直交検波回路103は、受信回路11によって受信した反射波データをベースバンド帯域の同相信号(I信号、I:In-phase)と直交信号(Q信号、Q:Quadrature-phase)とに変換する。例えば、I信号は、ドプラ変位した波のコサイン部分(実部)である信号であり、Q信号は、ドプラ変位した波のサイン部分(虚部)である信号である。
処理回路150は、ドプラ処理機能152により、A/D変換回路102及び直交検波回路103によってデジタルデータに変換された反射波データを周波数解析することで、ドプラ効果に基づく移動体(血流や組織、造影剤エコー成分等)の運動情報を抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。具体的には、ドプラ処理部13は、移動体の運動情報として、平均速度、分散値、パワー値等を多点にわたり抽出したドプラデータを生成する。
ドプラモードが選択されている場合、同一走査線上で複数回の超音波を送信することで、複数の反射波データが収集されている。このため、直交検波回路103は、同一走査線上の各サンプル点で複数のIQ信号を生成することになる。
なお、ドプラモードにおいて、同一方向に複数回照射したデータの同一深度からの反射波データを時系列に並べた複数のIQ信号の列を、「パケット」と呼ぶ。処理回路150は、ドプラ処理機能152により、受信回路11によって受信した反射波データを基に、パケットを生成する。
処理回路150の有するドプラ処理機能152は、更に詳述すると、パラメータ値取得機能152a、基底算出機能152b、展開係数算出機能152c、クラッタ成分算出機能152d、血流情報演算機能152eを有する。これらの機能の詳細については後述する。
Bモード処理機能151は、A/D変換回路102及び直交検波回路103によってデジタルデータに変換された反射波データに対して、対数増幅、包絡線検波処理、対数圧縮などを行なって、信号強度(振幅強度)が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。また、Bモード処理機能151は、検波周波数を変化させることで、映像化する周波数帯域を変えることができる。
実施形態では、Bモード処理機能151、ドプラ制御機能152、制御機能153、画像生成機能154にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路132へ記憶されている。処理回路150はプログラムを記憶回路132から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図1の処理回路150内に示された各機能を有することになる。なお、図1においては単一の処理回路150にて、Bモード処理機能151、ドプラ制御機能152、制御機能153、画像生成機能154にて行われる処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路150を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
換言すると、上述のそれぞれの機能がプログラムとして構成され、1つの処理回路が各プログラムを実行する場合であってもよいし、特定の機能が専用の独立したプログラム実行回路に実装される場合であってもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路132に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
なお、記憶回路132にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
なお、展開係数算出機能152c、クラッタ成分算出機能152d、基底算出機能152b、画像生成機能154は、それぞれ、第1算出部、第2算出部、第3算出部、画像生成部の一例である。入力装置134は、入力部の一例である。また、受信回路11、A/D変換回路102及び直交検波回路103は、生成部の一例である。
処理回路150は、制御機能153により、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、処理回路150は、制御機能153により、入力装置134を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路132から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送信回路9、受信回路11、Bモード処理機能151、ドプラ処理機能152、及び画像生成機能154の処理を制御する。
また、処理回路150は、制御機能153により、記憶回路132が記憶する表示用の超音波画像データをディスプレイ135にて表示するように制御する。なお、記憶回路132は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子であり、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。また、Bモード処理回路151、直交検波回路103、処理回路150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路である。
処理回路150は、画像生成機能154により、Bモード処理機能151及びドプラ処理機能152により生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成機能154を有する処理回路150は、Bモード処理機能151により処理回路150が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。また、画像生成機能154は、処理回路150によりドプラ処理機能152が生成したドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像データを生成する。
ここで、処理回路150は、画像生成機能154により、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビなどに代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、処理回路150は、画像生成機能154により、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、処理回路150は、画像生成機能154により、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。なお、処理回路150は、画像生成機能154により、Bモード処理回路151により生成された3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のBモード画像を生成することが可能である。また、処理回路150は、画像生成機能154により、ドプラ処理機能152が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のカラードプラ画像を生成することが可能である。また、処理回路150は、画像生成機能154により、3次元の画像データに対して、各種レンダリング処理を行なって、表示用の2次元超音波画像データを生成することが可能である。
記憶回路132は、画像生成機能154により処理回路150が生成した画像データを記憶するメモリである。また、記憶回路132は、処理回路150がBモード処理機能151やドプラ処理機能152により生成したデータを記憶することも可能である。
続いて、第1の実施形態に係る背景について、簡単に説明する。
超音波診断装置で行われる超音波診断のモードの一つとして、ドプラモードがある。ドプラモードにおいては、超音波プローブが、所定の速度を持って移動している観察対象の部位に向けて超音波を同一方向に複数回照射し、ドプラ効果による周波数偏移(ドプラ変化)を検出することにより、例えば血流成分の速度などを算出する。
ドプラモードにおける受信信号には、観察対象である血流成分の信号に交じり、静止しているまたは低速度で運動する、クラッタ成分と呼ばれる組織の信号が含まれる。通常、クラッタ成分の信号強度は血流成分の信号より数十〜数百dB大きい。従って、血流成分の信号を抽出するため、クラッタ成分の除去が行われる。
かかる状況が、図2に示されている。図2は、実施形態の背景について説明した図である。図2において、点22aは、時刻t=0におけるIQ信号を表す。点22aの複素数平面上での実部の大きさ、虚部の大きさが、それぞれI信号及びQ信号の大きさに対応する。また、点22bは、時刻t=1におけるIQ信号を表す。点22c、点22dは、時刻t=2、時刻t=3におけるIQ信号を表す。
ベクトル23aは、時刻t=0におけるIQ信号のうち、クラッタ成分を表すベクトルである。ベクトル23bは、時刻t=1におけるIQ信号のうち、クラッタ成分を表すベクトルである。ベクトル23c、ベクトル23dは、時刻t=2、時刻t=3におけるIQ信号のうち、クラッタ成分を表すベクトルである。
ベクトル24aは、時刻t=0におけるIQ信号のうち、血流信号を表すベクトルである。ベクトル24bは、時刻t=1におけるIQ信号のうち、血流信号を表すベクトルである。また、ベクトル24c、ベクトル24dは、時刻t=2、時刻t=3におけるIQ信号のうち、血流信号を表すベクトルである。
例えば時刻t=0において、血流信号を表すベクトル24aは、IQ信号の大きさを表す点22aの位置ベクトルから、クラッタ成分を表すベクトル23aを減じたものになる。同様に、時刻t=1、2、3において、血流信号を表すベクトル24b、24c、24dは、IQ信号の大きさを表す点22b、点22c及び点22dの位置ベクトルから、クラッタ成分を表すベクトル23b、23c、23dを減じたものとなる。
ここで、目的とする血流信号を表すベクトル24a〜24dの大きさは、クラッタ成分を表すベクトル23a〜23dの大きさに比べて小さいので、IQ信号に占める寄与は小さい。従って、クラッタ成分の除去がどの程度適切に行われるかが、血流信号を画像化した画像の画質に影響する。
クラッタ成分の除去を行う方法として、得られたIQ信号の時系列データに対して、所定の多項式でフィッティングを行い、低次の次数の成分をクラッタ成分として特定する、多項式フィッティング法と呼ばれる方法がある。また、複素ルジャンドル法と呼ばれる方法がある。しかしながら、これらの方法では、クラッタ成分の抽出の精度が十分でないこともある。
例えば、多項式フィッティング法では、最小自乗フィッティングによるクラッタの推定、及び抑圧の推定が十分でないことがある。また、多項式フィッティング法によるクラッタ成分の推定および抑圧には、正負の速度を区別できない。具体的には、ドプラモードで観測されたIQ信号の位相は、観測対象物の速度の正負に応じた正負の符号をもって変化する。すなわち、プローブに対して近づく信号は正の位相変化を示し、プローブに対して遠ざかる信号は負の位相変化を示す。しかしながら、多項式フィッティングにおいて用いる関数系は実数多項式関数系である。複素信号であるIQ信号を実数関数系で表現することは、位相の正負を区別できないことを意味する。そのため実数多項式関数系は、信号の絶対値、すなわち振幅は等しいが符号の異なる速度を持つ二つの観測対象物を区別できない。その結果、強度が大きく異なるクラッタ成分と血流信号の弁別が、より困難になる。
また、複素ルジャンドル法では、多項式フィッティング法と比べて符号付き速度の推定が向上する利点があるが、そもそものクラッタの表現能力については多項式フィッティングと比較して変わらないため、クラッタの推定および抑圧の精度は向上しないこともあった。
かかる背景に鑑みて、実施形態に係る超音波診断装置は、時系列のIQ信号(一つのパケットの信号)を、所定の複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出することにより、クラッタ成分の除去(抑圧)を行う。ここで、所定の複数の関数は、時間に関する第1のパラメータtと、第1のパラメータtとは異なる第2のパラメータφとを引数に持つ関数族に基づいて生成されることが可能な関数である。
図3及び図4を用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の手順について説明する。図3及び図4は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の流れについて説明した図である。
はじめに、送信回路9は、超音波プローブ101より、一つのパケットに対応する複数の超音波を被検体Pに向けて送信する(ステップS100)。受信回路11は、超音波プローブ101を通じて、ステップS100で被検体に向けて送信された複数の超音波それぞれに対応する反射波を受信する(ステップS110)。A/D変換回路102は、ステップS110において受信回路11が受信した反射波を、A/D変換する(ステップS120)。直交検波回路103は、ステップS120においてA/D変換されたデータに対して直交検波を行い、IQ信号を生成する(ステップS130)。換言すると、生成部を構成するA/D変換回路102及び直交検波回路103は、超音波プローブ101により送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する。続いて、処理回路150は、パラメータ値取得機能152a、基底算出機能152b、展開係数算出機能152c、クラッタ成分算出機能152dにより、クラッタ成分の算出及び除去を行う(ステップS140)。このステップの処理については図4で詳しく説明する。また、処理回路150は、血流情報演算機能152eにより、ステップ130で生成されたIQ信号の時系列データから、ステップ140で算出されたクラッタ成分を減算し、血流の情報を算出する(ステップS150)。続いて、処理回路150は、画像生成機能154により、ステップS150で算出された血流の情報、言い換えると、ステップS130で生成されたIQ信号の時系列データから、ステップS140で算出されたクラッタ成分を減算した信号成分から画像を生成する(ステップS160)。ディスプレイ135は、ステップS160で生成された画像のデータを処理回路150から受信し、画像を表示する(ステップS170)。
続いて、図4を用いて、ステップS140の操作について詳しく説明する。図4は、図3のステップS140の処理を詳しく説明した図である。
はじめに、処理回路150は、パラメータ値取得機能152aにより、時間に関する第1のパラメータtとは異なる第2のパラメータφの値を取得する(ステップS141)。第2のパラメータφは、例示的には、クラッタの位相変化に基づいて算出されたパラメータである。例えば、第2のパラメータφは、単位時間あたりのクラッタの位相変化の推定値である。第2のパラメータφは、例えば、想定されるクラッタの速度、つまり、ドプラモードで検出できる観測対象物の速度、すなわち観測パケット内のIQ信号間の位相の変化量の範囲を−π〜+πとしたときに、クラッタがどの速度で観測されるかの値として−π<φ<+πの範囲で設定される値である。
また、入力装置134は、第2のパラメータφの値の入力をユーザから受け付けても良い。また、処理回路150は、第2のパラメータφの値を、記憶回路132から取得してもよい。この場合、第2のパラメータφの値は、例えば、撮影対象の部位毎に予め知られている経験値として、撮影対象の部位毎に、予め記憶回路132に保存されている。
また、入力装置134は、第2のパラメータφの値を、超音波診断装置における流速レンジ(関心領域における血流などの関心対象の速度の、正方向の最高速度及び負方向の最高速度)の設定値に基づいて算出してもよい。また、入力装置134は、撮影対象の部位及び流速レンジの設定値の両方に基づいて、第2のパラメータφの値を算出してもよい。
続いて、処理回路150は、時間に関する第1のパラメータt及び第2のパラメータφの値に基づいて、直交化を行う前の関数族Aを生成する(ステップS142)。直交化を行う前の関数族Aは、例えば次の式(1)のように表させる。
ここで、C(t)は、関数族Aに属する関数のうち、m番目の関数を表し、mは0以上の整数である。C(t)は、時間に関する第1のパラメータtの関数である。C(t)は、例えば複素数の値を取る関数である。
例えば、C(t)の関数系の具体例としては、例えば次の式(2)のような例が考えられる。
ここで、f(t)は、第1のパラメータtに関する所定の関数である。この時、直交化を行う前の関数族Aの標識は、例えば次の式(3)のように表される。
ここで、f(t)の具体例としては、例えば以下の式(4)のような例が挙げられる。
ここで、eは自然対数であり、jは虚数単位であり、φは前述の第2のパラメータφである。φがないとした場合の極限、すなわちφ=0のとき、f(t)=tとなる。換言すると、式(4)は、f(t)=tである場合を基準に、所定の方法で、第2のパラメータφを用いてf(t)の関数系を補正したものである。この時、直交化を行う前の関数族Aの具体的な表式は、例えば式(5)のように表される。
f(t)が定数でない時、直交化を行う前の関数族Aの元C(t)は、線形独立となる。直交化を行う前の関数族Aの元C(t)が所定の領域で定義されているとき、関数に対して所定の内積が定義可能である。例えば、C(t)が複素数値を取る場合、関数に対するエルミート内積が定義可能である。ここで、定義された内積のもとで、直交化を行う前の関数族Aの各元に対して、シュミットの直交化として知られている処理を適用すると、正規直交基底を生成することができる。
換言すると、処理回路150は、基底算出機能152bにより、直交化を行う前の関数族Aに対して、所定の内積のもとで、所定の方法により直交化を行って、直交基底の集合Bを生成する(ステップS143)。直交基底の集合Bは、より明示的に書くと、例えば式(6)のように表される。
ここで、式(6)eは、正規直交基底であることを表す。すなわち、e(t)は、自然数nとして、n番目の正規直交関数であり、第1のパラメータtの関数であることを示している。正規直交基底e(t)は、例えば複素数の値を取る関数である。ここで、例えば、正規直交性とは、例示的には、次の式(7)で表される。
式(7)において、i,jは所定の自然数を表す。"*"は、複素共役を表す。δは、クロネッカーのデルタを表す。即ち、i=jが成り立つとき、式(7)の積分の左辺は1に等しく、i≠jのとき、式(7)の積分の左辺は0に等しい。従って、式(7)は、点に関するエルミート内積の概念を、関数に対して自然に一般化したものと考えることができる。
式(4)の意味について説明するため、まず、第2のパラメータφがないと仮定した場合、すなわち、φ=0の場合について考える。この場合、式(4)は、次の式(8)のように単純化される。
この時、直交化を行う前の関数族Aの具体的な表式は、次の式(9)のように表される。
ここで、閉区間[−1〜1]に対して、Lノルムを用いて関数の間に自然に内積を導入し、導入した内積に対してシュミットの直交化を行うと、正規直交基底の集合Bの各要素は、次の式(10)のように、ルジャンドル多項式に所定の規格化定数を乗じた関数P(t)で表される。
すなわち、式(4)において、右辺の「t」は、シュミットの直交化後にルジャンドル多項式を生成する項である。ここで、式(4)の右辺の「exp(jφt)」は、クラッタ成分を補正する項である。すなわち、第2のパラメータφが単位時間のクラッタの位相変化を表す場合、exp(jφt)は、クラッタの単位時間の位相変化φが有限であることに起因して、IQ信号の時系列データの位相が時間と共に変化する効果を、シュミットの直交化前の関数族の中に織り込んでおく効果を表す項になる。この結果、exp(jφt)の項を含んでシュミットの直交化が行われることで、生成される正規直交基底e(t)が、クラッタの単位時間の位相変化φが織り込まれた正規直交基底になっている。この結果、これらの基底でIQ信号の時系列データを展開することで、クラッタ成分の推定の精度が向上する。
続いて、処理回路150は、展開係数算出機能152cにより、IQ信号の時系列データI(t)+jQ(t)を生成された直交基底e(t)で展開し、展開係数ωiを算出する(ステップS144)。この状況は、例えば以下の式(11)で表される。
式(11)において、I(t)は、IQ信号の時系列データのうち、実数部分の信号を表し、Q(t)は、IQ信号の時系列データのうち、虚数部分の信号を表し、jは虚数単位を表す。正規直交基底e(t)はi番目の正規直交基底を表し、展開係数ωは、i番目の正規直交基底e(t)に関する展開係数である。正規直交基底e(t)は、例えば複素数である。また、展開係数ωは、例えば実数又は複素数である。
まとめると、処理回路150は、展開係数算出機能152cにより、IQ信号の時系列データI(t)+jQ(t)を複数の関数e(t)の線形和として表現した場合の展開係数ωを算出する。ここで、複数の関数e(t)は、時間に関する第1のパラメータtと、第1のパラメータtとは異なる第2のパラメータφとを引数に持つ関数族Aに基づいて生成されることが可能な関数である。ここで、複数の関数e(t)は、関数族Aに対してシュミットの直交化など所定の直交化手法を用いることにより生成されることが可能な関数である。また、典型的には、複数の関数e(t)は、複素数の値を持つ関数である。
展開係数ωの具体的な表式は、標準的な方法を用いて、例えば以下の式(12)で表される。
ここで、式(12)の導出は、例えば以下の式(13)を用いることにより容易に確認できる。ここで、正規直交基底に対する関係式である式(7)を途中で用いた。
また、展開係数ωの算出方法として、処理回路150は、展開係数算出機能152cにより、直交検波された観測パケット(K個のIQ信号の時系列データI(t)+jQ(t))を、MをK以下の所定の自然数として(すなわち、MはKと同じでもよいし、Kより小さい自然数であってもよい)、正規直交基底e(t)(1≦i≦M)で張られる空間に数値的に射影しても良い。この場合、処理回路150は、展開係数算出機能152cにより、例えば最小自乗フィッティングを用いて展開係数ωを算出する。
続いて、処理回路150は、クラッタ成分算出機能152dにより、クラッタ成分に対応する直交基底を特定する(ステップS145)。換言すると、処理回路150は、クラッタ成分算出機能152dにより、ステップS144で算出された展開係数ωに基づいて、時系列データI(t)+jQ(t)に含まれるクラッタ成分を特定する。
クラッタ成分の特定方法の一例として、処理回路150は、クラッタ成分算出機能152dにより、ステップS144で算出された展開係数ωが、展開次数iの増大と共に減少から増加に転じる次数ithを特定し、特定した次数ithに基づいて、クラッタ成分を特定する。具体的には、処理回路150は、特定した次数以下の次数の正規直交基底に係る成分を、クラッタ成分であり、それより大きい次数の成分を、血液等の信号成分を特定する。言い換えると、処理回路150は、クラッタ成分は低次の成分に、血液などの信号成分は高次の成分に表れると考え、その二つの線形和で時系列データに対してフィッティングを行ったとき、それら二つが分離できる次数以下の次数を、クラッタ成分であると特定する。
また、クラッタ成分の特定方法の別の例として、処理回路150は、クラッタ成分算出機能152dにより、所定の次数以下の展開次数の成分をクラッタ成分として特定してもよい。例えば、処理回路150は、クラッタ成分算出機能152dにより、0次及び1次の展開次数の成分(すなわちe(t)及びe(t)の成分)を、クラッタ成分として特定してもよい。
続いて、処理回路150は、クラッタ成分算出機能152dにより、ステップS145でクラッタ成分の次数が特定されると、特定された次数に基づいて、クラッタ成分を算出する(ステップS146)。続いて、処理回路150は、IQ信号の時系列データから、ステップS146で算出されたクラッタ成分を除去(減算)し(ステップ147)、血流信号等に対応するデータを抽出する。抽出したデータは、図3のステップS160において、画像生成の用に供される。すなわち、処理回路150は、画像生成機能154により、時系列データから、ステップS146で算出されたクラッタ成分を減算した信号成分から画像(ドプラ画像)を生成する。
また、このように、クラッタ成分が除去(抑圧)されてドプラ変位した血流成分が抽出された信号に対して、処理回路150は、血流情報演算機能152eにより、血流の流速や流量、分散といった血流情報の演算を行う。演算された血流情報は、後段のステップS170において、例えば別タイミングで撮影されたBモード(輝度)画像に重畳されるなどして表示される。
次に、図5〜図11を用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置のクラッタ除去(抑圧)処理の具体例を説明する。図5は、従来技術及び第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理を比較するために作成されたデータの例である。図6、図8、図10は、従来技術に係る超音波診断装置の行う処理の例について説明した図である。図7、図9、図11は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の例について説明した図である。
図5に、シミュレーションで生成したパケットサイズ16のIQ信号を示す。すなわち、1パケットあたり、K=16回の超音波が送信される場合のIQ信号が示されている。図5の横軸はI信号、すなわち信号の実部を表し、図5の縦軸はQ信号、すなわち信号の虚部を表す。図5中の16個の菱型のマーカーが、16個の時系列IQ信号を示している。グラフ30は、これらの時系列IQ信号を表すグラフである。IQ信号は、振幅1、速度π/15のクラッタと、振幅0.01、速度π/4の血流信号を加算して生成した。このIQ信号に対して、従来技術に係る関数によるフィッティングを低次から順次施した結果を図6に、第1の実施形態に係る正規直交基底e(t)によるフィッティングを低次から順次施した結果を図7にそれぞれ示す。直交化を行う前の関数Cm(t)設計のための第2のパラメータφの情報(位相情報)としては、クラッタの速度であるπ/15を与えた。
図6において、グラフ31aがフィッティングの対象のグラフである。これらのグラフを、従来技術に係る関数でフィッティングを行った場合の結果が示されている。ここで、従来技術に係る関数は、実数多項式関数R(t)=tである。グラフ32a、グラフ32b、グラフ32c、グラフ32dは、従来技術に係る関数による0次、1次、2次、3次成分をそれぞれ示す。
図7は、第1の実施形態に係る関数でフィッティングを行った場合の結果が示されている。ここで、第1の実施形態に係る関数は、複素数関数C(t)からシュミットの直交化により誘導された複素値正規直交基底e(t)である。グラフ33a、グラフ33b、グラフ33c、グラフ33dは、第1の実施形態に係る関数による0次、1次、2次、3次成分をそれぞれ示す。
図8は、図5のIQ信号を、実数多項式関数R(t)で展開した際の各次数の展開係数の振幅を表す。図8に示されているように、2次係数34の大きさが多くなってしまっている。
これに対して、図9は、図5のIQ信号を、複素値関数C(t)からシュミットの直交化により誘導された複素値正規直交基底e(t)で展開した際の展開係数の振幅を表す。図9に示されているように、2次係数35の値が、1次係数と比較して大きく減少し、3次係数36が2次係数と比較して増えている。このように、展開係数が、展開次数の増大とともに減少から増加に転じていることから、2次係数までがクラッタの成分であり、3次係数以降の成分が、血液など観測対象の信号であると判断することができる。一方、図8では、クラッタの成分と、観測対象の信号とを、データからは弁別することができない。
次に、図10及び図11を用いて、従来技術と、第1の実施形態に係る超音波診断装置の生成する画像について比較する。図10は、従来技術に係る超音波診断画像の例であり、図11は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の生成する超音波画像の例である。図10、11において、縦方向は深さ方向、横方向は方位方向である。
図10において、信号40aは、低深度における血流信号である。また、信号42aは、高深度における血流信号である。しかしながら、ノイズ41aは、高深度において、クラッタ除去が不完全なためのノイズである。従来技術では、クラッタ除去が不完全なため、信号42aとノイズ41aの区別が難しい。
一方、図11において、信号40bは、低深度における血流信号である。また、信号42bは、高深度における血流信号である。また、領域41bにおいて、クラッタ除去の精度が高いため、領域41bで、ノイズが除去されている。このため、クラッタ成分と分離された形で、信号42bが描出されている。
以上のように、実数多項式関数を用いる手法と比べて、複素値関数C(t)からシュミットの直交化により誘導された複素値正規直交基底e(t)を用いることでクラッタの推定および抑圧の精度が向上し、血流信号の視認性が改善することができる。
実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路150は、画像生成機能154により、ステップS145で特定されたクラッタ成分に基づいて、超音波エラストグラフィー画像を生成してもよい。
ここで、エラストグラフィーとは、生体組織の硬さの分布を画像化することであり、超音波エラストグラフィー画像とはそのようにして得られた画像を意味する。超音波エラストグラフィーは、大別すると、超音波プローブで体表から生体組織を圧迫・解放した際に観測された際に観測される走査断面内の歪みの大きさから、硬さを可視化するストレイン法と、体表から生体組織に音響放射力あるいは外部振動源による振動を与えて変位を発生させ、走査断面内の各位置における変位を経時的に観測することで、変位に基づくせん断波の伝播速度を求め、弾性率を求めるせん断波法の二つに分けられる。
以下では、ストレイン法の場合で説明するが、実施形態は、せん断波法の場合にも適用可能である。
ストレイン法の場合、操作者が手動で超音波プローブ101を加振することで組織の圧迫及び組織の開放を繰り返して行う。この間、実施形態に係る超音波診断装置は、例えば、図3のステップS100で、送信波を送信し、その後、ステップS110で、反射波を受信し、ステップS120及びステップS130の処理を行う。ステップS140について、ステップS141〜ステップS146については、実施形態に係る超音波診断装置は、前述したのと同様の処理を行う。
ステップS146で、処理回路150が、クラッタ成分算出機能152dでクラッタ成分を算出すると、処理回路150は、算出したクラッタ成分から、移動体である組織の運動情報として、速度、分散値、パワー値を、2次元空間又は3次元空間の多点にわたり抽出した組織ドプラデータを生成する。続いて、処理回路150は、生成した組織ドプラデータから、歪みの空間分布を示す歪み分布情報を算出する。処理回路150は、続いて、画像生成機能154により、歪み分布情報の値をカラーコードするなどして超音波エラストグラフィー画像を生成し、(ステップS150)、表示する(ステップS160)。
なお、実施形態は上に説明した例に限られない。例えば、直交化を行う前の関数族Aの表式は、例えば以下の式(14)のような形であってもよい。
ここで、C(t)の表式としては、例えば、以下の式(15)のような形であってもよい。
また、ここで、f(t)の表式としては、例えば、以下の式(16)のような形であってもよい。
この場合、正規直交基底e(t)の各表式は、通常のルジャンドル多項式に、クラッタの位相変化を表す絶対値1の複素数を乗じたものになる。
また、実施形態では、区間[−1、1]で定義された、直交化を行う前の関数族Aに対してLノルムのもとで一様な重みを与えてエルミート内積を定義し、定義された内積のもとでシュミットの直交化を行い正規直交基底を生成した場合について説明した。しかしながら、定義される内積及び、与えられる重み、直交化を行う前の関数族Aが定義されている区間は、この例に限られない。内積の導入の仕方、与えられる重み、直交化を行う前の関数族Aが定義されている区間として、さまざまなバリエーションが可能であり、これにより、生成される複数の関数(正規直交基底e(t))にもさまざまなバリエーションが生まれ得る。
また、生成される複数の関数は、例えば複数の正規直交基底の直積を取ることにより生成された複数の正規直交基底であってもよい。
換言すると、生成される複数の関数(正規直交基底e(t))は、第2のパラメータφがない(φ=0)と仮定した場合の極限で、例えばルジャンドル多項式、ラゲール多項式、チェビチェフ多項式、エルミート多項式、ベッセル関数、球ベッセル関数、ルジャンドル陪多項式、球面調和関数、ゲーゲンバウワーの多項式、ヤコビの多項式のうち少なくとも一つに相当する項を含んでもよい。
また、実施形態では、直交化を行う前の関数族Aに対して、シュミットの直交化を行い正規直交基底e(t)である複数の関数を生成する場合について説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、生成される複数の関数は、正規でなくてもよいし直交する基底でなくてもよい。例えば、規格化されていない直交基底による展開操作は、正規直交基底による展開操作と実質的に等価な操作になる。また、展開の対象となる基底が少なくとも互いに線形独立であれば、これらの基底による展開係数は、与えられた時系列データに対して一意的に定められる。従って、処理回路150は、線形独立であって直交しない基底を用いて、展開係数を算出してもよい。
例えば、処理回路150は、直交化を行う前の関数族Aに対して、恒等変換を行って複数の関数を生成し、(すなわち複数の関数は、直交化を行う前の関数族Aの元そのものとなる)、それらの複数の関数を基底として用いて、展開係数を算出してもよい。
更に、展開の対象となる基底は、クラッタ成分の除去(抑圧)という目的に鑑みると、すべての基底が互いに線形独立であることを要しない。例えば、展開の対象となる基底によって構成される線形空間の次元が2以上であれば、処理回路150は、一部の基底が互いに線形従属であるような基底を展開の対象として、展開係数を算出し、算出した展開係数を用いて、クラッタ成分を算出してもよい。この場合、クラッタ成分として特定される基底が互いに線形独立であれば、前述の展開係数が一意的に定まらないという事実に関わらず、処理回路150は、クラッタ成分の値を一意的に決定することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態においては、第2のパラメータφを、時系列データそのものから算出して処理を行う場合について説明する。具体的には、処理回路150は、パラメータ値取得機能152aに基づいて、図3のステップS130で生成されたIQ信号(時系列データ)に基づいて、第2のパラメータφの値を算出する。処理回路150は、上述のパラメータ値取得機能152aに基づいて算出した結果に基づいて、上述の展開係数を生成する。
第2の実施形態に係る超音波診断装置は、図3のステップS100〜ステップS130及びステップS150〜ステップS170については、第1の実施形態に係る超音波診断装置と同様の処理を行う。また、第2の実施形態に係る超音波診断装置は、図3のステップS140においても、図4のステップS141を除くステップS142〜ステップS147については、第1の実施形態に係る超音波診断装置と同様の処理を行う。従って、ステップS141の処理以外の処理については、説明は省略する。
図12は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理の流れについて説明した図である。具体的には、図12は、第2の実施形態に係る超音波診断装置が、図4のステップS141において行う処理について、より詳細に説明した図である。
処理回路150は、パラメータ値取得機能152により、時系列IQ信号(時系列データ)から、自己相関関数を計算する(ステップS141a)。続いて、処理回路150は、パラメータ値取得機能152により、算出した自己相関関数から、位相(第2のパラメータφ)の値を算出する(ステップS141b)。換言すると、処理回路150は、パラメータ値取得機能152aにより、ステップS141aで計算した自己相関関数に基づいて、第2のパラメータφの値を算出する。
具体的には、処理回路150は、時系列IQ信号のK個のIQ信号中、N個(2≦N≦K)のIQ信号から計算した自己相関関数の位相を算出する。ここで、N個のI信号をI(t)、…、I(t)、N個のQ信号をQ(t)…Q(t)としたときの自己相関関数の位相は、例えば以下の式(17)で表される。
このようにして、第2の実施形態に係る超音波診断装置は、ステップS141a及びステップS141bの処理を行うことにより、図4のステップS141の処理を行う。第2の実施形態に係る超音波診断装置は、続いて、ステップS142以降の処理を行う。
実施形態は、上述の例に限られない。例えば、第2の実施形態に係る超音波診断装置は、ステップS141aにおいて、時系列IQ信号のK個のIQ信号中、N個(2≦N≦K)のIQ信号から計算した、データ間の位相差の平均値、データ間の位相差の中央値、データ間の位相差のうちから選択された代表値のうち少なくとも一つに基づいて、第2のパラメータφを算出してもよい。また、第2の実施形態は、第1の実施形態で説明された様々な要素と適宜組み合わされても良い。例えば、第2の実施形態の処理は、第1の実施形態で説明された処理と組み合わされて、超音波エラストグラフィー画像を生成するのに用いられても良い。
以上のように、第2の実施形態に係る超音波診断装置では、観測パケットから位相情報(第2のパラメータφ)が算出されるため、ユーザが第2のパラメータφを与える手間が不要となる。また、例えば場所ごとに第2のパラメータφが異なるような場合でも、第2のパラメータφを自動的に算出することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、クラッタが複数成分ある場合について説明する。
クラッタが複数成分ある場合、例えば式(3)のf(t)の表式として、以下の式(18)のような関数系を採用することができる。
ここで、φは、クラッタのi番目の成分の位相変化を表すパラメータであり、λは、クラッタのi番目の成分の重みを表すパラメータである。例えば、クラッタが2成分であるときには、f(t)の表式は、以下の式(19)で表される。
ここで、φ、φは、クラッタのそれぞれ、第1の成分、第2の成分の位相変化を表すパラメータであり、λ、λは、クラッタのそれぞれ第1の成分、第2の成分の重みを表すパラメータである。すなわち、直交化を行う前の関数族Aは、第1のパラメータtと、第2のパラメータφと、第1のパラメータt及び第2のパラメータφとは異なる第3のパラメータφとを引数に持つ。ここで、第2のパラメータφは、クラッタの第1の成分の位相変化を表すパラメータである。また、第3のパラメータφは、クラッタの第2の成分の位相変化を表すパラメータである。
式(19)を、式(3)に代入すると、直交化を行う前の関数族Aの具体的な表式は、以下の式(20)で表される。
処理回路150は、この直交化を行う前の関数族Aに対して、第1の実施形態と同様の処理を行う。
第3の実施形態に係る超音波診断装置の行う処理を、図3及び図4のフローチャートを再度用いて説明する。第3の実施形態に係る超音波診断装置は、図3のステップS100〜ステップS130及びステップS150〜ステップS170については、第1の実施形態に係る超音波診断装置と同様の処理を行う。また、第3の実施形態に係る超音波診断装置は、図3のステップS140においても、図4のステップS141及びステップS142を除くステップS143〜ステップS147については、第1の実施形態に係る超音波診断装置と同様の処理を行う。従って、これらの処理については、詳細な説明は省略する。以下、Lを2以上の自然数として、クラッタがL成分である場合(式(18))の場合で説明する。
第3の実施形態に係る処理回路150は、パラメータ値取得機能152aにより、第1の実施形態におけるステップS141に相当する処理において、時間に関する第1のパラメータtとは異なるパラメータφ、φ2、φ、…、φのパラメータの値を取得する。加えて、処理回路150は、パラメータ値取得機能152aにより、パラメータλ、λ2、λ、…、λのパラメータの値を取得する。
これらのパラメータの取得方法としては、処理回路150は、ユーザから入力装置134を通じてこれらのパラメータを取得してもよい。別の例として、処理回路150は、第2の実施形態と同様の処理を繰り返して、これらのパラメータの取得を行う。
処理回路150は、取得したパラメータに基づいて、例えば式(18)に従って、直交化を行う前の関数族Aを生成する(ステップS142)。続いて、処理回路150は、所定の方法により直交化を行って、直交基底e(t)を生成する(ステップS143)。続いて、処理回路150は、IQ信号の時系列データを生成された直交基底e(t)で展開し、展開係数を算出する(ステップS144)。処理回路150は、ステップS145〜ステップS147の処理を行って、クラッタ成分を除去する。
第3の実施形態に係る超音波診断装置によれば、複数の成分を有するクラッタを効率的に除去することができる。
(プログラム)
上述した実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用の計算機システムが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述した実施形態の超音波診断装置や信号処理装置(画像処理装置)による効果と同様な効果を得ることも可能である。上述した実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータ又は組み込みシステムが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態の超音波診断装置や信号処理装置(画像処理装置)と同様な動作を実現することができる。もちろん、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合はネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
また、記憶媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が、上述した実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、記憶媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LAN(Local Area Network)やインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限られず、複数の媒体から、上述した実施形態における処理が実行される場合も、実施形態における記憶媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
なお、実施形態におけるコンピュータ又は組み込みシステムは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上述した実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコン、マイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
図13は、実施形態に係る処理回路150(信号処理装置)のハードウェア構成を示す図である。上述した実施形態に係る信号処理装置(画像処理装置)は、CPU(Central Processing Unit)310等の制御装置と、ROM(Read Only Memory)320やRAM(Random Access Memory)330等の記憶装置と、ネットワークに接続して通信を行う通信インタフェース340と、各部を接続するバス301とを備えている。
上述した実施形態に係る画像処理装置で実行されるプログラムは、ROM320等に予め組み込まれて提供される。また、上述した実施形態に係る信号処理装置(画像処理装置)で実行されるプログラムは、コンピュータを上述した信号処理装置(画像処理装置)の各部として機能させ得る。このコンピュータは、CPU310がコンピュータ読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
以上述べた少なくとも一つの実施形態の超音波診断装置によれば、クラッタを効率的に除去することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
150 処理回路
152 ドプラ処理機能
152a パラメータ値取得機能
152b 基底算出機能
152c 展開係数算出機能
152d クラッタ成分算出機能
152e 血流情報演算機能
154 画像生成機能

Claims (17)

  1. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する生成部と、
    前記時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する第1算出部とを備え、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に対して所定の直交化手法を用いることにより生成されることが可能な関数である、超音波診断装置。
  2. 前記第2のパラメータは、クラッタの位相変化に基づいて算出されたパラメータである、請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記複数の関数は、複素数の値を持つ関数である、請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記展開係数に基づいて、所定の次数以下の展開次数の成分を前記時系列データに含まれるクラッタ成分として特定する第2算出部を更に備える、請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. ユーザから前記第2のパラメータの値の入力を受け付ける入力部を更に備え、
    前記第1算出部は、前記入力部が入力した結果に基づいて、前記展開係数を算出する、請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 前記時系列データに基づいて、前記第2のパラメータの値を算出する第3算出部を更に備え、
    前記第1算出部は、前記第3算出部が算出した結果に基づいて、前記展開係数を生成する、請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 前記第3算出部は、前記時系列データから自己相関関数を計算し、計算した自己相関関数に基づいて、前記第2のパラメータの値を算出する、請求項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記第3算出部は、前記時系列データから、データ間の位相差の平均値、データ間の位相差の中央値、データ間の位相差のうちから選択された代表値のうち少なくとも一つに基づいて、前記第2のパラメータの値を算出する、請求項に記載の超音波診断装置。
  9. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する生成部と、
    前記時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する第1算出部と、
    前記展開係数が、展開次数の増大とともに減少から増加に転じる次数を特定し、特定した次数に基づいて、前記時系列データに含まれるクラッタ成分を特定する第2算出部と
    を備え、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に基づいて生成されることが可能な関数である、超音波診断装置。
  10. 前記時系列データから、前記クラッタ成分を減算した信号成分から画像を生成する画像生成部を更に備える、請求項に記載の超音波診断装置。
  11. 前記第2算出部が特定した前記クラッタ成分に基づいて、超音波エラストグラフィー画像を生成する画像生成部を更に備える、請求項に記載の超音波診断装置。
  12. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する生成部と、
    前記時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する第1算出部とを備え、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に基づいて生成されることが可能な関数であり、
    前記複数の関数は、前記第2のパラメータがないと仮定した場合の極限で、ルジャンドル多項式、ラゲール多項式、チェビチェフ多項式、エルミート多項式、ベッセル関数、球ベッセル関数、ルジャンドル陪多項式、球面調和関数、ゲーゲンバウワーの多項式、ヤコビの多項式のうち少なくとも一つに相当する項を含む、超音波診断装置。
  13. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する生成部と、
    前記時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する第1算出部とを備え、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に基づいて生成されることが可能な関数であり、
    前記関数族は、前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータとは異なる第3のパラメータを更に引数に持ち、
    前記第2のパラメータは、クラッタの第1の成分の位相変化を表すパラメータであり、
    前記第3のパラメータは、クラッタの第2の成分の位相変化を表すパラメータである、超音波診断装置。
  14. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて生成された、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する算出部とを備え、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に対して直交化手法を用いることにより生成されることが可能な関数である、信号処理装置。
  15. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する手順と、
    前記時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する手順とをコンピュータに実行させ、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に対して直交化手法を用いることにより生成されることが可能な関数である、信号処理プログラム。
  16. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて生成された、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する第1算出部と、
    前記展開係数が、展開次数の増大とともに減少から増加に転じる次数を特定し、特定した次数に基づいて、前記時系列データに含まれるクラッタ成分を特定する第2算出部とを備え、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に基づいて生成されることが可能な関数である、信号処理装置。
  17. 超音波プローブより送信された超音波の反射波に基づいて、時間に関する第1のパラメータを引数に持つ複素数値の時系列データを生成する手順と、
    前記時系列データを複数の関数の線形和として表現した場合の展開係数を算出する手順と、
    前記展開係数が、展開次数の増大とともに減少から増加に転じる次数を特定する手順と、
    特定した次数に基づいて、前記時系列データに含まれるクラッタ成分を特定する手順をコンピュータに実行させ、
    前記複数の関数は、前記第1のパラメータと、前記第1のパラメータとは異なる第2のパラメータとを引数に持つ関数族に基づいて生成されることが可能な関数である、信号処理プログラム。
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