JP6639820B2 - 油圧式制動装置を伴う電磁燃料噴射器 - Google Patents

油圧式制動装置を伴う電磁燃料噴射器 Download PDF

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Description

本発明は、電磁燃料噴射器に関する。
一般に、電磁燃料噴射器(例えば、ある特許文献中に記載のタイプのもの)は、燃料搬送機能を有し、電磁アクチュエータにより制御される噴射バルブによって調整される噴射ノズルで終結する円筒形管状本体を含む(例えば、特許文献1参照。)。噴射バルブにはプランジャが具備され、このプランジャは、プランジャを閉鎖位置に維持する傾向を有する閉鎖バネの付勢に対抗して噴射ノズルの閉鎖位置と開放位置の間で電磁アクチュエータ自体の作用によって変位させられる。電磁アクチュエータには通常、閉鎖位置に向かってプランジャを押す閉鎖バネ及び、バネにより生成される弾性力に対抗してプランジャを開放位置に向かって押す電磁石が具備されている。
電磁石は、管状本体を中心にして1つの定位置で外側に配置されているコイルと、プランジャに対し剛性的に連結され管状本体の内側に可動な形で組付けられた可動アーマチュアと、強磁性材料で製造されコイルにおいて管状本体内部に配置されかつ可動アーマチュアを磁気的に引きつけるように適応された固定磁極とを含む。磁極は、燃料が噴射ノズルに向かって流れることができるようにする機能を有する中央貫通孔を有している。閉鎖バネは、中央孔の内部に配置され、中央孔内に打ち込まれた有孔キャッチ本体と可動アーマチュアの間で圧縮されて、可動アーマチュアひいては可動アーマチュアと一体を成すプランジャを噴射ノズルの閉鎖位置に向かって押す。
オットーサイクル(すなわち花火点火機関)熱機関のメーカーは、燃料供給圧力を増大させて(60〜70Mpaを超過することさえある)、燃焼支持剤(すなわちシリンダ内に吸入される空気)と燃料の混合を改善しひいては黒煙の発生(これは燃焼不良を表わす)を削減しかつ電磁噴射器の動的性能を増大させ(すなわち指令に対する電磁噴射器の応答速度を増大させ)て、燃焼噴射を多数の別個の噴射に分画する目的で少量の燃料を噴射できるようになる(このようにして燃焼中の汚染物質の生成を削減することができる)ことを求めている。
噴射バルブが閉じられた場合、油圧由来のオートクレーブ力がシャッタを押圧し、シャッタを閉鎖位置に保つ(明らかに、燃料供給圧力が高くなればなるほどオートクレーブ力は高くなる)。したがって、噴射バルブの開放を可能にするためには、電磁アクチュエータは、プランジャ上に閉鎖バネが及ぼす弾性力に追加されたオートクレーブ力を克服する力を生成しなければならない。ただし、オートクレーブ力は、噴射バルブが開放した時点で直ちに突然消滅し、こうして、噴射バルブは、プランジャの極めて高速の運動に伴って、非常に急速にかつ激しく開放する。噴射バルブのこのような高速で激しい開放は、噴射器の噴射の法則(すなわち起動時間すなわち制御時間を噴射される燃料の量に結びつける法則)の初期部分(弾道ゾーンと呼ばれる)における非常に急で多くの場合不規則である勾配を決定する。
噴射の法則の初期部分(すなわち弾道ゾーン)が非常に急で多くの場合不規則である(すなわち再現性が極めて低い)勾配を有するという事実は、このような非常に急な勾配では、噴射時間すなわち制御時間のわずかな差異が噴射される燃料の量の実質的な差異を決定することを理由として、燃料噴射の適正な制御を非常に複雑なものにする。
噴射の法則の初期部分(すなわち弾道ゾーン)における燃料噴射器のより規則的な(すなわちより再現性のある)動作を得るために、電磁石の可動アーマチュアに結合され、プランジャが噴射バルブの開放位置に向かって移動させられた場合にプランジャの開放行程を減速させるために運動エネルギーを油圧的に散逸させる機能を有する油圧式制動装置を使用することがある特許文献で提案されている(例えば、特許文献2参照。)。油圧式制動装置は、一連のバルブ要素を含み、その各々が可動アーマチュアの対応する供給孔(これを通って燃料は噴射ノズルに向かって流れている)に結合され、プランジャの変位方向(すなわちプランジャが噴射バルブを閉鎖しているか又は開放しているか)の一関数として燃料の通過に対する異なる透過率を有している。詳細には、各バルブ要素は、弾性ブレードを含み、この弾性ブレードは部分的に可動アーマチュアの上面に固定され、供給孔に配置された小さなサイズの較正済み孔を有している。
噴射バルブが開放し、オートクレーブ力が突然消滅した時点で、上述の制動装置の作用は、それがプランジャの有する運動エネルギーの油圧的消散を決定することを理由として、開放運動(すなわち上向き運動)の減速を決定する。上述の油圧式制動装置により決定されるこのような減速作用は、噴射バルブがプランジャの極めて高速の上向き運動に伴って非常に急速にかつ激しく開放するのを防ぐことから、極めて有益である。実質的には、上述の油圧式制動装置が存在することによって、噴射バルブの開放は減速され、これは、噴射の法則の弾道ゾーン内における燃料噴射の制御性の改善(すなわち精度及び再現性の増大)という利点をもたらす。
しかしながら、上述の油圧式制動装置の減速作用は、バルブ要素を形成する弾性ブレードが、噴射の法則の初期部分(すなわち弾道ゾーン)が終了した後に初めて振動運動が消耗される状態で可動アーマチュアの運動中に移動するという事実に実質的に起因して、噴射の法則の初期部分(すなわち弾道ゾーン)内で不規則な動作を有する可能性がある、ということが指摘されてきた。この問題を解決するために、バルブ要素の弾性フォイルを補剛することが提案されてきた。しかしながら、このような解決法は、バルブ要素の弾性フォイルの振動を制限できるものの、バルブ要素の弾性ブレードの開放速度を著しく減速し、こうして油圧式制動装置の全体的効率を低下させるという不利点を有する。
欧州特許出願第1619384号 欧州特許第14164844.4号
本発明の目的は、上述の欠点の無い、すなわち噴射の法則の初期部分(すなわち弾道ゾーン)を改善できるようにすると同時に製造が容易で費用効果性の高い電磁燃料噴射器を製造することにある。
本発明によると、電磁燃料噴射器が、添付のクレームにおいて開示されている通りに製造される。
ここで本発明について、その非限定的な実施形態を示す添付図面を参照しながら説明する。
本発明にしたがって製造される燃料噴射器の縦断面である。 図1中の噴射器の噴射バルブを拡大して示す。 図1中の噴射器の電磁アクチュエータの一部を拡大して示す。 図1中の電磁アクチュエータの上部電磁石の可動アーマチュアの一部を拡大して示す。 図4中の可動アーマチュアの下部面に結合された油圧式制動装置における図1の噴射器の横断面を示す。 図5中の油圧式制動装置を形成する対応する要素の平面図である。 図5中の油圧式制動装置を形成する対応する要素の平面図である。 図5中の油圧式制動装置を形成する対応する要素の平面図である。 それぞれ噴射バルブの開放中及び噴射バルブの閉鎖中の図5中の油圧式制動装置の詳細の2つの拡大図の中の一つである。 それぞれ噴射バルブの開放中及び噴射バルブの閉鎖中の図5中の油圧式制動装置の詳細の2つの拡大図の中の一つである。
図1において参照番号1は、全体として燃料噴射器を表わしており、この燃料噴射器は長手方向軸2を中心にした本質的に円筒形の対称性を有し、シリンダの燃焼室(図示せず)内に直接入る噴射ノズル3から燃料を噴射するために制御されるように適応されている。噴射器1は、長手方向軸2に沿って可変的断面の円筒形の管状形状を有する支持体4と、噴射ノズル3に向かって加圧燃料を供給するための支持体4自体の長さ全体に沿って延在する供給チャネル5とを含んでいる。
支持体4は、その上部部分において電磁アクチュエータ6を、そしてその下部部分において噴射バルブ7(図2にさらに詳細に図示されている)を収納している。使用中、噴射バルブ7は電磁アクチュエータ6によって起動させられて、噴射ノズル3を通る燃料流量を調整し、これは噴射バルブ7自体において得られる。
図3に示されている通り、電磁アクチュエータ6は、同時に作動するように共に起動される一対のツイン電磁石8(それぞれ上部及び下部)を含む。励磁された時点で、電磁石8は、可動アーマチュア9を噴射バルブ7の閉鎖位置に保つ傾向を有する単一の共通閉鎖バネ10の付勢に対抗して噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで軸2に沿って強磁性材料製のそれぞれの可動アーマチュア9を変位させるように適応されている。各電磁石8は、制御ユニット(図示せず)によって給電され支持体4との関係において外側に収納されているコイル11と、支持体4内に収納され燃料が噴射ノズル3に向かって流れることができるようにするための中央孔13を有する可動アーマチュア12(又は磁極12)とを含む。噴射ノズル3に向かう燃料の流れを可能にするため(母線に沿って開放していることがある)管状円筒形形状を有しかつ上部電磁石8の可動アーマチュア9に対して圧縮された状態に共通バネ10を保つように適応されているキャッチ本体14(図1に図示)が、電磁石8の可動アーマチュア12の中央孔13内に打ち込まれている。
各コイル11は、環状キャビティ15の内部に直接巻回させられ、このキャビティは支持体4の外部表面内の材料除去によって得られる。各コイル11は、自己融着性塗料が具備されたエナメル導線で構成され、分散磁束を最小限に抑える範囲に納められた軸方向寸法(すなわち長手方向軸2に沿って測定された寸法)を有する。コイル11において、保護本体16が支持体4の周りに結合されており、この保護本体は管状形状を有し、コイル11に対する好適な機械的保護を保証し、コイル11が生成する磁束線を封じ込めるようにし、かつキャビティ15の存在によって不可避的に導入される構造的に脆弱な箇所において支持体4の機械的強度を増大させるために使用される。
可動アーマチュア9は、可動機器の一部であり、この可動機器にはさらに、各可動アーマチュア9と一体を成す上部部分及び噴射バルブ7の弁座18(図2に図示)と連動して噴射ノズル3を通る燃料流量を公知の方法で調整するための下部部分を有するシャッタ又はプランジャ17が含まれている。
使用中、電磁石8が無励磁にされた時点で、各可動アーマチュア9はその磁気アーマチュア12により引き付けられず、バネ10の弾性力は可動アーマチュア9をプランジャ17と共に下向きに押す。この状況下で噴射バルブ7は閉鎖される。電磁石8が励磁されると、各可動アーマチュア9は、その磁気アーマチュア12によりバネ10の弾性力に対抗して磁気的に引き付けられ、可動アーマチュア9はプランジャ17と共に上向きに移動して噴射バルブ7の開放を決定する。
プランジャ17の上向きの行程を正確に決定するために、上方電磁石8の可動アーマチュア9の有効行程は、下部電磁石8の可動アーマチュア9の有効行程よりも短かい。このようにして、電磁石8が励磁された時点で、上部電磁石8の可動アーマチュア9のみが、不可避的な構造的許容誤差の如何に関わらず、常にその磁気アーマチュア12と接触しそれと当接する。上部電磁石8の可動アーマチュア9の有効行程を制限するために、アーマチュア12の下部表面又は可動アーマチュア9の上部表面のいずれかに、硬質の非強磁性金属材料層、好ましくはクロム層のコーティングを施す。このようにして、クロム層の厚みは、上部電磁石8の可動アーマチュア9の有効行程の削減を決定する。クロム層のさらなる機能は、ゾーンの耐衝撃性を増大させることそしてなかでも可動アーマチュア9の強磁性材料とアーマチュア12の強磁性材料の間の直接的接触によりひき起こされる磁気的付着現象を回避することにある。換言すると、クロム層はギャップを画定し、これが、可動アーマチュア9とアーマチュア12の間で残留磁気によりひき起こされる磁気引力が過度に高い値、すなわちバネ10の弾性力を超える値に達するのを防止している。
さらに、上部電磁石8のプランジャ9のみが、供給チャネル5の内径と実質的に等しい(明らかに端数を切捨てて)較正済み外径を有するように精密機械加工に付される。反対に、下部電磁石8の可動アーマチュア9は、つねに供給チャネル5の内径より小さい未較正外径を有する。このようにして、上部電磁石8の可動アーマチュア9のみが、長手方向軸2に沿ったプランジャ17の軸方向摺動を制御するためにプランジャ17の上部案内機能を果たす。このような構成的選択により、上部電磁石8の可動アーマチュア9しか精密でひいてはコストの高い機械加工作業に付す必要が無いことを理由として、製造コストの削減が可能になる。
図2に示されている通り、弁座18は、封止要素19内に画定され、この封止要素は、モノリシックであり、支持体4の供給チャネル5の底面を封止し、噴射ノズル3が交差している。詳細には、封止要素19にはディスク状の閉塞要素20が含まれ、これが支持体4の供給チャネル5の底面を封止し、噴射ノズル3がこれに交差している。案内要素21は、キャッピング要素20から立上り、この案内要素は管状形状を有し、プランジャ17を内部に収納して、プランジャ17自体の下部ガイドを画定し、支持体4の供給チャネル5の内径よりも小さい外径を有しており、こうして加圧燃料が中を流動できる外側環状チャネル22を画定する。
弁座18自体に向かう加圧燃料の流れを可能にするため弁座18につながっている4個の貫通供給孔23(そのうち2つだけが図2に示されている)は、案内要素21の下部部分に設けられる。供給孔23は、長手方向軸2自体に向かって収束せず使用中に対応する燃料流に渦流を起こさせるために、長手方向軸2との関係においてオフセットされていてもよいし、あるいは、供給孔23は長手方向軸2に向かって収束していてもよい。図4に示されているように、供給孔23は、長手方向軸2と80°の角度(より一般的には70°〜90°)を成して傾斜した状態で配置されている。異なる実施形態(図示せず)によると、供給孔23は、長手方向軸2と90°の角度を形成している。
プランジャ17は、弁座18に対して流体密状態にとどまるように適応されている実質的に球形のシャッターヘッド24で終結する。代替的には、シャッターヘッド24は、実質的に円筒形状を有していてよく、当接ゾーンのみが球形であってよい。その上、シャッターヘッド24は、案内要素21の内側表面上に摺動する形でとどまり、長手方向軸2に沿ったその運動の案内を受ける。噴射ノズル3は、弁座18の下流側に配置された噴射チャンバ26から出発して得られる複数の貫通噴射孔25によって画定される。
図3に示されているように、各可動アーマチュア9は、円筒形状をしており、プランジャ17の一部分を収容するように適応された1つの中央貫通孔27と、噴射ノズル3に向かう燃料流を可能にするように適応された複数の周辺貫通供給孔30(そのうちの2つだけが図3に示されている)とを有する。プランジャ17は、中央孔29を取り囲む環状溶接を介して各可動アーマチュア9に対して一体化されている。
上述の通り、上部電磁石8の可動アーマチュア9の外径は、支持体4の供給チャネル5の対応する部分の内径と実質的に同一である。このようにして、このような可動アーマチュア9は、長手方向軸2に沿って支持体4との関係において摺動し得るが、支持体4との関係において長手方向軸2に対して横断方向のいかなる運動も実施することができない。プランジャ17は上部電磁石8の可動アーマチュア9に剛結されていることから、このような可動アーマチュア9が同様にプランジャ17の上部ガイドの機能も果たしていることは明らかである。その結果、プランジャ17は上面側において上部電磁石8の可動アーマチュア9によって及び底面側において案内要素21によって案内される。
油圧式制動装置31が上部可動アーマチュア9の上部面(すなわち上部電磁石8の可動アーマチュア9)に連結されて、プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する場合及びプランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで移動する場合の両方において、プランジャ9の運動を制動(減速)する。プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する場合、油圧式制動装置31はプランジャ17の運動を制動(減速)して、弁座18に対するプランジャ17の弾性反発を制限する(すなわちこのステップ中、油圧式制動装置31は跳ね返り防止機能を果たす)。プランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放まで移動する場合、油圧式制動装置31は、プランジャ17の運動を制動(減速)して噴射バルブ7の開放速度を制限する。
油圧式制動装置31は、複数のバルブ要素32を含み、その各々は上部可動アーマチュア9のそれぞれの供給孔30に結合され、プランジャ17の運動(すなわちプランジャ17が噴射バルブ7を閉鎖しているか開放しているか)の一関数として燃料の通過に対して異なる透過率を有している。詳細には、各バルブ要素32は、弾性ブレード33を含み、このブレードはそれぞれの供給孔30の片側でのみ可動アーマチュア9の下部表面34に対して部分的に固定され、供給孔30自体と整列した小型較正済み孔35サイズを有する。さらに、各バルブ要素32は、ストッパ要素36を有し、このストッパ要素は剛性であり(すなわち実質的に無視できる程度の弾性を有し)、対応する弾性ブレード33に結合され、弾性ブレード33から所与の距離のところに配置されて、弾性ブレード33自体の開放運動を固定された既定の位置で停止させるようになっている。換言すると、各ストッパ要素36は対応する供給孔30から(すなわち可動アーマチュア9の下部表面34から)の弾性ブレード33の運動を制限(中断)して弾性ブレード33自体の最大開放位置を確立するリミットストッパを形成している。
その結果、ストッパ要素36は、各バルブ要素32の弾性ブレード33の最大開放行程を決定し、こうして各バルブ要素32内の燃料通過断面を決定する。
各弾性ブレード33と対応するストッパ要素36の間にはスペーサ37が配置され、このスペーサは較正された厚みを有し、或る意味で、弾性ブレード33と対応するストッパ要素36の間に存在する軸方向距離(すなわち長手方向軸2に沿って測定された距離)を確立する。
図6により詳細に示されている通り、上部可動アーマチュア9の下部表面34に溶接によって(好ましくはレーザースポット溶接を用いて)固定されバルブ要素32の弾性ブレード33を支持する環状クラウン38が具備されている。詳細には、弾性ブレード33は、環状クラウン38から内向きに(すなわち対応する供給孔30に向かって)延在しており、各弾性ブレードは、それぞれの供給孔30に配置された環状シャッタと、円形シャッタを環状クラウン38に連結し燃料の付勢下で変形するように適応されている薄い(すなわちその幅より著しく大きい長さを有する)ステムとを有する。換言すると、各弾性ブレード33について、使用中燃料の付勢下で発生する変形は、実質的に対応するステムの弾性的変形によってひき起こされる(一方、対応する円形シャッタはより小さい弾性変形を有する)。
図7に示されている通り、スペーサ37は、バルブ要素32の弾性ブレード33を支持する環状クラウン38上に重ね合わせられる環状クラウンとして整形されている。
図8により詳細に示されている通り、スペーサ37が間置された状態でバルブ要素32の弾性ブレード33を支持する環状クラウン38に固定され、かつ環状クラウン39自体から内部に向かって張出した形で突出するストッパ要素36を支持する環状クラウン39が具備されている。
図4及び5に示されている通り、バルブ要素32の弾性ブレード33を支持する環状クラウン38、スペーサ37及びストッパ要素36を支持する環状クラウン39は、互いにサンドイッチ状にされ(すなわち重ね合わされパッケージ化され)、好ましくは、溶接によって(通常はレーザースポット溶接を用いて)接合されて単一体を形成する。
図5〜8に示された好ましい実施形態によると、バルブ要素32の弾性ブレード33を支持する環状クラウン38、スペーサ37及びストッパ要素36を支持する環状クラウン39は各々、支持体4内での燃料噴射器の適正な位置づけを保証する一対の互いに相対する心出し用陥凹40を有している。
油圧式制動装置31の動作について、以下で、図9及び10を特に参照しながら説明する。
図9に示されている通り、油圧式制動装置31はプランジャ17の開放運動すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで移動する運動を減速させる。換言すると、プランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで移動する場合、油圧式制動装置31はプランジャが有する運動エネルギーの油圧的散逸を決定する(すなわちプランジャ17に作用する油圧由来の制動力を生成する)。詳細には、燃料が下向きに、すなわち噴射ノズル3に向かって流れる場合、各バルブ要素32の弾性ブレード33は、燃料の付勢下で変形して、上部可動アーマチュア9の下部表面34から離脱した状態となり、(図9に示されている通り)ストッパ要素36上にとどまり、較正されたサイズの環状燃料通過ギャップを作り出し、このギャップは局所的に燃料流に対する「ボトルネック」をひき起こし、油圧負荷の有意な損失の開始を決定する(このような油圧負荷の損失は、プランジャ17が有する運動エネルギーの一部を散逸させ、こうしてプランジャ17自体の運動を油圧的に減速させる。
噴射バルブ7が閉鎖されると、油圧由来のオートクレーブ力がシャッターヘッド24を押圧し、シャッターヘッド24を閉鎖位置に保つ。したがって、噴射バルブ7を開放できるためには、電磁アクチュエータ6は、プランジャ17に対して閉鎖バネ10が及ぼす弾性力に追加されたオートクレーブ力を克服するための力を生成する必要がある。しかしながら、オートクレーブ力は、噴射バルブ7が開放すると直ちに突然消滅し、こうして、噴射バルブ7は、プランジャ17の極めて高速の上向き運動と共に、非常に急速にかつ激しく開放する傾向を有すると考えられる。噴射バルブ7が開放し、オートクレーブ力が突然消滅した時点で、上述の油圧式制動装置31の作用は、それがプランジャ17が有する運動エネルギーの一部の油圧的散逸を決定することから、プランジャ17の開放運動(すなわち上向き運動)を減速させる。油圧式制動装置31により決定されるこのような減速作用は、プランジャ17の極めて高速の上向き運動と共に噴射バルブ7が非常に急速かつ激しく開放するのを防ぐことから、極めて有益である。実質的には、油圧式制動装置31の存在によって、噴射バルブ7の開放は減速され、こうして、噴射の法則(すなわち起動時間すなわち制御時間を噴射される燃料の量と結びつける法則)の弾道ゾーン内での燃料噴射の制御性の増大(すなわち、精度及び再現性の改善)という利益がもたらされる。換言すると、油圧式制動装置31の作用により、噴射の法則の初期部分(すなわち弾道ゾーン)を安定化させることができる。
図10に示されている通り、油圧式制動装置31は、プランジャ17の閉鎖運動、すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する運動を減速させる。換言すると、プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する場合、油圧式制動装置31は、プランジャ17が有する運動エネルギーの油圧的散逸を決定する(すなわちプランジャ17上に作用する油圧由来の制動力を生成する)。詳細には、燃料が上向きに、すなわち噴射ノズル3とは反対方向に流れる場合、各バルブ要素32の弾性ブレード33は、上部可動アーマチュア9の下部表面34に対して燃料の付勢下で圧迫され、その較正済み孔35を燃料のための唯一の開口部として残す。各較正済み孔35を通した燃料の強制的通過は、油圧的負荷の有意な損失の開始を決定する燃料流に対する「ボトルネック」を局所的にひき起こす(油圧的負荷のこのような損失は、プランジャ17が有する運動エネルギーの一部を散逸させ、こうしてプランジャ17自体の運動を油圧的に減速させる)。
簡単に言うと、同じ油圧式制動装置31は、プランジャ17の開放運動、すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで移動する運動、ならびにプランジャの閉鎖運動、すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する運動を減速させる。プランジャ17の開放運動中、すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで移動する時、各バルブ要素32の弾性ブレード33は上部可動アーマチュア9の下部表面34を離れ、対応するストッパ要素36上にとどまる(図9に示されている通り)。この条件下で、燃料は、各々一方の側では上部可動アーマチュア9の下部表面34によってそして反対側では対応するバルブ要素32の弾性ブレード33によって画定されている環状ギャップ内を通って噴射ノズル3に向かって流れる。プランジャ17の閉鎖運動中、すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する時、各バルブ要素32の弾性ブレード33は、上部可動アーマチュアの下部表面34上にとどまる。この条件下で、燃料は、各バルブ要素32の弾性ブレード33の較正済み孔35内を通って噴射ノズル3とは反対の方向に流れる。
換言すると、油圧式制動装置31は上部電磁石8の可動アーマチュア9が有する運動エネルギーの非対称減衰システムであり、プランジャ17の開放運動以上にプランジャ17の閉鎖運動を制動する。実際、これは一方の側では上部可動アーマチュア9の下部表面34によってそして反対側では各バルブ要素32の弾性ブレード33によって画定される環状ギャップの通路面積は、対応する較正済み孔35の通路面積よりも著しく大きい。
上述の通り、油圧式制動装置31は、プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置に向かって移動する場合及びプランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置に向かって移動する場合の両方において、運動エネルギーを油圧的に散逸させ(すなわち制動力を生成し)て、プランジャ17の行程を減速させる。詳細には、油圧式制動装置31は非対称挙動を有し、プランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置に向かって移動する場合には、プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置に向かって移動する場合に比べて大きい量の運動エネルギーを油圧的に散逸させる。すなわち、油圧式制動装置31は非対称挙動を有し、プランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置に向かって移動する場合には、プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置に向かって移動する場合に比べて大きい制動力を油圧的に生成する。好ましい(ただし拘束力のない)一実施形態によると、油圧式制動装置31は、プランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置に向かって移動する場合、プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置に向かって移動する場合に油圧的に散逸させられる運動エネルギーの量の1.25〜5倍(好ましくは1.25〜2.5倍)の量の運動エネルギーを油圧的に散逸させる。すなわち、油圧式制動装置31は、プランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖された位置に向かって移動する場合、プランジャ17が噴射バルブ7の開放位置に向かって移動する場合に油圧的に生成される制動力の1.5〜10倍(好ましくは1.5〜5倍)の制動力を油圧的に生成する。
添付図面中に示された実施形態において、同じ油圧式制動装置31は、プランジャ17の開放運動すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで移動する運動を減速させる機能と、プランジャ17の閉鎖運動すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する運動を減速させる機能(跳ね返り防止機能)の両方を有する。図示されておらず欧州特許第14164844.4号に記載されている通りに実施された1つの異なる実施形態によると、油圧式制動装置31は、プランジャ17の開放運動すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の閉鎖位置から開放位置まで移動する運動を減速させる機能のみを有し、上部電磁石8の可動アーマチュア9の上部表面に(すなわち油圧式制動装置31とは反対側に)配置されかつプランジャ17の閉鎖運動すなわちプランジャ17が噴射バルブ7の開放位置から閉鎖位置まで移動する運動を減速させる機能(跳ね返り防止機能)を有するさらなる油圧式制動装置が具備されている。この実施形態において、油圧タイプの2つの制動装置の機械的慣性は区別されており、こうしてプランジャ17の開放運動中に動作している場合には油圧式制動装置31をより迅速に介入させ、プランジャ17の閉鎖運動(すなわち跳ね返り防止として動作する運動)中にはもう一方の油圧式制動装置をより緩慢に介入させる。
添付図面に示された実施形態において、上部電磁石8のプランジャ9は、プランジャ17の唯一の上部ガイドであり、油圧式制動装置31を支持している。油圧式制動装置31は好ましくは、上部電磁石8の可動アーマチュア9に結合されるが、これはこのような可動アーマチュア9が供給チャネル5の内側表面に対して優れた側方油圧封止を提供し(すなわち燃料の側方漏洩が減少)、こうして油圧式制動装置31自体のより優れた動作を得ることができるようにするからである。完全に等価である1つの代替実施形態(図示せず)によると、下部電磁石8の可動アーマチュア9はプランジャ17の唯一の上部ガイドを形成し、こうしてこの場合、油圧式制動装置31は好ましくは下部電磁石8の可動アーマチュア9に結合されると考えられる。さらなる完全に等価の実施形態(図示せず)によると、両方の可動アーマチュア9がプランジャ17の2つの上部ガイドを形成でき、こうしてこの場合、油圧式制動装置31は、下部電磁石8のプランジャ9又は上部電磁石8の可動アーマチュア9のいずれかに無差別に結合可能であると思われる。
プランジャ17は円筒形の対称ステムを有し、このステムに対して、環状溶接を用いて実質的に球形のシャッターヘッド24が連結される。同じく、ステムは環状溶接を用いて、各々の可動アーマチュア9に連結される。
上述の燃料噴射器1には多くの利点がある。
第1に、上述の燃料噴射器1は、短かい駆動時間について(すなわち弾道ゾーン内)ひいては少量の噴射燃料についても同様に、線形で均一な(すなわち不規則性のない)噴射の法則(すなわち、駆動時間を噴射される燃料の量に結びつける法則)を有する。このようにして、上述の噴射器1は、正確で再現性ある形で少量の燃料を噴射することができる。
このような結果は同様に、ストッパ要素36の存在の効果によって、油圧式制動装置31の弾性ブレード33の開放運動(すなわち上部可動アーマチュア9の下部表面34からの離脱)が事実上振動無く起こる。すなわち各弾性ブレード33が上部可動アーマチュア9の下部表面34を離れ、感知できるほどの振動無く対応するストッパ要素に対しほぼ同時に当接するという事実によっても得られる。油圧式制動装置31の弾性ブレード33の開放運動に振動が不在であることから、油圧式制動装置31の動的挙動におけるランダム性の導入が回避され、こうして、油圧式制動装置31の動的性能(ひいては燃料噴射器1の動的挙動)ははるかに安定性のある、精確に予測及び再現可能なものとなり、こうして、特に短かい制御時間にいて(すなわち弾道ゾーン内で)噴射の法則の線形性及び均一性という利点がもたらされる。
スペーサ37の厚みを変動させること(すなわち1つのスペーサ37を異なる厚みの別のスペーサ37で置換すること)によって、油圧式制動装置31の弾性ブレード33の行程を正確に調整して、結果としてプランジャ17の開放運動中の油圧式制動装置31の制動作用の強度を調整することが可能である。その代りとして、油圧式制動装置31の弾性ブレード33の較正済み孔35の直径を調整することによって、プランジャ17の閉鎖運動(跳ね返り防止機能)中、結果として、油圧式制動装置35の制動作用の強度を調整することが可能である。
上述の燃料噴射器1は、同様に、油圧式制動装置31の弾性ブレード33が対応するストッパ要素36の存在の効果により機械的振動(すなわち震動)を実質的に受けないことを理由として、油圧式制動装置31が燃料の圧力振動に対しさほど感応しないという事実によって、極めて安定性あるものでもある。
油圧式制動装置31の対応するブレード33の振動を遮断するストッパ要素36の存在によって、弾性ブレード33は同様に極めて軽量で(すなわち低い機械的慣性を有する)、したがって油圧式制動装置31の非常に迅速な介入を可能にするかもしれない。
上述の燃料噴射器1において、油圧式制動装置31は、開放運動中及び閉鎖運動中の両方でプランジャ17の運動を減速させることによって機能し、プランジャ17の跳ね返りを除去を、開放運動中において(すなわち対応する磁気アーマチュア12に対する上部可動アーマチュア9の衝撃に由来する跳ね返りの除去)及び、閉鎖運動において(すなわち弁座18に対するシャッターヘッド24の衝撃に由来する跳ね返りの除去)を行うことができるようにする。開放運動と閉鎖運動の両方の間プランジャ17の感知できるほどの跳ね返りが完全に不在であることによって、噴射の法則の均一性(すなわち再現性)は、短かい制御時間の場合(すなわち弾道ゾーン中)でも実質的に改善される。さらに、上述の燃料噴射器1がその動作中に生成する雑音は、開放運動及び閉鎖運動においてプランジャ17の感知できるほどの跳ね返りが完全に欠如していることによって、著しく減少させられる。
小規模な噴射の極めて良好な制御性を保証することに加えて、上述の燃料噴射器1は同様に、開放ステップ中(すなわち対応する磁気アーマチュア12に対する上部可動アーマチュア9の衝撃に由来する衝突力)及び閉鎖ステップ中(すなわち弁座18に対するシャッターヘッド24の衝撃に由来する衝突力)の両方のプランジャ17の衝突力を有意な形で削減することもできる。プランジャ17の衝突力削減により、機械的摩耗を削減し、ひいては上述の燃料噴射器1の耐用寿命を延長させることが可能である。
噴射バルブ7が開放している場合、燃料は上部可動アーマチュア9(すなわち上部電磁石8の可動アーマチュア9)の供給孔30を通して噴射ノズル3に向かって流れ、こうして対応するバルブ要素32内を通過し、このバルブ要素中で弾性ブレード33は上部可動アーマチュア9の下部表面から離脱し、燃料が中を通過すべき対応する環状ギャップを画定する(図9に示されている通りの)ストッパ要素36の上にとどまっている。
以上で言及した通り、開放したバルブ要素32(すなわち弾性ブレード33が上部可動アーマチュア9の下部表面34から離脱してストッパ要素36上にとどまっている状態にあるバルブ要素)内の燃料の通過は、プランジャ17が有する運動エネルギーの一部の油圧的散逸をひき起こし、その結果として、プランジャ自体の開放運動を積極的に減速させる制動力を生成する。
さらに、開放したバルブ要素32(すなわち弾性ブレード33が上部可動アーマチュア9の下部表面34を離脱してストッパ要素36上にとどまっている状態にあるバルブ要素)内の燃料の通過は、バルブ要素32の前後における小さいものの無視できるものではない負荷の損失をひき起こす(すなわち、上部可動アーマチュア9の上の燃料圧力は、上部可動アーマチュア9の下の燃料圧力よりも高い)。上部可動アーマチュア9の前後における(小さいものの無視できない)このような圧力差は、上部可動アーマチュア9の表面全体に作用し、上部可動アーマチュア9を噴射ノズル3に向かって押す。すなわちプランジャ17を噴射バルブ7の閉鎖位置に向かって押す油圧由来のオートクレーブ力(上部可動アーマチュア9の前後における圧力差に上部可動アーマチュア9の面積を乗じたものに等しい強さを有する)を生成する。噴射バルブ7が開放している時に存在しプランジャ17を押す油圧由来のこのオートクレーブ力は、それが閉鎖バネ10により生成される弾性力に付加され、電磁アクチュエータ6がオフ切換えされた時点で噴射バルブ7の閉鎖を加速することに寄与する(すなわちこの油圧由来のオートクレーブ力は、電磁アクチュエータ6がオフ切換えされた時点で噴射バルブ7の閉鎖時間を実質的に短縮する)ことを理由として、プラスの効果を有する。噴射バルブ7が開放している時に存在する油圧由来のこのオートクレーブ力によって、閉鎖バネ10をより小型化することができ(すなわち低い弾性荷重を有する閉鎖バネ10が使用可能である)、その結果として、電磁アクチュエータ6により生成される電磁力を削減することができる(すなわち、より小さい電磁アクチュエータ6、ひいてはより軽量で、より経済的かつ機械的又は磁気的慣性がより小さい電磁アクチュエータを使用することができる)。
噴射バルブ7が開放している時に存在する油圧由来のオートクレーブ力は、上部可動アーマチュア9が(以上でより詳細に記されている通り)支持体4との関係において非常に低い側方隙間を有し、こうして上部可動アーマチュア9自体の前後における無視できない圧力差を確立できるようにすることを理由として生成される、という点も注目に値する。
上述の燃料噴射器1は、単一の構成要素(油圧式制動装置31)がプランジャ17の開放運動中及びプランジャ17の閉鎖運動中の両方で油圧式制動装置の機能を果たすことを理由として、単純でかつ製造の費用効果性の高いものである。換言すると、上述の噴射器1において、油圧式制動装置31は、類似の公知の燃料噴射器においては2つの異なる別個の装置により実施される複数の機能を果たしており、こうしてアセンブリの全体的費用効果性及び単純性という利点がもたらされる。
上述の噴射器1においては、可動アーマチュア9の構造が油圧式制動装置31の特別な形態のおかげで類似の燃料噴射器に比べてより単純かつ費用効果性の高いものとなっているという点も、注目に値する。
最後に、上述の燃料噴射器1の性能は、燃料供給圧力が高い(60〜70Mpaより高い)場合でさえ極めて動的である(すなわち、噴射バルブ7は非常に迅速に開閉可能である)。このような結果は、比較的小さいサイズの2つのツイン電磁石8が使用され、こうして機械的及び磁気的慣性が低いという事実によって、実質的に得られている。
上述の燃料噴射器1は、オットーサイクルにしたがって動作する(すなわち混合気の火花制御式点火を伴う)内燃機関内又は、ディーゼルサイクルにしたがって動作する(すなわち混合気の圧縮噴射を伴う)燃料噴射器内にあらゆるタイプの燃料を噴射するために使用されてよいという点も注目に値する。

Claims (14)

  1. 噴射ノズル(3)と、
    噴射ノズル(3)を通る燃料の流量を調整するために可動プランジャ(17)が具備されている噴射バルブ(7)と、
    噴射バルブ(7)の閉鎖位置と開放位置の間でプランジャ(17)を移動させることを目的として、コイル(11)、固定磁気アーマチュア(12)及び可動アーマチュア(9)を含む少なくとも1つの電磁石(8)が具備されている電磁アクチュエータ(6)であって、可動アーマチュア(9)が、プランジャ(17)に対し機械的に連結されかつ噴射ノズル(3)に向かって燃料を通過させるための少なくとも1つの供給貫通孔を有している電磁アクチュエータ(6)と、
    供給孔(30)に結合され、かつ、前記プランジャ(17)が前記噴射バルブ(7)の前記開放位置に向かって移動する場合及び前記プランジャ(17)が前記噴射バルブ(7)の前記閉鎖位置に向かって移動する場合の両方の場合において、前記プランジャ(17)の行程を減速させるための制動力を油圧的に生成する機能を有する油圧式制動装置(31)と、
    プランジャ(17)を閉鎖位置に保持する傾向を有する閉鎖用バネ(10)と、
    管状形状を有し、中央チャネル(5)が具備され、固定磁気アーマチュア(12)と可動アーマチュア(9)とを収納する支持体(4)と、を含む、燃料噴射器(1)であって、
    前記油圧式制動装置(31)は、前記可動アーマチュア(9)の供給孔(30)に結合され、部分的に可動アーマチュア(9)の表面(34)に固定されている弾性ブレード(33)を含んでいるバルブ要素(32)と、弾性ブレード(33)に結合され、弾性ブレード(33)から所与の距離のところに配置されて、弾性ブレード(33)自体の開放運動を固定された既定の位置で停止させるようになっているストッパ要素(36)とを含む、燃料噴射器(1)において、
    前記油圧式制動装置(31)が、弾性ブレード(33)とストッパ要素(36)の間に間置され弾性ブレード(33)とストッパ要素(36)の間に存在する軸方向距離を確立するスペーサー(37)を含んでいる、ことを特徴とする燃料噴射器(1)。
  2. 前記油圧式制動装置(3)は、非対称挙動を有し、プランジャ(17)が噴射バルブ(7)の閉鎖位置に向かって移動する場合、プランジャ(17)が噴射バルブ(7)の開放位置に向かって移動する場合に比べて大きい制動力を油圧的に生成する、請求項1に記載の噴射器(1)。
  3. プランジャ(17)が噴射バルブ(7)の閉鎖位置に向かって移動する場合、プランジャ(17)が噴射バルブ(7)の開放位置に向かって移動する場合に油圧的に生成される制動力の1.5〜10倍の制動力を油圧式制動装置(31)が油圧的に生成する、請求項2に記載の噴射器(1)。
  4. プランジャ(17)が噴射バルブ(7)の閉鎖位置に向かって移動する場合、プランジャ(17)が噴射バルブ(7)の開放位置に向かって移動する場合に油圧的に生成される制動力の1.5〜5倍の制動力を油圧式制動装置(31)が油圧的に生成する、請求項2に記載の噴射器(1)。
  5. ストッパ要素(36)が、弾性ブレード(33)よりも高い剛性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
  6. ストッパ要素(36)が、供給孔(30)を離れる弾性ブレード(33)の運動を制限して弾性ブレード(33)の最大開放位置を確立するリミットストッパである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
  7. スペーサー(37)が環状形状を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
  8. スペーサー(37)が、較正済みの厚みを有する、請求項に記載の噴射器(1)
  9. 油圧式制動装置(31)が第1の環状クラウン(38)を含み、このクラウンが、可動アーマチュア(9)の表面(34)に固定され、バルブ要素(32)の弾性ブレード(33)を支持している、請求項のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
  10. 弾性ブレード(33)が、供給孔(30)に配置されている円形シャッターと、この円形シャッターを第1の環状クラウン(38)に連結し燃料の付勢下で弾性変形するように適応されているステムとを有する、請求項に記載の噴射器(1)。
  11. 油圧式制動装置(31)が、ストッパ要素(36)を支持する第2の環状クラウン(39)を含み、このストッパ要素は第2の環状クラウン(39)から内向きに突出している、請求項〜1のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
  12. バルブ要素(32)の弾性ブレード(33)が、供給孔(30)に配置された較正済み貫通孔(35)を有している、請求項〜1のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
  13. バルブ要素(32)の弾性ブレード(33)が、噴射ノズル(3)に対面する可動アーマチュア(9)の下部表面(34)に対し部分的に固定されている、請求項〜1のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
  14. 油圧式制動装置(31)が、プランジャ(17)の運動方向の一関数として燃料の通過に対する異なる透過率を有する非対称な挙動を示す、請求項1〜1のいずれか一項に記載の噴射器(1)。
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