JP2010190181A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】噴射期間中のノズルニードルの過剰なリフトをダンパ部材27によって抑制することにより、部品同士の衝突による破損を防止できる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】制御ピストンには、ピストン頭部7bの端面にダンパ部材27が配置されている。このダンパ部材27は、例えば、荷重が加わった時に弾性変形できるバネ材によって形成することができる。このダンパ部材27は、ノズルニードルが予め決められた所定量以上リフトした時に、ピストン頭部7bとオリフィスプレート12との間で弾性変形することにより、制御ピストンに制動を掛ける働きを有する。但し、ノズルニードルのリフト量が所定量に達するまでは、ダンパ部材27がオリフィスプレート12に当接することはなく、制御ピストンの動きに制動が掛かることはない。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
従来、コモンレールに蓄圧された高圧燃料を内燃機関の燃焼室に噴射する燃料噴射弁が知られている。例えば、図3に示す燃料噴射弁100は、噴孔101を有するノズルボディ110と、このノズルボディ110に収容されて噴孔101を開閉するノズルニードル120と、このノズルニードル120に連結された制御ピストン130と、この制御ピストン130を摺動自在に保持するシリンダ140と、このシリンダ140に対し制御ピストン130を図示下方(ノズルニードル120の閉弁方向)へ付勢するスプリング150と、シリンダ140の側壁に開口するインオリフィス160を通じて高圧燃料が供給され、その燃料圧力がノズルニードル120を閉弁方向へ付勢する背圧として制御ピストン130の端面に作用する制御室170と、シリンダ140の図示上端に配置されるオリフィスプレート180と、このオリフィスプレート180に形成されるアウトオリフィス190を開閉できる弁体200と、この弁体200の開閉動作を制御する電磁アクチュエータ210等より構成される。
電磁アクチュエータ210は、例えば、電磁コイル220への通電により電磁石を形成してアーマチャ230を吸引するソレノイド装置である。電磁コイル220への通電によりアーマチャ230が吸引されて図示上方へ移動すると、そのアーマチャ230の動きに応じて弁体200がアウトオリフィス190を開くことにより、制御室170の燃料が低圧側へ排出されて、制御ピストン130の端面に作用する背圧が低減する。電磁コイル220への通電が停止されると、スプリング240の反力でアーマチャ230が図示下方へ押し戻され、そのアーマチャ230の動きに応じて弁体200がアウトオリフィス190を閉じることで、制御室170の燃料圧力が上昇して、制御ピストン130の端面に作用する背圧が増大する。
ノズルニードル120は、制御ピストン130と一体に可動(図示上下動)し、制御室170の燃料圧力(制御ピストン130の端面に作用する背圧)の増減に応じて噴孔101を開閉する。つまり、弁体200がアウトオリフィス190を開いて制御室170の燃料圧力が低減し、ノズルニードル120を図示上方へ付勢する油圧力が開弁圧より高くなると、ノズルニードル120が制御ピストン130と一体に図示上方へリフトして、ノズルニードル120に形成されたシート部が、ノズルボディ110に形成されたシート面から離れる(開弁する)ことで、噴孔101より燃料が噴射される。
また、弁体200がアウトオリフィス190を閉じて制御室170の燃料圧力が増大し、ノズルニードル120を図示上方へ付勢する油圧力が閉弁力より低くなると、ノズルニードル120が制御ピストン130と一体に図示下方へ押し戻されて、ノズルニードル120のシート部が、ノズルボディ110のシート面に着座する(閉弁する)ことで、燃料の噴射が終了する。
ところで、噴射量を増大したい場合は、電磁コイル220への通電時間を長くする、つまり、ノズルニードル120の開弁時間を長くする必要がある。しかし、弁体200がアウトオリフィス190を開いている間は、ノズルニードル120が制御ピストン130と共にリフトを継続するため、シリンダ140と制御ピストン130との間に配設されるスプリング150の変形が許容できる範囲内でリフトを停止する機構が必要となる。
これに対し、特許文献1に記載された燃料噴射弁は、ノズルニードル120のリフト量を機械的に規制するリフトストップ機構を設けている。このリフトストップ機構は、ノズルニードル120の上端面に対向する位置にノズルリフトストッパを設けて、ノズルニードル120の開弁時(リフト時)に、ノズルニードル120の上端面がノズルリフトストッパの下端面に当接することで、それ以上のリフトを規制する構造である。
特開2001−355534号公報(図6参照)
ところが、上記の特許文献1に開示されたリフトストップ機構では、ノズルニードル120の上端面がノズルリフトストッパの下端面に衝突する際に、非常に大きな衝撃力が発生する。このため、両部品の接触面に異常摩耗が生じると、噴射を終了する際に、ノズルニードル120が下降を開始して閉弁するまでの時間が長くなり、閉弁応答性が低下する。また、ノズルニードル120とノズルリフトストッパとの接触面に生じる異常摩耗が進行して、ノズルニードル120のリフト量を所定以下に規制できなくなると、ノズルニードル120を閉弁方向へ付勢するスプリング150が変形する。つまり、スプリング150の変形が許容できる範囲内でノズルニードル120のリフト量を規制できなくなるため、安定した噴射特性が得られなくなる恐れがある。
さらには、ノズルニードル120の上端面がノズルリフトストッパの下端面に衝突する時の衝撃力により、両部品に割れや亀裂が発生する等の不具合が生じることもあり、信頼性の点でも問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、噴射期間中のノズルニードルの過剰なリフトをダンパ手段よって抑制することにより、部品同士の衝突による破損を防止できる燃料噴射弁を提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、噴孔を開閉するノズルニードルと、このノズルニードルに連結される制御ピストンと、この制御ピストンを摺動自在に保持するシリンダと、制御ピストンを介してノズルニードルを閉弁方向へ付勢するスプリングと、インオリフィスを通じて高圧燃料が供給されると共に、この燃料圧力がノズルニードルを閉弁方向へ付勢する背圧として制御ピストンに作用する制御室と、制御ピストンの反噴孔側の端面と対向して配置され、且つ、制御室に通じるアウトオリフィスが形成されたオリフィスプレートと、アウトオリフィスを開閉するオリフィス開閉手段とを備え、噴射の開始および終了に応じてアウトオリフィスを開閉することにより、制御室の燃料圧力(背圧)を増減させて、ノズルニードルにより噴孔を開閉する燃料噴射弁であって、制御ピストンとオリフィスプレートとの間にダンパ手段を配設し、このダンパ手段は、ノズルニードルが所定量以上リフトした時に、制御ピストンとオリフィスプレートとの間で弾性変形することにより、制御ピストンに制動を掛けることを特徴とする。
本発明の燃料噴射弁は、アウトオリフィスを開くと、制御室の燃料圧力が低圧側へ排出されて、制御ピストンの端面に作用する背圧が低減する。これにより、ノズルニードルをリフト方向(開弁方向)へ付勢する油圧力が開弁圧より高くなると、ノズルニードルが制御ピストンと一体にリフト(開弁)して、噴孔より燃料が噴射される。ここで、ノズルニードルが所定量以上リフトすると、ダンパ手段が制御ピストンとオリフィスプレートとの間で弾性変形して制御ピストンの動きに制動を掛けることができ、噴射期間中のノズルニードルの過剰なリフトを抑制できる。その結果、制御ピストンの端面がオリフィスプレートに当接することなく制御ピストンの動きを止めることができるので、両部品(制御ピストンとオリフィスプレート)の衝突による破損(割れや亀裂の発生等)を未然に防止できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載した燃料噴射弁において、ダンパ手段は、制御ピストンの反噴孔側の端面上に配置され、ノズルニードルが所定量リフトした時点で、オリフィスプレートに当接し、さらにノズルニードルがリフトすることで弾性変形することを特徴とする。
上記の構成によれば、ノズルニードルが所定量以上リフトした時にのみ、ダンパ手段により制御ピストンに制動を掛けることができる。つまり、ノズルニードルの静止時(閉弁時)およびリフト量が所定量に達していない時は、ダンパ手段がオリフィスプレートに当接していないため、制御ピストンに制動が掛かることはない。これにより、開弁時の応答性が損なわれることはなく、安定した噴射特性を維持できる。
(請求項3の発明)
請求項1に記載した燃料噴射弁において、ダンパ手段は、オリフィスプレートに取り付けられ、ノズルニードルが所定量リフトした時点で、制御ピストンの反噴孔側の端面に当接し、さらにノズルニードルがリフトすることで弾性変形することを特徴とする。
上記の構成によれば、ノズルニードルが所定量以上リフトした時にのみ、ダンパ手段により制御ピストンに制動を掛けることができる。つまり、ノズルニードルの静止時(閉弁時)およびリフト量が所定量に達していない時は、ダンパ手段が制御ピストンの端面に当接していないため、制御ピストンに制動が掛かることはない。これにより、開弁時の応答性が損なわれることはなく、安定した噴射特性を維持できる。
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかの燃料噴射弁において、ダンパ手段は、コイルばね、板ばね、ゴム等の弾性体を用いて構成されていることを特徴とする。
この場合、コイルばね、板ばね、ゴム等の弾性体だけでダンパ手段を構成することもできるが、弾性体の過度な変形を抑制する手段を設けることもできる。つまり、弾性体が過度に変形して、弾性体の反力が必要以上に大きくなると、制御ピストンに制動を掛けるだけでなく、制御ピストンを押し返す力が発生する。この場合、制御ピストンに連結されるノズルニードルが噴孔を閉弁方向(反リフト方向)に動くと、例えば、噴射量や噴射率等の特性が変化する恐れがある。
本発明のダンパ手段は、ノズルニードルが所定量以上リフトした時に、制御ピストンに制動を掛けることで、制御ピストンがオリフィスプレートに衝突することを防止する機能を持たせたものであり、制御ピストンを押し返すことはない。
(請求項5の発明)
請求項1に記載した燃料噴射弁において、ダンパ手段は、オリフィスプレートに対向する制御ピストンの頭部(ピストン頭部と呼ぶ)を弾性変形が可能な形状に加工して設けられ、ノズルニードルが所定量リフトした時点で、ピストン頭部の端面がオリフィスプレートに当接し、さらにノズルニードルがリフトすることで弾性変形することを特徴とする。 本発明は、ダンパ手段を別部品として用いるのではなく、制御ピストンのピストン頭部にダンパ手段を加工して設けることもできる。
燃料噴射弁の断面図である。 本発明に係る要部を示す断面図である。 従来技術に係る燃料噴射弁の断面図である。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
実施例1では、本発明の燃料噴射弁を、ディーゼル機関のコモンレール式燃料噴射システムに適用した一例を説明する。
燃料噴射弁1は、コモンレール(図示せず)に蓄圧された高圧燃料をエンジンの各気筒に噴射するもので、図1に示す様に、噴射弁本体2と、この噴射弁本体2の図示下端に取り付けられる噴射ノズル3と、噴射弁本体2の図示上部に取り付けられる電磁弁4等より構成される。
噴射弁本体2は、弁ボディ5と、この弁ボディ5の内部に組み込まれるシリンダ6、制御ピストン7、スプリング8等を備える。
弁ボディ5には、コモンレールより供給される高圧燃料を導入する燃料導入路9と、この燃料導入路9に連通して弁ボディ5の内部を図示上下方向に貫通する貫通孔10と、燃料噴射システムの低圧側に通じる燃料排出路11等が形成されている。また、貫通孔10の一端が開口する弁ボディ5の図示上端には、オリフィスプレート12が配設されている。このオリフィスプレート12には、後述する制御室13の燃料圧力を低圧側へ開放するためのアウトオリフィス14が形成されている。
シリンダ6は、貫通孔10の上部内周にクリアランスを有して挿入され、スプリング8の反力により、シリンダ6の上端面がオリフィスプレート12の下端面に押し付けられて液密に当接している。
制御ピストン7は、図2に示す様に、シリンダ6の内周に摺動自在に保持される摺動部7aと、この摺動部7aより外径が小さく形成され、且つ、摺動部7aの図示上側に形成されるピストン頭部7bと、摺動部7aより外径が小さく形成され、且つ、摺動部7aの図示下側に形成される細軸部7cと、この細軸部7cより外径が大きく形成され、貫通孔10の略下端まで延びているピストン軸部7dなどが設けられている。
スプリング8は、シリンダ6の図示下端面と、制御ピストン7の細軸部7cとピストン軸部7dとの間に形成される段差との間に反力を蓄えた状態で配設されている。
上記の制御室13は、図2に示す様に、シリンダ6の内周に制御ピストン7とオリフィスプレート12とで区画された空間であり、シリンダ6に形成されたインオリフィス15を通じて高圧燃料が常時供給される。
噴射ノズル3は、先端部に噴孔16aを有するノズルボディ16と、このノズルボディ16の内部に収容されて噴孔16aを開閉するノズルニードル17とで構成され、リテーニングナット18により噴射弁本体2に固定されている。
ノズルボディ16には、ノズルニードル17を収容するガイド孔が穿設され、このガイド孔の先端部に円錐状のシート面が形成されている。
ノズルニードル17は、ガイド孔の内周に摺動自在に保持されるニードルガイド部17aと、このニードルガイド部17aより図示下方へ延びるニードル軸部17bとを有し、このニードル軸部17bの先端部にシート部が形成されている。ニードル軸部17bは、ガイド孔の内周にクリアランスを持って挿入され、ニードルガイド部17aには、噴射弁本体2より供給される高圧燃料を上記クリアランスへ供給するための燃料供給通路19が形成されている。
このノズルニードル17は、ジョイント20を介して制御ピストン7に連結され、制御室13の燃料圧力(制御ピストン7の端面に作用する背圧)の増減に応じて噴孔16aを開閉する。つまり、制御室13の燃料圧力が低減して、ノズルニードル17をリフト方向(開弁方向)へ付勢する油圧力が開弁圧より高くなると、ノズルニードル17が制御ピストン7と一体にリフトして開弁する(シート部がシート面から離れる)ことにより、噴孔16aより燃料が噴射される。
一方、制御室13の燃料圧力が増大して、ノズルニードル17をリフト方向へ付勢する油圧力が閉弁力より低くなると、ノズルニードル17が制御ピストン7と一体に押し戻されて閉弁する(シート部がシート面に着座する)ことにより、燃料の噴射が終了する。
電磁弁4は、アウトオリフィス14を開閉できる弁体21と、この弁体21の開閉動作を制御するソレノイド装置(以下に説明する)により構成され、リテーニングナット22により噴射弁本体2に固定されている。ソレノイド装置は、外部のECU(図示せず)により通電制御される電磁コイル23と、この電磁コイル23への通電によって磁化されるステータ24と、このステータ24に対向して可動するアーマチャ25と、このアーマチャ25を反ステータ方向(図示下方)へ付勢するスプリング26等より構成される。
この電磁弁4は、電磁コイル23に通電されると、磁化されたステータ24にアーマチャ25が吸引されて図示上方へ移動することにより、制御室13の燃料圧力に弁体21が押圧されてアウトオリフィス14を開く。一方、電磁コイル23への通電が停止されると、電磁石の吸引力が失われるため、スプリング26によりアーマチャ25が押し戻されて、弁体21がアウトオリフィス14を閉じる。
ここで、本発明に係るダンパ手段について説明する。
制御ピストン7には、図2に示す様に、ピストン頭部7bの図示上端面に、本発明のダンパ手段を構成するダンパ部材27が配置されている。このダンパ部材27は、例えば、荷重が加わった時に弾性変形できるバネ材(板ばね、コイルばね等)、あるいは、ゴム等の弾性体によって形成することができる。このダンパ部材27は、ノズルニードル17が予め決められた所定量以上リフトした時に、図2(c)に示す様に、ピストン頭部7bとオリフィスプレート12との間で弾性変形することにより、制御ピストン7の動きに制動を掛ける働きを有する。但し、ノズルニードル17のリフト量が所定量に達するまでは、図2(a)、(b)に示す様に、ダンパ部材27がオリフィスプレート12に当接することはなく、制御ピストン7に制動が掛かることはない。
なお、図2は、ノズルニードル17のリフト量に応じた制御ピストン7のリフト位置を示すもので、同図(a)は、ノズルニードル17の閉弁時(リフト量=0)、同図(b)は、リフト量が小さい時(リフト量が所定量に達していない時)、同図(c)は、リフト量が所定量を超えた状態を示している。
ダンパ部材27の形状は、図2に示される様な円弧状に限定されるものではなく、ノズルニードル17が所定量以上リフトした時に、制御ピストン7に制動を掛ける働きが得られる形状であれば良い。また、図2(c)では、ダンパ部材27がアウトオリフィス14を塞いでいる様に示されているが、ダンパ部材27がオリフィスプレート12に当接しても、アウトオリフィス14を塞ぐことはなく、アウトオリフィス14の開閉は弁体21の開閉動作によってのみ行われる。
次に、燃料噴射弁1の作動を説明する。
電磁コイル23への通電が停止されている状態では、弁体21がアウトオリフィス14を閉じているので、制御室13の燃料圧力は高圧に保たれている。これにより、ノズルニードル17と制御ピストン7に掛かるリフト方向の油圧力より、ノズルニードル17を反リフト方向へ付勢する力(ノズルニードル17と制御ピストン7に掛かる反リフト方向の油圧力+スプリング8の反力)の方が大きくなる。その結果、ノズルニードル17が閉弁状態を維持するため、噴孔16aより燃料が噴射されることはない。
一方、電磁コイル23に通電されると、弁体21がアウトオリフィス14を開くことで、インオリフィス15を通じて制御室13へ流入する燃料流量より、制御室13からアウトオリフィス14を通じて流出する燃料流量の方が多くなる。その結果、制御室13の圧力が低下するため、ノズルニードル17をリフト方向へ付勢する油圧力が開弁圧より高くなった時点で、ノズルニードル17がリフトして開弁することにより、噴孔16aから燃料が噴射される。
ノズルニードル17のリフト量が予め決められた所定量に達すると、ダンパ部材27がオリフィスプレート12の下端面に当接し、さらにリフト量が大きくなるに連れて、図2(c)に示す様に、ダンパ部材27がピストン頭部7bとオリフィスプレート12との間で弾性変形する。これにより、ダンパ部材27は、弾性変形によってばね力を発生し、制御ピストン7に制動を掛ける、つまりブレーキとして作用する。その結果、制御ピストン7は、ピストン頭部7bの端面がオリフィスプレート12の下端面に当接することなく停止することができる。なお、弾性変形によってダンパ部材27に発生するばね力は、制御ピストン7を押し戻す略の大きさではなく、あくまでも、制御ピストン7の動きに制動を掛けるだけである。
(実施例1の効果)
本実施例の燃料噴射弁1は、ノズルニードル17が所定量以上リフトすると、ダンパ部材27によって制御ピストン7に制動が掛かるため、噴射期間中のノズルニードル17の過剰なリフトを抑制できる。これにより、ピストン頭部7bの上端面がオリフィスプレート12の下端面に当接することなく制御ピストン7の動きを止めることができるので、両部品(制御ピストン7とオリフィスプレート12)の衝突による破損(割れや亀裂の発生等)を未然に防止できる。また、両部品が直接衝突することはないので、両部品に異常摩耗が発生することもなく、ノズルニードル17の閉弁応答性が低下することもない。
さらに、ダンパ部材27は、ノズルニードル17が所定量以上リフトした時にのみ制御ピストン7に制動を掛ける働きを有し、ノズルニードル17の静止時(閉弁時)およびリフト量が所定量に達していない時は、ダンパ部材27がオリフィスプレート12に当接することはなく、よって、制御ピストン7に制動が掛かることもないので、開弁時の応答性が損なわれることはなく、安定した噴射特性を維持できる。
(変形例)
実施例1では、ダンパ部材27を制御ピストン7のピストン頭部7bに設置しているが、ピストン頭部7bに対向するオリフィスプレート12の下端面に取り付けることも可能である。あるいは、ダンパ部材27をピストン頭部7bと一体に設けることも可能である。つまり、実施例1に示されるダンパ部材27は、制御ピストン7とは別部品であるが、例えば、ピストン頭部7bに複数のスリットを入れる、または、蛇腹状等に加工して、ダンパ手段を別部品ではなく、ピストン頭部7b自体に設けることも出来る。
1 燃料噴射弁
4 電磁弁(オリフィス開閉手段)
6 シリンダ
7 制御ピストン
7a 制御ピストンの摺動部
7b ピストン頭部(制御ピストンの頭部)
7d ピストン軸部
8 スプリング
13 制御室
14 アウトオリフィス
15 インオリフィス
16a 噴孔
17 ノズルニードル
27 ダンパ部材(ダンパ手段)

Claims (5)

  1. 噴孔を開閉するノズルニードルと、
    このノズルニードルに連結される制御ピストンと、
    この制御ピストンを摺動自在に保持するシリンダと、
    前記制御ピストンを介して前記ノズルニードルを閉弁方向へ付勢するスプリングと、
    インオリフィスを通じて高圧燃料が供給されると共に、この燃料圧力が前記ノズルニードルを閉弁方向へ付勢する背圧として前記制御ピストンに作用する制御室と、
    前記制御ピストンの反噴孔側の端面と対向して配置され、且つ、前記制御室に通じるアウトオリフィスが形成されたオリフィスプレートと、
    前記アウトオリフィスを開閉するオリフィス開閉手段とを備え、
    噴射の開始および終了に応じて前記アウトオリフィスを開閉することにより、前記制御室の燃料圧力(前記背圧)を増減させて、前記ノズルニードルにより前記噴孔を開閉する燃料噴射弁であって、
    前記制御ピストンと前記オリフィスプレートとの間にダンパ手段を配設し、このダンパ手段は、前記ノズルニードルが所定量以上リフトした時に、前記制御ピストンと前記オリフィスプレートとの間で弾性変形することにより、前記制御ピストンに制動を掛けることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載した燃料噴射弁において、
    前記ダンパ手段は、前記制御ピストンの反噴孔側の端面上に配置され、前記ノズルニードルが所定量リフトした時点で、前記オリフィスプレートに当接し、さらに前記ノズルニードルがリフトすることで弾性変形することを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1に記載した燃料噴射弁において、
    前記ダンパ手段は、前記オリフィスプレートに取り付けられ、前記ノズルニードルが所定量リフトした時点で、前記制御ピストンの反噴孔側の端面に当接し、さらに前記ノズルニードルがリフトすることで弾性変形することを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1〜3に記載した何れかの燃料噴射弁において、
    前記ダンパ手段は、コイルばね、板ばね、ゴム等の弾性体を用いて構成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 請求項1に記載した燃料噴射弁において、
    前記ダンパ手段は、前記オリフィスプレートに対向する前記制御ピストンの頭部(ピストン頭部と呼ぶ)を弾性変形が可能な形状に加工して設けられ、前記ノズルニードルが所定量リフトした時点で、前記ピストン頭部の端面が前記オリフィスプレートに当接し、さらに前記ノズルニードルがリフトすることで弾性変形することを特徴とする燃料噴射弁。
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