JP6639234B2 - 保冷システム - Google Patents

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Description

本発明は、被冷却物を冷却して保冷する保冷システムに関し、特に、内部に蓄冷剤が充填される蓄冷部材を備え、蓄冷部材により冷却室の内部を冷却する保冷システムに関する。
従来、内部に蓄冷剤が充填される蓄冷部材を備え、蓄冷部材により冷却室の内部を冷却する保冷容器(保冷システム)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
保冷容器の内部の温度は、一般的に、蓄冷部材に充填される蓄冷剤の融解温度(融点)により設定される。冷却室の内部を冷却する蓄冷部材においては、外気の温度等の影響により、時間の経過とともに蓄冷部材に充填される蓄冷剤が解けて、冷却室の内部の温度は徐々に上昇していく。
ところで、被冷却物を保冷するうえで、被冷却物を保冷する適正な温度帯は、被冷却物の種類によって異なる。例えば、アイスクリームや冷凍食品を保冷する温度帯や、チルド食品を保冷する凍結寸前の温度帯や、生鮮食品を冷蔵して保冷する温度帯は、それぞれ異なる。
ここで、複数の温度帯で被冷却物を保冷することができる保冷容器が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2に記載の保冷容器は、外箱と、外箱の内部に収容される中箱とにより、複数の冷却室を設けている。そして、ドライアイスや蓄冷部材を、外箱や中箱の内部に適宜配置することで、1つの保冷容器で、冷蔵、冷凍及び常温の複数の温度帯により保冷することができ、適正な温度帯で被冷却物を保冷することができるとされている。
特開2004−176953号公報 特開2007−45519号公報
しかし、特許文献2に記載の保冷容器においては、複数の冷却室を備えるため、構成が複雑となりやすい。また、複数の冷却室の内部の温度それぞれを設定する必要があるため、蓄冷部材の大きさや配置を適宜考慮する必要性も生じる。
本発明は、簡易な構成で、複数の温度帯で被冷却物を保冷可能な保冷システムを提供することを目的とする。
本発明は、被冷却物を収容可能な冷却室と、内部に蓄冷剤が充填され、前記冷却室の内部を冷却する複数の蓄冷部材と、を備え、前記複数の蓄冷部材のうち少なくとも2つの前記蓄冷部材に充填される前記蓄冷剤のエネルギーレベルは、それぞれ異なっており、前記複数の蓄冷部材のうち隣り合う蓄冷部材は、近接して配置され又は一体的に構成される保冷システムに関する。
また、前記複数の蓄冷部材は、前記蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順に並んで配置されることが好ましい。
また、前記複数の蓄冷部材は、上下方向に並んで配置されると共に、上方側から下方側に向かって、前記蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順に並んで配置されることが好ましい。
また、前記複数の蓄冷部材は、前記冷却室の上方側に配置されることが好ましい。
また、前記複数の蓄冷部材は、それぞれ板状に形成され、積層して配置されることが好ましい。
また、前記冷却室の上方側に配置され、前記複数の蓄冷部材を収容可能な蓄冷部材室と、前記冷却室と前記蓄冷部材室とを仕切る仕切部材であって、前記冷却室と前記蓄冷部材室とを連通すると共に開度を調整可能に構成される連通孔を有する仕切部材と、前記冷却室の内部の温度を測定する温度センサと、を更に備えることが好ましい。
また、前記温度センサにより測定された前記冷却室の内部の温度情報に基づいて、前記連通孔の開度を調整するように制御する制御部を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、簡易な構成で、複数の温度帯で保冷可能な保冷システムを提供することができる。
第1実施形態に係る保冷システム1の全体構成図である。 第1実施形態の保冷システム1を用いた場合の実験結果を示すグラフであって、冷却室32の内部の温度変化を示すグラフである。 第2実施形態に係る保冷システム1Aの全体構成図である。 第3実施形態の保冷システムについて、第2実施形態の保冷システム1Aの全体構成図を用いて説明した図である。 (a)及び(b)は、保冷システムのエネルギーレベル及びエネルギーレベルの遷移について説明した概念図である。 第4実施形態に係る保冷システム1Bの全体構成図である。 実施例1、2及び比較例における冷却室32の内部の温度変化を示すグラフである。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る保冷システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る保冷システム1の全体構成図である。図2は、第1実施形態の保冷システム1を用いた場合の実験結果を示すグラフであって、冷却室32の内部の温度変化を示すグラフである。
本実施形態に係る保冷システム1は、例えば、被冷却物を冷却して保冷するシステムに適用される。被冷却部材としては、例えば、氷、アイスクリーム、冷凍食品、チルド食品、生鮮食品等がある。
第1実施形態の保冷システム1は、容器本体21と、蓋部材22と、断熱容器3と、蓄冷部4と、を備える。
容器本体2は、板状の部材により、上方側が開放された中空の直方体形状の箱状に構成される。本実施形態においては、容器本体2の上部には、板状の蓋部材22が取り付けられている。蓋部材22は、容器本体2の上面を開閉可能である。
断熱容器3は、容器本体2の内部に収容される。断熱容器3は、容器本体2よりも小さい箱状に構成される。断熱容器3は、板状の部材により、上方側が開放された中空の直方体形状の箱状に構成される。
断熱容器3の内部の空間は、被冷却物(不図示)を収容可能な冷却室32を形成する。断熱容器3の底板及び側壁板は、所定の厚みを有した板状部材により構成される。断熱容器の底板及び側壁板は、断熱性を有する部材により構成される。例えば、断熱材としては、発泡樹脂を含む部材などが挙げられる。断熱容器3は、外気の温度が冷却室32の内部に伝達しにくくして、冷却室32に収容される被冷却物を安定して保冷する。
断熱容器3の側壁板の上面31には、蓄冷部4における後述する蓄冷プレート41の下方側の面の外端部側を当接させることにより、蓄冷部4を載置することが可能に構成される。断熱容器3の側壁板の上面31は、蓄冷部4を支持する支持部を形成する。
蓄冷部4は、複数の蓄冷部材としての3つの蓄冷プレート41、42、43を有して構成される。3つの蓄冷プレート41、42、43は、冷却室32の内部を冷却する。
3つの蓄冷プレート41、42、43は、それぞれ、所定の厚みを有した板状に形成される。3つの蓄冷プレート41、42、43は、平面視で長方形状である。
3つの蓄冷プレート41、42、43それぞれは、中空状の箱状のケース体の内部に、蓄冷剤が充填されることにより構成される。3つの蓄冷プレート41、42、43の中空状の箱状のケース体は、例えば、樹脂製のケースで構成される。
蓄冷剤としては、例えば、融解潜熱の大きい水を主体として、これに寒剤(冷却剤)やゲル化剤を適宜添加し、必要に応じて、核剤、着色剤、防腐剤等を添加することで構成される。蓄冷剤は、エネルギーレベルを有している。蓄冷剤のエネルギーレベルは、融解温度(融点)に対応する。本明細書において、蓄冷剤のエネルギーレベルとは、外気温度よりも低い温度領域において、外気温度に対する蓄冷剤の融解温度(融点)のエネルギーのレベルを意味する。なお、本明細書においては、蓄冷剤のエネルギーレベルは、蓄冷剤の分子の運動エネルギーの大きさを捉えた量ではなく、外気温度に対する、蓄冷剤が固体から液体に相変化を起こす温度(融点)との関係を示した概念である。
更に詳細に説明すると、蓄冷剤のエネルギーレベルは、外気温度から離れるほど高く、外気温度に近いほど低い。蓄冷剤のエネルギーレベルが高いとは、蓄冷剤のエネルギーレベルについて外気温度から離れるエネルギーの度合いが大きいことを意味し、蓄冷剤の融解温度(融点)が低い場合に対応する。蓄冷剤のエネルギーレベルが低いとは、蓄冷剤のエネルギーレベルについて外気温度から離れるエネルギーの度合いが小さいことを意味し、蓄冷剤の融解温度(融点)が高い場合に対応する。
蓄冷剤の融解温度(融点)は、寒剤(冷却剤)の種類や添加量を調整して適宜設定することができる。蓄冷剤にゲル化剤を添加することにより、蓄冷剤は、適度な粘性を有した安定したゲル状になる。本実施形態の蓄冷剤は、高吸水性樹脂から成る一般的な保冷剤と異なり、塩化ナトリウムとゲル化剤を調合することにより、任意の温度で一定に保つことを可能としたものである。また、本実施形態に使用される蓄冷剤は、一般的な保冷剤と異なり、冷却室32の温度を長時間保持できる成分により構成される。すなわち、本発明に用いられる蓄冷剤が充填される3つの蓄冷プレート41、42、43は、一般的な保冷剤よりも、温度を長時間保持する恒温機能が優れている。蓄冷剤のエネルギーレベルは、融解温度(融点)に対応するため、蓄冷剤を作成する場合の蓄冷剤のターゲット温度に対応する。
3つの蓄冷プレート41、42、43は、冷却室32の上方側に配置される。冷却室32の上方側に配置される3つの蓄冷プレート41、42、43の内部に充填された蓄冷剤は、固体から液体に相変化する際の融解潜熱により、周囲の気体の熱を吸熱する。これにより、3つの蓄冷プレート41、42、43の周囲の気体は冷却される。3つの蓄冷プレート41、42、43に冷却された気体は、重力により冷却室32の内部に落下し、拡散される。これにより、3つの蓄冷プレート41、42、43は、冷却室32の内部を冷却する。
3つの蓄冷プレート41、42、43は、上下方向に並んで、積層して配置される。3つの蓄冷プレート41、42、43は、水平方向に平行になるように配置されている。3つの蓄冷プレート41、42、43は、断熱容器3側から順に、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42、第3蓄冷プレート43である。3つの蓄冷プレート41、42、43のうち隣り合う蓄冷プレートは、それぞれ、当接して配置される。
3つの蓄冷プレート41、42、43は、最も下側に配置される第1蓄冷プレート41が断熱容器3の側壁部の上面31に支持されて載置され、第1蓄冷プレート41の上部に第2蓄冷プレート42が当接して載置され、第2蓄冷プレート42の上部に第3蓄冷プレート43が当接して載置される。
3つの蓄冷プレート41、42、43は、上方側から下方側に向かって、蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順に並んで配置される。なお、本明細書においては、前述の通り、蓄冷剤のエネルギーレベルが高いとは、蓄冷剤のエネルギーレベルについて外気温度から離れるエネルギーの度合いが大きいことを意味する。また、蓄冷剤のエネルギーレベルが低いとは、蓄冷剤のエネルギーレベルについて外気温度から離れるエネルギーの度合いが小さいことを意味する。従って、「蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順」とは、「蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順」に対応する。
3つの蓄冷プレート41、42、43のうち少なくとも2つの蓄冷プレートに充填される蓄冷剤の融解温度(融点)は、それぞれ、異なる。
本実施形態においては、3つの蓄冷プレート41、42、43に充填される蓄冷剤それぞれの融解温度(融点)が−2℃、−11℃、−25℃であり、上方側から下方側に向かって、第3蓄冷プレート43(蓄冷剤の温度:−25℃)、第2蓄冷プレート42(蓄冷剤の温度:−11℃)、第1蓄冷プレート41(蓄冷剤の温度:−2℃)の順に並んで配置される。
3つの蓄冷プレート41、42、43の温度は、それぞれ、内部に充填された蓄冷剤の温度と略同一の温度である。
第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43は、それぞれ、融解温度(融点)が−2℃、−11℃、−25℃の蓄冷剤が充填されているため、−2℃、−11℃、−25℃が一時的に保持される特性を有する保冷部材となる。
第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43は、それぞれ、使用開始前に、蓄冷剤の融解温度(融点)よりも10℃程度低い温度に設定された冷凍庫内で、所定時間、例えば12時間以上掛けて冷凍される。
次に、本実施形態における保冷システム1の作用について説明する。
まず、容器本体21の内部に、断熱容器3を収容した状態において、十分に冷凍された、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43を断熱容器3の壁面部の上面31に、この順で載置する。そして、蓋部材22により容器本体21の上部を閉じる。
本実施形態においては、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43に充填された蓄冷剤の融解温度(融点)は、それぞれ、−2℃、−11℃、−25℃に設定されている。
まず、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43をセットした直後においては、第3蓄冷プレート43に冷却された−25℃の気体と、第2蓄冷プレート42に冷却された−11℃の気体と、第1蓄冷プレート41に冷却された−2℃の気体とが、その重みにより、冷却室32へ落下して拡散する。
保冷システム1における冷却室32の内部には、断熱容器3により、外気の温度が伝達しにくくなっている。第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43それぞれの蓄冷剤は、それぞれの融解温度が保持される特性を有し、解けにくい状態である。蓄冷プレート41に充填された冷凍された蓄冷剤は、時間が経過することにより次第に解けていく。
この状態において、冷却室32の内部の温度は、冷凍された3つの蓄冷プレート41、42、43に充填された蓄冷剤が解けることで、時間の経過と共に変化する。
時間が経過することにより、第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の温度(−25℃)が最も低いため、第3蓄冷プレート43は、冷却室32の内部を冷却しつつ、徐々に解けていく。これにより、第3蓄冷プレート43の温度は、−25℃から徐々に上昇していき、第2蓄冷プレート42の蓄冷剤の温度(−11℃)に近づいていく。
ここで、例えば、図2に示す実験結果においては、時間T1(21時間)から時間T2(39時間)において、冷却室32の内部の温度は、−22℃から−8℃に徐々に上昇していく。また、時間T2(39時間)付近において、時間経過により、第3蓄冷プレート43に充填される蓄冷剤(−25℃)が解けて、冷却室32の内部の温度は、−8℃程度になっている。
更に時間が経過して第3蓄冷プレート43の温度が−11℃に達すると、第3蓄冷プレート43は、第2蓄冷プレート42とともに、−11℃が所定時間保持される。
これにより、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42に冷却された−11℃の気体と、第1蓄冷プレート41に冷却された−2℃の気体とが、その重みにより、冷却室32へ落下する。ここで、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42の容積が大きいため、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42の温度は、−11℃の状態を継続して保持される。
例えば、図2に示す実験結果においては、時間T2(39時間)から時間T3(63時間)において、冷却室32の内部の温度は、−8℃から−6℃の間の温度変化が小さい状態で保持される。
時間が経過することにより、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42の温度(−11℃)が最も低いため、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42の蓄冷剤は、冷却室32の内部を冷却しつつ、徐々に解けていく。これにより、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42の温度は、−11℃から徐々に上昇していき、第1蓄冷プレート41の温度(−2℃)に近づいていく。
ここで、例えば、図2に示す実験結果においては、時間T3(63時間)から時間T4(81時間)において、冷却室32の内部の温度は、−6℃から2℃に徐々に上昇している。また、時間T4(81時間)付近において、時間経過により、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42に充填される蓄冷剤が解けて、冷却室32の内部の温度は、2℃程度になっている。
更に時間が経過して第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42の温度が−2℃に達すると、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42は、第1蓄冷プレート41ともに、−2℃が所定時間保持される。
これにより、第3蓄冷プレート43、第2蓄冷プレート42及び第1蓄冷プレート41に冷却された−2℃の気体が、その重みにより、冷却室32へ落下して拡散する。ここで、第3蓄冷プレート43、第2蓄冷プレート42及び第1蓄冷プレート41の容積が大きいため、第3蓄冷プレート43、第2蓄冷プレート42及び第1蓄冷プレート41の温度は、−2℃の状態を継続して保持される。
ここで、例えば、図2に示す実験結果においては、時間T3(81時間)以降においては、冷却室32の内部の温度は、温度変化が少ない状態で2℃を保持している。
ここで、最も低い蓄冷プレートの温度が高くなるにしたがって、同じ温度となる蓄冷剤の全体の容積が大きくなるため、温度が保持される所定時間は、時間経過とともに、保持される温度の保持時間が長くなる。具体的は、蓄冷プレートの蓄冷剤が解ける過程において、第3蓄冷プレート43、第2蓄冷プレート42及び第1蓄冷プレート41の温度が−2℃のときの蓄冷剤の容積は、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42の温度が−11℃のときの蓄冷剤の容積よりも全体として大きい。そのため、第3蓄冷プレート43、第2蓄冷プレート42及び第1蓄冷プレート41が−2℃の場合の温度の保持時間は、第3蓄冷プレート43及び第2蓄冷プレート42が−11℃の場合の温度の保持時間よりも長い。
上述した第1実施形態に係る保冷システム1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
第1実施形態に係る保冷システム1は、被冷却物を収容可能な冷却室32と、内部に蓄冷剤が充填され、冷却室32の内部を冷却する3つの蓄冷プレート41、42、43と、を備え、3つの蓄冷プレート41、42、43に充填される蓄冷剤の融解温度(蓄冷剤のエネルギーレベル)は、それぞれ異なっており、3つの蓄冷プレート41、42、43のうち隣り合う蓄冷プレート41、42、43は、近接して配置されて構成される。そのため、冷却室32の内部の温度は、段階的に変化する。これにより、冷却室32の内部の温度が被冷却物を保冷するのに適した温度帯になったときに、被冷却物を冷却室32に収容することで、適正な温度帯で被冷却物を保冷することができる。すなわち、簡易な構成で複数の温度帯を実現できるため、保冷に適した温度帯が異なる複数種類の被冷却物を、簡易な構成で、適正な温度帯で保冷することができる。
また、第1実施形態に係る保冷システム1においては、3つの蓄冷プレート41、42、43は、蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順(蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順)に並んで配置される。
3つの蓄冷プレート41、42、43においては、まず、第3蓄冷プレート43に充填される最も低い融解温度の蓄冷剤が解けて、隣りに配置される第2蓄冷プレート42に充填される次に融解温度の低い蓄冷剤の温度に近づく。これにより、最も低い融解温度の蓄冷剤と次に低い融解温度の蓄冷剤とが、同じ温度帯の蓄冷プレートとなる。これにより、冷却室32の内部においては、蓄冷プレートの数だけ段階的に温度が上昇される。そして、段階的に上昇される同じ温度帯において、温度は一時的に保持される。これにより、冷却室32の内部の温度に応じて、保冷に適した適正な温度帯の冷却室32に被冷却物を収容することで、適正な温度帯で被冷却物を保冷することができる。
また、第1実施形態に係る保冷システム1においては、3つの蓄冷プレート41、42、43は、上下方向に並んで配置されると共に、上方側から下方側に向かって、蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順(蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順)に並んで配置される。
そのため、温度が低い蓄冷プレート41、42、43は、上方側ほど蓄冷剤の融解温度が低いため、上方側ほど冷却された気体は重い。そのため。積層される蓄冷プレート41、42、43に冷却された上方側の気体は、冷却室32の上方側から下方側に向けて落下される。これにより、冷却室32の内部に落下する気体が混ざりやすくなり、冷却室32の内部の温度は均一になりやすい。
また、第1実施形態に係る保冷システム1においては、3つの蓄冷プレート41、42、43は、冷却室32の上方側に配置される。そのため、複数の蓄冷プレート41、42、43に冷却された気体は、冷却室32の内部に落下される。これにより、冷却室32の内部を全体的に効率よく保冷することができる。
また、第1実施形態に係る保冷システム1においては、3つの蓄冷プレート41、42、43は、それぞれ板状に形成され、積層して配置される。そのため、板状の蓄冷プレート41、42、43を積み重ねるだけの簡易な構成で、冷却室32の内部の温度を複数の温度帯に変化させることできる。また、複数の蓄冷プレート41、42、43の取り扱いが容易であるため、複数の蓄冷プレート41、42、43を容易に積み重ねて、本発明の保冷システム1を容易に実現することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。図3は、第2実施形態に係る保冷システム1Aの全体構成図である。
第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
第2実施形態の保冷システム1Aは、主として、第1実施形態の蓄冷部4に代えて、蓄冷部5を備える点において、第1実施形態と異なる。具体的には、第2実施形態の保冷システム1Aにおいては、蓄冷プレートの数及び蓄冷プレートそれぞれに充填される蓄冷剤の融解温度(融点)(蓄冷剤のエネルギーレベル)が、第1実施形態と異なる。
第2実施形態の保冷システム1Aは、第1実施形態の蓄冷部4に代えて、蓄冷部5を備える。第2実施形態の蓄冷部5は、複数の蓄冷部材としての7つの蓄冷プレート51、52、53、54、55、56、57を有して構成される。
第2実施形態の7つの蓄冷プレートとは、第11蓄冷プレート51と、第12蓄冷プレート52と、第13蓄冷プレート53と、第14蓄冷プレート54と、第15蓄冷プレート55と、第16蓄冷プレート56と、第17蓄冷プレート57と、である。
第11蓄冷プレート51、第12蓄冷プレート52、第13蓄冷プレート53、第14蓄冷プレート54、第15蓄冷プレート55、第16蓄冷プレート56及び第17蓄冷プレート57は、断熱容器3の側壁板の上面31上に、この順に、下方側から上方側に向かって積層されている。7つの蓄冷プレート51〜57は、上方側から下方側に向かって、蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順(蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順)に並んで配置される。
第11蓄冷プレート51、第12蓄冷プレート52、第13蓄冷プレート53、第14蓄冷プレート54、第15蓄冷プレート55、第16蓄冷プレート56及び第17蓄冷プレート57に充填された蓄冷剤の融解温度(融点)は、それぞれ、0℃、−2℃、−11℃、−16℃、−21℃、−25℃、−35℃である。
第2実施形態の保冷システム1Aにおいては、時間の経過とともに、上方側の最も温度が低い第17蓄冷プレート17から、下方側の最も温度が高い第11蓄冷プレート51に向かって順に、蓄冷剤が次第に解けていく。
まず、第17蓄冷プレート57の蓄冷剤(−35℃)が徐々に解けて、第17蓄冷プレート57の温度が−35℃から−25℃に変化する。第17蓄冷プレート57は、第16蓄冷プレート56とともに、−25℃が所定時間保持される。
その後、第17蓄冷プレート57及び第16蓄冷プレート56の蓄冷剤(−25℃)が徐々に解けて、第17蓄冷プレート57及び第16蓄冷プレート56の温度は、−25℃から−21℃に変化する。第17蓄冷プレート57及び第16蓄冷プレート56は、第15蓄冷プレート55とともに、−21℃が所定時間保持される。
その後、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56及び第15蓄冷プレート55の蓄冷剤(−21℃)が徐々に解けて、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56及び第15蓄冷プレート55の温度は、−21℃から−16℃に変化する。第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56及び第15蓄冷プレート55は、第14蓄冷プレート54とともに、−16℃が所定時間保持される。
その後、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55及び第14蓄冷プレート54の蓄冷剤(−16℃)が徐々に解けて、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55及び第14蓄冷プレート54の温度は、−16℃から−11℃に変化する。第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55及び第14蓄冷プレート54は、第13蓄冷プレート53とともに、−11℃が所定時間保持される。
その後、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55、第14蓄冷プレート54及び第13蓄冷プレート53の蓄冷剤(−11℃)が徐々に解けて、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55、第14蓄冷プレート54及び第13蓄冷プレート53の温度は、−11℃から−2℃に変化する。第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55、第14蓄冷プレート54及び第13蓄冷プレート53は、第12蓄冷プレート52とともに、−2℃が所定時間保持される。
その後、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55、第14蓄冷プレート54、第13蓄冷プレート53及び第12蓄冷プレート52の蓄冷剤(−2℃)が徐々に解けて、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55、第14蓄冷プレート54、第13蓄冷プレート53及び第12蓄冷プレート52の温度は、−2℃から0℃に変化する。第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55、第14蓄冷プレート54、第13蓄冷プレート53及び第12蓄冷プレート52は、第11蓄冷プレート51とともに、0℃が所定時間保持される。
第2実施形態の保冷システム1Aによれば、第1実施形態の保冷システム1の効果と同様の効果を奏する他に、次のような効果を奏することができる。
第2実施形態の保冷システム1Aにおいては、第1実施形態の保冷システム1よりも蓄冷プレートの数を増やすとともに、7つの蓄冷プレート51、52、53、54、55、56、57に充填される蓄冷剤の融解温度それぞれの温度を細かく段階的に上昇するように設定している。そのため、冷却室32の内部の温度を段階的に徐々に変化させることができると共に、段階的に上昇する途中の温度は継続して保持される。これにより、冷却室32の内部の温度帯を細かく設定できるため、冷却室32の内部の温度に応じて、より適正な温度帯で被冷却物を保冷することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態において、蓄冷剤のエネルギーレベルについて、論理的なアルゴリズムで、次のように一般化して説明することができる。この理論においては、異なるエネルギーが、高いエネルギーレベルから低いエネルギーレベルに順番に結合される。その結果、蓄冷剤のエネルギーレベルは、高いエネルギーレベルから低いエネルギーレベルに遷移する。なお、本明細書においては、前述の通り、蓄冷剤のエネルギーレベルとは、外気温度よりも低い温度領域において、外気温度に対する蓄冷剤の融解温度(融点)のエネルギーのレベルを意味する。蓄冷剤のエネルギーレベルは、外気温度から離れるほど高く、外気温度に近いほど低い。
まず、例えば、図3に示す第2実施形態の構成において、7枚の蓄冷プレートが積層される構成に代えて、n枚の蓄冷プレートが積層される構成について説明する。
積層されたn枚の蓄冷プレートにおいて、上方側の蓄冷プレートから順に、蓄冷剤のエネルギーレベルは、Ea、Eb、Ec、・・・、En−1、Eである。積層されたn枚の蓄冷プレートは、上下方向に並んで配置されると共に、上方側から下方側に向かって、蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順に並んで配置される。エネルギーレベルEa〜Eの大小関係は、以下の通りである。
Ea>Eb>Ec>・・・、En−1>E
このように積層されたn枚の蓄冷プレートにおいて、まず、エネルギーレベルEaの蓄冷剤は、蓄冷剤のエネルギーレベルがエネルギーレベルEbに低下するまで、エネルギーを放出する。エネルギーレベルEbの蓄冷剤がエネルギーを放出し始めた後には、エネルギーレベルEa及びEbの蓄冷剤は、一緒にエネルギーを放出する。
その後、エネルギーレベルEcの蓄冷剤は、エネルギーを放出し始める。エネルギーレベルEcの蓄冷剤がエネルギーを放出した後には、エネルギーレベルEa、Eb及びEcの蓄冷剤は、一緒にエネルギーを放出する。
このプロセスは、蓄冷剤のエネルギーレベルがエネルギーレベルEnに達するまで継続する。この際の全体のエネルギーレベルEsum、エネルギーロスElossは、以下の式で表される。
sum=Ea+Eb+Ec+・・・+En−1+E
loss=(Ea−Eb)+(Eb−Ec)+・・・+(En−1+E
また、温度損失は、次の式で表される。
温度損失=Ta+Tb+Tc+・・・+Tn−1+T
これらの温度(Ta、Tb、Tc、・・・、Tn−1、T)の全てを、被冷却物を保冷する温度に想定することができる。
具体的に、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、第3実施形態の保冷システムについて、第2実施形態の保冷システム1Aの全体構成図を用いて説明した図である。図5の(a)及び(b)は、保冷システムのエネルギーレベル及びエネルギーレベルの遷移について説明した概念図である。
例えば、図4に示すように、第2実施形態に示す7枚の蓄冷プレートが積層される構成においては、第17蓄冷プレート57、第16蓄冷プレート56、第15蓄冷プレート55、第14蓄冷プレート54、第13蓄冷プレート53、第12蓄冷プレート52及び第11蓄冷プレート51の順に、蓄冷剤のエネルギーレベルは、エネルギーレベルEa、Eb、Ec、Ed、Ee、Ef、Egであり、第2実施形態の蓄冷プレートの融解温度(融点)(−35℃、−25℃、−21℃、−16℃、−11℃、−2℃、0℃)に対応する。
この場合、図4及び図5に示すように、7枚の蓄冷プレート57〜51は、上下方向に並んで配置されると共に、上方側から下方側に向かって、蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順に並んで配置される。蓄冷剤のエネルギーレベルが高いとは、蓄冷剤のエネルギーレベルについて外気温度から離れるエネルギーの度合いが大きいことを意味し、蓄冷剤の融解温度(融点)が低い場合に対応する。蓄冷剤のエネルギーレベルが低いとは、蓄冷剤のエネルギーレベルについて外気温度から離れるエネルギーの度合いが小さいことを意味し、蓄冷剤の融解温度(融点)が高い場合に対応する。従って、蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順は、蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順に対応する。
このように7枚の蓄冷プレート57〜51が積層して配置されることで、第2実施形態のように、冷却室32の内部の温度は、段階的に徐々に上昇する。
この理論においては、蓄冷剤の異なるエネルギーレベルを結合することによって、異なるエネルギーレベルを作り出すことができる。詳細には、異なるエネルギーレベルの蓄冷剤を有する蓄冷プレートを積み重ねることによって、異なるエネルギーレベルを段階的に作りだすことができる。また、異なるエネルギーレベルの蓄冷プレートを積み重ねることによって、広範囲に温度を設定することができる。また、異なるエネルギーレベルの蓄冷プレートを積み重ねることによって、微小範囲において温度を設定することができる。また、異なるエネルギーレベルの蓄冷プレートを積み重ねることによって、冷蔵庫に使用されるコンプレッサでは設定できない異なる温度を設定することができる。
言い換えると、本発明の保冷システムは、異なるエネルギーレベルが他のエネルギーレベルに影響を与えることで、異なるエネルギーレベルを、段階的にギアを入れるようにして作り出すギアシステムということができる。
更に、本発明における保冷システムにおいて、例えば、4枚の蓄冷プレートが積層される構成について説明する。4枚の蓄冷プレートが積層される構成において、4枚の蓄冷プレートは、上下方向に並んで配置されると共に、上方側から下方側に向かって、蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順に並んで配置され、例えば、上方側から順に、エネルギーレベルが、E1、E2、E3、E4の4枚の蓄冷プレートが積層される。蓄冷剤のエネルギーレベルが高いレベルから低いレベルの順は、蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順に対応する。
ここで、例えば、蓄冷剤のエネルギーレベルの大小関係は、E1>E2>E3>E4に設定する。また、隣り合う蓄冷プレートの蓄冷剤のエネルギー差(ΔT)は、次の式で表される。
ΔT1=E1−E2
ΔT2=E2−E3
ΔT3=E3−E4
また、例えば、ΔTの大小関係は、次のような関係にある。
ΔT1>ΔT2>ΔT3
具体的には、例えば、蓄冷剤の融解温度(エネルギーレベル)を、E1=−35℃、E2=−25℃、E3=−16℃、E4=0℃に設定する。隣り合う蓄冷プレートの蓄冷剤の温度差(エネルギー差)(ΔT)は、次のように計算される。
ΔT1=−35℃−(−25℃)=−10℃
ΔT2=−25℃−(−16℃)=−9℃
ΔT3=−16℃−0℃=−16℃
この場合に、冷却室32の内部の温度が、段階的に、−30℃、−18℃、−10℃、+5℃の順に変化することを、実験により確認した。ここで、微小範囲において温度を設定することができるため、冷却室32の内部を1℃単位で温度を設定することもできる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、図面を参照しながら説明する。図6は、第4実施形態に係る保冷システム1Bの全体構成図である。第4実施形態に係る保冷システム1Bの全体構成図である。
第4実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。第4実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第4実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が奏される。
第4実施形態の保冷システム1Bは、第1実施形態の保冷システム1の構成に加えて、仕切部材6と、開閉駆動部7と、温度センサ8と、制御部9と、を更に備える。
仕切部材6は、容器本体21及び蓋部材22により形成される内部空間を、蓄冷部材室33と冷却室32とに仕切る部材である。仕切部材6は、断熱容器3の側壁板の上面31に当接されて配置され、断熱容器3の側壁板の上面31に支持される。蓄冷部材室33は、冷却室32の上方側に配置され、3つの蓄冷プレート41、42、43を収容可能に構成される。
仕切部材6は、複数の第1スリット61aを有する第1仕切板61と、複数の第2スリット62aを有する第2仕切板62と、を有する。第1仕切板61及び第2仕切板62は、蓄冷部材室33と冷却室32との間において、下方側から、第1仕切板61、第2仕切板62の順に積層されて配置される。第2仕切板62の上面には、蓄冷部4が載置される。
第2仕切板62は、開閉駆動部7の駆動力により、水平方向に移動可能に構成される。第2仕切板62が開閉駆動部7により水平方向に移動されることで、第1仕切板61の第1スリット61aと、第2仕切板62の第2スリット62aとが垂直方向において重なった場合には、第1スリット61aと第2スリット62aとが垂直方向に連通した連通スリット61a,62a(連通孔)が形成される。連通スリット61a,62aは、冷却室32と蓄冷部材室33とを連通する。また、第2仕切板62の水平方向への移動の大きさを変化させることで、第2仕切板62の第2スリット62aと第1仕切板61の第1スリット61aとの重なりの大きさを変化させて、連通スリット61a,62aの開度を調整可能である。
また、第1仕切板61の第1スリット61aと、第2仕切板62の第2スリット62aとが垂直方向において重ならない場合には、連通スリット61a,62aは閉じており、蓄冷部材室33と冷却室32とは、気体が流通しない状態で、仕切部材6により仕切られ、分離される。
温度センサ8は、冷却室32の内部に配置される。温度センサ8は、冷却室32の内部の温度を測定するセンサである。温度センサ8に検出された冷却室32の内部の温度情報は、制御部9に送信される。
制御部9は、温度センサ8により測定された冷却室32の内部の温度情報に基づいて、第1スリット61aと第2スリット62aとの重なりの部分の開度を調整するように、開閉駆動部7を制御する。
次に、第4実施形態の保冷システム1Bの動作について説明する。
まず、冷却室32に被冷却物を収容した状態において、連通スリット61a,62aを閉じた状態(第1スリット61a及び第2スリット62aが重ならない状態)で、仕切部材6を断熱容器3の側壁板の上面31上に配置すると共に、仕切部材6の上面に、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42、第3蓄冷プレート43をこの順に載置する。そして、蓋部材22により容器本体21の上方側開口を閉める。ここでは、連通スリット61a,62aが閉じた状態で、仕切部材6が配置されている。これにより、蓄冷部材室33と冷却室32とは、仕切部材6により分離され、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42、第3蓄冷プレート43は、冷却室32から遮断され且つ蓄冷部材室33に収容されることで、冷却室32側へのエネルギーの流れが抑制され、エネルギーを損失しにくい状態で保持される。
続けて、開閉駆動部7は、連通スリット61a,62aの開度を最大とするように、第2仕切板62を水平方向に移動させる。これにより、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43は、冷却室32の気体に接することで、内部に充填された蓄冷剤が冷却室32の気体の熱を吸熱することで、冷却室32の上方側は冷却される。第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43に冷却された気体は、重力により冷却室32の内部に落下し、拡散される。これにより、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43は、冷却室32の内部を冷却する。
ここで、温度センサ8は、冷却室32の内部の温度を監視している。制御部9は、温度センサ8により測定された冷却室32の温度が所定の第1温度値よりも低い温度まで低下した場合に、連通スリット61a,62aを閉じるように、第2仕切板62を水平方向に移動させる。これにより、第1スリット61a及び第2スリット62aが重ならないように移動されて、連通スリット61a,62aは閉じられる。
続けて、温度センサ8は、連通スリット61a,62aが閉じられた後において、冷却室32の内部の温度を監視している。制御部9は、温度センサ8により測定された冷却室32の温度が所定の第2温度値よりも高い温度まで上昇した場合に、連通スリット61a,62aを開くように、第2仕切板62を水平方向に移動させる。ここで、制御部9は、開閉駆動部7を制御して、第2仕切板62の水平方向への移動量を調整して、連通スリット61a,62aの開度の大きさを調整することができる。
その後、制御部9は、温度センサ8により測定された冷却室32の温度情報に基づいて、連通スリット61a,62aの開度の大きさの調整の制御を上述のように繰り返して実行する。
以上の動作により、冷却室32の内部の温度が十分低い場合には、連通スリット61a,62aを閉じることにより、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43からの余分なエネルギーは、冷却室32から遮断されて蓄冷部材室33の内部に保持されることになる。また、冷却室32の内部の温度が高い場合には、連通スリット61a,62aを開くことにより、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43からのエネルギーにより冷却室32を冷却することができる。
これにより、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43からのエネルギーを効率的に使用することで、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43における保冷時間を長くすることができる。
第4実施形態の保冷システム1Bによれば、第1実施形態の保冷システム1の効果と同様の効果を奏する他に、次のような効果を奏することができる。
第4実施形態の保冷システム1Bにおいては、冷却室32と蓄冷部材室33とを仕切る仕切部材6であって、冷却室32と蓄冷部材室33とを連通すると共に開度を調整可能に構成される連通スリット61a,62aを有する仕切部材6と、冷却室32の内部の温度を測定する温度センサ8と、を更に備える。そのため、冷却室32の内部の温度に基づいて、蓄冷プレート41〜42を冷却室32から遮断して、蓄冷部材室33に収容することができる。これにより、蓄冷プレート41〜42の保冷時間を長くすることができる。
また、第4実施形態の保冷システム1Bにおいては、温度センサ8により測定された冷却室32の内部の温度情報に基づいて、連通スリット61a,62aの開度を調整するように制御する制御部9を更に備える。そのため、簡易な制御で、連通スリット61a,62aの開度を調整することにより、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43からのエネルギーを効率的に使用することで、効率的に冷却室32の温度を調整しつつ、蓄冷プレート41〜42の保冷時間を長くするように制御することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、複数の蓄冷プレートのうち隣り合う蓄冷プレートを当接して配置したが、これに制限されず、例えば、隣り合う蓄冷プレート同士が離れた状態で近接して配置されていてもよい。「隣り合う蓄冷プレート同士が離れた状態で近接して配置される」とは、隣り合う蓄冷プレート同士が離れているが、隣り合う蓄冷プレートに冷却された気体が互いに伝達される程度に近い距離で隣り合って配置されることをいう。この場合においても、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、前記実施形態においては、複数の蓄冷部材をそれぞれ別々の蓄冷プレートにより構成したが、これに制限されない。例えば、複数の蓄冷部材を一体的に構成してもよい。具体的には、例えば、複数の蓄冷部材を、複数の収容空間を有する一体的な部材により構成し、複数の収容空間それぞれに融解温度の異なる蓄冷剤を収容して一体的に構成することもできる。
また、前記実施形態においては、複数の蓄冷プレートの数を、3つ又は7つとしたが、制限されない。例えば、蓄冷プレートの数は、2つであってもよいし、4つ、5つ、6つ又は8つ以上であってもよい。
また、前記実施形態においては、複数の蓄冷プレートを冷却室32の上方側に配置したが、これに制限されない。複数の蓄冷プレートを、冷却室32の内部に配置してもよいし、冷却室32の下方側に配置してもよい。
また、前記実施形態においては、複数の蓄冷プレートには、いずれも異なる融解温度の蓄冷剤を充填しているが、これに制限されない。例えば、複数の蓄冷プレートのうち少なくとも2つの蓄冷プレートに充填される蓄冷剤の融解温度が、それぞれ異なっていればよく、複数の蓄冷プレートには、同じ融解温度の蓄冷剤が充填される複数の蓄冷プレートが含まれていてもよい。
また、前記実施形態においては、保冷システムを保冷容器に適用して説明したが、これに制限されない。例えば、本発明の保冷システムを、保冷車両における荷台に設けられた保冷庫や、保冷倉庫の保冷室等に適用することもできる。
また、前記第4実施形態において、開閉駆動部7及び制御部9を設けたが、これに制限されず、開閉駆動部7及び制御部9を設けない構成としてもよい。この場合には、例えば温度センサ8により測定された温度を外部においてモニタできる表示部を設けて、温度センサ8により測定された温度に基づいて、例えば手動で第2仕切板62を動かすことで、連通スリット61a,62aの開度の大きさを調整することができる。これにより、冷却室32の温度を調整しつつ、蓄冷プレート41〜42の保持時間を長くすることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を用いて、本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものでない。図7は、実施例1、2及び比較例における冷却室32の内部の温度変化を示すグラフである。
実施例1、2及び比較例の構成について説明する。
実施例1、2及び比較例の構成は、第1実施形態における保冷システムにおいて、蓄冷プレートに充填される蓄冷剤の融解温度(融点)が異なるのみであり、その他の構成は、第1実施形態の保冷システムの構成と同様である。
実施例1は、図1に示す保冷システムにおいて、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度を、それぞれ、−11℃、−16℃、−25℃に設定した場合である。
実施例2は、図1に示す保冷システムにおいて、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度を、それぞれ、0℃、−11℃、−16℃に設定した場合である。
比較例は、図1に示す保冷システムにおいて、第1蓄冷プレート41、第2蓄冷プレート42及び第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度を、それぞれ、−25℃、−25℃、−25℃に設定した場合である。
実施例1、2及び比較例1について、冷却室32の内部の時間による温度変化を測定した。その結果により、図7に示す冷却室32の内部の温度変化のグラフが得られた。また、以下に示す表1が得られた。表1は、実施例1、2及び比較例における冷却室32の内部において、各温度帯(−20℃〜−25℃、−10℃〜−20℃、0℃〜−10℃、5℃〜0℃)が保持される時間を示す表である。
Figure 0006639234
具体的には、実施例1においては、図7及び表1に示すように、−10℃〜−20℃の第3温度帯が約56時間保持され、0℃〜−10℃の第2温度帯が約41時間保持される。
また、実施例2においては、図7及び表1に示すように、0℃〜−10℃の第2温度帯が約68時間保持され、5℃〜0℃の第1温度帯が約68時間保持される。
一方、比較例1においては、冷却室32の内部の温度は、−20℃〜5℃の温度帯において、保持される温度帯の時間が第1実施例及び第2実施例よりも短く(−10℃〜−20℃の第3温度帯で約18時間保持、0℃〜−10℃の第2温度帯で約15時間保持、5℃〜0℃の第1温度帯で約11時間保持)、徐々に上昇している。
以上により、本発明に係る実施例1及び実施例2における冷却室32の内部の温度は、比較例における冷却室32の内部の温度よりも、段階的に上昇する途中の温度が継続して保持されるという結果が得られた。
次に、比較例2及び実施例3、4の構成について説明する。
比較例2の構成は、第1実施形態における保冷システム1において、蓄冷プレート41〜43に充填される蓄冷剤について、全て同じ融解温度(融点)の蓄冷剤を使用したものである。
実施例3の構成は、第1実施形態における保冷システム1において、蓄冷プレート41〜43に充填される蓄冷剤の融解温度(融点)が異なるのみであり、その他の構成は、第1実施形態の保冷システム1の構成と同様である。
実施例4の構成は、第4実施形態における保冷システム1Bにおいて、蓄冷プレート41〜43に充填される蓄冷剤の融解温度(融点)が異なるのみであり、その他の構成は、第4実施形態の保冷システム1Bの構成と同様である。
比較例2及び実施例3、4においては、容器本体21のサイズが16Lであって、外気温度が25℃の場合において、下記表に示すように、以下の蓄冷プレートの保持時間と、保持される温度帯とを得ることができる。表2は、比較例2を示す表である。表3は、実施例3を示す表である。表4は、実施例4を示す表である。
Figure 0006639234
表2の比較例2においては、第1蓄冷プレート41〜第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度が全て同じ場合である。表2の比較例2においては、第1蓄冷プレート41〜第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度が、−35℃、−25℃、−21℃、−16℃、−11℃、−2℃、0℃、5℃の場合に、保持される温度帯は、順に、−35℃〜20℃、−25℃〜18℃、−21℃〜15℃、−16℃〜10℃、−11℃〜5℃、−2℃〜8℃、0℃〜8℃、−2℃〜5℃となっており、温度範囲が狭い。
また、表2の比較例2においては、蓄冷剤が、−35℃、−25℃、−21℃、−16℃、−11℃、−2℃、0℃、5℃の場合に、保持時間は、順に、48時間、60時間、66時間、66時間、66時間、72時間、72時間、72時間となっている。
Figure 0006639234
表3の実施例3においては、第1蓄冷プレート41〜第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度が、−21℃、−25℃、−35℃の組み合わせの場合、−16℃、−21℃、−25℃の組み合わせの場合、−11℃、−16℃、−21℃の組み合わせの場合、−2℃、−11℃、−16℃の組み合わせの場合、0℃、−2℃、−11℃の組み合わせの場合において、保持される温度帯は、順に、−30℃〜−15℃、−22℃〜−10℃、−18℃〜−5℃、−10℃〜−4℃、−5℃〜−8℃となっており、温度範囲が広い。
また、表3の実施例3においては、第1蓄冷プレート41〜第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度が、−21℃、−25℃、−35℃の組み合わせの場合、−16℃、−21℃、−25℃の組み合わせの場合、−11℃、−16℃、−21℃の組み合わせの場合、−2℃、−11℃、−16℃の組み合わせの場合、0℃、−2℃、−11℃の組み合わせの場合において、保持時間は、順に、60時間、72時間、72時間、72時間、72時間となっている。保持時間は、比較例2の場合よりも長い。
Figure 0006639234
表4の実施例4においては、第1蓄冷プレート41〜第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度が、−21℃、−25℃、−35℃の組み合わせの場合、−16℃、−21℃、−25℃の組み合わせの場合、−11℃、−16℃、−21℃の組み合わせの場合、−2℃、−11℃、−16℃の組み合わせの場合、0℃、−2℃、−11℃の組み合わせの場合において、保持される温度帯は、順に、−30℃〜18℃、−20℃〜18℃、−15℃〜18℃、−10℃〜−18℃、−5℃〜−18℃となっており、温度範囲が広い。
また、表4の実施例4においては、第1蓄冷プレート41〜第3蓄冷プレート43の蓄冷剤の融解温度が、−21℃、−25℃、−35℃の組み合わせの場合、−16℃、−21℃、−25℃の組み合わせの場合、−11℃、−16℃、−21℃の組み合わせの場合、−2℃、−11℃、−16℃の組み合わせの場合において、保持時間は、24〜100時間となっている。0℃、−2℃、−11℃の組み合わせの場合において、保持時間は、24〜120時間となっている。保持時間は、比較例2及び実施例3の場合よりも長い。
1、1A、1B 保冷システム
6 仕切部材
8 温度センサ
9 制御部
32 冷却室
33 蓄冷部材室
41 第1蓄冷プレート(蓄冷部材)
42 第2蓄冷プレート(蓄冷部材)
43 第3蓄冷プレート(蓄冷部材)
51 第11蓄冷プレート(蓄冷部材)
52 第12蓄冷プレート(蓄冷部材)
53 第13蓄冷プレート(蓄冷部材)
54 第14蓄冷プレート(蓄冷部材)
55 第15蓄冷プレート(蓄冷部材)
56 第16蓄冷プレート(蓄冷部材)
57 第17蓄冷プレート(蓄冷部材)
62a、62a 連通スリット(連通孔)

Claims (3)

  1. 被冷却物を収容可能な冷却室と、
    内部に蓄冷剤が充填され、前記冷却室の内部を冷却する3つ以上の蓄冷部材と、を備え、
    前記3つ以上の蓄冷部材に充填される前記蓄冷剤の融解温度は、それぞれ異なっており、
    前記3つ以上の蓄冷部材は、それぞれ板状に形成され、前記冷却室の上方側において、上下方向に隣り合って並んで積層して配置されると共に、隣り合う蓄冷部材が近接して配置され又は一体的に構成され、上方側から下方側に向かって、前記蓄冷剤の融解温度が低い温度から高い温度の順に並んで配置され
    記冷却室の内部の温度は、段階的に上昇されると共に段階的に上昇される途中の温度帯で所定時間保持される保冷システム。
  2. 前記冷却室の上方側に配置され、前記3つ以上の蓄冷部材を収容可能な蓄冷部材室と、
    前記冷却室と前記蓄冷部材室とを仕切る仕切部材であって、前記冷却室と前記蓄冷部材室とを連通すると共に開度を調整可能に構成される連通孔を有する仕切部材と、
    前記冷却室の内部の温度を測定する温度センサと、
    を更に備える請求項1に記載の保冷システム。
  3. 前記温度センサにより測定された前記冷却室の内部の温度情報に基づいて、前記連通孔の開度を調整するように制御する制御部を更に備える
    請求項2に記載の保冷システム。
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