JP6638588B2 - 形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置および加熱方法 - Google Patents
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Description
そのため、形状記憶合金製レール継目部材を引張変形させた状態で2つのレールの接続部に取り付け、その後に形状記憶合金製レール継目部材をバーナー等の加熱器で加熱して収縮させることにより、レール同士を密着させることができる。
これにより、常に圧縮力をレール間に作用させることができるので、車両や天井クレーンが継目を通過しても継目が開くことがなく、車輪が継目部分に落ち込むことがない。
このように、特許文献1〜3に記載の構造は、レールの継目に隙間をなくすことができる点では有用な発明である。
また、バーナーの移動を作業者が行う場合、天井クレーンのレールのような高所に配置されたレールの加熱には作業者の安全対策が必要になる場合があった。
この発明によれば、バーナーノズルごとに形状記憶合金製レール継目部材を加熱する位置を微調整できるため、形状記憶合金製レール継目部材をより均一に加熱できる。
この発明によれば、レールのフランジの上面、または前記レールを支持する部材の水平面に孔あけや治具の溶接等の特別な加工を施すことなく基台を固定できるため、低コストで作業性に優れており、天井クレーンのレールのような高所に配置されたレールの加熱に特に好適である。
この発明によれば、加熱による形状記憶合金製レール継目部材の温度変化に応じてバーナーノズルの発熱量を調整できるため、形状記憶合金製レール継目部材をより均一に加熱できる。
この発明によれば、あらかじめガス供給量およびガス噴射時間と形状記憶合金製レール継目部材の収縮量の関係を求めておけば、温度を測定しなくても加熱を制御できるため、加熱装置をより簡易な構造にできる。
なお、以下の説明において参照する各図にはデカルト座標系が記載されており、レール1A、1Bの延出方向をX方向、幅方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。
さらに、レール接続構造200は、形状記憶合金製レール継目部材3A、3B同士を連結するボルト11B、11C、ナット13B、13Cを有している。
図3に示すように、レール1Aの端部にはウェブ2Cを貫通する孔9A、9Bが形成されている。レール1Bのウェブ2Cにはウェブ2Cを貫通する孔9C、9Dが形成されている。
孔6A、6Dは、形状記憶合金製レール継目部材3Aをレール1A、1Bに固定するための孔である。孔6B、6Cは形状復元力の作用方向に沿った長孔であり、ボルト11B、11Cが貫通する。
形状記憶合金製レール継目部材3Bも形状復元力によりレール1Aとレール1Bを密着させる部材であり、図3に示すように、延出方向に沿って孔4A、4B、4C、4Dが形成されている。
孔4A、4Dは、形状記憶合金製レール継目部材3Bをレール1A、1Bに固定するための孔である。孔4B、4Cは形状復元力の作用方向に沿った長孔であり、ボルト11B、11Cが貫通する。
ただし、フレーム101および垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cは必ずしもガス供給管である必要はない。例えばフレーム101および垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cの外側にゴム製のガス供給管を取り付ける等してバーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cにガスを供給する構成としてもよい。
流量制御部135はバーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cに供給するガス供給量およびガス噴射時間を制御する演算装置である。流量制御部135は熱電対106A、106B、106C、108A、108B、108C、流量計127、時計139に接続される。流量制御部135はガス流量(供給量)および加熱時間と形状記憶合金製レール継目部材3A、3Bの温度の関係を示す情報である関係137を記憶している。
流量計127はフレーム101に供給するガス流量(供給量)を計測する部材であり、フレーム101および流量制御部135に接続される。
時計139はバーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cのガス噴射時間を検出する部材であり、流量制御部135に接続される。
これは、噴出方向とボルト11A、11B、11C、11Dが重なると形状記憶合金製レール継目部材3A、3Bを直接加熱できないためである。
接続部110はバーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cと垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cを接続するボールジョイントであり、接続部110を中心にバーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cを回転させることにより、X方向、Y方向およびZ方向に位置調整可能である。
メータリングバルブ129A、129B、129C、131A、131B、131Cは各バーナーノズルから噴射されるガスの噴射量を調整する部材であり、フレーム101と、垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cを接続する。垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cとメータリングバルブ129A、129B、129C、131A、131B、131Cの接続位置はZ方向に調整可能である。接続位置をZ方向に調整することにより、フレーム101と垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cの上下位置を調整することができるため、バーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cの位置をZ方向に調整可能である。
具体的には、まず図3に示すようにレール1Aとレール1Bを延出方向に突き合わせる。
次に、図1に示すようにボルト11Aを形状記憶合金製レール継目部材3Bの孔4A、レール1Aの孔9A、形状記憶合金製レール継目部材3Aの孔6Aに挿入し、ナット13Aで締結する。
同様に、ボルト11Dを形状記憶合金製レール継目部材3Bの孔4D、レール1Bの孔9D、形状記憶合金製レール継目部材3Aの孔6Dに挿入し、ナット13Dで締結する。
これにより、形状記憶合金製レール継目部材3A、3Bがレール1A、1Bに固定される。
同様に、図3に示すように必要に応じてボルト11Cを形状記憶合金製レール継目部材3Bの孔4C、レール1Bの孔9C、形状記憶合金製レール継目部材3Bの孔6Cに挿入し、ナット13Cで締結する。
具体的には、まず、マグネットベース125をレール1A、1Bのフランジ8Aの上面に磁力で固定する。
次に、必要に応じてバーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cの接続部110、連結部126のねじ128、または垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cとメータリングバルブ129A、129B、129C、131A、131B、131Cの接続位置を調整することにより、バーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cの噴射方向を調節する。
燃焼したガスは形状記憶合金製レール継目部材3A、3Bを加熱する。これにより、復元範囲22A、22Bが収縮してレール1A、1Bが密着する。
この方法では、形状記憶合金製レール継目部材3A、3Bの温度に対応して随時、ガス供給量を調節できるため、形状記憶合金製レール継目部材3A、3Bを所望の温度に設定しやすい点で有利である。
より具体的には、流量制御部135は流量計127により検出されたガス供給量および時計139により検出された時間に基づいて、予め求めたガス供給量に従って、予め求めた加熱時間だけガスを供給し、その後はガスの供給を停止する。
この方法では、形状記憶合金製レール継目部材3A、3Bの温度を加熱中に熱電対等で検出しなくても所望の温度に調整できる点で有利である。
また、加熱装置100は、フレーム101および垂下部材110A、110B、110C、112A、112B、112Cのそれぞれが、バーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cのそれぞれのガス供給管となっている。
そのため、バーナーノズル105A、105B、105C、107A、107B、107Cごとにガス供給管を別途設ける必要がなく、加熱装置100はコンパクトな構造である。
また、マグネットベース125および支持柱を4つ(2対)設けたものである。
マグネットベース125はウェブ側面2A側とウェブ側面2B側に1対ずつ設けられており、これにより4カ所に均等配置されている。
同様に、支持柱124A、124Bは連結部126を介して支持棒123に固定されている。
このような構造とすることにより、マグネットベース125および支持柱を4つ(2対)設けることができ、フレーム101をより安定に保持できる。
Claims (7)
- レールのウェブ側面のそれぞれに設けられ、走行方向に沿って配置されたレール同士を密着させる一対の形状記憶合金製レール継目部材を加熱する形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置であって、
前記レールのフランジの上面、または前記レールを支持する部材の水平面に、互いに離間して設けられる少なくとも一対の基台と、
前記基台のそれぞれから鉛直方向に延びる少なくとも一対の支持柱と、
前記一対の支持柱の上端で支持される矩形状のフレームと、
前記フレームの下端から下方に延びる複数の垂下部材と、
前記複数の垂下部材のそれぞれの下端に設けられ、前記形状記憶合金製レール継目部材に噴射口が向けられた複数のバーナーノズルと、
を備えることを特徴とする形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置。 - 請求項1に記載の形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置において、
前記フレームおよび前記垂下部材のそれぞれが、前記複数のバーナーノズルのそれぞれのガス供給管となっていることを特徴とする形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置。 - 請求項1または請求項2に記載の形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置において、
前記バーナーノズルは、前記形状記憶合金製レール継目部材の前記鉛直方向および前記形状記憶合金製レール継目部材の接近離間方向に位置調整可能とされていることを特徴とする形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置において、
前記一対の基台は、前記レールのフランジの上面、または前記レールを支持する部材の水平面に磁力で固定される磁石を備えていることを特徴とする形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置において、
前記形状記憶合金製レール継目部材の形状復元力を作用させる範囲に設けられる熱電対と、
前記熱電対により検出された検出信号に基づいて、前記バーナーノズルへのガス供給量を制御する流量制御部とを備えていることを特徴とする形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置において、
前記バーナーノズルへのガス供給量を検出する流量計と、
前記バーナーノズルのガス噴射時間を検出する時計と、
前記流量計により検出されたガス供給量および前記時計により検出された時間とに基づいて、前記バーナーノズルによる加熱を制御する制御部とを備えていることを特徴とする形状記憶合金製レール継目部材の加熱装置。 - レールのウェブ側面のそれぞれに設けられ、走行方向に沿って配置されたレール同士を密着させる一対の形状記憶合金製レール継目部材を加熱する形状記憶合金製レール継目部材の加熱方法であって、
前記レールのフランジの上面、または前記レールを支持する部材の水平面に、少なくとも一対の基台を設ける工程と、
前記基台のそれぞれから鉛直方向に延びる少なくとも一対の支持柱の上端で支持される矩形状のフレームの下端から下方に延びる複数の垂下部材の下端に設けられた複数のバーナーノズルの噴射口を前記一対の形状記憶合金製レール継目部材に向ける工程と、
前記複数のバーナーノズルで前記一対の形状記憶合金製レール継目部材を加熱して収縮させることにより、レール同士を密着させる工程と、
前記レール同士が密着し、前記レール間に所定の圧力が作用していると確認できたら、前記複数のバーナーノズルによる加熱を停止させる工程と、
を実施することを特徴とする形状記憶合金製レール継目部材の加熱方法。
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