以下に、本願の開示する光表示部監視装置、光表示部監視システム及び光表示部監視プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。
まず、実施例に係る光表示部監視システムの構成について説明する。なお、本実施例では、LEDを使用して説明するが、有機ELランプや光るディスプレイなどの光表示部を使用してもよい。図1は、実施例に係るLED監視システムの構成を示す図である。図1に示すように、実施例に係るLED監視システム1は、LED監視装置2と、複数のラック3に搭載された複数の監視対象機器31と、ラック3と同数のカメラユニット34と、スイッチングハブ37とを有する。なお、図1では、1台のラック3に5台の監視対象機器31が搭載されているが、1台のラック3には、より多いあるいはより少ない台数の監視対象機器31が搭載されてもよい。また、スイッチングハブ37は、リピーターハブ等その他のネットワークを中継する機器でもよい。
LED監視装置2は、監視対象機器31に対応付けられたLEDの点灯状態を監視することによって監視対象機器31を監視する。監視対象機器31は、LED監視装置2により監視される機器であり、例えば、データセンタ内のサーバ、ストレージ等である。
カメラユニット34は、LEDなどの光表示部の発光状態を示す画像を撮像し、撮像した動画像をスイッチングハブ37を介してLED監視装置2に送信する。カメラユニット34は、出力端設置板32とカメラ33とを有する。出力端設置板32は、監視対象機器31のLEDから採光された光を集約するための光ファイバー36の採光端とは反対の出力端がマトリクス状に配置される板である。カメラ33は、出力端設置板32に集約された出力端の画像を撮像し、撮像画像をLAN(Local Area Network)ケーブル35及びスイッチングハブ37を介してLED監視装置2に送信する。出力端設置板32に集約された出力端の画像は、LEDなどの光表示部の発光状態を示す画像である。ここで、発光状態とは、LEDが出力する光の輝度、色相などを含む状態である。なお、LANケーブル35を使った有線回線ではなく、無線回線でもよい。
図2は、カメラユニット34の構成を示す図である。図2に示すように、出力端設置板32には、長方形の穴があけられ、シート34bがはめ込まれる。シート34bには、光ファイバー36の出力端が固定される穴36aがマトリクス状に配置される。光ファイバー36の出力端の穴36aへの固定は、例えば、しまりばめを使用する。光ファイバー36の出力端を穴36aに挿入することで、端面が垂直にカメラの方を向くように光ファイバー36が固定される。出力端設置板32は、ラック3にネジで固定するための穴34cを有する。
カメラユニット34は、シート34bに正対する位置にカメラ33を取り付けるためのカメラ押さえ34dを有する。カメラ33の背面のケース34eは、カメラ33をLANケーブル35と接続するためのLANコネクタ35aを有する。カメラ33は、ふた34fによって覆われる。
図3は、採光部38を説明するための図である。図3に示すように、採光部38は、監視対象機器31の機種毎に異なる形状であり、LED用の穴39a、ボタン用の穴39b及びUSB用の穴39cがくりぬかれた構造である。図3は、(a)機種A用、(b)機種B用及び(c)機種C用の3種類の採光部38を示す。採光部38は、監視対象機器31に貼り付けられる。貼り付けには、例えば両面テープが使用される。光ファイバー36の採光端を採光部38のLED用の穴39aに挿入することで、端面が垂直にLEDの方を向くように光ファイバー36が固定される。光ファイバー36の採光端の穴39aへの固定は、例えば、しまりばめを使用する。
図4は、出力端設置板32における光ファイバー36の出力端の配置及び撮像画像の例を示す図である。図4(a)は、光ファイバー36の出力端の配置を示し、図4(b)は、撮像画像の例を示す。図4(a)に示すように、縦5個毎に1つの監視対象機器31のLEDの光を出力する光ファイバー36の出力端が並ぶ。また、横1列には、同機能を示すLEDの光を出力する光ファイバー36の出力端が並ぶ。図5は、LEDの示す機能の例を示す図である。図5に示すように、LEDの示す機能には、「電源」、「ネットワークLink」、「ネットワークAct」、「HDD(Hard Disk Drive)アクセス」、「HDDFault」、「部品Fault」、「保守」、「CSS(Customer Self Service)」、「電源ユニット」、「ID」等がある。なお、撮像画像の縦横の配列は実施例に限定されず自由に定義可能である。
「電源」は、監視対象機器31の電源がONであるかOFFであるかを示す。「ネットワークLink」は、ネットワークが接続しているかどうかを示す。「ネットワークAct」は、ネットワークにデータが流れているかどうかを示す。「HDDアクセス」は、HDDへのアクセスを示す。「HDDFault」は、HDDの故障等のエラーを示す。「部品Fault」は、CPU、メモリ、ファン、PCIカード等の部品の故障等のエラーを示す。「保守」は、部品の故障及び故障予兆検知を示す。「CSS」は、ユーザ自身で交換可能な部品の故障及び故障予兆検知を示す。「電源ユニット」は、電源供給ユニットが正常であるか異常であるかを示す。「ID」は、機器識別のためのLEDである。機器識別のためのLEDは、保守で部品交換等をする際に、対象であることをわかりやすくするために点灯させるLEDである。
図4(b)に示すように、撮像画像42aは、各LEDの点灯状態を示す。なお、図4(b)は白黒画像で示しているが、実際の画像はカラー画像である。図4(b)において模様の違いは色の違いを示す。また、実際の画像では、輝度の違いも表される。なお、図4(b)はカラー画像の例を説明するが、色変化判定が不要であれば白黒画像で処理してもよい。
次に、LED監視装置2の機能構成について説明する。図6は、LED監視装置2の機能構成を示す図である。図6に示すように、LED監視装置2は、LED監視に使用されるデータを記憶する記憶部4と、記憶部4が記憶するデータを用いてLED監視を行う制御部5を有する。
記憶部4は、カメラユニット監視リスト41の情報と、監視画像42と、正常時画像43と、マスク画像44と、LED画像45と、LED対応表46の情報と、監視設定テーブル47の情報と、ログ48と、LED状態表49の情報と、画像毎記録表4aの情報とを記憶する。また、記憶部4は、閾値表4bの情報と、一括監視テーブル4cの情報と、テーブル作成対象リスト4dの情報とを記憶する。制御部5は、画像取得部51と、LED画像抽出部52と、点灯判定部53と、状態判定部54と、通信部55と、テーブル作成部56と、一括監視部57と、正常時画像作成部58とを有する。
カメラユニット監視リスト41は、カメラユニット34のリストである。監視対象機器31を搭載するラック3が増設又は減設されると、カメラユニット34も増設又は減設され、カメラユニット監視リスト41が更新される。
監視画像42は、LED監視時にカメラユニット34から送信された画像である。正常時画像43は、全ての監視対象機器31が正常である場合に、カメラユニット34から送信された動画像からマスク画像44の対応するLED領域毎に輝度が最大となるフレームの画像を切り出し合成した画像である。そのため、正常時画像43は、点滅するLEDが点灯したタイミングの画像となっている。
マスク画像44は、カメラユニット34から送信された画像からLED領域を抽出するために用いられる画像である。図7は、マスク画像44を説明するための図である。図7に示すように、マスク画像44は、LED領域が「1」、LED領域以外は「0」の2値化画像である。図7では、白の部分がLED領域であり、黒の部分がLED領域以外の領域である。マスク画像44は、カメラユニット34毎に記憶される。
また、マスク画像44のLED領域には、番号が対応付けられる。図7では、左から1列目の10個のLED領域が上から順に0〜9に対応付けられ、左から2列目の10個のLED領域が上から順に10〜19に対応付けられ、左から10列目の10個のLED領域が上から順に90〜99に対応付けられる。
図8は、マスク画像44の作成方法を説明するための図である。図8に示すように、出力端設置板32の穴36aから照明光を入射し、カメラ33で出力端設置板32を撮像し、撮像画像を輝度で2値化処理することによってマスク画像44が作成される。
図6に戻って、LED画像45は、マスク画像44を用いて監視画像42又は正常時画像43からLED領域が抽出された画像である。LED対応表46は、LED領域の位置とLEDを識別する識別子とを対応付けるテーブルである。図9は、LED対応表46の一例を示す図である。図9に示すように、LED対応表46は、マスク画像44のLED領域の番号とLEDを識別するLED IDとを対応付けたテーブルである。例えば、マスク画像44の番号が0であるLED領域は、01Aで識別されるLEDに対応付けられる。
監視設定テーブル47は、LEDの監視に関する情報をLED毎に示すテーブルである。図10は、監視設定テーブル47の一例を示す図である。図10に示すように、監視設定テーブル47は、LED IDと、監視要否と、正常時の点灯状態と、対象機器と、対象機能とを対応付けるテーブルである。
監視要否は、監視を行うか否かを示す。監視要否は、監視を行う場合には「Y」であり、監視を行わない場合には「N」である。正常時の点灯状態は、監視対象機器31が正常である場合のLEDの点灯状態を示す。正常時の点灯状態は、正常時にLEDが点灯する場合には「点灯」であり、正常時にLEDが消灯する場合には「消灯」であり、正常時にLEDが点滅する場合には「点滅」であり、LEDが監視されない場合は「N」である。対象機器は、LEDが取り付けられた監視対象機器31を示す。対象機能は、LEDの示す機能である。「N」は監視されないことを示す。
例えば、「01A」で識別されるLEDは、監視対象であり、正常時は点灯しており、「機器A」に取り付けられており、電源がONであるかOFFであるかを示す。
ログ48は、カメラユニット34毎に、監視結果が正常であるか異常であるかが記録された情報である。LED状態表49は、LED毎に、対応する監視対象機器31が正常であるか異常であるかを示すテーブルである。画像毎記録表4aは、監視画像42毎に、判定対象のLEDの点灯状態、色変化状態、平均輝度又は正常時画像43との平均輝度の差の絶対値を一時的に記録するテーブルである。また、画像毎記録表4aは、正常時画像43毎に、判定対象のLEDの点灯状態又は平均輝度を一時的に記録する。
閾値表4bは、LEDの点灯状態を判定する際に用いられる閾値を示すテーブルである。閾値表4bには、平均輝度の閾値である閾値Aと、平均色相の閾値である閾値Bと、最大輝度と最小輝度の差の閾値である閾値Cとが含まれる。
一括監視テーブル4cは、複数のLEDを組み合わせた監視に用いられるテーブルである。図11は、一括監視テーブル4cの一例を示す図である。図11に示すように、一括監視テーブル4cは、複数のLEDの点灯状態の組合せとエラーとを対応付ける。例えば、「*A」で識別される全てのLEDが消灯した場合には、ラック3への電源供給異常である。ここで、「*」は、「01」、「11」、「02」等のいずれでもよいことを表す。
テーブル作成対象リスト4dは、監視設定テーブル47の作成対象のカメラユニット34のリストである。
画像取得部51は、カメラユニット34からスイッチングハブ37経由で画像を取得し、監視画像42として記憶部4に格納する。画像取得部51は、例えば、10FPS(Frame Per Second)で30枚の画像を取得する。
LED画像抽出部52は、マスク画像44を用いて監視画像42又は正常時画像43からLED領域の画像を抽出し、LED画像45として記憶部4に格納する。
点灯判定部53は、LED画像45に含まれるLED領域の画像に基づいてLEDの点灯状態を判定する。点灯判定部53は、監視画像42に関しては、LEDの輝度、色相からLEDが、点灯しているか、消灯しているか、点滅しているか、色変化しているか、又は、点滅色変化しているかを判定する。また、点灯判定部53は、正常時画像43に関しては、LEDの輝度からLEDが、点灯しているか、消灯しているか、又は、点滅しているかを判定する。
監視画像42に関しては、点灯判定部53は、1枚のLED画像45において、輝度が閾値以上の場合は点灯と判定し、閾値より小さい場合は消灯と判定する。そして、点灯判定部53は、点灯と判定したLEDのうち、正常時画像43との色相の差分が閾値以上の場合、色変化と判定する。また、点灯判定部53は、連続するLED画像45において、点灯状態や輝度に変化がある場合、LEDの点灯状態を点滅と判定する。そして、点灯判定部53は、点滅と判定したLEDのうち、正常時画像43との色相の差分が閾値以上の場合、点滅色変化と判定する。
状態判定部54は、監視画像42に関して、点灯判定部53による点灯状態の判定結果と監視設定テーブル47の正常時の点灯状態とに基づいてLEDが正常時の点灯状態であるか異常時の点灯状態であるかを判定する。そして、状態判定部54は、LEDが異常時の点灯状態である場合に、データセンタの監視等を行う上位システムにLEDに対応する監視対象機器31の異常を通信部55を介して通知する。
また、状態判定部54は、LEDが異常時の点灯状態である場合に、表示装置に異常を表示する。図12は、異常表示の一例を示す図である。図12に示すように、状態判定部54は、監視者がわかりやすいように、正常時画像43を左側に、リアルタイム画像である監視画像42を右側に並べて表示するとともに、監視対象機器31の機器名及びLEDの機能名を表示する。
また、状態判定部54は、異常時の状態と判定したLEDの位置を矩形59で示す。図12では、機器名が「機器L」で機能名が「その他」であるLEDの位置が矩形59で示されている。なお、実際の画面では、矩形59は赤で表示される。また、状態判定部54は、異常時の状態と判定したLEDの正常時の点灯状態と、現在の点灯状態をテキストで表示する。図12では、「正常時,機器Lの保守LEDは消灯です.」及び「異常発生(カメラユニットA).機器Lの保守LEDが点灯しています.部品A異常です.」が状態判定部54により表示される。
通信部55は、上位システムとの通信を行う。例えば、通信部55は、上位システムにアラームを通知する。あるいは、通信部55は、上位システムから指示を受け取る。
テーブル作成部56は、LED監視システム1の運用開始時あるいは監視対象機器31の増設又は減設時に監視設定テーブル47を自動作成する。テーブル作成部56は、正常時画像43を用いて正常時のLEDの点灯状態を判定し、監視設定テーブル47に正常時のLEDの点灯状態を登録する。
一括監視部57は、一括監視テーブル4cを用いて複数のLEDを一括監視することで、ラック3への電源供給異常、ネットワーク異常等のデータセンタのインフラ機器の異常を検知し、上位システムにアラームを通知する。
図13は、複数の監視対象機器31のLEDの一括監視の例を示す図である。図13(a)に示すように、LEDの撮像画像では、縦1列の半分が1台の監視対象機器31のLEDの並びを示し、撮像画像全体は20台の監視対象機器31のLEDの点灯状態を示す。また、図13(b)に示すように、LEDの撮像画像では、横1列が同一の機能のLEDの並びを示す。上から横1列目及び上から横6列目の並びが電源LEDの並びであり、上から横5列目及び上から横10列目の並びがネットワークLinkLEDの並びである。このように、一括監視の対象機能を示すLEDは撮像画像において横1列に表示されるため、監視者はインフラ機器の異常を簡単に把握することができる。
正常時画像作成部58は、全ての監視対象機器31が正常である場合に、連続するLED画像45からLED領域毎に輝度が最大となるものを切り出し合成した画像を作成し、正常時画像43として記憶部4に格納する。このため、正常時画像43は、点滅するLEDが点灯したタイミングの画像となっている。
次に、LED監視システム1による監視動作のフローについて説明する。図14は、LED監視システム1による監視動作のフローを示すフローチャートである。図14に示すように、LED監視システム1は、監視対象をカメラユニット監視リスト41の最初のカメラユニット34に設定する(ステップS1)。
そして、LED監視システム1は、1台のカメラユニット34に対する監視動作である監視処理を行う(ステップS2)。そして、LED監視システム1は、1台のカメラユニット34に対する監視結果が正常か異常かを判定し(ステップS3)、異常である場合には、上位システムにアラーム通知を行うとともに、表示装置に異常を表示する(ステップS4)。
そして、LED監視システム1は、カメラユニット34の監視結果をログ48に記録し(ステップS5)、監視終了がセットされたか否かを判定する(ステップS6)。ここで、監視終了は上位システムによりセットされる。
そして、LED監視システム1は、監視終了がセットされた場合には、監視動作を終了し、監視終了がセットされていない場合には、監視対象をカメラユニット監視リスト41の次のカメラユニット34に変更し(ステップS7)、ステップS2に戻る。
このように、LED監視システム1は、カメラユニット監視リスト41を用いて監視対象を変更することで、各カメラユニット34により撮像された画像を順番に処理することができる。
次に、監視処理のフローについて説明する。図15は、監視処理のフローを示すフローチャートである。図15に示すように、画像取得部51が、監視対象のカメラユニット34から動画を取得する(ステップS11)。画像取得部51は、例えば、10FPSで30枚の画像すなわち3秒間の動画を取得する。
そして、制御部5は、LED IDが01AのLEDを点灯状態の判定対象に選定し(ステップS12)、判定対象は監視設定テーブル47で監視要否が「Y」に設定されているか否かを判定する(ステップS13)。その結果、監視要否が「Y」に設定されていない場合には、制御部5は、判定対象を次のLEDへ変更し(ステップS14)、ステップS13に戻る。
一方、監視要否が「Y」に設定されている場合には、判定対象の点灯状態を判定する第1の点灯判定処理を点灯判定部53が行い(ステップS15)、判定対象が正常時の状態か異常時の状態かを判定する状態判定処理を状態判定部54が行う(ステップS16)。そして、状態判定部54は判定対象の判定結果をLED状態表49に記憶し(ステップS17)、制御部5はマスク画像44のLED領域に対応する全LEDを判定対象にしたか否かを判定する(ステップS18)。その結果、判定対象にしていないLEDがある場合には、制御部5は判定対象を次のLEDへ変更し(ステップS19)、ステップS13に戻る。
一方、マスク画像44のLED領域に対応する全LEDを判定対象にした場合には、制御部5は、異常と判定されたLEDが0個か否かを判定し(ステップS20)、0個の場合には、正常と判定し(ステップS21)、0個でない場合には、異常と判定する(ステップS22)。
このように、点灯判定部53が判定対象のLEDの点灯状態を判定し、状態判定部54が判定対象のLEDが正常時の状態であるか否かを判定することによって、LED監視装置2は、各LEDに対応する監視対象機器31を監視することができる。
次に、状態判定処理のフローについて説明する。図16は、状態判定処理のフローを示すフローチャートである。図16に示すように、状態判定部54は、判定対象のLEDについて監視設定テーブル47より正常時の点灯状態を読み込み(ステップS31)、点灯判定部53による点灯状態の判定結果と正常時の点灯状態が等しいか否かを判定する(ステップS32)。
その結果、状態判定部54は、点灯状態の判定結果と正常時の点灯状態が等しい場合には、正常と判定し(ステップS33)、点灯状態の判定結果と正常時の点灯状態が等しくない場合には、異常と判定する(ステップS34)。
図17は、正常と判定される場合を示す図である。図17に示すように、正常時の状態が「点灯」であり、点灯状態の判定結果も「点灯」である場合には、状態判定部54は正常と判定する。また、正常時の状態が「消灯」であり、点灯状態の判定結果も「消灯」である場合には、状態判定部54は正常と判定する。また、正常時の状態が「点滅」であり、点灯状態の判定結果も「点滅」である場合には、状態判定部54は正常と判定する。
図18は、異常と判定される場合を示す図である。図18に示すように、正常時の状態が「点灯」であり、点灯状態の判定結果が「色変化」、「消灯」又は「点滅」である場合には、状態判定部54は異常と判定する。また、正常時の状態が「消灯」であり、点灯状態の判定結果が「点灯」又は「点滅」である場合には、状態判定部54は異常と判定する。また、正常時の状態が「点滅」であり、点灯状態の判定結果が「点灯」、「消灯」又は「点滅色変化」である場合には、状態判定部54は異常と判定する。なお、正常時の状態が「消灯」である場合には、色相情報が不明確であるため、色変化は判定されない。
このように、状態判定部54は、点灯判定部53による点灯状態の判定結果と正常時の点灯状態を比較することによって、判定対象のLEDが正常時の状態にあるか異常時の状態にあるかを判定することができる。
次に、第1の点灯判定処理のフローについて説明する。図19は、第1の点灯判定処理のフローを示すフローチャートである。図19に示すように、点灯判定部53は、輝度の閾値比較により判定対象のLEDの点灯状態を判定する輝度比較処理を行う(ステップS41)。そして、点灯判定部53は、輝度比較処理の判定結果を判定し(ステップS42)、判定結果が点滅である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定し(ステップS43)、ステップS54へ移動する。一方、判定結果が消灯である場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を消灯と判定する(ステップS44)。
これに対して、輝度比較処理の結果が点灯である場合には、点灯判定部53は、監視設定テーブル47の正常時の点灯状態を判定する(ステップS45)。そして、点灯である場合には、点灯判定部53は、正常時の画像との色相を比較して色変化を判定する色変化判定処理を行う(ステップS46)。そして、点灯判定部53は、色変化判定処理の判定結果を判定し(ステップS47)、色変化の判定結果が点灯である場合には、ステップS50に移動する。また、点灯判定部53は、色変化の判定結果が色変化である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を色変化と判定し(ステップS48)、判定対象のLEDの点灯状態を色変化の判定結果が点滅である場合には、点滅と判定する(ステップS49)。
一方、監視設定テーブル47の正常時の点灯状態が点滅又は消灯である場合には、点灯判定部53は、輝度変化により点滅を判定する点滅判定処理を行う(ステップS50)。そして、点灯判定部53は、点滅判定処理による判定結果を判定し(ステップS51)、判定結果が点灯である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点灯と判定する(ステップS53)。
一方、点灯判定部53は、判定結果が点滅である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定する(ステップS52)。そして、点灯判定部53は、監視設定テーブル47の正常時の点灯状態を判定し(ステップS54)、点灯又は消灯である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定する(ステップS58)。一方、監視設定テーブル47の正常時の点灯状態が点滅である場合には、点灯判定部53は、点滅色が変化しているかを判定する点滅色変化判定処理を行い(ステップS55)、点滅色変化判定処理の判定結果を判定する(ステップS56)。そして、点灯判定部53は、点滅色変化判定処理の判定結果が、点滅色変化である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点滅色変化と判定し(ステップS57)、点滅である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定する(ステップS58)。
このように、点灯判定部53は、LEDの画像の輝度及び色相を用いて、判定対象のLEDの点灯状態を点灯、消灯、点滅、色変化又は点滅色変化と判定する。
次に、輝度比較処理のフローについて説明する。図20は、輝度比較処理のフローを示すフローチャートである。図20に示すように、点灯判定部53は、1枚目の撮像画像を処理対象に選定する(ステップS61)。
そして、点灯判定部53は、判定対象のLED領域の平均輝度を算出し(ステップS62)、平均輝度が閾値A以上であるか否かを判定する(ステップS63)。その結果、点灯判定部53は、平均輝度が閾値A以上である場合には、点灯と判定し(ステップS64)、平均輝度が閾値A以上でない場合には、消灯と判定する(ステップS65)。
そして、点灯判定部53は、判定結果を画像毎記録表4aに記憶し(ステップS66)、撮像した全ての画像を処理したか否かを判定する(ステップS67)。その結果、処理していない画像がある場合には、点灯判定部53は、次の撮像画像を処理対象に選定し(ステップS68)、ステップS62に戻る。
一方、撮像した全ての画像を処理した場合には、点灯判定部53は、全ての判定結果が点灯であるか否かを画像毎記録表4aを用いて判定する(ステップS69)。その結果、全ての判定結果が点灯である場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を点灯と判定する(ステップS70)。一方、点灯以外の判定結果がある場合には、点灯判定部53は、全ての判定結果が消灯であるか否かを画像毎記録表4aを用いて判定し(ステップS71)、全ての判定結果が消灯である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を消灯と判定する(ステップS72)。一方、消灯以外の判定結果がある場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定する(ステップS73)。
このように、点灯判定部53は、複数枚の撮像画像を用いて判定対象のLEDの領域の輝度の平均値を閾値Aと比較することによって、判定対象のLEDの点灯状態を判定することができる。
次に、色変化判定処理のフローについて説明する。図21は、色変化判定処理のフローを示すフローチャートである。図21に示すように、点灯判定部53は、判定対象の正常時画像43における平均色相HOKを算出し(ステップS81)、1枚目の撮像画像を処理対象に選定する(ステップS82)。
そして、点灯判定部53は、判定対象のLED領域の平均色相Hiを算出し(ステップS83)、HOKとHiの差の絶対値が閾値B以上であるか否かを判定する(ステップS84)。その結果、点灯判定部53は、HOKとHiの差の絶対値が閾値B以上である場合には、色変化あり判定し(ステップS85)、HOKとHiの差の絶対値が閾値B以上でない場合には、色変化なしと判定する(ステップS86)。
そして、点灯判定部53は、判定結果を画像毎記録表4aに記憶し(ステップS87)、撮像した全ての画像を処理したか否かを判定する(ステップS88)。その結果、処理していない画像がある場合には、点灯判定部53は、次の撮像画像を処理対象に選定し(ステップS89)、ステップS83に戻る。
一方、撮像した全ての画像を処理した場合には、点灯判定部53は、全ての判定結果が色変化ありであるか否かを画像毎記録表4aを用いて判定する(ステップS90)。その結果、全ての判定結果が色変化ありである場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を色変化と判定する(ステップS91)。一方、色変化あり以外の判定結果がある場合には、点灯判定部53は、全ての判定結果が色変化なしであるか否かを画像毎記録表4aを用いて判定する(ステップS92)。その結果、全ての判定結果が色変化なしである場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を点灯と判定する(ステップS93)。一方、色変化なし以外の判定結果がある場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定する(ステップS94)。その理由は、点滅しているLEDの場合、色が変化して見える場合もあるためである。
このように、点灯判定部53は、複数枚の撮像画像を用いて判定対象のLEDの領域の平均色相と正常時画像43の平均色相との差の絶対値を閾値Bと比較することによって、判定対象のLEDの色変化の状態を判定することができる。
次に、点滅判定処理のフローについて説明する。図22は、点滅判定処理のフローを示すフローチャートである。図22に示すように、点灯判定部53は、1枚目の撮像画像を処理対象に選定する(ステップS101)。
そして、点灯判定部53は、判定対象のLED領域の平均輝度を算出し、画像毎記録表4aに記憶する(ステップS102)。なお、平均輝度は、輝度比較処理において、画像毎記録表4aに記憶させてもよい。
そして、点灯判定部53は、撮像した全ての画像を処理したか否かを判定し(ステップS103)、処理していない画像がある場合には、次の撮像画像を処理対象に選定し(ステップS104)、ステップS102に戻る。
一方、撮像した全ての画像を処理した場合には、点灯判定部53は、画像毎記録表4aに撮像画像毎に記憶した平均輝度を用いて、最大輝度GMAXと最小輝度GMINを算出する(ステップS105)。そして、点灯判定部53は、GMAXとGMINの差が閾値C以上であるか否かを判定し(ステップS106)、閾値C以上である場合には、判定対象のLEDを点滅と判定する(ステップS107)。一方、閾値C以上でない場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDを点灯と判定する(ステップS108)。
このように、点灯判定部53は、LED領域の輝度の最大値と最小値を複数枚の撮像画像から算出し、最大値と最小値の差と閾値Cとを比較することによって、判定対象のLEDが点滅しているか否かを判定することができる。
なお、図14では、LED監視システム1による監視動作のフローについて説明したが、ラック3内の監視対象機器31あるいはラック3は増設されたり、減設されたりする。そこで、増減設に対応した監視動作のフローについて説明する。図23は、増減設に対応した監視動作のフローを示すフローチャートである。
図23に示すように、LED監視システム1は、テーブル作成対象リスト4dにカメラユニット監視リスト41に登録されている全カメラユニット34を設定し(ステップS111)、監視設定テーブル47を自動作成するテーブル自動作成処理を行う(ステップS112)。そして、監視対象をカメラユニット監視リスト41の最初のカメラユニット34に設定する(ステップS113)。
そして、LED監視システム1は、監視処理を行い(ステップS114)、1台のカメラユニット34に対する監視結果が正常か異常かを判定する(ステップS115)。その結果、異常である場合には、LED監視システム1は、上位システムにアラーム通知を行い、表示装置に異常を表示する(ステップS116)。
そして、LED監視システム1は、カメラユニット34の監視結果をログ48に記録し(ステップS117)、監視終了がセットされたか否かを判定する(ステップS118)。その結果、監視終了がセットされた場合には、LED監視システム1は、監視動作を終了する。
一方、監視終了がセットされていない場合には、LED監視システム1は、テーブル作成対象リスト4dをクリアし(ステップS119)、ラック3(カメラユニット34)の増設があったか否かを判定する(ステップS120)。その結果、ラック3の増設があった場合には、LED監視システム1は、カメラユニット監視リスト41とテーブル作成対象リスト4dに増設されたカメラユニット34を追加する(ステップS121)。
そして、LED監視システム1は、ラック3(カメラユニット34)の減設があったか否かを判定する(ステップS122)。その結果、ラック3の減設があった場合には、LED監視システム1は、カメラユニット監視リスト41から減設されたカメラユニット34を削除する(ステップS123)。
そして、LED監視システム1は、既設のカメラユニット34の監視対象機器31に増設又は減設があったか否かを判定する(ステップS124)。その結果、増設又は減設があった場合には、LED監視システム1は、テーブル作成対象リスト4dに増設又は減設があったカメラユニット34を追加する(ステップS125)。
そして、LED監視システム1は、テーブル作成対象リスト4dに1台以上カメラユニット34が登録されているか否かを判定し(ステップS126)、1台以上カメラユニット34が登録されている場合には、テーブル自動作成処理を行う(ステップS127)。そして、LED監視システム1は、監視対象をカメラユニット監視リスト41の次のカメラユニット34に変更し(ステップS128)、ステップS114に戻る。
このように、LED監視システム1は、運用開始時あるいは増減設に対応して監視設定テーブル47を自動作成することで、監視設定テーブル47を手動で作成する負担をなくすことができる。
次に、テーブル自動作成処理のフローについて説明する。図24は、テーブル自動作成処理のフローを示すフローチャートである。図24に示すように、制御部5は、自動作成対象をテーブル作成対象リスト4d内の最初のカメラユニット34に設定する(ステップS131)。
そして、テーブル作成部56が、1個のカメラユニット34に対して監視設定テーブル47を作成する自動作成処理を行う(ステップS132)。そして、制御部5は、テーブル作成対象リスト4d内の全カメラユニット34の監視設定テーブル47を作成したか否かを判定し(ステップS133)、作成した場合には、処理を終了する。一方、テーブル作成対象リスト4d内に監視設定テーブル47を作成していないカメラユニット34がある場合には、制御部5は、自動作成対象をテーブル作成対象リスト4d内の次のカメラユニット34に変更し(ステップS134)、ステップS132に戻る。
このように、LED監視システム1は、テーブル作成対象リスト4dを用いて新規作成又は更新の必要な監視設定テーブル47を自動作成することができる。
次に、自動作成処理のフローについて説明する。図25は、自動作成処理のフローを示すフローチャートである。図25に示すように、画像取得部51が、監視対象のカメラユニット34から正常時の動画を取得する(ステップS141)。画像取得部51は、例えば、10FPSで30枚の画像すなわち3秒間の動画を取得する。
そして、テーブル作成部56はLED IDが01AのLEDを点灯状態の判定対象に選定し(ステップS142)、点灯判定部53が判定対象の正常時の点灯状態を判定する第2の点灯判定処理を行う(ステップS143)。
そして、テーブル作成部56は、判定対象の点灯状態を正常時の点灯状態として監視設定テーブル47に記憶し(ステップS144)、監視要否を「Y」として監視設定テーブル47に記憶する(ステップS145)。
そして、テーブル作成部56は、マスク画像44のLED領域に対応する全LEDを判定対象にしたか否かを判定する(ステップS146)。その結果、判定対象にしていないLEDがある場合には、テーブル作成部56は、判定対象を次のLEDへ変更し(ステップS147)、ステップS143に戻る。一方、判定対象にしていないLEDがない場合には、テーブル作成部56は、正常時画像43を作成する正常時画像作成処理を行い(ステップS148)、処理を終了する。
このように、テーブル作成部56は、正常時の画像を用いてLEDの点灯状態を点灯判定部53に判定させ、判定結果を監視設定テーブル47に記憶することで、監視設定テーブル47を自動作成することができる。
次に、第2の点灯判定処理のフローについて説明する。図26は、第2の点灯判定処理のフローを示すフローチャートである。図26に示すように、点灯判定部53は、輝度比較処理を行う(ステップS151)。そして、点灯判定部53は、輝度比較処理の判定結果を判定し(ステップS152)、判定結果が点滅である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定する(ステップS153)。一方、判定結果が消灯である場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を消灯と判定する(ステップS154)。
これに対して、輝度比較処理の結果が点灯である場合には、点灯判定部53は、点滅判定処理を行う(ステップS155)。そして、点灯判定部53は、点滅判定処理による判定結果を判定し(ステップS156)、判定結果が点滅である場合には、判定対象のLEDの点灯状態を点滅と判定する(ステップS157)。一方、判定結果が点灯である場合には、点灯判定部53は、判定対象のLEDの点灯状態を点灯と判定する(ステップS158)。
このように、点灯判定部53は、正常時のLEDの画像の輝度を用いて、判定対象のLEDの正常時の点灯状態を点灯、消灯又は点滅と判定する。
なお、図14では、LED監視システム1による監視動作のフローについて説明したが、図14のフローには、一括監視は含まれない。そこで、一括監視に対応した監視動作のフローについて説明する。図27は、一括監視に対応した監視動作のフローを示すフローチャートである。図27に示すように、LED監視システム1は、監視対象をカメラユニット監視リスト41の最初のカメラユニット34に設定する(ステップS161)。
そして、LED監視システム1は、監視処理を行い(ステップS162)、1台のカメラユニット34に対する監視結果が正常か異常かを判定する(ステップS163)。そして、LED監視システム1は、異常である場合には、上位システムにアラーム通知を行うとともに、表示装置に異常を表示する(ステップS164)。
そして、LED監視システム1は、カメラユニット34の監視結果をログ48に記録し(ステップS165)、1台のカメラユニット34に対して複数のLEDの状態の組合せに関する監視である一括監視処理を行う(ステップS166)。そして、LED監視システム1は、監視終了がセットされたか否かを判定する(ステップS167)。
その結果、LED監視システム1は、監視終了がセットされた場合には、監視動作を終了し、監視終了がセットされていない場合には、監視対象をカメラユニット監視リスト41の次のカメラユニット34に変更し(ステップS168)、ステップS162に戻る。
このように、LED監視システム1は、各カメラユニット34に対して一括監視を行うことで、電源機器、ネットワーク機器などのインフラ機器を監視するコストを削減することができる。
次に、一括監視処理のフローについて説明する。図28は、一括監視処理のフローを示すフローチャートである。図28に示すように、一括監視部57は、一括監視テーブル4cの1行目を読み込み(ステップS171)、一括監視テーブル4cの点灯状態の組合せと該当するLEDの点灯状態の判定結果が一致するか否かを判定する(ステップS172)。
その結果、一括監視部57は、一致する場合には、異常と判定し、上位システムにアラーム通知を行い(ステップS173)、一致しない場合には、正常と判定する(ステップS174)。
そして、一括監視部57は、判定結果をログ48に記録し(ステップS175)、一括監視テーブル4cを全行読み込んだか否かを判定する(ステップS176)。その結果、一括監視部57は、読み込んでいない行がある場合には、一括監視テーブル4cの次の行を読み込み(ステップS177)、ステップS172に戻り、全行読み込んだ場合には、処理を終了する。
このように、一括監視部57が一括監視テーブル4cを用いて複数のLEDを一括して監視することで、LED監視装置2は、ラック3への電源供給異常、ネットワーク異常等、データセンタのインフラの異常を検知することができる。
次に、点滅色変化判定処理のフローについて説明する。図29は、点滅色変化判定処理のフローを示すフローチャートである。図29に示すように、点灯判定部53は、判定対象の正常時画像43における平均色相HOKと平均輝度GOKを算出し(ステップS181)、1枚目の撮像画像を処理対象に選定する(ステップS182)。
そして、点灯判定部53は、判定対象のLED領域の平均輝度Giを算出し(ステップS183)、Giが閾値A以上であるか否かを判定する(ステップS184)。その結果、Giが閾値A以上である場合には、点灯判定部53は、GOKとGiの差の絶対値を画像毎記録表4aに記憶する(ステップS185)。そして、点灯判定部53は、撮像した全ての画像を処理したか否かを判定し(ステップS186)、処理していない画像がある場合には、次の撮像画像を処理対象に選定し(ステップS187)、ステップS183に戻る。
一方、撮像した全ての画像を処理した場合には、点灯判定部53は、GOKとGiの差の絶対値を画像毎記録表4aに記憶できたか否かを判定し(ステップS188)、記憶できなかった場合には、点滅と判定する(ステップS192)。
一方、GOKとGiの差の絶対値を画像毎記録表4aに記憶できた場合には、点灯判定部53は、GOKとGiの差の絶対値が最小となった撮像画像のLED領域の平均色相HMINを算出し(ステップS189)、HOKとHMINの差の絶対値が閾値B以上であるか否かを判定する(ステップS190)。その結果、点灯判定部53は、HOKとHMINの差の絶対値が閾値B以上である場合には、点滅色変化と判定し(ステップS191)、HOKとHMINの差の絶対値が閾値B以上でない場合には、点滅と判定する(ステップS192)。
このように、点灯判定部53は、Giが閾値A以上でGOKとGiの差の絶対値が最小の撮像画像の平均色相HMINと正常時画像43の平均色相HOKとの差の絶対値を閾値Bと比較することによって、判定対象のLEDの点滅色変化を判定することができる。
次に、正常時画像作成処理のフローについて説明する。図30は、正常時画像作成処理のフローを示すフローチャートである。画像取得部51が、監視対象のカメラユニット34から正常時の動画像を取得する(ステップS201)。画像取得部51は、例えば、10FPSで30枚の画像すなわち3秒間の動画を取得する。
そして、正常時画像作成部58が、正常時画像43を初期化する(ステップS202)。具体的には、正常時画像作成部58は、正常時画像43の全画素を0にする。そして、正常時画像作成部58は、LED IDが01AのLEDを処理対象に選定する(ステップS203)。
そして、正常時画像作成部58は、1枚目の撮像画像を処理対象に選定し(ステップS204)、処理対象のLED領域の平均輝度を算出し、画像毎記録表4aに記憶する(ステップS205)。そして、正常時画像作成部58は、撮像した全ての画像を処理したか否かを判定し(ステップS206)、処理していない画像がある場合には、次の撮像画像を処理対象に選定し(ステップS207)、ステップS205に戻る。
一方、撮像した全ての画像を処理した場合には、正常時画像作成部58は、平均輝度が最大のLED領域の画素値を正常時画像43にコピーし(ステップS208)、マスク画像44のLED領域に対応する全LEDを処理対象にしたか否かを判定する(ステップS209)。その結果、正常時画像作成部58は、処理対象にしていないLEDがある場合には、処理対象LEDを次のLEDへ変更し(ステップS210)、ステップS204に戻り、マスク画像44のLED領域に対応する全LEDを処理対象にした場合には、正常時画像作成処理を終了する。
このように、正常時画像作成部58は、監視対象のカメラユニット34から正常時の動画像を取得することによって、正常時画像43を作成することができる。
上述してきたように、実施例では、監視設定テーブル47に監視対象機器31の正常時のLEDの点灯状態をLED毎に記憶する。そして、点灯判定部53がLEDの監視画像42から各LEDの点灯状態を判定し、状態判定部54が点灯判定部53により判定された各LEDの点灯状態と監視設定テーブル47に基づいて監視対象機器31が正常であるか否かを判定する。したがって、LED監視装置2は、異常時のLED点灯状態の情報を用いることなく、監視対象機器31が正常であるか否かを判定することができ、異常時のLED点灯状態の情報を作成する作業を不要とすることができる。
また、実施例では、テーブル作成部56が、監視対象機器31が正常であるときのLEDの画像を用いて、監視設定テーブル47を自動作成する。したがって、LED監視装置2は、監視設定テーブル47を作成する作業を不要とすることができる。また、テーブル作成部56は、ラック3内の監視対象機器31あるいはラック3が増設又は減設されると、監視設定テーブル47を自動作成する。したがって、LED監視装置2は、監視対象機器31あるいはラック3の増設又は減設に簡単に対応することができる。
また、実施例では、一括監視テーブル4cにより、複数のLEDの点灯状態の組合せと異常とを対応付け、一括監視部57が、一括監視テーブル4cを用いて異常を検知する。したがって、LED監視装置2は、ラック3への電源供給異常、ネットワーク異常等、データセンタのインフラの異常を検知することができる。
また、実施例では、状態判定部54は、異常な監視対象機器31がある場合に、複数の監視対象機器31において電源、ネットワーク等の機能が同一であるLEDを同一の行に表示する。したがって、監視者は、特定の機能に異常があることを簡単に把握することができる。
また、実施例では、点灯判定部53は、LEDの輝度に基づいてLEDが点灯していると判定した場合に、監視設定テーブル47を参照して正常時の点灯状態が点灯であれば、LEDの色相に基づいて点灯状態を色変化、点滅又は点灯と判定する。一方、点灯判定部53は、LEDの輝度に基づいてLEDが点滅していると判定した場合には、監視設定テーブル47を参照して正常時の点灯状態が点滅であれば、LEDの色相に基づいて点灯状態を点滅色変化又は点滅と判定する。したがって、点灯判定部53は、LEDの点灯状態を正確に判定することができる。
なお、実施例では、LED監視装置2について説明したが、LED監視装置2が有する構成をソフトウェアによって実現することで、同様の機能を有するLED監視プログラムを得ることができる。そこで、LED監視プログラムを実行するコンピュータについて説明する。
図31は、実施例に係るLED監視プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。図31に示すように、コンピュータ60は、メインメモリ61と、CPU62と、LANインタフェース63と、HDD64とを有する。また、コンピュータ60は、スーパーIO(Input Output)65と、DVI(Digital Visual Interface)66と、ODD(Optical Disk Drive)67とを有する。
メインメモリ61は、プログラムやプログラムの実行途中結果などを記憶するメモリである。CPU62は、メインメモリ61からプログラムを読出して実行する中央処理装置である。CPU62は、メモリコントローラを有するチップセットを含む。
LANインタフェース63は、コンピュータ60をLAN経由で他のコンピュータに接続するためのインタフェースである。HDD64は、プログラムやデータを格納するディスク装置であり、スーパーIO65は、マウスやキーボードなどの入力装置を接続するためのインタフェースである。DVI66は、液晶表示装置を接続するインタフェースであり、ODD67は、DVDなどの可搬記憶媒体の読み書きを行う装置である。
LANインタフェース63は、PCIエクスプレス(PCIe)によりCPU62に接続され、HDD64及びODD67は、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)によりCPU62に接続される。スーパーIO65は、LPC(Low Pin Count)によりCPU62に接続される。
そして、コンピュータ60において実行されるLED監視プログラムは、可搬記憶媒体に記憶され、ODD67によって可搬記憶媒体から読出されてコンピュータ60にインストールされる。あるいは、LED監視プログラムは、LANインタフェース63を介して接続された他のコンピュータシステムのデータベースなどに記憶され、これらのデータベースから読出されてコンピュータ60にインストールされる。そして、インストールされたLED監視プログラムは、HDD64に記憶され、メインメモリ61に読み出されてCPU62によって実行される。