JP6637671B2 - 有機性廃棄物の処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機性廃棄物の処理方法及び処理装置に関し、特に、有機性廃棄物に対して嫌気性処理を施す有機性廃棄物の処理方法及び処理装置に関する。
従来、有機性廃棄物を無害化する方法として活性汚泥法等の好気性処理が用いられていたが、好気性処理は曝気等を行うためにエネルギー消費量が多く、また、汚泥発生量が多い。そこで、近年ではエネルギー消費量が少なく、汚泥発生量も少ない嫌気性処理が用いられるようになってきている。
しかしながら、嫌気性処理は好気性処理と比較すると処理速度が遅いため、好気性処理と同等の量の有機性廃棄物を処理するためには大きな処理装置が必要となり、装置の設置場所及び装置の製造コストの問題が生じる。
そこで、有機性廃棄物の嫌気性処理の処理速度を向上させる方法が検討されており、例えば、反応槽内に高濃度の微生物を保持可能とすることで処理速度を向上させるUASB(上向流嫌気性スラッジブランケット)法や、微生物による処理温度を50〜55℃に高めることで処理速度を向上させる方法が挙げられる。
しかしながら、好気性処理と比較するとこれらの方法によっても処理速度は遅く、また、単に高温にして処理速度を高めたのでは短期的には処理速度が上がってもその処理速度向上効果が持続しないことが課題として残り、したがって、長期に亘って処理速度を向上させる方法が求められていた。
特許文献1には、効率的に嫌気性処理であるメタン発酵を行う方法が開示されている。具体的には、特許文献1は、耐熱性微生物(耐熱性放線菌と耐熱性細菌)を保持した多孔質担体(活性炭等から選択される)をメタン菌が含まれる有機性廃棄物に添加し、発酵温度を55℃〜80℃で5日間以上エアレーションした後、メタン発酵を行う方法を開示する。
特許文献1の方法によれば、メタン発酵前に多孔質担体に担持された耐熱性微生物が有機性廃棄物を効率良く分解することでメタン菌によるメタン発酵の速度が向上し、メタン菌のみによるメタン発酵と比べてメタンガスがより発生することとなる。
また、特許文献2には、家畜糞尿などと比べて浮遊物質が少ない有機性廃水に対し、導電性炭素の粉状体を微生物担体として利用するメタン発酵処理システムが開示されている。特許文献2のメタン発酵処理システムによれば、従来、嫌気性微生物の自己凝集機能により反応槽中に蓄積するグラニュールの性質によってメタンガス生成量が左右されていたところ、浮遊物質が少ない有機物を含有している液体であっても導電性炭素にメタン生成菌が付着することによりメタン生成菌の反応槽内への蓄積が促される。したがって、メタン生成菌が反応槽内で形成するグラニュール層の性質にかかわらず、安定してメタンガスを生成することが可能となる。
さらに、特許文献3には、活性炭を充填した固定ろ床又は流動床の上向流式嫌気反応器を用いて嫌気性処理を行うにあたり、嫌気反応器中の阻害性有機物の濃度を調整し得る有機性廃液の処理方法が開示されている。
阻害性有機物とは、微生物(ここでは、嫌気性微生物)の基質とはならない有機物をいい、具体的には、特許文献3の有機性廃液の処理方法は、嫌気反応器に流入する阻害性有機物の濃度が一定の濃度以下となるように反応器に処理水の一部を循環させるものである。
阻害性有機物が嫌気反応器中に蓄積するとCOD(化学的酸素要求量)の除去率が低下するところ、特許文献3の有機性廃液の処理方法によれば、嫌気反応器中への阻害性有機物の蓄積が抑制され、長期間に亘って安定的に嫌気性処理を行うことが可能となる。
特開2009−45560号公報 特開2011−212513号公報 特許第4428188号公報
しかしながら、特許文献1の方法によれば、エアレーションしつつ耐熱性微生物を多孔質担体に担持させる好気的前処理工程が必須となり、曝気等を行う好気性処理同様にエネルギー消費量が多いという問題を抱えることとなってしまう。
また、特許文献2のメタン発酵処理システムによれば、中温メタン発酵の反応初期(0〜24時間)においてバイオガスの生成量の増大効果が得られるものの、それ以降は非導電性多孔質担体を用いた場合と比較した有意なバイオガスの生成量の増大効果は得られていない。すなわち、長期に亘って嫌気性処理の処理速度を向上させ続ける効果は得られていない。
さらに、特許文献3の有機性廃液の処理方法によれば、嫌気反応器に流入する阻害性有機物の濃度が一定濃度以下に抑制され、嫌気性処理を長期にわたって安定的に行うことができるものの、嫌気性処理の処理速度を向上させることができるか否かについての知見は得られていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、好気性処理を伴うことなく長期に亘り嫌気性処理の処理速度を向上させることができる有機性廃棄物の処理方法及び処理装置を提供することにある。
記目的は、有機性廃棄物に対する生物学的な嫌気性処理の場となる嫌気性処理槽と、前記有機性廃棄物の液体を前記嫌気性処理槽へ供給する供給配管と、前記嫌気性処理槽に導電性物質を導入し、該導電性物質に前記生物学的な嫌気性処理を行うための嫌気性細菌を、嫌気性細菌:導電性物質の容積比が1.5:1〜0.1:1となる量で投入し、付着増殖させる導電性物質導入手段と、前記嫌気性処理槽の温度を45℃以上70℃以下の温度に制御する温度制御手段と、前記嫌気性処理槽における前記処理液の取出し位置よりも下方位置から前記嫌気性処理槽内の液体を前記供給配管に返送し、前記有機性廃棄物の液体の導入量を調整し、且つ該嫌気性処理槽内の上向流の流速を調整する返送経路と、を有すると共に、前記嫌気性処理槽が、前記嫌気性処理により生成するバイオガス、処理槽中の液体及び前記嫌気性処理槽中の浮遊物を分離する分離手段と、を有することを特徴とする有機性廃棄物の処理装置によっても達成される。
この構成によれば、嫌気性処理槽において、高温で生物学的な嫌気性処理を施すこと及び導電性物質の存在下で嫌気性処理を行うことの組合せにより、別途好気性処理を伴うことなく、従来それぞれの条件のもとでは達成し得なかった嫌気性処理の処理速度を長期に亘って向上させることを可能としている。
本発明に係る有機性廃棄物の処理装置の好ましい態様は以下の通りである。
(1)有機性廃棄物が液体であり、嫌気性処理槽が、導電性物質を充填した固定ろ床又は流動床を備える上向流式処理槽である。これにより、嫌気性処理に関与する微生物を固定ろ床又は流動床に付着増殖させるため、微生物の安定した自己造粒が困難な希薄廃液や高濃度浮遊物含有廃液にも適用でき、より長期に亘り嫌気性処理の処理速度を向上させることができる。
(2)有機性廃棄物が液体であり、分離手段が、嫌気性処理により生成するバイオガス、処理槽中の液体及び処理槽中の浮遊物を分離する。これにより、処理槽における微生物と有機性廃液との接触反応が促進されるとともに、微生物や導電性物質の処理水への流出を極力少なくでき、処理槽内の菌体濃度の高めることができる
(3)導電性物質が、1種以上の1mΩ・m以下の電気抵抗率を有する物質である。
本発明によれば、高温で生物学的な嫌気性処理を施すこと及び導電性物質の存在下で嫌気性処理を行うことの組合せにより、別途好気的処理を伴うことなく、従来それぞれの条件のもとでは達成し得なかった嫌気性処理の処理速度を長期に亘って向上させることを可能としている。
本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法の概略を示す図である。 本発明の第1実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置10を示す図である。 本発明の第2実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置50を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて詳細に説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置10を示す図である。図示のように、本実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法は、嫌気性細菌2を含む処理槽1に対して導電性物質4及び有機性廃棄物6が導入され、処理槽1内の有機性廃棄物6に対して45℃以上70℃以下の温度で生物学的な嫌気性処理が施され、得られた処理物8が処理槽1から取り出されるというものである。
有機性廃棄物6は、食品工場や飲食店から排出される有機性廃液、並びに食品系廃棄物、家畜糞尿及び有機性汚泥等の有機性固形物を挙げることができる。尚、有機性廃棄物6はこれらに限定されるものではなく、嫌気性細菌2によって分解可能な有機化合物を含む廃棄物であれば、本発明に係る有機性廃棄物の処理方法及び処理装置の処理対象となりうる。
嫌気性細菌2は、嫌気性環境下、すなわち、溶存酸素濃度(DO)が0〜0.3mg/L、白金電極で測定した酸化還元電位が+50mV以下の状態で生育する細菌であり、例えば、メタン生成古細菌、酸生成細菌、水素生成細菌、硫酸還元菌、鉄還元菌、硝酸還元菌等が挙げられる。嫌気性細菌2は、嫌気性細菌2から主に構成されるグラニュール汚泥あるいは消化汚泥として処理槽1に添加される。
導電性物質4は、電気抵抗率が1mΩm以下、好ましくは、100μΩm以下の物質であり、例えば、グラファイト、マグネタイト、硫化鉄鉱物、還元鉄及び活性炭から選択される1種以上の物質である。導電性物質4は、どのような形状であってもよいが、有機性廃棄物6との接触面積を大きくとる観点から粒状体であることが好ましく、例えば、粒径10mm以下の粒状体であり、好ましくは、粒径3mm以下の粒状体であり、更に好ましくは粒径1mm以下の粒状体である。さらに、導電性物質4は、フェルト状又は多孔性状など、表面積が大きくなるように加工したものを用いることが、後述する嫌気性処理の速度向上の観点から好ましい。
次に、本実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置10を、液体の有機性廃棄物6を処理する場合を例に説明する。尚、ここでいう液体には、有機性汚泥等を水に分散させた分散物や、常温で固体の油脂系廃棄物を加熱により液状としたものも含むものとする。
有機性廃棄物の処理装置10は、有効容積2Lの上向流嫌気性汚泥床式反応器であり、図2に示すように、上部12a及び底部12bを閉塞した略四角筒状の嫌気性処理槽12を有する。本実施の形態においてはラボレベルの有効容積を有する処理装置10を用いているが、必要に応じてプラントレベルの有効容積までスケールアップ(拡大)することができる。
嫌気性処理槽12の底部12bには、処理対象となる液体の有機性廃棄物6の供給配管14が接続されており、上部12a側の嫌気性処理槽12の側面には、嫌気性処理槽12中で処理された処理液(処理物8)を下流へと送液する送液管18が取り付けられている。
嫌気性処理槽12内の上向流は、送液管18からの処理液(処理物8)の引抜き及び供給配管14からの有機性廃棄物6の液体の供給のいずれか一方又は双方により生み出される。尚、有機性廃棄物の処理装置10は、嫌気性処理槽12の側壁における送液管18が取り付けられた位置より下方位置に一端が取り付けられ、他端が供給配管14に取り付けられて嫌気性処理槽12内の液を供給配管14へと返送する返送経路16を有しており、返送経路16により上向流の流速が調整される。
また、嫌気性処理槽12の上部12aには、嫌気性処理槽12の内部に種汚泥(嫌気性細菌2)及び導電性物質4を導入するための導入手段20が設けられ、さらに、嫌気性処理槽12には、その外周面を覆う温水ジャケット22が取り付けられており、温水ジャケット22の温度は、温度センサ23により測定された嫌気性処理槽12内の温度に基づき、温水循環路21中を循環する温水の温度を上昇させ、あるいは低下させる制御が行われる。かかる制御は図示しない制御部により行われ、これにより嫌気性処理槽12の温度が一定の温度に調節される。
すなわち、温水ジャケット22、温度センサ23、温水循環路21及び制御部(図示省略)は、嫌気性処理槽12の温度を所定範囲の温度に制御する温度制御手段を構成する。
嫌気性処理槽12の内部には、図示左右の両側壁のそれぞれに一端が固定され、他端側が反対側の側壁方向且つ下方に向けて延在するように傾斜配置した邪魔板24(板部材)を、上下方向に3箇所左右交互に設けている。
邪魔板24の傾斜配置は、邪魔板24と嫌気性処理槽12の側壁とがなす角θが35度以下の鋭角となるようになされる。角θが35度を超える角度の場合には、邪魔板24の上部に嫌気性処理槽12中の浮遊物(有機性廃棄物6の液体中に存在していた固形物、導電性物質4、嫌気性細菌2のグラニュール等の浮遊性固形物)が堆積してその堆積物近傍にデッドスペースが形成され、槽内の流動性が不十分となる。
邪魔板24は、平面視で嫌気性処理槽12の横断面積の1/2以上となる大きさを有する。邪魔板24の大きさが、平面視で嫌気性処理槽12の横断面積の1/2未満となる場合には、平面視で図示左右の側壁に設けられた邪魔板24相互の間に邪魔板24に覆われていない隙間が生じるので、嫌気性処理の過程で生じるバイオガスの邪魔板24による捕捉が不十分となり、バイオガス、処理液(処理物8)及び浮遊物の分離が不十分となる。すなわち、上記邪魔板24に覆われていない隙間から発生したバイオガスが嫌気性処理槽12の上部に流出してしまい、バイオガスを集積させることができないこととなる。
図2に示すように、邪魔板24と嫌気性処理槽12の内側面(側壁)とによって形成された下方に開口する凹部26(分離手段)は、後述する嫌気性処理において生成して浮上するバイオガス及び上向流に伴って上昇する嫌気性処理槽12内の浮遊物を捕捉する捕捉領域となる。
嫌気性処理槽12の側壁には、凹部26の上部に連通する管路が設けられており、凹部26の上部に集積したバイオガスがこの管路を介して嫌気性処理槽12の外部へと移送される。すなわち、この管路はバイオガス回収経路28を構成する。
嫌気性処理槽12の下部には、導電性物質4を配置するための多孔板30が設けられており、多孔質板30上には、少量の支持層(ろ過砂利等、図示せず)を介して1Lの導電性物質4が流層床として充填されている。嫌気性処理槽12内に配置される導電性物質4の量は、嫌気性処理槽12の有効容積に対して5%以上60%以下の量とすることが好ましい。
次に、上記構成を有する有機性廃棄物の処理装置10を用いた有機性廃棄物の処理方法を説明する。
まず、処理装置10内に種汚泥(嫌気性細菌2)を投入する。種汚泥は、種汚泥:導電性物質4の容積比が1.5:1〜0.1:1となる量で投入する。この範囲より種汚泥の容量が少ないと導電性物質4上で増殖する嫌気性細菌2が不足して嫌気性処理の処理速度が低下し、逆に種汚泥の容量が大きいと嫌気性細菌2と接触する導電性物質4が不足し、処理速度の向上効果が阻害される。
次に、供給配管14を介して嫌気性処理槽12内に有機性廃棄物6の液体を導入する。有機性廃棄物6の液体の導入量は、嫌気性処理槽12内でのCODcr容積負荷が1kg/m/日以上とすることが好ましく、3kg/m/日以上とすることがさらに好ましい。また、嫌気性処理槽12内でのCODcr容積負荷は、50kg/m/日以下とすることが好ましく、40kg/m/日以下とすることがさらに好ましい。尚、CODcr容積負荷とは、1日で処理する有効容積1mあたりの有機性廃棄物6の量を、化学的酸素要求量(CODcr)で表わしたものである。
上記有機性廃棄物6の液体の導入量は、具体的には、送液管18からの処理液(処理物8)の引抜き及び供給配管14からの有機性廃棄物6の液体の供給のいずれか一方又は双方により調整され、さらに、返送経路16を介した嫌気性処理槽12内の液の供給配管14への返送によっても調整される。
有機性廃棄物の処理装置10において処理対象物である有機性廃棄物6の液体に嫌気性細菌2を作用させる時間は、2時間以上とすることが好ましく、5時間以上とすることがより好ましい。また、この時間は10時間以下とすることが好ましく、24時間以下とすることがより好ましい。
有機性廃棄物の処理装置10における嫌気性処理は、反応pHを6.5以上として行うことが好ましく、7.0以上とすることがより好ましい。また、このpHは8.5以下として行うことが好ましく、8.0以下として行うことがより好ましい。
さらに、有機性廃棄物の処理装置10における嫌気処理は、反応温度を45℃以上として行うことが好ましく、55℃超として行うことがより好ましい。また、この温度を70℃以下として行うことが好ましく、67℃以下として行うことがより好ましい。このような温度条件で嫌気性処理を行うと、導電性物質を共存させた効果が飛躍的に高まるからである。
したがって、本実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法及び処理装置によれば、45℃以上70℃以下の高温で生物学的な嫌気性処理を施すこと及び導電性物質4の存在下で嫌気性処理を行うことの組合せにより、別途好気性処理を伴うことなく、従来それぞれの条件のもとでは達成し得なかった嫌気性処理の処理速度を長期に亘って向上させることを可能としている。
また、嫌気性処理槽12が、導電性物質4を充填した流動床を備える上向流式処理槽であるから、嫌気性処理に関与する嫌気性細菌2を導電性物質4を充填した流動床に付着増殖させるため、嫌気性細菌2の安定した自己造粒が困難な希薄廃液や高濃度浮遊物含有廃液にも適用でき、より経時的に安定した嫌気性処理を行うことができる。
さらに、従来、上向流式嫌気性処理反応器においては、反応器内で行われる嫌気性処理により発生したバイオガスが上方に移動し、反応器内で生じる上向流にのって浮遊物が上方に移動すると、反応器内部の液面に厚いフロスが形成されて反応器からのバイオガスの取り出し、反応器上部からの処理液の取り出しが困難となり、且つ、浮遊物が液面に維持されることで浮遊物の流動が阻害されていた。そして、これらの複合要因によって処理速度の向上が阻害されている状態が生じていた。
しかしながら、本実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法及び処理装置10によれば、上方に移動する浮遊物及びバイオガスが複数の凹部26(分離手段)に分散されて捕捉され、バイオガスは凹部26の上部に集積し、バイオガス回収経路28から嫌気性処理槽12外部へと移送される。一方、各凹部26に分散されて捕捉された浮遊物はバイオガスと分離して下方へと流動する。
その結果、嫌気性処理槽12中の液体のみが凹部26に捕捉されずに上方に移動し、嫌気性処理槽12の上部12a近傍で処理液(処理物8)が送液管18により下流に移送される。
このように、凹部26(分離手段)によって生成するバイオガス、嫌気性処理後の処理液(処理物8)及び処理槽中の浮遊物が分離されるので、嫌気性処理槽12における嫌気性細菌2と有機性廃棄物6の液体との接触反応が促進されるとともに、嫌気性細菌2や導電性物質4の送液管18への流出を極力少なくでき、処理槽内の菌体濃度を高めることができる。よって、処理速度が高い状態を、さらに長期に亘って維持することが可能となる。
なお、本実施の形態では、有機性廃棄物6の処理方法を実施するにあたり、上向流嫌気性汚泥床式反応器を用いて有機性廃棄物6の液体を連続的に処理する場合について説明しているが、これに限定されるものではなく別の構成を採用することも可能である。
(第2実施の形態)
以下に、有機性廃棄物6の固形物を回分式で処理する有機性廃棄物の処理装置50を、図3に基づいて説明する。図3において上記図1〜図2に示した実施の形態と同様の要素には、同一の符号を付しその説明を省略する。図3は、第2実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置50を説明する図である。
図示のように、有機性廃棄物の処理装置50は、円筒体を横倒しに配置した形状を有する有効容積800mlの嫌気性処理槽52と、円筒体の両側面に軸支されて嫌気性処理槽52内部を撹拌可能な撹拌機54を有する。
嫌気性処理槽52の外周面には、円筒体の外周を覆うように温水ジャケット22が取り付けられており、温水ジャケット22の温度は、温度センサ23により測定された嫌気性処理槽52内の温度に基づき、温水循環路21中を循環する温水の温度を上昇させ、あるいは低下させる制御が行われる。かかる制御は図示しない制御部により行われ、これにより嫌気性処理槽52の温度が一定の温度に調節される。
すなわち、温水ジャケット22、温度センサ23、温水循環路21及び制御部(図示省略)は、嫌気性処理槽52の温度を所定範囲の温度に制御する温度制御手段を構成する。
嫌気性処理槽52の上部には、開口部56と、開口部56を密閉可能な蓋部58が設けられている。本実施の形態においては、開口部56を介して有機性廃棄物6の固形物、種汚泥(嫌気性細菌2)及び導電性物質4が導入される。
すなわち、開口部56は、導電性物質を嫌気性処理槽52に導入するための導電性物質導入手段を構成している。
次に、本実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置50を用いた有機性廃棄物の処理方法について説明する。
まず、開口部56を介して処理装置50内に種汚泥(嫌気性細菌2)及び導電性物質4を導入する。嫌気性細菌2と導電性物質4の容積比の範囲は、第1実施の形態と同様である。
次に、有機性廃棄物6の固形物を、開口部56を介して導入する。有機性廃棄物6の固形物を導入する場合の導入量は、嫌気性処理槽12内でのCODcr容積負荷が0.5kg/m/日以上とすることが好ましく、1kg/m/日以上とすることがさらに好ましい。また、嫌気性処理槽12内でのCODcr容積負荷は、10kg/m/日以下とすることが好ましく、8kg/m/日以下とすることがさらに好ましい。特に、油脂を主体とする固形物の有機性廃棄物6を導入する場合の導入量は、嫌気性処理槽12内でのCODcr容積負荷が20kg/m/日以下とすることが好ましく、10kg/m/日以下とすることがさらに好ましい。
有機性廃棄物6の導入後、開口部56を介して嫌気性処理槽52の気相部を窒素ガスで置換した後、開口部56を蓋部58により密閉し、撹拌機54によって嫌気性処理槽52内部を撹拌しつつ嫌気性処理を行う。
有機性廃棄物の処理装置50において処理対象物である有機性廃棄物6の固形物に嫌気性細菌2を作用させる時間は、10日以上とすることが好ましく、15日以上とすることがより好ましい。また、この時間は40日以下とすることが好ましく、60日以下とすることがより好ましい。
嫌気性処理のpHの範囲及び温度範囲は、第1実施の形態と同様である。
したがって、本実施の形態に係る有機性廃棄物の処理方法及び処理装置50によっても、45℃以上70℃以下の高温で生物学的な嫌気性処理を施すこと及び導電性物質4の存在下で嫌気性処理を行うことの組合せにより、別途好気性処理を伴うことなく、従来それぞれの条件のもとでは達成し得なかった嫌気性処理の処理速度を長期に亘って向上させることを可能としている。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。上記第1及び第2実施の形態においては、温水ジャケット22を含む温度制御手段を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、温水ジャケット22に代えて、嫌気性処理槽の周囲を電熱ヒーターや熱媒体として蒸気を用いたジャケットで覆っていてもよく、嫌気性処理槽の内部に投げ込みヒーターや直接蒸気を導入することで温度制御を行うこととしてもよい。
また、嫌気性処理槽としては、上記上向流嫌気性汚泥床式反応器及び回分式反応器に限らず、EGSB(膨張粒状汚泥床)法等、他の公知の装置を用いるものとしてもよい。
特に、槽内容物を上向流で運転するUASB法やEGSB法などの装置を利用するとよりよい処理性能が得られる傾向があり、特に槽内への通水速度を1〜5mとすると更に良い処理性能が得られる傾向がある。EGSB法での装置を利用する場合、内部の邪魔板24を三段に設定することで処理性能を向上させることが可能である。
本発明における嫌気性処理は原則としてバイオガスを発生するため、バイオガス回収経路28の下流にはバイオガスを貯留するためのガスホルダや脱硫処理装置等の付帯設備を有することが好ましい。嫌気性処理槽は、上記のように処理対象物(嫌気性処理槽の槽内容物)の温度を調整できる手段をさらに有するものであることが好ましい。また、処理対象物(嫌気性処理槽の槽内容物)のpHを調整できる手段を有することが好ましい。pHは公知の酸、アルカリ添加手段によって調整することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
[実施例1]
1−1.種汚泥(嫌気性細菌2)の馴致
食品工場から排出される油脂スカムを有機性廃棄物6の固形物として嫌気性処理の連続処理を行い、種汚泥(嫌気性細菌2)の馴致を行った。原料の性状はCODcr=600,000mg/L、ヘキサン抽出物質=15,000mg/Lであり、連続処理は55℃で行い、種汚泥の馴致を約300日間行った。また、ヘキサン抽出物質とは、有機性廃棄物を有機溶剤のヘキサンと混合することにより、ヘキサン側に抽出される物質のことをいい、「JISK0102:2013 工場排水試験 方法 24.2」にしたがって測定される。
1−2.バイオガス発生量の比較(バイアル試験)
バイオガス発生量の比較には、本発明の第2実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置50を用いた。すなわち、「1−1.種汚泥(嫌気性細菌2)の馴致」で馴致した種汚泥(嫌気性細菌2)を、図3に示す嫌気性処理槽52に300mLずつ導入したものを4検体準備した。
それぞれの検体に、導電性物質4としてグラファイトフェルト(検体1)、マグネタイト(検体2)、硫化鉄鉱物(検体3)及び粒状活性炭(検体4)を30gずつ添加し、さらに前記食品工場から排出される油脂スカム(有機性廃棄物6の固形物)をそれぞれ10gずつ投入した後、気相部を窒素ガスで置換し、密閉条件下、60℃で嫌気性処理を行った。
その後、生成バイオガスをテフロン(登録商標)バックに回収してガス発生量を計測し、各検体における嫌気性処理の処理速度を評価した。以下、当該「1−2.バイオガス発生量の比較」に記したように、第2実施の形態の嫌気性処理槽52を用いて回分式の嫌気性処理を行い、ガス発生量を計測することをバイアル試験という。
[比較例1]
連続処理の温度を35℃としたこと以外は上記実施例1の「1−1.種汚泥(嫌気性細菌2)の馴致」に記載の方法と同様にして種汚泥の馴致を行い、第2実施の形態に係る嫌気性処理槽52に得られた種汚泥を300mLずつ導入したものを2検体準備した。
一方の検体には微生物担体として発泡ウレタンを30g導入し(検体1)、他方の検体には微生物担体及び導電性物質4のいずれも導入することなく(検体2)、さらに前記食品工場から排出される油脂スカム(有機性廃棄物6の固形物)をそれぞれ10gずつ投入した後、気相部を窒素ガスで置換し、密閉条件下、60℃で嫌気性処理を行った。
その後、生成バイオガスをテフロン(登録商標)バックに回収してガス発生量を計測し、各検体における嫌気性処理の処理速度を評価した。
[比較例2]
連続処理の温度を35℃としたこと以外は上記実施例1の「1−1.種汚泥(嫌気性細菌2)の馴致」に記載の方法と同様にして種汚泥の馴致を行い、第2実施の形態に係る嫌気性処理槽52に得られた種汚泥を300mLずつ導入したものを6検体準備した。
それぞれの検体に、微生物担体及び導電性物質4のいずれも導入しないか(検体1)、あるいは微生物担体として発泡ウレタンを30g導入し(検体2)、また、導電性物質4としてグラファイトフェルト(検体3)、マグネタイト(検体4)、硫化鉄鉱物(検体5)及び粒状活性炭(検体6)をそれぞれ30gずつ導入した。その後、各検体1〜6に前記食品工場から排出される油脂スカム(有機性廃棄物6の固形物)をそれぞれ10gずつ投入した後、気相部を窒素ガスで置換し、密閉条件下、35℃で嫌気性処理を行った。
その後、生成バイオガスをテフロン(登録商標)バックに回収してガス発生量を計測し、各検体における嫌気性処理の処理速度を評価した。
実施例1及び比較例1の結果を表1に、比較例2の結果を表2に示す。
Figure 0006637671
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表2の検体1〜2に示すように、嫌気性処理を35℃で実施した比較例2の試験では、導電性物質を導入しない条件におけるバイオガス発生初期速度が100〜103とほぼ変わらなかったのに対し、表2の検体3〜6に示すように、導電性物質を導入した条件では110〜118となり、バイオガス発生初期速度がわずかに増加する傾向を示した。
一方、表1の比較例1の検体1〜2に示すように、嫌気性処理を60℃で実施した比較例1の試験は導電性物質を含まない条件であるが、バイオガス発生初期速度が207〜210となった。これは、単純に嫌気性処理を35℃から60℃へと上昇させたことによる嫌気性処理の処理速度向上効果を示している。さらに、表1の実施例1の検体1〜4に示すように、嫌気性処理を60℃としたうえで導電性物質を導入した場合、バイオガス発生初期速度は305〜396となった。
これらの結果から、嫌気性処理の処理速度は、温度条件を変えずに導電性物質を導入することのみによっては僅かにしか上昇しないのに対し、処理温度を60℃に向上させて導電性物質を導入した場合は顕著に上昇することが確認できた。
[実施例2]
2−1.液体の有機性廃棄物の連続処理
本実施例では、本発明の第1実施の形態に係る有機性廃棄物の処理装置10を用いた。すなわち、図2の有機性廃棄物の処理装置10を4系列(A〜D系列)準備し、試験に用いた。それぞれの系列の嫌気性処理槽12内に、導電性物質4として有効径0.3mmの粒状活性炭を1L充填した。処理対象となる有機性廃棄物6の液体を供給配管14を介して嫌気性処理槽12内に供給し、処理液(処理物8)を嫌気性処理槽12の最上部から引き抜くことで嫌気性処理槽12内に上向流を発生させた。また、嫌気性処理槽12の液を供給配管14に返送する返送経路16により、上向流の流速を調節した。嫌気性処理槽12の温度調節は、温水ジャケット22を含む温度制御手段により行った。
A系列及びB系列の嫌気性処理槽12に、上記比較例2で使用した種汚泥(嫌気性細菌2)をそれぞれ1Lずつ導入し、液体の有機性廃棄物6を連続的に供給することで嫌気性処理を開始した。嫌気性処理は、嫌気性処理槽12の温度を35℃に維持した条件で30日間実施した後(検体A−0、B−0)、温度を45℃に昇温してさらに30日間実施した(検体A−1、B−1)。
なお、A系列に導入した有機性廃棄物6の液体は実施例1で使用した食品工場から排出される油脂スカム(有機性廃棄物6の固形物)を、80℃で24時間撹拌混合することで液状としたもの(以下、油脂系の有機系廃棄物という)であり、B系列に導入した有機性廃棄物6の液体はCODcr=5,000mg/Lでタンパク質を含む食品製造廃水(以下、炭水化物系の有機性廃棄物という)である。
C系列及びD系列の嫌気性処理槽12に、上記実施例1で使用した種汚泥(嫌気性細菌2)をそれぞれ1Lずつ導入し、有機性廃棄物6の液体を連続的に供給することで嫌気性処理を開始した。嫌気性処理は、嫌気性処理槽12の温度を50℃に維持した条件で30日間実施した後、温度を45℃(検体C−1、D−1)、67℃(検体C−2、D−2)、70℃(検体C−3、D−3)及び80℃(検体C−4、D−4)にそれぞれ昇温してさらに30日間実施した。
なお、C系列に導入した有機性廃棄物6の液体は、上記油脂系の有機性廃棄物であり、D系列に導入した有機性廃棄物6の液体は、上記炭水化物系の有機性廃棄物である。
2−2.バイオガス発生量の比較(バイアル試験)
上記「2−1.液体の有機性廃棄物の連続処理」で得られた、嫌気処理を30日間実施した後の検体A−0〜A−1、B−0〜B−1、C−0〜C−4及びD−0〜D−4から粒状活性炭(導電性物質4)を含んだ汚泥(嫌気性細菌2)をそれぞれ300g採取し、上記[実施例1]の「1−2.バイオガス発生量の比較」にいうバイアル試験を行い、各検体における嫌気性処理の処理速度を評価した。
なお、バイアル試験における回分式の嫌気性処理の温度は、各検体の嫌気性処理槽12からの粒状活性炭(導電性物質4)を含んだ汚泥(嫌気性細菌2)採取時の嫌気性処理槽12の維持温度と同一の温度とした。
実施例2の結果を表3に示し、有機性廃棄物6の液体の、上記「2−1.液体の有機性廃棄物の連続処理」後のCODcr分解率(%)を表4に示す。尚、CODcrの分析はHACH社製のCODcr分析キットを使用し、嫌気処理槽への導入廃棄物と嫌気処理槽から排出される処理物のCODcr分析値からCODcr分解率を算出した。
Figure 0006637671
Figure 0006637671
表3に示すように、検体A−0と検体A−1、検体C−3との対比及び検体B−0と検体B−1、検体D−3との対比から、35℃の条件で嫌気性処理を行う場合と比較して45℃、70℃の条件で嫌気性処理を行う場合には嫌気性処理の反応速度は約1.5倍になることがわかった。また、検体A−0と検体C−0〜C−2との対比及び検体B−0と検体D−0〜D−2との対比から、35℃の条件で嫌気性処理を行う場合と比較して50℃〜67℃の温度範囲で嫌気性処理を行う場合には反応速度が2倍以上に向上することが示された。
また、温度条件を揃えた場合の嫌気性処理の処理速度の向上効果は、炭水化物系の有機性廃棄物を嫌気性処理する場合よりも油脂系の有機性廃棄物を嫌気性処理する場合の方がより高い効果が得られることが示された。
さらに、実施例2においては、上記所定温度条件で30日間の嫌気性処理を行った後のバイオガス発生量を比較しているから、実施例2によれば、30日間という長期の嫌気性処理を行った後においても表3に示すとおりの嫌気性処理の処理速度の向上効果が維持されたことが示されている。
なお、表4に示すように、油脂系の有機性廃棄物及び炭水化物系の有機性廃棄物の双方とも、35℃〜45℃の温度条件でのCODcr分解率は80%以上であり(表4、検体A−0〜A−1及び検体B−0〜B−1参照)、50℃〜67℃の温度条件におけるCODcr分解率は88%以上となり(同表、検体C−0〜C−3及び検体D−0〜D−3参照)、安定した嫌気性処理が可能であることが示された。一方、80℃の温度条件におけるCODcr分解率は8%以下となり、処理液(処理物8)の水質が悪化していた。
1 処理槽
4 導電性物質
6 有機性廃棄物
10、50 有機性廃棄物の処理装置
12、52 嫌気性処理槽(処理槽)
21 温水循環路(温度制御手段)
22 温水ジャケット(温度制御手段)
23 温度センサ(温度制御手段)
24 邪魔板(板部材)
26 凹部(分離手段)

Claims (4)

  1. 有機性廃棄物に対する生物学的な嫌気性処理の場となる嫌気性処理槽と、
    前記有機性廃棄物の液体を前記嫌気性処理槽へ供給する供給配管と、
    前記嫌気性処理槽に導電性物質を導入し、該導電性物質に前記生物学的な嫌気性処理を行うための嫌気性細菌を、嫌気性細菌:導電性物質の容積比が1.5:1〜0.1:1となる量で投入し、付着増殖させる導電性物質導入手段と、
    前記嫌気性処理槽の温度を45℃以上70℃以下の温度に制御する温度制御手段と、
    前記嫌気性処理槽における前記処理液の取出し位置よりも下方位置から前記嫌気性処理槽内の液体を前記供給配管に返送し、前記有機性廃棄物の液体の導入量を調整し、且つ該嫌気性処理槽内の上向流の流速を調整する返送経路と、
    を有すると共に、
    前記嫌気性処理槽が、前記嫌気性処理により生成するバイオガス、処理槽中の液体及び前記嫌気性処理槽中の浮遊物を分離する分離手段と、
    を有することを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  2. 前記有機性廃棄物が液体であり、
    前記嫌気性処理槽が、前記導電性物質を充填した固定ろ床又は流動床を備える上向流式処理槽であることを特徴とする請求項に記載の有機性廃棄物の処理装置。
  3. 前記有機性廃棄物が液体であり、
    前記分離手段が、前記嫌気性処理により生成するバイオガス、処理槽中の液体及び処理槽中の浮遊物を分離することを特徴とする請求項に記載の有機性廃棄物の処理装置。
  4. 前記導電性物質が、1種以上の1mΩ・m以下の電気抵抗率を有する物質であることを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置
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