JP6637557B1 - ドアの開き保持構造及びドアのストッパー - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的簡易な構造でありながら、ドアパネルを開方向へ回転させることによってそれを開状態に保持できるドアの開き保持構造を提供する。【解決手段】 ドア支持体1と、ドア支持体1の第1軸部J1の周りに回転可能なドアパネル2と、ドアパネル2の開状態を保持するストッパー3と、を有し、ストッパー3が、ドア支持体1に枢着され且つ第2軸部J2の周りに回転可能なアーム部材4と、ドアパネル2の横方向に延びる長状案内溝51を有するレール部材5と、を有し、アーム部材4の第2軸部J2の反対側には、長状案内溝51に挿入されたピン部42が突設されており、ドアパネル2の開方向への回転に従動して、ピン部42が長状案内溝51の長手方向に移動すると共にアーム部材4が第2軸部J2を中心に回転し、長状案内溝51の先端部と後端部の間には、ピン部42を係止する係止段部52が形成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、ドアパネルの開放状態を保持するドアの開き保持構造及びストッパーに関する。
従来、建物や乗物などの出入口、建物や乗物の内部の出入口、建物や乗物などの非常口などの様々な箇所で、ドアが多用されている。概念的には、ドアは、2つの空間を仕切る構造物である。従って、前記のような出入口だけでなく、例えば、マンションなどの建物において、隣り合うベランダを間仕切るため、仕切部材の一種としてドアが設置されていることもある。
なお、ドアは、大別して、ドア支持体に蝶番などを介して取り付けられ且つ回転させて開閉するタイプ(いわゆる、開き戸)、ドア支持体に車輪を介して取り付けられ且つスライドさせて開閉するタイプ(いわゆる、引き戸)がある。
引き戸タイプのドアについて、それを開いた状態を保持するためのストッパーが知られている。
例えば、特許文献1には、ドアの下部に取り付けた取付基板と、この取付基板に上下揺動自在に枢着され且つ床面に当接する当接部を有する突っ張り脚と、を備えたドアストッパーが開示されている。
また、特許文献2には、可動体を誘導する誘導部と、可動体を保持する保持部と、前記誘導部と前記保持部との間を移動する可動体に設けられる回転機構と、を備え、前記回転機構は、前記可動体が前記誘導部に誘導されるときに突出位置の端部を退避位置へ制動しながら付勢により変位させ、前記可動体が前記誘導部から前記保持部へ移動するときに前記退避位置の端部を前記突出位置へ変位させる可動体保持装置が開示されている。
特開2000−160910号公報 特開2014−101653号公報
しかしながら、特許文献1のドアストッパーは、ドアパネルの正面下部に取り付けられるものなので、当該ストッパーが邪魔である上、ドアパネルの開状態を保持させるためには、使用者が突っ張り脚を倒さなければならない。
特許文献2の可動体保持装置は、構造が複雑である上、開状態のドアを壁面に沿った位置でしか保持できない。
本発明の目的は、比較的簡易な構造でありながら、ドアパネルを開方向へ回転させることによってドアパネルを開状態に保持できる、ドアの開き保持構造及びストッパーを提供することである。
本発明の第1のドアの開き保持構造は、ドア支持体と、前記ドア支持体に枢着され且つ第1軸部の周りに回転可能なドアパネルと、前記ドアパネルの開状態を保持するストッパーと、を有し、前記ストッパーが、前記ドア支持体に枢着され且つ前記第1軸部と平行な第2軸部の周りに回転可能なアーム部材と、前記ドアパネルの横方向に延びる長状案内溝を有するレール部材と、調整部材と、を有し、前記アーム部材の前記第2軸部の反対側には、前記長状案内溝に挿入されたピン部が突設されており、前記ドアパネルの開方向への回転に従動して、前記ピン部が前記長状案内溝の長手方向に移動すると共に前記アーム部材が第2軸部を中心に回転し、前記長状案内溝の先端部と後端部の間には、前記ピン部を係止する係止段部が形成されており、前記調整部材が、前記ドアパネルを開方向へ回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを許容し且つ前記ドアパネルを閉方向に回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを防止する部材であって、前記長状案内溝の長手方向に移動可能な本体と、前記本体に形成され且つ前記ピン部が挿入される孔部と、を有し、前記孔部が、先端部側に配置され、且つ前記ピン部を長状案内溝の中心線上に維持する規制部と、後端部側に配置され且つ前記ピン部を係止段部側へ移動することを許容する許容部と、を有する
本発明の第2のドアの開き保持構造は、ドア支持体と、前記ドア支持体に枢着され且つ第1軸部の周りに回転可能なドアパネルと、前記ドアパネルの開状態を保持するストッパーと、を有し、前記ストッパーが、前記ドアパネルに枢着され且つ前記第1軸部と平行な第2軸部の周りに回転可能なアーム部材と、前記ドア支持体の横方向に延びる長状案内溝を有するレール部材と、調整部材と、を有し、前記アーム部材の前記第1軸部の反対側には、前記長状案内溝に挿入されたピン部が突設されており、前記ドアパネルの開方向への回転に従動して、前記ピン部が前記長状案内溝の長手方向先端部側から後端部側へ移動すると共に前記アーム部材が第2軸部を中心に回転し、前記長状案内溝の先端部と後端部の間には、前記ピン部を係止する係止段部が形成されており、前記調整部材が、前記ドアパネルを開方向へ回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを許容し且つ前記ドアパネルを閉方向に回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを防止する部材であって、前記長状案内溝の長手方向に移動可能な本体と、前記本体に形成され且つ前記ピン部が挿入される孔部と、を有し、前記孔部が、先端部側に配置され、且つ前記ピン部を長状案内溝の中心線上に維持する規制部と、後端部側に配置され且つ前記ピン部を係止段部側へ移動することを許容する許容部と、を有する
発明の好ましいドアの開き保持構造は、前記ストッパーが、前記ピン部を前記係止段部側へと付勢する付勢部材をさらに有する。
本発明の別の局面によれば、ドア用のストッパーを提供する。
本発明のドアのストッパーは、ドア支持体及びドアパネルのいずれか一方に枢着される枢着部を有するアーム部材と、ドア支持体及びドアパネルの他方に固定されるレール部材と、調整部材と、を有し、前記レール部材には、長状案内溝が形成されており、前記アーム部材には、その枢着部の反対側に、前記長状案内溝に遊びを有して挿入されるピン部が突設されており、前記長状案内溝の先端部と後端部の間には、前記ピン部を係止する係止段部が形成されており、前記調整部材が、ドアパネルを開方向へ回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを許容し且つドアパネルを閉方向に回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを防止する部材であって、前記長状案内溝の長手方向に移動可能な本体と、前記本体に形成され且つ前記ピン部が挿入される孔部と、を有し、前記孔部が、先端部側に配置され、且つ前記ピン部を長状案内溝の中心線上に維持する規制部と、後端部側に配置され且つ前記ピン部を係止段部側へ移動することを許容する許容部と、を有する
本発明のストッパー及び開き保持構造は、ドアパネルを開方向へ回転させるだけで、ドアパネルを開状態に保持できる。かかるストッパーは、比較的簡易な構造であり、安価に作製できる。さらに、本発明のストッパー及び開き保持構造は、調整部材を有するので、開状態に保持されたドアパネルを、容易に元の閉状態へ閉じることができる。
第1実施形態の開き保持構造の正面図。 同開き保持構造の一部省略斜視図。 アーム部材を示し、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図、(c)は、A−A線で切断した断面図。 付勢部材を示し、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図。 レール部材を示し、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図、(c)は、B−B線で切断した断面図。 調整部材を示し、(a)は、その平面図、(b)は、その側面図、(c)は、C−C線で切断した断面図。 第1実施形態の開き保持構造の一部分を拡大した正面図。 図7をさらに拡大した一部省略拡大正面図。 図7をさらに拡大した図であって、図7の矢印D方向から見た拡大側面図。 ストッパー及び開き保持構造の分解した図であって、その下側から見た分解斜視図。 ストッパー及び開き保持構造の分解した図であって、その上側から見た分解斜視図。ただし、ドアパネル及びレール部材のみを図示している。 開き保持構造のドアパネルを開閉したときの状態を上方から見たときの参考平面図。 図12の(1)の状態にあるときのストッパー周辺を拡大した参考平面図。 図12の(3)の状態にあるときのストッパー周辺を拡大した参考平面図。 図12の(5)の状態にあるときのストッパー周辺を拡大した参考平面図。 アーム部材のピン部が調整部材の規制部に嵌まったときのストッパー周辺を拡大した参考平面図。 ドアパネルを閉方向に回転させている途中の状態を上方から見たときの参考平面図。 図17のストッパー周辺を拡大した参考平面図。 解除部材の平面図。 解除部材を用いて係止段部のピン部に対する係止を強制的に解除する手順を示す参考平面図。 第2実施形態の開き保持構造の一部省略斜視図。 第3実施形態のレール部材の平面図。
以下、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、本明細書において、用語の前に、「第1」や「第2」などを付す場合があるが、この第1などは、用語を区別するために付記されたものであり、用語の優劣や順序など特別な意味を有さない。「先端部」と「後端部」は、長手方向において対向する端部をいい、「先端側」は、ドアパネルに組み込まれた状態で、ドアパネルの第1軸部とは反対側であり、「後端側」は、ドアパネルに組み込まれた状態で、ドアパネルの第1軸部側である。「下限値X〜上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値〜任意の上限値」を設定できるものとする。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明のドアの開き保持構造10は、ドア支持体1と、前記ドア支持体1に枢着されたドアパネル2と、前記ドアパネル2の開状態を保持するストッパー3と、を有する。
前記ストッパー3は、アーム部材4と、長状案内溝51を有するレール部材5と、を有し、好ましくは調整部材6及び付勢部材7をさらに有する。
本実施形態では、アーム部材4が、前記ドア支持体1に枢着され、レール部材5が、前記ドアパネル2に設けられている。
以下、ドア支持体1、ドアパネル2、アーム部材4、レール部材5、調整部材6及び付勢部材7をそれぞれ説明した後、開き保持構造10及びストッパー3について具体的に説明する。
<ドア支持体及びドアパネル>
ドアパネル2は、いわゆる開き戸である。
ドア支持体1は、ドアパネル2を回転可能に支持するものである。
図示例では、ドア支持体1として、正面視矩形状のドア枠を例示している。なお、ドア支持体1は、ドアパネル2を回転可能に支持できるものであればドア枠に限られず、例えば、壁面、天井面、ベランダ柵、支柱などであってもよい。
図示例のようなドア枠は、通常、その枠内にドアパネル2が嵌まり込むように、縦方向に一対の上桟11及び下桟12と、横方向に一対の右縦桟13及び左縦桟14と、からなる。
ドアパネル2は、例えば、左縦桟14の縦方向に配置された一対の蝶番15を介して取り付けられている。前記一対の蝶番15は、それぞれ縦方向に平行に延びる軸をそれぞれ有する。一対の蝶番15の軸を結ぶと、1つの軸を成している。ドアパネル2は、この1つの軸の周りに回転可能にドア枠に取付けられている。以下、ドアパネル2の回転中心となる前記蝶番15の軸を、第1軸部J1という。
ドアパネル2は、図2に示すように、第1側に開閉できるように取り付けられていてもよく、第1側及び第2側のいずれにも開閉できるように取り付けられていてもよい。
<アーム部材及び付勢部材>
アーム部材4は、図3に示すように、長状のアーム本体41と、アーム本体41から突設されたピン部42と、を有する。
アーム部材4は、例えば、細長い板状体からなる。アーム部材4は、例えば、平面視で細長い略長方形状であり、その長さは、ドアパネル2の横方向長さ(正面から見たドアパネル2の横幅)よりも小さく、例えば、ドアパネル2の横方向長さの1/5倍〜2/3倍である。アーム部材4の幅は、特に限定されず、ドアパネル2の厚みよりも大きい若しくは小さくてもよく、又は、ドアパネル2の厚みと略同じでもよい。ドアパネル2の上端面から側方にはみ出さなくなることから、アーム部材4の幅はドアパネル2の厚みよりもやや小さいことが好ましい。
アーム部材4には、後述するように、ドア支持体1に枢着される枢着部を有する。アーム部材4を枢着部にてドア支持体1に枢着することにより、アーム部材4は、その枢着部を中心にして回転可能となる。
本実施形態では、アーム部材4の長手方向後端部寄りに、枢着部として挿入孔43が設けられ、好ましくは、アーム部材4の長手方向後端部に、前記挿入孔43(枢着部)が設けられている。
また、ピン部42は、前記アーム部材4の枢着部とは反対側に設けられている。ピン部42は、後述するレール部材5の長状案内溝51に挿入される部分である。ピン部42は、アーム部材4の長手方向先端部寄りに設けられ、好ましくは、アーム部材4の長手方向先端部に設けられている。
ピン部42は、長状案内溝51に遊びを有して挿入される遊挿部421を有し、好ましくは、前記遊挿部421の端部に設けられた頭部422をさらに有する。遊挿部421は、例えば、円柱状であり、頭部422は、遊挿部421よりも大径の円柱状である。ただし、遊挿部421及び頭部422は、それぞれ独立して、円柱状に限られず、四角柱状などであってもよい。頭部422は、ピン部42が長状案内溝51から不用意に外れることを防止する機能を有する。なお、頭部422は、必要に応じて省略してもよい。
ピン部42は、アーム部材4に固着されている。ピン部42は、アーム部材4から位置ずれしないように設けられていればよいので、例えば、ピン部42自体が自転可能な状態でアーム部材4に取り付けられていてもよい。
なお、アーム部材4には、付勢部材7を取り付けるためのネジ穴44が設けられている。ネジ穴44は、例えば、前記挿入孔43とピン部42の間の任意の位置に設けられ、好ましくはピン部42寄りに設けられる。
アーム部材4の材質は、特に限定されず、通常、金属製又は硬質プラスチック製の板体が用いられる。
付勢部材7は、アーム部材4をドアパネル2の開方向へと付勢し、アーム部材4のピン部42が係止段部52に係止され易くするための部材である。
付勢部材7としては、例えば、図4に示すように、バネが用いられる。バネとしては、ねじりコイルバネや圧縮コイルバネなどのコイルバネ類、板バネ類などが挙げられる。
図示例では、付勢部材7としてねじりコイルバネが用いられている。図示例では、一対のコイル部71とそのコイル部71からそれぞれ延設された一対の腕部72とからなる、ねじりコイルバネが用いられている。
<レール部材>
レール部材5は、図5に示すように、ピン部42の移動通路となる長状案内溝51を有する。前記長状案内溝51の一部分には、前記ピン部42を係止する係止段部52が形成されている。係止段部52は、少なくとも1箇所形成され、好ましくは2箇所以上形成される。
レール部材5は、例えば、長状の板体53と、その板体53の面内に形成された長状案内溝51及び係止段部52と、を有する。
長状の板体53は、例えば、平面視で細長い略長方形状であり、その長さは、ドアパネル2の横方向長さ(正面から見たドアパネル2の横幅)よりも小さくてもよく、或いは、同じでもよい。図示例では、長状の板体53は、アーム部材4よりも短い。長状の板体53の幅は、特に限定されず、ドアパネル2の厚みよりも大きい若しくは小さくてもよく、又は、ドアパネル2の厚みと略同じでもよい。ドアパネル2の上端面から側方にはみ出さなくなることから、板体53の幅はドアパネル2の厚みよりもやや小さいことが好ましい。
板体53(レール部材5)の材質は、特に限定されず、通常、金属製又は硬質プラスチック製の板体が用いられる。
前記板体53の面内に、その長手方向に直線状に延びる細長い長状案内溝51が形成されている。換言すると、板体53の面内に一対の内側壁53a,53b(第1内側壁53a及び第2内側壁53b)が形成され、その第1内側壁53a及び第2内側壁53bは、板体53の幅方向で向かい合い且つ長手方向に直線状に延設されている。この第1内側壁53aと第2内側壁53bで画成された空間が、長状案内溝51である。従って長状案内溝51の中心線は、前記一対の内側壁53a,53bの幅方向中間点に沿って直線状に存在する。ただし、図5に長状案内溝51の中心線を一点鎖線で表しているが、前記中心線は、実際に表示されているわけではなく、あくまで概念上のものである。長状案内溝51の幅(第1内側壁53aと第2内側壁53bとの間隔)は、ピン部42の遊挿部421の直径よりもやや大きい。
長状案内溝51の長手方向の長さは、適宜設定できるが、後述するように、ドアパネル2を全閉状態から全開状態に開閉できるように十分に長く設定することが好ましい。この長状案内溝51の長さは、アーム部材4の長さやピン部42の位置などに応じて可変であるため、それらを含めて設計すればよい。
また、前記板体53の面内には、前記長状案内溝51に連続して係止段部52が形成されている。係止段部52は、長状案内溝51の先端部から後端部の間であって、前記長状案内溝51の幅方向第1側及び第2側のうち少なくとも一方に設けられている。係止段部52は、ドアパネル2の開方向に対応する側に少なくとも設けられる。図示例では、係止段部52は、長状案内溝51の幅方向両側(第1側及び第2側)にそれぞれ設けられている。
係止段部52は、少なくとも1箇所設けられていればよいが、好ましくは、長状案内溝51の長手方向に間隔を開けて2箇所以上設けられる。
図示例では、長状案内溝51の両側方にそれぞれ、3つの係止段部52が長手方向に間隔を開けて形成されている。以下、説明上、3つの係止段部52を区別する必要がある場合に、長状案内溝51の先端部から後端部に向かって順に、第1係止段部52、第2係止段部52、第3係止段部52という場合がある。
具体的には、係止段部52は、長状案内溝51を区画する内側壁53a,53bに連成され且つ側方に窪んだ凹みからなる。長状案内溝51の幅方向第1側に設けられた係止段部52は、第1内側壁53aに連成され且つその第1内側壁53aよりも側方に窪んだ凹みからなる。長状案内溝51の幅方向第2側に設けられた係止段部52は、第2内側壁53bに連成され且つその第2内側壁53bよりも側方に窪んだ凹みからなる。
係止段部52は、平面視で、内側壁に対して略鈍角状に連成された非係止側壁52aと、内側壁に対して略直角状に連成された係止側壁52bと、を有する。好ましくは、非係止側壁52aは、長状案内溝51の内側壁53a,53bに連続してなだらかな円弧を描いた略鈍角状に形成されている。前記非係止側壁52aは、係止側壁52bよりも後端側に形成されている。係止段部52に嵌まり込んだピン部42は、前記係止側壁52bに係止されて先端側に動かなくなるが、非係止側壁52aに係止されないので、後端側に移動可能である。
第1係止段部52、第2係止段部52及び第3係止段部52は、長手方向に等間隔に配置されていてもよく、不均等な間隔で配置されていてもよく、これらの配置は適宜設定できる。
図示例では、第1係止段部52は、ドアパネル2を約30度開いた状態で保持できる位置に形成され、第2係止段部52は、ドアパネル2を約45度開いた状態で保持できる位置に形成され、第3係止段部52は、ドアパネル2を約60度開いた状態で保持できる位置に形成されている。
前記係止段部52は、長状案内溝51の先端部及び後端部以外に設けられることが好ましい。係止段部52の有無で長状案内溝51を区分けすると、長状案内溝51は、係止段部52が設けられた中途領域と、その中途領域よりも先端側であって係止段部52が設けられていない先方領域と、その中途領域よりも後端側であって係止段部52が設けられていない後方領域と、からなる。
後述するように、後方領域の長さを適宜設定することにより、ドアパネル2の開き度合いを設定できる。
なお、長状案内溝51の先端部と第1係止段部52の間には、ピン部42の頭部422を挿通できる程度の大きさの差し入れ口54が形成されている。
また、板体53の先端部及び後端部には、レール部材5をドアパネル2に取り付ける固定具を挿入するための挿入孔55が設けられている。
<調整部材>
調整部材6は、前記ドアパネル2を開方向へ回転させたときに前記ピン部42が前記係止段部52に係止されることを許容し且つ前記ドアパネル2を閉方向に回転させたときに前記ピン部42が前記係止段部52に係止されることを防止する部材である。
調整部材6は、図6に示すように、レール部材5に組み込まれた状態で長状案内溝51の長手方向に移動可能な本体61と、前記本体61に形成され且つ前記ピン部42が挿入される孔部62と、を有する。前記孔部62は、閉鎖孔であるが、一部に開放箇所を有する非閉鎖孔であってもよい。孔部62が非閉鎖孔である場合、その開放箇所は、挿入されたピン部42が孔部62内から抜け出ることがない程度の大きさ及び/又は形状にすることが好ましい。
本体61の面内に形成された孔部62は、その孔部62に挿入されるピン部42を長状案内溝51の中心線上に維持する規制部621と、前記ピン部42を係止段部52側へ移動することを許容する許容部622と、を有する。規制部621と許容部622は連成され、規制部621と許容部622とから1つの孔部62が構成されている。前記規制部621は、本体61の先端側に配置され、前記許容部622は、本体61の後端側に配置されている。
具体的には、本体61は、後述するように、ガイド壁81に沿って移動できるように、幅方向第1側及び第2側に直線状の側辺部61aを有する。本体61の平面視形状は、前記直線状の側辺部61aを有する形状であれば特に限定されず、例えば、図示例のように平面視で略長方形状(又は略正方形状)に形成されている。また、本体61は、図示例のように、板状であってもよく、或いは、板状でなくてもよい。
本体61(調整部材6)の材質は、特に限定されず、通常、金属製又は硬質プラスチック製の板体が用いられる。
規制部621は、ピン部42がレール部材5の幅方向に動くことを防止する部分である。許容部622は、(ピン部42がレール部材5の幅方向に動くことを阻害せず)ピン部42が幅方向に動くことを許容する部分である。規制部621と許容部622は、長手方向において連続して形成されている。従って、調整部材6の孔部62に挿入されたピン部42は、規制部621から許容部622へ、及び、許容部622から規制部621へと移動可能である。
規制部621は、ピン部42が規制部621から許容部622(レール部材5の長手方向に対応する方向)へと移動できるように、ピン部42の遊挿部421の直径よりもやや大きな形状に形成されている。後述するように調整部材6がレール部材5に組み込まれた状態で、規制部621の中心点が長状案内溝51の中心線上に略一致するように、規制部621は配置されている。換言すると、調整部材6がレール部材5に組み込まれた状態で、規制部621は、長状案内溝51のみが規制部621から覗き出るような形状及び配置とされている。
許容部622は、ピン部42よりも十分に大きい形状に形成されている。例えば、許容部622の幅は、長状案内溝51の幅方向において向かい合った係止段部52の間隔と略同じ又はそれよりも少し大きい。後述するように調整部材6がレール部材5に組み込まれた状態で、許容部622は、長状案内溝51及び係止段部52が許容部622から覗き出るような形状に形成されている。
<ストッパー及び開き保持構造>
本発明のストッパー3は、上記アーム部材4、付勢部材7、レール部材5及び調整部材6を組み込むことによって構成される。また、本発明のドアの開き保持構造10は、前記ストッパー3をドア支持体1及びドアパネル2に組み込むことによって構成される。
図7は、ドアの開き保持構造10の正面を拡大した図(図1の、ドアパネル2の上端面付近を拡大した図)であり、図8は、図7をさらに拡大した図であり、図9は、図7の矢印D方向(先端側)から見た拡大図である。なお、図9では、紙面手前のスペーサーと、紙面奥側のワッシャーを図示していない。
また、図10は、ストッパー3を含む開き保持構造10を分解し、下側から見た斜視図であり、図11は、その上側から見た斜視図である。なお、図11は、ドアパネル2とレール部材5の分解図であり、ドア支持体1、アーム部材4、付勢部材7及び調整部材6を図示していない。
図1、図2及び図7乃至図11を参照して、ドアパネル2の上端面には、ドアパネル2の厚み方向両側から上方に立ち上がった一対のガイド壁81,81が設けられている。なお、図7及び図8では、一対のガイド壁81,81のうち、紙面手前のガイド壁81を図示していない。
例えば、一対のガイド壁81,81を有する略コの字状のチャンネル鋼材を、ドアパネル2の上端面に固着することにより、ドアパネル2の上方に一対のガイド壁81,81が立ち上げられている。
一対のガイド壁81,81の高さ(立ち上げ高さ)は、後述するレール部材5及び付勢部材7付きアーム部材4が組み込まれた状態で、付勢部材7の腕部72がガイド壁81に当たり且つアーム部材4がガイド壁81に干渉しないように設定される。
なお、軸部材がアーム部材4から突出する場合には、その突出した軸部材がガイド壁81に干渉しないように、ガイド壁81の一部分に切り欠き部82が形成されている。
一対のガイド壁81,81の内側には、レール部材5が嵌め入れられ且つ固定されている。例えば、レール部材5は、ネジなどの固定具83を挿入孔55に挿入し且つその固定具83をドアパネル2の上端面に固着することによって、ドアパネル2に固定されている。レール部材5は、その先端部をドアパネル2の蝶番15とは反対側に向けて取り付けられている。従って、レール部材5を組み込むと、レール部材5の長状案内溝51が、ドアパネル2の横方向に直線状に延在されている。なお、特に図示しないが、レール部材5は、ガイド壁81に固定されていてもよい。
また、アーム部材4のピン部42の頭部422が、レール部材5とドアパネル2の上端面の間を移動できるようにするため、レール部材5とドアパネル2の上端面の間には、前記頭部422の肉厚よりも大きい隙間が確保されている。この隙間を確保するため、レール部材5とドアパネル2の間にはスペーサー84が介在されている。スペーサー84は、レール部材5の先端部及び後端部にそれぞれ介在され、例えば、前記固定具83を介してレール部材5とドアパネル2の上端面の間に固定されている。
レール部材5の上面には、調整部材6が載せられる。なお、調整部材6は、その先端部をレール部材5の先端側に向けて載せられている。調整部材6は、調整部材6の両側辺部61aがガイド壁81の内側に接し又は近接した状態で、レール部材5の上面上を自由に擦動可能である。すなわち、調整部材6の本体61は、レール部材5に設けられた長状案内溝51の長手方向に沿って自由に移動可能である。なお、調整部材6は、ガイド壁81によって案内されるので、その規制部621の中心点が長状案内溝51の中心線上にほぼ沿って、長手方向に(レール部材5の先端側から後端側へ、及び、レール部材5の後端側から先端側へ)移動可能である。
アーム部材4には、付勢部材7が取り付けられている。付勢部材7は、図10などに示すように、ネジなどの固定具85をコイル部71に挿通し、それをアーム部材4のネジ穴44に固着することによって、アーム部材4に取り付けられている。かかる付勢部材7は、アーム部材4の先端部側において、その腕部72がアーム部材4の幅方向第1側辺及び第2側辺よりもそれぞれ外側に突出されている。
付勢部材7が取り付けられたアーム部材4のピン部42は、調整部材6の孔部62及び長状案内溝51に挿入されている。ピン部42には抜け止め用の頭部422が設けられているので、組み込み時には、調整部材6の許容部622から長状案内溝51の差し入れ口54を通じてピン部42の頭部422を挿入する。挿入されたピン部42の頭部422は、レール部材5とドアパネル2の隙間に位置し、ピン部42の遊挿部421が、調整部材6の孔部62及びレール部材5の長状案内溝51に遊びを有して挿入される。
他方、アーム部材4の枢着部は、ドア支持体1(ドア枠1)の上面に枢着されている。例えば、アーム部材4の挿入孔43に、ボルトなどの軸部材86が挿通され、その軸部材86の端部がドア枠1の上桟11に固着されている。アーム部材4は、軸部材86の頭部によって抜脱不能に軸支されており、その軸部材86(枢着部)の周りに回転可能に軸支されている。アーム部材4をスムースに回転させるために、必要に応じて、ワッシャー87が介装される。
アーム部材4は、前記軸部材86の軸(軸部材86の軸は、第2軸部J2に相当する)の周りに回転可能である。軸部材86の軸(第2軸部J2)は、蝶番15の軸(第1軸部J1)と平行である。また、軸部材86の軸(第2軸部J2)と蝶番15の軸(第1軸部J1)は、上下方向においては一致しておらず、第1軸部J1と第2軸部J2は、水平方向(例えば、ドアパネル2の横方向)において位置ずれして配置されている。このため、アーム部材4は、ドアパネル2と同じ方向に回転する。
ピン部42が長状案内溝51に挿入され且つ枢着部がドア枠1に枢着されたアーム部材4は、ガイド壁81とドア枠1の上面の間に位置している。また、アーム部材4から突出された軸部材86の周辺は、ガイド壁81の切り欠き部82に位置している。従って、アーム部材4は、ガイド壁81に干渉することなく、軸部材86の軸(第2軸部J2)の周りに回転するようになる。なお、アーム部材4に取り付けられた付勢部材7の腕部72は、ガイド壁81の内側に位置している。
<ストッパー及び開き保持構造の動作>
上記ストッパー3がドア支持体1とドアパネル2の間に具備された開き保持構造10は、ドアパネル2の開状態を保持できる。例えば、本発明の開き保持構造10は、次のような方法で、開いたドアパネル2の状態を保持でき、さらに、開状態に保持されたドアパネル2を再び閉じることができる。
図12は、ドアパネル2を開いたときの状態を上方から見た平面図である。
図12において、(1)は、ドアパネル2の全閉状態(ドアパネル2の全体がドア枠1に嵌まっている状態)を示し、(2)は、ドアパネル2を第1位置まで開いたときの状態(第1開状態)を示し、(3)は、ドアパネル2を第2位置まで開いた状態(第2開状態)を示し、(4)は、ドアパネル2を第3位置まで開いた状態(第3開状態)を示し、(5)は、ドアパネル2を全開した全開状態を示す。図13は、全閉状態のときのストッパー3周辺を拡大した平面図であり、図14は、第2開状態のときのストッパー3周辺を拡大した平面図であり、図15は、全開状態のときのストッパー3周辺を拡大した平面図である。
図12(1)及び図13を参照して、ドアパネル2が全閉状態にあるときには、付勢部材7を含むアーム部材4、調整部材6及びレール部材5は、ドアパネル2の上方に収まっている。この際、アーム部材4のピン部42の中心点及び調整部材6の規制部621の中心点は、長状案内溝51の中心線上にほぼ位置し、第1軸部J1と第2軸部J2は、前記中心線の延長戦上にほぼ位置している。
また、アーム部材4のピン部42の遊挿部421は、調整部材6の規制部621及び長状案内溝51の先端部に位置している。
アーム部材4は、枢着部(第2軸部J2)においてドア支持体1に枢着され且つ自由端部に設けられたピン部42がレール部材5に固定された長状案内溝51に挿入されている。このため、ドアパネル2を開方向へ回転させると(例えば、ドアパネル2を第1側へと開くと)、その回転に従動してピン部42が長状案内溝51の長手方向先端部から後端部側へと移動し始めると共に、アーム部材4が第2軸部J2を中心にして回転し始める。調整部材6の規制部621と許容部622が連続しているので、後端部側へ移動し始めたピン部42は、調整部材6の規制部621から許容部622へと移動する。なお、第2軸部J2は、第1軸部J1とピン部42の間に配置されているので、アーム部材4の回転角は、ドアパネル2の回転角(開き角度)よりも大きくなる。
ドアパネル2の回転に従い、許容部622に位置するピン部42は、調整部材6を伴いながらレール部材5の後端部側へと移動する。そして、ピン部42が第1係止段部52にまで至ると、図12(2)に示すように、ピン部42が長状案内溝51の中心線からずれて第1係止段部52に嵌まるようになる。調整部材6を係止段部52上に重ねた際に、係止段部52が覗き出るように調整部材6の許容部622は形成されているので、ピン部42は、調整部材6に阻害されることなく第1係止段部52に嵌まり込むようになる。つまり、調整部材6は、ドアパネル2を開方向へ回転させたときに前記ピン部42が係止段部52に係止されることを許容する。
特に、アーム部材4には付勢部材7が設けられているので、アーム部材4がドアパネル2の開方向に付勢される(つまり、ピン部42が係止段部52側へ付勢される)。具体的には、ドアパネル2が開方向に回転に従動するアーム部材4の回転角は、ドアパネル2の回転角(開き角度)よりも大きくなるので、ドアパネル2が第1側に回転すると、付勢部材7の腕部72が第2側のガイド壁81に当たり、その反発力でアーム部材4が第1側へ付勢される(つまり、ピン部42が第1側の係止段部52側へと付勢される)。
ピン部42の遊挿部421が第1係止段部52に嵌まり込むことにより、ピン部42が第1係止段部52に係止される。係止段部52は、レール部材5の後端側に非係止側壁52aを有し、先端側に係止側壁52bを有するので、第1係止段部52に係止されたピン部42は、後端側へ移動することが許容された状態で、先端側へ移動することができなくなる。
ピン部42が第1係止段部52に係止されて先端側へ移動不能になることにより、アーム部材4が突っ張り棒の役割を果たし、ドアパネル2の開状態が保持される。係止段部52にピン部42が一旦係止されると、アーム部材4が開状態のドアパネル2とドア支持体1の間で強固に突っ張るので、人力でドアパネル2を閉めることは非常に困難である。図12(2)の第1開状態では、ドアパネル2が約30度に開いた状態で保持されている。
図12(2)の第1開状態から、ドアパネル2をさらに開方向へ回転させると、第1係止段部52に係止されていたピン部42が非係止側壁52aを通じて第1係止段部52から離脱し、ピン部42が長状案内溝51内を後端部側へ移動すると共に、アーム部材4がドアパネル2と同じ方向に回転する。このため、ドアパネル2をスムースに開くことができる。この間も、アーム部材4は付勢部材7によって第1側へ付勢されている。
ピン部42が第1係止段部52と第2係止段部52の間の第1内側壁53aに接しながら移動し、図12(3)及び図14に示すように、ピン部42が第2係止段部52に至ると、遊挿部421が第2係止段部52に嵌まり込む。第2係止段部52に係止されたピン部42は、第1係止段部52と同様に、後端部側へ移動することが許容された状態で、先端部側へ移動することができなくなるので、ドアパネル2の開状態が保持される。図12(3)の第2開状態では、ドアパネル2が約45度に開いた状態で保持されている。
図12(3)の第2開状態から、ドアパネル2をさらに開方向へ回転させると、同様に、ピン部42が第3係止段部52に係止され、ドアパネル2の開状態が保持される。図12(4)の第3開状態では、ドアパネル2が約60度に開いた状態で保持されている。
図示例では、レール部材5に3箇所の係止段部52が設けられているので、ドアパネル2を3段階で保持できるが、係止段部52を4箇所以上に設けてよく、また、係止段部52を1箇所又は2箇所に設けてもよい。
上述のように、一旦、ピン部42が係止段部52に係止されると、ドアパネル2を閉方向に回転させることは非常に困難である。この点、ストッパー3には調整部材6が設けられているので、ドアパネル2を閉方向に回転させたときにピン部42が係止段部52に係止されることが防止され、ドアパネル2を元の全閉状態に戻すことができる。
具体的には、第3開状態に保持されたドアパネル2をさらに開方向へ回転させると、ピン部42が第3係止段部52から離脱し、長状案内溝51の後方領域に至るようになる。後方領域は、係止段部52を有さず、長状案内溝51本来の直線状の溝のみからなるので、ピン部42は、長状案内溝51の中心線上に沿って移動する。ピン部42が後端部側に移動するときには、調整部材6の許容部622にピン部42が存在するので、ピン部42は、何ら支障なく長状案内溝51の中心線上に沿って後端部側へと移動できる。
図12(5)及び図15に示すように、ピン部42が長状案内溝51の後端部にまで移動すると、ドアパネル2が全開状態となる。第3係止段部52から長状案内溝51の後端部までが後方領域であるが、図示例では、ピン部42が長状案内溝51の後端部に至ったときに、ドアパネル2が約90度に開いた状態となるように、後方領域の長さを設定している。なお、後方領域の長さをこれよりも短く設定すると、ドアパネル2は、90度未満で全開状態となり、後方領域の長さをこれよりも長く設定すると、ドアパネル2は、90度を超えて開くことができるようになる(ただし、ドアパネル2そのものが90度を超えて回転可能であることが条件となる)。
長状案内溝51の後方領域を移動し、長状案内溝51の後端部に至ったピン部42の中心点は、図示のように、長状案内溝51の中心線上にほぼ位置している。そして、ドアパネル2を閉方向(第2側)に回転させると、先程とは逆に、ピン部42はアーム部材4に押し出されて長状案内溝51の先端側へと移動する。ピン部42が先端側へ移動し始めたときには、図16に示すように、ピン部42が調整部材6の許容部622から規制部621へと移動する。許容部622及び規制部621は連続した孔部62であるため、許容部622から規制部621にピン部42が移動する際には、調整部材6は、ピン部42に追従することなく、規制部621が長状案内溝51の中心線上に位置したままで動かない。ピン部42が規制部621に入り込むと、ピン部42は、調整部材6を伴って先端側へと移動する。調整部材6は、その規制部621が長状案内溝51の中心線上に沿って長手方向に移動するため、図17及び図18に示すように、ピン部42が長状案内溝51の中途領域を移動している間も、ピン部42は長状案内溝51の中心線上に維持された状態で移動するようになる。このため、ピン部42が先端側へ戻る際には、調整部材6の規制部621によってピン部42が係止段部52に係止されることがなく、ドアパネル2を全閉状態に閉じることができる。
なお、前記許容部622から規制部621への移動は、必ずしもピン部42を長状案内溝51の後端部にまで移動させなければならないわけではない。第3開状態のドアパネル2を開方向に少し回転させ、許容部622に位置するピン部42を規制部621に移動できる程度までピン部42を後方領域に移動させればよいからである。つまり、許容部622と規制部621の長さ分相当量、ピン部42を後方領域に移動させた後、ドアパネル2を閉方向に回転させると、ピン部42が規制部621に嵌まり込むようになる。
本発明のストッパー3を有する開き保持構造10は、ドアパネル2を開方向へ回転させるだけで、ドアパネル2を所定角度の開状態に保持できる。かかるストッパー3は、比較的簡易な構造であり、安価に作製できる上、その取り扱いも容易である。
また、調整部材6を有するストッパー3を用いた場合には、開状態に保持されたドアパネル2を、容易に元の閉状態へ閉じることができる。特に、調整部材6は、極めて簡易な構造であるにも拘わらず、その効果は絶大である。
上記では、ドアパネル2を第1側に回転させたときの動作を説明したが、上記レール部材5は長状案内溝51の第1側及び第2側にそれぞれ係止段部52が設けられているので、ドアパネル2が第2側に回転可能である場合には、ドアパネル2を第2側へ開いても、同様の動作で、ピン部42が第2側の係止段部52に係止されるので、ドアパネル2の開状態を保持できる。また、調整部材6によってドアパネル2を閉方向へ回転させることができる。
第1側に開閉するドアパネル2に対しては、少なくとも第1側に係止段部52が設けられているレール部材5を用いればよく、第2側に開閉するドアパネル2に対しては、少なくとも第2側に係止段部52が設けられているレール部材5を用いればよい。
また、上記では、ストッパー3に調整部材6が具備されているが、調整部材6を有さないストッパー3であってもよい。上述のように、係止段部52にピン部42が係止されることによって開状態が保持されたドアパネル2は、人力でドアパネル2を閉めることは非常に困難である。この状態からドアパネル2を開方向へ回転させると、前記係止段部52のピン部42に対する係止が解除されるが、調整部材6を有さない場合には、ドアパネル2を閉方向に回転させると、再び係止段部52(例えば、第3係止段部52)に保持される。つまり、調整部材6を有さない場合には、一旦開いたドアパネル2は、人力で全閉困難である。
もっとも、ドアパネル2が開かれたか否かを判別したい用途には、調整部材6を有さないストッパー3は有効である。
例えば、非常口に用いられるドアパネル2やベランダの仕切りとして用いられるドアパネル2などは、通常、開けられることはない。換言すると、これらのドアパネル2は、非常時に開けられる又は悪戯などによる異常時に開けられる。このようなドアパネル2に、調整部材6を有さないストッパー3を具備させると、上述のように、一旦開いたドアパネル2を人力で戻すことが非常に困難である。このため、何者かが、非常時又は異常時にドアパネル2を開けたことを容易に判別できる。
なお、調整部材6を有さないストッパー3が具備された開き保持構造10については、ドア管理者などの作業者が、ドアパネル2の上方から手動でピン部42を動かして係止段部52の係止を解除することにより、ドアパネル2を全閉状態に戻すことができる。
その場合、ドライバーやペンチなどの一般工具を用いて、係止段部52のピン部42に対する係止を解除できるが、例えば、図19に示すような解除部材9を用いることにより、係止段部52の係止を簡単に解除できる。かかる解除部材9は、図19に示すように、調整部材6と同様に一対のガイド壁81,81の間に嵌め入れ可能で且つレール部材5上を移動させることができる本体91と、前記本体91に形成され且つ前記ピン部42が挿入される開放孔部92と、を有する。前記開放孔部92は、幅方向中央部に形成され且つピン部42がレール部材5の幅方向に動くことを防止する規制部921と、この規制部921に連成され且つ長手方向後端側に向かうに従って次第に広がった一対のテーパ部922a,922aを有する受入れ部922と、を有する。
かかる解除部材9を、図20に示すように、先端側からレール部材5上に載せ、長手方向後端側にレール部材5上をスライドさせて係止段部52に係止されているピン部42へと押し込むことにより、ピン部42の遊挿部421がテーパ部922aの傾斜に従い係止段部52から外れ始め、さらに、解除部材9を押し込むことにより、ピン部42の遊挿部421が解除部材9の規制部921に位置するようになる。解除部材9の規制部921にピン部42が保持されることにより、上記調整部材6の作用と同様に、ピン部42が係止段部52に係止されることがなく、ドアパネル2を全閉状態に閉じることができる。
なお、図20では、便宜上、図14の第2開状態のときの解除を例に取って示している。
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として上述の実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する(第3実施形態以降も同様である)。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、ドアパネル2にレール部材5を固定し且つドア支持体1にアーム部材4を枢着しているが、例えば、図21に示すように、ドアパネル2の上端面にアーム部材4を枢着し且つドア支持体1にレール部材5を固定してもよい。なお、レール部材5は、長状案内溝51の長手方向をドア支持体1の横方向に平行にして固定される。
かかる開き保持構造10は、レール部材5とアーム部材4が上記第1実施形態とは天地逆向きになっただけである。すなわち、第2実施形態の開き保持構造10は、ドア支持体1、ドアパネル2及びストッパー3を有し、前記ストッパー3が、ドアパネル2に枢着され且つ第1軸部J1と平行な第2軸部J2の周りに回転可能なアーム部材4と、ドア支持体1の横方向に延びる長状案内溝51を有するレール部材5と、を有し、アーム部材4には、長状案内溝51に挿入されたピン部42が突設されており、前記ドアパネル2の開方向への回転に従動して、前記ピン部42が前記長状案内溝51の長手方向先端側から後端側へ移動すると共に前記アーム部材4が第2軸部J2を中心に回転し、長状案内溝51の先端部と後端部の間には、前記ピン部42を係止する係止段部52が形成されている。
第2実施形態の開き保持構造10の動作は、第1実施形態と同様であるため、その動作の説明は省略する。
[第3実施形態]
上記第1及び第2実施形態において、係止段部52は、平面視で、長状案内溝51の内側壁53a,53bに対して略鈍角状に凹んだ非係止側壁52aと、内側壁53a,53bに対して略直角状に凹んだ係止側壁52bと、を有するが、例えば、図22に示すように、係止側壁52bが、平面視で、長状案内溝51の内側壁53a,53bに対して略鋭角状に凹んだ形状に形成されていてもよい。また、係止側壁52bは、ピン部42を係止できればよいので、上記のような略直角状や略鋭角状以外に形成することも可能である。
[第4実施形態]
上記実施形態では、アーム部材4は、ドアパネル2が全閉状態のときのドアパネル2の上方におけるドア支持体1に枢着されているが、アーム部材4は、例えば、ドアパネル2よりも第1側又は第2側に位置ずれして枢着されていてもよい。また、レール部材5は、ドアパネル2の上端面に固定されているが、例えば、ドアパネル2の上方部から第1側又は第2側に出張るようにレール部材5が固定されていてもよい。
また、上記ドアパネル2に、従来公知のドアクローザーが取り付けられていてもよい。ドアクローザーとしては、リョービ(株)のドアクローザー、朝日工業(株)のドアクローザーなどが挙げられる。
その他、上記様々な実施形態から選ばれる2つ以上の構成を適宜組み合わせてもよく、或いは、上記様々な実施形態から選ばれる1つ又は2つ以上の構成を、それ以外の実施形態に置換してもよい。
10 ドアの開き保持構造
1 ドア支持体
2 ドアパネル
3 ストッパー
4 アーム部材
42 ピン部
5 レール部材
51 長状案内溝
52 係止段部
6 調整部材
62 孔部
621 規制部
622 許容部
7 付勢部材
J1 第1軸部
J2 第2軸部

Claims (4)

  1. ドア支持体と、前記ドア支持体に枢着され且つ第1軸部の周りに回転可能なドアパネルと、前記ドアパネルの開状態を保持するストッパーと、を有し、
    前記ストッパーが、前記ドア支持体に枢着され且つ前記第1軸部と平行な第2軸部の周りに回転可能なアーム部材と、前記ドアパネルの横方向に延びる長状案内溝を有するレール部材と、調整部材と、を有し、
    前記アーム部材の前記第2軸部の反対側には、前記長状案内溝に挿入されたピン部が突設されており、
    前記ドアパネルの開方向への回転に従動して、前記ピン部が前記長状案内溝の長手方向に移動すると共に前記アーム部材が第2軸部を中心に回転し、
    前記長状案内溝の先端部と後端部の間には、前記ピン部を係止する係止段部が形成されており、
    前記調整部材が、前記ドアパネルを開方向へ回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを許容し且つ前記ドアパネルを閉方向に回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを防止する部材であって、前記長状案内溝の長手方向に移動可能な本体と、前記本体に形成され且つ前記ピン部が挿入される孔部と、を有し、
    前記孔部が、先端部側に配置され、且つ前記ピン部を長状案内溝の中心線上に維持する規制部と、後端部側に配置され且つ前記ピン部を係止段部側へ移動することを許容する許容部と、を有する、ドアの開き保持構造。
  2. ドア支持体と、前記ドア支持体に枢着され且つ第1軸部の周りに回転可能なドアパネルと、前記ドアパネルの開状態を保持するストッパーと、を有し、
    前記ストッパーが、前記ドアパネルに枢着され且つ前記第1軸部と平行な第2軸部の周りに回転可能なアーム部材と、前記ドア支持体の横方向に延びる長状案内溝を有するレール部材と、調整部材と、を有し、
    前記アーム部材の前記第1軸部の反対側には、前記長状案内溝に挿入されたピン部が突設されており、
    前記ドアパネルの開方向への回転に従動して、前記ピン部が前記長状案内溝の長手方向先端部側から後端部側へ移動すると共に前記アーム部材が第2軸部を中心に回転し、
    前記長状案内溝の先端部と後端部の間には、前記ピン部を係止する係止段部が形成されており、
    前記調整部材が、前記ドアパネルを開方向へ回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを許容し且つ前記ドアパネルを閉方向に回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを防止する部材であって、前記長状案内溝の長手方向に移動可能な本体と、前記本体に形成され且つ前記ピン部が挿入される孔部と、を有し、
    前記孔部が、先端部側に配置され、且つ前記ピン部を長状案内溝の中心線上に維持する規制部と、後端部側に配置され且つ前記ピン部を係止段部側へ移動することを許容する許容部と、を有する、ドアの開き保持構造。
  3. 前記ストッパーが、前記ピン部を前記係止段部側へと付勢する付勢部材をさらに有する、請求項1又は2に記載のドアの開き保持構造。
  4. ドア支持体及びドアパネルのいずれか一方に枢着される枢着部を有するアーム部材と、
    ドア支持体及びドアパネルの他方に固定されるレール部材と、調整部材と、を有し、
    前記レール部材には、長状案内溝が形成されており、
    前記アーム部材には、その枢着部の反対側に、前記長状案内溝に遊びを有して挿入されるピン部が突設されており、
    前記長状案内溝の先端部と後端部の間には、前記ピン部を係止する係止段部が形成されており、
    前記調整部材が、ドアパネルを開方向へ回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを許容し且つドアパネルを閉方向に回転させたときに前記ピン部が前記係止段部に係止されることを防止する部材であって、前記長状案内溝の長手方向に移動可能な本体と、前記本体に形成され且つ前記ピン部が挿入される孔部と、を有し、
    前記孔部が、先端部側に配置され、且つ前記ピン部を長状案内溝の中心線上に維持する規制部と、後端部側に配置され且つ前記ピン部を係止段部側へ移動することを許容する許容部と、を有する、ドアのストッパー。
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