JP6637039B2 - 触媒組成物、それの製造方法およびそのような触媒を用いてアルコールをアルコキシル化する方法 - Google Patents

触媒組成物、それの製造方法およびそのような触媒を用いてアルコールをアルコキシル化する方法 Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2014年6月17日に出願した米国出願番号62/013,060(これの開示はあらゆる目的で引用することによって本明細書に組み入れられる)に対する優先権を主張するものである。
本発明は、アルコキシル化用触媒組成物、それの製造方法およびそのような触媒を用いたアルコキシル化方法に向けたものである。特に、本発明はアルコールをアルコキシル化、特にアルコールをエトキシル化するための触媒組成物および方法に向けたものである。
アルコールのアルコキシル化は様々な触媒を用いることで実施可能である。例えば、アルコールの典型的なアルコキシル化方法は、KOHを触媒として用いる方法である。
近年、アルコールのアルコキシル化は、アルカリ土類金属が基になった触媒を用いて行われるようになってきている。そのようなアルカリ土類金属が基になった触媒は、特許文献1、2、3、4、5、6および7(これらは全部あらゆる目的で引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されているこのようなアルカリ土類金属が基になった触媒は、前記特許文献により詳細に考察されているように、主にピークト・エトキシレート(peaked ethoxylates)として知られる物質をもたらす能力を有することから、アルコキシル化反応、特にアルコールのアルコキシル化に好適である。当業者によく知られているように、そのピークトエトキシレートは最終使用用途、例えば界面活性剤、洗浄剤などに望ましい特定の特性を与える。
典型的なアルコキシル化反応では、用いる触媒に関係なく、アルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイドなどを活性水素原子を有する化合物、例えばアルコールなどと反応させている。しかしながら、活性水素を有する他の化合物、例えばカルボキシル化化合物などのアルコキシル化もまたそのような縮合反応で適切なアルキレンオキサイドおよび適切な触媒を用いることで実施可能であることを理解すべきである。
典型的には、その用いられるアルキレンオキサイドの炭素原子数は2から4、より好適には炭素原子数は2から3である。このように、大部分のアルコキシル化反応で選択されるアルキレンオキサイドは一般にエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドである。
アルコキシル化反応、特にこの上に挙げた特許文献に記述されている如きアルカリ土類金属が基になった触媒の使用を伴うアルコキシル化反応にはいくつかの問題がある。そのような1つの問題は、ある種のアルコキシル化アルコールが酸化を受けることにある。現在のところ、最終製品、即ちアルコキシル化アルコールをタンク車または他の輸送用容器に充填している時にブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)をアルコキシレート用抗酸化剤として用いて添加することが行われている。そのような酸化問題は特にアルコキシレートのモル含有量が高いアルコールアルコキシレートに関して重大である。これに関して、そのような高モルのアルコキシレートを液状のままにすることでタンク車および他の容器にポンプ輸送することができるようにそれを加熱する必要がある。アルコキシレートを液状形態に維持するために必要な熱によって更に酸化が継続して起こる。加うるに、その輸送用容器内の抗酸化剤とアルコールアルコキシレートが均一に混ざり合っていることを
確保することは困難であり、実際に大きな度合で混合が行われており、混合をそのような度合で行うと、結果として単にタンク車または他の輸送用容器内の液体が飛び散ることになる。それは、そのような付随して起こる混合によって空気による酸化が起こり得る前に抗酸化剤が溶解するであろうことを期待するものである。
アルコール、特に典型的なアルコキシル化反応、例えば150から175℃の温度で有意な蒸気圧を示すアルコールにアルコキシル化を受けさせている時に典型的に遭遇する別の問題は、容器内の塔頂空間部が減少することである。その反応は密封容器内で行われることから、当該アルコールの蒸気圧が高いと反応槽の塔頂空間部の圧力がアルコール蒸気の分圧で満たされてしまう。このアルコールの蒸気圧に加えて反応槽に安全の目的で加えられる窒素の塔頂空間部圧力によって一般に気体状のアルキレンオキサイドが利用できる塔頂空間部が大きく減少してしまう。このような影響は連鎖的影響である、と言うのは、添加されるアルキレンオキサイドによって反応槽の圧力が高くなることでアルキレンオキサイドのさらなる添加が妨害されるからである。その結果として反応の開始が困難になりかつ所望アルコキシレートの生産率が低下してしまう。
米国特許第4,775,653号 米国特許第4,835,321号 米国特許第4,754,075号 米国特許第4,820,673号 米国特許第5,220,077号 米国特許第5,627,121号 米国特許公開2007/0060770
1つの面において、本発明は、アルコールのアルコキシル化で用いるに適した触媒を提供するものである。
別の面において、本発明は、アルコールのアルコキシル化で用いるに適した触媒を生じさせる方法を提供するものである。
更に別の面において、本発明は、不飽和アルコール、特に末端結合を有するアルコールにアルコキシル化を結果として内部の二重結合をもたらす異性化を防止しながら受けさせる方法を提供するものである。
以下の詳細な説明から本発明の前記およびさらなる特徴および利点が明らかになると思われ、ここで、添付図に示す図を参照する。
図1は、本発明の触媒を用いて生じさせたアルコールエトキシレートの酸化結果を示すグラフである。 図2は、本発明の触媒を用いて生じさせたアルコールエトキシレートの酸化結果を示す別のグラフである。 図3は、イソペンテノールアルコールのNMRスペクトルである。 図4は、本発明の触媒を用いて調製したEOが10モルのイソペンテノールアルコールのNMRスペクトルである。 図5は、本発明の触媒を用いて調製したEOが50モルのイソペンテノールアルコールのNMRスペクトルである。 図6は、ナトリウムメトキサイド触媒を用いて調製したEOが50モルのイソペンテノールアルコールのNMRスペクトルである。
好適な態様の詳細な説明
本発明を特にアルカリ土類金属が基になった触媒をアルコキシル化反応で用いることに関して説明を行うが、それに限定するものでない。一般に、本発明の組成物および方法は、結果としてもたらされるアルコキシレートの酸化が問題である場合のアルコキシ化アルコールなどの製造で行われる如何なる触媒作用反応にも使用可能である。
述べたように、本発明は、アルコキシル化用触媒、それの製造方法およびとりわけ結果としてもたらされるアルコキシレートの酸化が問題である場合のアルコキシル化方法に関して特に有用である。
触媒前駆体の調製
本発明の触媒の調製では、まず最初に触媒の前駆体(本明細書では触媒前駆体と呼ぶ)を調製する。米国特許第5,627,121号(‘121特許)(引用することによってあらゆる目的で本明細書に組み入れられる)に詳述されているように、その触媒前駆体は、一般式:
1−0−(Cn2n0)pH I
[式中、R1は炭素原子数が約1から約30の有機基であり、nは1−3、特に2であり、そしてpは1−50の整数である]
で表されるアルコキシル化アルコール混合物を水酸化カルシウム、カルボン酸および無機酸と反応させると生じる。次に、その混合物にプロピレンオキサイドを加える。
用いるアルコキシル化アルコール混合物の調製はアルコールのアルキレンオキサイド付加体の調製に関して当該技術分野で良く知られている方法を用いて実施可能である。別法として、本発明の方法に従ってアルキレンオキサイド付加体の調製を実施することも可能である。触媒前駆体の調製で用いるアルコキシル化アルコール混合物は典型的に遊離アルコールを含有し、その量および種類はアルコキシル化アルコール源に応じて多様である。一般的に言って、アルコキシル化アルコール混合物の遊離アルコール含有量は約1から約60重量%であろう。
適切なカルボン酸は、水よりも炭化水素溶媒に対して高い混和性を示すカルボン酸である。そのようなカルボン酸は一般に脂肪酸であると見なすことができ、それが炭化水素中で示す混和性または溶解性がより高くなるような酸官能性に対する炭素鎖長を有する。脂肪酸の非限定例には、炭素鎖長が炭素原子約5個分以上、一般に炭素原子数が約5から約15の天然もしくは合成の単官能カルボン酸が含まれる。そのような適切な酸の具体例には、ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、イソオクタン酸、ステアリン酸、ナフタン酸およびそのような酸の混合物または異性体が含まれる。そのような酸を用いる場合、それらが飽和であるのが好適であるが、場合により本方法を妨害しない他の官能基、例えばヒドロキシル基、アミン基などを含有していても構わない。そのような脂肪酸を用いると水酸化カルシウムの分散性がより良好になりかつ活性触媒の懸濁液がそれに入っている固体が分散したままである点でより安定になることを見いだした。
有用な無機酸には、酸自身ばかりでなく“酸塩”も含まれる。このように、無機酸の非限定例には、硫酸、塩酸、フッ化水素酸、燐酸、ピロ燐酸、二フッ化アンモニウム、硫酸アンモニウムなどが含まれる。特にオキシ酸、例えば硫酸などが好適である。
触媒前駆体の好適な製造方法では、水酸化カルシウムおよびアルコキシル化アルコール混合物を還流冷却器を装備しておいた適切な撹拌槽に仕込む。その混合物を30分間撹拌した後、カルボン酸を添加しそして次に撹拌を更に30分間行う。一般的には、その3種類の成分を室温で混合するが、より高い温度も使用可能である。その水酸化カルシウムが分散した後、無機酸、例えば硫酸などをその反応混合物にこの反応混合物に存在する滴定可能なアルカリの少なくとも25%が中和されるに充分な量で導入する。アルコキシレートの硫化がいくらか起こるのを回避する目的で無機酸を2分割してゆっくり添加する。その2分割の各々を少なくとも1時間かけて添加すべきであることに加えて各部分の添加と添加の間に少なくとも45分間の撹拌を行う。硫酸を添加している間ずっと温度を50℃未満に維持すべきである。これは公知のいずれかの方法を用いて達成可能であるが、好適な態様では、冷却水循環を用いかつ硫酸の添加速度を制御することでその温度を維持する。この段階中、反応槽にある程度の真空をかける必要があり得る、と言うのは、その無機酸は濃密で粘性がある可能性があるからである。
触媒前駆体に存在するアルコキシル化アルコールの少なくとも一部がプロポキシル化されるようなプロポキシル化条件下でプロピレンオキサイドを添加する。本発明の方法に従うプロポキシル化によって、式
1−0−(Cn2n0)p−(C360)tH II
[式中、nは1−3、特に2であり、pは1から50でありそしてtは1から15、好適には1から10、より好適には1から7である]で表されるアルコキシル化/プロポキシル化アルコールが生じる。特に、R1の炭素原子数が8から14であり、pが2から6でありそしてtが1から3、最も好適には1から1.5である式IIに従うエトキシル化/プロポキシル化種が好適である。アルコールの全てのアルコキシル化種の場合のように、アルコキシ基はある分散度を示し、この上に示した数はアルコキシル化種に存在するアルコキシ/プロポキシ基の平均数を示すものであることは理解されるであろう。
一般的には、触媒前駆体と所望量のプロピレンオキサイドの反応を約95から約200°C、好適には約100℃の温度において15から75psigのプロピレンオキサイド圧下で実施する。その混合物に蒸留をある程度の減圧下で約15分間受けさせることでいくらか存在する揮発物を除去してもよい。
触媒の調製
本発明の触媒の調製では、触媒前駆体をスラリーとして生じさせそしてそのスラリーに結晶性BHTを最終生成物であるアルコキシル化アルコール中のBHT量が結果として50から200ppm、好適には50から100ppmになるような量で添加する。BHTと前記スラリーの混合を大気圧下約25℃でそれが溶解するまで実施する。
抗酸化特性を有する触媒を生じさせる目的で他の抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシアニソールなどを用いることも可能であるが、当該抗酸化剤が人の健康に有害ではないことを条件とすることは理解されるであろう。
本発明の触媒を用いたアルコキシル化方法
本発明の触媒は、活性水素原子を有する化合物、例えばアルコールなどのアルコキシル化で用いるに適する。本触媒をアルキレンオキサイドおよび活性水素原子を有する選択した化合物と反応させる。
典型的な従来技術のアルコキシル化反応では、反応を150℃から175℃の温度で起させている。本発明の改良触媒を用いるアルコールのアルコキシル化では、有意に低い温度、特に110℃から130℃の温度で実施する。このように温度を低くすると反応槽内の蒸気圧が低くなることで、アルキレンオキサイドが反応槽内の塔頂空間部をより大きく占めることが可能になる。反応槽内に追加的な空間的余裕があることは、より多くのアルキレンオキサイドをより速い速度で添加することが可能になることで工程の効率が改善されることを意味する。
従来技術のアルコキシル化用触媒、例えばNaOH、KOHまたはナトリウムメトキサイドなどを用いると、触媒をアルコールに添加した後に水またはメタノールを留出させる追加的段階が必要になる。ポリエチレングリコールの生成を回避する目的で水の除去は重要である。この段階は、低揮発性のアルコール(例えばヘキサノールまたはイソペンテノール)のアルコキシル化を行おうとする時には達成が困難であり得る、と言うのは、水を除去する工程ではまた揮発性の供給材料であるアルコールも除去されてしまうからである。本発明の触媒を用いる時には水を留出させる必要がない。このように、本発明の触媒を用いたアルコールのアルコキシル化は効率がより良くかつ生成物の収率がより高い。
本発明の触媒は特に末端二重結合を有するアルコールのアルコキシル化で用いるに適する。高いアルカリ性を示す従来技術の触媒、例えば水酸化カリウムおよびナトリウムメトキサイドなどを用いると二重結合が末端位から内部位に移動するといった異性化が起こる。加うるに、従来技術の触媒を用いると副生成物であるポリエチレングリコール(PEG)が多量に生じてしまう。本発明の触媒は末端二重結合に障害を与えることはなくかつ生じさせるPEGの量もずっと少ない。
本発明の触媒を用いて生じさせたアルコキシル化アルコールの輸送は容易である。その生成物を単にポンプ輸送可能な温度に加熱して、それを輸送用運搬手段にポンプ輸送するだけである。輸送中に起こる酸化を防止するための如何なる追加段階も設ける必要がない。本発明の触媒は特に典型的に輸送中に酸化を受け易い製品を製造しようとする時に用いるに適する。
以下の非限定実施例では、本発明の触媒を用いるとアルコキシル化アルコール、特にエトキシル化アルコールの酸化が防止されることを実証する。
エチレンオキサイド(EO)が9モルのC12−C13アルコールエトキシレートのサンプルの調製を本発明の触媒用いて実施した。完成エトキシレートにBHTを50ppm、100ppm、200ppm送り込む量でそれを添加した。これらのサンプルをBHT無しで調製したサンプルおよび完成した生成物にのみBHTを100ppm添加したサンプルと比較した。これらのサンプルを温度が60℃の強制空気オーブンに17日間入れることで空気にさらした。この期間中にサンプルを一定分量で取り出して酸化副生成物の証拠に関してNMRで分析したが、その副生成物にはアルデヒド、エステル、アセタール/ヘミ−アセタールおよび蟻酸エステルが含まれていた。これらの副生成物を酸化日数と対比させて“エトキシレート100モル当たりのモル”として報告した。これらの酸化副生成物の総量を図1中のY軸にプロットした。
図2に、図1に示したデータと同じデータを示すが、この図では、BHTを添加しなかったサンプル、BHTをエトキシル化後に100ppm添加したサンプルおよびエトキシル化前にBHTを50ppm添加したサンプルのみを比較する。
本発明の触媒が酸化の防止に対して有意な効果を示すことが図1および2から分かるであろう。BHTをエトキシル化前ならばBHTをほんの50ppm添加しても17日間中に実質的に如何なる酸化も防止された。
アルカリ土類金属が基になった触媒にBHTをエトキシル化前に添加してもその触媒の性能が妨害されないことを驚くべきことに見いだした。BHTはフェノール系ヒドロキサイド基を有するにも拘らず、それはエチレンオキサイドと反応しない。理論で範囲を限定することを望むものでないが、これは触媒前駆体が示すアルカリ性が低いことによるものであると考えている。本発明の触媒は温度がより低くてもエトキシル化反応を起させかつ最終生成物の酸化を有意に軽減した。それと同時に、BHTがエトキシル化反応中にエチレンオキサイドと接触してもそれが抗酸化剤として示す性能は決して悪化しなかった。
以下の非限定実施例は、本発明の触媒を用いたアルコールのアルコキシル化はより低い温度でも起こることばかりでなくアルコール中の末端二重結合が内部の二重結合になるといった異性化も最小限になることを実証するものである。
本発明の触媒を用いてEOが15モルのC6アルコールエトキシレートのサンプルを2種類調製した。反応を反応槽内で起させたが、1番目のサンプルは110℃で反応させそして2番目のサンプルは130℃で反応させた。EOを1番目および2番目のサンプルそれぞれに56分間および74分間かけて添加した。このように、温度を低くすればするほどEOの添加速度を速くすることができた。
モル数が10および50モルのイソペンテノールエトキシレートのサンプルの調製を本発明の触媒を用いて実施した。反応を120℃の温度で起させた。触媒の使用量を0.2から0.4重量%にした。図3は、エトキシル化を受けさせる前のイソペンテノールのプロトンNMR分析である。図4および5はそれぞれ10モルおよび50モルのイソペンテノールエトキシレートのプロトンNMR分析である。図6に、従来技術のナトリウムメトキサイド触媒を用いて生じさせたEOが50モルのイソペンテノールエトキシレートのプロトンNMR分析を示す。当業者は、図4および5に示した末端二重結合の数が図3に示したそれと同じであることを認識するであろう。このように、末端二重結合はエトキシル化反応中および反応後に保存されていた。しかしながら、図6は、二重結合がいくらか異性化を受けたことを示している。本発明の触媒を用いて生じさせたエトキシレートに関するNMR結果の各々において、二重結合に隣接するプロトンの比率は二重結合の再配置が全く起こっていないことと一致している。
このように、本発明の触媒はアルコキシル化産業に対して大きな利点を数多く与えるものである。本触媒はアルコキシル化アルコールの酸化を防止し、温度を低くすることができることで工程効率を改善し、水を留出させる必要性がなくなることで反応速度を改善し、特定のアルコールに含まれる末端二重結合の異性化を防止しかつ最終製品の輸送を改善する。
本明細書では本発明の具体的態様をある程度詳細に説明してきたが、それは単に本発明の様々な面を説明する目的で行ってきたものであり、以下の請求項で定義する如き本発明の範囲を限定することを意図するものでない。当業者は、示して説明した態様は例示であり、他の様々な置換、変更および修飾(これらに限定するものでないが、本明細書の中で具体的に考察したデザイン代替を包含)を本発明の範囲から逸脱しない限り本発明の実施で成すことができることを理解するであろう。

Claims (22)

  1. アルコキシル化用触媒の製造方法であって、
    一般式:
    1−0−(Cn2n0)pH I
    [式中、R1は炭素原子数が約1から約30の有機基であり、nは1−3であり、そしてpは1−50の整数である]
    で表されるアルコキシル化アルコール混合物と水酸化カルシウム、カルボン酸、無機酸およびプロピレンオキサイドの反応を前記アルコキシル化アルコールの少なくとも一部がプロポキシル化される条件下で起させることで生じさせた触媒前駆体を準備し、そして
    抗酸化剤を前記触媒前駆体に加えることでアルコキシル化用触媒を生じさせる、
    ことを含んで成る方法。
  2. 前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)である請求項1記載の方法。
  3. 前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシアニソールである請求項1記載の方法。
  4. nが2である請求項1記載の方法。
  5. 前記アルコキシル化アルコール混合物の遊離アルコール含有量が1−60重量%である請求項1記載の方法。
  6. 前記カルボン酸の炭素原子数が約5から約15である請求項1記載の方法。
  7. 前記カルボン酸をヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、イソオクタン酸、ステアリン酸、ナフタン酸およびそのようなカルボン酸の異性体の混合物から成る群より選択する請求項1記載の方法。
  8. 前記無機酸を硫酸、塩酸、フッ化水素酸、燐酸、ピロ燐酸、二フッ化アンモニウムおよび硫酸アンモニウムから成る群より選択する請求項1記載の方法。
  9. 前記無機酸が硫酸である請求項1記載の方法。
  10. 前記無機酸を50℃未満の温度で反応させる請求項1記載の方法。
  11. プロピレンオキサイドを1−15モル量添加する請求項1記載の方法。
  12. 前記プロピレンオキサイドを約95℃から約200℃の温度で反応させる請求項1記載の方法。
  13. 前記プロピレンオキサイドを約100℃の温度で反応させる請求項10記載の方法。
  14. 前記触媒前駆体をスラリーとして生じさせる請求項1記載の方法。
  15. 前記抗酸化剤を約25℃の温度で混合する請求項1記載の方法。
  16. アルコキシル化方法であって、
    一般式:
    1−0−(Cn2n0)pH I
    [式中、R1は炭素原子数が約1から約30の有機基であり、nは1−3であり、そして
    pは1−50の整数である]
    で表されるアルコキシル化アルコール混合物と水酸化カルシウム、カルボン酸、無機酸およびプロピレンオキサイドの反応を前記アルコキシル化アルコールの少なくとも一部がプロポキシル化される条件下で起させることで生じさせた触媒前駆体を準備し、
    抗酸化剤を前記触媒前駆体に加えることでアルコキシル化用触媒を生じさせ、そして
    前記アルコキシル化用触媒の存在下で活性水素原子を有する化合物およびアルキレンオキサイドを含有して成る反応体をアルコキシル化条件下で反応させることで前記反応体のアルコキシル化誘導体を生じさせる、
    ことを含んで成る方法。
  17. 前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)である請求項16記載の方法。
  18. 前記抗酸化剤がブチル化ヒドロキシアニソールである請求項16記載の方法。
  19. 前記活性水素原子を有する化合物がアルコールである請求項16記載の方法。
  20. 前記触媒の存在下で起させる前記反応体の反応を約110℃から約130℃の温度で実施する請求項16記載の方法。
  21. 前記抗酸化剤をBHTが前記反応体のアルコキシル化誘導体中に50−200ppmもたらされる量で添加する請求項16記載の方法。
  22. 前記抗酸化剤をBHTが前記反応体のアルコキシル化誘導体中に50−100ppmもたらされる量で添加する請求項21記載の方法。
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