JP6637017B2 - 設置型揮散装置用の液体組成物及び該液体組成物中の有効成分の溶解性を向上させる方法 - Google Patents

設置型揮散装置用の液体組成物及び該液体組成物中の有効成分の溶解性を向上させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、有効成分を特定条件下で水に可溶化させた設置型揮散装置用の液体組成物及び該液体組成物中の有効成分が、安定的に揮散するための溶解性を向上させる方法に関する。
油性物質は水に対して微溶性又は難溶性であるため、従来から、有効成分としての油性物質を水に溶解する手段として、界面活性剤を使用する方法及び水性溶剤を使用する方法等が用いられている。
例えば、特許文献1には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレン多環フェニルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有する噴霧用薬液が記載されている。
また、特許文献2には、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル及びポリオキシアルキレンデシルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含有する芳香剤が記載されている。
特開2012―75662号公報 特開2013―59631号公報
上記のように、油性物質である有効成分を安定的に溶解させ、且つ揮散による有効成分の効果を持続させるために液体組成物の処方を検討することがなされているが、多くの材料を配合する場合や、使用する成分との相溶性が悪い場合は、様々な問題点が発生する。
例えば、油性物質を水に溶解する手段として、主に界面活性剤を使用した場合、多数の界面活性剤を使用することで処方が煩雑となったり、組成物が分離や沈殿、着色したりするといった問題が発生することがある。
また、揮散による有効成分の効果を一定期間持続させたい場合であっても、使用時間の経過と共に、吸液芯や含浸紙への界面活性剤等の目詰まり等により効果が持続しないといった問題がある。
さらに、油性物質を水に溶解する手段として、主に水性溶剤を使用した場合、引火による危険性の問題や、液こぼれの際に床面の塗装を溶解してしまうといった問題がある。
特に、設置型の揮散装置に収容して使用される液体組成物は、有効成分の可溶化安定性と揮散による有効成分の効果の持続性は重要である。しかし、有効成分を液体組成物に溶解させる際の、あるいは有効成分の効果の持続性に優れた処方とする際の明確な指標はなく、現在まで、その指標についての検討もなされていない。
そこで、本発明は、設置型の揮散装置に用いる液体組成物であって、液体組成物中の有効成分の溶解性と効果の持続性を良好に保つことのできる液体組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、下記で説明する適正化指数が一定の範囲内となるように、有効成分を界面活性剤及び水性溶剤を用いて水に可溶化させた液体組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>〜<4>に関するものである。
<1>有効成分を、界面活性剤並びにエタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶剤を用いて、水に可溶化させた組成物であって、下記式(I)で定義される適正化指数が15〜75である、設置型揮散装置用の液体組成物。
Figure 0006637017
<2>前記有効成分が、香料、殺虫剤、虫よけ剤及び殺菌剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、<1>に記載の設置型揮散装置用の液体組成物。
<3>前記設置型揮散装置が、倒立型揮散装置である、<1>又は<2>に記載の設置型揮散装置用の液体組成物。
<4>有効成分、界面活性剤並びにエタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶剤を含有する設置型揮散装置用の液体組成物において、下記式(I)で定義される適正化指数を15〜75にすることにより、液体組成物中の有効成分の溶解性を向上させる方法。
Figure 0006637017
本発明によれば、有効成分を容易に溶解させることができ、効果の持続性(例えば、芳香剤であれば香り強度の持続性)が良好な液体組成物を提供することができる。また、当該液体組成物は、組成物自体が沈殿したり、不要物を発生したりするといった問題がない。
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
本発明の設置型揮散装置用の液体組成物は、有効成分を、界面活性剤並びにエタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶剤を用いて、水に可溶化させた組成物であって、下記で説明する適正化指数が15〜75であることを特徴とする。
なお、本発明において、設置型揮散装置とは、屋内又は屋外に設置して、香料等の有効成分を揮散させる装置のことをいう。例えば、1週間や1か月間、2〜3か月間、1年間といったような特定の期間設置して、持続的に効果を発揮させる装置である。
また、本発明の有効成分の溶解性を向上させる方法は、有効成分、界面活性剤並びにエタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶剤を含有する設置型揮散装置用の液体組成物において、下記で説明する適正化指数を15〜75にすることを特徴とする。
[界面活性剤]
本発明で使用される界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び両イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル等のポリオキシアルキレン硬化ひまし油エーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンデシルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、アルキルアルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、有効成分の溶解性の観点から、好ましくは、ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルグルコシド硫酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。
これらの中でも、有効成分の溶解性の観点から、好ましくは、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩である。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
両イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミドベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルベタイン、コカミドアルキルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。
本発明の液体組成物において界面活性剤の含有割合としては、有効成分の溶解性や有効成分の効果の持続性の観点から、液体組成物全体に対して、例えば0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
[水性溶剤]
本発明に使用される水性溶剤は、エタノール(沸点74℃)、イソプロピルアルコール(沸点82℃)、n−プロピルアルコール(沸点97℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点125℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)、エチレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点145℃)、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル(沸点151℃)、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル(沸点142℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
これらの中でも、有効成分の溶解性及び揮散性並びに汎用性の観点から、比較的沸点が低く、水と自由に混和する、エタノール(沸点74℃)、イソプロピルアルコール(沸点82℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)が好ましく、エタノール(沸点74℃)がより好ましい。
なお、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点174℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)及びエチレングリコール(沸点192℃)は、揮散を抑制する恐れがあるため、本発明に使用される水性溶剤としては適していない。
さらには、上記の一連の水性溶剤には、防カビや虫よけの増強効果を有するものもあり、それぞれの目的で補助的に配合することも可能である。
例えば、空間除菌効果を持つものとして、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルが例示できる。
エチレングリコールモノメチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテル等は、飛翔害虫忌避性能を持つものとして例示できる。
プロピレングリコールモノプロピルエーテル等は、衣類害虫の卵の殺卵性能を持つものとして例示できる。
なお、本発明で用いる水性溶剤に上述のような補助的な効果や性能があったとしても、本発明の液体組成物においては、上記水性溶剤を本願発明の有効成分として扱わず、区別して用いられる。
本発明の液体組成物において水性溶剤の含有割合としては、有効成分の溶解性及び揮散性の観点から、液体組成物全体に対して、例えば0.5〜80質量%、好ましくは1〜60質量%、さらに好ましくは2〜50質量%である。
[有効成分]
本発明における液体組成物の有効成分としては、香料、消臭剤、殺虫剤、虫よけ剤及び殺菌剤等が挙げられる。これらからなる群から選ばれる少なくとも一種を任意に用いることができる。
(香料)
本発明で使用される香料としては、特に制限されないが、例えば、ジャコウ、レイビョウコウ、リュウゼンコウ等の動物性香料、ペパーミント油、アビエス油、アクジョン油、アーモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油、パーチ油、ボアドローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム油、キャラウェー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、レモン油、レモングラス油、ナツメグ油、マンダリン油、ハッカ油、オレンジ油、セージ油、スターアニス油、テレピン油、ラベンダー油、ローズマリー油等の植物性香料を挙げることができる。
また、本発明で使用される香料としては、合成香料又は抽出香料等の人工香料を用いることもでき、例えば、ピネン、リモネン等の炭化水素系香料、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、フェニルエチルアルコール、ジヒドロミルセノール等のアルコール系香料、アネトール、オイゲノール等のフェノール系香料、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド等のアルデヒド系香料、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、イオノン等のケトン系香料、γ―ブチルラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン系香料、オクチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、ブチルシクロへキシルアセテート、リナリルアセテート等のエステル系香料、その他にもガラクソリド等が挙げられる。
(消臭剤)
消臭剤としては、例えば、緑茶乾留エキス(例えば、カテキン、タンニン、ポリフェノール等)、グレープフルーツエキス、柿抽出エキス、シソ抽出エキス、マッシュルームエキス、竹抽出エキス、シャンピニオンエキス等の植物抽出エキス、メタクリル酸ラウリル、ゲラニルクロトネート、メチル化サイクロデキストリン等が挙げられる。
また、上記以外にも、アルカリ臭の中和のためのクエン酸等有機酸類、酸臭の中和のためのアミン類等が挙げられる。さらに、酸やアルカリの中和のためベタイン類により消臭するものも挙げられる。
(殺虫剤)
殺虫剤としては、例えば、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤や、ヒノキ、スギ及びヒバの精油、柑橘類の果皮及び種子からの抽出物等の天然成分由来の殺虫剤等が挙げられる。これらの中でも、自然揮散するものとして、2×10−4Pa(25℃)以上の蒸気圧を有するピレスロイド系殺虫剤が好ましい。
(虫よけ剤)
虫よけ剤としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、p−メンタン−3,8−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシレート、3‐[アセチル(プロピルアミノ)]プロピオン酸エチル、イソチオシアン酸アリル、酢酸メンチル、酢酸ブチルシクロヘキシル、酢酸ブチルシクロヘプチル、ハッカ油、ユーカリ油、ペパーミント油、シトロネラ油、ラベンダー油、ローズマリー油、カモミール油、ゼラニウム油等が挙げられる。
(殺菌剤)
殺菌剤としては、例えば、ヒノキチオール、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、チアベンダゾール、p−クロロ−m−キシレノール、トリクロサン、チモール、イソチオシアン酸アリル、メチルイソチアゾリノン、ジクロロイソシアヌール酸塩、二酸化塩素、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、ゲラニオール、シトラール、カルバクロール、桂皮酸アルデヒド等の抗菌性香料が挙げられる。
本発明の液体組成物において有効成分の含有割合としては、揮散装置を設置する部屋の大きさや効果を持続させる期間により異なるが、効果の持続性の観点から、液体組成物全体に対して、例えば0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜15質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
[その他の成分]
本発明の液体組成物においては、上記の各種機能性成分に加え、本発明の効果を損ねない範囲において、必要に応じて防腐剤、UV吸収剤、消泡剤、pH調整剤、キレート剤、色素等を使用することもできる。上記成分は、当業者が通常使用する成分であれば特に限定されない。
[適正化指数]
本発明では、有効成分を、上述した界面活性剤及び水性溶剤を用いて可溶化させ、下記式(I)で定義される適正化指数が15〜75となるように液体組成物を調製する。
Figure 0006637017
なお、本発明者らは、本発明の液体組成物の有効成分濃度(質量%)、界面活性剤濃度(質量%)、水性溶剤濃度(質量%)及びこれらからなる項目を、分母又は分子とする式を作成し、液体組成物中の有効成分の溶解性と効果の持続性に関する試験結果と照合することによって、上記式(I)を見出したものである。
上記式(I)において、「水性溶剤濃度」及び「界面活性剤濃度」の数値の上昇は、有効成分の溶解性を促進させる因子であり、「有効成分濃度」の数値の上昇は、有効成分の溶解性を抑制させる因子である。これらの数値の比が、特定の値を示す際に優れた溶解性を得ることができると推測される。
また、「界面活性剤濃度」の数値の上昇は、界面活性剤自身は揮散しないので、有効成分の揮散性を抑制させる因子である。「水性溶剤濃度」の数値の上昇は、有効成分の揮散性を促進する因子であり、「有効成分濃度」の数値の上昇は、有効成分の揮散性を抑制する因子である。これらの数値の比が、特定の値を示す際に優れた揮散性を得ることができると推測される。
すなわち、有効成分の溶解性についても揮散性についても、促進因子及び抑制因子の数値をそれぞれ調整する(例えば、促進因子の数値が高ければ、その反対の働きをする抑制因子の数値も高くする等)ことで、適正化指数を特定の値とすることができる。
適正化指数が15〜75であれば、液体組成物が均一に透明となるため、有効成分の良好な溶解性及び効果の持続性を得られる。
適正化指数は、より好ましくは15〜71、さらに好ましくは18〜71、特に好ましくは20〜65、最も好ましくは20〜40である。
適正化指数が15未満であると、液体組成物中の有効成分の溶解性が悪化する傾向があり、適正化指数が75を超えると、有効成分の効果の持続性が悪化する傾向がある。
[液体組成物の調製方法]
本発明の液体組成物は、常法により製造される。例えば、各成分を混合し、撹拌することにより得ることができ、所望により加熱等を行ってもよい。
上記式(I)で示される適正化指数が15〜75となるように有効成分、界面活性剤及び水性溶剤の濃度を調整して液体組成物を調製することで、本発明の所望の効果を得ることができる。
[揮散装置]
本発明の液体組成物の有効成分は、正立型揮散装置及び倒立型揮散装置に用いられるが、特に、倒立型揮散装置(例えば、特開2010−51591号公報に記載の装置)を用いて揮散させることが好ましい。
上記揮散装置を使用することにより、有効成分を室内等の空間に安定的且つ均一に十分量揮散および拡散させることができる。従って、上記揮散装置を使用することにより、有効成分が香料であれば香り等を楽しむことができ、有効成分が殺虫剤であれば殺虫効果を得ることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
有効成分としてラベンダー香料(商品名:S-4961、塩野香料株式会社製)、界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル(商品名:ブラウノンRCW−60、青木油脂工業株式会社製)、水性溶剤として95%エタノール(和光純薬工業株式会社製)を用い、イオン交換水と共に、表1に示す含有割合で有効成分が可溶化されるまで10分間、撹拌・混合し、液体組成物を調製した。
〔適正化指数〕
下記式(I)に基づき適正化指数を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006637017
〔溶解性試験〕
350mLのポリエチレンテレフタレート(PET)製のクリア容器に上記調製した液体組成物を300mL充填して密閉し、5℃及び50℃の保管庫にそれぞれ静置した。2週間後、外観から白濁や分離、浮遊物発生等の問題がないかを目視により確認した。
上記試験において、液体組成物に白濁や分離がなく、浮遊物の発生のないものを有効成分の溶解性に優れる「○」、白濁、分離、浮遊物発生のいずれか一つでも確認されたものを有効成分の溶解性に劣る「×」として評価した。結果を表1に示す。
〔持続性試験〕
上記調製した液体組成物を、アース製薬株式会社製「トイレのスッキーリ!Sukki−ri!」(商品名)で使用されている容器に400mLずつ充填し、同商品で使用されているポリエステル製の吸液芯及び同商品で使用されている揮散紙を取り付けて試験検体を作製した。試験検体を温度20℃・湿度55%の揮散室にて倒立揮散させた。
上記試験検体中の液体組成物が、400mLが全て(ただし、揮散紙等に残る液50mLを除く。)揮散する揮散開始日からの日数を測定した。その日数が、50日〜80日である場合を有効成分の効果の持続性に優れる「○」、上記範囲を外れる場合を有効成分の効果の持続性に劣る「×」として評価した。
持続性試験で使用した容器は、65日間の使用を想定して作られており、上記日数が50日未満であると、有効成分の揮散が早く有効成分の効果の持続性が弱く、上記日数が80日を超えると、有効成分の1日あたりの揮散量が少なく有効成分の効果が弱いからである。結果を表1に示す。
[実施例2〜15、比較例1〜7]
実施例1において、水性溶剤、有効成分及び界面活性剤並びにそれらの含有割合を、表1に示すとおりに液体組成物を調製し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
なお、実施例中の、緑茶乾留エキスとしては白井松新薬株式会社製「FS-500M」を、フェノキシエタノールとしては四日市合成株式会社製「フェノキシエタノール−S」を、ハッカ油としては鈴木薄荷株式会社製「薄荷白油」を用いた。
また、実施例及び比較例中の界面活性剤Aは、50質量%のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル(商品名:マーポンHC−60A、松本油脂製薬株式会社製)、40質量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王株式会社製)及び10質量%のジアルキルスルホサクシネート塩(商品名:マーポマーセPT、松本油脂製薬株式会社製)からなる。
また、比較例中の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールとしては、株式会社クラレ製「ソルフィット」を用いた。
Figure 0006637017
なお、水性溶剤として95%エタノールを用いた実施例1〜15及び比較例1〜6においては、適正化指数を求めるにあたり、水性溶剤の濃度(質量%)は、表1に示す95%エタノールの配合量(質量%)に0.95を掛けた数値を使用した。
また、表1において、「残部」とは、イオン交換水を加えて液体組成物の総量を100質量%に調整したことを意味する。
上記試験結果から、比較例1、2、5及び6において、液体組成に濁りが生じ外観上の問題があった。また、比較例3〜7では、400mLが全て(ただし、揮散紙等に残る液50mLを除く。)揮散する揮散開始日からの日数が80日より長くなり、これらは何れも効果の持続性が不十分な結果であった。
一方、適正化指数が15〜75の範囲内である実施例においては、液体組成物中の有効成分の溶解性と効果の持続性共に良好な結果を示した。

Claims (4)

  1. 有効成分を、界面活性剤並びにエタノール、イソプロピルアルコール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶剤を用いて、水に可溶化させた組成物であって、水性溶剤濃度が9.5質量%以上であり、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコール、及びエチレングリコールを含有せず、下記式(I)で定義される適正化指数が15〜75である、設置型揮散装置用の液体組成物。
    Figure 0006637017

    [式(I)中、水性溶剤濃度、界面活性剤濃度及び有効成分濃度の単位は質量%である。]
  2. 前記有効成分が、香料、殺虫剤、虫よけ剤及び殺菌剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の設置型揮散装置用の液体組成物。
  3. 前記設置型揮散装置が、倒立型揮散装置である、請求項1又は2に記載の設置型揮散装置用の液体組成物。
  4. 有効成分、界面活性剤並びにエタノール、イソプロピルアルコール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶剤を含有する設置型揮散装置用の液体組成物において、水性溶剤濃度を9.5質量%以上とし、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコール、及びエチレングリコールを含有させず、下記式(I)で定義される適正化指数を15〜75にすることにより、液体組成物中の有効成分の溶解性を向上させる方法。
    Figure 0006637017

    [式(I)中、水性溶剤濃度、界面活性剤濃度及び有効成分濃度の単位は質量%である。]
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