特許文献1には、牛の腹部の下に装着したRFIDタグと、牛床に設置されたリーダライタ装置との交信により牛の発情期の横臥状態及び起立状態を検出することが記載されている。しかし牛床に設置しているため、放牧中に検出できない上にシステムが大がかりである。
特許文献2には、牛の発情時の乗駕行動を、加速度センサによる傾き検知により検出することが記載されている。しかし、加速度センサの場合、アブ等の接近により皮膚をぶるぶるとゆすったりする行為や、加速度センサの位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献3には、傾斜センサにより牛の発情期の横臥状態及び起立状態を検出することが記載されている。しかし、加速度センサ同様に、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献4には、歩行センサによって牛の歩数を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、加速度センサ同様に、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献5には、モーションセンサによって牛の活動量を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、加速度センサ同様に、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献6には、牛舎内に設置されたリーダライタ装置と、RFID等のタグを付けた牛とによって、当該牛の歩行距離を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、放牧した場合に検出できず、使用が限定的である。
特許文献7には、運動センサ及び運動センサからの信号を送信する発信器によって牛の運動を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、加速度センサ同様に、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献8には、歩行センサによって牛の歩数を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、加速度センサ同様に、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献9には、振動センサによって牛の活動量を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、加速度センサ同様に、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献10には、歩行センサによって牛の歩数を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、加速度センサ同様に、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献11には、牛の腰部に取り付けた圧力センサによって牛の乗駕行動を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、どの牛が乗駕したものか判別できない。
特許文献12には、牛の脊椎上に取り付けた圧力応答性スイッチによって牛の乗駕行動を検出することにより、発情を検知することが記載されている。しかし、どの牛が乗駕したものか判別できない。
特許文献13には、牛の脊部に取り付けた圧力センサによって牛の乗駕行動を検出するための検出器の装着具の構造が記載されている。しかし、どの牛が乗駕したものか判別できない。
特許文献14には、牛に取り付けた圧力センサによって牛の乗駕行動を検出すると、光による報知を行うことが記載されている。しかし、どの牛が乗駕したものか判別できない。
特許文献15には、牛の背骨の上に取り付けた加速度センサや傾斜センサによって牛の乗駕行動を検出するための検出器の装着具の構造が記載されている。しかし、位置ずれ等による誤検出を防ぐため、牛の胴体に太いベルトを巻かなければならず、装置が大型化する上、牛に大きな負担にもなる。
特許文献16には、牛床温度を検出する温度センサにより牛の発情期の横臥状態及び起立状態を検出することが記載されている。しかし牛床に設置しているため、放牧中に検出できない上にシステムが大がかりである。
特許文献17には、牛の膣温を検出する温度センサにより牛の発情を検出することが記載されている。しかし膣温の計測は、放牧中にはできないため、使用可能な場合が限定される。
特許文献18には、一方の牛の首に付けた超音波発信器からの超音波が、他方の牛の首に付けた超音波受信器に送信され、他方の牛の首に付けた超音波受信器側で超音波を受信すると、その受信回数を乗駕(被乗駕)回数としてそのままカウントすることが記載されている。また、超音波に変えて電磁波や赤外線を使用することも記載されている。しかし、被乗駕牛の首に付けた超音波受信器の受信可能な向きと、乗駕牛の首に付けた超音波発振器の発信の向きとをうまく一致させるのは至難の業である。特に乗駕時は、乗駕牛は頭を下げて被乗駕牛の背中に顎を載せているような体勢を取る。従って、乗駕牛の顎が超音波等の指向性のある信号を遮る。また、被乗駕牛は、被乗駕時には背中を丸め、首を下げていることが多い。そのため、超音波受信器が被乗駕牛の背中で隠れてしまい超音波等の指向性の高い信号を受信できない。
以下、本発明の実施の形態について、さまざまな例を示す図を参照して説明する。なお、これらの例同士が互いに矛盾しない限り、例同士が相互に適用可能、変換可能である。或いは矛盾しない限り、さまざまな技術を付加可能、変換可能である。
図1は、検出システムの概略を使用例として示している。ここでは、乗駕側装置10を乗駕する牛の喉や首あたりに取り付けるとともに、1個の被乗駕側装置20を乗駕される側の牛の背中のき甲あたりに取り付けている。乗駕側装置10は定期的に電磁波を発信している。被乗駕側装置20は、乗駕側装置10と適切な距離、例えば0〜30cm以内で正対すると、乗駕側装置10から受け取った発信信号をトリガーとして(あるいは発信信号によりエネルギーを得て)、被乗駕側装置20に記憶された乗駕された牛の固有IDを、乗駕側装置10に対して返信する。乗駕行動においては、乗駕した牛の喉や首、胸垂あたりと、乗駕された牛の背中およびその後ろ側である尻、臀、尾あたり(首や喉は含まない)とが互いに正対する(なお、本明細書においては、正対とは実際に接触する場合も含む)ことが多いため、例えばこのような正対する位置に取り付けることが好適である。
或いは、発情したメス牛が、他の牛の背や尻、臀等に顎を乗せる行動(顎乗せ行動)をすることがある。この場合も、喉や首の下あたりに配置された乗駕側装置10と背中の被乗駕側装置20とが正対して、上述と同様に乗駕側装置10から信号を受け取ったことをトリガーとして、被乗駕側装置20に記憶された乗駕される牛の固有IDを、乗駕側装置10に対して返信する。
このように、乗駕された牛の固有IDを乗駕した牛の乗駕側装置10に送信し、乗駕した牛の乗駕側装置10に記憶された当該乗駕した牛の固有IDと合わせて、乗駕した牛及び乗駕された牛の組み合わせが検出できる。従って、この乗駕行動に絡んだ牛(乗駕した牛、或いは乗駕された牛)の固有IDや、乗駕行動の牛の組み合わせを検出したことを、例えば乗駕側装置に取り付けたLED等の報知部14を発光させたりブザー等の報知部14から音を発したりしてユーザーに報知してもよい。
次に、図2を用いて検出システムの概略構成の例を説明する。図2の検出システム10のように、乗駕側装置10と、被乗駕側装置20と、ユーザー側端末30とを備えていてもよい。
乗駕側装置10は、第1方式の通信方式によって、被乗駕側装置20に対して信号を発信して、これに対しての第1方式に通信方式による被乗駕側装置20からの返信を受信する。
例えば第1方式は、(例えばNFC(NFC-A,NFC-B,NFC-F))技術等の通信技術や、IrDA等の指向性の高い通信方式である。
第1方式の通信方式としてNFC技術に用いられるリーダライタ装置を採用した場合、パッシブ型のRFIDタグと呼ばれるタグ(主としてアンテナとメモリから構成される)を備えた被乗駕側装置20に対して、発信信号となる電磁波(返信用のエネルギー源を兼ねることもある)を送信するとともに、被乗駕側装置20のRFIDタグからの信号(返信)を受信するNFC(NFC-A, NFC-B, NFC-F等))に準拠した通信部12と、制御部13と、当該乗駕側装置10が取り付けられた家畜(メス牛、仔牛、馬、豚)の固有IDを記憶したメモリ14と、バッテリ(2次電池)あるいは燃料電池等が採用可能である電源15と、(後述するユーザー側端末30を備える場合に、)ユーザー側端末30との通信を可能とするための第2の通信方式(例えばCDMA,LTE,WiFi,BlueTooth(登録商標)等)に準拠した通信部16を備えていてもよい。発信信号の内容は、最低限として、被乗駕側装置20のメモリに記憶された固有IDの返信要求であればよい。
もちろん、NFC技術に変えて、第1方式にIrDAも採用可能である。この場合、第1方式の通信部12は、赤外線を発する或いは受ける発光部及び受光部を備えていればよい。IrDAは、NFCよりも通信可能な距離が長い(30cm〜1m程度)ことも利点である。さらには、赤外線送受信に変えて、特定の波長のパルス波のレーザー光を送受信するものでもよい。
NFC及びIrDAやレーザー光はともに通信が可能な立体角が小さく、通信部同士が互いに正対に近い状態を取る必要がある。そのため、本発明においては指向性の高い通信方式を敢えて採用して、誤検出の発生する可能性を低減してもよい。すなわち乗駕行動や顎乗せ行動に依存せずに互いの通信部が通信をしてしまうような誤検出を生じにくくしやすい点でメリットがある。
乗駕側装置10の第1方式の通信部12は、例えば1秒に1回程度の間隔で送信を繰り返す。もちろん1秒よりももっと頻繁でもよい。そして、1秒に一回の送信時に返信を受信すると、以降は最後の返信から一定時間以上(例えば4秒以上)の間(乗駕検出時間+一定時間以上)は、0.1〜0.3秒に一回程度の細かい周期で送信を繰り返す。これは、非乗駕時の消費電力削減を図りつつ、乗駕継続時間を正確に計測するためである。もちろん、この周期の設定は、種々変更が可能である。
第2方式の通信部16は、例えばCDMA,LTE,WiFi,BlueTooth(登録商標)等に準拠したものであってもよい。第2方式は、指向性が低く、また、距離も牧場の放牧地内から放牧地外へと電波を送信できるものがよい。例えば距離は、200m程度を超えるものであればよい。なお、放牧地内に一または複数の中継基地局を設置する場合は、距離はもっと短くともよい。例えば数十メートル程度でもよい。電気牧柵(通常、高電圧且つ低電流のパルス波が印可される。)と呼ばれる牧柵を用いている場合、この牧柵にさらに中継基地局用の電力線を一つ加えて引き回せばよい。
被乗駕側装置20は、乗駕側装置10の第1方式に対応した方式、例えばNFC技術を用いたタグから構成可能であり、通信部21とメモリ22とを備えていてもよい。メモリ22には、少なくとも取り付けられる対象の家畜ごとに固有IDが書き込まれていればよい。先の第1方式がNFCである場合、通信部21は、RFID通信モードで通信が可能なタグを採用してもよく、この場合、バッテリ等の電源を必要としない点で牛等の家畜の背中に取り付けるにあたっても構造を簡素化できる。もちろんバッテリを備えてその電源を用いて通信を行ってもよい。また、第1方式としてIrDAやパルス波のレーザー光を用いた場合、通信部21は、それぞれに対応した受光部及び発光部を備えればよい。もちろん、発光部の駆動のための電源をさらに備えてもよい。
ユーザー側端末30は、必ずしも備える必要はない場合もあるが、あれば利便性が向上する。ユーザー側端末30は、電源31、制御部32(演算部32’)、表示部33、報知部34、通信部35、操作部36、メモリ37を備えていてもよい。なお、これらのものを最も簡単に備え得る装置は、いわゆるPCや、スマートフォン、タブレット等とこれらで動作可能なアプリである。厩舎作業中の水滴や汚れ・埃に強いアウトドア型のスマートフォンが好適に使用される。
制御部32は、ユーザー側端末30の全体を制御するが、特に演算部32’は、牛ごとの乗駕回数(乗駕時間)或いは被乗駕回数(被乗駕時間)の演算、或いはこれらの演算結果とそれぞれの閾値との比較を行う。これについては後述する。
表示部33は、後述する乗駕回数等の情報や、獣医師との連絡を取るか否か等の選択画面等やメールや電話を受信したときの画面を表示できてもよい。
報知部34は、乗駕回数や乗駕時間等が所定の閾値を超えた場合の報知や(これらの機能を搭載していれば、)メールや電話を受信したときの報知を行ってもよい。音、光、振動、文章表示等、従来周知の様々な方法が採用されてよい。なお、特に牛の発情の疑いが強い場合、発情の開始からの時間経過により、授精を急ぐべき場合は、通常の場合よりもインパクトの強い報知態様により、ユーザーに報知をしてもよい。例えば、音量の大小の差をつける、光の強弱等である。或いは、通常、1種類の報知例えば音だけなのに対して、緊急の場合には、音と光、振動等の複数の報知方法を用いて報知してもよい。
第2方式の通信部35は、例えばCDMA,LTE,WiFi,BlueTooth(登録商標)等のいずれかに或いはいくつかに準拠した方式で、先の通信部16と通信できるものが好ましい。
操作部36は、操作キー、タッチパネル等の種々の操作を受け付ける技術が採用可能である。
メモリ37は、例えば通信部35を介して取得した乗駕行動等に関する情報を記憶し、或いは各種演算処理等における記憶領域として使用されてもよい。また、メモリ37には、電話帳機能として、特定の獣医師や人工授産師等の情報、各牛の体調記録や過去の発情記録(例えば前回や前々回の発情記録や、昨年の授精時の記録)等を備えていてもよい。
次に図3から図5を用いて、乗駕側装置10の構造のいくつかの例について説明する。図3に示すように、防水仕様の筺体18の内部には、第1方式がNFC技術を用いた場合の例として、通信部12のアンテナが配置されている。アンテナは、乗駕行動における被乗駕牛に近い側に配置されてもよい。第1方式がIrDAである場合は、その発光部及び受光部も乗駕行動における被乗駕牛に近い側に配置されてもよい。さらには、筺体18の内部には回路基板13が配置され、制御部3やメモリ14の一部または全部等を構成してもよい。さらには、例えばリチウムイオン等から構成される電源15を備える。また、第2方式の通信部16のアンテナが配置されてもよい。図示しないが、表示部や報知部等を備えてもよい。
図3に乗駕側装置10の構造の例を示す。図3の例では、乗駕側装置10の筺体18の外側には保持具17が取り付けられている。保持具17は例えば図4に示すように首輪タイプである。或いは保持具17は例えば図5に示すように頭絡の17’タイプである。これらの素材は、通常の家畜用の頭絡等の構成部材である、ゴム、革、布、ロープ、縄等から構成されてもよく、耐久性と柔軟性を備えていればよい。なお、首輪17にしろ、頭絡17’にしろ、長さを調節可能な機構を採用してもよく、装着時の長さは、首を圧迫するほど締め付ける必要もなく、首との間に多少の隙間を設けてもよい。なお、図示しないが、肩から前脚をはさむように、たすき掛けのベルトや、馬の腹帯のようなものでもよい。
なお、図4では、被乗駕側装置を1個、図5では被乗駕側装置を複数個配置している。被乗駕側装置は、例えば図2に示すように、ループアンテナとメモリとからなる場合、いわゆるNFCチップと呼ばれる、縦横ともに3mmから1cm程度のチップでもよい。この場合、背中に図6に示すように多数の被乗駕側装置20を配置することで、乗駕時の位置ずれに起因して乗駕が検出できないといったことが低減される。
図6では、左側から順次4つのパターンを示している。最も左側のパターン(1)では、家畜の背骨をはさんで左右に被乗駕側装置20を配列させている。ここで、左右それぞれの帯状のものは、被乗駕側装置20を保持する保持部材23を示している。このように、背骨上だけではなく、左右に配置されていることから、あご乗せ行動を検出しやすい。帯状の保持部材23は、例えば布やゴムからなり、例えば接着剤が塗布されることにより、家畜の背中に固定されてもよい。生体適合性のある医療用接着剤(例えばシアノアクリレート系)が好ましいが、牛や馬の毛に部分的に接着するだけで良いので、ある程度の時間が経過すると脱毛とともに保持部材23が接着剤ごと脱落する或いは発情の周期に伴い、21日ごとに回収されるため、どのような接着剤であろうと、家畜の生体への悪影響は低い。なお、被乗駕側装置20がバッテリを使用しないタイプの場合、検出システムとして、毎回家畜からとりはずさなくともよい。仮にバッテリを必要とする場合、バッテリだけを取り出せるようにしてもよい。
このような保持部材23に、図6の最も左側のパターン(1)では、片側6個、左右で合計12個の被乗駕側装置が接着固定されており、乗駕した家畜の首の位置や乗駕した際の姿勢やあご乗せ行動の背中とあごの位置のばらつきに対して検出しやすいようになっている。図6に示すパターン(2)では、被乗駕側装置20が搭載され、背中の幅広い領域を覆う布或いはゴム、網等からなる被覆部と、被覆部の左右に取り付けられ、家畜の腹の下を周回するベルトとが備わった保持部材23を開示している。この場合、牛の背骨上に当たるき甲部分にも被乗駕側装置を配置できる。このように背骨上に被乗駕側装置20を配置した場合、牛の首に取り付けた乗駕側装置10が家畜の左右に偏らず真ん中に配置されていることも多いため、乗駕行動を見逃しにくくできる。もちろん、ベルトに変えてパターン1と同様に接着剤を用いてもよい。
パターン(3)では、帯状のものを、背骨をまたぐように、左右に延在させて配置している。ここで、保持部材23の素材・構造は、パターン(1)、パターン(2)と同様に接着剤やベルトが使用可能である。また、尾根部にも背骨に沿って被乗駕側装置20を配置している。このように、尾根部にも配置することで、例えばメス牛だけの放牧地ではなく、オスの仔牛が同じ牧区内に放牧されている場合において有効である。すなわちオスの仔牛に乗駕側装置10を取り付けた場合、その背丈が低いため、出産可能な雌牛の背中のき甲まで、仔牛の乗駕側装置10が届かないことも考えられる。従って、メス牛の尻や臀からしっぽのあたり、例えば尾根部あたりに被乗駕側装置20を取り付けることにより、乗駕(被乗駕)行動が検出しやすくなる。
パターン(4)では、チップ状の被乗駕側装置20を、接着剤からなる接着部材23を用いて固定している。つまり保持部材23は、接着剤そのものでもよい。ここでは、複数の被乗駕側装置20を個別に、家畜の背中や尻、尾等の乗駕側装置10と対面しそうな位置に取り付けているものである。なお、保持部材23は、接着剤だけからなるものではなく、裏面に接着剤が添付されたアクリルやPET等からなる薄片にチップが固定されたものでもよい。アクリル等からなる薄片を牛の毛や皮膚に取り付けるに当たり、先ほどと同様、薄片の裏面側に接着剤が用いられてもよい。もちろん保持部材23は粘着性シートでもよい。絆創膏やサージカルテープのようなものに被乗駕側装置20のチップが貼り付けられているものでもよい。このようなものであれば、容易簡便でコストも安くできる。なお、ウレタンゲルのようなもので、チップ及び硬化後の接着剤を覆うようにしてもよい。乗駕時やあご乗せ時に、家畜の下腹部や顎に被乗駕側装置20や保持部材23が引っかかったり、傷つけたりする恐れが低減できる。このような被覆部材付きの保持部材23でもよい。
図7から図12は、ユーザー側端末30の表示部33において、乗駕側装置10から収集した各家畜の乗駕行動に関する情報を表示する表示画面の一例である。このような画面例を用いながら、乗駕行動の情報と発情判定のアルゴリズムについても、順次説明する。
ここでは、同じ牧区内の複数の牛に対して、朝の8時(放牧開始)から9時半ごろまでのデータを収集した結果を示している。図7では、最も左の棒グラフの牛Aを用いて説明すると、牛Aの乗駕側装置10が他の牛の被乗駕側装置20と交信した回数(乗駕交信回数)及び他の牛に乗駕されて、当該他の牛の乗駕側装置10と牛Aの被乗駕側装置20が交信した回数(被乗駕交信回数)の累計を示している。ここで、牛Aは乗駕交信回数が第1閾値(40回)を超えている。また、被乗駕交信回数が第4閾値である20回を超えている。ここで、発情しているとの判定は、乗駕交信回数が第1閾値を超える場合としてもよいし、乗駕交信回数が第1閾値を超えて、且つ被乗駕交信回数が第4閾値を超える場合としてもよい。
次に、牛Dについてみると、牛Dは、乗駕交信回数が第2閾値である25回を超えている。この場合、牛Dが発情している可能性が高いと判定している。牛Dの場合は、被乗駕交信回数が第3閾値を超えていないが、乗駕交信回数が第2閾値を超え且つ、被乗駕交信回数が第3閾値を超えている場合に、発情の可能性が高いとしてもよい。
次に牛Cについてみると、乗駕交信回数はいずれの閾値も超えていないものの、被乗駕交信回数が第3閾値である12回を超えている。この場合に、発情の可能性が高いと判定している。牛Tについてみると、乗駕交信回数・被乗駕交信回数ともに、いずれの閾値も超えていないが乗駕交信回数が第2閾値と一致しているため、発情している可能性があると判定している。
そして、これらの棒グラフでは、総交信回数の上位の牛ほど、すなわち発情している確度が高い牛ほど画面の左側に表示されるように設計しており、そのうち、発情しているあるいはその可能性がある牛は、発情の可能性に関するコメントを枠内に表示している。なお、このようなコメントは必須のものではなく、棒グラフを見ながらユーザーが発情を自身の経験と牛ごとの特性を踏まえて確認してもよい。また、発情しているとした牛については、発情の可能性が見られた時点からの経過時間を示している。経過時間の表示は、発情開始から0時間から24時間、好ましくは5時間から16時間、さらに好ましくは8時間から13時間の間に、授精を行うのがよいためである。さらには、各閾値や乗駕交信回数と被乗駕交信回数のいずれを重視するか等は、牛の個体差にもよるため、このような判別の条件はユーザーごとに設定できてもよく、さらにはユーザーが牛ごとに条件を設定できてもよい。
図8では、最も左の棒グラフの牛Aを用いて説明すると、牛Aの乗駕側装置10が他の牛の被乗駕側装置20と交信した回数から導き出した乗駕回数、及び他の牛に乗駕されて、当該他の牛の乗駕側装置10と牛Aの被乗駕側装置20が交信した回数から導き出した被乗駕回数の累計を示している。ここで、牛Aは乗駕回数が第1閾値(10回)を超えている。また、被乗駕交信回数が第4閾値である7回を超えている。ここで、発情しているとの判定は、乗駕回数が第1閾値を超える場合としてもよいし、乗駕回数が第1閾値を超えて、且つ被乗駕回数が第4閾値を超える場合としてもよい。つまり飼育環境や個体差、家畜の種類等に応じて種々の判定条件をメーカーが或いはユーザーが設定可能であってもよい。
次に、牛Dについてみると、牛Dは、乗駕回数が第2閾値である7回を超えている。この場合、牛Dが発情している可能性が高いと判定している。牛Dの場合は、被乗駕回数が第3閾値である4回を超えていないが、乗駕回数が第2閾値を超え、且つ、被乗駕回数が第3閾値を超えている場合に、発情の可能性が高いとしてもよい。
次に牛Cについてみると、乗駕回数はいずれの閾値も超えていないものの、被乗駕回数が第3閾値である4回を超えている。この場合に、発情の可能性が高いと判定している。牛Tについてみると、乗駕回数・被乗駕回数ともに、いずれの閾値も超えていないが乗駕回数が第2閾値と一致しているため、発情している可能性があると判定している。
ここで、検出された乗駕(被乗駕)交信回数から乗駕(被乗駕)回数を演算して発情判定をするには、種々のアルゴリズムに基づいて演算することが可能である。いくつかのアルゴリズムを用いた演算例を以下に記載する。
牛の乗駕行動においては、乗駕する牛が、平均的には2秒から8秒程度の間、被乗駕牛に継続して乗駕している。従って、平均的には、1回の乗駕行動における乗駕(被乗駕)継続時間は、2秒から8秒である。
このため、例えば牛Aの乗駕側装置10と牛Bの被乗駕側装置20との間の交信が複数あった場合において、最初の交信から最後の交信までの時間(例えば6秒)が先の平均的な継続時間2秒〜8秒内である場合、牛Aの乗駕回数が1、牛Bの被乗駕回数が1とカウントしてもよい。この場合、牛Aの乗駕側装置10が一、或いは複数配置され、また、牛Bの被乗駕側装置20が一または複数配置されていても構わない。すなわち最初の交信も最後の交信も牛Aのいずれかの乗駕側装置10と牛Bのいずれかの被乗駕装置との間での交信であればよい。具体的には被乗駕牛Bの尾に配置された被乗駕側装置20との間での最初の交信が検出され、その4秒後に被乗駕牛Bの背中の被乗駕側装置20との間で交信があり、その後、交信がなかった場合、乗駕継続時間は4秒として乗駕(被乗駕)回数1がカウントされる。
或いはもっと単純に牛Aの乗駕側装置10と牛Bの被乗駕側装置20との交信が複数回あった場合に、最初の交信から次の交信までの時間(例えば3秒)が先の平均的な継続時間2秒〜8秒の間である場合、同様に1をカウントしてもよい。同じ牛の被乗駕側装置20であれば、いずれかの被乗駕側装置20との交信であればよい点は同様である。従って、被乗駕側装置に付与するIDは牛ごとには異なるものの、同じ牛では同じIDが付与されていても問題ない。このため、非乗駕側装置20のメモリ(RFIDチップ)への書き込み作業が簡便である。
逆に、例えば最初の交信だけで次の交信までの時間が先の平均的な継続時間2秒〜8秒の範囲外である場合や、最初の交信だけがあったが次の交信がない場合、乗駕行動は0(ゼロ)としてカウントしてもよい。ただし、この場合、あご乗せ行動においては、カウントを1としてもよい。平均的なあご乗せ行動により検出される交信は単発、或いは非常に短いスパンの時間だからである。なお、あご乗せ行動も発情の一つの指標であることから、これらを含めて、発情の判定をしてもよい。
また、牛の乗駕行動においては、最初に乗駕牛が被乗駕牛の臀、尾あたりに顔を乗せるあご乗せ行動類似の行動を取る。このとき、被乗駕牛において発情の兆候が全くない場合、乗駕されることを嫌がって逃げる行動を取ることがある。この場合、一回の交信しか検出できない。従って、乗駕はカウントされず、あご乗せ(被あご乗せ)回数1がカウントされてもよい。あご乗せ回数が多い牛は発情の可能性があるが、被乗駕回数が少ないにもかかわらず、被あご乗せ回数が多い場合は、乗駕を許容しない場合が多いことが考えられ発情の可能性は低いと判定してもよい。
一方、被乗駕牛が発情の兆候がある場合、あご乗せ行動やこれに類するしぐさがあっても、被乗駕牛は大きくは動かずその後の乗駕を許容するか、或いはその後の乗駕の最中に数歩程度前方に歩くようにして乗駕を逃れるような緩やかな行動をする。
乗駕牛は、乗駕行動の最初の手順であるあご乗せ行動類似の仕草をした後に、前駆で地面を蹴って立ち上がると同時に、被乗駕牛の尾の側から頭の側へと乗駕牛の体が前方へずれていく。従って、同じ牛に取り付けた複数の被乗駕側装置20においては、最初に被乗駕牛の臀、尾あたりに取り付けられた被乗駕側装置20との交信が検出され、次に前方の被乗駕側装置20との交信が検出されることとなる。従って、このような複数の乗駕側装置20における、交信をした被乗駕側装置20の配置されている位置が、後ろから前へと移動していく場合にも、乗駕(被乗駕)回数を1とカウントしてもよい。なお乗駕が終了するときに、乗駕牛の体が被乗駕牛の後方にずれていくような動きを伴うが、これを検出することも乗駕検出として有用である。すなわち、最初に交信したのが背中に配置された被乗駕側装置20であり、その後、尾に配置された被乗駕側装置と交信した場合も、乗駕(被乗駕)回数を1としてカウントしてもよい。ただし、先の平均乗駕検出時間の間に、尾、背中、尾と検出された場合は、乗駕回数を2とカウントしてしまわないように、先の平均乗駕検出時間においては、仮に3以上の被乗駕側装置と交信があったとしても、カウントは2,3とならないように、1がカウントされる。すなわち重複してカウントしてしまうことはしない。このようなアルゴリズムに従うときには、被乗駕側装置20に付与するIDは牛ごとに異なり、さらに背中や尾等の同じ牛における配置ごとに異なるIDが付与されればよい。例えば、牛A、Bのそれぞれの尾側から頭側に向かって背中の左側、背骨上、右側の順で記載すると、IDは、A−1L,A−2L,A−3L・・・、A−1M,A−2M,A−3M・・・、A−1R,A−2R,A−3R・・・、牛Bは、B−1L,B−2L,B−3L・・・、B−1M,B−2M,B−3M・・・、B−1R,B−2R,B−3R・・・・である。
図9では、最も左の棒グラフの牛Aを用いて説明すると、牛Aの乗駕側装置10が他の牛の被乗駕側装置20と交信した時間から導き出した乗駕累積時間、及び他の牛に乗駕されて、当該他の牛の乗駕側装置10と牛Aの被乗駕側装置20が交信した時間から導き出した被乗駕累積時間を示している。ここで、牛Aは乗駕累積時間が第1閾値である60秒を超えている。また、被乗駕交信回数が第4閾値である20秒を超えている。ここで、発情しているとの判定は、乗駕回数が第1閾値を超える場合としてもよいし、乗駕回数が第1閾値を超えて、且つ被乗駕回数が第4閾値を超える場合としてもよい。
次に、牛Dについてみると、牛Dは、乗駕累積時間が第2閾値である30秒を超えている。この場合、牛Dが発情している可能性が高いと判定している。牛Dの場合は、被乗駕累積時間が第3閾値である15秒を超えていないが、乗駕累積時間が第2閾値を超え、且つ、被乗駕累積時間が第3閾値を超えている場合に、発情の可能性が高いとしてもよい。
次に牛Cについてみると、乗駕累積時間はいずれの閾値も超えていないものの、被乗駕累積時間が第3閾値である15秒を超えている。この場合に、発情の可能性が高いと判定している。牛Tについてみると、乗駕累積時間・被乗駕累積時間ともに、いずれの閾値も超えていないが乗駕累積時間が第2閾値と一致しているため、発情している可能性があると判定している。
ここで、検出された乗駕(被乗駕)交信回数から乗駕(被乗駕)継続時間、乗駕(被乗駕)累積時間を演算して発情判定をするには、種々のアルゴリズムに基づいて演算することが可能である。いくつかのアルゴリズムを用いた演算例を以下に記載する。
先の通り、平均的には、1回の乗駕行動における乗駕(被乗駕)継続時間は、2秒から8秒である。従って、最も単純には、2秒から8秒の間に一回または複数の交信があった場合に、平均乗駕時間の中心値5秒をカウントするようにしてもよい。
或いは、2秒から8秒の間で、最初の交信から最後の交信までの経過時間を乗駕(被乗駕)継続時間として計上する。この一回一回の乗駕(被乗駕)継続時間を、複数回の乗駕に対して累積したものが乗駕(被乗駕)累積時間である。すなわち乗駕累積時間が多いほど、発情の確度が高く、また、被乗駕累積時間が多いほど発情の確度が高いと考えられる。
逆に、例えば最初の交信だけで次の交信までの時間が先の平均的な継続時間2秒〜8秒の範囲外である場合や、最初の交信だけがあったが次の交信がない場合、乗駕継続時間は0(ゼロ)としてカウントしてもよい。
また、牛の乗駕行動においては、最初に乗駕牛が被乗駕牛の臀、尾あたりに顔を乗せるあご乗せ行動類似の行動を取る。このとき、被乗駕牛において発情の兆候が全くない場合、乗駕されることを嫌がって逃げる行動を取ることがある。一方、被乗駕牛が発情の兆候がある場合、あご乗せ行動やこれに類するしぐさがあっても、被乗駕牛は大きく動かずその後の乗駕を許容するか、或いはその後の乗駕の最中に数歩程度前方に歩くようにして乗駕を逃れるような緩やかな行動をする。
乗駕牛は、乗駕行動の最初の手順であるあご乗せ行動類似の仕草をした後に、前駆で地面を蹴って立ち上がると同時に、被乗駕牛の尾の側から頭の側へと乗駕牛の体が前方へずれていく。従って、同じ牛に取り付けた複数の被乗駕側装置20においては、最初に被乗駕牛の臀、尾あたりに取り付けられた被乗駕側装置20との交信が検出され、次に前方の被乗駕側装置20との交信が検出されることとなる。従って、このような複数の乗駕側装置20における、交信をした被乗駕側装置20の配置されている位置が、後ろから前へと移動していく場合にも、後側の被乗駕側装置20との交信時間(例えば8時25分00秒)と前側の被乗駕側装置20との交信時間(例えば8時25分03秒)との差分時間(3秒)を、乗駕(被乗駕)継続時間としてカウントしてもよい。
なお、乗駕が終了するときに、乗駕牛の体が被乗駕牛の後方にずれていくような動きを伴うが、これを検出することも乗駕検出として有用である。すなわち、最初に交信した背中に配置された被乗駕側装置20との交信時間(例えば8時25分00秒)と、その後、尾に配置された被乗駕側装置と交信時間(例えば8時25分04秒)との差分時間(4秒)を、乗駕(被乗駕)継続時間としてカウントしてもよい。ただし、先の平均乗駕検出時間の間に、尾、背中、尾と検出された場合は、乗駕累積時間をダブルカウントしてしまわないように、最初の尾から最後の尾での交信時間の差分が乗駕継続時間とすればよい。
このようなアルゴリズムに従うときには、被乗駕側装置20に付与するIDは牛ごとに異なり、さらに背中や尾等の同じ牛における配置ごとに異なるIDが付与されればよい。例えば、牛A、Bのそれぞれの尾側から頭側に向かって背中の左側、背骨上、右側の順で記載すると、IDは、A−1L,A−2L,A−3L・・・、A−1M,A−2M,A−3M・・・、A−1R,A−2R,A−3R・・・、牛Bは、B−1L,B−2L,B−3L・・・、B−1M,B−2M,B−3M・・・、B−1R,B−2R,B−3R・・・・である。
次に、図10を用いて、牛Aの発情行動の詳細を示すグラフを表示している例について説明する。ここでは、図7から図9の牛Aの棒グラフをタッチすることにより図10に示す牛Aの詳細が表示されるようにしてもよい。この場合、操作部36はPCのマウスやタッチパネルであってもよい。
計測開始時刻である8時から現在時刻である9時半までの間に生じた乗駕行動の活動量を縦軸に、時間を横軸に設定している。活動量は、例えば上側が上述した乗駕交信回数、下側が上述した被乗駕交信回数である場合や、乗駕交信回数に変えて、乗駕(被乗駕)回数や乗駕(被乗駕)累積時間、あご乗せ(被あご乗せ)回数等でもよい。牛Aの場合、8時台に乗駕行動が検出され、9時ごろから被乗駕行動が見られることから、顕著な発情状態を呈している。発情開始からの経過時間は、1.5h程度であるから、授精適性時間帯(例えば、発情開始4時間から12時間、さらに好適には発情開始6時間から10時間)までの間、このようなグラフを基に経過観察を継続すればよい。
図11には、乗駕側装置10のメモリに記録された乗駕側と被乗駕側との交信ログの組み合わせの詳細を表示している。これもユーザー側端末30の操作部36の操作により表示がなされるようにしてもよい。乗駕側装置10には、このようなログにより乗駕交信記録が蓄積されていく。このように、乗駕交信ログが取れるたびに、第2方式の通信部を介して、乗駕側装置10からユーザー側端末30にログ情報が送信されればよい。なお、ログ情報のユーザー側端末30への送信は、乗駕行動の検出(交信)があろうが無かろうが、5分或いは10分程度に一回、送信してもよい。或いは、1回の乗駕行動、或いは一定回数の乗駕行動が検出されたことをトリガーとして、ログ情報を送信してもよい。この場合、第2方式の通信部16を必要な時だけ起動させればよく、いわゆる携帯電話等でいうところ常時待ち受け状態を必要としないため、省電力化に寄与する。
次に、図12を用いて、対象牛Aに対する今後のアクションを選択する画面を表示している例を示す。ここでは発情が確認できてからよくおこなわれる4つのアクションを選択肢として表示している。すなわち、(1)獣医師への緊急連絡をするか否か、(2)獣医師に乗駕行動情報を送信するか否か、(3)獣医師に人工授精指示をするか否か、(4)継続して観察するか否かである。(1)から(3)の獣医師等の連絡先は、予め登録された獣医師の電話番号やメールアドレスや人工授精師のそれであってもよいし、牧場内で授精の権限を持つ従業員のものでもよい。また、これらの選択肢は、択一的にいずれかを選択するようにしてもよいし、複数選択できるようにしてもよい。
なお、本明細書や請求項において、乗駕側装置、被乗駕側装置と名付けているが、本発明の適用範囲は、牛の乗駕に限られず、乗駕側装置には、乗駕やあご乗せをする側の装置、被乗駕側装置には、乗駕される側やあご乗せされる側の装置が含まれる。
従って、本発明の保護範囲には、先のあご乗せ行動や馬、豚の乗駕行動の検出、ひいては乗駕検出情報に基づいた交配行動の検出をするものも含まれる。例えば、オス馬の首から胸前あたりに付けた乗駕側装置10と、メス馬の背中に付けた被乗駕側装置20とにより、自然交配の交尾行動を検出できる可能性もある。豚も同様である。