JP6636309B2 - ヒートパイプとそれを用いる空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、上方にある外部の熱を下方へ輸送して連続的に放熱することを可能にするヒートパイプと、それを利用する空調装置に関するものである。
ヒートパイプは、内部をほぼ真空にしたパイプ状の密閉容器内に少量の作動液が封入された構造を有する周知の熱輸送手段である。一般的なヒートパイプにつき、図10(a)(b)に縦断面図を示す。図示のヒートパイプ1’において、密閉容器2中に作動液Aが封入されている。
図10(a)のようにヒートパイプ1’の下部(加熱部)が加熱されると、密閉容器2内で下部に滞留している作動液Aが蒸発し、蒸気となって温度の低い上部(放熱部)側に移動する。蒸気は、放熱部の容器2の内面で凝縮し、潜熱を容器2に放出して液化する。凝縮液化した作動液Aは、容器2の内面に沿って重力により下部に還流する。還流する作動液Aは、容器2の内面を濡らしながら降下するので、作動液Aが滞留していない加熱部の上部側においても、容器2の内面に付着した作動液Aが蒸発し、加熱部全体から蒸気が発生して上部の放熱部に熱を輸送する。下部の温度が上部よりも高い場合、このような動作が継続されて、下部の加熱部から上部の放熱部に自動的に熱輸送される。
下記の特許文献1には、外部への積極的な熱輸送を目的とした、図11のようなヒートパイプ1”が開示されている。そのヒートパイプ1”では、密閉容器2内に上から冷却水管3”が挿入されている。密閉容器2内で蒸発した作動液Aは、冷却水管3”の外周面で凝縮してその潜熱を冷却水管3”内の水に伝え、その水は冷却水管3”を通って外部に送られる。つまり、ヒートパイプ1”は、密閉容器2の外側から受ける熱を、作動液Aを介して冷却水管3”内の水に伝えることにより、外部へ運び出す。
特公平5−27037号公報
図10に示す上記の一般的なヒートパイプでは、下部から上部へ熱輸送することはできても、その逆に上部から下部へ連続的に熱輸送することは不可能である。その理由はつぎのとおりである。
図10(b)のように、ヒートパイプ1’の上部が加熱されると、密閉容器2の上部内面に付着保持されていた作動液Aが蒸発し、蒸気となって温度の低い下部の放熱部側に移動する。この蒸気は、放熱部の容器2の内面で凝縮し潜熱を容器に放出して液化し、凝縮液化した作動液Aは容器2の下部に滞留する。この作動液Aは重力に抗して上部の加熱部に戻ることはできないので、上部の加熱部に最初に付着保持されていた作動液Aが全て蒸発した後は、加熱部での蒸発が生じなくなる。従って、上部の加熱部から下部の放熱部に連続的に熱輸送することはできない。
なお、ウィックと呼ばれる多孔質の焼結体や金属メッシュ類を密閉容器2の内壁面に設けると、ウィックの毛管力により下部の作動液を上部の加熱部にもち上げることで上部から下部への熱輸送も多少は可能になるが、それが可能な範囲(上部・下部間の高低差)は数cm〜数十cm程度と極めて限定的である。
図11のヒートパイプ1”(上記特許文献1に記載のもの)は、密閉容器2内にある作動液Aの蒸気から、冷却水管3内の水が熱を受けて外部へ運び出すものである。冷却水管3が上方から密閉容器2内に挿入されているとはいえ、密閉容器2内の作動液Aには漬かっていないので、仮に管3内の水が高温であっても、水の熱をヒートパイプ1”で効果的にヒートパイプ1”の外部に放熱することはできない。つまり、図11の例は、上方にある外部の熱をヒートパイプ1”に供給してその外側に放熱するものではない。
本発明は、以上のような点を考慮してなしたもので、上方にある外部の熱を下方に輸送して連続的に放熱することを可能にするヒートパイプと、それを利用する空調装置とを提供するものである。
本発明は、上下に長さを有するほぼ真空の密閉容器内に少量の作動液が封入されたヒートパイプであって、上記密閉容器内に、その容器外から容器内を通って再び容器外へ至る加熱液(作動液よりも高温度の液)の流通管が内蔵され、当該流通管の一部が、密閉容器の内側下部において上記作動液中に浸漬されていることを特徴とする。図1等に示すヒートパイプはその一例であり、図中の符号3が加熱液の流通管である。
そのようなヒートパイプによれば、上方にある外部の熱を下方に輸送して連続的にヒートパイプの周囲に放熱することが可能になる。それは、つぎのような作用による。すなわち、
1) 流通管内に加熱液を流すと、密閉容器内に封入された作動液が蒸発する。流通管の一部が下部の作動液中に浸漬されているため、加熱液が有する熱を作動液が受けるからである。
2) 前記した一般的なヒートパイプにおけるのと同様、作動液の蒸気は上部(放熱部)側の全体で凝縮し、潜熱を密閉容器に放出して液化する。これにより、加熱液の保有熱がヒートパイプの周囲に放熱される。
3) したがって、加熱液をヒートパイプよりも上方から供給することとすれば、上方にある加熱液の熱を、下方にあるヒートパイプの放熱部にまで連続的に熱輸送して放熱するという、従来のヒートパイプでは難しかった方向の熱輸送が可能になる。
なお、上記のヒートパイプにおいて流通管内に加熱液等を流すことを止めれば、一般的なヒートパイプにおけるのと同様に、下部が加熱されるとき、その熱が上部の放熱部に連続的に熱輸送され放熱される。
発明のヒートパイプにおいては、上記密閉容器の上部においてその容器の内外へと上記流通管が通されていて、当該容器の内面と流通管の外面とが接触しているのが好ましい。図2(a)(b)はそのようにしたヒートパイプの一例を示している。密閉容器の内面と流通管の外面との接触は、接触箇所が長さをもって連続するもの、または複数箇所におけるものであるとよい。
密閉容器の内面と流通管の外面とが接触していると、ヒートパイプによる熱輸送効果が高められる。その理由はつぎのとおりである。
1) 密閉容器の内面と流通管の外面との接触部分を通して直接に、流通管内の加熱液の保有熱の一部が密閉容器へ移動する。
2) 流通管と密閉容器との接触部分の近傍に微小な隙間ができる(図2(b)参照)。このような隙間を形成させておくと、隙間に保持された部分の作動液の加熱が促進され、作動液の気泡発生(すなわち蒸発)が活発になるため、作動液の蒸発熱伝達特性が向上する。
なお、密閉容器の内面と流通管の外面との上記接触は、流通管の位置を定める部品を密閉容器内に組み込むこと等によって実現させるのがとくに好ましい。
上記流通管は、下部にU字状の屈曲部分を有するものであり、上記密閉容器内においてその屈曲部分が上記作動液中に浸漬されているとよい。図1・図2は、そのような流通管を有するヒートパイプの一例を示している。
このようなヒートパイプは、流通管の構造がシンプルであり製造容易でもあるため、低コストで実現できる。
また、上記流通管は、下端が閉じた外管の内側に下端が開いた内管が挿入されていて双方の下端が接近位置にある二重管の、当該内管の壁をはさむ内外空間を流路とするものであり、上記密閉容器内において上記二重管の外管の下端付近が上記作動液中に浸漬されているものであるのもよい。たとえば図3のようにするのである。
このような流通管は、管を曲げたり接続したりしてU字状に形成する必要がないので、製作が容易である。また、加熱液のための流路の断面積を大きくしやすいので、多量の加熱液を流して熱輸送効果を高めるうえで有利である。なお、前記のように密閉容器に流通管を接触させるためには、上記外管の外面を密閉容器の内面に接触させる。
あるいは、上記流通管は、下部に螺旋状部分を有するものであり、上記密閉容器内においてその螺旋状部分が上記作動液中に浸漬されているものでもよい。図4に示す流通管はその一例である。
下部に螺旋状部分を有する流通管なら、作動液との接触面積を広くとりやすいので、加熱液から作動液への熱移動を多くして熱輸送効果を高めることができる。なお、密閉容器に流通管を接触させるに関しては、流通管の螺旋状部分またはそれ以外の直線状の部分を密閉容器の内面に接触させるとよい。
上記密閉容器の上部外面に放熱用の伝熱フィンが取り付けられているとさらによい。図5(a)(b)や図6・図7等に、そのようにしたヒートパイプの例を示している。
密閉容器の上部に放熱用の伝熱フィンがあると、密閉容器の下部に伝えられた蓄熱体からの熱を上部のその放熱用のフィンから効果的に放熱することができる。発明のヒートパイプでは、上述のとおり流通管を用いて上方の(加熱液の)熱を下方に放熱できるが、このように上部に放熱用フィンがあると、流通管の加熱液の循環を停止し、伝熱フィン部に通風することで、下部(加熱部)の熱を上部(上記伝熱フィンを有する放熱部)において効果的に周囲空気に放熱できる。すなわち、伝熱フィン部の通風を停止して加熱液を循環させるか、伝熱フィン部に通風して加熱液の循環を停止させるかの切り替えにより、同一のヒートパイプによる2方向への熱輸送が可能になる。
発明に係る空調装置は、上記のヒートパイプとともに蓄熱体および通風手段を使用する空調装置であって、
a) 上記密閉容器の下部外面が蓄熱体(水や土壌、または相変化をともなう蓄熱材等)に接触していて、
b) 上記密閉容器の上部外面に放熱用の伝熱フィンが取り付けられているとともに、上記密閉容器の外において上記流通管の一部外面に吸熱用の伝熱フィンが取り付けられ、
c) 通風手段が、上記流通管にて加熱液を循環させるか停止させるかに応じて空気の通路を変更し、加熱液の循環時には上記吸熱用の伝熱フィンに空気を送り、加熱液の停止時には上記放熱用の伝熱フィンに空気を送り得るものであることを特徴とする。
図8(a)(b)に、そのような空調装置の一例を示している。
この空調装置では、つぎのとおり、室内等の空気の冷・暖房を行うことができる。
1) 密閉容器内に加熱液の流通管が内蔵され上記作動液中に浸漬されているとともに、密閉容器の上部に放熱用の伝熱フィンが取り付けられているので、上述のように、上方の(つまり加熱液の)熱を下方に放熱できるとともに、下方の熱を上方へ放熱することもできる。
2) 密閉容器の下部が蓄熱体に接触しているので、当該蓄熱体が、上記1)で下方に放熱する際の放熱先となり、上方に放熱する際の熱源ともなる。
3) 密閉容器の外で流通管の一部外面に吸熱用の伝熱フィンが取り付けられていて、流通管内に加熱液を循環させる時にはそのフィンに通風手段が空気を送る(図8(a)参照)ので、空気が有する熱を加熱液およびヒートパイプを介して蓄熱体に伝える形で、当該空気の冷房を実現できる。
4) 加熱液を停止した時には、密閉容器の外面に取り付けられた放熱用の伝熱フィンに空気を送る(図8(b)参照)ことにより、蓄熱体が有する熱をヒートパイプを介し当該空気に伝える形で、空気の暖房を実現することができる。
発明に係る空調装置は、上記のヒートパイプとともに蓄熱体および通風手段を使用する空調装置であって、
a) 上記密閉容器の下部外面が蓄熱体に接触していて、
b) 上記密閉容器の上部外面に放熱用の伝熱フィンが取り付けられているとともに、上記密閉容器の外において上記流通管の一部外面に吸熱用の伝熱フィンが取り付けられ、
d) それら双方の伝熱フィンが一体のものであり、通風手段が、当該一体の伝熱フィンに空気を送り得る、との構成を有するものであってもよい。
図9(a)(b)に、そのような空調装置の一例を示している。
このような構成の空調装置も、前記した空調装置と同様の作用で冷・暖房を行うことができる。この場合、切換板等による空気の通路変更は必要ない。加熱液の循環時(図9(a)参照)には、流通管に設けられた上記吸熱用の伝熱フィンが空気の熱を吸収し加熱液を介して熱輸送をする一方、加熱液の停止時(図9(b)参照)には、密閉容器に設けられた上記放熱用の伝熱フィンが、蓄熱体の保有熱をヒートパイプを介して空気に伝えるので、それぞれ空気の冷・暖房を実現できる。
発明のヒートパイプでは、加熱液の流通管が密閉容器内に設けられ、作動液中に浸漬されていることから、上方にある外部の熱を下方へ輸送し下方にて連続的に放熱することが可能である。
密閉容器の上部外面に放熱用の伝熱フィンが取り付けられていると、加熱液の循環と停止を切り替えることで、上方から下方への熱輸送で蓄えた熱を、必要に応じて下方から上方へ輸送することも可能になる。この点から、同一のヒートパイプによって2方向の熱輸送すなわち冷・暖房を行うことも可能になる。
発明による空調装置では、上記のヒートパイプとともに蓄熱体および通風手段を使用することにより、室内等の空気の冷・暖房を行うことができる。
ヒートパイプそのものが行う熱輸送(加熱液の循環および通風手段による通風は除く)には動力が不要であるため、上記の熱輸送または冷・暖房に要するエネルギーコストは低く抑えられ、騒音も少ない。特に暖房時は、蓄熱体の熱をポンプ運転せずにヒートパイプのみで空気に熱輸送できるので、きわめて省エネ性の高い暖房が行える。
発明の実施例としてのヒートパイプ1を示す縦断面図である。 発明の他の実施例としてのヒートパイプ11を示す図であって、図2(a)は縦断面図、同(b)は同(a)におけるb−b断面図である。 発明の他の実施例としてのヒートパイプ21を示す縦断面図である。 発明の他の実施例としてのヒートパイプ31を示す縦断面図である。 発明の実施例としてのヒートパイプ41を示す縦断面図であって、図5(a)は流通管内に加熱液を循環させている状態、同(b)はその加熱液の循環を停止させた状態を示す。 図6(a)は、ヒートパイプ1の上方にある太陽熱集熱用の水循環パネル6から下部の蓄熱体8に蓄熱する例を示す模式図である。同(b)は、同(a)(または図7)の例で蓄熱体8から上部への放熱を説明する模式図である。 ヒートパイプ1の上方にある廃温水Wの熱を下部の蓄熱体8に蓄熱する例を示す模式図である。 ヒートパイプ1を用いた空調装置61に関する模式図であり、図8(a)・(b)は、冷房時および暖房時の熱輸送をそれぞれ示すものである。 ヒートパイプ1を用いた空調装置71に関する模式図であり、図9(a)・(b)は、冷房時および暖房時の熱輸送をそれぞれ示すものである。 一般的なヒートパイプ1’を示す縦断面図であり、図10(a)・(b)は、ヒートパイプ1’の下部が加熱されるとき、および上部が加熱されるときの各状態を模式的に示している。 特許文献1に記載されているヒートパイプ1”を示す縦断面図である。
図1に、発明の第1実施例としてのヒートパイプ1を示す。直径20〜30mm程度の円管状の密閉容器2内に、高真空の状態で少量の作動液Aが封入されている。このヒートパイプ1は、密閉容器2内に、上方から容器上部の壁を貫通して容器内を通り、再び容器上部の壁を貫通して上方へ至る流通管3を内蔵している。密閉容器2は鉄管、ステンレス管、銅管など、外部環境に応じた金属管で、流通管3は、銅管など加工性が良く、熱伝導率の高い金属で構成されている。ヒートパイプ1は、図示のように長さ方向が鉛直(または概ね鉛直)になるようにして使用する。
流通管3は、密閉容器2内では、平行な2本の直管部3aと、直管部3aの各下端部を連結するU字管部(屈曲部分)3bとを一体に有している。図示のような使用状態では、流通管3の下部(U字管部3b付近)は、密閉容器2内の作動液Aに浸漬されている。2本の直管部3aの各上端部は、密閉容器2外において、上方にある熱源(たとえば図6(a)の水循環パネル6)に接続される。熱源で加熱された加熱液Bが、流通管3を通って密閉容器2内に入り、再び容器2外の熱源へと循環する。
このように構成されたヒートパイプ1によれば、上方から下方への熱輸送が以下のように行われる(図1の矢印等を参照)。加熱された加熱液Bを流通管3に流すと、密閉容器2の下部に滞留する作動液Aが、流通管3を介し加熱液Bで加熱されて蒸気泡Aaが発生(沸騰)し、蒸気Avが密閉容器2内を上昇する。蒸気Avは、密閉容器2内のうち加熱液Bよりも温度の低い部分で凝縮し、凝縮液Ac(すなわち作動液A)となる。このとき凝縮熱Cが密閉容器2の周囲に放出されることにより加熱液Bが冷却される。凝縮液Acは、重力で自然に降下して密閉容器2の下部に滞留する。密閉容器2内で冷却された加熱液Bは、熱源へ戻されて再び加熱される。このようにして、上方にある熱源の熱を下部のヒートパイプ1にて放熱するという、上方にある熱源から下方への熱輸送が連続的に繰り返される。
なお、図1の例において、流通管3のうち作動液Aに浸漬される部分に、縦向き(面が上下に向いた)フィンを取り付けるのもよい(図1以外の例においても同様である)。フィンがあると、流通管3と作動液Aとの実質的な接触面積が広くなるので、加熱液Bから作動液Aへの熱の移動量を多くすることができる。また、そのフィンが縦向きであれば、蒸気泡Aaの上昇が妨げられることもない。
図2に、発明の第2実施例としてのヒートパイプ11を示す。図1の例と共通する部分には同一の符号を付し、また詳しい説明は省略する(他の図および他の実施例についても同様とする)。
図1の例と同じく、この図2(a)のヒートパイプ11においても、流通管13は、2本の平行な直管部13aとそれらの下端部に連結するU字管部(屈曲部分)13bとから形成している。使用の際、流通管13の下部(U字管部13b付近)は密閉容器2内の作動液Aに漬かるようになっている。また、この例(および図3以降の例)ではヒートパイプ11の下部を蓄熱体8内に設置している。蓄熱体8としては水タンクを使用できるが、他の各種の蓄熱材を使用してもよい。土壌を蓄熱体8とすることも可能である。
ヒートパイプ11については、直管部13aの外面と密閉容器2の内面とを図2(b)のように接触させている。2本の直管部13aの間にスペーサ(図示省略)等を取り付けて両直管部13aの間隔を確保することにより、各直管部13aの外面と密閉容器2の内面とを強制的に接触させて固定するとよい。流通管13と密閉容器2とを接触させることにより、図2(b)に示すように接触部付近に微小隙間5が形成され、作動液Aからの蒸気泡Aaの発生(蒸発)を促進することができる。それにより作動液Aの蒸発熱伝達率を向上できるので、蒸発長さが少なくても、装置として所定の熱伝達性能を得ることができる。また、接触部分において加熱液Bの熱が流通管13から直接に密閉容器2へ伝達されるので、その点でも蓄熱体8への放熱が効率的に行われる。
図3に、発明の第3実施例としてのヒートパイプ21を示す。この例では、ヒートパイプ21の流通管23を二重管構造としている。すなわち、下端が閉じた外管23aの内側に下端が開いた内管23bが挿入されていて、双方の下端が接近位置にあり、内管23bの壁をはさむ内外空間を流路とする二重管を、流通管23として使用する。その外管23aの下端とその付近とが、密閉容器2内において作動液Aに浸漬されるようにしている。加熱液Bは、内管23bの上方から下向きに密閉容器2内に入り、流通管23の下端部において折り返し、外管23aに沿って上向きに流れ、熱源へと戻る。この構成は、流通管の流路の断面積を大きくとりやすいので、多量の加熱液Bを流す場合に都合がよい。
図4に、発明の第4実施例としてのヒートパイプ31を示す。このヒートパイプ31では、流通管33を、2本の直管部33aと、一方の直管部33aの下端部付近を取り巻く螺旋管部(螺旋状部分)33bとを接続することにより構成している。螺旋管部33bの一部または全部を、密閉容器2内の下部において作動液A中に浸漬する。螺旋管部33bと一方の直管部33aとは、密閉容器2の内面に接触させている。流通管33と作動液Aとの接触面積を広くとりやすいことから、加熱液Bから作動液Aへの熱移動を多くして熱輸送効果を高めることができる。
図5(a)(b)に、第5実施例としてのヒートパイプ41を示す。ヒートパイプ41は、図1のヒートパイプ1と同様に構成したうえで、密閉容器2の上部外面に複数の伝熱フィン4を取り付けたものである。図1のものと同様、密閉容器2内には、当該容器2外から容器2内を通って再び容器2外へ至るU字状の流通管3が内蔵され、その下端部付近が作動液A中に浸漬されている。ヒートパイプ41の下部は蓄熱体8内に設置してある。
ヒートパイプ41において加熱液Bを流通管3にて循環させるとき、伝熱フィン4への通風を停止しておくと、加熱液Bが有する熱の輸送は図1のヒートパイプ1におけるのと同様に行われ(図5(a)参照)、当該熱が蓄熱体8へと輸送され蓄熱される。
一方、流通管3による加熱液Bの循環を停止させ、伝熱フィン4へ通風させたとき、ヒートパイプ41では、一般的なヒートパイプと同様の作用により、下方から上方への熱輸送が行われる(図5(b)参照)。すなわち、蓄熱体8に蓄積された熱Hが密閉容器2の下部に加えられ、作動液Aが加熱されて蒸発したうえ、密閉容器2の上部で凝縮する。このとき凝縮熱Cが、伝熱フィン4の作用によって効率的に密閉容器2の外の空気に放出される。この熱輸送は、下部側(蓄熱体8)の温度が上部側よりも高い場合に継続して行われ、熱輸送のための動力は不要である。
図6には、図5等に示す上記ヒートパイプ41(ヒートパイプ1・11・21・31でもよい)の利用例を示している。すなわち図6(a)のとおり、加熱液Bの熱源として、太陽熱Sを集熱する水循環パネル6を流通管3に接続している。またその流通管3には、ヒートパイプ41の密閉容器2の外部において、加熱液Bを強制循環させるためのポンプ9を設けている。
ポンプ9を起動すると、水循環パネル6内で太陽光Sを受けて加熱された加熱液Bを、図6(a)のように流通管3に流すことができる。加熱液Bは、密閉容器2内の下部において作動液Aを加熱し蒸発させる。作動液Aの蒸気は、密閉容器2のうち蓄熱体8と接触している低温部分で凝縮し、放熱して蓄熱体8に熱を蓄える。
一方、ポンプ9を停止して加熱液Bの循環を止めると、図6(b)のように、蓄熱体8に蓄積された熱Hは、密閉容器2の下部を加熱して作動液Aを蒸発させ、密閉容器2の上部にまで上昇し凝縮する。その凝縮により密閉容器2に凝縮熱Cが伝わり、それが、伝熱フィン4またはさらにファン10の作用によって空気中に放出される。空気を加熱することができるので、たとえば室内を暖房等できるわけである。
図7も、ヒートパイプ41(図5)等の利用例であり、廃温水Wを熱源とするものである。廃温水Wの熱を、熱交換器7を介して流通管3内の加熱液Bに伝えるようにしている(廃温水Wをそのまま加熱液Bとすることも可能である)。図6の例と同様、流通管3の一部に加熱液Bの強制循環のポンプ9を設けている。
この図7の例でも、放熱フィン4に通風しない状態でポンプ9を起動すると、廃温水Wの熱を、図示のように加熱液Bおよび作動液Aを介して蓄熱体8に蓄えることができる。そしてポンプ9を停止させ放熱フィン4に通風すると、図6(b)の場合と同様に、蓄熱体8の保有熱を空気中に放出して室内の暖房等を行うことができる。
前述のヒートパイプ41(ヒートパイプ1・11・21・31でもよい)を利用した空調(冷暖房)装置を、図8および図9に示す。
まず、図8(a)(b)に示す空調装置61は、密閉容器2の下部を蓄熱体8内に設置し、密閉容器2の上部外面に放熱用の伝熱フィン4を取り付けたヒートパイプ41を使用するほか、以下のように構成したものである。すなわち、1)密閉容器2の外において、流通管3に循環用ポンプ9を設けるとともに、流通管3の一部外面に吸熱用の伝熱フィン14を取り付ける。2)また通風手段として、二つの分岐部分11a・11bを有するダクト11を配置し、分岐部分11a・11bの内側に、上記した伝熱フィン4・14をそれぞれ取り付ける。3)上記分岐部分11a・11bよりも上流側においてダクト11にファン10を設けるとともに、そのファン10の風を分岐部分11a・11bのいずれかに選択的に送るための切換板12をダクト11内に組み付ける。4)ポンプ9を起動して流通管3に加熱液Bを循環させるときは、切換板12を図8(a)の位置にしてファン10の風を伝熱フィン14に送り、ポンプ9を停止させたときには、切換板12を図8(b)の位置にしてファン10の風を伝熱フィン4に送ることとする。
こうした空調装置61によれば、図8(a)に示すようにポンプ9にて加熱液Bを循環させるとき、流通管3に設けた吸熱用の伝熱フィン14に空気が送られるので、空気が有する熱を加熱液Bに伝え、さらにヒートパイプ41の作動液Aをも介して蓄熱体8に輸送することができ、もって空気の冷房が実現される。一方、加熱液Bの循環を停止したときは、図8(b)に示すように密閉容器2の放熱用の伝熱フィン4に空気が送られることにより、蓄熱体8が有する熱Hを空気に伝えることができ、当該空気の暖房が実現される。
図9(a)(b)に示す空調装置71は、流通管3に設けた吸熱用の伝熱フィン14と密閉容器2に設けた放熱用の伝熱フィン4とを一体にしたものである。伝熱フィン4と14とが一体であるため、それらを内側に有するダクト11は分岐のないものとし、ファン10の風向きを変える切換板は設けていない。
空調装置71においても、上記空調装置61と同様の作用で冷・暖房を行うことができる。流通管3に加熱液Bを循環させるときは(図9(a)参照)、流通管3に設けられた吸熱用の伝熱フィン14が空気の熱を吸収し、加熱液B等が熱輸送をして蓄熱体8に蓄熱する。ファン10からの風の通路を変更しなくとも、加熱液Bの循環を止めると(図9(b)参照)、蓄熱体8の保有熱を作動液Aが密閉容器2の上部に伝え、放熱用の伝熱フィン4を介して空気に放出する。つまり、空調装置71では、加熱液Bを循環させるかどうかによって、それぞれ空気の冷・暖房を行うことができる。
このようにすると、ヒートパイプと伝熱フィンを一体化した小形のシンプルな冷暖房用ユニットを構成できるので、空調配管施工時の給水系及びエアダクトの配置がきわめて容易になる。
1・11・21・31・41 ヒートパイプ
2 密閉容器
3・13・23・33 流通管
3b・13b U字管部(屈曲部分)
23a 外管
23b 内管
33b 螺旋管部(螺旋状部分)
4・14 伝熱フィン
8 蓄熱体
9 ポンプ
10 ファン
11 ダクト
12 切換板
61 空調装置
71 空調装置
A 作動液
B 加熱液

Claims (7)

  1. 上下に長さを有する密閉容器内に作動液が封入されたヒートパイプであって、
    上記密閉容器内に、当該容器外から容器内を通って再び容器外へ至るよう循環される加熱液の流通管が内蔵され、当該流通管の一部が、密閉容器の内側下部において上記作動液中に浸漬されていること、
    上記密閉容器の上部外面に、通風を受ける放熱用の伝熱フィンが取り付けられていること、
    および、伝熱フィンへの上記通風を停止して加熱液を循環させるか、伝熱フィン部に通風して加熱液の上記循環を停止させるかの切り替えにより、同一のヒートパイプによって密閉容器の下部か上部かへ選択的に熱輸送できるようにしたこと
    を特徴とするヒートパイプ。
  2. 上記密閉容器の上部において当該容器の内外へと上記流通管が通されていて、当該容器の内面と流通管の外面とが接触していることを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。
  3. 上記流通管は、下部にU字状の屈曲部分を有するものであり、上記密閉容器内において当該屈曲部分が上記作動液中に浸漬されていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートパイプ。
  4. 上記流通管は、下端が閉じた外管の内側に下端が開いた内管が挿入されていて双方の下端が接近位置にある二重管の、当該内管の壁をはさむ内外空間を流路とするものであり、上記密閉容器内において上記二重管の外管の下端付近が上記作動液中に浸漬されていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートパイプ。
  5. 上記流通管は、下部に螺旋状部分を有するものであり、上記密閉容器内において当該螺旋状部分が上記作動液中に浸漬されていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートパイプ。
  6. 上下に長さを有する密閉容器内に作動液が封入され、その密閉容器内に、当該容器外から容器内を通って再び容器外へ至る加熱液の流通管が内蔵され、当該流通管の一部が、密閉容器の内側下部において上記作動液中に浸漬されているヒートパイプとともに、蓄熱体および通風手段を使用する空調装置であって、
    上記密閉容器の下部外面が蓄熱体に接触していて、
    上記密閉容器の上部外面に放熱用の伝熱フィンが取り付けられているとともに、上記密閉容器の外において上記流通管の一部外面に吸熱用の伝熱フィンが取り付けられ、
    通風手段が、上記流通管にて加熱液を循環させるか停止させるかに応じて空気の通路を変更し、加熱液の循環時には上記吸熱用の伝熱フィンに空気を送り、加熱液の停止時には上記放熱用の伝熱フィンに空気を送り得るものであることを特徴とする空調装置。
  7. 上下に長さを有する密閉容器内に作動液が封入され、その密閉容器内に、当該容器外から容器内を通って再び容器外へ至る加熱液の流通管が内蔵され、当該流通管の一部が、密閉容器の内側下部において上記作動液中に浸漬されているヒートパイプとともに、蓄熱体および通風手段を使用する空調装置であって、
    上記密閉容器の下部外面が蓄熱体に接触していて、
    上記密閉容器の上部外面に放熱用の伝熱フィンが取り付けられているとともに、上記密閉容器の外において上記流通管の一部外面に吸熱用の伝熱フィンが取り付けられ、
    それら双方の伝熱フィンが一体のものであり、通風手段が、当該一体の伝熱フィンに空気を送り得るものであることを特徴とする空調装置。
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