JP6635789B2 - 血液成分量の測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血液成分量の測定方法に関するものである。
臨床検査や糖尿病患者の血糖値自己測定等において、血液成分測定用センサが従来から使用されている。血液成分測定用センサは、例えば、その表面に作用極および対極が形成された絶縁基板の上に、スペーサーを介してカバーが配置されている構成である。前記作用極および対極の上には、酸化還元酵素およびメディエータ(電子伝達体)等を含む試薬が配置されており、この部分が分析部となる。この分析部には、血液を導入するための流路の一端が連通しており、前記流路の他端は外部に向かって開口しており、ここが血液供給口となる。このようなセンサを用いた血液成分の分析(例えば、血糖値)は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、まず、前記センサを専用の測定装置(メータ)にセットする。そして、指先等をランセットで傷つけて出血させ、これに前記センサの血液供給口を接触させる。血液は、毛細管現象によりセンサの流路に吸い込まれ、これを通って分析部に導入され、ここで、前記試薬と接触する。そして、血液中の成分と、酸化還元酵素とが反応して酸化還元反応が起こり、これによりメディエータを介して電流が流れる。この電流を検出し、この電流値に基づき、前記測定装置において血液成分量を算出し、これを表示する。
上記のようにして、センサを用いて血液成分量を測定することができるが、その測定値は、ヘマトクリット(Hct)の影響を受ける場合があるので、正しい測定値を得るためには、Hct値を測定し、この値に基づき血液成分量の値を補正する必要がある。例えば、2つの作用極と、1つの参照電極とによるHct値の測定により、血液成分量を補正するセンサがある(特許文献1参照)。この他に、メディエータを用いてHct値を測定する方法もある(特許文献2参照)。しかしながら、従来の技術では、測定されるHct値の精度および信頼性に問題があり、十分かつ正確な補正ができなかった。
特表2003−501627号公報 特許第3369183号公報
そこで、本発明は、Hct値の影響を低減することにより血液成分量を十分かつ正確に補正可能な血液成分量の測定方法の提供を目的とする。
本発明は、
第1の作用極と第1の対極とを有する第1の電極系と、
第2の作用極と第2の対極とを有する第2の電極系と、
前記第1の電極系の少なくとも一部を覆うが、前記第2の作用極は覆わない形態に配置された試薬部とを備えたバイオセンサを用いて、血液中の血液成分量を算出する血液成分量の測定方法であって、
前記第1の電極系に第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間において、前記第1の電極系に流れる第1の電流値を検出し、前記第1の電流値に基づき、前記血液中の見かけの血液成分量を算出する第1の工程と、
次いで、前記第1の電極系に第1の電圧を印加することを停止し、かつ前記第2の電極系に第3の電圧を印加し、第2の電流値を検出する第2の工程と、
前記見かけの血液成分量と、前記第2の電流値とを用いて、真の血液成分量を算出する工程を含む血液成分量の測定方法(本文中「第1の血液成分量の測定方法」と呼ぶことがある)である。
また、本発明は、
第1の作用極と第1の対極とを有する第1の電極系と、
第2の作用極と第2の対極とを有する第2の電極系と、
前記第1の電極系の少なくとも一部を覆う形態に配置された試薬部と、
を備えたバイオセンサを用いて、血液中の血液成分量を算出する血液成分量の測定方法であって、
前記第2の対極が、前記第1の電極系とは独立した場所に設けられ、前記試薬部が、前記第2の対極の少なくとも一部を覆う形態にも配置され、
前記第1の電極系に第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間において、前記第1の電極系に流れる第1の電流値を検出し、前記第1の電流値に基づき、前記血液中の見かけの血液成分量を算出する第1の工程と、
次いで、前記第1の電極系に第1の電圧を印加することを停止し、かつ前記第2の電極系に第3の電圧を印加し、第2の電流値を検出する第2の工程と、
前記見かけの血液成分量と、前記第2の電流値とを用いて、真の血液成分量を算出する工程を含む血液成分量の測定方法(本文中「第2の血液成分量の測定方法」と呼ぶことがある)である。
このように、本発明では、血液成分量の測定方法に特徴を有する。すわなち、血液成分の量を測定するにあたり、前記第1の電極系の少なくとも一部を覆うが、第2の電極系の作用極は覆わない形態に試薬部を配置し、かつ、第1の電極系と第2の電極系に同時に電圧を印加して見かけの血液成分量を得、その後、第2の電極系のみに電圧を印加して電流値を得、この電流値に基づき前記見かけの血液成分量を補正して、真の血液成分量を算出する(第1の血液成分量の測定方法)。または、血液成分の量を測定するにあたり、前記第2の対極が、前記第1の電極系とは独立した場所に設けられ、かつ、前記試薬部が、前記第2の対極の少なくとも一部を覆う形態にも配置されたバイオセンサを用いて、第1の電極系と第2の電極系に同時に電圧を印加して見かけの血液成分量を得、その後、第2の電極系のみに電圧を印加して電流値を得、この電流値に基づき前記見かけの血液成分量を補正して、真の血液成分量を算出する(第2の血液成分量の測定方法)。これらの測定方法においては、第1の電極系と第2の電極系に同時に電圧を印加することにより、第1の電極系に流れる電流値に対する、ヘマトクリットの影響が低減され、前記見かけの血液成分量の精度が向上する。このような見かけの血液成分量を補正して真の血液成分量を算出するため、その補正値は小さくなる。このため、本発明の測定方法では、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上する。なお、本文中、単に「血液成分量の測定方法」に言及する場合は、「第1の血液成分量の測定方法」と「第2の血液成分量の測定方法」の両方を指す。
図1は、本発明のセンサの一例を示す分解斜視図であある。 図2は、図1の前記センサの断面図である。 図3は、図1の前記センサの平面図である。 図4は、比較例1の印加時間と印加電流の関係を示すグラフである。 図5は、実施例2の印加時間と印加電流の関係を示すグラフである。 図6は、実施例3の印加時間と印加電流の関係を示すグラフである。 図7は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図7(a)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図7(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図8は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図8(a)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図8(b)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図9は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図9(a)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図9(b)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図10は、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図10(a)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図10(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図11は、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図11(a)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図11(b)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図12は、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図12(a)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図12(b)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図13は、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図13(a)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図13(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図14は、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図14(a)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図14(b)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図15は、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図15(a)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図15(b)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図16は、図7、図10および図13の内容のまとめである。図16(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図16(b)は、比較例1の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図16(c)は、比較例1の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図17は、図8、図11及び図14の内容のまとめである。図17(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図17(b)は、実施例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図17(c)は、実施例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図18は、図9、図12及び図15の内容のまとめである図18(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図18(b)は、実施例3の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図18(c)は、実施例3の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図19(a)および図19(b)は、別の本発明の印加時間と印加電流の関係を示すグラフである。 図20は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図20(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図20(b)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図20(c)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図21は、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図21(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図21(b)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図21(c)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図22は、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図22(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図22(b)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図22(c)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図23は、図20、図21及び図22の内容のまとめである。図23(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図23(b)は、実施例4の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図23(c)は、実施例4の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図24(a)、図24(b)および図24(c)は、別の本発明の印加時間と印加電流の関係を示すグラフである。 図25は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図25(a)は実施例5の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図25(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図25(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図26は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図26(a)は、実施例6の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図26(b)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図26(c)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図27は、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図27(a)は、実施例5の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図27(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図27(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図28は、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図28(a)は、実施例6の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図28(b)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図28(c)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図29は、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図29(a)は、実施例5の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図29(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図29(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図30は、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図30(a)は、実施例6の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図30(b)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図30(c)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図31は、血液成分(グルコース)の濃度が600mg/dlの血液試料についての結果を示す。図31(a)は、実施例5の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図31(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図31(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図32は、血液成分(グルコース)の濃度が600mg/dlの血液試料についての結果を示す。図32(a)は、比較例1の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図32(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図32(c)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図33は、図25、図27、図29及び図31の内容のまとめである。図33(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図33(b)は、実施例5の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図33(c)は、実施例5の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図34は、図26、図28および図30の内容のまとめである。図34(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図34(b)は、実施例6の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図34(c)は、実施例6の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図35は、本発明のセンサの別の一例を示す分解斜視図である。 図36は、図35の前記センサの断面図である。 図37は、図35の前記センサの平面図である。 図38は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図38(a)は、比較例2の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図38(b)は、比較例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図38(c)は、比較例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図39は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図39(a)は、実施例8の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図39(b)は、実施例8の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図39(c)は、実施例8の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図40は、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図40(a)は、実施例9の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図40(b)は、実施例9の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図40(c)は、実施例9の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。 図41は、図38の内容のまとめである。図41(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図41(b)は、比較例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図41(c)は、比較例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図42は、図39の内容のまとめである。図42(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図42(b)は、実施例8の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図42(c)は、実施例8の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図43は、図40の内容のまとめである。図43(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図43(b)は、実施例9の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図43(c)は、実施例9の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。 図44は、本発明の測定装置の一例を示す斜視図である。 図45は、本発明の一実施形態にかかるバイオセンサを装着した血液成分量測定装置の電気ブロック図である。
つぎに、本発明を詳しく説明する。
本発明は、第1の作用極と第1の対極とを有する第1の電極系と、
第2の作用極と第2の対極とを有する第2の電極系と、
前記第1の電極系の少なくとも一部を覆うが、前記第2の作用極は覆わない形態に配置された試薬部とを備えたバイオセンサを用いて、血液中の血液成分量を算出する血液成分量の測定方法であって、
前記第1の電極系に第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間において、前記第1の電極系に流れる第1の電流値を検出し、前記第1の電流値に基づき、前記血液中の見かけの血液成分量を算出する第1の工程と、
次いで、前記第1の電極系に第1の電圧を印加することを停止し、かつ前記第2の電極系に第3の電圧を印加し、第2の電流値を検出する第2の工程と、
前記見かけの血液成分量と、前記第2の電流値とを用いて、真の血液成分量を算出する工程を含む血液成分量の測定方法(第1の血液成分量の測定方法)である。
また、本発明は、
第1の作用極と第1の対極とを有する第1の電極系と、
第2の作用極と第2の対極とを有する第2の電極系と、
前記第1の電極系の少なくとも一部を覆う形態に配置された試薬部と、
を備えたバイオセンサを用いて、血液中の血液成分量を算出する血液成分量の測定方法であって、
前記第2の対極が、前記第1の電極系とは独立した場所に設けられ、前記試薬部が、前記第2の対極の少なくとも一部を覆う形態にも配置され、
前記第1の電極系に第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間において、前記第1の電極系に流れる第1の電流値を検出し、前記第1の電流値に基づき、前記血液中の見かけの血液成分量を算出する第1の工程と、
次いで、前記第1の電極系に第1の電圧を印加することを停止し、かつ前記第2の電極系に第3の電圧を印加し、第2の電流値を検出する第2の工程と、
前記見かけの血液成分量と、前記第2の電流値とを用いて、真の血液成分量を算出する工程を含む血液成分量の測定方法(第2の血液成分量の測定方法)である。
前記第2の血液成分量の測定方法において、前記バイオセンサが、第3の作用極と第3の対極とを有する第3の電極系をさらに備え、
前記第3の作用極は前記第2の作用極と共用され、前記第3の対極は前記第1の電極系および第2の電極系とは独立した場所に設けてもよい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第2の電圧と前記第3の電圧は、同一または異なっていてもよい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第1の電極系に第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間において、前記第1の電極系に流れる第1の電流値を検出してもよい。この第1の電流値は、前記第1の電流値は、前記第1の電極系に前記第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間の終点において検出されるのが好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記バイオセンサが、第3の作用極と第3の対極とを有する第3の電極系をさらに備え、
前記試薬部が、前記第3の対極の少なくとも一部を覆うが、前記第3の作用極は覆わない形態に配置され、
前記第2の工程において、前記第2の電極系に前記第3の電圧を印加する代わりに、前記第3の電極系に前記第3の電圧を印加するのが好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記試薬部が、メディエータを含むのが好ましい。また、前記試薬部が、酸化還元酵素をさらに含むのが、より好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第1の電極系と、前記第2の電極系の対極が、独立した電極であるのが好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第1の工程と前記第2の工程は、連続して行われても、間隔をあけて行われてもよい。前記間隔は、例えば0.01〜10秒、好ましくは0.1〜5秒、より好ましくは0.5〜2秒である。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第2の電圧は、例えば0.5〜5V、好ましくは1〜3V、より好ましくは1.5〜2.5Vである。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第3の電圧が、例えば0.1〜10V、好ましくは0.1〜6.5V、より好ましくは0.5〜2.5Vである。
また、前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第1の電圧および第1の電圧の印加時間がそれぞれ0.05〜1Vおよび0.05〜30秒であり、かつ、第2の電圧および第2の電圧の印加時間がそれぞれ0.5〜5Vおよび0.01〜5秒であるのが好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第1の工程の前に、前記第1の電極系のみに前記第1の電圧を印加する前工程を含むのが好ましい。前記前工程において前記第1の電極系に流れる第3の電流値を検出し、前記第3の電圧が、前記第3の電流値に基づき選択されるのが、より好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第3の電圧が、前記第1の電流値に基づき選択されるのが好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第1の作用極、前記第1の対極、前記第2の作用極および前記第2の対極が、金、白金またはパラジウムから形成されのが好ましい。
前記第1の血液成分量の測定方法および前記第2の血液成分量の測定方法において、前記第3の作用極および前記第3の対極が、金、白金またはパラジウムから形成されるのが好ましい。
本発明の血液成分量の測定方法において用いられるバイオセンサにおいて、不純物の付着防止および酸化防止等の目的で、前記試薬部を配置しない電極は、高分子材料により被覆されていることが好ましい。前記高分子材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリジン等のポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、スターチおよびその誘導体、無水マレイン酸重合体およびその塩、アガロースゲルおよびその誘導体、などがあげられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上で併用してもよい。この中で、好ましいのは、CMCである。高分子材料による電極の被覆は特に制限されず、例えば、高分子材料溶液を準備し、これを電極表面に塗布し、ついで乾燥させて前記塗膜中の溶媒を除去すればよい。前記高分子材料の割合は、試薬部を作製するための試薬液全体に対し、例えば、0.001〜10重量%であり、好ましくは、0.005〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜2重量%である。
本発明の血液成分量の測定方法において用いられるバイオセンサにおいて、前記第1の電極系および前記第2の電極系における前記作用極と対極の間の最近接距離が、0.05mm以上であるのが好ましい。このように0.05mm以上の電極間距離があれば、測定値の信頼性が向上する。より好ましい電極間距離は、0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。
本発明の血液成分量の測定方法において、第2の電流値に基づく補正は、予め作成したHct値と血液成分量との検量線および検量テーブルのいずれかに基づく補正であることが好ましい。
本発明の血液成分量の測定方法において、さらに、前記測定環境温度を測定し、これにより前記血液成分量を補正することが好ましい。酵素反応は、その環境温度に影響されるからである。この場合、前記温度による補正は、予め作成した検量線および検量テーブルのいずれかに基づく補正であることが好ましい。
本発明の血液成分量の測定方法において用いられるバイオセンサにおいて、測定対象の血液成分は、例えば、グルコース、乳酸、尿酸、ビリルビンおよびコレステロール等である。また、本発明の血液成分量の測定方法において用いられるバイオセンサにおいて、前記試薬部は、酸化還元酵素をさらに含むのが好ましい。前記酸化還元酵素は、測定対象の血液成分に応じ適宜選択される。前記酸化還元酵素としては、例えば、グルコースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼなどがある。前記酸化還元酵素の量は、例えば、センサ1個当り、若しくは1回の測定当り、例えば、0.01〜100Uであり、好ましくは、0.05〜10Uであり、より好ましくは、0.1〜5Uである。このなかでも、グルコースを測定対象にすることが好ましく、この場合の酸化還元酵素は、グルコースオキシダーゼおよびグルコースデヒドロゲナーゼが好ましい。
本発明の血液成分量の測定方法において用いられるバイオセンサにおいて、前記第1の電極系は、第1の作用極と第1の対極を有し、前記第2の電極系は、第2の作用極と第2の対極を有する。さらに、前記センサにおいて、前記第1の電極系の第1の作用極および第1の対極と、前記第2の電極系の第2の対極とが、独立した電極であるのが好ましい。なお、前記第1の電極系および第2の電極系において、前記第1の電極系の第1の作用極および前記第1の対極は、前記第2の電極系の第2の作用極を兼ねてもよい。
本発明の血液成分測定方法において用いられるバイオセンサは、さらに、絶縁基板を有し、この上に第1の電極系および第2の電極系と、前記各電極系に血液を導入するための流路とが形成され、前記流路の一端は、センサ外部に開口して血液供給口となっていることが好ましい。この場合、前記血液供給口は一つであり、前記流路は、その途中で分岐しており、分岐した各流路の端部は前記各分析部に連通している構成であってもよい。その他、前記流路の途中に第2の電極系が位置し、その後方に第1の電極系が位置している構成であってもよい。
本発明の血液成分測定方法において用いられるバイオセンサは、さらに、スペーサーおよびカバーを有し、前記絶縁基板の上に、前記スペーサーを介して前記カバーが配置されている構成が好ましい。
本発明の血液成分測定用センサにおいて、第1の電極系上に、さらに、高分子材料、酵素安定化剤および結晶均質化剤が配置されていることが好ましい。
本発明の血液成分量の測定方法において用いられるバイオセンサにおいて、前記試薬部は、メディエータを含むのが好ましく、メディエータおよび酸化還元酵素を含むのがより好ましく、メディエータおよび酵素安定化剤を含むのがより好ましく、メディエータ、酵素安定化剤および結晶均質化剤を含むのがさらに好ましい。
前記メディエータは、特に制限されず、例えば、フェリシアン化物、p−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン、フェロセン誘導体があげられる。この中で、フェリシアン化物が好ましく、より好ましくはフェリシアン化カリウムである。前記メディエータの配合量は、特に制限されず、1回の測定当り若しくはセンサ1個当り、例えば、0.1〜1000mMであり、好ましくは1〜500mMであり、より好ましくは、10〜200mMである。
前記酵素安定化剤としては、例えば、糖アルコールがあげられる。前記糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、マンニトール、ラクチトール、還元パラチノース、アラビニトール、グリセロール、リビトール、ガラクチトール、セドヘプチトール、ペルセイトール、ボレミトール、スチラシトール、ポリガリトール、イジトール、タリトール、アリトール、イシリトール、還元澱粉糖化物、イシリトールなどの鎖状の多価アルコールや環式糖アルコールがあげられる。また、これらの糖アルコールの立体異性体、置換体または誘導体であってもよい。これらの糖アルコールは、単独で使用してもよいし、2種類以上で併用してもよい。これらの中で、好ましいのは、マルチトールである。前記酵素安定化剤の配合量は、1回の測定当り若しくは1センサ当り、例えば、0.1〜500mMの範囲であり、好ましくは、0.5〜100mMの範囲であり、より好ましくは1〜50mMの範囲である。
前記結晶均質化剤は、試薬部の結晶状態を均質にするためのものであり、例えば、アミノ酸があげられる。前記アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、サルコシン、ベタイン、タウリン、これらの塩、置換体および誘導体があげられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上で併用してもよい。これらのなかで、グリシン、セリン、プロリン、トレオニン、リシン、タウリンが好ましく、より好ましくは、タウリンである。前記結晶均質化剤の配合量は、1回の測定当り若しくは1センサ当り、例えば、0.1〜1000mMであり、好ましくは、10〜500mMであり、より好ましくは20〜200mMである。
本発明の血液成分法において用いられるバイオセンサは、さらに、血液検知電極を有し、この血液検知電極は、前記血液供給口から前記各電極系の少なくとも一つよりも後方に位置し、この血液検知電極により、前記各電極系の少なくとも一つに確実に血液が導入されたことが検知可能であることが好ましい。より好ましくは、前記血液検知電極が、前記各電極系の最後方に位置することである。前記血液検知電極は、前記第1の電極系の第1の対極および前記第2の電極系の第2の対極の少なくとも一方としても、用いられてもよい。
つぎに、本発明の測定装置において、さらに、前記第2の電流値に基づき、前記見かけの血液成分量を補正する補正手段を有することが好ましい。また、本発明の測定装置において、前記第2の電極系に印加される第3の電圧が、水が電気分解する値以上の電圧であることが好ましく、好ましくは0.1〜10Vの範囲であり、より好ましくは0.1〜6.5Vの範囲であり、さらに好ましくは1.5〜2.5Vの範囲である。
図44の斜視図に、本発明の測定方法において用いられるバイオセンサを装着した状態の本発明の測定装置の一例を示す。図示のように、この測定装置2は、その一端にセンサの装着口5を有し、ここにセンサ1を装着して保持する。なお、符号12は、センサ1の検体供給口である。また、この測定装置2の略中央には表示部4を有し、ここに測定結果を表示する。
図45には、本発明の測定方法において用いられるバイオセンサを装着した状態の本発明の測定装置の電気ブロック図の一例を示す。本発明の測定装置において、本発明の一実施形態にかかる測定装置の入力端子部6には、電圧を印加する電圧印加部37と、電流−電圧変換部38が接続されている。電圧印加部37には、制御部39から電圧が印加され、この電圧は、入力端子部6を介して、バイオセンサ1の第1の電極系、第2の電極系および血液成分導入検知極のうち所望の電極へ一定時間印加される。この電圧印加によりバイオセンサ1において電極間に流れる電流は、電流−電圧変換部38にて電圧に変換され、その後、この電圧はA/D変換部30でデジタル変換され、このデジタル変換された電圧が判定手段31によって閾値と比較される。
また、制御部39に接続された表示部32には、前記バイオセンサ1で検出したグルコース値や、前記判定手段31による判定結果が表示されるようになっている。なお、図45の符号33は電源部で、前記各部に電源を供給するためのものである。符号34は、ヘマトクリット値とグルコース測定時の印加電圧、印加時間等からなるテーブルや環境温度から予め作成した検量線および検量テーブルを備えたメモリである。
また、前記制御部39には、時計35が接続され、制御部39は、この時計35の時刻および時間を活用して、各種制御動作を実行するように構成されている。さらに、制御部39内には、補正手段36が設けられ、測定した血糖値をヘマトクリット値によって補正することで、血糖値の測定精度を高めるものである。
次に、本発明の血液成分量の測定方法の実施例について、図面に基づき説明する。
[実施例1]
図1、図2および図3に、本発明の測定方法において用いる血液成分測定用センサの一例を示す。図1は、前記センサの分解斜視図であり、図2は断面図であり、図3は平面図であり、前記三図において、同一部分には同一符号を付している。このセンサは、一例として、血液成分としてグルコースを測定するためのセンサである。
図示のように、このセンサは、絶縁基板101の上に、6個の電極A、C、D、E、GおよびFが形成されている。これらの電極は、作用極と対極に切り換え可能である。電極A、C、D、E、FおよびGの表面は、CMC等の高分子材料で被覆されている。電極C、D、EおよびGの一部を覆うように試薬層11が配置されている。試薬層11は、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素、フェリシアン化カリウム等のメディエータを含み、任意成分として、酵素安定化剤、結晶均質化剤等を含む。前記絶縁基板101の上には、一方の端部(図において右側端部)を残してスペーサ102を介しカバー103が配置されている。このセンサには、各電極(A、C、D、E、GおよびF)に血液を導入するために、絶縁基板101、スペーサ102およびカバー103から成る流路14が形成されている。この流路14の先端は、センサの他方の端部(図において左側端部)まで延伸しており、外部に対し開口することで血液供給口12となっている。前記6個の電極(A、C、D、E、GおよびF)は各々リードと連結し、これらのリードは、前記一方の端部側(図において右側端部)に延びており、リードの先端はカバーに覆われずに露出している。前記カバー103において、流路14の右側端部に対応する部分には、空気孔13が形成されている。
本発明において、前記絶縁基板の材質は、特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオキシメチレン(POM)、モノマーキャストナイロン(MC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、メタクリル樹脂(PMMA)、ABS樹脂(ABS)、ガラス等が使用でき、このなかで、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)およびポリイミド(PI)が好ましく、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。絶縁基板の大きさは、特に制限されず、例えば、全長5〜100mm、幅2〜50mm、厚み0.05〜2mmであり、好ましくは、全長7〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.1〜1mmであり、より好ましくは、全長10〜30mm、幅3〜10mm、厚み0.1〜0.6mmである。前記絶縁基板の材質および大きさについては、後述の実施例2〜6においても同様である。
絶縁基板上の電極およびリードは、例えば、金、白金、パラジウム等を材料として、スパッタリング法あるいは蒸着法により導電層を形成し、これをレーザーにより特定の電極パターンに加工することで形成できる。レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー等が使用できる。これについても、後述の実施例2〜6において同様である。
前記試薬層11は、次のようにして形成する。例えば、グルコースデヒドロゲナーゼを0.1〜5U/センサ、フェリシアン化カリウムを10〜200mM、マルチトールを1〜50mM、タウリンを20〜200mM含む水溶液を円形のスリット部20(図示せず)に滴下し、乾燥させる。このスリット部20を設置することで、滴下された水溶液の拡がりを抑制することができ、試薬層11をより正確な位置に配置することができる。これにより、電極C、D、およびEが形成する電極部の一部を覆うように試薬層11が形成される。前記乾燥は、例えば、自然乾燥でも温風を用いた強制乾燥でもよいが、高温過ぎると酵素が失活するおそれがあるので、50℃前後の温風を用いることが好ましい。
本発明において、スペーサの材質は、特に制限されず、例えば、絶縁基板と同様の材料が使用できる。また、スペーサの大きさは、特に制限されず、例えば、全長5〜100mm、幅2〜50mm、厚み0.01〜1mmであり、好ましくは、全長7〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.05〜0.5mmであり、より好ましくは、全長10〜30mm、幅3〜10mm、厚み0.05〜0.25mmである。この例のスペーサには、血液導入のための流路となるI字形状の切欠部が形成されているが、その大きさは、例えば、全長0.5〜8mm、幅0.1〜5mm、好ましくは、全長1〜10mm、幅0.2〜3mm、より好ましくは、全長1〜5mm、幅0.5〜2mmである。この切欠部は、例えば、レーザーやドリル等で穿孔して形成してもよいし、スペーサの形成時に、切欠部が形成できるような金型を使用して形成してもよい。前記スペーサの材質および大きさ並びに切欠部については、後述の実施例2〜6においても同様である。
本発明において、カバーの材質は、特に制限されない。例えば、絶縁基板と同様の材料が使用できる。カバーの血液を導入するための流路の天井部に相当する部分は、親水処理されることがさらに好ましい。親水処理としては、例えば界面活性剤を塗布する方法、プラズマ処理などによりカバー表面に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基などの親水性官能基を導入する方法等がある。また、試薬層上にレシチン等の界面活性剤からなる層を形成してもよい。カバーの大きさは、特に制限されない。例えば、全長5〜100mm、幅3〜50mm、厚み0.01〜0.5mmであり、好ましくは、全長10〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.05〜0.25mmであり、より好ましくは、全長15〜30mm、幅5〜10mm、厚み0.05〜0.1mmである。カバーには空気孔が形成されていることが好ましく、形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等である。その大きさは、例えば、最大直径0.01〜10mm、好ましくは、最大直径0.05〜5mm、より好ましくは、最大直径0.1〜2mmである。この空気孔は、例えば、レーザーやドリル等で穿孔して形成してもよいし、カバーの形成時に、空気抜き部が形成できるような金型を使用して形成してもよい。前記カバーの材質および大きさ並びに空気孔については、後述の実施例2〜6においても同様である。
さらに、このセンサは、絶縁基板、スペーサおよびカバーをこの順序で積層し、一体化することで製造できる。前記3つの部材は、接着剤あるいは熱融着等で貼り合わせることにより一体化される。前記接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、また熱硬化性接着剤(ホットメルト接着剤等)、UV硬化性接着剤等が使用できる。これについても、後述の実施例2〜6において同様である。
このセンサを用いた血液成分量、例えば、血糖値の測定は、次のようにして実施される。まず、専用のランセットで指先等を穿刺し、出血させる。一方、前記センサを専用の測定装置(メータ)にセットする。出血した血液に、測定装置にセットしたセンサの血液供給口を接触させ、毛細管現象により血液をセンサ内部に導入する。このセンサによる分析は、次のステップにより行われる。
なお、この測定方法においては、電極Cを第1の電極系における作用極、電極Dおよび電極Eを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、ならびに電極Gを第2の電極系における対極として用いる。
(ステップ1:検体(血液)の検知)
電極Dと電極Eの両電極間に電圧を印加し、血液の導入に伴う電流値の変化により血液の導入を検知する。血液の導入を確認したら、以降のステップを開始する。ステップ1での印加電圧は、例えば、0.05〜1Vである。そして、血液中のグルコースとグルコース酸化還元酵素とを一定時間反応させる。
(ステップ2:見かけのグルコース量の測定)
血液中のグルコースとグルコース酸化還元酵素とを一定時間反応させた後、第1の電極系(作用極としての電極Cと、対極としての電極Dおよび電極Eを含む)の両電極に第1の電圧を印加し、かつ、第2の電極系(作用極としての電極Fと、対極としての電極Gとを含む)の両電極に第2の電圧を印加する(第1の工程)。前記のように前記バイオセンサの電極C(第1の電極系の作用極)、電極D(第1の電極系の対極)、および電極E(第1の電極系の対極)が形成する電極部の一部を覆うように試薬層11が形成されており、酵素反応により第1の電極系の電極Cの上に生じた還元状態のメディエータを酸化し、その酸化電流(第1の電流値)を検出する。この酸化電流(第1の電流値)に基づき、前記血液中の見かけのグルコース量(見かけの血液成分量)を算出する。なお、前記第1の電圧を印加する時間と前記第2の電圧を印加する時間は、同一である。前記グルコースと酸化還元酵素との反応時間は、例えば、0〜60秒、好ましくは0〜30秒、より好ましくは0〜10秒である。ステップ2(第1の工程)での第1の電圧は、例えば、0.05〜1.0V、好ましくは0.1〜0.8V、より好ましくは0.2〜0.6Vであり、第1の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜30秒、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.5〜5秒である。また、ステップ2(第1の工程)での第2の電圧は、例えば、0.5〜5V、好ましくは1〜3V、より好ましくは1.5〜2.5Vであり、第2の電圧の印加時間は、例えば、0.01〜5秒、好ましくは0.01〜2.5秒、より好ましくは0.1〜1秒である。
また、ステップ2(第1の工程)の第1の電圧と第2の電圧の組み合わせとしては、例えば、第1の電圧および第1の電圧の印加時間がそれぞれ0.05〜1Vおよび0.05〜30秒であり、かつ、第2の電圧および第2の電圧の印加時間がそれぞれ0.5〜5Vおよび0.01〜5秒であり、好ましくは、第1の電圧および第1の電圧の印加時間がそれぞれ0.01〜0.8Vおよび0.1〜10秒であり、かつ、第2の電圧および第2の電圧の印加時間がそれぞれ1〜3Vおよび0.01〜2.5秒であり、第1の電圧および第1の電圧の印加時間がそれぞれ0.2〜0.6Vおよび0.5〜5秒であり、かつ、第2の電圧および第2の電圧の印加時間がそれぞれ1.5〜2.5Vおよび0.1〜1秒である。
また、ステップ2(第1の工程)において、第1の電極系の両電極に第1の電圧を印加し、かつ、第2の電極系の両電極に第2の電圧を印加する前に、前記第1の電極系のみに前記第1の電圧を印加する前工程を含んでもよい。前記前工程における第1の電圧は、例えば、0.05〜1.0V、好ましくは0.1〜0.8V、より好ましくは0.2〜0.6Vであり、前記前工程における第1の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜30秒、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.5〜5秒である。
また、前記第2の電圧および印加時間は、前記ステップ2において得られた第1の電流値により選択してもよい。具体的には、第1の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第2の電圧は、1.5〜2.0V、第2の電圧の印加時間は、0.1〜1秒、第1の電流値が0.1〜1Vの場合、第2の電圧は、2.0〜2.5V、第2の電圧の印加時間は、0.1〜1秒などである。
また、前記第1の工程の前に、前記第1の電極系のみに前記第1の電圧を印加し、前記第1の電極系に流れる第3の電流値を検出し、前記第3の電流値に基づき、前記第2の電圧および第2の印加時間を選択してもよい。この際の第1の電圧は、例えば、0.05〜1.0V、好ましくは0.1〜0.8V、より好ましくは0.2〜0.6Vであり、第1の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜30秒、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.5〜5秒である。具体的には、第3の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第2の電圧は、1.5〜2.0V、第2の電圧の印加時間は、0.1〜1秒、第3の電流値が0.1〜1Vの場合、第2の電圧は、2.0〜2.5V、第3の電圧の印加時間は、0.1〜1秒などである。
(ステップ3:Hct値の測定)
第1の電極系に第1の電圧を印加することを停止し、かつ、第2の電極系(作用極としての電極Fと、対極としての電極Gとを含む)の両電極に第3の電圧を印加することにより、グルコースの電解酸化反応に基づくHct値に依存する電流(第2の電流値)が検出することができる(第2の工程)。なお、検出した電流(第2の電流値)からHct値への換算は、予め検量線または検量線テーブルを求めておくことにより行うことができる。この補正では、予め作成された電流とHct値との検量線から求めたHct値を使用してもよいし、検出された電流をそのまま使用してもよい。ステップ3(第2の工程)での第3の電圧は、例えば、0.1〜10V、好ましくは0.1〜6.5V、より好ましくは0.5〜2.5Vであり、第3の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜10秒、好ましくは0.1〜5秒、より好ましくは0.2〜1秒である。このステップ3において、作用極である電極Fにはメディエータが配置されず、かつ電極Gと電極Fとの間は一定の間隙があり、この間隙にはメディエータなど試薬が配置されておらず血液のみ存在するので、試薬の影響を受けることなくHct値に依存した酸化電流が検出できる。なお、電極Fの表面に高分子材料等による被覆をしない場合においても、測定は可能である。このステップ3(第2の工程)は、ステップ2(第1の工程)の直後に行われてもよいし、ステップ2(第1の工程)の後、間隔を開けて行われてもよい。前記間隔は、例えば、0〜10秒、好ましくは0.05〜5秒、より好ましくは0.1〜1秒である。また、このステップ3における第3の電圧は、ステップ2における第2の電圧と同一であっても、異なっていてもよい。
また、前記第3の電圧および印加時間は、前記ステップ2において得られた第1の電流値により選択してもよい。具体的には、第1の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第3の電圧は、2〜2.5V、第3の電圧の印加時間は、0.2〜1秒、第1の電流値が0.1〜1Vの場合、第3の電圧は、2.5〜3V、第3の電圧の印加時間は、0.2〜1秒などである。
また、前記第1の工程の前に、前記第1の電極系に前記第1の電圧を印加し、前記第1の電極系に流れる第3の電流値を検出し、前記第3の電流値に基づき、前記第3の電圧および第3の電圧の印加時間を選択してもよい。この際の第1の電圧は、例えば、0.05〜1.0V、好ましくは0.1〜0.8V、より好ましくは0.2〜0.6Vであり、第1の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜30秒、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.5〜5秒である。具体的には、第3の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第3の電圧は、2〜2.5V、第3の電圧の印加時間は、0.2〜1秒、第3の電流値が0.1〜1Vの場合、第3の電圧は、2.5〜3V、第3の電圧の印加時間は、0.1〜1秒などである。
(ステップ4:血液成分の補正)
ステップ3(第2の工程)で検出したHct値により、ステップ2(第1の工程)で得られたグルコース量を補正する。この補正は、予め作成した検量線(検量テーブルを含む)に基づき行うことが好ましい。補正されたグルコース量は、測定装置に表示若しくは記憶される。なお、上述のように一旦、Hct値を求めてからグルコース量を補正するのではなく、ステップ3(第2の工程)にて検出したHct値に依存した電流値(第2の電流値)をそのまま用いてグルコース量を補正してもよい。
[実施例2]
本実施例では、実施例1と同様にして図1〜3に示すセンサを作製し、電極Cを第1の電極系における作用極、電極Dおよび電極Eを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、ならびに電極Gを第2の電極系における対極として用いて、血液中の血液成分量を変化させた場合の応答電流および感度差を測定した。また、併せて、比較例1として、同じセンサを用い、電極Cを第1の電極系における作用極、電極Dおよび電極Eを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、ならびに電極Gを第2の電極系における対極として用いて、血液中の血液成分量を変化させた場合の応答電流および感度差を測定した。なお、検体(血液)および血液成分(グルコース)の測定、ならびに血液成分の補正は、実施例1と同様にして行った。なお、試薬層は、グルコースデヒドロゲナーゼ、フェリシアン化カリウム(量:60mM)、タウリン(80mM)を、CMC水溶液(0.1wt%)に溶解して調製した試薬液を、電極上に滴下した後、乾燥させて作製した。作用極および対極の間の距離は、0.1mm以上とした。また、Hct値を、25%、45%および65%に調整した、3種類の血液試料をそれぞれのグルコース濃度につき、準備した。これら3つの血液試料について、前記センサにより、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2500mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定し、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図5参照)。図5中、「Glu(C−DE)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−G)」が、第2の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
[比較例1]
比較例1としては、前記3つの血液試料について、前記センサにより、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定し、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図4参照)。図4中、「Glu(C−DE)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−G)」が、第2の電極系への印加を意味する。ただし、図4から理解できるように、第1の電極系へ電圧を印加した後、第2の電極系へ電圧を印加している。すなわち、本発明のステップ2におけるように、第1の電極系に第1の電圧を印加し、かつ、第2の電極系に第2の電圧を同時に印加しているのではない。
[実施例3]
本実施例では、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2000mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定し、血液試料の血液成分(グルコース)濃度が75mg/dlである以外は、実施例2と同様にして、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図6参照)。図6中、「Glu(C−DE)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−G)」が、第2の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
図7には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図7(a)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図7(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図7(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図8には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図8(a)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図8(b)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図8(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図9には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図9(a)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図9(b)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図9(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。図7〜図9において、「H25」の符号は、Hct値が25%の血液試料、「H45」の符号は、Hct値が45%の血液試料、および「H65」は、Hct値が65%の血液試料を用いた場合を示す。
図7(a)および図7(b)と比較して、図8(a)および図8(b)に示すように、本発明の測定方法によれば、図7(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図8(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。また、図7(a)および図7(b)と比較して、図9(a)および図9(b)に示すように、本発明の測定方法によれば、図7(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図9(b)における感度差(%)が低下していることから、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上した。
図10には、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図10(a)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図10(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図10(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図11には、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図11(a)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図11(b)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図11(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図12には、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図12(a)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図12(b)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図12(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。図10〜図12において、「H25」の符号は、Hct値が25%の血液試料、「H45」の符号は、Hct値が45%の血液試料、および「H65」は、Hct値が65%の血液試料を用いた場合を示す。
図10(a)および図10(b)と比較して、図11(a)および図11(b)に示すように、本発明の測定方法によれば、図10(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図11(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。また、図10(a)および図10(b)と比較して、図12(a)および図12(b)に示すように、本発明の測定方法によれば、図10(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図12(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図13には、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図13(a)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図13(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図7(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図14には、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図14(a)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図14(b)は、実施例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図14(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図15には、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図15(a)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図15(b)は、実施例3の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図15(b)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。図13〜図15において、「H25」の符号は、Hct値が25%の血液試料、「H45」の符号は、Hct値が45%の血液試料、および「H65」は、Hct値が65%の血液試料を用いた場合を示す。
図13(a)および図13(b)と比較して、図14(a)および図14(b)に示すように、本発明の測定方法によれば、図13(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図14(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。また、図13(a)および図13(b)と比較して、図15(a)および図15(b)に示すように、本発明の測定方法によれば、図13(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図15(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図7、図10及び図13の内容を、図16にまとめた。図16(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図16(b)は、比較例1の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図16(c)は、比較例1の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図8、図11及び図14の内容を、図17にまとめた。図17(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図17(b)は、実施例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図17(c)は、実施例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図9、図12及び図15の内容を、図18にまとめた。図18(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図18(b)は、実施例3の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図18(c)は、実施例3の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図16(a)〜(c)、図17(a)〜(c)および図18(a)〜(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図16(c)、図17(c)および図18(c)における比較例の感度差(%)と比較して、実施例の感度差(%)の絶対値が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
なお、図19(a)および図19(b)は、別の本発明の印加時間と印加電流の関係を示すグラフである。図19(a)においては、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が1000mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
図19(b)においては、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が1500mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
[実施例4]
本実施例では、電極Cを第1の電極系における作用極、電極Dおよび電極Eを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、電極Aを第2の電極系における対極、電極Fを第3の電極系における作用極、ならびに電極Gを第3の電極系における対極として用いて、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2000mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定した以外は、実施例2と同様にして、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図20(a)参照)。図20(a)中、「Glu(C−DE)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−A)」が、第2の電極系への印加、「Hct(F−G)」が、第3の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。なお、電極C、D、EおよびGの一部を覆うように試薬層11が配置されている。この例においては、前記第2の工程において、前記第2の電極系に前記第3の電圧を印加する代わりに、前記第3の電極系に第3の電圧を印加する。
図20には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図20(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図20(b)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図20(c)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図20(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図7(a)および図7(b)と比較して、図20(b)および図20(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図7(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図20(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図21には、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図21(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図21(b)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図21(c)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図21(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図10(a)および図10(b)と比較して、図21(b)および図21(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図10(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図21(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図22には、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図22(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図22(b)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図22(c)は、実施例4の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図22(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図13(a)および図13(b)と比較して、図22(b)および図22(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図13(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図22(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図20、図21及び図22の内容を、図23にまとめた。図23(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図23(b)は、実施例4の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図23(c)は、実施例4の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図23(a)〜(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図23(c)における比較例の感度差(%)と比較して、実施例4の感度差(%)の絶対値が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
なお、図24(a)、図24(b)および図24(c)は、別の本発明の印加時間と印加電流の関係を示すグラフである。図24(a)においては、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が1000mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる。この場合、4.5秒から5秒がステップ2、5秒から5.5秒がステップ3に該当する。図24中、「Glu(C−DE)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−G)」が、第2の電極系への印加、「Hct(F−A)」が、第3の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
図24(b)においては、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が1500mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
図24(c)においては、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2500mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
[実施例5]
本実施例では、電極Cを第1の電極系における作用極、電極D、電極Eおよび電極Gを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、電極D、電極E、電極Gを第2の電極系における対極として用いて、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が1000mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定した以外は、実施例2と同様にして、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図25(a)参照)。図25(a)中、「Glu(C−DEG)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−DEG)」が、第2の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。なお、電極C、D、EおよびGの一部を覆うように試薬層11が配置されている。
[実施例6]
本実施例では、電極Cを第1の電極系における作用極、電極D、電極Eおよび電極Gを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、電極D、電極E、電極Gを第2の電極系における対極として用いて、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2000mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定した以外は、実施例2と同様にして、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図26(a)参照)。図26(a)中、「Glu(C−DEG)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−DEG)」が、第2の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。なお、電極C、D、EおよびGの一部を覆うように試薬層11が配置されている。
図25には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図25(a)は印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図25(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図25(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図25(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図26には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図26(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図26(b)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図26(c)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図26(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図7(a)および図7(b)と比較して、図25(b)および図25(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図7(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図25(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。また、図7(a)および図7(b)と比較して、図26(b)および図26(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図7(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図26(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図27には、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図27(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図27(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図27(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図27(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図28には、血液成分(グルコース)の濃度が150mg/dlの血液試料についての結果を示す。図28(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図28(b)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図28(c)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図28(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図10(a)および図10(b)と比較して、図27(b)および図27(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図10(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図27(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。また、図10(a)および図10(b)と比較して、図28(b)および図28(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図10(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図28(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図29には、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図29(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図29(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図29(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図29(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図30には、血液成分(グルコース)の濃度が300mg/dlの血液試料についての結果を示す。図30(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図30(b)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図30(c)は、実施例6の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図30(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図13(a)および図13(b)と比較して、図29(b)および図29(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図13(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図29(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。また、図13(a)および図13(b)と比較して、図30(b)および図30(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図13(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図30(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図31には、血液成分(グルコース)の濃度が600mg/dlの血液試料についての結果を示す。図31(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図31(b)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図31(c)は、実施例5の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図31(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図32には、血液成分(グルコース)の濃度が600mg/dlの血液試料についての結果を示す。図32(a)は、比較例1の印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図32(b)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図32(c)は、比較例1の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図32(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図32(b)および図32(c)と比較して、図31(b)および図31(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図32(b)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図31(b)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図25〜図32において、「H25」の符号は、Hct値が25%の血液試料、「H45」の符号は、Hct値が45%の血液試料、および「H65」は、Hct値が65%の血液試料を用いた場合を示す。
図25、図27、図29及び図31の内容を、図33にまとめた。図33(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図33(b)は、実施例5の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図33(c)は、実施例5の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図33(a)〜(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図33(c)における比較例の感度差(%)と比較して、実施例5の感度差(%)の絶対値が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図26、図28および図30の内容を、図34にまとめた。図34(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図34(b)は、実施例6の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図34(c)は、実施例6の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図34(a)〜(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図34(c)における比較例の感度差(%)と比較して、実施例6の感度差(%)の絶対値が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
[実施例7]
図35、図36および図37に、本発明の測定方法において用いる血液成分測定用センサの一例を示す。図35は、前記センサの分解斜視図であり、図36は断面図であり、図37は平面図であり、前記三図において、同一部分には同一符号を付している。
図示のように、このセンサは、絶縁基板201の上に、7個の電極A、B、C、D、E、GおよびFが形成されている。これらの電極は、作用極と対極に切り換え可能である。電極A、B、C、D、E、FおよびGの表面は、CMC等の高分子材料で被覆されている。電極A、B、C、D、EおよびGの一部を覆うように試薬層21が配置されている。試薬層21は、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素、フェリシアン化カリウム等のメディエータを含み、任意成分として、酵素安定化剤、結晶均質化剤等を含む。前記絶縁基板201の上には、一方の端部(図において右側端部)を残してスペーサ202を介しカバー203が配置されている。このセンサには、各電極(A、B、C、D、E、FおよびG)に血液を導入するために、絶縁基板201、スペーサ202およびカバー203から成る流路24が形成されている。この流路24の先端は、センサの他方の端部(図において左側端部)まで延伸しており、外部に対し開口することで血液供給口22となっている。前記7個の電極(A、B、C、D、E、FおよびG)は各々リードと連結し、これらのリードは、前記一方の端部側(図において右側端部)に延びており、リードの先端はカバーに覆われずに露出している。前記カバー203において、流路24の右側端部に対応する部分には、空気孔23が形成されている。
本発明において、前記絶縁基板の材質は、特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオキシメチレン(POM)、モノマーキャストナイロン(MC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、メタクリル樹脂(PMMA)、ABS樹脂(ABS)、ガラス等が使用でき、このなかで、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)およびポリイミド(PI)が好ましく、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。絶縁基板の大きさは、特に制限されず、例えば、全長5〜100mm、幅2〜50mm、厚み0.05〜2mmであり、好ましくは、全長7〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.1〜1mmであり、より好ましくは、全長10〜30mm、幅3〜10mm、厚み0.1〜0.6mmである。前記絶縁基板の材質および大きさについては、後述の実施例8〜9においても同様である。
絶縁基板上の電極およびリードは、例えば、金、白金、パラジウム等を材料として、スパッタリング法あるいは蒸着法により導電層を形成し、これをレーザーにより特定の電極パターンに加工することで形成できる。レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー等が使用できる。これについても、後述の実施例8〜9において同様である。
前記試薬層21は、次のようにして形成する。例えば、グルコースデヒドロゲナーゼを0.1〜5U/センサ、フェリシアン化カリウムを10〜200mM、マルチトールを1〜50mM、タウリンを20〜200mM含む水溶液を円形のスリット部30(図示せず)に滴下し、乾燥させる。このスリット部30を設置することで、滴下された水溶液の拡がりを抑制することができ、試薬層21をより正確な位置に配置することができる。これにより、電極A、B、C、D、EおよびGの一部を覆うように試薬層21が形成される。前記乾燥は、例えば、自然乾燥でも温風を用いた強制乾燥でもよいが、高温過ぎると酵素が失活するおそれがあるので、50℃前後の温風を用いることが好ましい。
本発明において、スペーサの材質は、特に制限されず、例えば、絶縁基板と同様の材料が使用できる。また、スペーサの大きさは、特に制限されず、例えば、全長5〜100mm、幅2〜50mm、厚み0.01〜1mmであり、好ましくは、全長7〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.05〜0.5mmであり、より好ましくは、全長10〜30mm、幅3〜10mm、厚み0.05〜0.25mmである。この例のスペーサには、血液導入のための流路となるI字形状の切欠部が形成されているが、その大きさは、例えば、全長0.5〜8mm、幅0.1〜5mm、好ましくは、全長1〜10mm、幅0.2〜3mm、より好ましくは、全長1〜5mm、幅0.5〜2mmである。この切欠部は、例えば、レーザーやドリル等で穿孔して形成してもよいし、スペーサの形成時に、切欠部が形成できるような金型を使用して形成してもよい。前記スペーサの材質および大きさ並びに切欠部については、後述の実施例8〜9においても同様である。
本発明において、カバーの材質は、特に制限されない。例えば、絶縁基板と同様の材料が使用できる。カバーの血液を導入するための流路の天井部に相当する部分は、親水処理されることがさらに好ましい。親水処理としては、例えば界面活性剤を塗布する方法、プラズマ処理などによりカバー表面に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基などの親水性官能基を導入する方法等がある。また、試薬層上にレシチン等の界面活性剤からなる層を形成してもよい。カバーの大きさは、特に制限されない。例えば、全長5〜100mm、幅3〜50mm、厚み0.01〜0.5mmであり、好ましくは、全長10〜50mm、幅3〜20mm、厚み0.05〜0.25mmであり、より好ましくは、全長15〜30mm、幅5〜10mm、厚み0.05〜0.1mmである。カバーには空気孔が形成されていることが好ましく、形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等である。その大きさは、例えば、最大直径0.01〜10mm、好ましくは、最大直径0.05〜5mm、より好ましくは、最大直径0.1〜2mmである。この空気孔は、例えば、レーザーやドリル等で穿孔して形成してもよいし、カバーの形成時に、空気抜き部が形成できるような金型を使用して形成してもよい。前記カバーの材質および大きさ並びに空気孔については、後述の実施例8〜9においても同様である。
さらに、このセンサは、絶縁基板、スペーサおよびカバーをこの順序で積層し、一体化することで製造できる。前記3つの部材は、接着剤あるいは熱融着等で貼り合わせることにより一体化される。前記接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、また熱硬化性接着剤(ホットメルト接着剤等)、UV硬化性接着剤等が使用できる。これについても、後述の実施例8〜9において同様である。
このセンサを用いた血液成分量、例えば、血糖値の測定は、次のようにして実施される。まず、専用のランセットで指先等を穿刺し、出血させる。一方、前記センサを専用の測定装置(メータ)にセットする。出血した血液に、測定装置にセットしたセンサの血液供給口を接触させ、毛細管現象により血液をセンサ内部に導入する。このセンサによる分析は、次のステップにより行われる。
なお、この測定方法においては、電極Bを第1の電極系における作用極、電極Eおよび電極Gを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、ならびに電極A、電極Cおよび電極Dを第2の電極系における対極として用いる。
(ステップ1:検体(血液)の検知)
電極Dと電極Eの両電極間に電圧を印加し、血液の導入に伴う電流値の変化により血液の導入を検知する。血液の導入を確認したら、以降のステップを開始する。ステップ1での印加電圧は、例えば、0.05〜1Vである。そして血液中のグルコースとグルコース酸化還元酵素とを一定時間反応させる。
(ステップ2:見かけのグルコース量の測定)
血液中のグルコースとグルコース酸化還元酵素とを一定時間反応させた後、第1の電極系(作用極としての電極Bと、対極としての電極Eおよび電極Gを含む)の両電極に第1の電圧を印加し、かつ、第2の電極系(作用極としての電極Fと、対極としての電極A、電極C、電極Dとを含む)の両電極に第2の電圧を印加する(第1の工程)。前記のように前記バイオセンサの電極A(第2の電極系の対極)、電極B(第1の電極系の作用極)、電極C(第2の電極系の対極)、電極D(第2の電極系の対極)、電極E(第1の電極系の対極)および電極G(第1の電極系の対極)が形成する電極部の一部を覆うように試薬層21が形成されており、酵素反応により第1の電極系の電極Cの上に生じた還元状態のメディエータを酸化し、その酸化電流(第1の電流値)を検出する。この酸化電流(第1の電流値)に基づき、前記血液中の見かけのグルコース量(見かけの血液成分量)を算出する。なお、前記第1の電圧を印加する時間と前記第2の電圧を印加する時間は、同一である。前記グルコースと酸化還元酵素との反応時間は、例えば、0〜60秒、好ましくは0〜30秒、より好ましくは0〜10秒である。ステップ2(第1の工程)での第1の電圧は、例えば、0.05〜1.0V、好ましくは0.1〜0.8V、より好ましくは0.2〜0.6Vであり、印加時間は、例えば、0.05〜30秒、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.5〜5秒である。また、ステップ2(第1の工程)での第2の電圧は、例えば、0.5〜5V、好ましくは1〜3V、より好ましくは1.5〜2.5Vであり、印加時間は、例えば、0.01〜5秒、好ましくは0.01〜2.5秒、より好ましくは0.1〜1秒である。
また、ステップ2(第1の工程)の第1の電圧と第2の電圧の組み合わせとしては、例えば、第1の電圧および印加時間がそれぞれ0.05〜1Vおよび0.05〜30秒であり、かつ、第2の電圧および印加時間がそれぞれ0.5〜5Vおよび0.01〜5秒であり、好ましくは、第1の電圧および印加時間がそれぞれ0.01〜0.8Vおよび0.1〜10秒であり、かつ、第2の電圧および印加時間がそれぞれ1〜3Vおよび0.01〜2.5秒であり、第1の電圧および印加時間がそれぞれ0.2〜0.6Vおよび0.5〜5秒であり、かつ、第2の電圧および印加時間がそれぞれ1.5〜2.5Vおよび0.1〜1秒である。
また、ステップ2(第1の工程)において、第1の電極系の両電極に第1の電圧を印加し、かつ、第2の電極系の両電極に第2の電圧を印加する前に、前記第1の電極系のみに前記第1の電圧を印加する前工程を含んでもよい。前記前工程における第1の電圧は、例えば、0.05〜1.0V、好ましくは0.1〜0.8V、より好ましくは0.2〜0.6Vであり、前記前工程における第1の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜30秒、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.5〜5秒である。
また、前記第2の電圧および印加時間は、前記ステップ2(第1の工程)において得られた第1の電流値により選択してもよい。具体的には、第1の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第2の電圧は、1.5〜2.0V、第2の電圧の印加時間は、0.1〜1秒、第1の電流値が0.1〜1Vの場合、第2の電圧は、2.0〜2.5V、第2の電圧の印加時間は、0.1〜1秒などである。
また、前記第1の工程の前に、前記第1の電極系のみに前記第1の電圧を印加し、前記第1の電極系に流れる第3の電流値を検出し、前記第3の電流値に基づき、前記第2の電圧および印加時間は、前記ステップ2において得られた第1の電流値により選択してもよい。この際の第1の電圧は、例えば、0.05〜1.0V、好ましくは0.1〜0.8V、より好ましくは0.2〜0.6Vであり、第1の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜30秒、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.5〜5秒である。具体的には、第3の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第2の電圧は、1.5〜2V、第2の電圧の印加時間は、0.1〜1秒、第3の電流値が0.1〜1Vの場合、第2の電圧は、2.0〜2.5V、第3の電圧の印加時間は、0.1〜1秒などである。
(ステップ3:Hct値の測定)
第1の電極系に第1の電圧を印加することを停止し、かつ、第2の電極系(作用極としての電極Fと、対極としての電極A、電極Cおよび電極Dとを含む)の両電極に第3の電圧を印加することにより、グルコースの電解酸化反応に基づくHct値に依存する電流(第2の電流値)が検出することができる(第2の工程)。なお、検出した電流(第2の電流値)からHct値への換算は、予め検量線または検量線テーブルを求めておくことにより行うことができる。この補正では、予め作成された電流とHct値との検量線から求めたHct値を使用してもよいし、検出された電流をそのまま使用してもよい。ステップ3(第2の工程)での第3の電圧は、例えば、0.1〜10V、好ましくは0.1〜6.5V、より好ましくは0.5〜2.5Vであり、第3の電圧の印加時間は、例えば、0.05〜10秒、好ましくは0.1〜5秒、より好ましくは0.2〜1秒である。このステップにおいて、作用極である電極Fにはメディエータが配置されず、かつ電極Cおよび電極Dと電極Fとの間は一定の間隙があり、この間隙にはメディエータなど試薬が配置されておらず血液のみ存在するので、試薬の影響を受けることなくHct値に依存した酸化電流が検出できる。なお、電極Fの表面に高分子材料等による被覆をしない場合においても、測定は可能である。このステップ3(第2の工程)は、ステップ2(第1の工程)の直後に行われてもよいし、ステップ2(第1の工程)の後、間隔を開けて行われてもよい。前記間隔は、例えば、0〜10秒、好ましくは0.05〜5秒、より好ましくは0.1〜1秒である。また、このステップ3における第3の電圧は、ステップ2における第2の電圧と同一であっても、異なっていてもよい。
また、前記第3の電圧および印加時間は、前記ステップ2において得られた第1の電流値により選択してもよい。具体的には、第1の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第3の電圧は、2〜2.5V、第3の電圧の印加時間は、0.2〜1秒、第1の電流値が0.1〜1Vの場合、第3の電圧は、2.5〜3V第3の電圧の印加時間は、0.2〜1秒などである。
また、前記第1の工程の前に、前記第1の電極系に前記第1の電圧を印加し、前記第1の電極系に流れる第3の電流値を検出し、前記第3の電流値に基づき、前記第3の電圧および印加時間は、前記ステップ2において得られた第1の電流値により選択してもよい。具体的には、第1の電流値が0.01〜0.1Vの場合、第3の電圧は、2〜2.5V、第3の電圧の印加時間は、0.2〜1秒、第3の電流値が0.1〜1Vの場合、第3の電圧は、2.5〜2V、第3の電圧の印加時間は、0.1〜1秒などである。
(ステップ4:血液成分の補正)
ステップ3(第2の工程)で検出したHct値により、ステップ2(第1の工程)で得られたグルコース量を補正する。この補正は、予め作成した検量線(検量テーブルを含む)に基づき行うことが好ましい。補正されたグルコース量は、測定装置に表示若しくは記憶される。なお、上述のように一旦、Hct値を求めてからグルコース量を補正するのではなく、ステップ3(第2の工程)にて検出したHct値に依存した電流値(第2の電流値)をそのまま用いてグルコース量を補正してもよい。
[実施例8]
本実施例では、実施例7と同様にして図35〜37に示すセンサを作製し、電極Bを第1の電極系における作用極、電極Eおよび電極Gを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、ならびに電極A、電極Cおよび電極Dを第2の電極系における対極として用いて、血液中の血液成分量を変化させた場合の応答電流および感度差を測定した。また、併せて、比較例2として、同じセンサを用い、電極Bを第1の電極系における作用極、電極Eおよび電極Gを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、ならびに電極A、電極Cおよび電極Dを第2の電極系における対極として用いて、血液中の血液成分量を変化させた場合の応答電流および感度差を測定した。なお、検体(血液)および血液成分(グルコース)の測定、ならびに血液成分の補正は、実施例7と同様にして行った。なお、試薬層は、グルコースデヒドロゲナーゼ、フェリシアン化カリウム(量:60mM)、タウリン(80mM)を、CMC水溶液(0.1wt%)に溶解して調製した試薬液を、電極上に滴下した後、乾燥させて作製した。作用極および対極の間の距離は、0.1mm以上とした。また、Hct値を、25%、45%および65%に調整した、3種類の血液試料をそれぞれのグルコース濃度につき、準備した。これら3つの血液試料について、前記センサにより、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2500mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定し、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図39(a)参照)。図39(a)中、「Glu(B−EG)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−ACD)」が、第2の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。
[比較例2]
比較例2としては、前記3つの血液試料について、前記センサにより、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定し、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図38(a)参照)。図38中、「Glu(B−ACDEG)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−AF)」が、第2の電極系への印加を意味する。ただし、図38(a)から理解できるように、第1の電極系へ電圧を印加した後、第2の電極系へ電圧を印加している。すなわち、本発明のステップ2におけるように、第1の電極系に第1の電圧を印加し、かつ、第2の電極系に第2の電圧を同時に印加しているのではない。
[実施例9]
本実施例では、電極Bを第1の電極系における作用極、電極A、電極Cおよび電極Dを第1の電極系における対極、電極Fを第2の電極系における作用極、電極Aおよび電極Gを第2の電極系における対極、電極Fを第3の電極系における作用極、ならびに電極Eおよび電極Gを第3の電極系における対極として用いて、第1の電圧が400mVで印加時間3秒から5秒、第2の電圧が2500mVで印加時間4.5秒から5秒、第3の電圧が2500mVで印加時間5秒から5.5秒の条件で、前記各センサの前記両電極に流れる電流を測定した以外は、実施例8と同様にして、Hct値の測定における応答電流値および感度差の測定をおこなった(図40(a)参照)。図40(a)中、「Glu(B−ACD)」が、第1の電極系への印加、「Hct(F−AG)」が、第2の電極系への印加、「Hct(F−EG)」が、第3の電極系への印加を意味する。この場合、4.5秒から5秒がステップ2(第1の工程)、5秒から5.5秒がステップ3(第2の工程)に該当する。3秒から4.5秒は、前工程に対応する。なお、電極A、B、C、D、EおよびGの一部を覆うように試薬層21が配置されている。前記第2の工程において、前記第2の電極系に前記第3の電圧を印加する代わりに、前記第3の電極系に第3の電圧を印加する
図38には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図38(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図38(b)は、比較例2の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図38(c)は、比較例2の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図38(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図39には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図39(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図39(b)は、実施例8の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図39(c)は、実施例8の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図39(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。
図40には、血液成分(グルコース)の濃度が75mg/dlの血液試料についての結果を示す。図40(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図40(b)は、実施例9の印加電圧(mV)に対する応答電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図40(c)は、実施例9の印加電圧(mV)に対する感度差(%)の経時変化のグラフである。具体的には、図40(c)は、Hct値が45%の血液試料を基準とした第1の電流値と血液成分(グルコース)の濃度の対応関係から得られた検量線を、Hct値が25%および65%の血液試料に適用した場合の真値からの感度差(%)を示す。図39〜図40において、「H25」の符号は、Hct値が25%の血液試料、「H45」の符号は、Hct値が45%の血液試料、および「H65」は、Hct値が65%の血液試料を用いた場合を示す。
図38(b)および図38(c)と比較して、図39(b)および図39(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図38(c)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図39(c)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。また、図38(b)および図38(c)と比較して、図40(b)および図40(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図38(c)における感度差(%)と比較して、測定時間4.5秒以降における図40(c)における感度差(%)が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図38の内容を、図41にまとめた。図41(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図41(b)は、比較例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図41(c)は、比較例2の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図39の内容を、図42にまとめた。図42(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図42(b)は、実施例8の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図42(c)は、実施例8の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図42(a)〜(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図42(c)における比較例2の感度差(%)と比較して、実施例8の感度差(%)の絶対値が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
図40の内容を、図43にまとめた。図43(a)は、印加時間と印加電流の関係を示すグラフであり、図43(b)は、実施例9の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、応答値電流値(mV)の経時的変化を表すグラフであり、図43(c)は、実施例9の印加時間5秒における血液成分(グルコース)の濃度と、感度差(%)のグラフである。
図43(a)〜(c)に示すように、本発明の測定方法によれば、図43(c)における比較例2の感度差(%)と比較して、実施例8の感度差(%)の絶対値が小さいことから、様々なHct値の血液試料について、血液成分量の測定時におけるHctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上したことが確認できた。
以上のように、本発明の血液成分量の測定方法は、Hctの影響が低減され、測定される血液成分量の精度が向上する。従って、本発明の測定方法は、生物学、生化学および医学等の血液成分を測定する、あらゆる分野に好ましく使用でき、特に臨床検査の分野に好適である。
A 電極A
B 電極B
C 電極C
D 電極D
E 電極E
F 電極F
G 電極G
11、21 試薬層
12、22 血液供給口
13、23 空気孔
14、24 流路
101、201 絶縁基板
102、202 スペーサ
103、203 カバー
1 センサ
2 測定装置
4 表示部
5 装着口
6 入力端子部
12 検体供給口
30 A/D変換部
31 判定手段
32 表示部
33 電源部
34 メモリ
35 時計
36 補正手段
37 電圧印加部
38 電流−電圧変換部
39 制御部

Claims (12)

  1. 第1の作用極と第1の対極とを有する第1の電極系と、
    第2の作用極と第2の対極とを有する第2の電極系と、
    前記第1の電極系の少なくとも一部を覆うが、前記第2の作用極は覆わない形態に配置された試薬部とを備えたバイオセンサを用いて、血液中の血液成分量を算出する血液成分量の測定方法であって、
    前記第1の電極系に第1の電圧を印加する前工程と、
    前記前工程後、前記第1の電極系に前記第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間において、前記第1の電極系に流れる第1の電流値を検出し、前記第1の電流値に基づき、前記血液中の見かけの血液成分量を算出する第1の工程と、
    次いで、前記第1の電極系に第1の電圧を印加することを停止し、かつ前記第2の電極系に第3の電圧を印加し、ヘマトクリット値に依存する第2の電流値を検出する第2の工程と、
    前記見かけの血液成分量と、前記第2の電流値とを用いて、真の血液成分量を算出する工程を含む血液成分量の測定方法。
  2. 前記第2の電圧と前記第3の電圧は、等しいことを特徴とする請求項1に記載の血液成分量の測定方法。
  3. 前記第2の電圧と前記第3の電圧は、異なることを特徴とする請求項1に記載の血液成分量の測定方法。
  4. 前記第1の電流値は、前記第1の電極系に前記第1の電圧を印加し、かつ前記第1の電圧印加中に前記第2の電極系に第2の電圧を印加している期間の終点において検出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の血液成分量の測定方法。
  5. 前記バイオセンサが、第3の作用極と第3の対極とを有する第3の電極系をさらに備え、
    前記試薬部が、前記第3の対極の少なくとも一部を覆うが、前記第3の作用極は覆わない形態に配置され、
    前記第2の工程において、前記第2の電極系に前記第3の電圧を印加する代わりに、前記第3の電極系に前記第3の電圧を印加する請求項1〜4のいずれか一項に記載の血液成分量の測定方法。
  6. 前記第1の電極系と、前記第2の電極系の対極が、独立した電極である請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定方法。
  7. 前記第1の工程と前記第2の工程が、連続して行われる請求項1〜6のいずれか一項に記載の測定方法。
  8. 前記第1の工程と前記第2の工程が、間隔をあけて行われる請求項1〜6のいずれか一項に記載の測定方法。
  9. 前記間隔は、0.01〜10秒である請求項8に記載の測定方法。
  10. 前記第2の電圧が、0.5〜5Vである請求項1〜9のいずれか一項に記載の測定方法。
  11. 前記第3の電圧が、0.1〜10Vである請求項1〜10のいずれか一項に記載の測定方法。
  12. 前記第1の電圧および第1の電圧の印加時間がそれぞれ0.05〜1Vおよび0.05〜30秒であり、かつ、第2の電圧および第2の電圧の印加時間がそれぞれ0.5〜5Vおよび0.01〜5秒である請求項1〜11のいずれか一項に記載の測定方法。
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