JP6635375B2 - コンクリート構造物の塩害抑制装置及び塩害抑制方法 - Google Patents

コンクリート構造物の塩害抑制装置及び塩害抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、主に桟橋や橋梁等のコンクリート構造物に付着した塩化物イオン等の塩害因子を洗浄によって除去するコンクリート構造物の塩害抑制装置及び塩害抑制方法に関する。
港湾や海岸に設置されている桟橋には、水底に立設された鋼管等からなる複数の支柱と、支柱の頭部に連結される梁状の柱連結部に床版部を一体に支持させた鉄筋コンクリート造の上部工体とからなるものが広く知られている。
この桟橋の上部工体は、その下側部分、即ち、床版部の下面及び柱連結部が常に水面に晒されており、繰り返し押し寄せる波浪の飛沫によって塩化物イオン等の塩害因子が床版部の下面及び柱連結部に付着する。
この付着した塩害因子は、上部工を構成するコンクリート内に浸入し、鉄筋や支柱等の鋼製部材を腐食させ、上部工体を劣化させる被害、即ち、塩害の原因となっていた。
従来、このような塩害への対策としては、鉄筋コンクリート造の上部工体表面に皮膜体を塗布し、皮膜体によって塩害因子のコンクリート内部への浸入を阻止する構造のもの(例えば、特許文献1を参照)や、上部工の表面に向けて散水して洗浄することによって塩化物イオン等の塩害因子を除去するもの(例えば、特許文献2を参照)が知られている。
特開2007−239421号公報 特開平11 −107215号公報
しかしながら、上述の如きコンクリート表面に塗布した皮膜体によって塩害因子の浸入を阻止するものでは、当該皮膜体が常に波浪や飛沫に晒され、劣化し易い為、長期に亘る効果の持続が期待できないという問題があった。
一方、従来のコンクリート表面を洗浄し塩害因子を除去するものでは、桟橋の場合、上部工体下面と水面との隙間が狭く、作業船等によって桟橋下に立ち入って作業を行うことが困難であり、また、特許文献2に示すように、上部工体の下面側にノズルを常設した構造のものでは、各ノズルの洗浄可能な範囲が限られており、上部工下面側全体を均等に洗浄することが困難であり、均等に洗浄する為には、多数のノズルを設置しなければならず、設備費及び管理費が嵩むという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、コンクリート製の上部工体下面側に対し効率良く均等に水を散布でき、塩害因子を洗浄によって効率良く除去することができるコンクリート構造物の塩害抑制装置及び塩害抑制方法の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、支柱頭部に連結される柱連結部と、該柱連結部に一体に支持された床版部とを有してなる鉄筋コンクリート製の上部工体の前記床版部の下面及び前記柱連結部の表面に付着した塩害因子を洗浄により除去するようにしたコンクリート構造物の塩害抑制装置であって、噴射口を斜め上に向けた1又は複数のノズルを有し、前記床版部の下面側に上下移動可能に支持された散水ユニットと、該散水ユニットに水を供給する給水ユニットと、前記散水ユニットを上下移動させる駆動手段とを備えているコンクリート構造物の塩害抑制装置にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記駆動手段は、互いにスライド可能な状態で多重管配置に嵌合された複数の管体からなる伸縮管と、該伸縮管に作動流体を供給する伸縮管動作ユニットと、前記管体を互いに収縮方向に付勢する付勢手段とを備え、前記伸縮管は、前記各管体に圧力受け体を備え、前記圧力受け体に前記作動流体の圧力が作用することによって前記各管体が互いに伸長する方向に相対移動するようにしたことにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項2の構成に加え、前記伸縮管は、一端が前記ノズルに連通接続され、他端が前記給水ユニットに接続され、前記給水ユニットを前記伸縮管動作ユニットとしていることにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項2又は3の構成に加え、前記伸縮管動作ユニットには、前記作動流体の供給量を自動的に制御する制御手段を備えていることにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の何れか1の構成に加え、前記散水ユニットは、供給された水の圧力によって前記ノズルを保持させたノズルホルダ部を回転させる回転機構を備えていることにある。
請求項6に記載の発明の特徴は、柱頭部に連結される柱連結部と、該柱連結部に一体に支持された床版部とを有してなる鉄筋コンクリート製の上部工体の前記床版部の下面及び前記柱連結部の表面に付着した塩害因子を洗浄により除去するコンクリート構造物の塩害抑制方法において、噴射口を斜め上に向けた1又は複数のノズルを有する散水ユニットと、該散水ユニットに水を供給する給水ユニットとを使用し、前記床版部の下面側に上下移動可能に支持された前記散水ユニットを前記床版部の下側で上下動させつつ、前記床版部の下面及び前記柱連結部の側面に向けて前記ノズルより散水するコンクリート構造物の塩害抑制方法にある。
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項6の構成に加え、前記散水ユニットを回転させつつ前記ノズルより散水することにある。
本発明に係るコンクリート構造物の塩害抑制装置は、上述したように、支柱頭部に連結される柱連結部と、該柱連結部に一体に支持された床版部とを有してなる鉄筋コンクリート製の上部工体の前記床版部の下面及び前記柱連結部の表面に付着した塩害因子を洗浄により除去するようにしたコンクリート構造物の塩害抑制装置であって、噴射口を斜め上に向けた1又は複数のノズルを有し、前記床版部の下面側に上下移動可能に支持された散水ユニットと、該散水ユニットに水を供給する給水ユニットと、前記散水ユニットを上下移動させる駆動手段とを備えていることにより、散水ユニットの上下移動に伴い散水範囲が変化し、1の散水ユニットによって広範囲に散水することができ、柱連結部を含めた上部工下面側全体を効率良く均等に洗浄することができる。
また、本発明において、前記駆動手段は、互いにスライド可能な状態で多重管配置に嵌合された複数の管体からなる伸縮管と、該伸縮管に作動流体を供給する伸縮管動作ユニットと、前記管体を互いに収縮方向に付勢する付勢手段とを備え、前記伸縮管は、前記各管体に圧力受け体を備え、前記圧力受け体に前記作動流体の圧力が作用することによって前記各管体が互いに伸長する方向に相対移動するようにしたことにより、電気やその他の動力源を用いずに、好適に散水ユニットを上下移動させることができる。
さらにまた、本発明において、前記伸縮管は、一端が前記ノズルに連通接続され、他端が前記給水ユニットに接続され、前記給水ユニットを前記伸縮管動作ユニットとしてなることにより、伸縮管動作ユニットを別個に設ける必要がなく、装置全体の小型化を図ることができる。
また、本発明において、前記伸縮管動作ユニットには、前記作動流体の供給量を自動的に制御する制御手段を備えていることにより、自動で定期的に上部工下面側全体の洗浄を行うことができる。
さらに、本発明において、前記散水ユニットは、供給された水の圧力によって前記ノズルを保持させたノズルホルダ部を回転させる回転機構を備えていることにより、上部工下面側全体を効率よく均等に洗浄することができる。
また、本発明に係るコンクリート構造物の塩害抑制方法は、柱頭部に連結される柱連結部と、該柱連結部に一体に支持された床版部とを有してなる鉄筋コンクリート製の上部工体の前記床版部の下面及び前記柱連結部の表面に付着した塩害因子を洗浄により除去するコンクリート構造物の塩害抑制方法において、噴射口を斜め上に向けた1又は複数のノズルを有する散水ユニットと、該散水ユニットに水を供給する給水ユニットとを使用し、前記床版部の下面側に上下移動可能に支持された前記散水ユニットを前記床版部の下側で上下動させつつ、前記床版部の下面及び前記柱連結部の側面に向けて前記ノズルより散水することにより、支柱との連結部を含めた上部工下面側全体を効率良く均等に洗浄することができる。
また、本発明において、前記散水ユニットを回転させつつ前記ノズルより散水することにより、満遍なく散水することができる。
本発明に係るコンクリート構造物の塩害抑制装置を使用したコンクリート構造物の概要を示す断面図である。 図1中の散水ユニット部分を示す部分拡大断面図であって、(a)は低水圧供給時の状態、(b)は同高水圧供給時の状態を示す図である。 同上の散水ユニット部分を示す概略底面図である。 本発明にかかるコンクリート構造物の塩害抑制装置の効果を説明するためのグラフである。
次に、本発明に係るコンクリート構造物の塩害抑制装置及び塩害抑制方法の実施態様を図1〜図4に示した実施例に基づいて説明する。尚、本実施例は、港湾や海岸に設置された桟橋を例に説明し、図中符号1はコンクリート構造物である桟橋、符号2は水底、符号3は水面である。
桟橋1は、図1に示すように、水底2に立設され上端が水面3より突出した複数の支柱4,4と、支柱4,4に支持された鉄筋コンクリート造の上部工体5とを備えている。
また、上部工体5は、支柱4,4の頭部に連結された梁状の柱連結部6,6と、柱連結部6,6に一体に支持された床版部7とを備えている。
この桟橋1等のコンクリート構造物の塩害抑制装置は、床版部7の下面側に配置された散水ユニット11と、散水ユニット11に水を供給する給水ユニット12と、散水ユニット11を上下移動させる駆動手段とを備え、散水ユニット11が床版部7に対し上下動しつつ、ノズル10,10...より水を高圧で噴射し、床版部7の下面及び柱連結部6,6の表面に付着した塩化物イオン等の塩害因子を除去・希釈するようになっている。
また、この塩害抑制装置は、特に図示しないが、複数の散水ユニット11を散水範囲が重複する程度の間隔を置いて備え、床版部7の下面全体及び柱連結部6,6を万遍なく散水できるようになっている。
散水ユニット11は、図2に示すように、伸縮管13の下端に支持されるベース部14と、ベース部14に回転自在に支持されたノズルホルダ部15と、ノズルホルダ部15に保持されたノズル10,10...と、供給された水の圧力によってノズルホルダ部15を縦軸回りに回転させる回転機構とを備え、伸縮管13を介して床版部7下面側に上下移動可能に支持されている。
ノズル10,10...は、吐出口が網目状に形成され、供給された水がシャワー状に拡散した状態で噴射されるようになっている。
また、ノズル10,10...は、ノズルホルダ部15に対して噴射口角度を調節可能に保持され、水平面に対し5〜15度を成すように取り付けられている。
各ノズル10,10...は、例えば、図3に示すように、回転半径方向に対し斜めに向けて固定することで回転機構を構成し、ノズル10,10...の噴射水圧によって、ノズルホルダ部15がベース部14に対し回転するようになっている。
尚、回転機構の態様は、上述の実施例に限定されず、電動その他の動力により回転させるものであってもよいが、水圧によって回転するものが望ましい。また、散水ユニット11には、一般に市販されている汎用のスプリンクラー装置を適用してもよい。
給水ユニット12は、床版部7上に設置された貯水槽16と、一端が貯水槽16内に連通接続され、他端が伸縮管13を介して散水ユニット11に連通接続された給水管17と、給水管17の途中に介在されたポンプ18とを備え、ポンプ圧送によって給水管17及び伸縮管13を通して散水ユニット11の各ノズル10,10...に高圧で水を供給するようになっている。尚、図中符号19は流量計である。
貯水槽16は、図1に示すように、床版部7上に設置又は集水枡と連通接続させ、雨水を集水し、それを貯水する構造にしてもよく、貯水槽16に真水を定期的に供給するようにしてもよい。
ポンプ18は、給水の開始、停止及び供給量の増減を制御できるようになっており、塩害抑制装置は、このポンプ18の動作に連動して上部工体5への散水作業を行うようになっている。尚、このポンプ18は、水の供給量を自動的に制御する制御手段を備えるようにしてもよい。
駆動手段は、供給された作動流体の圧力により伸長する伸縮管13と、伸縮管13に作動流体を供給する伸縮管動作ユニットと、伸縮管13を収縮方向に付勢する付勢手段20,20とを備え、作動流体の供給量が増加すると伸縮管13内の圧力が上昇し、付勢手段20,20による付勢力に抗して伸縮管13が伸長し、供給量が減少すると伸縮管13内の圧力が下降し、付勢手段20,20による付勢力によって収縮し、伸縮管13の下端に支持された散水ユニット11を上下動させるようになっている。
伸縮管13は、互いにスライド可能な状態で多重管配置に嵌合された複数の管体13a〜13cを備え、内側に配置された各管体13b,13cには、上端開口縁部にフランジ状の圧力受け体21を備え、圧力受け体21に作動流体の圧力が作用することによって各管体13a〜13cが互いに伸長する方向に相対移動するようになっている。
また、各管体13a〜13c間には、Oリング等の止水材22が介在されている。
この伸縮管13は、最上段の管体13aが給水管17に連通接続され、最下段の管体13cが散水ユニット11に連通接続されており、給水ユニット12が伸縮管動作ユニットを兼用し、伸縮管13に作動流体として水を供給するとともに、伸縮管13を通して散水ユニット11の各ノズル10,10...に水が高圧で供給されるようになっている。
また、最上段の管体13aは、外周面に外向きに張り出したフランジ部23を備え、このフランジ部23が床版部7の厚み方向に貫通した収容孔24の上面開口縁部に固定されることによって、伸縮管13が床版部7に固定されるようになっている。
一方、伸縮管13を構成する最上段の管体13aと最下段の管体13cとは、スプリングコイル等の弾性体を介して連結されており、この弾性体が管体13a〜13cを互いに収縮方向に付勢する付勢手段20,20を成している。
次に、この装置を使用したコンクリート構造物の塩害抑制方法について説明する。
初めに、ポンプ18が停止した状態にあると、図2(a)に示すように、伸縮管13内に動作流体である水が供給されず、付勢手段20,20の付勢力によって伸縮管13が収縮した状態にあり、散水ユニット11も最上点に位置している。
この状態から、ポンプ18を稼働させ、継時的にポンプ圧力を変化させつつ散水作業を行う。
まず、散水ユニット11に給水ユニット12より水が供給されると、各ノズル10,10...が噴射口を斜め上向きに取り付けられているので、散水ユニット11が回転しつつ散水を開始し、散水ユニット11に近い範囲の床版部7下面に対しシャワー状に散水する。
そして、給水ユニット12からの供給量を徐々に増加させると、伸縮管13内の水圧も上昇し、それに伴い内側の各管体13b,13cの圧力受け体21に作動流体の水圧が作用し、付勢手段20,20の付勢力に抗して伸縮管13が徐々に伸長する。
また、伸縮管13が伸長し、散水ユニット11の位置が下降するとともに、給水量の増加に伴いノズル10,10...から噴射される水勢が増すことによって、床版部7下面に対し徐々に散布範囲を拡大しながら散水を行う。
そして、更に給水量を増加させ所定の給水量に到達すると、伸縮管13が伸長するとともに散水の水勢が増し、散水ユニット11のノズル10,10...から噴射された水が柱連結部6,6にまで達し、柱連結部6,6を洗浄しながら散水ユニット11が最下点にまで至る。
次に、その状態から給水量を徐々に減少させると、伸縮管13内の水圧が下降し、それに伴い各管体13a〜13cの圧力受け体21に作用する作動流体の水圧も低減されるので、伸縮管13が付勢手段20,20の付勢力によって徐々に収縮する。
それにより、柱連結部6,6を洗浄しながら散水ユニット11が上昇し、所定の位置まで到達すると、床版部7下面に対し徐々に散布範囲を縮小しながら散水を行う。
そして、給水ユニット12からの給水量を制御し、散水ユニット11を床版部7の下側で上下動させつつ、床版部7の下面及び柱連結部6,6の側面に向けてノズル10,10...より散水する作業を一定期間繰り返す。
また、この一連の散水作業を定期的に行い、上部工体5の下面側、即ち、床版部7の下面及び柱連結部6,6の側面部を定期的に洗浄し、塩化物イオン等の塩害因子を除去又は希釈する。
このように構成された塩害抑制装置及び方法では、散水ユニット11の上下移動に伴いノズル10,10...より噴射された水の散布範囲が変化し、1の散水ユニット11によって広範囲に散水することができるので、柱連結部6,6を含めた上部工体5の下面側全体を効率良く均等に洗浄することができ、侵入が困難な上部工体5の下面側、即ち、床版部7の下面及び柱連結部6,6に付着した塩化物イオン等の塩害因子を除去・希釈することができ、上部工体5の劣化を抑制することができる。
この一連の散水作業では、1日当たりの散水量を2リットル/mとする散水作業を二日に1回の頻度で2年間継続した場合、図4に示すように、散水を行わない場合と比べ、極めて高い塩化物イオン濃度低減効果が得られた。
尚、上述の実施例では、伸縮管13を用いた駆動手段について説明したが、駆動手段の態様は、これに限定されず、例えば、電動や油圧等により伸縮するユニットに散水ユニット11を支持させたものであってもよく、また、人力で上下移動させてもよい。
また、上述の実施例では、給水ユニット12に床版部7上に設置した貯水槽16を用いた例について説明したが、桟橋1に隣接した岸部等から敷設した給水用パイプを通して供給するようにしてもよい。
さらに、上述の実施例では、床版部7に収容孔24を設け、当該収容孔24内に伸縮管13を収容し、給水パイプを床版部7上面に敷設した例について説明したが、伸縮管13を床版部7下面に支持させてもよく、また、給水パイプ等の配管を床版部7内に埋設してもよい。
さらにまた、上述の実施例では、桟橋1を例に説明したが、コンクリート構造物は桟橋1に限定されず、例えば、橋梁や高架道路等にも適用することができる。
1 桟橋(コンクリート構造物)
2 水底
3 水面
4 支柱
5 上部工体
6 柱連結部
7 床版部
10 ノズル
11 散水ユニット
12 給水ユニット
13 伸縮管
14 ベース部
15 ノズルホルダ部
16 貯水槽
17 給水管
18 ポンプ
19 流量計
20 付勢手段
21 圧力受け体
22 止水材
23 フランジ部
24 収容孔

Claims (7)

  1. 支柱頭部に連結される柱連結部と、該柱連結部に一体に支持された床版部とを有してなる鉄筋コンクリート製の上部工体の前記床版部の下面及び前記柱連結部の表面に付着した塩害因子を洗浄により除去するようにしたコンクリート構造物の塩害抑制装置であって、
    噴射口を斜め上に向けた1又は複数のノズルを有し、前記床版部の下面側に上下移動可能に支持された散水ユニットと、該散水ユニットに水を供給する給水ユニットと、前記散水ユニットを上下移動させる駆動手段とを備えていることを特徴とするコンクリート構造物の塩害抑制装置。
  2. 前記駆動手段は、互いにスライド可能な状態で多重管配置に嵌合された複数の管体からなる伸縮管と、該伸縮管に作動流体を供給する伸縮管動作ユニットと、前記管体を互いに収縮方向に付勢する付勢手段とを備え、
    前記伸縮管は、前記各管体に圧力受け体を備え、前記圧力受け体に前記作動流体の圧力が作用することによって前記各管体が互いに伸長する方向に相対移動するようにした請求項1に記載のコンクリート構造物の塩害抑制装置。
  3. 前記伸縮管は、一端が前記ノズルに連通接続され、他端が前記給水ユニットに接続され、前記給水ユニットを前記伸縮管動作ユニットとしてなる請求項2に記載のコンクリート構造物の塩害抑制装置。
  4. 前記伸縮管動作ユニットには、前記作動流体の供給量を自動的に制御する制御手段を備えている請求項2又は3に記載のコンクリート構造物の塩害抑制装置。
  5. 前記散水ユニットは、供給された水の圧力によって前記ノズルを保持させたノズルホルダ部を回転させる回転機構を備えている請求項1〜4の何れか1に記載のコンクリート構造物の塩害抑制装置。
  6. 支柱頭部に連結される柱連結部と、該柱連結部に一体に支持された床版部とを有してなる鉄筋コンクリート製の上部工体の前記床版部の下面及び前記柱連結部の表面に付着した塩害因子を洗浄により除去するコンクリート構造物の塩害抑制方法において、
    噴射口を斜め上に向けた1又は複数のノズルを有する散水ユニットと、該散水ユニットに水を供給する給水ユニットとを使用し、
    前記床版部の下面側に上下移動可能に支持された前記散水ユニットを前記床版部の下側で上下動させつつ、前記床版部の下面及び前記柱連結部の側面に向けて前記ノズルより散水することを特徴としてなるコンクリート構造物の塩害抑制方法。
  7. 前記散水ユニットを回転させつつ前記ノズルより散水する請求項6に記載のコンクリート構造物の塩害抑制方法。
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