以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.光源装置の構成
1−2.一般的な光源装置との比較
1−2−1.装置構成の比較
1−2−2.集光スポットの調整方法の比較
2.第2の実施形態
3.第3の実施形態
4.第4の実施形態
5.第5の実施形態
6.第6の実施形態
7.適用例
7−1.第1の構成例
7−2.第2の構成例
7−3.第3の構成例
7−4.第4の構成例
7−5.適用例についてのまとめ
8.補足
(1.第1の実施形態)
(1−1.光源装置の構成)
図1を参照して、本開示の第1の実施形態に係る光源装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る光源装置の一構成例を示す図である。
図1を参照すると、第1の実施形態に係る光源装置10は、光源ユニット110と、導光ユニット120と、集光ユニット130と、蛍光体ホイール140と、分光ユニット150と、から主に構成される。なお、第1の実施形態に係る光源装置10は、光源ユニット110からの光が蛍光体ホイール140の蛍光体に照射されることにより、当該蛍光体から発せられる蛍光を少なくとも出力する光源装置である。
光源ユニット110は、所定の波長帯域の略平行光を射出する。光源ユニット110は、固体光源である少なくとも1つのLDと、当該LDからの射出光を略平行にする少なくとも1つのコリメータレンズと、から構成される。第1の実施形態では、光源ユニット110は、例えば、LD及びコリメータレンズの組み合わせが、所定の方向に複数並べられて構成される。図1では、複数のLDそれぞれからの光を、代表的に1本の実線で図示している。
第1の実施形態では、例えば、青色帯域(約400(nm)〜500(nm)の波長帯域)のレーザ光を発するLDが光源ユニット110として用いられる。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されない。後述するように、光源ユニット110からの光は、蛍光体ホイール140の蛍光体を発光させる励起光として用いられる。従って、光源ユニット110を構成するLDの性能は、得たい蛍光の特性に合わせて、すなわち用いられる蛍光体の特性に合わせて、適宜選択されてよい。
なお、以下の説明では、光源ユニット110が光を出射する方向をZ軸方向と定義する。また、Z軸方向と垂直な面内において互いに直交する2方向をX軸方向及びY軸方向と定義する。図1に示す例であれば、光源ユニット110を構成するLDは、Y軸方向に1列又は複数列並べられている。
導光ユニット120は、光源ユニット110からの光を蛍光体ホイール140に向かって導光する。導光ユニット120は、凹面ミラー121及び凸面ミラー122から構成される。図示するように、光源ユニット110からの光は、凹面ミラー121及び凸面ミラー122によってこの順に反射され、蛍光体ホイール140に向かって導光される。
凹面ミラー121は、略矩形形状を有する板状の部材であり、その反射面が光源ユニット110と対向するように配置される。凹面ミラー121は、その反射面が放物面を有するように形成され、光源ユニット110からの光を凸面ミラー122に向かって反射する。凹面ミラー121の反射面が放物面であることにより、光源ユニット110の複数のLDからの光が、より効率的に凸面ミラー122に集光され得る。凹面ミラー121を用いることにより、例えばレンズ群や平面ミラー等の他の光学部材を用いる場合に比べて、より小型の構成で、所定の位置(第1の実施形態では凸面ミラー122の反射面上)に光を集光する機能を実現することができる。
ただし、凹面ミラー121の形状はかかる例に限定されない。凹面ミラー121の形状や特性は、光源ユニット110を構成するLDの配置位置や、凹面ミラー121に入射する光束の大きさや入射角度、後述する蛍光体ホイール140上での集光スポット143の位置及びサイズ等を考慮して、適宜設定され得る。
例えば、凹面ミラー121の反射面は、球面又は他の自由曲面であってもよい。また、凹面ミラー121の形状も略矩形形状に限定されず、凹面ミラー121は、例えばお椀状に光源ユニット110を覆うように形成されてもよい。ただし、図示するように凹面ミラー121を略矩形形状に形成することにより、凹面ミラー121の構成がより小型化され、光源装置10全体もより小型化することが可能となる。
凸面ミラー122は、略半球形状を有し、凹面ミラー121による集光点に当たる位置にその反射面がZ軸方向の正方向を向くように配置される。凸面ミラー122は、その反射面が球面である球面ミラーである。凹面ミラー121によって反射され凸面ミラー122に入射した光源ユニット110からの光は、凸面ミラー122によって更に反射され、Z軸の正方向に配置される蛍光体ホイール140に向かって導光される。なお、図1では、簡単のため、導光ユニット120の凸面ミラー122で反射された以降の光を、代表的に1本の実線で図示している。
なお、凸面ミラー122の形状は上述した例に限定されない。凸面ミラー122の形状や特性は、凹面ミラー121との位置関係や、凸面ミラー122に入射する光束の大きさや入射角度、後述する蛍光体ホイール140上での集光スポット143の位置及びサイズ等を考慮して適宜設定され得る。例えば、凸面ミラー122の反射面は非球面であってもよい。また、例えば、凸面ミラー122は略半球形状でなくてもよい。
ただし、凹面ミラー121及び凸面ミラー122の少なくとも一方の反射面は、非球面形状であることが好ましい。凹面ミラー121及び凸面ミラー122の少なくとも一方の反射面を非球面形状にすることにより、蛍光体ホイール140に入射する光の収差を低減し、蛍光体ホイール140への集光効率を向上させることができる。その際、凹面ミラー121の反射面を非球面とし、凸面ミラー122の反射面を球面とすることがより好ましい。この場合には、凸面ミラー122として、一般的に市販されている球面ミラーを用いることができるため、製造コストを低減することができる。
ここで、第1の実施形態では、凹面ミラー121の光軸と凸面ミラー122の光軸(例えば凹面ミラー121の反射面を構成する放物面の中心軸と、凸面ミラーの反射面を構成する球面の中心軸)とが略一致するように、その配置位置が調整される。これにより、凸面ミラー122によって反射された光は、略平行光となって蛍光体ホイール140に向かって導光される。
また、光源装置10には、凸面ミラー122の3軸方向(X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向)の位置を調整するための調整機構が設けられ得る。当該調整機構は、凸面ミラー122を3軸方向にそれぞれ平行移動させる機能を有するように構成される。
当該調整機構により、例えば凹面ミラー121及び凸面ミラー122の組み付け時の誤差等により中心軸がずれている場合に、中心軸を略一致させるように両者の位置関係の調整が行われる。また、後述するように、光源装置10では、凸面ミラー122の3軸方向の位置を調整することにより、後述する蛍光体ホイール140上の集光スポット143の位置及びサイズを調整することが可能となる。つまり、当該調整機構により、集光スポット143の調整も行われ得る。
なお、当該調整機構の具体的な構成としては、一般的に部材を平行移動させる際に用いられ得る公知の各種の構成を用いることができる。例えば、当該調整機構は、モータ等の駆動装置からなるアクチュエータによって構成され、電動的に凸面ミラー122の位置を移動させてもよい。また、例えば、当該調整機構は、ギア等の伝達部材を組み合わせて構成され、人手により機械的に凸面ミラー122の位置を移動させてもよい。
蛍光体ホイール140は、円板形状の基板141、及び当該基板141上に設けられる蛍光体(図示せず)から構成される。蛍光体ホイール140は、基板141の当該蛍光体が設けられる面が導光ユニット120と対向するように(すなわちZ軸の負方向を向くように)配置される。基板141の中心には、蛍光体ホイール140を駆動するモータ142が接続されており、蛍光体ホイール140は、基板141の中心を通る法線を回転軸として回転することができる。
蛍光体ホイール140に設けられる蛍光体は、光源ユニット110からの光によって励起され、当該光の波長よりも長波長帯域の蛍光を発する発光体として機能する。第1の実施形態では、当該蛍光体は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体であり、光源ユニット110からの青色帯域の光によって励起され、緑色帯域から赤色帯域の光を発する。第1の実施形態に係る蛍光体ホイール140は反射型の蛍光体ホイールであり、蛍光体からの光は、光源ユニット110からの光の入射方向(すなわちZ軸の負方向)に向かって放射される。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、蛍光体ホイール140の蛍光体としては、光源装置10の用途等に応じて、所望の波長帯域の光が得られるように、各種の公知の蛍光体が用いられてよい。
導光ユニット120と蛍光体ホイール140との間には、導光ユニット120から導光されてきた略平行光を蛍光体ホイール140の蛍光体上に集光させる集光ユニット130が設けられる。集光ユニット130は、その光軸が、凹面ミラー121及び凸面ミラー122の光軸と略一致するように配置される。集光ユニット130によって、当該蛍光体上の集光スポット143に光が集光され、当該集光スポット143から蛍光が発せられる。なお、導光ユニット120及び集光ユニット130は、光源ユニット110からの光を集光スポット143に集光する光学系であるとも言える。従って、以下の説明では、導光ユニット120(凹面ミラー121及び凸面ミラー122)並びに集光ユニット130のことを、まとめて、集光光学系とも呼称することがある。
図示する例では、集光ユニット130は複数の凸レンズから構成されている。しかし、第1の実施形態はかかる例に限定されない。集光ユニット130の構成や、集光ユニット130を構成する光学部材の特性は、導光ユニット120と蛍光体ホイール140との位置関係や、励起光である光源ユニット110からの光の性質、蛍光体ホイール140の蛍光体から発せられる蛍光の性質等を考慮して適宜設計されてよい。
なお、光源ユニット110からの光が蛍光体上の一定の位置に照射され続けると、当該光の照射による熱等により、蛍光体の発光特性が劣化してしまう可能性がある。蛍光体ホイール140を回転させながら当該蛍光体ホイール140に光を照射することにより、集光スポット143の蛍光体ホイール140上での相対的な位置が常に変化することとなるため、このような蛍光体の性能劣化を避けることができる。
蛍光体ホイール140の蛍光体から発せられた蛍光は、集光スポット143から等方的に放射される。当該蛍光は、集光ユニット130によって集光され、励起光の入射方向(すなわちZ軸の負方向)に向かって導光され、略平行光となって導光ユニット120と集光ユニット130との間に設けられる分光ユニット150に入射する。図1では、説明のため、便宜的に、光源ユニット110からの光を実線の矢印で示しているのに対して、蛍光体ホイール140の蛍光体から発せられた蛍光を幅広の矢印で示している。
このように、光源装置10では、集光ユニット130は、導光ユニット120から導光される光を集光スポット143に集光する機能を有するとともに、蛍光体ホイール140の蛍光体から発せられた蛍光を集光する機能を有する。従って、集光ユニット130の光学設計は、集光ユニット130がこのような2つの機能を好適に実現するように行われる。
なお、集光ユニット130は、可能な限り蛍光体ホイール140に接近して配置されることが好ましい。集光ユニット130が蛍光体ホイール140に接近して配置されることにより、蛍光体ホイール140の蛍光体から発せられた蛍光をより効率的に集光することが可能となり、蛍光の利用効率を向上させることができる。
分光ユニット150は、導光ユニット120から蛍光体ホイール140に向かう光の光路上に設けられる。分光ユニット150は、例えば、光源ユニット110からの光に対応する波長帯域の光を透過させるとともに、蛍光体ホイール140の蛍光体から出射された蛍光に対応する波長帯域の光を反射させる性能を有するダイクロイックミラーによって構成される。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、分光ユニット150は、光源ユニット110からの光と蛍光体ホイール140からの蛍光とを分離する機能を有する任意の光学部材によって構成され得る。
図示するように、光源装置10は、導光ユニット120、分光ユニット150、集光ユニット130及び蛍光体ホイール140が、この順にZ軸方向に略一列に並べられて構成される。光源ユニット110からの光は、導光ユニット120によってZ軸の正方向に導光された後、分光ユニット150を透過し、集光ユニット130によって蛍光体ホイール140の蛍光体上の集光スポット143に集光される。蛍光体ホイール140の蛍光体から発せられた蛍光は、集光ユニット130によってZ軸の負方向に導光された後、分光ユニット150によって反射される。
図示する例では、分光ユニット150を構成するダイクロイックミラーは、蛍光体ホイール140からの蛍光の出射方向に対して(すなわちZ軸方向に対して)略45度の角度を有するように配置されており、当該蛍光は、当該ダイクロイックミラーによってY軸方向に向かって導光される。Y軸方向に向かって導光された蛍光は、出力レンズ151を介して光源装置10の出力光として外部に向かって取り出される。
以上、図1を参照して、第1の実施形態に係る光源装置の構成について説明した。なお、図1に示す構成例は、あくまで第1の実施形態に係る光源装置10の構成を概略的に示すものである。光源装置10は、図1に示す構成に対して、図示しない各種の光学部材を更に有してもよい。例えば、光源ユニット110からの光が蛍光体ホイール140に入射する前段に、拡散板が設けられてよい。当該拡散板が設けられることにより、光源ユニット110の複数のLDからのレーザ光が適度に拡散され、集光スポット143を所定の大きさを有する領域として形成することができる。光源装置10には、その他、一般的な光源装置に搭載され得る各種の光学部材が更に搭載され得る。
また、凹面ミラー121及び凸面ミラー122のような、光源装置10に搭載される各種の光学部材の光学設計は、光線追跡等のシミュレーションを用いて適宜行われてよい。例えば、得たい蛍光の特性や、蛍光体ホイール140の蛍光体の発光特性等に応じて、所望の集光スポット143の位置及びサイズが設定され得る。光源装置10を模して各種の光学部材が配置された計算モデルを作成し、当該計算モデルに対して、所望の集光スポット143の位置及びサイズが実現されるように各光学部材の形状や配置位置、光学特性等を変更しながらシミュレーションを繰り返し実行することにより、各光学部材の光学設計が行われてよい。
ここで、上記のように、光源装置10の各光学部材は、所望の集光スポット143の位置及びサイズを実現するように設計されるが、実際には、各光学部材の製造ばらつきや、組み立て時の位置ずれ等により、集光スポット143の位置及びサイズが設計値からずれてしまうことがある。集光スポット143の位置及びサイズが設計値から大きくずれてしまうと、集光ユニット130による蛍光の集光効率が低下したり、集光ユニット130を介して出射される蛍光の品質(例えば平行度や強度等)が低下したりする可能性がある。従って、光源装置10の組み立て時や、光源装置10をプロジェクタ等の装置に実装する際に、集光スポット143の位置及びサイズを調整する作業が行われることがある。
ここで、上述したように、光源装置10では、光源ユニット110からの光が、凹面ミラー121及び凸面ミラー122によってこの順に反射され、蛍光体ホイール140上の集光スポット143に向かって導光される。また、その際、凹面ミラー121及び凸面ミラー122は、その光軸(当該凹面ミラー121の反射面を構成する放物面の中心軸、及び凸面ミラーの反射面を構成する球面の中心軸)が略一致するように、配置され得る。更に、集光ユニット130の光軸も、凹面ミラー121及び凸面ミラー122の光軸と略一致するように設けられる。このように、光源ユニット110からの光を集光スポット143に集光する集光光学系の光軸が揃っているため、光源装置10では、凸面ミラー122のX軸方向及びY軸方向の位置を移動させることにより、集光スポット143のX軸方向及びY軸方向の位置をそれぞれ調整することが可能になる。また、凸面ミラー122のZ軸方向の位置を移動させることにより、集光スポット143のサイズを調整することが可能になる。
このように、光源装置10では、凸面ミラー122の3軸方向への平行移動により、集光スポット143のX軸方向の位置、Y軸方向の位置及びサイズをそれぞれ独立に調整することができるため、集光スポット143の調整をより容易に、より高精度に行うことができる。凸面ミラー122の3軸方向への平行移動は、例えば上述した調整機構によって実行され得る。第1の実施形態では、光源装置10の組み立て時、あるいは光源装置10のプロジェクタ等の装置への実装時等に、当該調整機構によって凸面ミラー122の3軸方向における位置の微調整が行われ、集光スポット143の位置及びサイズが調整される。
(1−2.一般的な光源装置との比較)
上述したように、第1の実施形態によれば、集光スポット143の調整をより容易に、より高精度に行うことが可能になる。ここで、第1の実施形態による当該効果をより明確なものとするために、第1の実施形態に係る光源装置10と一般的な既存の光源装置との比較を行う。なお、ここでは、一般的な既存の光源装置の一例として、上記特許文献1に記載の光源装置に基づく構成との比較を行う。
(1−2−1.装置構成の比較)
まず、一般的な光源装置の構成について説明するとともに、第1の実施形態に係る光源装置10の構成との比較を行う。
図2を参照して、一般的な光源装置の構成について説明する。図2は、一般的な光源装置の一構成例を示す図である。
図2を参照すると、一般的な光源装置90は、光源ユニット910と、導光ユニット920と、集光ユニット930と、蛍光体ホイール940と、分光ユニット950と、から主に構成される。ここで、上記特許文献1に記載の光源装置では、透過型の蛍光体ホイールが用いられている。図2に示す光源装置90は、記特許文献1に記載の光源装置に対して、透過型の蛍光体ホイールの代わりに反射型の蛍光体ホイール940を適用したものに対応している。
光源ユニット910は、所定の波長帯域の略平行光を射出する。光源ユニット910は、固体光源である少なくとも1つのLDと、当該LDからの射出光を略平行にする少なくとも1つのコリメータレンズと、から構成される。なお、光源ユニット910の構成及び機能は、第1の実施形態に係る光源ユニット110の構成及び機能と同様であり得るため、その詳細な説明を省略する。
導光ユニット920は、光源ユニット910からの光を蛍光体ホイール940に向かって導光する。導光ユニット920は、凹面ミラー921、平面ミラー922及びコリメート光学系923から構成される。光源ユニット910からの光は、凹面ミラー921及び平面ミラー922によってこの順に反射され、コリメート光学系923を通過することにより略平行光となって、蛍光体ホイール940に向かって導光される。
凹面ミラー921は、その反射面が光源ユニット910と対向するように配置される。凹面ミラー921は、光源ユニット910からの光を平面ミラー922に向かって反射する。
平面ミラー922は、その反射面が凹面ミラー921と対向するように配置される。凹面ミラー921によって反射され平面ミラー922に入射した光源ユニット910からの光は、Z軸の正方向に導光される。なお、図2では、図1と同様に、光源ユニット910の複数のLDそれぞれからの光を、代表的に1本の実線で図示している。また、平面ミラー922で反射された以降の光を、代表的に1本の実線で図示している。
ここで、平面ミラー922による反射光は略平行光ではなく、Z軸の正方向における所定の点で集光する。光源装置90では、その集光位置にコリメート光学系923が設けられる。コリメート光学系923は、光を略平行光にするためのレンズ群等によって構成され、平面ミラー922による反射光を略平行光として蛍光体ホイール940に向かって導光する。
蛍光体ホイール940は、円板形状の基板941、当該基板941上に設けられる蛍光体(図示せず)、及び当該基板941の中心に設けられ蛍光体ホイール940を駆動するモータ942から構成される。蛍光体ホイール940並びに蛍光体ホイール940を構成する基板941、蛍光体及びモータ942等の構成及び機能は、第1の実施形態に係る蛍光体ホイール140、基板141、蛍光体及びモータ142等の構成及び機能と同様であり得るため、その詳細な説明を省略する。また、集光ユニット930の構成及び機能も、第1の実施形態に係る集光ユニット130の構成及び機能と同様であり得るため、その詳細な説明を省略する。
光源装置90では、コリメート光学系923によって略平行光とされた光が、集光ユニット930によって集光され、蛍光体ホイール940の蛍光体上の集光スポット943に集光される。当該集光スポット943から放射された蛍光は、集光ユニット930によって光源ユニット910からの光の入射方向(すなわちZ軸の負方向)に向かって導光され、略平行光となって導光ユニット920と集光ユニット930との間に設けられる分光ユニット950に入射する。
分光ユニット950は、例えばダイクロイックミラーによって構成される。蛍光体ホイール940の蛍光体から出射された蛍光は、当該ダイクロイックミラーによって反射され、出力レンズ951を介して光源装置90の出力光として外部に向かって取り出される。なお、分光ユニット950の構成及び機能は、第1の実施形態に係る分光ユニット150の構成及び機能と同様であり得るため、その詳細な説明を省略する。
以上、図2を参照して、一般的な光源装置の構成について説明した。ここで、上記特許文献1に記載の光源装置では、平面ミラー922による反射光の集光位置(すなわち図中のコリメート光学系923の配置位置に対応する位置)に透過型の蛍光体ホイールが配置されており、当該蛍光体ホイールの蛍光体上に平面ミラー922による反射光が集光するように構成されている。透過型の蛍光体ホイールでは、励起光の入射方向とは逆側の面から蛍光が発せられるため、図2に示す構成に対して上記のように透過型の蛍光体ホイールが配置された場合には、Z軸の正方向に蛍光が発せられることになる。
しかしながら、反射型の蛍光体ホイール940を上記特許文献1に記載の光源装置に適用することを考えると、平面ミラー922からの反射光の集光位置に当該反射型の蛍光体ホイール940をそのまま配置することは困難である。何故ならば、上述したように、蛍光体ホイール940の蛍光体から発せられた光は等方的に放射されるため、蛍光体ホイール940の蛍光が発せられる面側には、当該蛍光を集光するための集光ユニットを配置する必要があるからである。つまり、図2に示す平面ミラー922による反射光の集光位置に反射型の蛍光体ホイール940を配置する場合には、平面ミラー922と蛍光体ホイール940との間に、蛍光を集光するためのレンズ等を配置する必要が生じる。しかしながら、当該レンズが設けられた場合には、平面ミラー922による反射光が蛍光体ホイール940の蛍光体上に集光されないこととなる。
このように、反射型の蛍光体ホイール940を用いる場合には、当該蛍光体ホイール940の前段(励起光の入射側であり、かつ蛍光の出射側)に設けられる集光ユニットが、励起光の蛍光体ホイールの蛍光体への集光と、当該蛍光体から放射される蛍光の集光と、の双方の機能を有するように、当該集光ユニット及びその他の光学部材が構成されなければならない。そのため、上記特許文献1に記載の光源装置に対して反射型の蛍光体ホイール940が適用される場合には、図示するように、平面ミラー922による反射光の集光位置にコリメート光学系923が設けられ、それよりも後段に集光ユニット930及び蛍光体ホイール940が設けられるのである。
一方、図1に示すように、第1の実施形態に係る光源装置10では、図2に示す光源装置90において平面ミラー922が設けられる位置に、当該平面ミラー922に代えて凸面ミラー122が設けられる。更に、凹面ミラー121及び凸面ミラー122の光軸が略一致するように当該凹面ミラー121及び当該凸面ミラー122が配置されるため、凸面ミラー122による反射光は略平行光として蛍光体ホイール140に向かって導光される。従って、図9に示すコリメート光学系923に対応する光学部材を設ける必要がない。光学部材の数が多ければ、それだけ光学部材を通過する際に生じる光のロスの総量が増加する。また、光源装置が大型化し、製造コストも増加することが懸念される。第1の実施形態に係る光源装置10では、一般的な光源装置90に比べて光学部品の数を低減することができるため、より高効率で、小型、低コストな光源装置が実現される。
(1−2−2.集光スポットの調整方法の比較)
ここで、第1の実施形態に係る光源装置10における集光スポット143の調整方法と、以上説明した一般的な光源装置90における集光スポット943の調整方法とを比較する。
一般的な光源装置90では、その構成上、平面ミラー922の反射面とZ軸とがなす角の角度(平面ミラー922のZ軸方向に対する角度)を変更することにより、集光スポット943の位置及びサイズを調整することができる。ここで、図3を参照して、平面ミラー922の角度を変更する場合に生じる問題点について考える。図3は、一般的な光源装置90における平面ミラー922の角度の変更について説明するための説明図である。
平面ミラー922のZ軸方向に対する角度を変更する具体的な機構を考えると、その回転軸の位置をどこに設定するかが重要になる。平面ミラー922をZ軸方向に対して回転させる際には、その回転に伴い、平面ミラー922のZ軸方向の位置も変化してしまうからである。
理想的には、平面ミラー922の回転軸は、図3(a)に示すように、長手方向の略中心に設けられることが望ましい。この場合、当該回転軸を中心に平面ミラー922が回転した際の平面ミラー922のZ軸方向の位置の変化を最小限に抑えられるからである。
しかしながら、図3(a)に示す位置に回転軸が設けられるような機構は、その構成が複雑になってしまい現実的ではない。実際の回転軸は、図3(b)に示すように、長手方向の端部に設けられることが多いと考えられる。しかしながら、長手方向の端部に回転軸が設けられる場合には、平面ミラー922の回転に伴い、平面ミラー922のZ軸方向の位置も大きく変化してしまうこととなる。
本発明者らは、図2に示す光源装置90と同様の構成を有する実験用の装置を作成し、平面ミラー922のZ軸方向に対する角度を変化させた際の集光スポット943の変化について調べた。その結果を図4に示す。図4は、一般的な光源装置90において、平面ミラー922のZ軸方向に対する角度を変化させた際の集光スポット943の変化を示す図である。
図4(a)−図4(c)では、平面ミラー922のZ軸方向に対する角度を変化させた際の、集光スポット943が存在するX−Y平面内の所定の領域における光の強度分布を図示している。図中で白色の領域ほど光の強度が大きい領域を表している。すなわち、白色の領域が集光スポット943を表していると言える。
図4(a)は、平面ミラー922が設計位置に配置されている場合における、光の強度分布を示している。図4(a)では、図示している領域内の略中央に、略円形の集光スポット943が存在している。
一方、図4(b)は、平面ミラー922をZ軸方向に対して0.5度回転させた場合における、光の強度分布を示している。ただし、図4(b)では、図3(a)に示す状況に対応するように、平面ミラー922の角度のみを変化させ、Z軸方向の位置は変化させないようにしている。図4(b)を参照すると、平面ミラー922の角度の変化に応じて、図4(a)に示す場合に比べて集光スポット943の位置がY軸方向に平行に移動していることが分かる。また、集光スポット943のサイズはほぼ変化していない。このように、理想的に、平面ミラー922のZ軸方向の位置を変化させずにその角度のみを変更した場合には、集光スポット943の位置だけを調整することが可能となる。
しかしながら、図3(b)を参照して上述したように、実際には、平面ミラー922の回転軸は、長手方向の端部に設けられることが多い。従って、平面ミラー922を回転させると、連動して、そのZ軸方向の位置も大きく変化し得る。
図4(c)は、図3(b)に示す状況に対応するように、平面ミラー922をZ軸方向に対して0.5度回転させることによりZ軸方向の位置の変化も同時に生じている場合における、光の強度分布を示している。図4(c)を参照すると、平面ミラー922の角度及び位置の変化に応じて、図4(a)に示す場合に比べて、集光スポット943の位置が移動しているとともに、そのサイズも変化していることが分かる。
図4(c)に示す結果は、一般的な光源装置90においては、集光スポット943の位置のみを調整するために平面ミラー922のZ軸方向に対する角度を変更した場合に、当該集光スポット943のサイズまで変化してしまうことを示している。このように、一般的な光源装置90においては、集光スポット943の位置及びサイズをそれぞれ独立に調整することが困難であり、集光スポット943の調整を容易に行えるとは言い難い。
一方、上記(1−1.光源装置の構成)で説明したように、第1の実施形態に係る光源装置10では、凸面ミラー122のX軸方向及びY軸方向の位置を移動させることにより、集光スポット143のX軸方向及びY軸方向の位置をそれぞれ調整することができる。また、凸面ミラー122のZ軸方向の位置を移動させることにより、集光スポット143のサイズを調整することができる。
本発明者らは、図1に示す光源装置10と同様の構成を有する実験用の装置を作成し、凸面ミラー122をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させた際の集光スポット143の変化について調べた。その結果を図5及び図6に示す。図5は、第1の実施形態に係る光源装置10において、凸面ミラー122をX軸方向及びY軸方向に移動させた際の集光スポット143の変化を示す図である。図6は、第1の実施形態に係る光源装置10において、凸面ミラー122をZ軸方向に移動させた際の集光スポット143の変化を示す図である。
図5(a)−図5(c)では、凸面ミラー122のX軸方向及びY軸方向における位置を変化させた際の、集光スポット143が存在するX−Y平面内の所定の領域における光の強度分布を図示している。図6(a)〜図6(d)では、凸面ミラー122のZ軸方向における位置を変化させた際の、集光スポット143が存在するX−Y平面内の所定の領域における光の強度分布を図示している。図5及び図6においても、図4と同様に、図中で白色の領域ほど光の強度が大きい領域を表している。すなわち、白色の領域が集光スポット143を表していると言える。
図5(a)は、凸面ミラー122が設計位置に配置されている場合における光の強度分布を示している。図5(a)では、図示している領域内の略中央に、略円形の集光スポット143が存在している。
図5(b)は、凸面ミラー122のX軸方向の位置を−0.4(mm)変化させた場合における光の強度分布を示している。図5(b)を参照すると、凸面ミラー122のX軸方向への移動に応じて、図5(a)に示す場合に比べて集光スポット143の位置がX軸方向に移動していることが分かる。また、この際、集光スポット143のサイズはほぼ変化していない。
図5(c)は、凸面ミラー122のY軸方向の位置を−0.4(mm)変化させた場合における光の強度分布を示している。図5(c)を参照すると、凸面ミラー122のY軸方向への移動に応じて、図5(a)に示す場合に比べて集光スポット143の位置がY軸方向に移動していることが分かる。また、図5(b)に示す場合と同様に、この際、集光スポット143のサイズはほぼ変化していない。
図5に示す結果から、第1の実施形態に係る光源装置10においては、凸面ミラー122のX−Y平面内での位置を変更することにより、集光スポット143のX−Y平面内での位置を、軸方向ごとにそれぞれ独立に調整することができることが分かる。
また、図6(a)は、図5(a)と同様に、凸面ミラー122が設計位置に配置されている場合における強度分布を示している。図6(a)では、図示している領域内の略中央に、略円形の集光スポット143が存在している。
図6(b)−図6(d)は、凸面ミラー122のZ軸方向の配置位置を、ぞれぞれ、0.1(mm)、0.2(mm)、0.3(mm)変化させた場合における光の強度分布を示している。図6(b)〜図6(d)を参照すると、凸面ミラー122のZ軸方向への移動に応じて、図6(a)に示す場合に比べて集光スポット143のサイズが徐々に大きくなっていることが分かる。また、この際、集光スポット143の位置はほぼ変化していない。なお、集光スポット143のサイズが、図中の上下方向において左右方向よりも大きく変化しているのは、実験用装置では、図1に示すように、光源ユニット110を構成するLDをY軸方向に配列したからである。LDの構成を工夫することにより、集光スポット143のサイズを等方的に変化させることも可能である。
図6に示す結果から、第1の実施形態に係る光源装置10においては、凸面ミラー122のZ軸方向の位置を変更することにより、集光スポット143のサイズを調整することができることが分かる。
図5及び図6に示すように、光源装置10では、凸面ミラー122の3軸方向への平行移動により、集光スポット143のX軸方向の位置、Y軸方向の位置及びサイズをそれぞれ独立に調整することができる。よって、集光スポット943の位置及びサイズが互いに連動して変化してしまう一般的な光源装置90に比べて、集光スポット143の位置及びサイズの調整をより容易に、より高精度に行うことができる。
ここで、一般的に、部材を回転させる機構よりも部材を平行移動させる機構の方が、その機構をより簡易に構成することができる。また、部材を平行移動させた後その位置を高精度に一定に保持するような機構は、部材を回転させた後その角度を高精度に一定に保持するような機構に比べて、その実現が容易である。従って、凸面ミラー122を3軸方向に平行移動させる調整機構を光源装置10内に設けたとしても、光源装置10がさほど大型化することはない。また、凸面ミラー122の位置が高精度に保持されることにより、集光スポット143の位置及びサイズが高精度に一定に保たれ得る。このように、第1の実施形態によれば、一般的な光源装置90に比べて、より簡易な構成で、より容易に、より高精度に集光スポット143の調整を行うことが可能になる。集光スポット143の調整がより高精度に行われることにより、蛍光体から発せられる蛍光の品質をより向上させ、光源装置10の出力光の品質をより向上させることができる。
ここで、第1の実施形態における一変形例として、凸面ミラー122の位置の調整機構を利用して、蛍光体ホイール140の蛍光体の寿命をより長大化させるように、光源装置10を駆動することも可能である。例えば、当該調整機構がプログラムに従って自動的に動作するように構成し、光源装置10を駆動している最中に、当該調整機構によって、X−Y平面内での凸面ミラー122の位置を動的に変化させる。これにより、光源装置10を駆動している最中に、集光スポット143の位置が動的に変化することになる。従って、蛍光体ホイール140の回転と併せて、集光スポット143の蛍光体ホイール140上での相対的な位置をより大きく変化させることができるため、蛍光体の性能劣化を更に抑え、蛍光体ホイール140の長寿命化を図ることができる。
以下では、(2.第2の実施形態)〜(6.第6の実施形態)において、本開示の他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、以上説明した第1の実施形態に係る光源装置10の構成に対して、一部の光学部材を変更したり、新たな光学部材を追加したりしたものに対応する。従って、以下の各実施形態についての説明では、第1の実施形態と重複する事項についてはその詳細な説明を省略し、第1の実施形態と相違する事項について主に説明することとする。また、以下の各実施形態においても、その主要な構成は第1の実施形態と同様であるため、以上説明した第1の実施形態で奏される効果と同様の効果を得ることができる。なお、以上説明した第1の実施形態及び以下に説明する各実施形態に記載される事項は、可能な範囲で互いに組み合わされてよい。
(2.第2の実施形態)
図7を参照して、本開示の第2の実施形態に係る光源装置の構成について説明する。図7は、第2の実施形態に係る光源装置の一構成例を示す図である。
図7を参照すると、第2の実施形態に係る光源装置20は、光源ユニット110と、導光ユニット220と、集光ユニット130と、蛍光体ホイール140と、分光ユニット150と、から主に構成される。なお、第2の実施形態に係る光源装置20は、上述した第1の実施形態に係る光源装置10に対して、導光ユニット120の構成が変更されたものに対応する。その他の光学部材の構成及び機能は第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
導光ユニット220は、一対の光源ユニット110及び凹面ミラー121が、凸面ミラー122を挟んで対称的に設けられて構成される。各光源ユニット110からの出射光が、各光源ユニット110に対応して設けられる凹面ミラー121によってそれぞれ反射され、凸面ミラー122に集光される。各光源ユニット110からの出射光は、凸面ミラー122によって更に反射され、集光ユニット130によって集光され、蛍光体ホイール140の蛍光体上の集光スポット143に集光される。
このように、第2の実施形態に係る光源装置20では、一の凸面ミラー122に対して、光源ユニット110及び凹面ミラー121の組み合わせが複数設けられる。これにより、集光スポット143における励起光の強度を増加させることができ、蛍光体ホイール140から発せられる蛍光の強度も増加させることができる。
ここで、例えば図2に示す一般的な光源装置90において光源ユニット910及び凹面ミラー921の数を増やそうとする場合には、光源ユニット910及び凹面ミラー921に対応して平面ミラー922も増設する必要がある。これに対して、第2の実施形態では、一の凸面ミラー122によって、複数の光源ユニット110及び凹面ミラー121からの光を反射することができるため、凸面ミラー122を増設する必要がなく、装置を比較的小型に保つことができる。
なお、図示する例では、一対の光源ユニット110及び凹面ミラー121が、凸面ミラー122を挟んでY軸方向に対称的に設けられているが、第2の実施形態はかかる例に限定されない。光源ユニット110及び凹面ミラー121の組み合わせの配置数及び配置位置は任意であってよい。例えば、4組の光源ユニット110及び凹面ミラー121が、凸面ミラー122を挟んでX軸方向及びY軸方向に対称的に設けられてもよい。また、任意の数の光源ユニット110及び凹面ミラー121の組み合わせが、凸面ミラー122の周囲の任意の位置に設けられてもよい。
(3.第3の実施形態)
図8を参照して、本開示の第3の実施形態に係る光源装置の構成について説明する。図8は、第3の実施形態に係る光源装置の一構成例を示す図である。
図8を参照すると、第3の実施形態に係る光源装置30は、光源ユニット110と、導光ユニット320と、集光ユニット130と、蛍光体ホイール140と、分光ユニット150と、から主に構成される。なお、第3の実施形態に係る光源装置30は、上述した第1の実施形態に係る光源装置10に対して、導光ユニット120の構成が変更されたものに対応する。その他の光学部材の構成及び機能は第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
導光ユニット320は、一対の光源ユニット110及び凹面ミラー121が、1対の凸面ミラー323a、323bを挟んで対称的に設けられて構成される。1対の凸面ミラー323a、323bは、図1に示す略半球形状を有する凸面ミラー122が半分に分割された形状を有する。以下の説明では、凸面ミラー122と、凸面ミラー323a、323bとを区別するために、便宜的に、凸面ミラー323a、323bのことを分割凸面ミラー323a、323bとも呼称する。
第1の光源ユニット110からの出射光は、当該第1の光源ユニット110に対応して設けられる第1の凹面ミラー121によって反射され、分割凸面ミラー323aに集光される。分割凸面ミラー323aは、当該第1の光源ユニット110からの出射光を更に反射し、蛍光体ホイール140に向けて導光する。一方、第1の光源ユニット110とは異なる第2の光源ユニット110からの出射光は、当該第2の光源ユニット110に対応して設けられる第2の凹面ミラー121によって反射され、分割凸面ミラー323bに集光される。分割凸面ミラー323bは、当該第2の光源ユニット110からの出射光を更に反射し、蛍光体ホイール140に向けて導光する。
分割凸面ミラー323aによって導光された第1の光源ユニット110からの出射光及び分割凸面ミラー323bによって導光された第2の光源ユニット110からの出射光は、ともに、集光ユニット130によって集光され、蛍光体ホイール140の蛍光体上の集光スポット143に集光される。
このように、光源装置30では、導光ユニット320が、複数の分割凸面ミラー323a、323bに対して、光源ユニット110及び凹面ミラー121の組み合わせがそれぞれ設けられて構成される。光源ユニット110及び凹面ミラー121が複数設けられることにより、上述した第2の実施形態と同様に、集光スポット143における励起光の強度を増加させることができ、蛍光体ホイール140から発せられる蛍光の強度も増加させることができる。
ここで、第3の実施形態では、複数の分割凸面ミラー323a、323bのそれぞれに対して、その3軸方向の位置を調整するための調整機構が設けられてよい。これにより、分割凸面ミラー323a、323bごとに、集光スポット143の位置及びサイズを調整することが可能となる。
図9を参照して、第3の実施形態に係る光源装置30における集光スポット143の一形成例について説明する。図9は、第3の実施形態に係る光源装置30における集光スポット143の一形成例を示す図である。図9では、図4−図6と同様に、集光スポット143が存在するX−Y平面内の所定の領域における光の強度分布を図示している。図中で白色の領域ほど光の強度が大きい領域を表しており、白色の領域が集光スポット143を表していると言える。
図示するように、第3の実施形態では、例えば、分割凸面ミラー323a、323bごとの集光スポット143の位置が意図的にずらされる。つまり、複数の分割凸面ミラー323a、323bのそれぞれに対応して、位置が異なる複数の集光スポット143が形成され得る。これにより、蛍光体に照射される励起光の強度が必要以上に大きくならないように、当該強度を適切に調整することが可能になる。
ここで、蛍光体においては、入射する励起光の強度と、放射する蛍光の強度とは、必ずしも比例しておらず、励起光の強度が大きくなるにつれて蛍光の輝度が飽和してしまうことが知られている。従って、蛍光の輝度が飽和している領域では、蛍光体に入射する励起光の強度をより大きくしたとしても、放射される蛍光の輝度をそれ以上向上させることができず、蛍光への変換効率の観点からロスが大きいことになる。
そこで、第3の実施形態では、図9に示すように、分割凸面ミラー323a、323bごとの集光スポット143がずれるように、分割凸面ミラー323a、323bの3軸方向の位置がそれぞれ調整される。すなわち、異なる位置に集光スポット143が複数設けられる。このように集光スポット143を複数設け、各集光スポット143における光の強度を適宜制御することにより、単一の集光スポット143により強度の大きい光が照射される場合に比べて、蛍光体全体としての変換効率を向上し、蛍光体全体としてより輝度の大きい蛍光を得ることができる可能性がある。また、集光スポット143が分散されることにより、励起光が蛍光体に与えるダメージも軽減することができ、蛍光体の寿命を長大化することもできる。
なお、図示する例では、光源ユニット110、凹面ミラー121及び分割凸面ミラーの組み合わせがY軸方向に2組設けられているが、第3の実施形態はかかる例に限定されない。光源ユニット110、凹面ミラー121及び分割凸面ミラーの組み合わせの配置数及び配置位置は任意であってよい。例えば、合計で4組の光源ユニット110、凹面ミラー121及び分割凸面ミラーが、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ2組ずつ設けられてもよい。この場合には、各分割凸面ミラーは、例えば、略半球形状を4分割した形状を有することとなる。
(4.第4の実施形態)
図10を参照して、本開示の第4の実施形態に係る光源装置の構成について説明する。図10は、第4の実施形態に係る光源装置の一構成例を示す図である。
図10を参照すると、第4の実施形態に係る光源装置40は、光源ユニット110と、導光ユニット120と、集光ユニット130、460と、蛍光体ホイール440と、から主に構成される。なお、第4の実施形態に係る光源装置40は、上述した第1の実施形態に係る光源装置10において、反射型の蛍光体ホイール140に代えて透過型の蛍光体ホイール440が適用されたものに対応する。また、それに対応して、光源装置40では、光源装置10に対して、分光ユニット150が省かれるとともに、集光ユニット460が追加されている。その他の光学部材の構成及び機能は第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図示するように、光源装置40では、導光ユニット120から導光された光源ユニット110からの光が、集光ユニット130によって蛍光体ホイール440の基板141上の蛍光体に集光される。蛍光体ホイール440は透過型の蛍光体ホイールであるため、励起光の入射方向とは逆の方向から蛍光が放射される。図示する例では、蛍光体ホイール440に対して、Z軸の負方向から光源ユニット110からの光(すなわち励起光)が入射し、Z軸の正方向に蛍光が放射される。なお、蛍光体ホイール440の構成及び機能は、透過型の蛍光体ホイールであること以外は、第1の実施形態に係る蛍光体ホイール140の構成及び機能と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
蛍光体ホイール440の蛍光の放射側には、蛍光を集光し後段の光学部材に略平行光として導光する集光ユニット460が設けられる。集光ユニット460の構成は、集光ユニット130と同様であってよい。
集光ユニット460によって集光された蛍光は、出力レンズ151を介して光源装置90の出力光として外部に向かって取り出される。蛍光体ホイール440の蛍光体からは、蛍光が等方的に放射されるため、その放射面に集光ユニット460が設けられることにより、蛍光をより効率的に外部に取り出すことが可能になる。なお、蛍光の集光効率をより向上させるために、集光ユニット460は、蛍光体ホイール440に可能な限り近い位置に配置され得る。
ここで、第1の実施形態では、反射型の蛍光体ホイール140が用いられていたために、励起光の入射方向と蛍光の放射方向とが同一方向であり、集光ユニット130が、蛍光体ホイール140に対して励起光を集光する機能と、蛍光体ホイール140から放射される蛍光を集光する機能と、を併せ持っていた。一方、第4の実施形態では、透過型の蛍光体ホイール440が用いられるために、その励起光の入射側と、蛍光の放射側に、集光ユニット130、460がそれぞれ設けられるのである。
なお、図10では、第4の実施形態に係る光源装置40の一構成例として、第1の実施形態に係る光源装置10に対して透過型の蛍光体ホイール440を適用した場合について説明したが、第4の実施形態はかかる例に限定されない。例えば、上述した第2及び第3の実施形態に係る光源装置20、30に対して透過型の蛍光体ホイール440が適用されてもよい。
図11を参照して、第4の実施形態の一変形例として、第4の実施形態に係る光源装置の他の構成例について説明する。図11は、第4の実施形態に係る光源装置の他の構成例を示す図である。
図11を参照すると、第4の実施形態の一変形例に係る光源装置45は、光源ユニット110と、導光ユニット320と、集光ユニット130、460と、蛍光体ホイール440と、から主に構成される。なお、本変形例に係る光源装置45は、上述した第3の実施形態に係る光源装置30に対して、透過型の蛍光体ホイール440が適用されたものに対応する。
上記(3.第3の実施形態)で説明したように、導光ユニット320は、光源ユニット110、凹面ミラー121及び分割凸面ミラーの組み合わせが複数設けられて構成される。光源装置45では、各光源ユニット110からの光が、対応する分割凸面ミラー323a、323bによってそれぞれ蛍光体ホイール440に向かって導光され、集光ユニット130によって蛍光体上に集光される。この際、分割凸面ミラー323a、323bの3軸方向における配置位置がそれぞれ調整されることにより、図9に示すように、分割凸面ミラー323a、323bごとの集光スポット143の位置がずらされてもよい。
このように、本変形例によれば、透過型の蛍光体ホイール440に対しても、上記(3.第3の実施形態)で説明したような、集光スポット143の分散が実現され、蛍光の輝度の増加、蛍光体ホイール440の長寿命化が実現され得る。
(5.第5の実施形態)
図12を参照して、本開示の第5の実施形態に係る光源装置の構成について説明する。図12は、第5の実施形態に係る光源装置の一構成例を示す図である。
図12を参照すると、第5の実施形態に係る光源装置50は、光源ユニット110と、導光ユニット320と、集光ユニット130と、蛍光体ホイール140と、分光ユニット350と、から主に構成される。なお、第5の実施形態に係る光源装置50は、上述した第3の実施形態に係る光源装置30において、各光学部材の配置が変更され、それに伴い分光ユニット150の機能が変更されたものに対応する。その他の各光学部材の構成及び機能は第3の実施形態と略同様であるため、その詳細な説明は省略する。
第5の実施形態においても、第1〜第3の実施形態と同様に、分光ユニット350は、ダイクロイックミラーによって構成され得る。ただし、第5の実施形態では、当該ダイクロイックミラーは、第1〜第3の実施形態とは逆の透過特性及び反射特性を有する。すなわち、第5の実施形態に係るダイクロイックミラーは、光源ユニット110からの光に対応する波長帯域の光を反射させるとともに、蛍光体ホイール140の蛍光体から放射される蛍光に対応する波長帯域の光を透過させる性能を有する。
図示するように、光源装置50では、導光ユニット320から導光される光の進行方向に対して略垂直な方向を光軸として、集光ユニット130及び蛍光体ホイール140が設けられる。導光ユニット320からZ軸の正方向に導光された光は、その進行方向に設けられる分光ユニット350によって反射され、その光路が略90度変更される。図示する例では、当該光の光路が、分光ユニット350によってY軸の正方向に変更されている。そして、当該光が、集光ユニット130によって蛍光体ホイール140の蛍光体上の集光スポット143に集光される。
励起光の照射により蛍光体から放射される蛍光は、集光ユニット130によって集光され、略平行光となって分光ユニット350に向かって(すなわちY軸の負方向に向かって)導光される。第5の実施形態では、分光ユニット350は、蛍光に対応する波長帯域の光を透過させる性能を有するため、蛍光体ホイール140から放射された蛍光は、分光ユニット350を透過し、そのままY軸の負方向に向かって進行する。そして、当該蛍光が、出力レンズ151を介して光源装置50の出力光として外部に向かって取り出される。
以上説明したように、第5の実施形態では、分光ユニット350として第1〜第3の実施形態とは異なる特性を有するダイクロイックミラーを用いることにより、第1〜第3の実施形態に係る光源装置10、20、30に対して、集光ユニット130及び蛍光体ホイール140の配置位置を変更することができる。集光ユニット130及び蛍光体ホイール140の配置位置について、第1〜第3の実施形態に係る光源装置10、20、30のような構成を適用するか、第5の実施形態に係る光源装置50のような構成を適用するかは、光源装置10、20、30、50を組み立てる際の作業の容易性や、光源装置10、20、30、50の筐体のサイズ等を考慮して、適宜選択されてよい。
(6.第6の実施形態)
以上説明した各実施形態に係る光源装置は、蛍光体から放射される蛍光を直接その出力光として出力するものである。上記(1−1.光源装置の構成)で説明したように、当該蛍光体としては、YAG系蛍光体が用いられる。
ここで、図13を参照して、YAG系蛍光体から発せられる蛍光の特性について説明する。図13は、YAG系蛍光体における蛍光のスペクトルを示すグラフ図である。
図13では、横軸にYAG系蛍光体から発せられる蛍光の波長を取り、縦軸に正規化した当該蛍光の強度を取り、両者の関係性をプロットしている。図13を参照すると、YAG系蛍光体から発せられる蛍光には、緑色帯域から赤色帯域の成分は含まれているものの、青色帯域の成分はほぼ含まれていないことが分かる。従って、YAG系蛍光体を光源に用いた光源装置において白色光を出力するためには、青色帯域の光を補う必要がある。
第6の実施形態は、以上説明した各実施形態に係る光源装置の構成に対して青色帯域の光を出力する光源ユニットを追加することにより、白色光を出力する光源装置を実現するものである。
図14を参照して、本開示の第6の実施形態に係る光源装置の構成について説明する。図14は、第6の実施形態に係る光源装置の一構成例を示す図である。
図14を参照すると、第6の実施形態に係る光源装置60は、光源ユニット110と、導光ユニット320と、集光ユニット130と、蛍光体ホイール140と、分光ユニット150と、追加光源ユニット670と、から主に構成される。なお、第6の実施形態に係る光源装置60は、上述した第3の実施形態に係る光源装置30に対して追加光源ユニット670が追加されたものに対応する。その他の各光学部材の構成及び機能は第3の実施形態と略同様であるため、その詳細な説明は省略する。
追加光源ユニット670は、蛍光体ホイール140の蛍光体から放射される蛍光とは異なる波長帯域の光を射出する。例えば、蛍光体ホイール140の蛍光体としてYAG系蛍光体が用いられる場合であれば、追加光源ユニット670は、青色帯域の光を射出する光源として構成され得る。ただし、第6の実施形態はかかる例に限定されず、追加光源ユニット670は、蛍光体ホイール140の蛍光体の特性に応じて、当該蛍光体からの蛍光と重ね合わされた際に白色光が生成されるような波長帯域を有する光を射出するように、適宜構成されてよい。
図示するように、光源装置60では、追加光源ユニット670は、出力光である蛍光に対して当該追加光源ユニット670からの追加的な光が重ね合わされるように配置される。図示する例では、追加光源ユニット670は、分光ユニット150を挟んで出力レンズ151とは逆側に配置される。
追加光源ユニット670は、光源ユニット671及びレンズ群672から構成される。光源ユニット671は、蛍光体ホイール140の蛍光体に対する励起光を射出する光源ユニット110と同様のものであってよく、例えば、青色帯域のレーザ光を発する少なくとも1つのLD及び当該LDからの射出光を略平行にする少なくとも1つのコリメータレンズから構成される。
光源ユニット671からの光は、レンズ群672を通過して分光ユニット150に入射する。光源ユニット671として、光源ユニット110と同様に青色帯域の光を出力するものが用いられているため、光源ユニット671からの光も分光ユニット150を構成するダイクロイックミラーを透過する。従って、光源ユニット671から射出されたレーザ光は、レンズ群672及び分光ユニット150を通過して、蛍光体ホイール140から放射され分光ユニット150によって反射された蛍光と合成される。これにより、光源装置60の出力光としては、光源ユニット671からの光と蛍光体ホイール140からの蛍光とが合成された白色光が得られる。
なお、図示する例では、レンズ群672は、複数の平凸レンズから構成されているが、レンズ群672の構成はかかる例に限定されない。レンズ群672は、光源ユニット671からの光と蛍光とが適切に合成され、合成された光が、白色光として所望の特性(例えば強度、平行度等)を有するように、適宜構成されてよい。
(7.適用例)
上述した各実施形態に係る光源装置の一適用例について説明する。各実施形態に係る光源装置は、例えば、プロジェクタの光源に好適に適用され得る。以下、上述した各実施形態に係る光源装置がプロジェクタの光源に適用された場合におけるいくつかの構成例について説明する。
(7−1.第1の構成例)
図15を参照して、上述した各実施形態に係る光源装置がプロジェクタに適用された場合における第1の構成例について説明する。図15は、第1の構成例に係るプロジェクタの構成を示す図である。
図15を参照すると、第1の構成例に係るプロジェクタ1は、光源装置60と、画像投射装置1000と、から構成される。ここで、光源装置60の構成及び機能については、上記(6.第6の実施形態)で既に説明しているため、ここではその詳細な説明は省略する。
画像投射装置1000は、光源装置60の出力光を用いて画像を生成し、当該画像を投射する。画像投射装置1000は、筐体1001内に、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005、偏光変換素子1007、集光レンズ1009、クロスダイクロイックミラー1011、反射ミラー1015、1019、リレーレンズ1017、1021、ダイクロイックミラー1023、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025R、1025G、1025B、反射型液晶パネル1027R、1027G、1027B及びクロスプリズム1029等の光学部材が搭載されて構成される。また、クロスプリズム1029によって合成された光の出射方向には、投射ユニット1031が設けられる。なお、光源装置60は、他の光学部材とともに、筐体1001の内部に組み込まれてもよい。
光源装置60から出力された略平行な白色光は、画像投射装置1000の筐体1001内に入射すると、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005、偏光変換素子1007及び集光レンズ1009を順に追加して、クロスダイクロイックミラー1011に至る。
第1のフライアイレンズ1003及び第2のフライアイレンズ1005は、全体として、光源装置60から偏光変換素子1007に照射される入射光を均一な輝度分布に整える機能を有する。光源装置60から入射する略平行光は、第1のフライアイレンズ1003のマイクロレンズによって複数の光束に分割され、第2のフライアイレンズ1005における対応するマイクロレンズにそれぞれ結像される。第2のフライアイレンズ1005のマイクロレンズのそれぞれが、二次光源として機能し、輝度が揃った複数の平行光を、偏光変換素子1007に入射光として照射する。
偏光変換素子1007は、第1のフライアイレンズ1003及び第2のフライアイレンズ1005を介して入射する入射光の偏光状態を揃える機能を有する。偏光変換素子1007によって偏光状態が揃えられた光は、集光レンズ1009を介して、クロスダイクロイックミラー1011に入射する。なお、図15では、集光レンズ1009以降の光路上に、光源装置60からの入射光に含まれる成分である、青色光1013B、緑色光1013G及び赤色光1013Rの進行方向を表す矢印を、それぞれ異なる線種の矢印で模擬的に図示している。
クロスダイクロイックミラー1011は、互いに異なる反射特性及び透過特性を有する2のダイクロイックミラーを組み合わせて構成される。第1の構成例では、クロスダイクロイックミラー1011は、青色光1013Bと、緑色光1013G及び赤色光1013Rと、を分離するように構成されている。
クロスダイクロイックミラー1011によって分離された青色光1013Bは、反射ミラー1015によって反射され、リレーレンズ1017を通過してワイヤグリッド型偏光分離素子1025B及び反射型液晶パネル1027Bに入射する。
ワイヤグリッド型偏光分離素子1025Bは、底面が略直角二等辺三角形である三角柱形状のプリズムの、入射面及び反射面として機能する端面(直角二等辺三角形の斜辺に対応する端面)にワイヤグリッドが設けられて構成される。ワイヤグリッド型偏光分離素子1025Bは、ワイヤグリッドが設けられる端面が、青色光1013Bの入射方向と略45度の角度をなすように配置される。また、青色光1013Bの入射方向の延長線上に、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025Bを挟んで反射型液晶パネル1027Bが配置される。
ワイヤグリッド型偏光分離素子1025Bは、ワイヤグリッドが設けられる端面において、S偏光を反射し、P偏光を透過させる性質を有する。従って、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025Bに入射した青色光1013Bは、偏光分離され、例えばそのP偏光成分のみが反射型液晶パネル1027Bに入射する。
反射型液晶パネル1027Bには映像信号が印加されており、パネル内の液晶分子の配列は、当該映像信号に基づく印加電界によって制御されている。当該液晶分子の配列により、入射光は、偏光状態が変更されて、入射した方向と同じ側に反射される。つまり、反射型液晶パネル1027Bに入射したP偏光は、S偏光となって、青色光1013Bが入射した方向に向かって反射される。反射型液晶パネル1027Bからの反射光は、映像信号に応じた光学像を形成する青色光である。
反射型液晶パネル1027Bからの反射光は、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025Bのワイヤグリッドが設けられる端面に再度入射する。反射型液晶パネル1027Bからの反射光はS偏光であるため、当該端面において反射され、反射された方向に設けられるクロスプリズム1029に入射する。
一方、クロスダイクロイックミラー1011によって青色光1013Bと分離された緑色光1013G及び赤色光1013Rは、青色光1013Bとは異なる光路を導光され、反射ミラー1019によって反射され、リレーレンズ1021を通過してダイクロイックミラー1023に入射する。ダイクロイックミラー1023は、緑色光1013Gを反射するとともに赤色光1013Rを透過させる性質を有しており、当該ダイクロイックミラー1023によって、緑色光1013Gと赤色光1013Rとが分離される。
ダイクロイックミラー1023によって分離された緑色光1013Gは、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025G及び反射型液晶パネル1027Gに入射する。また、ダイクロイックミラー1023によって分離された赤色光1013Rは、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025R及び反射型液晶パネル1027Rに入射する。
ワイヤグリッド型偏光分離素子1025G、1025Rの構成及び機能はワイヤグリッド型偏光分離素子1025Bの構成及び機能と同様であり、反射型液晶パネル1027G、1027Rの構成及び機能は反射型液晶パネル1027Bの構成及び機能と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。ワイヤグリッド型偏光分離素子1025G及び反射型液晶パネル1027Gによって、反射型液晶パネル1027Gにおける映像信号が反映された緑色光1013GのS偏光成分がクロスプリズム1029に入射され、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025R及び反射型液晶パネル1027Rによって、反射型液晶パネル1027Rにおける映像信号が反映された赤色光1013RのS偏光成分がクロスプリズム1029に入射される。
クロスプリズム1029は、3つの方向から入射した各色の光を重ね合わせて合成し、投射ユニット1031に向けて出射する。投射ユニット1031には、図示しない複数のレンズが設けられており、クロスプリズム1029によって合成された光を、プロジェクタ1の外部のスクリーン等に投射する。これにより、反射型液晶パネル1027R、1027G、1027Bに印加された映像信号に基づく画像がカラーで表示されることになる。
以上、第1の構成例に係るプロジェクタ1の構成について説明した。以上説明したように、第1の構成例では、プロジェクタ1の光源として、第6の実施形態に係る光源装置60が用いられている。ここで、例えば光源装置60において蛍光体ホイール140の蛍光体上の集光スポット143の位置やサイズが設計値から大きくずれている場合には、光源装置60から出力される白色光の品質(例えば強度や平行度等)が低下し、ひいてはプロジェクタ1からの投射光の品質も低下する可能性がある。プロジェクタ1からの投射光の品質が低下すれば、プロジェクタ1による投影像の画質が劣化する恐れがある。
ここで、光源装置60では、分割凸面ミラー323a、323bの3軸方向における位置の調整という、比較的簡易な方法によって、蛍光体ホイール140の蛍光体上の集光スポット143の位置やサイズを調整することができる。従って、例えば光源装置60をプロジェクタ1に組み付ける際に、このような集光スポット143の調整を行うことにより、プロジェクタ1からの投射光の品質が改善されるようにその調整をより容易に行うことが可能となる。また、光源装置60では、集光スポット143の位置及びサイズの調整をより高精度に行うことができるため、投射光の品質を向上させ、より高品質な投影画像を得ることができる。
(7−2.第2の構成例)
図16を参照して、上述した各実施形態に係る光源装置がプロジェクタに適用された場合における第2の構成例について説明する。図16は、第2の構成例に係るプロジェクタの構成を示す図である。
なお、以下に説明する構成例は、以上説明した第1の構成例に係るプロジェクタ1の構成に対して、一部の光学部材を変更したり、新たな光学部材を追加したりしたものに対応する。従って、以下の各構成例についての説明では、第1の構成例と重複する事項についてはその詳細な説明を省略し、第1の構成例と相違する事項について主に説明することとする。また、以下の各構成例においても、その主要な構成は第1の構成例と同様であるため、以上説明した第1の構成例で奏される効果と同様の効果を得ることができる。なお、以上説明した第1の構成例及び以下に説明する各構成例に記載される事項は、可能な範囲で互いに組み合わされてよい。
図16を参照すると、第2の構成例に係るプロジェクタ2は、光源装置30と、追加光源ユニット670と、画像投射装置2000と、から構成される。ここで、光源装置30の構成及び機能については、上記(3.第3の実施形態)で既に説明しているため、ここではその詳細な説明は省略する。また、追加光源ユニット670の構成及び機能については、上記(6.第6の実施形態)で既に説明しているため、ここではその詳細な説明は省略する。なお、光源装置30に代えて、上述した光源装置10、20、40、50のいずれかが用いられてもよい。
図示するように、プロジェクタ2では、光源装置30と、追加光源ユニット670と、が、それぞれ光源として設けられる。光源装置30は、緑色帯域から赤色帯域の光を出力する光源として機能し、追加光源ユニット670は、青色帯域の光を出力する光源として機能する。これに対応して、画像投射装置2000には、光源装置30からの緑色帯域から赤色帯域の光が入射する経路と、追加光源ユニット670からの青色帯域の光が入射する経路と、が別々の経路として設けられる。
なお、画像投射装置2000の構成は、複数の光源に対応する複数の入射経路が設けられること以外は、第1の構成例に係る画像投射装置1000と同様である。従って、以下の画像投射装置2000についての説明では、画像投射装置1000との相違点について主に説明する。
画像投射装置2000は、筐体2001内に、第1の光学系2003、第2の光学系2005、リレーレンズ1017、1021、ダイクロイックミラー1023、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025R、1025G、1025B、反射型液晶パネル1027R、1027G、1027B及びクロスプリズム1029等の光学部材が搭載されて構成される。また、クロスプリズム1029によって合成された光の出射方向には、投射ユニット1031が設けられる。なお、光源装置30及び追加光源ユニット670は、他の光学部材とともに、筐体2001の内部に組み込まれてもよい。
なお、リレーレンズ1017、1021、ダイクロイックミラー1023、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025R、1025G、1025B、反射型液晶パネル1027R、1027G、1027B、クロスプリズム1029及び投射ユニット1031の構成及び機能は、上記(7−1.第1の構成例)で説明したこれらの部材の構成及び機能と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
画像投射装置2000の、光源装置30に対応する入射経路には第1の光学系2003が設けられ、追加光源ユニット670に対応する入射経路には第2の光学系2005が設けられる。
第1の光学系2003は、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005、偏光変換素子1007及び集光レンズ1009によって構成される。光源装置30から出力された略平行な緑色帯域から赤色帯域の光は、画像投射装置2000の筐体2001内に入射すると、第1の光学系2003のこれらの光学部材を順に追加して、リレーレンズ1021に至る。ここで、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005、偏光変換素子1007及び集光レンズ1009の構成及び機能は、上記(7−1.第1の構成例)で説明したこれらの部材の構成及び機能と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
リレーレンズ1021に入射した光源装置30からの出力光は、ダイクロイックミラー1023に入射し、緑色光1013Gと赤色光1013Rとに分離される。緑色光1013Gは、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025G及び反射型液晶パネル1027Gに入射する。また、赤色光1013Rは、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025R及び反射型液晶パネル1027Rに入射する。なお、緑色光1013G及び赤色光1013Rにおける、リレーレンズ1021以降の光路上での振る舞いは、上記(7−1.第1の構成例)で説明したものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
第2の光学系2005は、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005及び集光レンズ1009によって構成される。追加光源ユニット670から出力された略平行な青色レーザ光は、画像投射装置2000の筐体2001内に入射すると、第2の光学系2005のこれらの光学部材を順に追加して、リレーレンズ1017に至る。ここで、第2の光学系2005では、第1の光学系2003では設けられていた偏光変換素子1007が好適に省略され得る。追加光源ユニット670からの出力光はレーザ光であり、既にその偏光状態が揃っているからである。
リレーレンズ1017に入射した追加光源ユニット670から出力光(すなわち青色光1013B)は、ワイヤグリッド型偏光分離素子1025B及び反射型液晶パネル1027Bに入射する。なお、青色光1013Bにおける、リレーレンズ1017以降の光路上での振る舞いは、上記(7−1.第1の構成例)で説明したものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
映像信号が反映された赤色光1013R、緑色光1013G及び青色光1013Bがクロスプリズム1029に入射され、クロスプリズム1029は、3つの方向から入射した各色の光を重ね合わせて合成し、投射ユニット1031に向けて出射する。投射ユニット1031によって、クロスプリズム1029によって合成された光が、プロジェクタ2の外部のスクリーン等に投射され、映像信号に基づく画像がカラーで表示されることになる。
以上、第2の構成例に係るプロジェクタ2の構成について説明した。以上説明したように、第2の構成例では、プロジェクタ2の光源として、光源装置30及び追加光源ユニット670が用いられる。追加光源ユニット670は、光源装置30による出力光に含まれない波長帯域成分を補うものである。
追加光源ユニット670を光源装置30に組み込まずに、別途の光源として用意し、それぞれ別途の経路で画像投射装置2000に入射させることにより、画像投射装置2000の入射経路上の光学部材に掛かる負荷を軽減し、これらの光学部材の寿命を長大化することができる。従って、より信頼性の高いプロジェクタ2が実現される。
また、追加光源ユニット670が組み込まれている光源装置60と比べて、光源装置30は、その構成がより簡易になる。光源装置30がより少ない数の光学部材で構成されることにより、光源装置30自体の信頼性も向上させることができる。
ここで、第2の構成例では、光源装置30に対して追加光源ユニット670とは異なる波長帯域の光を射出可能な光源ユニットを更に追加することにより、より広範な波長帯域に対応したプロジェクタを実現することができる。
図17に、第2の構成例の一変形例として、このような、光源装置30に対して追加光源ユニット670とは異なる波長帯域の光を射出可能な光源ユニットが更に追加された場合におけるプロジェクタの構成を示す。図17は、第2の構成例の一変形例に係るプロジェクタの構成を示す図である。
図17を参照すると、本変形例に係るプロジェクタ3は、図16に示すプロジェクタ2に対して、光源装置30に追加光源ユニット2007が追加されたものに対応する。追加光源ユニット2007は、追加光源ユニット670とは異なる波長帯域の光を射出する光源ユニットである。追加光源ユニット2007は、光源装置30に対して、上記(6.第6の実施形態)で説明した追加光源ユニット670の配置位置と同様の位置に配置され得る。
例えば、追加光源ユニット2007は、赤外線を射出する光源2009と、レンズ群2011と、から構成される。光源2009から射出された赤外線は、レンズ群2011を通過して略平行光となり、蛍光体ホイール140から放射される蛍光と合成されて、画像投射装置2000に入射される。当該構成により、プロジェクタ3からの出射光は、赤外帯域まで含むより広範な波長帯域の光となる。プロジェクタ3は、例えば暗視装置等、可視光と赤外線とがともに用いられ得る装置を開発する際の、シミュレーション等に利用可能である。
(7−3.第3の構成例)
図18を参照して、上述した各実施形態に係る光源装置がプロジェクタに適用された場合における第3の構成例について説明する。図18は、第3の構成例に係るプロジェクタの構成を示す図である。
図18を参照すると、第3の構成例に係るプロジェクタ4は、光源装置30と、追加光源ユニット670と、画像投射装置1000と、から構成される。ここで、光源装置30の構成及び機能については、上記(3.第3の実施形態)で既に説明しているため、ここではその詳細な説明は省略する。また、追加光源ユニット670の構成及び機能については、上記(6.第6の実施形態)で既に説明しているため、ここではその詳細な説明は省略する。なお、光源装置30に代えて、上述した光源装置10、20、40、50のいずれかが用いられてもよい。
図示するように、プロジェクタ4では、光源装置30と、追加光源ユニット670と、が、それぞれ光源として設けられる。ただし、第2の構成例に係るプロジェクタ2とは異なり、プロジェクタ4では、これらの光源装置30からの光と追加光源ユニット670からの光が、画像投射装置1000に入射する前段で合成され、合成された光が同一の経路で画像投射装置1000に入射する。
具体的には、例えば、図示するように、光源装置30からの出力光が画像投射装置1000に入射する前段にダイクロイックミラー4001が設けられるとともに、追加光源ユニット670からの光を当該ダイクロイックミラー4001に向けて導光する反射ミラー4003が、追加光源ユニット670からの光の出射方向に設けられる。ダイクロイックミラー4001は、光源装置30からの緑色帯域から赤色帯域の光を透過させるとともに、追加光源ユニット670からの青色レーザ光を反射する特性を有しており、両者が合成された光が画像投射装置1000に入射する。なお、光源装置30からの光と追加光源ユニット670からの光とを合成するための構成は、図示する例に限定されず、適宜設定されてよい。
このように、第3の構成例は、第1の構成例と第2の構成例とを組み合わせたものに対応する。なお、合成された光が画像投射装置1000に入射した以降の振る舞いは、上記(7−1.第1の構成例)で説明したものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
以上、第3の構成例に係るプロジェクタ4の構成について説明した。以上説明したように、第4の構成例では、プロジェクタ4の光源として、光源装置30及び追加光源ユニット670が用いられる。また、画像投射装置1000に入射する前段で、光源装置30からの光と追加光源ユニット670からの光が合成され、合成された光が同一の経路で画像投射装置1000に入射する。
ここで、上述した第2の構成例に係るプロジェクタ2のように、各光源に対応して画像投射装置2000への入射経路が構成される場合には、各入射経路における光学部材への負荷は軽減できる反面、入射経路が複数設けられることにより画像投射装置2000の筐体2001が大型化し、プロジェクタ2自体も大型化してしまう可能性がある。第3の構成例によれば、より構成が簡易で信頼性の高い光源装置30を用いるとともに、筐体1001をより小型化できる可能性のある画像投射装置1000を用いることにより、光源の信頼性を確保しつつプロジェクタ4をより小型化できる可能性がある。
(7−4.第4の構成例)
図19を参照して、上述した各実施形態に係る光源装置がプロジェクタに適用された場合における第4の構成例について説明する。図19は、第4の構成例に係るプロジェクタの構成を示す図である。第1〜第3の構成例が反射型液晶パネルを用いたものであったのに対して、第4の構成例は透過型液晶パネルを用いたものに対応する。
図19を参照すると、第4の構成例に係るプロジェクタ5は、光源部70と、画像投射装置5000と、から構成される。
光源部70は、画像投射装置5000に対して略平行な白色光を出力する。光源部70としては、上述した第6の実施形態に係る光源装置60や、第3の構成例で用いていたような、第1〜第5の実施形態に係る光源装置10、20、30、40、50のいずれかと追加光源ユニット670とが組み合わされたものが用いられる。
画像投射装置5000は、光源部70の出力光を用いて画像を生成し、当該画像を投射する。画像投射装置5000は、筐体5001内に、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005、偏光変換素子1007、集光レンズ1009、ダイクロイックミラー5003、5005、反射ミラー5007、5009、5011、リレーレンズ5013、5015、フィールドレンズ5017R、5017G、5017B、液晶ライトバルブ5019R、5019G、5019B及びクロスプリズム1029等の光学部材が搭載されて構成される。また、クロスプリズム1029によって合成された光の出射方向には、投射ユニット1031が設けられる。なお、光源部70は、他の光学部材とともに、筐体5001の内部に組み込まれてもよい。
光源部70から出力された略平行な白色光は、画像投射装置5000の筐体5001内に入射すると、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005、偏光変換素子1007及び集光レンズ1009を順に追加して、ダイクロイックミラー5003に至る。なお、第1のフライアイレンズ1003、第2のフライアイレンズ1005、偏光変換素子1007及び集光レンズ1009の構成及び機能は、上記(7−1.第1の構成例)で説明したこれらの部材の構成及び機能と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
ダイクロイックミラー5003、5005は、所定の波長帯域の光を選択的に反射し、それ以外の波長帯域の光を透過させる性質を有する。例えば、ダイクロイックミラー5003は、赤色光1013Rを反射し、青色光1013B及び緑色光1013Gを透過させるように構成されている。
ダイクロイックミラー5003によって選択的に反射され、分離された赤色光1013Rは、反射ミラー5007によって反射され、フィールドレンズ5017Rを通ることによって平行化された後、赤色光の変調用の液晶ライトバルブ5019Rに入射する。
液晶ライトバルブ5019Rは、例えば、透過型液晶パネル及び偏光板等から構成される。液晶ライトバルブ5019Rの透過型液晶パネルには映像信号が印加されており、液晶ライトバルブ5019Rを通過した赤色光1013Rは、画素ごとに偏光状態が変調され、映像信号に応じた光学像を形成する赤色光として、クロスプリズム1029に入射される。
一方、ダイクロイックミラー5003を透過した青色光1013B及び緑色光1013Gは、後段のダイクロイックミラー5005に入射する。ダイクロイックミラー5005は、緑色光1013Gを反射し、青色光1013Bを透過させるように構成されている。
ダイクロイックミラー5005によって選択的に反射され、分離された緑色光1013Gは、フィールドレンズ5017Gを通ることによって平行化された後、緑色光の変調用の液晶ライトバルブ5019Gに入射する。また、ダイクロイックミラー5005を透過した青色光1013Bは、リレーレンズ5013、反射ミラー5009、リレーレンズ5015、反射ミラー5011を順に通過し、フィールドレンズ5017Bを通ることによって平行化された後、青色光の変調用の液晶ライトバルブ5019Bに入射する。
液晶ライトバルブ5019G及び液晶ライトバルブ5019Bの構成及び機能は、上述した液晶ライトバルブ5019Rと同様であるため、その詳細な説明は省略する。液晶ライトバルブ5019Gを通過した緑色光1013Gは、画素ごとに偏光状態が変調され、映像信号に応じた光学像を形成する緑色光として、クロスプリズム1029に入射される。同様に、液晶ライトバルブ5019Bを通過した青色光1013Bは、画素ごとに偏光状態が変調され、映像信号に応じた光学像を形成する緑色光として、クロスプリズム1029に入射される。
クロスプリズム1029は、3つの方向から入射した各色の光を重ね合わせて合成し、投射ユニット1031に向けて出射する。投射ユニット1031によって、クロスプリズム1029によって合成された光が、プロジェクタ5の外部のスクリーン等に照射される。これにより、液晶ライトバルブ5019R、5019G、5019Bの透過型液晶パネルに印加された映像信号に基づく画像がカラーで表示されることになる。なお、クロスプリズム1029及び投射ユニット1031の構成及び機能は、上記(7−1.第1の構成例)で説明したこれらの部材の構成及び機能と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
以上、第4の構成例に係るプロジェクタ5の構成について説明した。以上説明したように、上述した各実施形態に係る光源装置は、透過型液晶パネルが用いられるプロジェクタ4に対しても好適に適用され得る。
(7−5.適用例についてのまとめ)
以上、上述した各実施形態に係る光源装置の一適用例として、これらの光源装置がプロジェクタに適用される場合について説明した。以上説明したように、本開示の各実施形態に係る光源装置では蛍光体上での集光スポットの調整をより容易に行うことができるため、これらの光源装置をプロジェクタに適用することにより、例えば当該集光スポットの位置ずれによってプロジェクタの投射光の品質が劣化している場合に、その改善をより容易に行うことができる。また、各実施形態に係る光源装置では、集光スポットの調整をより高精度に行うことができるため、プロジェクタの投射光の品質を向上させ、より高品質な投影画像を得ることができる。
なお、以上説明した各構成例において、画像投射装置1000、2000、5000及び投射ユニット1031の具体的な構成は、図示するものに限定されない。画像投射装置1000、2000、5000及び投射ユニット1031としては、一般的なプロジェクタに用いられ得る既存の各種の構成が適用されてよい。
また、本開示の各実施形態に係る光源装置の適用例は、プロジェクタに限定されない。当該光源装置は他の装置に適用されてもよい。例えば、当該光源装置は、照明装置に適用されてもよい。当該光源装置を照明装置に適用することにより、当該照明装置の照射光の品質をより容易に調整することが可能となるとともに、当該照射光を高品質に保つことができる。
(8.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的なものではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)所定の波長帯域の略平行光を射出する少なくとも1つの光源ユニットと、前記光源ユニットからの光を集光スポットに向かって導光する導光ユニットと、を備え、前記導光ユニットでは、前記光源ユニットからの光が、凹面ミラー及び凸面ミラーによって順に反射され、前記集光スポットに向かって導光される、光源装置。
(2)前記凹面ミラー及び前記凸面ミラーは、前記凹面ミラーの反射面形状の中心軸と、前記凸面ミラーの反射面形状の中心軸とが略一致するように配置される、前記(1)に記載の光源装置。
(3)前記凸面ミラーの3軸方向の位置をそれぞれ独立に調整する調整機構を更に備える、前記(1)又は(2)に記載の光源装置。
(4)前記集光スポットは、前記光源ユニットからの光によって蛍光を発する蛍光体上に設けられる、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光源装置。
(5)前記蛍光体が基板上に設けられる蛍光体ホイールは、前記光源ユニットからの光の入射方向と同じ方向に向かって蛍光を放射する、反射型蛍光体ホイールである、前記(4)に記載の光源装置。
(6)前記蛍光体が基板上に設けられる蛍光体ホイールは、前記光源ユニットからの光の入射方向とは逆の方向に向かって蛍光を放射する、透過型蛍光体ホイールである、前記(4)に記載の光源装置。
(7)前記凹面ミラー及び前記凸面ミラーの少なくともいずれかの反射面形状は、非球面形状である、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の光源装置。
(8)前記光源ユニット及び前記凹面ミラーの組み合わせが、一の前記凸面ミラーに対して複数設けられる、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の光源装置。
(9)前記光源ユニット及び前記凹面ミラーの組み合わせが、前記凸面ミラーを挟んで対称的に設けられる、前記(8)に記載の光源装置。
(10)複数設けられる前記光源ユニット及び前記凹面ミラーの組み合わせに対応して、前記凸面ミラーが分割された形状を有する分割凸面ミラーがそれぞれ設けられ、第1の光源ユニットから射出され第1の凹面ミラーによって反射された光は、第1の分割凸面ミラーによって反射され、前記集光スポットに向かって導光され、第2の光源ユニットから射出され第2の凹面ミラーによって反射された光は、第2の分割凸面ミラーによって反射され、前記集光スポットに向かって導光される、前記(8)又は(9)に記載の光源装置。(11)複数の前記分割凸面ミラーのそれぞれに対応して、位置が異なる複数の前記集光スポットが形成される、前記(10)に記載の光源装置。
(12)前記光源装置が駆動している最中に、前記凸面ミラーによる反射光に対して垂直な平面内での前記凸面ミラーの位置が調整されることにより、前記平面内での前記集光スポットの位置が動的に変化する、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の光源装置。
(13)前記集光スポットは、前記光源ユニットからの光によって蛍光を発する蛍光体上に設けられ、前記光源装置は、前記蛍光とは異なる波長帯域の光を射出する第3の光源ユニットを更に備え、前記光源装置は、前記蛍光と前記第3の光源ユニットからの出射光とが合成された光を出力する、前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の光源装置。
(14)所定の波長帯域の略平行光を射出する少なくとも1つの光源ユニットと、前記光源ユニットからの光を集光スポットに向かって導光する導光ユニットと、を有する光源装置と、前記光源装置の出力光を用いて画像を生成し、当該画像を投射する画像投射装置と、を備え、前記光源装置の前記導光ユニットでは、前記光源ユニットからの光が、凹面ミラー及び凸面ミラーによって順に反射され、前記集光スポットに向かって導光される、プロジェクタ。