JP6634758B2 - 液体組成物及び凍結乾燥製剤 - Google Patents

液体組成物及び凍結乾燥製剤 Download PDF

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本発明は、液体組成物及び凍結乾燥製剤に関する。
生理活性ペプチドは、種々の疾病に対する治療薬として有望視されている。そして、これらの製剤は、液剤とした場合に、その保存安定性が悪いという問題がある(例えば、特許文献1)。そのために、例えば、凍結乾燥製剤の形態で供給されることがある(例えば、特許文献2及び3)。
特開2004−10511号公報 特開平05−306235号公報 特表2001−525372号公報
しかし、生理活性ペプチドの安定性を長期にわたって維持することが困難であり、生理活性ペプチドをより安定に長期間保存する手法が模索されている。
本発明は、保存安定性が良好であり、生理活性ペプチドの安定性を長期にわたって維持することができる製剤を提供することを目的とする。
本願は以下の発明を含む。
〔1〕生理活性ペプチド又はその薬学的に許容され得る塩、及び
下記化合物A〜Cを1以上含む安定化剤を含有する液体組成物。
化合物A:アルギニン、ヒスチジン、グルタミン酸又はこれらの薬学的に許容される塩
化合物B:水酸基を有する芳香族化合物又はその薬学的に許容される塩
化合物C:式(I)
Ar−(CO−NR (I)
〔式(I)中、Arは単環又は縮合環の芳香族複素環を表す。
及びRは水素又は化合物残基を表し、あるいはR及び/又はRはArと結合して環を形成してもよい。
nは1〜3の整数を表す。〕
〔2〕前記生理活性ペプチドがパラサイロイドホルモン類である〔1〕の液体組成物。
〔3〕前記パラサイロイドホルモン類が、副甲状腺ホルモン、テリパラチド又はヒト−PTH(1−38)である〔2〕の液体組成物。
〔4〕前記化合物Bの水酸基を有する芳香族化合物が、フェノール、パラオキシ安息香酸エステル、サリチルアミド、サリチル酸メチル、アセトアミノフェン、フロプロピオン、ピリドキシン、ビタミンB6、チロシン、ドロキシドパ、メチルドパ、レボドパ、イソプレナリン、アドレナリン、ノルアドレナリン又はそれらの薬学的に許容される塩である〔1〕の液体組成物。
〔5〕化合物Cの式(I)で表される化合物が、ニコチンアミド、N−メチルニコチンアミド、ピリジン−2,3−ジカルボキサミド、N−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチンアミド、イソニアジド又はピラジナミドである〔1〕の液体組成物。
〔6〕ガラス製の容器に収納された〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の液体組成物。
〔7〕ガラス製、ポリプロピレン製又はシクロオレフィンポリマー製のシリンジに収納された請求項〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の液体組成物。
〔8〕前記シリンジの外側に脱酸素剤を備える〔6〕又は〔7〕の液体組成物。
〔9〕前記ガラス製の容器又はシリンジは、酸素透過性が1mL/m・日・atm以下及び/又は水蒸気透過速度が1g/平方メートル・日以下の樹脂製の袋で包装されている〔6〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の液体組成物。
〔10〕上記〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の液体組成物の凍結乾燥製剤。
〔11〕ガラス製、ポリプロピレン製又はシクロオレフィンポリマー製のシリンジに収納された〔10〕の凍結乾燥製剤。
〔12〕前記シリンジの外側に脱酸素剤を備える〔9〕又は〔10〕の凍結乾燥製剤。
〔13〕前記シリンジは、酸素透過性が1mL/m・日・atm以下及び/又は水蒸気透過速度が1g/平方メートル・日以下の樹脂製の袋で包装されている〔11〕に記載の凍結乾燥製剤。
本発明によれば、保存安定性が良好であり、生理活性ペプチドの安定性を長期にわたって維持することができる液体製剤及び凍結乾燥製剤を提供することができる。
本発明の液体組成物の苛酷試験3週間後までの類縁物質の増加を示すグラフである。 本発明の液体組成物の苛酷試験2週間後までの類縁物質の増加を示すグラフである。 本発明の液体組成物の苛酷試験2週間後までの類縁物質の増加を示すグラフである。
本願における液体組成物及び凍結乾燥製剤は、生理活性ペプチド又はその薬学的に許容され得る塩及び特定の安定化剤を含有する。
生理活性ペプチドは、通常、タンパク質前駆体から特異的な加水分解を受けて産生されるペプチド又はポリペプチドであり、特異的又は非特異的受容体のチャネル型受容体又は代謝型受容体を介することにより多種多様な生理活性、例えば、神経伝達物質、神経栄養因子、ホルモン、成長因子、オータコイド及びサイトカイン等としての機能を有するペプチドを指す。従って、このような機能を有するペプチド又はポリペプチドであれば、特に限定されるものではなく、例えば、パラサイロイドホルモン類(つまり、副甲状腺ホルモンの全部又は一部)、ソマトロピン、テトラコサクチド、オクトレオチド、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、ダプトマイシン、テイコプラニン、バンコマイシン、インターフェロン、ペグ化インターフェロン、ダルベポエチン、ペグ化エリスロポエチン、ラスブリカーゼ及びロミプレート等又はこれらのアナログが挙げられる。なかでも、パラサイロイドホルモン類が好ましい。パラサイロイドホルモン類としては、ヒト副甲状腺ホルモン、テリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモンの1〜34番目のアミノ酸に相当(ヒト−PTH(1−34)))、ヒト−PTH(1−38)等が挙げられる。
本願において、薬学的に許容され得る塩としては、例えば、有機塩又は無機塩が挙げられる。これらの塩は、遊離酸としては無機酸と有機酸を使用することができる。無機酸としてはホウ酸、リン酸などが挙げられ、有機酸としてはクエン酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸等が挙げられる。また、これらの塩は、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)及びアルカリ金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)等を含んでもよい。
安定化剤としては、例えば、化合物A〜Cの中から選択される。
化合物Aとしては、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン酸、リシン、トリプトファン、アスパラギン酸又はこれらの薬学的に許容される塩等が挙げられる。なかでも、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン酸又はこれらの薬学的に許容される塩が好ましい。
化合物Bとしては、水酸基を有する芳香族化合物又はその薬学的に許容される塩が挙げられる。芳香族化合物としては、ベンゼン、インデン、ナフタレン、フルオレン、ファナントレン等の単環又は縮合多環、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン等の芳香族複素環等を有する芳香族化合物が挙げられる。化合物Bは、水酸基を1つ有するものであれば、その他の置換基を有していてもよい。水酸基は、少なくとも1つが芳香族化合物に直結するものが好ましい。その他の置換基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はこれら1以上を組み合わせた基等が挙げられる。なお、本明細書においては、アルキル基及びアルコキシ基は炭素数1〜6の基を意味する。
化合物Bとしては、フェノール、クレゾール、パラオキシ安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、サリチル酸、サリチル酸エステル、サリチルアミド、アセトアミノフェン、フロプロピオン、ピリドキシン、ビタミンB6、チロシン、ドロキシドパ、メチルドパ、レボドパ、イソプレナリン、アドレナリン、ノルアドレナリン及びそれらの薬学的に許容される塩等が挙げられる。
化合物Cとしては、式(I)で表される化合物が挙げられる。
Ar−(CO−NR (I)
〔式(I)中、Arは単環又は縮合多環の芳香族複素環を表す。
及びRは水素又は化合物残基を表し、あるいはR及び/又はRはArと結合して環を形成してもよい。
nは1〜3の整数を表す。〕
単環の芳香族複素環としては、フラン、ピロール、イミダゾール、オキサゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン等が挙げられる。縮合多環の芳香族複素環としては、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、プリン、イミダゾール等が挙げられる。これらの芳香族複素環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はこれら1以上を組み合わせた基等が挙げられる。R及びRの化合物残基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基又はこれら1以上を組み合わせた基等が挙げられる。R及び/又はRはArと結合してArと一緒になって環を形成する場合、R及び/又はRは、Arに縮合する環を構成するが、この環は、芳香族複素環であってもよいし、非芳香族複素環であってもよい。芳香族複素環は、例えば、オキソ基を有するインドール、キノリン等が挙げられる。非芳香族複素環は、オキソ基を有するピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。組み合わせた基としては、例えば、アミノ酸又はその一部の残基等が挙げられる。
化合物Cとしては、ニコチンアミド、N−メチルニコチンアミド、ピリジン−2,3−ジカルボキサミド、N−(ヒドロキシメチル)ニコチンアミド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチンアミド、イソニアジド及びピラジナミド等が挙げられる。
本願の液体組成物及び/又は凍結乾燥製剤は、上述した安定化剤を、単独で又は複数組み合わせて用いることが好ましい。また、上述した安定化剤を含有する限り、当該分野で公知の安定化剤をさらに含んでもよい。このような安定化剤としては、上述した特開2004−10511号公報、特開平05−306235号公報及び特表2001−525372号公報等に例示されたもの、例えば、単糖類、二糖類、メチオニン、キシリトール、ポリオール、糖アルコール、多価アルコール、塩化ナトリウム等が挙げられる。
生理活性ペプチドは、液体組成物の全質量に対して、0.0005〜0.1質量%で含有される。また、凍結乾燥製剤の場合は、凍結乾燥製剤の全質量に対して、0.01〜10質量%が挙げられる。
安定化剤は、液体組成物の全質量に対して、0.1〜10質量%で含有される。また、凍結乾燥製剤の場合は、凍結乾燥製剤の全質量に対して、0.1〜100質量%が挙げられ、0.1〜99.99質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
本願の液体組成物及び/又は凍結乾燥製剤は、生理活性ペプチドの活性に大きな影響を与えない範囲で、当該分野で公知の添加剤をさらに含んでもよい。添加剤としては、pH調整剤、等張化剤、増量剤、保存剤/防腐剤等、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
保存剤/防腐剤としては、例えば、クレゾール、ベンジルアルコール、フェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、チメロサール、硝酸及び酢酸フェニル水銀等が挙げられる。
本願の液体組成物は、例えば、生理活性ペプチド及び化合物A〜Cを1以上含む安定化剤と、任意に添加剤等を水性媒体に溶解することにより調製することができる。水性媒体としては、注射用蒸留水、生理食塩液、緩衝液等が挙げられる。さらに水性溶媒は、毒性を示さない限り、水溶性有機溶媒、例えば少量のエタノール等を含んでいてもよい。
液体組成物のpHは、薬剤安定性の観点から3〜7であることが好ましく、4〜5がより好ましい。pHは、塩酸等の酸又は水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて調整することができる。また、薬学的に許容し得る緩衝液を用いてもよい。注射剤の添加剤として、例えば、塩化ナトリウム又はブドウ糖を添加してもよい。
本願の凍結乾燥製剤は、生理活性ペプチド及び化合物A〜Cを1以上含む安定化剤と、任意に添加剤等を、上述したように水性媒体に溶解して無菌濾過し、常法に基づいて凍結乾燥することにより調製することができる。凍結乾燥は、通常適用される条件下で、トレー凍結乾燥、スプレー凍結乾燥、バイアル/シリンジ凍結乾燥等の公知の凍結乾燥法を採用することができる。凍結乾燥では、通常、凍結乾燥物の水分含量が3質量%以下となるように乾燥することが好ましい。
本願の液体組成物及び/又は凍結乾燥製剤は、バイアル、シリンジ等の容器に充填された製剤とすることが好ましい。特に、凍結乾燥製剤は、例えば、ダブルチャンバーのプレフィルドシリンジの形態とすることが好ましい。この場合、1製剤あたり、例えば、1μg〜500μg、好ましくは、1μg〜150μgの生理活性ペプチドを含有することが好ましい。
バイアル、シリンジ等の容器は、ガラス製又はプラスチック製のいずれでもよい。なかでも、ガラス製又はオレフィン系のプラスチックが好ましい。プラスチックとしては、特に、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレン及びポリプロピレンがより好ましい。なお、バイアル、シリンジ等は、通常、さらに包装体に包囲されて保存されるが、バイアル、シリンジ等の外側に脱酸素剤を備えることが好ましい。特にシリンジの容器の場合、包装体の材質は水蒸気及び/又は酸素の透過性が低いものが好ましい。例えば、酸素透過性が1mL/m・日・atm以下及び/又は水蒸気透過速度が1g/平方メートル・日以下であるものがより好ましい。このような包装体は、例えば、樹脂製の袋が挙げられる。
以下に、本開示の液体組成物及び凍結乾燥製剤について、実施例を挙げてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1:アルギニン>
注射用蒸留水、酢酸ナトリウム(特級、関東化学製)を使用して50mMの酢酸ナトリウム溶液を500mL得た。この溶液にアルギニン塩酸塩(特級、和光純薬工業製)を10g加え、酢酸(特級、和光純薬工業製)又は水酸化ナトリウム(特級、和光純薬工業製)を加えてpH4.5に調整した。得られた溶液にPTH(1−34)を63.3μg/mLとなるように溶解してPTH水溶液を得た。次に、このPTH水溶液を濾過滅菌処理した後、ガラスシリンジ(ニプロ製)に約1mLずつ充填して、空間部を窒素置換し、PTH(1−34)を63.3μg含有する水溶液注射剤を製造した。
<実施例2:ヒスチジン>
アルギニン塩酸塩10gをヒスチジン塩酸塩(特級、和光純薬工業製)2.5gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<実施例3:ニコチンアミド>
アルギニン塩酸塩10gをニコチンアミド(特級、和光純薬工業製)37.5gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<実施例4:グルタミン酸>
アルギニン塩酸塩10gをグルタミン酸(特級、関東化学製)10gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<実施例5:フェノール>
アルギニン塩酸塩10gをフェノール(特級、関東化学製)4.2gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<実施例6:ニコチンアミド+フェノール>
アルギニン塩酸塩10gをニコチンアミド7.5g+フェノール4.2gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<比較例1:アスコルビン酸>
アルギニン10gをアスコルビン酸(特級、関東化学製)5gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<比較例2:アセチルトリプトファン>
アルギニン塩酸塩10gをアセチルトリプトファン(特級、関東化学製)2.5gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<比較例3:グリシン>
アルギニン塩酸塩10gをグリシン(特級、和光純薬工業製)80gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<比較例4:システイン>
アルギニン塩酸塩10gをシステイン(特級、光純薬工業製)8gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<比較例5:モノエタノールアミン>
アルギニン塩酸塩10gをモノエタノールアミン(特級、和光純薬工業製)7.5gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<比較例6:α−チオグリセリン>
アルギニン塩酸塩10gをα−チオグリセリン(特級、和光純薬工業製)7.5gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<比較例7:チオグリコール酸>
アルギニン塩酸塩10gをチオグリコール酸ナトリウム(特級、和光純薬工業製)7.5gとした以外は、実施例1と同様に、水溶液注射剤を製造した。
<試験例1>
得られた実施例及び比較例の水溶液注射剤のシリンジを、40℃で75%RHにて安定性試験器に保管した直後に及びその後、経時的にサンプリングを行い、類縁物質を以下の条件で測定した。
機器名:超高速液体クロマトグラフ装置
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:50×2.1mmI.D.オクタデシルシリカゲル
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸と0.07%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液の混液
流量:テリパラチドの保持時間が約18分になるように調整した
上記の条件で、各試料の各々のピーク面積を自動積分法により測定し、得られた類縁物質の割合(%)を得た。その結果を図1〜図3に示す。
図1〜3に示す結果から、実施例の水溶液注射剤では、水溶液注射剤中の類縁物質は、比較例に比較してより低減することができ、これによって、保存安定性が良好であり、生理活性ペプチドの安定性を長期にわたって維持することができる製剤が得られることがわかる。
なお、比較例1(アスコルビン酸)及び比較例2(アセチルトリプトファン)では、40℃、1週間保存の時点で、PTH(1−34)が甚だしく分解した。
<実施例7>
実施例1〜6で得られた水溶液注射剤を、ダブルチャンバープレフィルドシリンジ(ニプロ製)の第一室に、PTH(1−34)が63.3μg含有されるように充填し、凍結乾燥を行った。続いて、第二室に溶解液(生理食塩水)を充填し、ダブルチャンバープレフィルドシリンジに充填された凍結乾燥製剤を製造した。
<実施例8>
実施例1〜6で得られた水溶液注射剤を、ガラスバイアル(ニプロ製)に、PTH(1−34)が63.3μg含有されるように充填して、凍結乾燥を行い、ガラスバイアルに充填された凍結乾燥製剤を製造した。
本発明の水溶液注射剤は、保存安定性が良好であり、生理活性ペプチドの安定性を長期にわたって維持することができる製剤が得られることから、特に、液状で安定性が悪い製剤に対して有利に使用することができる。

Claims (9)

  1. パラサイロイドホルモン類又はその薬学的に許容され得る塩、及び
    ニコチンアミド及びフェノールからなる安定化剤を含有し、
    前記パラサイロイドホルモン類が、副甲状腺ホルモン、テリパラチド又はヒト−PTH(1−38)である液体組成物。
  2. ガラス製の容器に収納された請求項に記載の液体組成物。
  3. ガラス製、ポリプロピレン製又はシクロオレフィンポリマー製のシリンジに収納された請求項に記載の液体組成物。
  4. 前記ガラス製の容器又はシリンジの外側に脱酸素剤を備える請求項2又は3の液体組成物。
  5. 前記ガラス製の容器又はシリンジは、酸素透過性が1mL/m・日・atm以下及び/又は水蒸気透過速度が1g/平方メートル・日以下の樹脂製の袋で包装されている請求項2〜4のいずれか1つに記載の液体組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載の液体組成物の凍結乾燥製剤。
  7. ガラス製、ポリプロピレン製又はシクロオレフィンポリマー製のシリンジに収納された請求項の凍結乾燥製剤。
  8. 前記シリンジの外側に脱酸素剤を備える請求項の凍結乾燥製剤。
  9. 前記シリンジは、酸素透過性が1mL/m・日・atm以下及び/又は水蒸気透過速度が1g/平方メートル・日以下の樹脂製の袋で包装されている請求項7又は8に記載の凍結乾燥製剤。
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