JP6634663B2 - 粉砕機 - Google Patents
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Description
この特許文献1の粉砕機では、回転刃が摩耗した際の交換を容易にするために、回転する刃台に対して小さな破砕刃を周方向に均等間隔で複数、着脱自在な状態に取り付ける構造を採用している。
得るという要求にも十分に応えられるようにした粉砕機を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る粉砕機は、回転軸と、前記回転軸のまわりに径方向へ突出して設けられた回転刃と、前記回転軸の回転時に前記回転刃と咬合する外周側位置に固定された固定刃とを有し、前記回転刃は、前記固定刃と先に咬合する配置の先刃と当該先刃に後続して前記固定刃と咬合する配置の次刃とを有しており、前記先刃及び前記次刃は、刃先と当該刃先とは逆向きの尾端へ向けて板状に延出形成された板状刃元とを有しており、前記先刃及び前記次刃は、前記板状刃元同士を直接に重ね合わせるか又は刃先間隔調整用のシムプレートを介して間接に重ね合わせた状態で全ての板状刃元を板厚方向に串刺しにする固定ボルトにより刃台に固定されており、前記刃台には、前記先刃の前記刃元尾端を当て止めして被粉砕物に対する食い込み量を規制する起立面と、前記次刃の前記刃元尾端を当て止めして被粉砕物に対する食い込み量を規制する起立面とが上下に振り分けられて階段状に形成された階段状ストッパが設けられており、前記階段状ストッパには、前記各起立面の背後から前記先刃及び前記次刃の前記尾端へ向けて貫通する孔が形成され、前記階段状ストッパの各起立面に形成された孔に引き込みボルトが差し込まれて前記先刃及び前記次刃の前記尾端に螺合されていることを特徴とする。
前記先刃と前記次刃は互いに同一形状に形成されたものとするのがよい。
図1乃至図8は本発明に係る粉砕機1の第1実施形態を示している。また図9は、この粉砕機1を架台2上に設置すると共に、この粉砕機1を巻掛け伝動手段などの伝動部3により駆動源とされる電動モーター4と接続し、且つ粉砕機1及び伝動部3をケーシング5で覆った状態にして示している。
図9に示すように、ケーシング5は、側面に設けられた点検扉6,7を開放することで粉砕機1や伝動部3等に対するメンテナンス等を行えるようになっている。またケーシング5の上部には粉砕機1に対して樹脂ペレットなどの被粉砕物を供給する導入管8が接続されている。
なお以下の説明では、説明の便宜上、粉砕機1を中心において伝動部3や電動モーター4が配置された側(図6,8の左方)を「前」と言い、これとは逆側(図6,8の右方)を「後」と言う。また、粉砕機1を中心にして前側を向いたときの左手側(図7の左方)を「左」と言い、これとは逆側(図7の右方)を「右」と言う。
この装置本体20の上部には投入口21が設けられており、この投入口21はケーシング5の上部に設けられた導入管8(図9参照)と連通接続される。また装置本体20の下部には排出口22が設けられており、この排出口22は架台2内に設けられたホッパー部9(図9参照)と連通接続される。
これにより、図7中に二点鎖線で示すように左側の開閉壁17は左方へ向けて揺動自在とされ、また右側の開閉壁18は右方へ向けて揺動自在とされている。
これら左右の開閉壁17,18は、揺動域中で起立した状態(以下、「閉鎖状態」と言う)とされたときに、上ボルト26aによって上部の連結材14に止め付けられると共に下ボルト26bによって下部の連結材15に止め付けられることで、この閉鎖状態を保持するようになっている。
次に粉砕機1の主要部について詳説する。
この粉砕機1は、回転軸30と、この回転軸30のまわりに径方向へ突出して設けられた回転刃31と、回転軸30の回転時に回転刃31と咬合可能となる外周側位置に対して
固定された固定刃32とを有している。
回転刃31は、回転軸30のまわりで周方向に均等間隔をおいて放射状配置となるように複数設けられている。本第1実施形態では、8等分位置(45°間隔)に合計8個の回転刃31が設けられたものとしてある。
より具体的に言うと、先刃31A及び次刃31Bは、いずれも回転軸30からその径方向へ向けて片刃状に突出する刃先(刃先の尖端が回転方向へ向いている)と、この刃先とは逆向きとなる尾端側へ向けて一定肉厚を保持しつつ板状に延出形成された刃元とを有している。
そしてこれら先刃31A及び次刃31Bは、互いの刃元同士(板状部分同士)を直接に重ね合わせた状態にしたうえで、この重ね合わせ部分に固定ボルト38を串刺し状に貫通させることにより、一緒に回転軸30に固定するものとなっている。これにより回転刃31は、二枚刃を構成する(先刃31Aの刃先と次刃31Bの刃先とによって鋸刃状の形体を呈する)ものとなっている。
このようなスリーブ39を採用することで、回転軸30に対する回転刃31の取り付け角度を一定に保持させることが可能となり、しかも各回転刃31の着脱が容易に行えるようになっている。
また、各刃台41には階段状ストッパ42を取り付けておき、この階段状ストッパ42に先刃31A及び次刃31Bにおける刃元の各尾端を当て止めさせることにより、位置決めを行うようにしている。この階段状ストッパ42と先刃31A及び次刃31Bとの固定は、階段状ストッパ42の背後から挿入する引き込みボルト43により行う。
なお、図示は省略するが、先刃31A及び次刃31Bを回転軸30(刃台41)に取り付けるに際して、これら両刃31A,31Bの刃元間へ種々の肉厚に形成されたシムプレートを挟み込むようにして、間接的な重ね合わせ構造にさせることもできる。このシムプレート挟み構造を採用すれば、先刃31A及び次刃31Bの刃先間隔を任意に調節することができるので、後述する固定刃32との間で行う咬み合わせ調整などに対しても、有益に活用できることになる。
対に、刃先寄りを厚く刃元の尾端寄りを薄くしたりした板厚異形シムプレート(傾斜シムプレート)を用いることで、先刃31Aと次刃31Bとの刃先角度に微妙な変化を付与させることも可能になる。
本第1実施形態において各固定刃32は、装置本体20の上部の連結材14に対する左右両面(左部開閉壁17の上端部が当接する箇所及び右部開閉壁18の上端部が当接する箇所)と、下部の連結材15に対する左右両面(左部開閉壁17のヒンジ部23近傍及び右部開閉壁18のヒンジ部24近傍)との合計4箇所に、それぞれ1個(合計4個)の固定刃32が設けられたものとしてある。
これら先刃32A及び次刃32Bの具体的構造は、前記した回転刃31の先刃31A及び次刃31Bとほぼ同じである。
固定刃32においても先刃32A及び次刃32Bの刃幅は限定されるものではないが、本第1実施形態では、回転軸30の有効長(前後の固定壁12,13間距離)を2等分割した区画に対して、各区画長と同じ長さに形成された先刃32A及び次刃32Bを割り当てるようにしている。
固定刃32の場合は、先刃32A及び次刃32Bの重ね合わせ部分に固定ボルト47が串刺し状に貫通されて、この固定ボルト47によって装置本体20における上下の連結材14,15に固定されている。
また、階段状ストッパ48の背後から挿入する引き込みボルト49により先刃32A及び次刃32Bを固定する点についても、回転刃31の場合と略同様である。当然ながら、この階段状ストッパ48を採用することにより、先刃32A及び次刃32Bを被粉砕物に対して所定の食い込み量となるように設定する作業が、いとも簡単且つ正確に行えるようになっている。
前記したように、回転刃31及び固定刃32はそれぞれ二枚刃の構成を有している。そのため、固定刃32の先刃32Aを観点にして回転刃31の動きを観察すると、まず図2(a)に示すように、回転刃31の先刃31Aが固定刃32の先刃32Aに対して1回目の咬合を行い、続けて図2(b)に示すように、回転刃31の次刃31Bが固定刃32の先刃32Aに対して2回目の咬合を行うようになる。
ただ本第1実施形態の場合には、図4に関して後述するように、回転刃31と固定刃32との間で他の粉砕も生じることを付言しておく。
また、図2(b)の2次粉砕時において、回転刃31の次刃31Bの刃先と回転軸30の回転中心Pとを結んだ粉砕進行面と、この次刃31Bにおける進行側のスクイ面との間にできる角を「二次スクイ角η」とする。
このように、回転刃31に対し、先刃31Aと次刃31Bとの間にスクイ角のズレ角(θ<η)を生じさせているので、1次粉砕で被粉砕物Wの粗切りを行い、2次粉砕で更に被粉砕物Wを細かく粉砕するという作用を得ることができる。また、1次粉砕を行って被粉砕物Wに弾性変形(先刃31Aに引っ張られるような変形)が生じるようなことがあると、変形した被粉砕物Wが次刃31Bに引っ掛かり易くなるために粉砕作用は更に効率よく行われるようになる。
ただ本第1実施形態の場合には、図5に関して後述するように、回転刃31と固定刃32との間で他の粉砕も生じることを付言しておく。
また、図3(b)の2次粉砕時において、固定刃32の次刃32Bの刃先と回転軸30の回転中心Pとを結んだ粉砕進行面と、この次刃32Bにおける進行側のスクイ面との間にできる角を「二次スクイ角β」とする。
このように、固定刃32に対し、先刃32Aと次刃32Bとの間にスクイ角のズレ角(α<β)を生じさせているので、1次粉砕で被粉砕物Wの粗切りを行い、2次粉砕で更に被粉砕物Wを細かく粉砕するという作用を得ることができる。また、1次粉砕を行って被粉砕物Wに弾性変形(先刃32Aに引っ張られるような変形)が生じるようなことがあると、変形した被粉砕物Wが次刃32Bに引っ掛かり易くなるために粉砕作用は更に効率よ
く行われるようになる。
電動モーター4の始動で回転軸30を回転させることにより、装置本体20内で回転刃31(先刃31A及び次刃31B)が回転する。これにより、回転刃31と固定刃32(32A及び次刃32B)との間で連続した咬み合いが繰り返される。
そこで、被粉砕物をケーシング5上の導入管8から装置本体20の投入口21へと供給することで、被粉砕物は回転刃31と固定刃32との咬合により細かく破砕される。
回転刃31の回転数に関しては、従来の装置で同じ粉砕能率を得るうえで、どんなに低く設定しても2000rpmを必要としていたという事情があり、この従来事情に鑑みれば、相当に抑えた回転数で十分であると評価できる。
次に、本発明に係る粉砕機1における粉砕時の作用について説明する。
そのため、被粉砕物Wが樹脂ペレットのように細粒物等であったとしても、被粉砕物Wは固定刃32の先刃32Aと次刃32Bとの刃先間(三角溝状の窪み内)でしっかりとホールドされることがある。
要するに、回転刃31についての「1次粉砕」及び「2次粉砕」に加え、固定刃32にホールドされた状況下での2度の粉砕が行われることになり、一層高効率で確実な粉砕が行われるということである。
そのため、被粉砕物Wは回転刃31の先刃31Aと次刃31Bとの刃先間(三角溝状の窪み内)でしっかりとホールドされることがある。
要するに、固定刃32についての「1次粉砕」及び「2次粉砕」に加え、回転刃31にホールドされた状況下での2度の粉砕が行われることになり、一層高効率で確実な粉砕が行われるということである。
また、高能率粉砕が可能であることから、回転刃31の回転数を抑えることができるなど、粉砕の過程で無理な力が生じ難く、それだけ回転刃31及び固定刃32の摩耗や破損が抑えられることに繋がっている。そのため、回転刃31や固定刃32に関する交換や位
置調整等のメンテナンスに必要な稼働停止時間や作業の削減が図れ、益々、粉砕効率(装置としての稼働効率)が高くなり、ランニングコストの低廉化も図れるという利点がある。
例えば、回転刃31は、先刃31Aと次刃31Bとの二枚重ね構造とすることが限定されるものではなく、先刃31Aのみとしたり、次刃31Bを複数枚重ねた多重重ね構造としたりすることも可能である。
回転軸30は、本第1実施形態では横軸(軸心を水平又は水平に近似する角度に保持した軸)まわりに回転するものとしている。ただし、縦軸(軸心を鉛直又は鉛直に近似する角度に保持した軸)まわりに回転するもの等としてもよい。
粉砕の対象とする被粉砕物は、樹脂ペレットに限定されるものではなく、例えば樹脂成型品の製作時に発生するランナーやスプルなどとしてもよい。また、樹脂以外のもの(例えばゴムやパルプなど)を被粉砕物としてもよい。
2 架台
3 伝動部
4 電動モーター
5 ケーシング
6 点検扉
7 点検扉
8 導入管
9 ホッパー部
10 ダクト
11 空気搬送装置
12 前部の固定壁
13 後部の固定壁
14 上部の連結材
15 下部の連結材
17 左部の開閉壁
18 右部の開閉壁
20 装置本体
21 投入口
22 排出口
23 左部のヒンジ部
24 右部のヒンジ部
25 ヒンジ軸
26a 上ボルト
26b 下ボルト
27 スクリーン
30 回転軸
31 回転刃
31A 先刃
31B 次刃
32 固定刃
32A 先刃
32B 次刃
35 前部の軸受部
36 後部の軸受部
38 固定ボルト
39 スリーブ
41 刃台
42 階段状ストッパ
43 引き込みボルト
47 固定ボルト
48 階段状ストッパ
49 引き込みボルト
α 一次スクイ角
β 二次スクイ角
η 二次スクイ角
θ 一次スクイ角
P 回転中心
W 被粉砕物
Claims (4)
- 回転軸と、前記回転軸のまわりに径方向へ突出して設けられた回転刃と、前記回転軸の回転時に前記回転刃と咬合する外周側位置に固定された固定刃とを有し、
前記回転刃は、前記固定刃と先に咬合する配置の先刃と当該先刃に後続して前記固定刃と咬合する配置の次刃とを有しており、
前記先刃及び前記次刃は、刃先と当該刃先とは逆向きの尾端へ向けて板状に延出形成された板状刃元とを有しており、
前記先刃及び前記次刃は、前記板状刃元同士を直接に重ね合わせるか又は刃先間隔調整用のシムプレートを介して間接に重ね合わせた状態で全ての板状刃元を板厚方向に串刺しにする固定ボルトにより刃台に固定されており、
前記刃台には、前記先刃の前記刃元尾端を当て止めして被粉砕物に対する食い込み量を規制する起立面と、前記次刃の前記刃元尾端を当て止めして被粉砕物に対する食い込み量を規制する起立面とが上下に振り分けられて階段状に形成された階段状ストッパが設けられており、
前記階段状ストッパには、前記各起立面の背後から前記先刃及び前記次刃の前記尾端へ向けて貫通する孔が形成され、
前記階段状ストッパの各起立面に形成された孔に引き込みボルトが差し込まれて前記先刃及び前記次刃の前記尾端に螺合されている
ことを特徴とする粉砕機。 - 回転軸と、前記回転軸のまわりに径方向へ突出して設けられた回転刃と、前記回転軸の回転時に前記回転刃と咬合する外周側位置に固定された固定刃とを有し、
前記固定刃は、前記回転刃と先に咬合する配置の先刃と当該先刃に後続して前記回転刃と咬合する配置の次刃とを有しており、
前記先刃及び前記次刃は、刃先と当該刃先とは逆向きの尾端へ向けて板状に延出形成された板状刃元とを有しており、
前記先刃及び前記次刃は、前記板状刃元同士を直接に重ね合わせるか又は刃先間隔調整用のシムプレートを介して間接に重ね合わせた状態で全ての板状刃元を板厚方向に串刺しにする固定ボルトにより刃台に固定されており、
前記刃台には、前記先刃の前記刃元尾端を当て止めして被粉砕物に対する食い込み量を規制する起立面と、前記次刃の前記刃元尾端を当て止めして被粉砕物に対する食い込み量を規制する起立面とが上下に振り分けられて階段状に形成された階段状ストッパが設けられており、
前記階段状ストッパには、前記各起立面の背後から前記先刃及び前記次刃の前記尾端へ向けて貫通する孔が形成され、
前記階段状ストッパの各起立面に形成された孔に引き込みボルトが差し込まれて前記先刃及び前記次刃の前記尾端に螺合されている
ことを特徴とする粉砕機。 - 前記先刃及び前記次刃の板状刃元はいずれも一定肉厚を保持して形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の粉砕機。
- 前記先刃と前記次刃は互いに同一形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の粉砕機。
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JP2017005243A JP6634663B2 (ja) | 2017-01-16 | 2017-01-16 | 粉砕機 |
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JP2017005243A Active JP6634663B2 (ja) | 2017-01-16 | 2017-01-16 | 粉砕機 |
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JP (1) | JP6634663B2 (ja) |
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2017
- 2017-01-16 JP JP2017005243A patent/JP6634663B2/ja active Active
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