JP6634514B2 - 収率が向上した熱可塑性ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

(背景)
ポリエーテルイミドおよびポリカーボネートなどの高性能ポリマーは、ポリマーを有機溶媒中で乳化し、さらに蒸留によって有機溶媒をエマルジョンから除去することによって、超微細な粉末、例えば、直径が100μm以下である粒子を含む粉末にすることができる。そのような方法に関連した情報は、米国特許第6,528,611号明細書中に見られる。しかしながら、そのようなエマルジョン分離プロセスによって製造された粒子は、粒子の不十分な収率をもたらし得る。特に、粒子の収率は90%未満であり得る。さらに、平均サイズが20〜100μmである粒子を達成するのは、依然として既知の技術を使用する課題のままである。
したがって、平均サイズが20〜100μmである球状のポリマー粒子を、商業上実現可能であるより高い収率で得るために最適化した方法が必要である。付加製造および粉体塗装を含む用途がそのような方法により利益を受けることができる。
熱可塑性ポリマー粒子の製造方法は、熱可塑性ポリマーと有機溶媒とを含む第1の溶液と、水性溶媒と界面活性剤とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50℃以上、好ましくは50〜100℃、より好ましくは55〜95℃、さらにより好ましくは55〜85℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水性溶媒中に分散した複数の熱可塑性ポリマー粒子を含む水性分散体を形成するステップと、D50が20〜100μm、好ましくは20〜90μm、より好ましくは20〜80μm、さらにより好ましくは30〜70μmである熱可塑性ポリマー粒子を回収するステップと、を含み、直径が150μm未満である粒子が、85%超、好ましくは90%超、より好ましくは95%超、さらにより好ましくは97%超の収率で回収される。
ポリカーボネート粒子の製造方法は、ポリカーボネートと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50〜100℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリカーボネート粒子を含む水性分散体を形成するステップと、直径が150μm未満であり、かつD50が20〜80μmであるポリカーボネート粒子を90%以上の収率で回収するステップと、を含み、該エマルジョンは、水/有機溶媒の質量比が0.5〜1の水と、ポリカーボネートと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量の熱可塑性ポリマーと、界面活性剤/ポリカーボネートの質量比が0.01〜0.04の界面活性剤とを含む。
ポリエーテルイミド粒子の製造方法は、ポリエーテルイミドと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50〜100℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリエーテルイミド粒子を含む水性分散体を形成するステップと、直径が150μm未満であり、かつD50が20〜80μmであるポリエーテルイミド粒子を90%以上の収率で回収するステップと、を含み、該エマルジョンは、水/有機溶媒の質量比が0.5〜1の水と、ポリエーテルイミドと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量の熱可塑性ポリマーと、界面活性剤/ポリエーテルイミドの質量比が0.01〜0.04の界面活性剤と含む。
上記方法によって調製される熱可塑性ポリマー粒子も記載される。
一実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子は、熱可塑性ポリマーとゼラチンとを含み、熱可塑性ポリマー粒子のD50が20〜100μmであり、ゼラチンの存在量が、1000ppm未満、好ましくは1ppb〜1000ppm、より好ましくは1ppb〜500ppm、さらにより好ましくは1ppb〜100ppmである。
上記のおよび他の特徴を、以下の図面および詳細な説明によって例示する。
以下の図面は典型的な実施形態のものである。
水の比率およびポリマー溶液濃度へのD50粒径の依存の3次元(3D)表面積プロットを示す。 水の比率およびポリマー溶液濃度へのD50粒径の依存の3D表面積プロットを示す。 水の比率およびポリマー溶液濃度への150μm未満の微粉化粒子の収率の依存の3D表面積プロットを示す。 水の比率およびポリマー溶液濃度への150μm未満の微粉化粒子の収率の依存の3D表面積プロットを示す。 30μm超の粒径および85%超のプロセス収率を満たす網掛け領域の設計空間を示す。 ポリカーボネート粒子のD50粒径への均質化速度(rpm)の効果を示す。 図7Aは、エマルジョンプロセスによって調製したポリカーボネート粉末の3,000Xの倍率での走査電子顕微鏡画像を示す。図7Bは、エマルジョンプロセスによって調製したポリカーボネート粉末の35,000Xの倍率での走査電子顕微鏡画像を示す。 図8Aは、エマルジョンプロセスによって調製し、0.05%のヒュームド・シリカと混合したポリカーボネート粉末の3,000Xの倍率での走査電子顕微鏡画像を示す。図8Bは、エマルジョンプロセスによって調製し、0.05%のヒュームド・シリカと混合したポリカーボネート粉末の35,000Xの倍率での走査電子顕微鏡画像を示す。 水の比率およびポリマー溶液濃度へのD50粒径の依存の3D表面積プロットを示す。 水の比率およびポリマー溶液濃度へのD50粒径の依存の3D表面積プロットを示す。 ゼラチン濃度(100万分の1、ppm)と196nmの吸光度との直線関係を示す。
エマルジョンからの水性ポリマー分散体の形成に依存する熱可塑性ポリマー粒子の製造方法が本明細書にて開示される。本明細書に記載の方法を用いて、平均サイズが20〜100μmであるポリマー粒子を高収率(例えば90%超)で得ることができる。本発明者らは、界面活性剤の種類、ポリマー濃度、水と有機溶媒との比率、および界面活性剤とポリマーとの比率を含む方法のパラメータを変えることで、生じたポリマー粒径および全体のプロセスの収率に顕著に影響を与え得ることを発見した。したがって、本発明者らは、望ましいサイズを有するポリマー粒子の高収率での調製を可能にする最適化したプロセス条件を特定した。
したがって、本明細書では、熱可塑性ポリマー粒子の製造方法が開示される。該方法は、90%超の収率でポリマー粒子を好都合に提供できる。該方法は、熱可塑性ポリマーと有機溶媒とを含む第1の溶液と、水性溶媒と界面活性剤とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップを含む。
第1の溶液は、概して、有機溶媒中に熱可塑性ポリマーを溶解させて、第1の溶液を形成することによって調製できる。本明細書で、「熱可塑性」は、可塑性であるか、または可変であり、加熱した際に液体に融解し、十分に冷却した際に、脆いガラス状態に凍結する材料を指す。熱可塑性プラスチックは典型的には高分子量のポリマーである。使用できる熱可塑性ポリマーの例としては、ポリアセタール(例えば、ポリオキシエチレンおよびポリオキシメチレン)、ポリ(C1−6アルキル)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアミド、(例えば、脂肪族ポリアミド、ポリフタルアミド、およびポリアラミド)、ポリアミドイミド、ポリ無水物、ポリアリレート、ポリアリーレンエーテル(例えば、ポリフェニレンエーテル)、ポリアリーレンスルフィド(例えば、ポリフェニレンスルフィド)、ポリアリールスルホン(例えば、ポリフェニレンスルホン)、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾキサゾール、ポリカーボネート(ポリカーボネート−シロキサン、ポリカーボネート−エステル、およびポリカーボネート−エステル−シロキサンなどのポリカーボネートコポリマーを含む)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、およびポリエステル−エーテルなどのポリエステルコポリマー)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド(ポリエーテルイミド−シロキサンコポリマーなどのコポリマーを含む)、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド(ポリイミド−シロキサンコポリマーなどのコポリマーを含む)、ポリ(C1−6アルキル)メタクリレート、ポリメタクリルアミド、ポリノルボルネン(ノルボルネニル単位を有するコポリマーを含む)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、およびそれらのコポリマー、例えばエチレン−α−オレフィンコポリマー)、ポリオキサジアゾール、ポリオキシメチレン、ポリフタリド(polyphthalide)、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリスチレン(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)およびメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)などのコポリマーを含む)、ポリスルフィド、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリスルホン、ポリチオエステル、ポリトリアジン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルケトン、ポリビニルチオエーテル、フッ化ポリビニリデン、または同種のもの、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせ熱可塑性ポリマーが挙げられる。ポリアセタール、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリオレフィン、およびABSなどのポリスチレンコポリマーが、幅広い種類の物品にて特に有用であり、良好な加工性を有し、リサイクル可能である。
有用なポリアミドとしては、合成直鎖ポリアミド、例えば、ナイロン−6,6、ナイロン−6,9;ナイロン−6,10;ナイロン−6,12;ナイロン−11;ナイロン−12およびナイロン−4,6、好ましくはナイロン6およびナイロン6,6、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられるが、これらに制限されない。使用できるポリウレタンとしては、上記のものを含む、脂肪族、脂環式、芳香族、および多環式のポリウレタンが挙げられる。ポリ(C1−6アルキル)アクリレートおよびポリ(C1−6アルキル)メタクリレートも有用であり、例えば、数例を挙げると、メチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリルアミド、メタクリル酸、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、およびエチルアクリレートの1つ以上のポリマーがある。
ポリオレフィンの代表的な例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン(およびそれらのコポリマー)、ポリノルボルネン(およびそれらのコポリマー)、ポリ1−ブテン、ポリ(3−メチルブテン)、ポリ(4−メチルペンテン)並びにエチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクタデセンとのコポリマーである。ポリオレフィンの代表的な組み合わせは、ポリエチレンとポリプロピレンとを含む組み合わせ、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを含む組み合わせ、共重合可能なモノマーを含有するオレフィンコポリマーとポリエチレンとを含む組み合わせである。共重合可能なモノマーを含有するオレフィンコポリマーとポリエチレンとを含む組み合わせの一部は、上記に記載されており、例えば、エチレンとアクリル酸のコポリマー;エチレンとメチルアクリレートのコポリマー;エチレンとエチルアクリレートのコポリマー;エチレンと酢酸ビニルのコポリマー;エチレンとアクリル酸とエチルアクリレートのコポリマー;並びにエチレンとアクリル酸と酢酸ビニルのコポリマーである。
一部の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリエーテルイミド、ポリカーボネートホモポリマー、ポリ(エステル−カーボネート)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む。一部の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリエーテルイミド、ポリカーボネートホモポリマー、ポリ(エステル−カーボネート)ポリ(シロキサン−カーボネート)、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む。
一部の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリエーテルイミドを含む。ポリエーテルイミドは、1個超の、例えば10〜1000個、または10〜500個の式(1)の構造単位を含む:
式中、Rはそれぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、置換または非置換のC6−20芳香族炭化水素基、置換または非置換の直鎖または分岐鎖C2−20アルキレン基、置換または非置換のC3−8シクロアルキレン基、または前記のいずれかのハロゲン化誘導体などの、置換または非置換の二価有機基である。一部の実施形態では、Rは下式(2)の1つ以上の二価の基である:
式中、Qは−O−、−S−、−C(O)−、−SO−、−SO−、−P(R)(=O)−(RはC1−8アルキルまたはC6−12アリール)、−C2y−(yは1〜5の整数)もしくはそのハロゲン化誘導体(パーフルオロアルキレン基を含む)、または−(C10z−(zは1〜4の整数)である。一部の実施形態では、Rはm−フェニレン、p−フェニレン、またはジアリーレンスルホン、特にビス(4,4’−フェニレン)スルホン、ビス(3,4’−フェニレン)スルホン、ビス(3,3’−フェニレン)スルホン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせである。一部の実施形態では、R基の少なくとも10モル%または少なくとも50モル%がスルホン基を含有し、他の実施形態ではスルホン基を含有するR基がない。
さらに、式(1)中、Tが−O−または式−O−Z−O−の基であり、ここで、−O−Z−O−基の二価の結合が、3,3’、3,4’、4,3’、または4,4’の位置であり、Zは1〜6個のC1−8アルキル基、1〜8個のハロゲン原子、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせで、Zの価数を超えないことを条件として任意選択的に置換された芳香族C6−24単環式または多環式部分である。Z基の例は、下式(3)の基である:
式中、RおよびRは、それぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、例えばハロゲン原子または一価のC1−6アルキル基であり、pおよびqは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、cは0〜4であり、Xは、ヒドロキシ置換芳香族基を結合する架橋基であり、Cアリーレン基それぞれの架橋基およびヒドロキシ置換基は、該Cアリーレン基上で互いにオルト、メタ、またはパラ(具体的にはパラ)に配置されている。架橋基Xは単結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、またはC1−18有機架橋基であり得る。該C1−18有機架橋基は、環式または非環式であり得、芳香族または非芳香族であり得、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、またはリンなどのヘテロ原子をさらに含み得る。該C1−18有機基は、それに結合するCアリーレン基が、共通のアルキリデン炭素か、またはC1−18有機架橋基の異なる炭素にそれぞれ結合されるように配置され得る。Z基の具体例は、下式(3a)の二価の基である:
式中、Qは、−O−、−S−、−C(O)−、−SO−、−SO−、−P(R)(=O)−(RはC1−8アルキルまたはC6−12アリール)、または−C2y−(yは1〜5の整数)もしくはそのハロゲン化誘導体(ペルフルオロアルキレン基を含む)である。特定の実施形態では、Zは、式(3a)中のQが2,2−イソプロピリデンであるようにビスフェノールAから誘導される。
一実施形態では、式(1)中、Rがm−フェニレン、p−フェニレン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、Tが−O−Z−O−であり、ここで、Zは式(3a)の二価の基である。代替として、Rはm−フェニレン、p−フェニレン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、Tは−O−Z−O−であり、ここで、Zは式(3a)の二価の基であり、Qは2,2−イソプロピリデンである。代替として、ポリエーテルイミドは、式(1)の追加の構造ポリエーテルイミド単位を任意選択的に含むコポリマーであり得、該式(1)の追加の構造ポリエーテルイミド単位では、R基の少なくとも50モル%(mol%)がビス(4,4’−フェニレン)スルホン、ビス(3,4’−フェニレン)スルホン、ビス(3,3’−フェニレン)スルホン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、残りのR基がp−フェニレン、m−フェニレン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、Zが2,2−(4−フェニレン)イソプロピリデン、すなわち、ビスフェノールA部分である。
一部の実施形態では、ポリエーテルイミドは、ポリエーテルイミド単位ではない追加の構造イミド単位、例えば下式のイミド単位を任意選択的に含むコポリマーである:
式中、Rは式(1)にて記載された通りであり、Vは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、置換または非置換のC6−20芳香族炭化水素基、例えば下式の四価リンカーである:
式中、Wは単結合、−O−、−S−、−C(O)−、−SO−、−SO−、−P(R)(=O)−(RはC1−8アルキルまたはC6−12アリール)、または−C2y−(yは1〜5の整数)もしくはそのハロゲン化誘導体(パーフルオロアルキレン基を含む)である。これらの追加の構造イミド単位は、好ましくは、合計の単位数の20mol%未満を含み、より好ましくはそれらの存在量は、合計の単位数の0〜10mol%、または合計の単位数の0〜5mol%、または合計の単位数の0〜2モル%であり得る。一部の実施形態では、該ポリエーテルイミド中に追加のイミド単位が存在しない。
該ポリエーテルイミドは、下式(5)の芳香族ビス(エーテル無水物)またはその化学的等価物と、下式(6)の有機ジアミンとの反応を含む当業者に周知の方法のいずれかによって調製できる:
式中、TおよびRは、上記で定義されたとおりである。ポリエーテルイミドのコポリマーは、式(5)の芳香族ビス(エーテル無水物)と、ビス(エーテル無水物)ではない追加のビス(無水物)、例えばピロメリット酸二無水物またはビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物との組み合わせを用いて製造できる。
芳香族ビス(エーテル無水物)の例示の例としては、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(ビスフェノールA二無水物またはBPADAとしても既知)、3,3−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物が挙げられる。異なる芳香族ビス(エーテル無水物)の組み合わせが使用できる。
有機ジアミンの例としては、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4−メチルノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2、2−ジメチルプロピレンジアミン、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィド、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、2−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、5−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,5−ジアミノナフタレン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(2−クロロ−4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,4−ビス(p−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−メチル−o−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(p−メチル−o−アミノペンチル)ベンゼン、1、3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス−(4−アミノフェニル)スルホン(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)としても既知)、およびビス(4−アミノフェニル)エーテルが挙げられる。前記化合物のいずれの位置異性体も使用できる。前記のいずれかのC1−4アルキル化またはポリ(C1−4)アルキル化誘導体、例えばポリメチル化1,6−ヘキサンジアミンも使用できる。これらの化合物の組み合わせも使用できる。一部の実施形態では、有機ジアミンは、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせである。
ポリエーテルイミドのメルトインデックスは、米国材料試験協会(ASTM)D1238によって、340〜370°C、6.7kgの質量を用いて測定した0.1〜10g/分であり得る。一部の実施形態では、ポリエーテルイミドの質量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン標準を用いてゲル浸透クロマトグラフィーで測定した1,000〜150,000g/モル(Da)である。一部の実施形態ではポリエーテルイミドのMwは10,000〜80,000Daである。そのようなポリエーテルイミドの固有粘度は、典型的には、25℃でm−クレゾール中で測定した0.2dL/g超であるか、またはより具体的には、0.35〜0.7dL/gである。
一部の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリカーボネートを含む。本明細書で「ポリカーボネート」とは、下式(7)の繰り返しカーボネート構造単位を有するポリマーまたはコポリマーを意味する:
式中、R基の合計数の少なくとも60%が芳香族であるか、またはRはそれぞれ少なくとも1個のC6−30芳香族基を含有する。具体的には、Rはそれぞれ、下式(8)の芳香族ジヒドロキシ化合物または下式(9)のビスフェノールなどのジヒドロキシ化合物から誘導し得る。
式(8)中、Rはそれぞれ独立に、ハロゲン原子(例えば臭素)、C1−10アルキル、ハロゲン置換C1−10アルキルなどのC1−10ヒドロカルビル基、C6−10アリール、またはハロゲン置換されたC6−10アリールであり、nは0〜4である。
式(9)中、RおよびRは、それぞれ独立に、ハロゲン、C1−12アルコキシ、またはC1−12アルキルであり、pおよびqは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、pまたはqが4未満である場合、環の各炭素の価数は水素で満たされている。一実施形態では、pおよびqはそれぞれ0であるか、またはpおよびqはそれぞれ1であり、RおよびRはそれぞれ各アリーレン基上のヒドロキシ基に対してメタ位であるC1−3アルキル基、具体的にはメチルである。Xは、2つのヒドロキシ置換芳香族基を結合する架橋基であり、ここで、Cアリーレン基それぞれの架橋基およびヒドロキシ置換基は、該Cアリーレン基上で互いにオルト、メタ、またはパラ(具体的にはパラ)で配置されており、例えば、単結合、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、またはC1−18有機基である。該C1−18有機基は、環式または非環式であり得、芳香族または非芳香族であり得、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、またはリンなどのヘテロ原子をさらに含み得る。例えば、Xは、置換または非置換のC3−18シクロアルキリデン;式−C(R)(R)−(RおよびRはそれぞれ独立に水素、C1−12アルキル、C1−12シクロアルキル、C7−12アリールアルキル、C1−12ヘテロアルキル、または環式C7−12ヘテロアリールアルキル)のC1−25アルキリデン;または式−C(=R)−(Rは二価C1−12炭化水素基)の基であり得る。
使用できるジヒドロキシ化合物の一部の例示の例は、例えば、国際公開第2013/175448A1号、米国特許出願公開第2014/0295363号明細書、および国際公開第2014/072923号に記載されている。特定のジヒドロキシ化合物としては、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」または「BPA」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、2−フェニル−3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン(N−フェニルフェノールフタレインビスフェノール,「PPPBP」、または3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルイソインドリン−1−オン)としても既知)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンビスフェノール)が挙げられる。
一般に、本明細書で開示されている方法での使用に適した有機溶媒は、以下の特徴の組み合わせを有する。熱可塑性ポリマー(例えば、ポリエーテルイミドまたはポリカーボネート)が有機溶媒に可溶であり、溶媒が100℃未満の沸点を有し、有機溶媒が水と非混和性である。有機溶媒は、少なくとも2種の有機溶媒を含む組み合わせを含み得る。有機溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、有機溶媒が塩化メチレンである。
第1の溶液を、水性溶媒と界面活性剤とを含む第2の溶液と混合し、任意選択的に撹拌して、エマルジョンを形成する。一部の実施形態では、水性溶媒は水、好ましくは脱イオン水である。一部の実施形態では、水性溶媒は水性緩衝液であり得る。水性溶媒のpHは、1〜12、好ましくは4〜8であり得る。水は、5〜70℃、または10〜60℃、または15〜60℃、または20〜60℃、または25〜60℃の温度で維持できる。一部の実施形態では、第1の溶液と第2の溶液との混合は、例えば、高せん断ミキサーを用いて、3,000rpm超、好ましくは4,000〜20,000rpm、より好ましくは4,000〜10,000rpmの速度で混合物を撹拌することを含む。
一部の実施形態では、界面活性剤は、バイオポリマー、例えばゼラチン、カラギーナン、ペクチン、ダイズタンパク質、レシチン、カゼイン、コラーゲン、アルブミン、アラビアゴム、寒天、タンパク質、セルロースおよびそれらの誘導体、多糖およびその誘導体、デンプンおよびその誘導体、または同種のもの、あるいは前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み、好ましくはゼラチンを含む。ゼラチンは、動物の皮膚、白色結合組織、および骨由来のコラーゲンの部分的な加水分解によって得られる生成物である。ゼラチンは、ペプチド結合をもたらすように隣接したイミノ基とカルボニル基との間に結合した種々のアミノ酸を含む誘導タンパク質である。ゼラチン中のアミノ酸の組み合わせによって、両性の性質がもたらされ、加工方法にいくらか依存して、等電値の変動に関与する。溶解度、膨潤、および粘度などのゼラチンの重要な物理的特性は、等電点で最小値を示す。一部の実施形態では、ゼラチンは、組み換え型ゼラチンまたは植物ベースのゼラチンであり得る。
ゼラチン界面活性剤は、タイプAゼラチン、タイプBゼラチン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み得る。タイプAゼラチンは、酸前処理(酸の存在下での原材料の膨潤)から生じ、一般に、pH1〜2の希酸(HCl、HSO、HPO、またはHSO)中で冷凍ブタ皮膚を10〜30時間処理し、その後、それを水で洗浄して過剰な酸を除去し、続いて従来の方式で抽出および乾燥することにより製造される。タイプBゼラチンは、アルカリ前処理(アルカリの存在下での原材料の膨潤)から生じ、一般に、骨質または皮膚の原料を飽和石灰水中で3〜12週間処理し、その後、石灰を洗い落とし、酸で中和することにより製造される。その後、調整した原料を、熱水で抽出し、タイプAと同様に乾燥する。ドライボーンをきれいにし、破砕し、10〜14日間4〜7%HClで処理して、無機物(主にリン酸三カルシウム)および他の不純物を、骨質として既知の段階に達する前に除去する。ドライボーンではゼラチンが13〜17%である一方で、乾燥骨質ではゼラチンが63〜70%である。タイプAゼラチンは、等電域がpH7〜9であるのを特徴とする一方で、タイプBゼラチンは、等電域がpH4.7〜5.0である。したがって、界面活性剤として使用する場合のゼラチンのイオン性が、第2の溶液のpHに基づいて選択できる。互いに比較すると、タイプAゼラチンは、タイプBより色が少なく、より透明であり、フィルム形態でより脆く、より速く乾燥する。一部の実施形態では、ゼラチンはタイプBゼラチンである。
他の実施形態では、界面活性剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、および同種のものなどの高分子界面活性剤、または分子量が約150超であり、ポリエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤である。例えば、ポリエチレン系非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドを約1〜約25mol有し、エチレンオキシドの狭いホモログ分布(「狭範エトキシレート(narrow range ethoxylate)」)またはエチレンオキシドの幅広いホモログ分布(「広範エトキシレート(broad range ethoxylate)」)を有するC8−22脂肪族アルコールエトキシレートであり得、好ましくはエチレンオキシドを約2〜約18mol有するC10−20脂肪族アルコールエトキシレートであり得る。この種類の市販の非イオン性界面活性剤の例は、狭い分子量分布を有する、Dow Chemicals社のTERGITOL15−S−9(9molのエチレンオキシドを有するC11−15直鎖第2級アルコールの縮合生成物)、TERGITOL24−L−NMW(6モルのエチレンオキシドを有するC12−14直鎖第1級アルコールの縮合生成物)である。この種類の製品としては、Clariant社のGENAPOL(商標)もある。使用できる他の非イオン性界面活性剤としては、C6−12アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンオキシド縮合物、例えばC6−12アルキルフェノールのモル当たり4〜25モルのエチレンオキシド、好ましくはC6−12アルキルフェノールのモル当たり5〜18モルのエチレンオキシドを有する化合物が挙げられる。この種類の市販の界面活性剤としては、Dow Chemicals社のIGEPAL CO−630、TRITON X−45、X−114、X−100およびX102、TERGITOL TMN−10、TERGITOL TMN−100X、およびTERGITOL TMN−6(すべてポリエトキシ化2,6,8−トリメチル−ノニルフェノールまたはこれらの混合物)、Hoechst社のArkopal−N製品が挙げられる。さらに他の例としては、プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成された疎水性鎖を有するエチレンオキシドの付加生成物である。これらの化合物の疎水性部分は、好ましくは分子量が約1500〜約1800Daである。この種類の市販の製品の例としては、BASF社のPluronic(商標)およびHoechst社のGenapol PF(商標)がある。プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物でのエチレンオキシドの付加生成物も使用できる。これらの化合物の疎水性部分は、エチレンジアミンと過剰なプロピレンオキシドとの反応生成物からなり、概して約2500〜約3000Daの分子量を有する。エチレンオキシドのこの疎水性部分は、生成物がポリオキシエチレンを約40〜約80質量%を含有し、約5000〜約11,000Daの分子量を有するまで付加される。化合物のこの種類の市販の例は、BASF社のTETRONIC(商標)およびHoechst社のGenapol PN(商標)である。一部の実施形態では、非イオン性界面活性剤はC6−12アルキルフェノールのモル当たり4〜25モルのエチレンオキシド、好ましくはC6−12アルキルフェノールのモル当たり5〜18モルのエチレンオキシドを有するC6−12アルキルフェノールである。
一部の実施形態では、界面活性剤は、ソルビトール誘導体、例えばソルビタンエステル、またはポリエトキシ化ソルビタンエステルを含む非イオン性界面活性剤であり得る。この種類の市販の非イオン性界面活性剤の例は、脂肪酸とソルビトール由来のヘキシトール無水物との部分的なエステルであり、SPAN20(ラウリン酸の残基を含む)、SPAN40(パルミチン酸の残基を含む)、およびSPAN80(オレイン酸の残基を含む)が挙げられる。適したポリエトキシ化ソルビタンエステルとしてはTWEEN20、TWEEN40、TWEEN60、TWEEN65、およびTWEEN80が挙げられ、それぞれICI Americas社(Wilmington,Del)から市販されている。TWEEN界面活性剤は、それぞれ、液状の種々のポリオキシエチレン脂肪酸エステルの混合物である。例えば、TWEEN20は、約60質量%のラウリン酸(ドデカン酸)と、約18%のミリスチン酸(テトラデカン酸)と、約7%のカプリル酸(オクタン酸)と、約6%のカプリン酸(デカン酸)のポリオキシエチレン(POE)エステルを含む。TWEEN40は、概して、約90%のパルミチン酸(ヘキサデカン酸)のPOEエステルを含む。TWEEN60は、概して、約49%のステアリン酸(オクタデカン酸)と、約44%パルミチン酸のPOEエステルを含む。TWEEN80は、概して、約69%のオレイン酸(シス−9−オクタデカン酸)と、約3%のリノール酸(リノール酸)と、約3%のリノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸)と、約1%のステアリン酸と、約1%パルミチン酸のPOEエステルを含む。
一部の実施形態では、界面活性剤は、イオン界面活性剤、好ましくはサルコシルとしても既知であるラウロイルサルコシンナトリウムを含み得る。
一部の実施形態では、第2の溶液の界面活性剤は、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを除き、好ましくは第2の溶液の界面活性剤は、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウムを除く。
一部の実施形態では、エマルジョンは、熱可塑性ポリマーと有機溶媒との合計質量に対して、10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%、より好ましくは17〜25質量%、さらにより好ましくは19〜25質量%の量で熱可塑性ポリマーを含む。一部の実施形態では、エマルジョンは、0.4以上、好ましくは0.5〜3、より好ましくは0.5〜1.5、さらにより好ましくは0.8〜1.25の水/有機溶媒の質量比で水を含む。一部の実施形態では、エマルジョンは、0.005以上、好ましくは0.005〜0.1、より好ましくは0.009〜0.05、さらにより好ましくは0.01〜0.05の界面活性剤/熱可塑性ポリマーの質量比で界面活性剤を含む。
生じたエマルジョンを受入水に移す。受入水は、脱イオン水、水性緩衝液、またはpHが1〜12である水であり得る。一部の実施形態では、受入水は、任意選択的に界面活性剤を含む。受入水中に存在する界面活性剤は、第2の溶液の界面活性剤と同じであっても異なっていてもよい。一部の実施形態では、受入水中に存在する界面活性剤は、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせ、好ましくはドデシルベンゼン硫酸ナトリウムであり得る。存在する場合、受入水中の界面活性剤の量は、受入水の合計質量に対して、0.01〜3質量%、または0.01〜1質量%、または0.1〜0.5質量%であり得る。受入水は、50℃以上、好ましくは50〜100℃、より好ましくは55〜95℃、さらにより好ましくは55〜85℃の温度で維持して、有機溶媒を除去し、水中に分散した複数の熱可塑性ポリマー粒子を含む水性分散体を形成し得る。
一部の実施形態では、エマルジョンを滴下して受入水に移し得る。一部の実施形態では、エマルジョンを、ノズルで噴霧することによって、受入水に移すことができる。一部の実施形態では、受入水に移す前に、エマルジョンを、エマルジョンの沸点未満またはそれを超えて加熱することができる。エマルジョンを受入水に移した後、有機溶媒を除去して(例えば蒸留で)、水性ポリマー分散体を形成することができる。
該方法は、熱可塑性ポリマー粒子を回収するステップをさらに含む。回収は、分散体を濾過することによって可能である。濾過は、1つ以上のステップを含むことができ、それぞれのステップは独立に望ましい細孔径を有するフィルターを用いる。例えば、粒子の回収は、平均細孔径が150μmであるフィルターで分散体を濾過して、大きな粒子(例えば、直径150μm超の粒子)を除去することを含み得る。その後、直径が150μm未満である粒子を含む濾液を、例えば平均細孔径が1μmであるフィルターを用いて濾過して、熱可塑性ポリマー粒子を含む湿潤ケーキを提供することができる。一部の実施形態では、湿潤ケーキを水で1回以上洗浄でき、例えば湿潤ケーキを脱イオン水で、25〜100℃の温度で洗浄できる。湿潤粒子を、残存の界面活性剤の望ましい濃度に到達するまで洗浄できる。例えば、湿潤粒子を、残存界面活性剤の量が、1000ppm未満、または1ppb〜1000ppm、または1ppb〜500ppm、または1ppb〜100ppm、または1ppb〜1ppmとなるまで脱イオン水で洗浄できる。一部の実施形態では、湿潤ケーキを、例えば加熱、真空下、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせで乾燥できる。
水性分散体から回収した熱可塑性ポリマー粒子のD50粒径は、20〜100μm、好ましくは20〜90μm、より好ましくは20〜80μm、さらにより好ましくは30〜70μmである。一部の実施形態では、該粒子の粒径分布スパンが2未満、好ましくは1.75未満、より好ましくは1.5未満である。一部の実施形態では、粒子の粒径分布スパンが0.8〜2、または0.9〜1.75、または1〜1.50である。一部の実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子のかさ密度が0.5g/cm超、好ましくは0.6g/cm超、より好ましくは0.7g/cm超である。
直径が150μm未満である熱可塑性ポリマー粒子が、85%超、好ましくは90%超、より好ましくは95%超、さらにより好ましくは97%超の収率で回収される。
一部の実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子は、望ましい流動性を達成するためにフロー促進剤と混合できる。一部の実施形態では、ポリマー粒子は、ポリマー粒子の質量に対して、0.001〜1質量%、または0.005〜1質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.05〜0.25質量%の量のフロー促進剤と混合できる。粒子をフロー促進剤と混合することによって、4以上、より好ましくは10以上の流動性を有する粒子を提供できる。一部の実施形態では、フロー促進剤は、未修飾ヒュームド金属酸化物、疎水性ヒュームド金属酸化物、親水性ヒュームド金属酸化物、水和シリカ、非晶質アルミナ、ガラス質シリカ、ガラス質リン酸塩、ガラス質ホウ酸塩、ガラス質オキシド、チタニア、タルク、マイカ、カオリン、アタパルジャイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む。一部の実施形態では、フロー促進剤は、ヒュームド・シリカ、ヒュームド・酸化アルミニウム、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む。一部の実施形態では、フロー促進剤は、好ましくはヒュームド・シリカを含む。フロー促進剤は、任意選択的には、表面修飾フロー促進剤であり、例えば、フロー促進剤は、疎水性または親水性表面修飾を含むことができる。市販の適したフロー促進剤の例としては、Evonik社から商品名SIPERNATおよびAEROSILの下で入手可能なものや、CAB−O−SILおよびCAB−O−SPERSE親水性ヒュームド・シリカ、CAB−O−SILおよびCAB−O−SPERSE疎水性ヒュームド・シリカ、およびCAB−O−SPERSEヒュームド金属酸化物(それぞれCabot社から入手可能)が挙げられる。
一部の実施形態では、熱可塑性ポリマーと有機溶媒とを含む第1の溶液は、当分野で既知の1種以上の添加剤を、生じた熱可塑性ポリマー粒子の望ましい特性に1種または複数の添加剤が大きな悪影響を及ぼさないように選択されることを条件として、任意選択的にさらに含むことができる。そのような添加剤としては、粒子状無機充填剤(ガラス、セラミック、または金属、例えば、セラミック粒子など)、粒子状有機充填剤(炭素または架橋ポリマーなど)、導電性充填剤(グラファイト、または単層もしくは多層カーボンナノチューブなど)、無機充填剤、有機繊維、無機繊維、導電性インク、酸化防止剤、加熱安定剤、光安定剤、紫外線(UV)安定剤、紫外線吸収添加剤、NIR吸収添加剤、IR吸収添加剤、レーザーマーキング染料、可塑剤、滑剤、離型剤(金型離型剤など)、帯電防止剤、防曇剤、抗菌剤、着色剤(例えば、染料または顔料)、表面効果添加剤、放射線安定剤、難燃剤、滴下防止剤(例えば、PTFEでカプセル化したスチレン−アクリロニトリルコポリマー(TSAN))、香料、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。一般に、添加剤は、有効であると知られている量で使用される。例えば、添加剤組成(いずれの充填剤以外)の合計量は、それぞれ第1の溶液の合計質量に対して、0.001〜10.0質量%、または0.01〜5質量%であり得る。
例えば、加熱安定剤、離型剤、および紫外線安定剤の組み合わせが使用できる。顔料、表面効果剤、およびナノサイズ充填剤も、具体的には考慮され、それ自体としては、材料をポリマーと容易に共分散できるか、またはポリマーと予め混合できる。一部の実施形態では、第1の溶液は、好ましくは、染料または顔料、例えば近赤外(NIR)染料を、第1の溶液の合計質量に対して0.001〜10質量%、または0.01〜10質量%、または0.01〜1質量%の量で含む。
好都合なことに、第1の溶液に組み込まれた1つ以上の添加剤を、生じた熱可塑性ポリマー粒子に組み込むことができる。例えば、熱可塑性ポリマー粒子は、添加剤を、熱可塑性ポリマー粒子の質量に対して0.001〜10.0質量%、または0.01〜5質量%の量で含むことができる。一実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子は、熱可塑性ポリマー粒子の質量に対して0.001〜10.0質量%、または0.01〜5質量%の量で染料または顔料を含むことができる。
一部の実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子の製造方法は、0.7超、好ましくは0.8超、より好ましくは0.9、さらにより好ましくは0.95超の球形度を有する粒子を提供することができる。例えば、球形度は、0.7〜1、または0.8〜1、または0.9〜1、または0.95〜1であり得る。球形度は、((6*Vp)/(Dp*Ap))(式中、Vpは粒子の体積、Dpは粒子の直径、Apは粒子の表面積)で定義される。
一部の実施形態では、ポリカーボネート粒子の製造方法が開示される。該方法は、ポリカーボネートと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50〜100℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリカーボネート粒子を含む水性分散体を形成するステップと、D50が20〜80μmであるポリカーボネート粒子を回収するステップを含む。エマルジョンは、水/有機溶媒の質量比が0.5〜1の水と、ポリカーボネートと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量のポリカーボネートと、界面活性剤/ポリカーボネートの質量比が0.01〜0.04の界面活性剤とを含む。上記の方法に従って調製した直径が150μm未満であるポリカーボネート粒子が、90%以上の収率で回収される。
一実施形態では、ポリエーテルイミド粒子の製造方法が開示される。該方法は、ポリエーテルイミドと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50〜100℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリエーテルイミド粒子を含む水性分散体を形成するステップと、D50が20〜80μmであるポリカーボネート粒子を回収するステップとを含む。エマルジョンは、水/有機溶媒の質量比が0.5〜1の水と、ポリエーテルイミドと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量のポリエーテルイミドと、界面活性剤/ポリエーテルイミドの質量比が0.01〜0.04である界面活性剤とを含む。上記方法に従って調製した直径が150μm未満であるポリエーテルイミド粒子が90%以上の収率で回収される。
熱可塑性ポリマー粒子が、本開示の別の態様である。熱可塑性ポリマー粒子は、上記方法に従って調製できる。
一実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子が、それらの調製の方法から独立して開示される。熱可塑性ポリマー粒子は、熱可塑性ポリマーとゼラチンとを含む。熱可塑性ポリマー粒子は、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンもしくは前記の少なくとも1つを含む組み合わせ、好ましくはポリカーボネート、ポリエーテルイミド、もしくは前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含み得る。ゼラチンは、タイプAゼラチンまたはタイプBゼラチン、好ましくはタイプBゼラチンであり得る。熱可塑性ポリマー粒子のD50は20〜80μmである。一部の実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子の最大直径は150μm未満であり得る。粒子中のゼラチンの存在量は、1000ppm未満、好ましくは1ppb〜1000ppm、より好ましくは1ppb〜500ppm、さらにより好ましくは1ppb〜100ppm、さらにより好ましくは1ppb〜1ppmである。一部の実施形態では、粒子の球形度は、0.7超、好ましくは0.8超、より好ましくは0.9、さらにより好ましくは0.95超である。例えば、球形度は、0.7〜1、または0.8〜1、または0.9〜1、または0.95〜1であり得る。球形度は、((6*Vp)/(Dp*Ap))(式中、Vpは粒子の体積、Dpは粒子の直径、Apは粒子の表面積)で定義される。
該粒子は、粒子状高性能ポリマーが使用される多くの用途、例えばコーティング用途および付加製造において使用できる。したがって熱可塑性ポリマー粒子から調製された物品が、本開示の別の態様である。好都合に、本明細書に記載の熱可塑性ポリマー粒子は、成形物品、押出物品、粉末床溶融結合した物品、コーティング、コーティングした物品、フィルム、および同種のものを含む物品の製造に使用できる。本明細書に記載の粒子は、それらの球状の形状により、より容易に流れることができ、上記のように、粒子流動性がフロー促進剤の添加によって改善できる。最適化したプロセスのパラメータの特定の組み合わせを用いて、D50が20〜100μmである熱可塑性ポリマー粒子を高収率で得ることができる。したがって、ポリマー粒子の改善された調製方法が提供される。
さらなる情報が、以下の非限定的な実施例に記載されている。
以下の実施例での材料を表1に記載する。
(エマルジョン調製)
概して、シェーカーテーブルを用いて有機溶媒(例えば、塩化メチレン)に熱可塑性ポリマーを溶解させて、懸濁した粒子が目で見えないポリマー溶液を得ることによって、エマルジョンを調製した。水および界面活性剤をポリマー溶液に添加する。生じた混合物を、低せん断撹拌(例えば5,000rpm)または高せん断撹拌(例えば7,000rpm)で5分間乳化して、安定したエマルジョンを得た。
(水性ポリマースラリー形成)
エマルジョンを、少なくとも60℃の温度に維持した水(および任意選択的に界面活性剤)を有する別個の容器に移した。低温の循環水を備えたコンデンサーを用いて、有機溶媒を捕捉した。エマルジョンは、液滴で、または微細な液滴を製造できるノズルで、別個の容器に移すことができる。有機溶媒を完全に除去した後、生じた水性ポリマースラリーを、150μmシーブで濾過した。シーブを通過しなかったサイズが150μm超であるポリマー粒子を水で洗浄し、乾燥した。150μmシーブを通過した水性ポリマースラリーを1μmフィルターによって真空で濾過し、少なくとも60℃の温度にて水で洗浄し、生じた湿潤ケーキを、105℃で2日間、真空下で乾燥した。
(ポリマー粒子の特徴付け)
粒径分布を、Malvern社のMastersizer3000でレーザー回折技術を用いて水中で測定した。乾燥したポリマー粉末は、3000ppmのアニオン性界面活性剤を含有する水にてスラリー状であり、5分間超音波で分解した。スラリーを、水を入れた測定リザーバーに添加した。その後、体積基準の粒径分布を測定した。「D50」は、粒子の50%(体積基準で)が特定の直径未満であることに相当する。また、水への再分散を必要とせずに、水性ポリマー分散体から直接粒径分析を行うことができる。
粒子形態は走査電子顕微鏡(SEM)で分析した。
(実施例1〜4)
2種の界面活性剤を使用して、ポリカーボネートの水性ポリマー分散体を調製し、界面活性剤それぞれの効果を比較した。試験した2種の界面活性剤は、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム(SDBS)およびタイプBゼラチンであった。
50gのPCを、200gの塩化メチレンに溶解して、20%ポリマー溶液を製造した。これに、200gの脱イオン水を、1gの界面活性剤と共に添加した。それぞれの実施例ごとに使用した界面活性剤の種類を表2に記載する。サンプルを、IKAホモジェナイザー(18G toolを備えたIKA T25 Ultra−Turrax)を用いて、5,000rpm並びに7,000rpmで5分間均質化した。50gの乳化したサンプルを、少なくとも70℃の温度に維持した200gの脱イオン水および0.8gのSDBS界面活性剤を入れた別の容器に滴下して移した。全部移した後、水性分散体を、少なくとも70℃の温度で10分間保持して、有機溶媒の大部分を除去した。このようにして得られた水性分散体を、150μmシーブに通した。150μm超の粒子を、脱イオン水で複数回よく洗浄し、単離し、105℃で2日間、真空オーブンで乾燥した。50gのエマルジョン中に存在するポリマーを基準として、直径が150μm未満であるポリマー粒子の収率を計算し、表2に示す。150μmシーブを通過した水性ポリマー分散体の粒径分布を測定し、結果を表2に記載する。表2に記載の粒径(D10、D50、D90、およびD100)は、μmで報告されている。
表2に記載の結果から、SDBSを界面活性剤として使用した場合、プロセスの収率が顕著に減少し、実施例1および実施例2でのサイズが150μm未満である粒子の収率がそれぞれ27%および73%であったことが分かる。これに対して、タイプBゼラチンを界面活性剤として使用した場合、実施例3および実施例4で見られるように、サイズが150μm未満である粒子のプロセスの収率が99%以上であった。さらに、タイプBゼラチンを使用した場合、粒径分布のスパンも顕著に減少した。「スパン」は(D90−D10)/D50と定義される。
(実施例5〜44)
処方中のゼラチンの効果を理解するために、表3Aに記載されているようなD−至適反応表面設計を用いて、実験の設計を構築した。溶媒中のポリマー濃度(conc.)(等式1)、水の比率(等式2)、および界面活性剤の比率(等式3)が因子として選択される。
PCを、塩化メチレンに溶解して、ポリマー溶液を形成した。脱イオン水およびゼラチンの既知の量をポリマー溶液に添加した。生じた混合物を、5,000rpmで5分間または7,000rpmで5分間、手持ち式高せん断ミキサーを用いて乳化した。結果を表3に記載する。表3において、処方の多くが安定したエマルジョンを生じたことが分かる。光散乱により、エマルジョンの色が「乳白色」のように見える。
50gの上記の調製したエマルジョンを、60℃超に維持した200gの水および0.8gのSDBS界面活性剤を入れた別の容器に滴下して移した。エマルジョン容器と受入水の両方を、マグネチックスターラーを用いて撹拌した。エマルジョンを移した後、受入水を60℃超で10分間さらに維持して、塩化メチレンの大部分を除去し、水性ポリマースラリーを生成した。水性ポリマースラリーを150μmフィルターで濾過した。シーブを通過しなかったサイズが150μm超であるポリマー粒子を水でよく洗浄し、単離し、乾燥して、プロセスの収率を得た。150μmシーブを通過した水性ポリマースラリーを、1μm濾材で真空を用いて濾過し、少なくとも60℃の温度の水で複数回洗浄し、湿潤ケーキを105℃で2日間、真空下で乾燥した。ポリマー粉末の粒径分布(D50、体積基準、μmで報告)をレーザー回折(Malvern社のMastersizer3000)を用いて評価し、表3に記載する。
表3の実施例5〜24の粒径D50(体積基準で)の結果を、Design Expertソフトウェアを用いて分析した。回帰分析によって、Rが0.88である許容されるモデルと0.83超の調整したRが得られた。ポリマー溶液濃度並びに水の比率に対するD50のプロットを図1に記載する。ポリマー溶液濃度、水の割合および界面活性剤の比率への粒径(D50、体積基準で)の依存は、以下の等式4で表される。
式中、D50は体積基準の直径であり、Sは固形分の%(例えば、溶媒中のポリマー濃度)であり、Wは水の比率であり、Gはゼラチン(界面活性剤)の比率である。界面活性剤の比率(ゼラチン)は、0.01(ポリマーに対して1%の界面活性剤)で固定した。
図1から、低い水の比率でポリマー濃度が増加する際に、粒径D50が減少することが分かる。より高い水の比率では、ポリマー濃度が増加する際に粒径D50が増加する。
表3の実施例25〜44の結果も、Design Expertソフトウェアを用いて分析した。回帰分析によって、Rが0.78である許容されるモデルおよび0.68の調整したRが得られた。ポリマー溶液濃度に対するD50のプロット並びに水の比率を図2に記載する。ポリマー溶液濃度、水の割合および界面活性剤の比率への粒径(D50、体積基準で)の依存は、等式5で表される。界面活性剤の比率(ゼラチン)を0.03(ポリマーに対して3%の界面活性剤)で固定した。
式中、D50は体積基準の直径であり、Sは固形分の%(例えば、溶媒中のポリマー濃度)であり、Wは水の比率であり、Gはゼラチン(界面活性剤)の比率である。
図2に示すように、低い水の比率でポリマー濃度が増加する際には、粒径D50が減少する。より高い水の比率では、D50粒径がポリマー濃度と共に増加する。
表3から、より高いrpm(例えば、7,000)では、より低いrpm(例えば、5,000)と比較して、処方の多くでD50がより低いことが分かる。
表3に示される実施例5〜24の収率(150μm未満の粒子)を、Design Expertソフトウェアを用いて分析した。回帰分析によって、Rが0.79である許容されるモデルおよび0.67超の調整したRが得られた。ポリマー溶液濃度並びに水の比率に対する、サイズが150μm未満である粒子の収率のプロットを図3に記載する。ポリマー溶液濃度、水の割合および界面活性剤の比率へのD50粒径の依存は等式6で表される。
式中、Sは固形分の%(例えば、溶媒中のポリマー濃度)であり、Wは水の比率であり、Gはゼラチン(界面活性剤)の比率である。
図3から、より高い水の比率が、ポリマー溶液濃度に関係なく、ポリマー質量に対して4%で界面活性剤(ゼラチン)濃度を固定している間、<150μm粒子のより高い収率を生じることが推定できる。
表3の実施例25〜44の150μm未満の粒子の収率の結果をDesign Expertソフトウェアを用いて分析した。回帰分析によって、Rが0.86である許容されるモデルおよび0.75超の調整したRが得られた。ポリマー溶液濃度および水の比率に対する150μm未満の粒子の収率のプロットを図4に記載する。ポリマー溶液濃度、水の割合および界面活性剤の比率へのD50粒径の依存は等式7で表される。界面活性剤の比率(ゼラチン)を0.04(界面活性剤ポリマーに対して4%)に固定した。
式中、Sは固形分の%(例えば、溶媒中のポリマー濃度)であり、Wは水の比率であり、Gはゼラチン(界面活性剤)の比率である。
図4から、より高い水の比率が、ポリマー溶液濃度に関係なく、ポリマー質量に対して4%で界面活性剤(ゼラチン)濃度を固定している間、<150μm粒子のより高い収率が得られることが推定できる。
表3の実施例5〜24から、均質化速度5,000rpmで処方を変えることによって、D50粒径の直径が、85%以上のプロセスの収率で14.8〜46.6μmに調整できることが分かる。同様に、表3の実施例25〜44から、均質化速度7,000rpmで、10.2〜36.6μmのD50粒子サイズの直径が85%以上のプロセスの収率で達成できることが明らかである。
等式4を基準として、30μm超のD50粒子サイズの直径と85%超のプロセスの収率の基準を満たす設計空間を作成した。図5の網掛け部分は、上記の基準を満たすであろうポリマー濃度および水の比率の変動による処方の可能性を示す。この場合では、界面活性剤(ゼラチン)は、0.01(またはポリマー質量に対して1%)で固定し、均質化rpmは5000であった。
(実施例45〜46)
粒子サイズの直径をさらに増加させる均質化速度の効果を理解するために、実施例17および実施例37のものと同等の処方を、それぞれ3,000および4,000rpmで5分間均質化し、5,000および7,000rpm(それぞれ実施例15および実施例35)で均質化した同じ試料と比較した。粒径およびプロセスの収率に対する結果を表4に記載する。それぞれの実験での均質化時間は5分である。表4に示した粒径(D10、D50、D90、およびD100)はμmで報告されている。
表4および図6から、均質化中に使用したrpmが減少する場合に、D50粒径が増加することが分かる。興味深いことに、rpmの変化は、プロセスの収率に影響を与えず、該収率は、rpmが3000超である場合に、表4に示した実施例それぞれで90%超であった。
(実施例47)
複数の実験用の小さいバッチを行って、以下の処方を用いてPCから500gのポリカーボネート粉末を製造した。56.5gのPCを、200gの塩化メチレンに溶解して、22%固形物のポリマー溶液を形成した。200gの脱イオン水および1gのタイプBゼラチンをポリマー溶液に添加した。生じた混合物を、手持ち式高せん断ミキサーを用いて、6,000rpmで5分間乳化した。その後、塩化メチレンをエマルジョンから除去し、150μmシーブで濾過して、より大きい粒子(例えば150μm超)を除去し、上記のように、濾過し、洗浄し、乾燥した。このようにして得られた複数のバッチからのポリカーボネート乾燥粉末を十分に混合して、500gのポリカーボネート粉末を製造した。上記のエマルジョンプロセスの結果、D50粒径が30μm超であるポリカーボネート粉末が90%超のプロセスの収率で生じた。表5に示すように、ポリカーボネート粉末の特性を評価し、ポリカーボネート開始材料と比較した。
表5に示した結果から、分子量(塩化メチレンで溶出するポリスチレン標準を基準としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で決定)、TgおよびTGAを含む特性は、上記エマルジョンプロセスでポリカーボネートを粉末に転換した際に、あまり変化しなかったことが分かる。粉末フロー特性を、微細な粉末用のせん断セルを備えた環せん断試験機“Jenike−Johanson”モデル#RST−XSで試験した。装置の詳細および流動性数(flowability numer)(ff)の説明は、Dietmar Schulze,Anual Transactions Of The Nordic Rheology Society,Vol.21,Page 99,2013で見ることができる。実施例47の流動性数(ffc)は2.5であり、これは、凝集性粉末を示す。実施例47から製造されたポリカーボネート粉末を、異なるパーセンテージのヒュームド・シリカ(CabotからCAB−O−SILTS−720として入手)と混合し、モルタルおよび乳棒で研磨し、その後ビニール袋中で振って、より良好な分散体を製造した。表5に示した結果は、ポリカーボネート粉末の流動性がヒュームド・シリカの含量の増加と共に増加し、ヒュームド・シリカの添加量が約0.1%である場合に10超に達することを示し、これは自由に流動する粉末を示す。自由流動特性は、粉体塗装および付加製造などの用途に非常に有用であり得る。また、自由流動特性は、粉末のハンドリング、包装、および運送時でも有用である。
実施例47のポリカーボネート粉末のSEM画像を図7に示す。該画像は球状の形態を示す。画像化前に、試料をPt/Pdでコーティングし、レンズモードでSEMを用いて画像化した。図7Aは、3,000倍の倍率を示し、図7Bは、35,000倍の倍率を示す。0.05%ヒュームド・シリカで修飾した実施例47の走査電子顕微鏡写真を図8に示す。画像化前に、試料をPt/Pdでコーティングし、レンズモードでSEMを用いて画像化した。図8Aは、3,000倍の倍率を示し、図8Bは、35,000倍の倍率を示す。
ヒュームド・シリカなどのフロー助剤の添加が、ポリカーボネート粉末の球状の形態を変化させないことが明らかに分かる。ヒュームド・シリカなどのフロー助剤が、ポリカーボネート粒子表面に付着でき、(理論に縛られないが)粒子の流動性の改善をもたらすと考えられることも分かる。
(実施例48〜51)
異なるポリマー骨格、具体的にはポリエーテルイミド(PEI)を用いた処方も調製した。
2種の界面活性剤を使用して、ポリエーテルイミドの水性ポリマー分散体を調製し、界面活性剤それぞれの効果を比較した。試験した2種の界面活性剤は、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム(SDBS)およびタイプBゼラチンであった。
50gのPEIを、200gの塩化メチレンに溶解して、20%ポリマー溶液を製造した。これに、200gの脱イオン水を、1gの界面活性剤と共に添加した。それぞれの実施例で使用した界面活性剤の種類を表6に示す。サンプルを、IKAホモジェナイザー(18G toolを備えたIKA T25 Ultra−Turrax)を用いて、5,000rpm並びに7,000rpmで5分間均質化した。50gの乳化したサンプルを、少なくとも70℃の温度に維持した200gの脱イオン水および0.8gのSDBS界面活性剤を入れた別の容器に滴下して移した。全部移した後、水性分散体を、少なくとも70℃の温度で10分間保持して、有機溶媒の大部分を除去した。このようにして得られた水性分散体を150μmシーブに通した。150μm超の粒子を、脱イオン水で複数回よく洗浄し、単離し、105℃で2日間、真空オーブンで乾燥した。50gのエマルジョン中に存在するポリマーを基準として、直径が150μm未満であるポリマー粒子の収率を計算し、表6に示す。150μmシーブを通過した水性ポリマー分散体の粒径分布を測定し、結果を表6に示す。表6に示した粒径(D10、D50、D90、およびD100)は、μmで報告されている。
表6に記載の結果から、界面活性剤としてのゼラチンが、顕著により大きいPEI粒子(D50が40μm超)および1.5未満のスパンをもたらすことが分かる。これに対して、SDBSは、より小さいPEI粒子(D50が26μm未満)および2.0超のスパンをもたらす。
(実施例52〜91)
PEI粒子に対するゼラチンの効果を理解するために、追加のサンプルを異なるプロセスのパラメータを変化させて調製した。PEIを、塩化メチレンに溶解して、ポリマー溶液を形成した。既知の量の脱イオン水およびタイプBゼラチンをポリマー溶液に添加した。生じた混合物を、手持ち式高せん断ミキサーを用いて、5,000rpmで5分間または7,000rpmで5分間乳化した。表7に示した処方の多くは、安定したエマルジョンを生じた。実施例66は、安定したエマルジョンを形成しなかった。光散乱により、エマルジョンの色は「乳白色」に見える。
次に、50gの上記の調製したエマルジョンを、60℃超の温度に維持した、200gの水および0.8gのSDBS界面活性剤を入れた別の容器に滴下して移した。エマルジョン容器と受入水の両方を、マグネチックスターラーを用いて撹拌した。エマルジョンを移した後、受入水を60℃超で10分間維持して、塩化メチレンの大部分を除去し、水性ポリマースラリーを生成した。水性ポリマースラリーを150μmフィルターで濾過した。シーブを通過しなかったサイズが150μm超であるポリマー粒子を、水でよく洗浄し、単離し、乾燥してプロセスの収率を得た。150μmシーブを通過した水性ポリマースラリーを、1μmフィルターで真空を用いて濾過し、60℃超の温度の水で複数回洗浄し、湿潤ケーキを105℃で2日間、真空下で乾燥した。ポリマー粉末のD50粒径分布を、Malvern社のMastersizer 3000を用いるレーザー回折技術で評価した。結果を表7に示す。
表7の実施例52〜71から、5000rpmの均質化速度で調製した複数の処方が、90%以上のプロセスの収率で、11.0〜68.5μmのD50粒径を生じたことが分かる。同様に、表7の実施例72〜91から、7000rpmの均質化速度が、90%以上のプロセスの収率で、7.27〜56.5μmのD50粒子サイズの直径をもたらすことができることが明らかである。
表7の実施例52〜71のD50粒径の結果を、Design Expertソフトウェアを用いて分析した。回帰分析によって、Rが0.7許容されるモデルおよび0.61超の調整したRが得られた。ポリマー溶液濃度および水の比率に対するD50のプロットを図9に示す。界面活性剤の比率(ゼラチン)は、0.01(ポリマーに対して1%の界面活性剤)で固定した。ポリマー溶液濃度、水の割合および界面活性剤の比率へのD50粒径の依存は、等式8で表される。
式中、D50は体積基準の直径であり、Sは固形分の%(例えば、溶媒中のポリマー濃度)であり、Wは水の比率であり、Gはゼラチン(界面活性剤)の比率である。界面活性剤の比率(ゼラチンB)は、0.01(ポリマーに対して1%の界面活性剤)で固定した。
図9に示すように、低い水の比率の溶媒中でポリマー濃度を変化させることで、D50粒径は顕著に変化しない。より高い水の比率では、D50ポリマー濃度が増加する際に、粒径D50が増加する。
表7の実施例72〜91のD50粒径の結果を、Design Expertソフトウェアを用いて分析した。回帰分析によって、Rが0.83である許容されるモデルおよび0.78の調整したRが得られた。ポリマー溶液濃度および水の比率に対するD50のプロットを図10に示す。界面活性剤の比率(ゼラチン)は、0.01(ポリマーに対して1%の界面活性剤)で固定した。ポリマー溶液濃度、水の割合および界面活性剤の比率へのD50粒径の依存は、等式9で表される。
式中、D50、S、W、およびGは等式8で記載した通りである。
図10から、低い水の比率でのポリマー濃度の変化によって、D50粒径が顕著に変化しないことが分かる。より高い水の比率では、D50ポリマー濃度が増加する際に、粒径D50が増加する。
(ポリマー粒子への添加剤の組み込み)
上記エマルジョンプロセスに従って製造した球状のポリマー粒子に有機分子を組み入れた。50gのPCおよび0.05gの近赤外吸収染料(4,4’,4’’−トリス(N,N−フェニル−3−メチルフェニルアミノ)トリフェニルアンモニウムヘキサフルオロアンチモネート,American Dye Source社からADS1075Aとして入手可能)を、200gの塩化メチレンに溶解して、均質の20%ポリマー溶液を得た。ポリマー溶液の色は、染料の吸光度により緑色であった。これに、200gの脱イオン水を、1gのタイプBゼラチンと共に添加した。試料を、4000rpmで5分間均質化した。50gの乳化したサンプルを、70℃の温度超に維持した200gの脱イオン水および0.8gのSDBS界面活性剤を入れた別のフラスコに滴下して移した。エマルジョンの完全な移動後、生じた水性ポリマー分散体を、さらに10分間、70℃の温度超に維持して、完全に有機溶媒を除去した。このようにして得られた水性分散体を150μmシーブに通した。150μmシーブを通過した水性ポリマー分散体を、1μm濾過媒体で濾過し、70℃超の温度の脱イオン水で複数回洗浄して、すべての残存添加剤を除去した。湿潤粉末を105℃で24時間、真空下で乾燥した。水性ポリマー分散体の濾過中に、主に水である濾液が、いずれの近赤外吸収染料も含有していなかったことが見られ、これは、濾液の目視観測およびUV−Vis吸収スペクトルで判断した。乾燥したポリカーボネート粉末は緑色であり、これは、染料分子が粒子に組み込まれたことを示す。乾燥ポリカーボネート粉末を、塩化メチレンに溶解し、吸収スペクトルが、塩化メチレンに溶解した近赤外吸収染料の吸収スペクトルと一致しているのが見られ、塩化メチレンのような溶媒に可溶である有機分子が、球状のポリマー粉末の内部に組み込まれ得ることが確認された。
(ポリマー粒子中の残存界面活性剤)
粉末中に残存する界面活性剤を定量するために、ポリマー粒子の196nmの吸光度(ゼラチンでの吸光度最大値)を決定した。既知の量のタイプBゼラチンを脱イオン水に溶解し、196nmでの吸光度を記した。図11に示すように、Rが0.99超である線形相関が見られた。1gのポリカーボネート乾燥粉末(実施例47)を10gの脱イオン水と混合し、70℃で30分間加熱して、ポリカーボネート粉末中に存在する残存ゼラチンを溶解させた。高温の試料を、0.45μmフィルターで濾過した。濾液を冷却し、196nmでの吸光度を記した。図11の較正曲線によって得られた線形相関式に基づいて、98ppmのゼラチンが乾燥ポリカーボネート粉末中に存在していたと推定した。ゼラチンが熱水に可溶であった際に、粉末を複数回熱水で洗浄して、残存ゼラチン含量を望ましい量にさらに減少させることができる。
本明細書で開示されている方法を、以下の実施形態でさらに例示するが、これらに限定されるものではない。
実施形態1:熱可塑性ポリマーと有機溶媒とを含む第1の溶液と水性溶媒と界面活性剤とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50℃以上、好ましくは50〜100℃、より好ましくは55〜95℃、さらにより好ましくは55〜85℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水性溶媒中に分散した複数の熱可塑性ポリマー粒子を含む水性分散体を形成するステップと、D50が20〜100μm、好ましくは20〜90μm、より好ましくは20〜80μm、さらにより好ましくは30〜70μmである熱可塑性ポリマー粒子を回収するステップと、を含み、直径が150μm未満である粒子が、85%超、好ましくは90%超、より好ましくは95%超、さらにより好ましくは97%超の収率で回収される熱可塑性ポリマー粒子の製造方法。
実施形態2:混合が、3,000rpm超、好ましくは4,000〜20,000rpm、より好ましくは4,000〜10,000rpmの速度で第1の溶液と第2の溶液とを撹拌することを含む実施形態1の方法。
実施形態3:エマルジョンが熱可塑性ポリマーを、熱可塑性ポリマーと有機溶媒との合計質量に対して10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%、より好ましくは17〜25質量%、さらにより好ましくは19〜25質量%の量で含み、エマルジョンが水を、0.4以上、好ましくは0.5〜3、より好ましくは0.5〜1.5、さらにより好ましくは0.8〜1.25の水/有機溶媒の質量比で含み、エマルジョンが界面活性剤を、0.005以上、好ましくは0.005〜0.1、より好ましくは0.01〜0.05の界面活性剤/熱可塑性ポリマーの質量比で含む実施形態1または2の方法。
実施形態4:移すことが、エマルジョンを受入水に滴下することを含む実施形態1〜3のいずれか1つ以上の方法。
実施形態5:移すことが、エマルジョンを受入水に噴霧することを含む実施形態1〜4のいずれか1つ以上の方法。
実施形態6:回収することが、水性分散体を濾過して、湿潤ケーキを形成することを含む実施形態1〜5のいずれか1つ以上の方法。
実施形態7:湿潤ケーキを25〜100℃の温度の水、好ましくは脱イオン水で洗浄するステップをさらに含む実施形態6の方法。
実施形態8:湿潤ケーキを乾燥するステップ、好ましくは加熱、真空または前記の少なくとも1つを含む組み合わせの下で湿潤ケーキを乾燥するステップをさらに含む実施形態6または7の方法。
実施形態9:熱可塑性ポリマー粒子を、熱可塑性ポリマー粒子の質量に対して0.001〜1質量%の量のフロー促進剤と混合して、流動性が4以上、より好ましくは10以上である粒子を得るステップをさらに含む実施形態1〜8のいずれか1つ以上の方法。
実施形態10:フロー促進剤が、未修飾ヒュームド金属酸化物、疎水性ヒュームド金属酸化物、親水性ヒュームド金属酸化物、水和シリカ、非晶質アルミナ、ガラス質シリカ、ガラス質リン酸塩、ガラス質ホウ酸塩、ガラス質オキシド、チタニア、タルク、マイカ、カオリン、アタパルジャイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせ、好ましくはヒュームド・シリカ、ヒュームド・酸化アルミニウム、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせ、より好ましくはヒュームド・シリカを含む実施形態9の方法。
実施形態11:粒子の粒径分布スパンが2未満、好ましくは1.75未満、より好ましくは1.50未満である実施形態1〜10のいずれか1つ以上の方法。
実施形態12:粒子のかさ密度が0.5g/cm超、好ましくは0.6g/cm超、より好ましくは0.7g/cm超である実施形態1〜11のいずれか1つ以上の方法。
実施形態13:熱可塑性ポリマーが、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアリーレンエーテル、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせ、好ましくはポリカーボネート、ポリエーテルイミド、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせである実施形態1〜12のいずれか1つ以上の方法。
実施形態14:有機溶媒が100℃未満の沸点を有し、かつ水と非混和性であり、好ましくは、有機溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせ、好ましくは塩化メチレンを含む実施形態1〜13のいずれか1つ以上の方法。
実施形態15:界面活性剤がゼラチンを含み、好ましくは、ゼラチンはタイプAゼラチン、タイプBゼラチン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり、より好ましくは、ゼラチンはタイプBゼラチンである実施形態1〜14のいずれか1つ以上の方法。
実施形態16:第1の溶液が、粒子状充填剤、酸化防止剤、加熱安定剤、光安定剤、紫外線安定剤、UV吸収添加剤、NIR吸収添加剤、IR吸収添加剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、レーザーマーキング染料、繊維、防曇剤、抗菌剤、着色剤、表面効果添加剤、放射線安定剤、難燃剤、滴下防止剤、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせ、好ましくは着色剤を含む添加剤をさらに含み、回収した粒子が添加剤を含む実施形態1〜15のいずれか1つ以上の方法。
実施形態17:ポリカーボネートと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50〜100℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリカーボネート粒子を含む水性分散体を形成するステップと、直径が150μm未満であり、かつD50が20〜80μmであるポリカーボネート粒子を、90%以上の収率で回収するステップと、を含み、エマルジョンは、水を、0.5〜1の水/有機溶媒の質量比で、熱可塑性ポリマーを、ポリカーボネートと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量で、界面活性剤を、0.01〜0.04の界面活性剤/ポリカーボネートの質量比で含むポリカーボネート粒子の製造方法。
実施形態18:ポリエーテルイミドと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、50〜100℃の温度で受入水にエマルジョンを移して、有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリエーテルイミド粒子を含む水性分散体を形成するステップと、直径が150μm未満であり、かつD50が20〜80μmであるポリエーテルイミド粒子を90%以上の収率で回収するステップと、を含み、エマルジョンは、水を、0.5〜1の水/有機溶媒の質量比で、熱可塑性ポリマーを、ポリエーテルイミドと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量で、界面活性剤を、0.01〜0.04の界面活性剤/ポリエーテルイミドの質量比でを含むポリエーテルイミド粒子の製造方法。
実施形態19:実施形態1〜18のいずれか1つ以上の方法によって製造された熱可塑性ポリマー粒子。
実施形態20:熱可塑性ポリマーとゼラチンと、を含み、熱可塑性ポリマー粒子のD50が20〜100μmであり、ゼラチンの存在量が、1000ppm未満、好ましくは1ppb〜1000ppm、より好ましくは1ppb〜500ppm、さらにより好ましくは1ppb〜100ppmである熱可塑性ポリマー粒子。
実施形態21:粒子の球形度が0.7超、好ましくは0.8超、より好ましくは0.9、さらにより好ましくは0.95超である実施形態19または20の熱可塑性ポリマー粒子。
実施形態22:実施形態19〜21のいずれか1つ以上の熱可塑性ポリマー粒子から調製された物品。
一般に、方法および組成物は、選択的に、本明細書に開示されるいずれの適切な成分またはステップを含み得るか、それらの成分またはステップからなり得るか、それらの成分またはステップから本質的になり得る。方法および組成物は、さらに、または選択的に、先行技術の組成物で使用されているか、または本願の特許請求の範囲の機能および/または目的の達成に必要ではない構成要素、材料、成分、補助剤または種のいずれも欠くか、実質的に含まないように処方され得る。
本明細書に開示されるすべての範囲は端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせ可能である。「または」は、「および/または」を意味する。「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含有する。さらに、「第1の」「第2の」などの用語は、順番、量、または重要性を示すものではなく、ある要素を別の要素と区別するために用いられる。用語「a」、「an」および「the」は、量の限定を示す物ではなく、本明細書において別段の記載があるか、または、文脈により明確に否定されない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈すべきである。明細書全体にわたって、「別の実施形態」、「一実施形態」などは、該実施形態に関連して記載された特定の要素が、本明細書に記載された少なくとも1つの実施形態に含まれており、他の実施形態には含まれていても含まれていなくてもよいことを意味する。さらに、記載された要素は、種々の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせられ得るものと理解されるべきである。
本明細書で、「ヒドロカルビル」は、炭素、水素、および任意選択的に1個以上のヘテロ原子(例えば、1、2、3、または4個のハロゲン、O、N、S、P、またはSiなどの原子)を含有する基を含む。「アルキル」は、分岐鎖または直鎖の飽和一価炭化水素基(例えば、メチル、エチル、i−プロピル、およびn−ブチル)を意味する。「アルキレン」は、直鎖または分岐鎖の飽和二価炭化水素基(例えば、メチレン(−CH−)またはプロピレン(−(CH−))を意味する。「アルケニル」および「アルケニレン」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、一価または二価の、それぞれ、直鎖または分岐鎖炭化水素基(例えば、エテニル(−HC=CH)またはプロペニレン(−HC(CH)=CH−)を意味する。「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖、一価の炭化水素基(例えばエチニル)を意味する。「アルコキシ」は、酸素を介して結合したアルキル基(すなわち、アルキル−O−)(例えばメトキシ、エトキシ、およびsec−ブチルオキシ)を意味する。「シクロアルキル」および「シクロアルキレン」は、それぞれ、式−C2n−xおよび−C2n−2x−(xは環化の数)の一価および二価環式炭化水素基を意味する。「アリール」は、一価の、単環式または多環式芳香族基(例えば、フェニルまたはナフチル)を意味する。「アリーレン」は、二価の、単環式または多環式芳香族基(例えば、フェニレンまたはナフチレン)を意味する。接頭辞「ハロ」は、1個以上のハロゲン(F、Cl、Br、またはI)置換基(同じであっても、異なってもいてもよい)を含む基または化合物を意味する。接頭辞「ヘテロ」は、ヘテロ原子である少なくとも1つの環員(例えば、1、2、または3個のヘテロ原子。ヘテロ原子はそれぞれ独立にN、O、S、またはPである)を含む基または化合物を意味する。
「置換」は、置換される原子の正常な原子価を超過しないことと、置換が化合物の製造、安定性、または望ましい特性に大きな悪影響を及ぼさないことを条件に、水素に代わって、少なくとも1個(例えば、1、2、3、または4個)の置換基で化合物または基が置換されることを意味する。該置換基は、それぞれ独立に、ニトロ(−NO)、シアノ(−CN)、ヒドロキシ(−OH)、ハロゲン、チオール(−SH)、チオシアノ(−SCN)、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C1−9アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、C3−12シクロアルキル、C5−18シクロアルケニル、C6−12アリール、C7−13アリールアルキレン(例えば、ベンジル)、C7−12アルキルアリーレン(例えば、トルイル)、C4−12ヘテロシクロアルキル、C3−12ヘテロアリール、C1−6アルキルスルホニル(−S(=O)−アルキル)、C6−12アリールスルホニル(−S(=O)−アリール)、またはトシル(CHSO−)である。化合物が置換されている場合、炭素原子の示される数が、1個または複数の置換基を含めた基における炭素原子の合計数である。
特定の実施形態について説明したが、現在予測されないか、予測できない代替手段、改変、バリエーション、改良、および実質的な等価物が出願人らまたは他の当業者であれば思い付く可能性がある。したがって、出願時および補正し得る添付の特許請求の範囲は、そのような代替手段、改変、バリエーション、改良、および実質的な等価物のすべてを包含するものである。

Claims (10)

  1. 熱可塑性ポリマーと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、0.005〜0.1の界面活性剤/熱可塑性ポリマーの質量比で界面活性剤を含むエマルジョンを得るステップと、
    50℃以上温度で受入水にエマルジョンを移して有機溶媒を除去し、水性溶媒中に分散した複数の熱可塑性ポリマー粒子を含む水性分散体を形成するステップと、
    D50が20〜100μmである熱可塑性ポリマー粒子を回収するステップと、を含み、
    直径が150μm未満である粒子が、85%超収率で回収されることを特徴とする熱可塑性ポリマー粒子の製造方法。
  2. 混合が、3,000rpm超速度で前記第1の溶液と前記第2の溶液とを撹拌することを含み、移すことが、前記エマルジョンを受入水に滴下すること、または前記エマルジョンを受入水に噴霧することを含み、回収が、前記水性分散体を濾過して、湿潤ケーキを形成することを含む請求項1に記載の熱可塑性ポリマー粒子の製造方法。
  3. 前記エマルジョンが、熱可塑性ポリマーと有機溶媒との合計質量に対して10〜30質量%量で熱可塑性ポリマーを含み、
    前記エマルジョンが、0.4以上水/有機溶媒の質量比で水を含み、
    前記エマルジョンが、0.01〜0.05の界面活性剤/熱可塑性ポリマーの質量比で界面活性剤を含む請求項1または2に記載の熱可塑性ポリマー粒子の製造方法。
  4. 前記湿潤ケーキを25〜100℃の温度の水、好ましくは脱イオン水で洗浄するステップ、
    前記湿潤ケーキを乾燥するステップ、好ましくは加熱、真空または前記の少なくとも1つを含む組み合わせの下で前記湿潤ケーキを乾燥するステップ、並びに
    前記熱可塑性ポリマー粒子を、前記熱可塑性ポリマー粒子の質量に対して0.001〜1質量%の量のフロー促進剤と混合して、流動性が4以上である粒子を得るステップ
    の1つ以上をさらに含み、
    前記フロー促進剤が、未修飾ヒュームド金属酸化物、疎水性ヒュームド金属酸化物、親水性ヒュームド金属酸化物、水和シリカ、非晶質アルミナ、ガラス質シリカ、ガラス質リン酸塩、ガラス質ホウ酸塩、ガラス質オキシド、チタニア、タルク、マイカ、カオリン、アタパルジャイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせを含む請求項2に記載の熱可塑性ポリマー粒子の製造方法。
  5. 前記熱可塑性ポリマー粒子が、以下の特性:
    2未満粒径分布スパン、
    0.5g/cmかさ密度
    の1つまたは両方を有する請求項1乃至4のいずれか1項以上に記載の熱可塑性ポリマー粒子の製造方法。
  6. 前記熱可塑性ポリマーが、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアリーレンエーテル、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせであり
    前記有機溶媒が100℃未満の沸点を有し、かつ水と非混和性であり、
    前記界面活性剤がタイプAゼラチン、タイプBゼラチン、または前記の少なくとも1つを含む組み合わせである請求項1乃至5のいずれか1項以上に記載の熱可塑性ポリマー粒子の製造方法。
  7. ポリカーボネートと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、
    50〜100℃の温度で受入水に前記エマルジョンを移して、前記有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリカーボネート粒子を含む水性分散体を形成するステップと、
    直径が150μm未満であり、かつD50が20〜80μmであるポリカーボネート粒子を90%以上の収率で回収するステップと、を含み、
    前記エマルジョンは、
    前記水を、0.5〜1の水/有機溶媒の質量比で、
    熱可塑性ポリマーを、ポリカーボネートと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量で、
    前記界面活性剤を、0.01〜0.04の界面活性剤/ポリカーボネートの質量比で含むことを特徴とするポリカーボネート粒子の製造方法。
  8. ポリエーテルイミドと有機溶媒とを含む第1の溶液と、ゼラチンを含む界面活性剤と水性溶媒とを含む第2の溶液とを混合して、エマルジョンを得るステップと、
    50〜100℃の温度で受入水に前記エマルジョンを移して、前記有機溶媒を除去し、水中に分散した複数のポリエーテルイミド粒子を含む水性分散体を形成するステップと、
    直径が150μm未満であり、かつD50が20〜80μmであるポリエーテルイミド粒子を90%以上の収率で回収するステップと、を含み
    前記エマルジョンは、
    前記水を、0.5〜1の水/有機溶媒の質量比で、
    熱可塑性ポリマーを、ポリエーテルイミドと有機溶媒との合計質量に対して15〜25質量%の量で、
    前記界面活性剤を、0.01〜0.04の界面活性剤/ポリエーテルイミドの質量比で含むことを特徴とするポリエーテルイミド粒子の製造方法。
  9. 熱可塑性ポリマーと、ゼラチンと、を含み、
    熱可塑性ポリマー粒子のD50が20〜100μmであり、
    前記ゼラチンの存在量が、1000ppm未満であり
    熱可塑性ポリマー粒子の球形度が0.7超であることを特徴とする熱可塑性ポリマー粒子。
  10. 請求項9に記載の熱可塑性ポリマー粒子から調製されることを特徴とする物品。
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