JP6634493B2 - ディスク及び分散機 - Google Patents

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Description

本発明は、メディア型の分散機に用いられるディスク及びそれを備える分散機に関する。
分散機は、分散対象物を分散するための装置であり、攪拌機や混練機、ミルなどとも称され、分散対象物を分散や攪拌、混練する装置である。また、分散機には様々なタイプがある。例えば、数個のローラーで分散対象物を押圧するローラー型の分散機、圧縮気体により粒子同士を衝突させて分散する分散機、外周にピンや突片を具備する複数の円盤を回転させて分散する回転型の分散機、多数のメディアを入れてこれらの衝突やせん断力により分散するメディア型の分散機などである。
また、複数のディスクを用いた回転型の分散機に、多数のメディアを充填した分散機も存在する。このような分散機(攪拌機)のディスク及びそれを備える攪拌機に関して、例えば、本願の出願人の特許が公開されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の攪拌ディスク2は、ディスク外周部21にディスク外周円C1より内側部分からディスク回転方向αにおいて下流側へ延びてディスク外周円C1に開口する切り欠き溝22を有するとともに、切り欠き溝22より半径方向内側部分に複数のメディア通過用貫通孔23を有する(特許文献1の第3図参照)。そして、このディスクを攪拌機に用いることにより、高粘性の被処理流体を均一に分散させ、メディアの十分な運動量を確保して所望の処理を行おうとするものである。
特許第3830194号公報
しかし、上記した特許文献1よりも分散性能を向上したいとの要望がある。そこで、本願の発明者らは、従来よりも分散性能を向上したディスク及び分散機について鋭意研究し、本発明に至った。
発明者らが試験及び研究したところ、特許文献1のディスクでは、切り欠き溝22が分散に大きく寄与していないことがわかった。具体的には、切り欠き溝22の根元の湾曲部分Aがあまり寄与しておらず、かつ、切り欠き溝22を構成するディスク外周部21の鋭角部分が、隣り合うディスク外周部21の斜辺部分Bの一部Cを覆っていて、分散に寄与する斜辺部分Bの妨げになっていることがわかった(図11、12参照)。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたもので、従来よりも分散性能を向上した分散機に用いるディスク及び分散機を提供することを目的とする。
本発明に係る一の態様のディスクは、メディア型の分散機に用いるディスクであって、ディスク外周部に径外方向にむけて延在する複数の突片を備え、前記突片の形状が略台形状であって、ディスク回転方向における下流方向かつ径外方向へ斜めに延びる第1辺と、前記第1辺から前記下流方向かつ円周方向へ延びる第2辺と、前記第2辺からディスクの中心に向けてまっすぐ延びる第3辺とを有し、前記突片の数がディスク外径〔mm〕の1/15以上1/5未満の範囲であることを特徴とする。
この構成によれば、突片の形状が略台形状であるため、段落0007に示す従来のディスクのように、一の突片が他の突片を覆いかくすことがなく(符号C参照)、分散に寄与する部分を効果的に露出し、分散性能が大きく向上する。また、この形状によって、突片の数も従来より増加させることができ、分散性能が向上する。
上記の通り、このディスクは、前記突片の形状について、ディスク回転方向における下流方向かつ径外方向へ斜めに延びる第1辺と、前記第1辺から前記下流方向かつ円周方向へ延びる第2辺と、前記第2辺からディスクの中心に向けてまっすぐ延びる第3辺と、を備える。
この構成によれば、第1辺がディスク回転方向における下流方向かつ径外方向へ斜めに延び、第2辺が前記下流方向かつ円周方向へ延びる構成であるため、ディスクを回転させた時に、分散に寄与する第1辺及び第2辺が作用し、分散対象物を効果的に分散する。また、第3辺が第2辺からディスクの中心方向に向けて延びる構成であるため、第3辺が隣り合う第1辺を覆い隠すことがなく効果的である。
また、このディスクは、前記第1辺と前記第2辺とが滑らかに連続する。また、前記第1辺と前記第2辺とが湾曲している。この構成によれば、鋭角に繋がる場合よりも、第1辺と第2辺を分散に効かせることができる。
また、このディスクは、前記第1辺と前記第2辺とが湾曲している。この構成によれば、第1辺と第2辺が直線の場合よりも、第1辺と第2辺の距離が長く分散に効かせることができる。
また、このディスクは、隣り合う第1の突片の第3辺と、第2の突片の第1辺とが滑らかに連続する。この構成によれば、鋭角に繋がる場合よりも、第1の突片の第3辺と第2の突片の第1辺を分散に効かせることができる。
また、このディスクは、メディアが通過する複数の貫通孔を更に備え、前記貫通孔が、前記ディスクの幅方向に貫通する貫通孔である。この構成によれば、貫通孔の存在によって分散対象物の通過断面積が増えることで、特に高粘度や高濃度の分散対象物の場合に、分散が促進される。
また、このディスクは、前記貫通孔が、前記ディスクの上面から下面に向けて、前記ディスク回転方向と同方向に斜めに貫通する。この構成によれば、貫通孔がディスク回転方向と同方向に斜めに貫通しているので、ディスクの外側から下流に流れた分散対象物又はメディアが、貫通孔の下面側から上面側に戻されることで、分散対象物が分散される時間や距離が増し、またメディアが容器内を循環し、分散が促進される。特に、分散対象物が高粘度である場合などに好適である。なお、分散対象物が低粘度である場合など、貫通穴は、ディスクの上面から下面に直線上の直穴であってもよい。
また、このディスクは、前記貫通孔が、前記ディスクの中心よりも、前記突片に近い位置に配されている。この構成によれば、ディスクが回転した場合に、遠心力によってメディアがディスク径外方向に寄るところ、貫通孔をディスクの外方、例えば突片から少しだけディスク中心側にずらした位置などに設けることで、効果的な分散が可能となる。
また、このディスクは、前記貫通孔の数Xと前記突辺の数Yとが下記数式1を満たす。この構成によれば、貫通孔の数が所定の範囲となり、せん断性能が高く、メディアがスムーズに通過する貫通孔となる。具体的には、貫通孔の数は多いとせん断性能は向上するが、多すぎると貫通孔の面積が小さくなりメディアの通りを妨げとなるところ、貫通孔の数が上記範囲内とすることで、せん断性能が高く、メディアがスムーズに通過する、貫通孔の数及び面積となる。
X≦Y ・・・(式1)
また、このディスクは、前記ディスクの中心に対し対向する2つの前記貫通孔の中心間の距離D2と、前記ディスクの外径D1と、前記突辺の前記第1辺の曲率半径R1と、当該第1辺の曲率中心と前記ディスクの中心との距離W1とが、下記数式2乃至4を満たす。この構成によれば、従来よりもせん断性能が高く、メディアもスムーズに通過するディスクとなる。
0.65≦D2/D1≦0.80 ・・・(式2)
0.40≦R1/D1≦0.55 ・・・(式3)
0.15≦W1/D1≦0.30 ・・・(式4)
本発明に係る一の態様の分散機は、上記した構成のディスクと、前記ディスクが間隔をあけて複数取り付けられる回転可能なシャフトと、前記ディスク及び前記シャフトを覆う容器と、前記容器の内部に充填されるメディアと、を備える。この構成によれば、従来よりも分散機の分散性能が向上する。
本発明のディスクや分散機によれば、従来よりも分散性能が向上する。
本発明の一実施形態にかかる分散機の概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかるディスクを示す図である。 本発明の一実施形態にかかるディスクの各寸法を示す図である。 本発明の一実施形態にかかるディスクの変形例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかるディスクの変形例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかるディスクの変形例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかるディスクと従来のディスクを示す図である。 分散機における従来の切り欠き型のディスク外周部の分散対象物の通過断面を示す図である。 本発明の一実施形態にかかるディスクと従来のディスクとを比較した、ディスク外周部の分散対象物の通過断面積を示す表である。 同比較試験結果であり、衝突せん断回数を示す表である。 同比較試験結果であり、投入動力と粒子径の関係を示す図である。 同比較試験結果であり、分散時間と粒子径の関係を示す図である。 同比較試験結果であり、圧力と流量の関係を示す図である。 従来のディスクを示す図である。 従来のディスクの摩耗試験結果を示す図である。
<1.分散機の全体構造>
以下、本発明に係る一実施形態の分散機について説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の分散機の概略構成を示す断面図である。図2は、本実施形態の分散機に用いる分散用ディスクを示す図である。
図1に示すように、分散機1は、容器2と、容器2の内部に軸方向にのびるシャフト3と、これに並び固定された複数の分散用ディスク4とを主要な構成として備える。また、容器2内には、多数のメディアが充填されている。本実施形態では、メディアの一例として、φ2mmのジルコニアビーズを用いている。なお、本実施形態に用いるビーズは一例であり、分散対象物よりも比重及び径が大きいビーズを用いればよい。また、このビーズは、分散対象物の種類、粒子の硬さ、粒子径、粘度や比重等に応じて適宜選択する。また、ビーズはメディアの一例であり、ビーズ以外のメディアを用いてもよい。
容器2は、両端に側壁21、22を有する略密閉された円筒状の容器である。シャフト3は、容器2の一方の側壁21に設けられた開口23に挿通して、他方の側壁22付近までのび、容器2の外側に設けられた軸受装置(図示なし)により回転可能に片持ち支持されている。そして、軸受装置にはモータ(図示なし)が接続され、シャフト3は回転可能に構成されている。
また、容器2の外方には、側壁21に当接するように分散対象物が通過する貯留室24が液密に設けられている。貯留室24は、シャフト3に嵌合しており、シャフト3との接続部分に流体の漏洩を防止するシール材25が取り付けられている。
また、側壁21の開口23の容器2内側には、シャフト3に挿通する形でギャップセパレータ26が取り付けられている。ギャップセパレータ26は、分散対象物とメディアを分離するためのものである。具体的には、開口23とギャップセパレータ26との間には隙間が設けられている。この隙間は、メディアは通過できないが、分散対象物が通過できる大きさとなっている。なお、ギャップセパレータ26は、本実施形態の一例であり、メディアと分散対象物を分離することができるものであれば、スクリーン機構や遠心分離機構などを用いてもよい。
また、貯留室24には排出管27が接続されており、ここから分散後の分散対象物が排出される。また、側壁21と反対側の側壁22には供給管28が接続されており、ここから分散前の分散対象物が供給される。なお、供給管28にはポンプ(図示なし)が接続されていて、分散対象物を容器2内に供給する。
また、容器2は水冷ジャケット5に覆われている。水冷ジャケット5には、冷却水の入口51と出口52が設けられていて、入口51から冷却水を導入し、出口52から流出することで、容器2及びその内部を冷却する。
なお、本実施形態の分散機1の寸法は、一例として、容器2の長手方向の寸法=370mm、容器2の内径=150mm、シャフト3の径=36mm、分散用ディスク4の外径=126mm、各分散用ディスク4の間隔=43mmとしている。
<2.分散用ディスクの構造>
次に、分散用ディスク4について説明する。図1に示すように、分散用ディスク4は、容器2内に、シャフト3に等間隔で7枚固定されている。なお、分散用ディスク4の枚数は本実施形態の一例であり、7枚より多くとも少なくともよい。
図2Aに示すように、分散用ディスク4は、外周部に径外方向にむけて延在する10個の略台形状の突片41を備える。なお、突片の数は、本実施形態の一例であり、ディスク外径〔mm〕の1/15以上1/5未満の範囲の数であればよい。なお、本実施形態の分散用ディスク4の外径は一例として126mmであり、突片41の数は10であり、上記の範囲に含まれる。
突片41は、ディスク回転方向αにおける下流方向で、径外方向に斜めに延びる第1辺41aと、第1辺41aから下流方向かつ円周方向へ延びる第2辺41bと、第2辺41bからディスクの中心方向に向けて伸びる第3辺41cとにより構成されている。また、第1辺41aと第2辺41bは緩やかな湾曲であり、これらが滑らかに連続している。また、隣り合う突片41は、一の突片41の第3辺41cと、他の突片41の第1辺41aとが滑らかに連続している。
また、分散用ディスク4には、各突片41からディスク中心方向に少しずらした位置に、貫通孔42がそれぞれ設けられている。本実施形態においては、一例として、貫通孔42が10個設けられている。貫通孔42は、メディア又は分散対象物が通過するための孔である。また、貫通孔42は、分散用ディスク4の上面4aから下面4bに向けて、ディスク幅方向に真っ直ぐ貫通する直穴である。また、分散用ディスク4の中央には、シャフト3に取り付けるための貫通孔43が設けられている。
なお、貫通孔42の数は、本実施形態の一例であり、貫通孔の数Xが突辺の数Y以下であることが望ましい(X≦Y)。貫通孔の数は多いとせん断性能は向上するが、多すぎると貫通孔の面積が小さくなりメディアの通りを妨げとなるためである。本実施形態の貫通孔42の数は10で、突辺41の数が10であるため、上記の範囲内である。
また、分散対象物が低粘度や低濃度の時などは、貫通孔42を設けない方がよい場合もある(図3A参照)。貫通孔42の存在によって分散対象物のショートパスが起こることがあるためである。
また、本実施形態の分散用ディスク4の寸法は、一例として、ディスク外径(D1)=126mm、各貫通孔42の中心を結ぶ円の直径(D2)=94mm、突辺41の第1辺41aの曲率半径(R1)=59.5mm、第1辺41aの曲率中心とディスク中心との距離(W1)=30mm、貫通孔42の直径=14mm、ディスク厚=6.0mmとしている(図2B参照)。
なお、分散用ディスク4の寸法は、本実施形態の一例であり、上記のディスク外径等の関係が下記式の範囲内であることが望ましい。この範囲内とすることで、従来よりもせん断性能が向上したディスクとすることができる。なお、せん断性能とは、具体的には単位時間あたりの衝突せん断回数が多いことをいう。単位時間あたりの衝突せん断回数が多ければ、分散が促進され、分散性能が向上する。
0.65≦D2/D1≦0.80 ・・・(式2)
0.40≦R1/D1≦0.55 ・・・(式3)
0.15≦W1/D1≦0.30 ・・・(式4)
<3.分散用ディスクの変形例>
次に、分散用ディスク4の変形例について説明する。分散用ディスク60と分散用ディスク4との主な違いは、貫通孔62の形状である。図3Bは、変形例である分散用ディスク60を上面から見た図である。なお、図3Bにおいて、ディスク内側の実線で表した複数の楕円は貫通孔62の上面側の開口を示し、点線で表した複数の楕円は貫通孔62の下面側の開口を示す。
分散用ディスク4の貫通孔42が、略真円の断面で幅方向に真っ直ぐ貫通する直孔であるのに対して、分散用ディスク60の貫通孔62は楕円形の断面で、分散用ディスク60の上面から下面に向けて、ディスク回転方向αと同方向に斜めに貫通している。
このように、貫通孔62がディスク回転方向αと同方向に斜めに貫通しているので、分散用ディスク60を分散機1に取り付けて使用した場合に、一旦容器2と分散用ディスク60の外周部の隙間から下流に流れた分散対象物又はメディアが、貫通孔62の下流側の面から上流側の面、すなわち、下面側から上面側に戻されることで、分散対象物が分散される時間や距離が増し、また容器2内をメディアが循環することで分散が促進される。この分散用ディスク60は、特に分散対象物が高粘度である場合に好適である。
また、図3Cに示す分散用ディスク70、80、90は、分散用ディスク4のディスク外径等の寸法、突辺41の数や形状、大きさ、貫通孔42の数や大きさを変更した変形例である。分散用ディスク70、80、90のいずれも、上記の式1乃至4を満たすディスクであるため、従来よりも分散性能が向上したディスクである。
<4.効果試験>
続き、本実施形態の分散用ディスクと、従来の分散用ディスクの効果試験について説明する。まず、本願の発明者らが本発明に至った経緯について説明する。本願の発明者らは、従来の分散用ディスクの摩耗試験を行った結果、図12の写真に示すように分散用ディスクのAの位置は摩耗がほとんど見られず、Bの位置に激しい摩耗が見られた。すなわち、分散用ディスクのAの位置は分散に寄与しておらず、Bの位置が大きく寄与していることを突き止めた。
そして、発明者らは、この結果に基づき、分散性能をあげるべく鋭意研究を重ね、Aは分散に寄与せずBが寄与していること、Aの鋭角部分がBに続くCを覆い隠していること、その他様々な要因を検討及び考慮して、本願発明の分散用ディスクに至ったものである。本願発明の分散用ディスクの一実施形態の構造等については、上記で説明した通りである。
次に、本実施形態の分散用ディスクの効果を確認すべく、従来の分散用ディスクとの比較試験を行った。なお、この試験に使用した従来の分散用ディスクは、摩耗試験に使用した分散用ディスクとは形状が異なる。図4に、本実施形態の分散用ディスク4と、2種の従来の分散用ディスク100,200を示す。なお、従来の分散用ディスク100(高分散型)は、もう1つの分散用ディスク200(切欠型)よりも分散性能が高いものである。
そして、これらの分散用ディスクをそれぞれ分散機に取り付けて所定条件のもと運転し、これらの効果について検証した。なお、条件を一定にすべく、使用する分散機は同一の物を用い、分散機の容器と分散用ディスクの外周部の隙間の断面積、すなわち、分散対象物がディスク外周部を通過する断面積を略同一とした。図5に示す斜線部が、分散対象物がディスク外周部を通過する断面であり、図6に断面積を示す。
また、試験には、上記した分散機1と同等の分散機を用いた。すなわち、容器の長手方向の寸法=370mm、容器の内径=150mm、シャフトの径=36mm、各分散用ディスクの間隔=43mmである。また、分散用ディスクの外径は、いずれも略126mmのものである。そして、分散機の容器内にφ2mmのジルコニアビーズを80%充填した。また、分散対象物には、高粘度の赤錆塗料を用いた。なお、以下の試験において、上記した分散機の寸法やその他条件は共通である。
(試験1)
まず、上記の条件のもと、ディスクの周速10m/sec、流量340cc/min(比重2.35g/cc)、分散対象物14kgにて、各分散用ディスク4,100,200を取り付けて、それぞれ運転した時の1秒間当たりの衝突せん断回数についてそれぞれ算出した。その結果を図7に示す。本実施形態の分散用ディスク4が253、従来の高分散型の分散用ディスク100が202、従来の切欠型の分散用ディスク200が101となる。この結果から、本実施形態の分散用ディスク4が、従来の分散用ディスク100や200に比べて、約25%〜150%のせん断回数の向上が見られ、分散性能が大幅に向上することが予測される。
(試験2)
次に、本実施形態の分散用ディスク4と、従来の高分散型の分散用ディスク100とを用いて、投入動力と粒子径との関係について比較試験を行った。投入動力と粒子径との関係についての試験結果を図8に示す。
図8に示すように、例えば分散対象物の粒子径が15μmに達する投入動力を比較すると、従来型の分散用ディスク100の場合0.46kwh/Lであるのに対し、本実施形態の分散用ディスク4は0.33kwh/Lであり、約70%の低投入動力で同等の分散性能がでることがわかった。この結果から、本実施形態の分散用ディスク4が、従来の分散用ディスク100に比べて、より少ない投入動力で同等の分散効果を得られる事が確認出来、省エネルギーとなることが証明された。
(試験3)
次に、試験2と同条件の試験における、分散時間と粒子径との関係についての試験結果を図9に示す。図9に示すように、例えば分散対象物の粒子径が15μmに達する分散時間を比較すると、従来型の分散用ディスク100の場合52分であるのに対し、本実施形態の分散用ディスク4は34分であり、約35%分散時間が短縮されることがわかった。この結果から、本実施形態の分散用ディスク4が、従来の分散用ディスク100に比べて、分散性能を大幅に向上することが証明された。
(試験4)
次に、試験2と同条件の試験における、分散対象物を供給するポンプ圧力と流量の関係についての試験結果を図10に示す。図10に示すように、従来型の分散用ディスク100の場合、圧力限界の0.4MPa付近で流量が1100cc/min程度でほぼ飽和するのに対し、本実施形態の分散用ディスク4は緩やかな上昇をたどり、流量が1300cc/min以上でも送液が可能であることがわかった。
この圧力上昇の原因は、メディアがギャップセパレータ付近に偏在することによるものと想定され、本実施形態の分散用ディスク4が、従来型の分散用ディスク100に比べて、メディアの偏在が生じにくいことがわかった。メディアの偏在は、分散対象物の均一な分散の妨げになるなど分散性能に大きく関わるものであるところ、この結果からも本実施形態の分散用ディスク4が、従来型の分散用ディスク100よりも分散性能が向上することが証明された。
上記の結果から、本実施形態の分散用ディスク4によれば、従来よりも大幅な分散性能の向上と、省エネルギー化を図ることができる。
<3.その他の実施形態>
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記した実施形態では、水平方向に配置される横型の分散機について説明したが、垂直方向に沿って配置される縦型の分散機に適用することも可能である。また、その他の詳細な構造や寸法は本実施形態の一例であり、その他の寸法などとしてもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲に含まれる。
1 分散機
2 容器
21 側壁
22 側壁
23 開口
24 貯留室
25 シール材
26 ギャップセパレータ
27 排出管
28 供給管
3 シャフト
4 分散用ディスク
4a 上面
4b 下面
41 突片
41a 第1辺
41b 第2辺
41c 第3辺
42 貫通孔
43 貫通孔
5 水冷ジャケット
51 入口
52 出口
60 分散用ディスク(変形例)
62 貫通孔
70 分散用ディスク(変形例)
80 分散用ディスク(変形例)
90 分散用ディスク(変形例)

Claims (11)

  1. メディア型の分散機に用いるディスクであって、
    ディスク外周部に径外方向にむけて延在する複数の突片を備え、
    前記突片は、略台形状であって、ディスク回転方向における下流方向かつ径外方向へ斜めに延びる第1辺と、前記第1辺から前記下流方向かつ円周方向へ延びる第2辺と、前記第2辺からディスクの中心に向けてまっすぐ延びる第3辺とを有し、
    前記突片の数がディスク外径〔mm〕の1/15以上1/5未満の範囲である、
    ディスク。
  2. 前記第1辺と前記第2辺とが滑らかに連続する、
    請求項1に記載のディスク。
  3. 前記第1辺と前記第2辺とが湾曲している、
    請求項2に記載のディスク。
  4. 隣り合う第1の突片の第3辺と、第2の突片の第1辺とが滑らかに連続する、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスク。
  5. メディアが通過する複数の貫通孔を更に備え、
    前記貫通孔が、前記ディスクの幅方向に貫通する貫通孔である、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のディスク。
  6. 前記貫通孔は、前記ディスクの上面から下面に向けて、前記ディスク回転方向と同方向に斜めに貫通する、
    請求項5に記載のディスク。
  7. 前記貫通孔は、前記ディスクの上面から下面に向けて、幅方向に真っ直ぐ貫通する、
    請求項5に記載のディスク。
  8. 前記貫通孔は、前記ディスクの中心よりも、前記突片に近い位置に配されている、
    請求項5乃至7のいずれか1項に記載のディスク。
  9. 前記貫通孔の数Xと前記突片の数Yとが下記式1を満たす、
    請求項5乃至8のいずれか1項に記載のディスク。
    X≦Y ・・・(式1)
  10. 前記ディスクの中心に対し対向する2つの前記貫通孔の中心間の距離D2と、前記ディスクの外径D1と、前記突片の前記第1辺の曲率半径R1と、当該第1辺の曲率中心と前記ディスクの中心との距離W1とが、下記式2乃至4を満たす、
    請求項9に記載のディスク。
    0.65≦D2/D1≦0.80 ・・・(式2)
    0.40≦R1/D1≦0.55 ・・・(式3)
    0.15≦W1/D1≦0.30 ・・・(式4)
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のディスクと、
    前記ディスクが間隔をあけて複数取り付けられる回転可能なシャフトと、
    前記ディスク及び前記シャフトを覆う容器と、
    前記容器の内部に充填されるメディアと、を備える、
    分散機。
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