無線端末が基地局等のインフラストラクチャ・ネットワークを介さずに他の無線端末と直接的に通信する形態は、device-to-device(D2D)通信と呼ばれる。D2D通信は、直接通信(Direct Communication)および直接ディスカバリ(Direct Discovery)の少なくとも一方を含む。幾つかの実装において、D2D通信をサポートする複数の無線端末は、自律的に又はネットワークの指示に従ってD2D通信グループを形成し、当該D2D通信グループ内の他の無線端末と通信を行う。
3GPP Release 12に規定されたProximity-based services(ProSe)は、D2D通信の一例である。ProSe直接ディスカバリは、ProSeを実行可能な無線端末(ProSe-enabled User Equipment(UE))が他のProSe-enabled UEを、これら2つのUEが有する無線通信技術(例えば、Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) technology)の能力だけを用いてディスカバリする手順により行われる。ProSe直接ディスカバリは、3つ以上のProSe-enabled UEsにより行われてもよい。
ProSe直接通信は、ProSe直接ディスカバリの手順の後に、直接通信レンジ内に存在する2以上のProSe-enabled UEsの間の通信パスの確立を可能にする。言い換えると、ProSe直接通信は、ProSe-enabled UEが、基地局(eNodeB(eNB))を含む公衆地上移動通信ネットワーク(Public Land Mobile Network (PLMN))を経由せずに、他のProSe-enabled UEと直接的に通信することを可能にする。ProSe直接通信は、基地局(eNB)にアクセスする場合と同様の無線通信技術(E-UTRA technology)を用いて行われてもよいし、Wireless Local Area Network (WLAN)の無線技術(つまり、IEEE 802.11 radio technology)を用いて行われてもよい。
3GPP Release 12では、直接通信または直接ディスカバリに用いられる無線端末間の無線リンクは、サイドリンク(Sidelink)と呼ばれる。サイドリンク送信は、アップリンク及びダウンリンクのために定義されたLong Term Evolution(LTE)フレーム構造と同じフレーム構造を使用し、周波数および時間ドメインにおいてアップリンク・リソースのサブセットを使用する。無線端末(UE)は、アップリンクと同様のシングルキャリア周波数分割多重(Single Carrier FDMA(Frequency Division Multiple Access)、SC-FDMA)を使用してサイドリンク送信を行う。
3GPP Release 12 ProSeでは、サイドリンク送信のための無線リソースのUEへの割り当ては、無線アクセスネットワーク(e.g., Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN))によって行われる。ProSe functionによってサイドリンク通信を許可されたUEは、無線アクセスネットワークノード(e.g., eNB(eNB))によって割り当てられた無線リソースを使用してProSe直接ディスカバリ又はProSe直接通信を行う。
ProSe直接通信に関しては、2つのリソース割り当てモード、つまりscheduled resource allocation 及び autonomous resource selectionが規定されているscheduled resource allocation 及び autonomous resource selection は、それぞれ“sidelink transmission mode 1”及び“sidelink transmission mode 2”と呼ばれる。
ProSe直接通信のscheduled resource allocationでは、UEがサイドリンク送信を希望する場合、当該UEがサイドリンク送信のための無線リソース割り当てをeNBに要求し、eNBがサイドリンク・コントロール及びデータのためのリソースを当該UEに割り当てる。具体的には、UEは、アップリンク(UL)データ送信リソース(Uplink Shared Channel(UL-SCH)リソース)を要求するためにスケジューリング・リクエストをeNB に送信し、アップリンクグラント(UL grant)で割り当てられたULデータ送信リソースにおいてSidelink Buffer Status Report(Sidelink BSR)をeNBに送信する。eNBは、Sidelink BSRに基づいてUEに割り当てるサイドリンク送信リソースを決定し、サイドリンク・グラント(SL grant)をUEに送信する。
SL grantは、Downlink Control Information(DCI) format 5として定義されている。SL grant(DCI format 5)は、Resource for PSCCH、Resource block assignment and hopping allocation、及びtime resource pattern indexなどのコンテンツを含む。Resource for PSCCHは、サイドリンク制御チャネル(i.e., Physical Sidelink Control Channel(PSCCH))用の無線リソースを示す。Resource block assignment and hopping allocationは、サイドリンクでのデータ送信用のサイドリンク・データチャネル(i.e., Physical Sidelink Shared Channel(PSSCH))を送信するための周波数リソース、つまりサブキャリア(リソースブロック)のセット、を決定するために使用される。Time resource pattern indexは、PSSCHを送信するための時間リソース、つまりサブフレームのセット、を決定するために使用される。なお、厳密に述べると、リソースブロックは、LTE及びLTE-Advancedの時間−周波数リソースを意味し、時間ドメインにおいて連続する複数個のOFDM(又はSC-FDMA)シンボルと周波数ドメインにおいて連続する複数個のサブキャリアによって規定されるリソース単位である。Normal cyclic prefixの場合、1リソースブロックは、時間ドメインにおいて連続する12OFDM(又はSC-FDMA)シンボルを含み、周波数ドメインにおいて12サブキャリアを含む。すなわち、Resource block assignment and hopping allocationおよびTime resource pattern indexは、PSSCHを送信するためのリソースブロックを指定する。UE(つまり、サイドリンク送信端末)は、SL grantに従ってPSCCHリソースおよびPSSCHリソースを決める。
一方、ProSe直接通信のautonomous resource selectionでは、UEは、eNBによって設定されたリソースプールの中から、サイドリンク・コントロール(PSCCH)及びデータ(PSSCH)のためのリソースを自律的に選択する。eNBは、System Information Block(SIB)18において、autonomous resource selectionに使用するためのリソースプールをUEに割り当ててもよい。なお、eNBは、Radio Resource Control (RRC)_CONNECTEDのUEに対して、個別(dedicated)RRCシグナリングで、autonomous resource selectionに使用するためのリソースプールを割り当ててもよい。このリソースプールは、UEがRRC_IDLEであるときにも利用可能であってもよい。
サイドリンクでの直接送信を行う場合、送信側のUE(D2D transmitting UE)(以下、送信端末とする)は、サイドリンク制御チャネル(i.e., PSCCH)用の無線リソース領域(resource pool)を使って、スケジューリング割当情報(Scheduling Assignment)を送信する。スケジューリング割当情報は、Sidelink Control Information (SCI) format 0とも呼ばれる。スケジューリング割当情報は、resource block assignment and hopping allocation、time resource pattern index、及び Modulation and Coding Scheme(MCS)などのコンテンツを含む。上述したscheduled resource allocation の場合、Scheduling Assignment(SCI format 0)が示す Resource block assignment and hopping allocation及びtime resource pattern indexは、eNBから受信したSL grant(DCI format 5)が示すResource block assignment and hopping allocation及びtime resource pattern indexに従う。
送信端末は、スケジューリング割当情報に従った無線リソースを使って、PSSCHにおいてデータを送信する。受信側のUE(D2D receiving UE)(以下、受信端末とする)は、送信端末からのスケジューリング割当情報をPSCCHにおいて受信し、そのスケジューリング割当情報に従ってPSSCHにおいてデータを受信する。なお、ここで送信端末との用語は、無線端末の送信動作に着目した表現であって、送信専用の無線端末を意味するものではない。同様に、受信端末との用語は、無線端末の受信動作に着目した表現であり、受信専用の端末を意味するものではない。すなわち、送信端末は受信動作を行うことも可能であり、受信端末は送信動作を行うことも可能である。
さらに、3GPP Release 12は、一方のUEがネットワークカバレッジ外であり、他方のUEがネットワークカバレッジ内であるパーシャルカバレッジ・シナリオについて規定している。パーシャルカバレッジ・シナリオにおいて、カバレッジ外のUEはremote UE又はsidelink remote UEと呼ばれ、カバレッジ内かつremote UEとネットワークとの間を中継するUEはProSe UE-to-Network Relay又はsidelink relay UEと呼ばれる。ProSe UE-to-Network Relayは、remote UEとネットワーク(E-UTRA network(E-UTRAN)及びEPC)との間でトラフィック(ダウンリンク及びアップリンク)を中継する。
より具体的に述べると、ProSe UE-to-Network Relayは、UEとしてネットワークにアタッチし、ProSe function エンティティ又はその他のPacket Data Network(PDN)と通信するためのPDN connectionを確立し、ProSeダイレクト通信を開始するためにProSe function エンティティと通信する。ProSe UE-to-Network Relayは、さらに、remote UEとの間でディスカバリ手順を実行し、UE間ダイレクトインタフェース(e.g., サイドリンク又はPC5インタフェース)においてremote UEと通信し、remote UEとネットワークとの間でトラフィック(ダウンリンク及びアップリンク)を中継する。Internet Protocol version 4(IPv4)が用いられる場合、ProSe UE-to-Network Relayは、Dynamic Host Configuration Protocol Version 4 (DHCPv4) Server及びNetwork Address Translation (NAT) として動作する。IPv6が用いられる場合、ProSe UE-to-Network Relayは、stateless DHCPv6 Relay Agentとして動作する。
さらに、3GPP Release 13はProSeの拡張を含む(例えば、非特許文献1−3を参照)。非特許文献1は、Direct communication via ProSe UE-to-Network Relayの開始手順、及びOne-to-one ProSe Direct Communicationの開始手順を規定している(非特許文献1のセクション5.4.4及び5.4.5を参照。非特許文献2は、one to one sidelink communication、sidelink relay operation、及びsidelink remote operationを含むサイドリンク関連RRC手順を規定している(非特許文献2のセクション5を参照)。非特許文献3は、sidelink remote UEとsidelink relay UEとの間の通信を含むone-to-one sidelink communication(又はunicast sidelink communication)をサポートするためのMedium Access Control (MAC)機能を規定している(非特許文献3のセクション5.4.4、5.14、6.1.3.1a、及び6.2.1を参照)。
本明細書では、ProSe UE-to-Network Relay(sidelink relay UE)のようなD2D通信能力およびリレー能力を持つ無線端末を「リレー端末」、又は「リレーUE」と呼ぶ。また、リレーUEによる中継サービスを受ける無線端末を「リモート端末」又は「リモートUE」と呼ぶ。リモート端末は、被リレー(relayed)端末と呼ぶこともできる。
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
以下に示される複数の実施形態は、3GPP ProSeの改良を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、LTE-Advanced 及びその改良に限定されるものではなく、他のモバイル通信ネットワーク又はシステムでのD2D通信に適用されてもよい。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示している。具体的には、図1は、UE-to-Network Relay(sidelink relay UE)に関する例を示しており、リモートUE1A及び1B、リレーUE2A、2B、及び2C、並びにUE4を図示している。以下の説明では、リモートUE1Aを含む複数のリモートUEに共通する事項を説明する場合、参照符号1を用いて単に“リモートUE1”が参照される。同様に、リレーUE2A及び2Bを含む複数のリレーUEに共通する事項を説明する場合、参照符号2を用いて単に“リレーUE2”が参照される。
リモートUE1は、少なくとも1つの無線トランシーバを有し、1又はそれ以上のD2Dリンク(e.g., D2Dリンク101)上で1又はそれ以上のリレーUE2とD2D通信を行うよう構成されている。既に説明したように、3GPPでは、D2Dリンクは、PC5インタフェース又はサイドリンクと呼ばれる。当該D2D通信は、少なくとも直接通信(i.e., ProSe Direct Communication)を含み、直接ディスカバリ(i.e., ProSe Direct Discovery)をさらに含んでもよい。なお、ProSe Direct Communication は、サイドリンク送信を利用する直接通信であり、Sidelink Direct Communicationとも呼ばれる。同様に、ProSe Direct Discoveryは、サイドリンク送信を利用する直接ディスカバリであり、Sidelink Direct Discoveryとも呼ばれる。さらに、リモートUE1は、基地局(eNB)3により提供されるセルラーカバレッジ(セル)内において基地局3とのアップリンク及びダウンリンクを含むセルラーリンク(e.g., セルラーリンク120)においてセルラー通信を行うよう構成されている。
リレーUE2は、少なくとも1つの無線トランシーバを有し、セルラーカバレッジ内において基地局3とのアップリンク及びダウンリンクを含むセルラーリンク(e.g., セルラーリンク121)においてセルラー通信を行うとともに、D2Dリンク(e.g., D2Dリンク101)上でリモートUE1とD2D通信(e.g., ProSeダイレクト・ディスカバリ及びProSeダイレクト通信)を行うよう構成されている。
UE4は、リモートUE1又はリレーUE2に接続されておらず、自身のアップリンク送信のみを行う。
基地局3は、無線アクセスネットワーク(i.e., E-UTRAN)内に配置されたエンティティであり、1又は複数のセルを含むセルラーカバレッジを提供し、セルラー通信技術(e.g., E-UTRA technology)を用いてリレーUE2及びUE4とセルラーリンク(e.g., セルラーリンク121)において通信することができる。さらに、基地局3は、セルラーカバレッジ内にいるリモートUE1とセルラー通信を行うよう構成されている。
図1は、アップリンク送信の数が異なる3つの送信形態を示している。すなわち、リモートUE1Aは、2つのリレーUE2A及び2Bに接続されている。したがって、リモートUE1Aから発信されるデータは、3つのアップリンク送信、すなわちリモートUE1A、リレーUE2A、及びリレーUE2Bのアップリンク送信、を介して基地局3に送信されることができる。リモートUE1Bは、1つのリレーUE2Cに接続さている。したがって、リモートUE1Bから発信されるデータは、2つのアップリンク送信、すなわちリモートUE1B及びリレーUE2Cのアップリンク送信、を介して基地局3に送信されることができる。一方、UE4は、リモートUE1又はリレーUE2に接続されておらず、自身のアップリンク送信のみを行う。したがって、UE4から発信されるデータは、UE4自身の1つのアップリンク送信を介して基地局3に送信されることができる。
すなわち、図1に示されたリモートUE1A、リモートUE1B、及びUE4の実質的なアップリンク送信(アップリンク経路)の数は、それぞれ3つ、2つ、1つである。このように利用可能な実質的なアップリンク送信の数が互いに異なるUEsが混在する状況では、アップリンク・スケジューリングにおいて特別な考慮がなされることが好ましい。
なお、図1に示されたリモートUE1A及び1Bに関する2つのリレー形態は、一例に過ぎず、様々なリレー形態が利用されることができる。例えば、あるリレー形態では、1つのリモートUE1が1つのリレーUE2に接続され、当該リモートUE1が1つのアップリンク送信、すなわちリレーUE2のアップリンク送信のみ、を利用してもよい。例えば、あるリレー形態では、2つのリモートUE1が1つのリレーUE2に接続され、各リレーUE2が2つのアップリンク送信、すなわちリレーUE2のアップリンク送信と自身のアップリンク送信、を利用してもよい。
本実施形態に係る基地局3は、複数のUEグループを区別し、UEグループ間のアップリンク・スケジューリングを行う。なお、各UEグループは、1つのUE(リモートUE1又はUE4)から発信されるデータの送信に関係する1又はそれ以上のUEsから成る。例えば、図1の例は、3つのUEグループ151、152、及び153を図示している。UEグループ151は、リモートUE1から発信されるデータの送信に関係するリモートUE1A、リレーUE2A、及びリレーUE2Bから成る。UEグループ152は、リモートUE1Bから発信されるデータの送信に関係するリモートUE1B及びリレーUE2Cから成る。UEグループ153は、UE4自身から発信されるデータの送信に関係するUE4から成る。
続いて以下では、基地局3によって行われるアップリンク・スケジューリングの詳細について説明する。図2は、基地局3に実装されるアップリンク・スケジューラの構成例を示している。図2に示されたアップリンク・スケジューラ201は、複数のUEsからのBSRsに基づいて、これらUEsのアップリンク送信をスケジュールする。具体的には、アップリンク・スケジューラ201は、各サブフレーム(送信ピリオド)内での当該複数のUEs又はそのサブセットへの複数の周波数リソース(i.e., リソースブロック)の割り当てを決定する。なお、送信ピリオド内の無線リソースは、周波数リソースとは異なる他の無線リソースであってもよいし、周波数リソース及び他の無線リソースの組合せであってもよい。すなわち、送信ピリオド内の無線リソースは、アップリンクに採用される無線通信技術に依存する。例えば、送信ピリオド内の無線リソースは、拡散コードリソース若しくは送信電力リソース又はこれら両方を含んでもよい。
アップリンク・スケジューラ201は、アップリンク・スケジューリングのためにチャネル品質情報(channel quality information)を考慮する。チャネル品質情報は、各UEと基地局3との間の複数のリソースブロックに渡るチャネル品質を示す。アップリンク・スケジューラ201は、他の情報及び制約(constraints)をアップリンク・スケジューリングのために考慮してもよい。例えば、アップリンク・スケジューラ201は、各UEの最大アップリンク送信電力、各UEのQuality of Service(QoS)要件(e.g., Guaranteed Bit Rate(GBR))、各UEの伝送レートの履歴、若しくは各UEの優先度、又はこれらの任意の組合せを考慮してもよい。
さらに、アップリンク・スケジューラ201は、グルーピング情報をアップリンク・スケジューリングのために考慮する。グループピング情報は、1つのデータ発信元(originating)UE(i.e., リモートUE1又はUE4)と当該データ発信元UEのデータ送信に関係する1又はそれ以上のリレーUE2との関連付け(association)を示す。あるいは、グルーピング情報は、1つのUEから発信される(originated)データに関係する複数のアップリンク送信の関連付けを示す。当該複数のアップリンク送信は、少なくとも1つのリレーUE2を含む複数のUEから基地局3への複数の送信である。したがって、グルーピング情報は、関連性(association)情報と呼ぶこともできる。例えば、グルーピング情報は、各リモートUE1が接続されている1又はそれ以上のリレーUE2を特定するための情報を含む。
幾つかの実装において、グルーピング情報は、各リモートUE1の識別子を、各リモートUE1が接続されている1又はそれ以上のリレーUE2の識別子に関連付けてもよい。これに代えて、グルーピング情報は、各リレーUE2の識別子を、各リレーUE2に接続されている1又はそれ以上のリモートUE1の識別子に関連付けてもよい。これに代えて、グルーピング情報は、UEグループの識別子を、当該UEグループに属する複数のUEの識別子と関連付けてもよい。
幾つかの実装において、図2に示されるように、アップリンク・スケジューラ201は、時間ドメイン・スケジューラ202及び周波数ドメイン・スケジューラ203を含んでもよい。時間ドメイン・スケジューラ202は、複数のUEsを優先度付けし(prioritize)、各送信ピリオド(i.e., サブフレーム)にスケジュールされるUEsを選択する。周波数ドメイン・スケジューラ203は、各送信ピリオド(i.e., サブフレーム)内のリソースブロックと時間ドメイン・スケジューラ202によって選択されたUEsとの最適なマッピングを決定する。
図3は、本実施形態に係る基地局3によるアップリンク・スケジューリング手順の一例(処理300)を示している。ステップ301では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201)は、複数のUEグループを区別する。各UEグループは、1つのUE(リモートUE1又はUE4)に関係する1又はそれ以上のアップリンク送信を行う1又はそれ以上のUEsから成る。複数のUEグループは、例えば、図1に示され、且つアップリンク送信の数が互いに異なるUEグループ151〜153を含む。
ステップ302では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201)は、現在の送信ピリオド(i.e., サブフレーム)のアップリンク無線リソース割り当ての際に複数のUEグループのうちいずれが優先されるべきかを、各UEグループのアップリンク送信の数に少なくとも部分的に基づいて決定する。例えば、基地局3は、2つのUEグループを1つの送信ピリオドにスケジュールする場合、これら2つのUEグループのうちアップリンク送信の数又は無線端末の数が少ない一方に対して他の一方よりも優先的に当該送信ピリオド内のアップリンク無線リソースを割り当てる。
基地局3は、各UEグループのアップリンク送信(アップリンク経路)の数に基づく優先度レベル(優先度メトリック)を直接的に考慮してもよい。具体的には、アップリンク送信の数が少ないUEグループは、アップリンク送信の数が多いUEグループよりも高い優先度レベルが割り当てられる。すなわち、優先度レベルは、UEグループ内のUEの数又はアップリンク送信の数と反対に変化するよう定義される。
幾つかの実装において、基地局3(アップリンク・スケジューラ201)は、特定のUEグループが他のUEグループよりも優先して特定の送信ピリオドにスケジュールされるべきか否かを当該優先度レベルに少なくとも基づいて決定してもよい。言い換えると、基地局3は、現在の送信ピリオド(i.e., サブフレーム)内にスケジュールされる1又はそれ以上のUEグループを選択するための時間ドメイン・スケジューリングにおいて当該優先度レベルを考慮してもよい。その後に、基地局3は、優先度レベルが高い、つまりUEの数又はアップリンク送信の数が少ないUEグループから順番に、現在の送信ピリオド内の無線リソースを割り当ててもよい。
これに代えて、幾つかの実装において、基地局3(アップリンク・スケジューラ201)は、複数のUEグループのうち現在の送信ピリオドにスケジュールされるサブセットを他の所定のポリシーに従って選択してもよい。当該サブセットは、1又はそれ以上のUEグループを含む。言い換えると、現在の送信ピリオド(i.e., サブフレーム)内にスケジュールされる1又はそれ以上のUEグループを選択するための時間ドメイン・スケジューリングでは、基地局3は、各UEグループのUEの数又はアップリンク送信の数に基づく優先度レベルを必ずしも考慮しなくてもよい。その後に、基地局3は、現在の優先度レベルが高い、つまりUEの数又はアップリンク送信の数が少ないUEグループから順番に現在の送信ピリオド内の無線リソース(i.e., リソースブロック)を割り当ててもよい。すなわち、1つの送信ピリオド(i.e., サブフレーム)内の無線リソース(i.e., リソースブロック)を複数のUEグループに割り当てるための周波数ドメイン・スケジューリングにおいて、基地局3は、各UEグループのアップリンク送信の数に基づく優先度レベルを考慮してもよい。
時間ドメイン・スケジューリングのための所定のポリシーは、複数のUEグループ間の無線リソース割り当ての公平性を考慮することを少なくとも含んでもよい。無線リソース割り当ての公平性を考慮するために、proportional fair (PF) schedulingが利用されてもよい。すなわち、基地局3(アップリンク・スケジューラ201又は時間ドメイン・スケジューラ202)は、現在のサブフレームでの各UEグループの瞬時スループットを計算し、各UEグループの過去の平均スループットを計算し、各UEグループの瞬時スループット及び過去の平均スループットの両方に基づく各UEグループのPFメトリックを計算してもよい。さらに、基地局3は、計算された複数のUEグループのPFメトリクスを比較することによって、現在のサブフレームにおいてスケジュールされるために1又はそれ以上のUEグループを選択してもよい。なお、各UEグループの瞬時スループットは、当該UEグループに属する1又はそれ以上のUEsの瞬時スループットの和であってもよい。各UEグループの過去の平均スループットは、当該UEグループに属する1又はそれ以上のUEsの過去の平均スループットの和であってもよい。
図4は、図3のステップ302で行われるアップリンク・スケジューリングの詳細手順の一例(処理400)を示している。図4の例では、基地局3は、時間ドメイン・スケジューリングにおいて各UEグループのアップリンク送信の数に基づく優先度レベルを考慮する。すなわち、ステップ401では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201又は時間ドメイン・スケジューラ202)は、各UEグループのアップリンク送信の数と反対に変化する優先度レベル(優先度メトリック)に少なくとも基づいて、現在の送信ピリオドにスケジュールされるUEグループを選択する。
ステップ401では、他のスケジューリング・メトリックがさらに使用されてもよい。例えば、基地局3は、無線リソース割り当ての公平性を考慮するために、proportional fair (PF) schedulingを使用する。すなわち、基地局3(アップリンク・スケジューラ201又は時間ドメイン・スケジューラ202)は、現在のサブフレームでの各UEグループの瞬時スループットを計算し、各UEグループの過去の平均スループットを計算し、各UEグループの瞬時スループット及び過去の平均スループットの両方に基づく各UEグループのPFメトリックを計算する。さらに、基地局3は、計算された複数のUEグループのPFメトリクスを比較する。そして、基地局3は、例えば、PFメトリックが基準値を超える1又はそれ以上のUEグループのうち、アップリンク送信数に基づく上述の優先度レベル(優先度メトリック)が最大のUEグループを、現在の送信ピリオドにスケジュールされるために選択する。これに代えて、基地局3は、計算されたPFメトリックの最大値から所定範囲内のPFメトリックを持つ1又はそれ以上のUEグループのうち、アップリンク送信数に基づく上述の優先度レベル(優先度メトリック)が最大のUEグループを、現在の送信ピリオドにスケジュールされるために選択してもよい。
ステップ402では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201又は周波数ドメイン・スケジューラ203)は、ステップ401で選択されたUEグループ内の1又はそれ以上のアップリンク送信の帯域又はスループットの和を最大化するように、現在の送信ピリオド内での無線リソース割り当てを決定する。いくつかの実装において、アップリンク・スケジューラ201(周波数ドメイン・スケジューラ203)は、既存の容量最大化(capacity-maximizing)リソース割り当てを使用する。すなわち、アップリンク・スケジューラ201は、物理的な(e.g., 送信電力)及びQoS関連の制約の下で、UEグループ内の全てのUEの容量関連(capacity-related)メトリックの和を最大化するように、UEグループ内の各UEへのリソースブロック割り当てを決めてもよい。容量関連メトリックは、例えば、各UEのスループット又は伝送レートである。
ステップ403では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201)は、現在の送信ピリオド内に余り無線リソースがあるか否かを判定する。余り無線リソースがある場合、基地局3は、ステップ401〜402の処理を繰り返す。
図5は、図3のステップ302で行われるアップリンク・スケジューリングの詳細手順の他の例(処理500)を示している。図5の例では、基地局3は、周波数ドメイン・スケジューリングにおいて各UEグループのアップリンク送信の数に基づく優先度レベルを考慮する。すなわち、ステップ501では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201又は時間ドメイン・スケジューラ202)は、現在の送信ピリオドにスケジュールされる1又はそれ以上のUEグループを所定のポリシーに従って選択する。所定のポリシーは、上述したように、複数のUEグループ間の無線リソース割り当ての公平性を考慮することを少なくとも含んでもよい。
ステップ502では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201又は周波数ドメイン・スケジューラ203)は、ステップ501で選択された1又はそれ以上のUEグループに対して現在の送信ピリオド内のアップリンク無線リソース(i.e., リソースブロック)を割り当てる際の優先順位を、各UEグループのアップリンク送信の数と反対に変化する上述の優先度メトリックに少なくとも基づいて決定する。
ステップ503では、基地局3(アップリンク・スケジューラ201又は周波数ドメイン・スケジューラ203)は、優先順位に従って選択されたUEグループ内の1又はそれ以上のアップリンク送信に、現在の送信ピリオド内のアップリンク無線リソースを割り当てる。ステップ503では、基地局3は、ステップ402と同様に、優先順位に従って選択されたUEグループ内の1又はそれ以上のアップリンク送信の帯域又はスループットの和を最大化するように、現在の送信ピリオド内での無線リソース割り当てを決定してもよい。
以下では、本実施形態に係るアップリンク・スケジューリングに基づく無線リソース割り当ての具体例を比較例と対比しながら説明する。図6は、以下の説明で参照されるネットワークモデルを示している。図6のネットワークは、図1に示されたリモートUE1B、リレーUE2C、UE4、及び基地局3を含む。以下の説明では、便宜的に、UE4をUE-A、リモートUE1BをUE-B、リレーUE2CをUE-Cと呼ぶ。1つのUE-Aのみを含むUEグループ153は、1つのアップリンク送信のみを有する。一方、UE-A及びUE-Bを含むUEグループ152は、2つのアップリンク送信のみを有する。
図7Aは、比較例を示している。図7Aの例では、1つの送信ピリオド(i.e., サブフレーム)内の無線リソース(i.e., リソースブロック)の割り当てにおいて、各UEグループのアップリンク送信数に基づく優先度レベル(優先度メトリック)が考慮されていない。この結果、スケジューリングの第1ラウンドにおいて、UE-B(リモートUE1B)及びUE-C(リレーUE2C)に無線リソースが割り当てられる。次に、スケジューリングの第2ラウンドでは、UE-A(UE4)に無線リソースが割り当てられる。しかしながら、無線リソース割り当てに連続性(隣接性)制約をもたらす無線通信方式、例えば SC-FDMA、がアップリンクに使用される場合、UE-Aは、もはや2つのRBの割当しか受けることができない。このような無線リソース割り当ては、複数のUEグループのアップリンク送信(アップリンク経路)の数の違いに起因する公平性の破綻をもたらす。あるいは、このような無線リソース割り当ては、リソース断片化によるリソース利用効率の低下をもたらす。
これに対して、図7Bは、本実施形態に係るアップリンク・スケジューリングによって得られる無線リソース割り当ての例を示している。図5Bの例では、1つの送信ピリオド(i.e., サブフレーム)内の無線リソース(i.e., リソースブロック)の割り当てにおいて、各UEグループのアップリンク送信数に基づく優先度レベル(優先度メトリック)が考慮される。この結果、スケジューリングの第1ラウンドにおいて、アップリンク送信数が相対的に少ないUE-A(UE4に無線リソースが割り当てられる。次に、スケジューリングの第2ラウンドでは、UE-B(リモートUE1B)及びUE-C(リレーUE2C)に無線リソースが割り当てられる。このような無線リソース割り当ては、アップリンク送信数が異なる複数のUEグループ間の公平性の維持に寄与できる。あるいは、このような無線リソース割り当ては、リソース断片化によるリソース利用効率の低下を抑制できる。
図7Aと図7Bの対比から理解されるように、各UEグループのアップリンク送信の数に基づく優先度レベルを考慮する周波数ドメイン・スケジューリングは、無線リソース割り当てに連続性(隣接性)制約をもたらす無線通信方式がアップリンクに使用される場合に特に有効である。例えば、LTEアップリンクに使用されるSC-FDMAでは、各UEに割り当てられる全てのリソースブロック(RBs)は互いに隣接していなければならない。このような連続性(隣接性)制約は、アップリンク・スケジューリングを複雑にし、アップリンク無線リソースの断片化によるリソース使用効率の低下を招く。
図7Bから理解されるように、各UEグループのアップリンク送信の数に基づく優先度レベルを考慮する周波数ドメイン・スケジューリングによれば、アップリンク送信数が相対的に少ないUEグループ153(i.e., UE-A)は送信ピリオド内の無線リソースを優先的に割り当てられるため、リソース断片化の影響を受けにくい。一方、アップリンク送信数が相対的に多いUEグループ152(i.e., UE-B及びUE-C)は、リソース割り当ての順番が後ろであるためにリソース断片化の影響を受けやすいが、異なるリソース断片を利用して複数のアップリンク送信を行えるために、リソース断片化に対してロバストである。したがって、各UEグループのアップリンク送信の数に基づく優先度レベルを考慮する周波数ドメイン・スケジューリングは、仮に無線リソースの断片化が発生しても、UEグループ間での公平性を維持しやすいという利点がある。
続いて以下では、リモートUE1とリレーUE2との間の関連付けを基地局3において検出する方法のいくつかの具体例を説明する。幾つかの実装において、基地局3は、リモートUE1が接続されている少なくとも1つのリレーUE2の識別子を包含する第1の制御情報を当該リモートUE1から受信し、当該第1の制御情報に基づいて、リモートUE1とリレーUE2との間の関連付けを検出してもよい。リレーUE2の識別子は、例えば、ProSe Relay UE ID、Cell Radio Network Temporary Identifier(C-RNTI)、又はSidelink RNTI(SL-RNTI)を含んでもよい。これにより、基地局3は、当該リモートUE1のデータ送信に関係するUEグループを検出できる。
第1の制御情報は、Sidelink UE informationメッセージ内のSL-DestinationInfoListUC情報要素であってもよい。Sidelink UE informationメッセージは、UEからE-UTRAN(eNB)に送信されるRRCメッセージである。UEは、例えば、UEがサイドリンクに関心があること又はもはや関心がないことをE-UTRANに知らせるためにSidelink UE informationメッセージを送信する。また、UEは、サイドリンク通信又はディスカバリ・アナウンスメントのための送信リソースの指定(assignment)又は解放(release)を要求するためにSidelink UE informationメッセージを送信する。Sidelink UE informationメッセージに包含されるSL-DestinationInfoListUC情報要素は、ユニキャスト・サイドリンク送信のディスティネーション(destination)を示す。ユニキャスト・ディスティネーションは、Layer-2 ID for unicast、又はProSe Relay UE IDによって特定される。
これに代えて、第1の制御情報は、Sidelink BSR MAC Control Element(CE)内のDestination Indexフィールドであってもよい。Sidelink BSR MAC CEは、UEのサイドリンク送信バッファ内にどの位の送信待ちデータがあるかを知らせるためにUEからE-UTRAN(eNB)に送信される。Sidelink BSR MAC CEに包含されるDestination Indexフィールドは、ProSeダイレクト通信(サイドリンク通信)のディスティネーションを特定する。one-to-many ProSe Direct Communication(one-to-many sidelink communication)の場合、Destination Indexフィールドは、ProSe Layer-2 Group IDを示す。一方、one-to-one ProSe Direct Communication(unicast sidelink communication)の場合、Destination Indexフィールドは、Layer-2 ID for unicast又はProSe Relay UE IDを示す。One-to-one ProSe Direct Communication(unicast sidelink communication)は、リモートUEとリレーUEとの間のユニキャスト・サイドリンク通信を含む。
図8は、基地局3によるUEグループ検出の一例(処理800)を示すシーケンス図である。図8の例では、リモートUE1がリレー選択を行う。リモートUE1によるリレー選択は、分散(distributed)リレー選択と呼ばれる。ステップ801では、リモートUE1及びリレーUE2は、リモートUE1がリレーUE2を発見するためのリレーディスカバリ手順を実行する。例えば、いわゆるアナウンスメント・モデル(モデルA)に従って、リレーUE2がディスカバリ信号を送信し、リモートUE1はリレーUE2からのディスカバリ信号を検出することによってリレーUE2を発見してもよい。これに代えて、いわゆる依頼(solicitation)/応答(response)モデル(モデルB)に従って、リモートUE1がリレーを希望すること示すディスカバリ信号を送信し、リレーUE2が当該ディスカバリ信号に対する応答メッセージをリモートUE1に送信し、リモートUE1はリレーUE2からの応答メッセージを受信することによってリレーUE2を発見してもよい。
ステップ802では、リモートUE1は、ステップ801で発見された1又は複数のリレーUE2の中から、適切な少なくとも1つのリレーUE2を選択する。ステップ803では、リモートUE1は、選択された少なくとも1つのリレーUE2のいずれかとOne-to-one ProSe Direct Communication(unicast sidelink communication)のためのコネクションを確立する。例えば、リモートUE1は、ダイレクト通信要求(又はリレー要求)をリレーUE2に送信してもよい。リレーUE2は、ダイレクト通信要求(又はリレー要求)の受信に応答して、相互認証(mutual authentication)のための手順を開始してもよい。
ステップ804では、リモートUE1は、Sidelink UE informationメッセージを基地局3に送信する。当該Sidelink UE informationメッセージは、ステップ803においてリモートUE1が接続されたリレーUE2の識別子(e.g., ProSe Relay UE ID)を示す。ステップ805では、基地局3は、当該Sidelink UE informationメッセージの受信に応答して、リモートUE1とリレーUE2との関連付けを検出する。
これに代えて、幾つかの実装において、基地局3は、リレーUE2に接続された1又はそれ以上のリモートUE1の識別子を包含する第2の制御情報をリレーUE2から受信し、当該第2の制御情報に基づいて、リモートUE1とリレーUE2との間の関連付けを検出してもよい。リモートUE1の識別子は、例えば、Layer-2 ID for unicast、Cell Radio Network Temporary Identifier(C-RNTI)、又はSidelink RNTI(SL-RNTI)を含んでもよい。これにより、基地局3は、1つのリモートUE1のデータ送信に関係する1又はそれ以上のリレーUE2を認識することができる。
上述の第1の制御情報と同様に、第2の制御情報は、Sidelink UE informationメッセージ内のSL-DestinationInfoListUC情報要素であってもよいし、Sidelink BSR MAC Control Element(CE)内のDestination Indexフィールドであってもよい。これらの場合、リモートUE1の識別子は、Layer-2 ID for unicastであってもよい。
図9は、基地局3によるUEグループ検出の一例(処理900)を示すシーケンス図である。図9の例では、リモートUE1がリレー選択を行う。ステップ901〜903における処理は、図8のステップ801〜803における処理と同様である。ステップ904では、リレーUE2は、Sidelink UE informationメッセージを基地局3に送信する。当該Sidelink UE informationメッセージは、ステップ903においてリレーUE2が接続されたリモートUE1の識別子(e.g., ProSe Relay UE ID)を示す。ステップ905では、基地局3は、当該Sidelink UE informationメッセージの受信に応答して、リモートUE1とリレーUE2との関連付けを検出する。
これに代えて、幾つかの実装において、基地局3は、グループ識別子を包含する第3の制御情報を各リモートUE1及び各リレーUE2から受信し、当該第3の制御情報に基づいて、リモートUE1とリレーUE2との間の関連付け又はUEグループを検出してもよい。グループ識別子は、1つのリモートUE1のデータ送信に関係する複数のUEから成るUEグループに一対一に対応付けられる。例えば、グループ識別子は、リモートUE1によって決定され、リモートUE1から各リレーUE2に通知されてもよい。あるいは、グループ識別子は、ProSe functionエンティティ又はその他の制御エンティティ(e.g., Mobility Management Entity(MME))からから各リモートUE1及びリレーUE2に通知されてもよい。
これに代えて、幾つかの実装において、基地局3は、リモートUE1とリレーUE2との関連付けを自立的に検出してもよい。具体的には、基地局3は、各リモートUE1のためのリレー選択を行ってもよい。基地局3等のネットワーク内のエンティティによるリレー選択は、集中(centralized)リレー選択と呼ばれる。この場合、基地局3はリモートUE1とリレーUE2との関連付けをリレー選択を介して完全に把握できる。
図10は、基地局3によるUEグループ検出の一例(処理1000)を示すシーケンス図である。図10の例では、基地局3がリレー選択を行う。ステップ1001では、図8のステップ801と同様に、リモートUE1及びリレーUE2は、リモートUE1がリレーUE2を発見するためのリレーディスカバリ手順を実行する。
ステップ1002では、リモートUE1は、測定報告を基地局3に送信する。測定報告は、ステップ1001で発見された1又はそれ以上のリレーUE2に関し、例えば、サイドリンク品質を含む。サイドリンク品質は、例えば、受信電力、signal-to-interference plus noise ratio(SINR)、及びデータレート(又はスループット)のうち少なくとも1つを含んでもよい。さらに、測定報告は、既存の測定報告と同様に、リモートUE1と基地局3の間のセルラーリンク品質を含んでもよい。さらに、測定報告は、バックホールリンク品質(基地局3とリレーUE2の間)を含んでもよい。
ステップ1003では、基地局3は、リモートUE1により発見された1又はそれ以上のリレーUE2の中から、適切な少なくとも1つのリレーUE2を選択する。ステップ1004では、ステップ1003でのリレー選択結果に基づいて、基地局3は、リモートUE1とリレーUE2との関連付けを検出(記録)する。
ステップ1005では、基地局3は、選択されたリレーUE2への接続をリモートUE1に指示する。ステップ1006では、リモートUE1は、基地局3から指示に従って、特定のリレーUEとOne-to-one ProSe Direct Communication(unicast sidelink communication)のためのコネクションを確立する。
最後に、上述の実施形態に係るリモートUE1、リレーUE2、基地局3、及びUE4の構成例について説明する。図11は、リモートUE1の構成例を示すブロック図である。リレーUE2及びUE4も、図11に示されているのと同様の構成を有してもよい。Radio Frequency(RF)トランシーバ1101は、基地局3と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1101により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ1101は、アンテナ1102及びベースバンドプロセッサ1103と結合される。すなわち、RFトランシーバ1101は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ1103から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1102に供給する。また、RFトランシーバ1101は、アンテナ1102によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ1103に供給する。
RFトランシーバ1101は、他のUEとのサイドリンク通信のためにも使用されてもよい。RFトランシーバ1101は、複数のトランシーバを含んでもよい。
ベースバンドプロセッサ1103は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、ベースバンドプロセッサ1103によるデジタルベースバンド信号処理は、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ1103によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
ベースバンドプロセッサ1103は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)、又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ1104と共通化されてもよい。
アプリケーションプロセッサ1104は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ1104は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ1104は、メモリ1106又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、リモートUE1の各種機能を実現する。
いくつかの実装において、図11に破線(1105)で示されているように、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ1103及びアプリケーションプロセッサ1104は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス1105として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
メモリ1106は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ1106は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103、アプリケーションプロセッサ1104、及びSoC1105からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ1106は、ベースバンドプロセッサ1103内、アプリケーションプロセッサ1104内、又はSoC1105内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ1106は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
メモリ1106は、上述の複数の実施形態で説明されたリモートUE1による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、ベースバンドプロセッサ1103又はアプリケーションプロセッサ1104は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1106から読み出して実行することで、上述の実施形態で図面を用いて説明されたリモートUE1の処理を行うよう構成されてもよい。
図12は、上述の実施形態に係る基地局3の構成例を示すブロック図である。図12を参照すると、基地局3は、RFトランシーバ1201、ネットワークインターフェース1203、プロセッサ1204、及びメモリ1205を含む。RFトランシーバ1201は、リモートUE1及びリレーUE2と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1201は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ1201は、アンテナ1202及びプロセッサ1204と結合される。RFトランシーバ1201は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をプロセッサ1204から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1202に供給する。また、RFトランシーバ1201は、アンテナ1202によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ1204に供給する。
ネットワークインターフェース1203は、ネットワークノード(e.g., Mobility Management Entity (MME)およびServing Gateway (S-GW))と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1203は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
プロセッサ1204は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、プロセッサ1204によるデジタルベースバンド信号処理は、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、プロセッサ1204によるコントロールプレーン処理は、S1プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
プロセッサ1204は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ1204は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。
メモリ1205は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。メモリ1205は、プロセッサ1204から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1204は、ネットワークインターフェース1203又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1205にアクセスしてもよい。
メモリ1205は、上述の複数の実施形態で説明された基地局3による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1204は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1205から読み出して実行することで、上述の実施形態で図面を用いて説明された基地局3の処理を行うよう構成されてもよい。
<その他の実施形態>
上述の実施形態で説明されたアップリンク・スケジューリングを含む基地局3により行われる処理及び動作は、Cloud Radio Access Network(C-RAN)アーキテクチャに含まれるDigital Unit(DU)又はDU及びRadio Unit(RU)の組み合せによって提供されてもよい。DUは、Baseband Unit(BBU)と呼ばれる。RUは、Remote Radio Head(RRH)又はRemote Radio Equipment(RRE)とも呼ばれる。すなわち、上述の実施形態で説明された基地局3により行われる処理及び動作は、任意の1又は複数の無線局(RANノード)によって提供されてもよい。
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。