JP6631171B2 - 表面がグラフト化されたフッ素系樹脂多孔質体 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素系樹脂多孔質体に関するものである。
多孔質体は気体や液体の分離膜、吸着剤、イオン交換膜、触媒、電池部材、医療材料と、幅広く用いられている材料である。中でも、フッ素系樹脂、とりわけ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を素材とした多孔質体は、化学的、生物学的に非常に不活性であり、優れた機械的特性を有していることから、頻繁に使用されている。
しかし、PVDFをコーティングしている多孔質体は、機械的、熱的、化学的安定性を有しているが、概ね疎水性の製品が知られている。このような疎水性のPVDFは、インク、塗料、水などに対する湿潤性の領域では、水中に溶解しているタンパク質が疎水吸着し、膜の目詰まりを起こしやすいという欠点がある。
そこで一般的に、水処理用の分離膜で課題となっているタンパク質の疎水性表面への吸着を起点とするバイオファウリングを抑制するため、表面の親水化が求められている。
他にも、電池部材であるセパレーターとしてのPVDF膜を使用する際には、PVDF膜の疎水性という性質から、電解質液の通液抵抗が大きくなるという欠点があることが知られている。
更にPVDF多孔質体のバルクの性質を損なわないように、PVDF多孔質膜表面にのみ親水性を付与する方法についても検討されている。
そこで上記問題を解決するために、PVDF膜に親水性を付与する方法が知られている。例として、PVDFと親水性ポリマーをブレンドしてから製膜する方法(特許文献1参照)が挙げられるが、前記ブレンドしたポリマーが水へ溶解するため、長期の使用には適さないという課題がある。
他にも親水性ポリマーでPVDF多孔質膜表面をコーティングする方法(特許文献3参照)が知られているが、コーティングしたポリマーの水への溶解が懸念され、長期の使用には適さないという課題がある。
また、PVDF多孔質体表面に電子線やプラズマを照射し、ラジカルを発生させてから親水性モノマーをグラフト重合する方法(特許文献4参照)がある。プラズマ重合は、一般的に、先ず、多孔質体表面をアルゴン又は水素プラズマによって活性化し、次に、この活性化された多孔質体をアクリル酸等のフリーラジカル重合が可能なモノマーの蒸気に晒すことによって行われる。しかし実際には、プラズマ処理によっても、プラズマガスの低浸透性や、親水性モノマーが多孔質体の内部に十分に届かないことによって、均一な膜親水性を作り出すことができないことが知られている。また、この技術を大規模に行うことは、その処理中に高い真空度が必要なことから、コスト等の面から実用的でないという課題がある。
また、前記プラズマ処理に代わるものとして、紫外線や、電子ビームあるいはガンマ線等の高い浸透力を有する放射線による処理方法がある。しかしながら、この方法では、通常高エネルギー照射後に、疎水性多孔質体自体がその機械強度を失うことが課題となる。その他にも前記疎水性多孔質体の、その他水処理用としての望ましい膜特性を失ってしまうことが知られている。
更に、このような高エネルギー照射には、照射線によって生じる膜基体上の活性遊離基サイトが、酸素による腐食に非常に弱いため、酸素不安定さや大量生産性等に関する未解決の問題がある。
その他のPVDF多孔質体表面を親水化処理する方法として、原子団移動リビングラジカル重合(ATRP)法により、親水性を付与させる方法(非特許文献1参照)が知られている。この方法では、PVDFの構造を成す炭素−フッ素基の結合解離エネルギーが高いため、ラジカル開始速度が非常に遅いという特徴がある。また、ATRP法では重合反応を充分に制御することができないという課題がある。従って、PVDF多孔質体に所望の表面構造が形成できないため、前記PVDF多孔質体の親水性の改善には至っていないという課題がある。
また、PVDF樹脂をグラフト重合により親水性を付与させた後に製膜する方法(特許文献2参照)では、共有結合により親水性ポリマーが付与されるため、前記親水性ポリマーが水へ溶解するという可能性が低いことが知られている。しかしながら、製膜時の結晶構造がPVDF膜と異なり、結晶化度が低下するために元来の機械強度が低下することが知られている。
上記の通り、水処理等に必要とされている多孔質体は機械強度の高い親水性膜が求められている。
特許第4626319号公報 特許第4699207号公報 特許第5524779号公報 特開平10−174834号公報
Journal of Polymer Science:PartA:Polymer Chemistry,(2006) Vol. 44, 3434−3443
本発明の目的は、従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的はタンパク質の吸着が抑制できるフッ素系樹脂多孔質体を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の[1]及び[2]である。
[1]表面をノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーでグラフト化したフッ素系樹脂多孔質体であって、
全反射型FT−IRで1700cm−1から1750cm−1の間に観測されるエステルカルボニル基由来の極大吸収強度の値÷前記全反射型FT−IRで1150cm−1から1250cm−1の間に観測される極大吸収強度の値が、0.001から0.3の範囲であることを特徴とするフッ素系樹脂多孔質体。
[2]フッ素系樹脂多孔質体の比表面積が0.05m/gから50m/gの範囲であることを特徴とする[1]に記載のフッ素系樹脂多孔質体。
本発明においてフッ素系樹脂とは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデン、ポリふっ化ビニル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。この中で優れた機械的特性と耐薬品性を兼備したポリふっ化ビニリデンが好ましく用いられる。また、ポリふっ化ビニリデンとは、ふっ化ビニリデン(VDF)の重合により作製されたホモポリマー、VDFのコポリマー、ターポリマーおよびそれ以上のポリマーのうち1つ以上であり、VDF単位は、ポリマー中の全モノマー単位の総重量の70パーセントを超え、より好ましくは、単位の総重量の75重量パーセントを超え、最も好ましいのは単位の総重量の100重量パーセントのホモポリマーである。
本発明で用いられるノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーとは、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマーを(共)重合することによって得られる。
ノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、一般式(1)
で表される化合物を例示できる。
は水素原子またはメチル基である。
は−(CHCHO)−(CHCH(CH)O)−Rで表されるポリアルキレングリコール基、−CH−O−Rで表される置換基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、水素原子を示すが、タンパク質の吸着に対して強い抵抗力を発現することを目的に、好ましくは、前記ポリアルキレングリコール基、特に好ましくはポリエチレングリコール基を用いることができる。
は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、炭素数1〜30の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert.−ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基を例示できる。
bは1〜300の整数であり、cは0〜60の整数である。
は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であり、炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert.−ブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基を例示できる。
本発明で用いられるノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレートを例示できるが、タンパク質の吸着に対して強い抵抗力を発現することを目的に、好ましくは、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレートを用いることができる。
ノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマーの使用量は、特に限定されないが、フッ素系樹脂多孔質体全表面積の単位面積1cmあたり0.2〜200μモルが好ましい。
本発明においてフッ素系樹脂多孔質体とは、フッ素系樹脂で作られた3次元の厚みをもつ多孔質体であり、その形態には、スポンジ、粒子、膜といったものが挙げられるが、本発明においては全てを含有する。
本発明において全反射型FT−IRとは、試料表面で全反射する光を測定することによって,試料表面の分子の振動による赤外線吸収スペクトルを得る方法である。
エステルカルボニル基由来の吸収強度の値とは、全反射型FT−IRの測定において、試料表面に存在するエステルカルボニル基によって吸収された光の強度の値を指す。
極大吸収強度とは、測定範囲の中で極大を示す吸収強度の値である。
ノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを表面グラフトした膜構造とは、フッ素系樹脂多孔質体表面に存在する炭素−フッ素結合を触媒によってフッ素を引き抜いた後、発生した炭素ラジカルとノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが重合することによって得られる構造を示す。
本発明において炭素−フッ素結合伸縮振動の吸収強度とは、炭素原子とフッ素原子の結合の伸縮振動で吸収された赤外線エネルギー量を示す。
本発明において多孔質膜とは、孔寸法の分布範囲が狭い、スポンジ状組織を有する薄壁構造体であって、微多孔性を保持し、表面孔の寸法に影響を与えないため、本発明において使用するフッ素系樹脂多孔質体の細孔径、細孔分布、膜厚は特に限定されない。
本発明の構成を採用することによって、フッ素系樹脂多孔質体表面をノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーでグラフト化し、高度に構造制御されたグラフト表面構造を形成したことによって、タンパク質の吸着抑制に優れた、これまでにないタンパク質吸着抑制フッ素系樹脂多孔質体が得られた。
また、前記タンパク質吸着抑制フッ素系樹脂多孔質体は、フッ素系樹脂元来の機械強度、化学的安定性を損なわず、高度な表面構造の形成により、水への抵抗抑制、防汚染性といった機能を発現することが可能となった。
本発明のタンパク質吸着が抑制できるフッ素系樹脂多孔質体は、塩の影響を受けることがないため、親水性、生体適合性、蛋白吸着防止性等に優れた特長をもつ。従って医療用材料分野、水処理分野、バイオインダストリー分野、バイオテクノロジー分野等における改質処理の他、水産分野、船舶分野等における防汚処理に利用できる。しかも防曇性、帯電防止性等にも優れるので電子分野、光学分野等においても利用可能である。
また本発明のタンパク質吸着が抑制できるフッ素系樹脂多孔質体は、フッ素系樹脂元来の機械強度、化学的安定性を損なわず、微多孔性を保持し、表面孔の寸法に影響を与えないという特徴を持つ。全反射型FT−IRで1700cm−1から1750cm−1の間に観測されるエステルカルボニル基由来の極大吸収強度の値÷前記全反射型FT−IRで1150cm−1から1250cm−1の間に観測される極大吸収強度の値が、0.001から0.3の範囲で形成されたグラフト鎖構造を有することで、従来のノニオン性グラフト表面では成し得なかった、タンパク質吸着量が多孔質膜全表面積の単位面積あたり10ng/cm以下というタンパク質吸着抑制効果を発現させることが可能となった。
以下、本発明についてその最良の形態を含めて、さらに具体的に説明する。
本発明は、フッ素系樹脂多孔質体に、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを表面グラフトした膜構造に関する。このように形成されたグラフト膜構造は、親水性を有し、その微多孔性を保持し、水に対する湿潤性を有するとともに、非浸出性を有している。グラフトは、膜基体の表面孔が、未処理の前駆物質と比較して表面孔の寸法に影響を与えない範囲で、グラフトポリマーの側鎖(親水性部分)によって完全に被覆される程度に行われる。
VDFのコポリマー、ターポリマーおよびそれ以上のポリマーは、VDFを、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン、1つ以上の部分または完全フッ素化α−オレフィン、例えば、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、3,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテンおよびヘキサフルオロプロペン、部分フッ素化オレフィンヘキサフルオロイソブチレン、過フッ素化ビニルエーテル、例えば、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロ−n−プロピルビニルエーテルおよびパーフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル、フッ素化ジオキソール、例えば、パーフルオロ(1,3−ジオキソール)およびパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アリル、部分フッ素化アリルまたはフッ素化アリルモノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテルまたは3−アリルオキシプロパンジオールおよびエテンまたはプロペンからなる群から選択される1つ以上のモノマーと反応させることにより作製される。好ましいコポリマーまたはターポリマーは、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン(TFE)およびヘキサフルオロプロペン(HFP)により形成される。
好ましいコポリマーはVDFのものであり、約71〜約99重量パーセントのVDFおよび対応して約1〜約29パーセントのTFE、約71〜99重量パーセントのVDFおよび対応して約1〜29パーセントのHFP(例えば、米国特許第3,178,399号明細書に開示)、約71〜99重量パーセントのVDFおよび約1〜29重量パーセントのトリフルオロエチレンを含む。
好ましいターポリマーは、VDF、HFPおよびTFEのターポリマー、ならびにVDF、トリフルオロエテンおよびTFEのターポリマーである。特に好ましいターポリマーは、少なくとも71重量パーセントのVDFを有し、他のコモノマーは、異なる割合で存在してよいが、併せて、ターポリマーの29重量パーセントまでである。
本発明において、得られるフッ素系樹脂多孔質体は、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーによって構成されている。前記ノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、全反射型FT−IRで1700cm−1から1750cm−1の間に観測されるエステルカルボニル基由来の極大吸収強度の値÷前記全反射型FT−IRで1150cm−1から1250cm−1の間に観測される極大吸収強度の値が、0.001から0.3の範囲であることが好ましい。
上記全反射型FT−IRで観測されるフッ素系多孔質膜基材に由来する炭素−フッ素結合伸縮振動の極大吸収強度(例えば、ポリ(フッ化)ビニリデンの場合、873cm−1)に対して、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーに由来するエステルカルボニル(1729cm−1)の極大吸収強度の比(以下、エステルカルボニルの相対強度)が0.001から0.3の範囲になるように、フッ素系多孔質膜表面に共有結合を介して形成される。タンパク質の吸着を高度に抑制することを目的に、エステルカルボニルの相対吸収強度は、好ましくは0.005以上であり、さらに好ましくは0.01以上である。また、孔径を確保して膜としての機能を維持することを目的とした場合は、好ましくは0.2以下である。エステルカルボニルの相対吸収強度が0.001以下であれば、グラフト鎖で覆われない多孔質体が露出する部分が生じ、露出部分にタンパク質が吸着する。また、0.3以上であれば、孔径が小さくなり膜としての機能が著しく低下する。
フッ素系樹脂多孔質体の比表面積は0.05m/gから50m/gの範囲が好ましい。0.05m/g以下では、表面に介在する炭素−フッ素結合が少なく、多孔質体表面に共有結合を介して形成されたグラフトポリマーに由来するエステルカルボニルの相対吸収強度が0.001から0.3の範囲で多孔質体表面に共有結合を介して形成されず、タンパク質吸着抑制効果が得られない。前記フッ素系樹脂多孔質体の比表面積が50m/g以上では多孔質膜表面に発生したラジカル量が多くなり、連鎖移動によるフリーポリマー(遊離したポリマー)が生じ、グラフト反応後の洗浄が困難となる。
本発明で用いられるノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、ノニオン性であるため、塩の影響を大きく受けず、得られるグラフト表面多孔質体は水処理用の分離膜として有用となる。
本発明で用いられる多孔質膜とは、孔寸法の分布範囲が狭い、スポンジ状組織を有する薄壁構造体として定義されている。微多孔膜の平均孔寸法は、0.001μm〜10μmの範囲であるが、微多孔性を保持し、表面孔の寸法に影響を与えないため、本発明において使用するフッ素系樹脂多孔質体の細孔径、細孔分布、膜厚は特に限定されない。
上記のように示される多孔質基材に共有結合でグラフトされた量が高度に制御されたフッ素系樹脂多孔質体において、タンパク質吸着量が多孔質体全表面積の単位面積あたり10ng/cm以下となり、これまでにないタンパク質吸着抑制効果が得られる。
タンパク質吸着量の測定にはビシンコニン酸法(BCA法)が挙げられる。BCA法は高感度なタンパク質比色定量法で、界面活性剤で可溶化したタンパク質溶液の定量に適している。具体的には、II価の銅イオンがタンパク質中のペプチド結合によって還元されI価の銅になり、生成したI価の銅はビシンコニン酸によりキレートされ、562nmの特異的な吸収を有する錯体を形成する。この吸収強度から、タンパク質量を決定する。
上記フッ素系樹脂多孔質体に、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマー[A]を表面グラフトした膜は、ATRP法でのグラフト重合により形成される。
フッ素系樹脂では、炭素−フッ素結合の開裂がラジカル開始点となるが、結合解離エネルギーが高いため、水溶媒中でのI価銅の不均化により生成出来る0価銅を用いるが、炭素−フッ素結合の開裂速度は非常に遅いため、リビングラジカル重合挙動を制御することが出来ない。
炭素−フッ素結合を開始点としたリビングラジカル重合挙動を制御するために、重合速度の遅い二座配位子を用いることにより、開始速度とポリマー成長速度の差を小さくすることで、リビングラジカル重合挙動に近づけることが出来、フッ素系樹脂では非常に困難であった上記グラフト表面構造を形成することができる。
上記グラフト表面構造は、フッ素系樹脂多孔質体、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマー[A]、および、I価銅、II価銅、電子供与性二座配位子からなる触媒を、十分に脱酸素を行った水を含む溶媒系で重合することで得られる。
I価銅は塩化銅(I)、臭化銅(I)である。
I価銅の使用量は、特に限定されないが、フッ素系樹脂多孔質体全表面積の単位面積1cmあたり0.01〜4μモルが好ましい。
II価銅は塩化銅(II)、臭化銅(II)である。
II価銅の使用量は、特に限定されないが、フッ素系樹脂多孔質体全表面積の単位面積1cmあたり0.002〜0.8μモルが好ましい。
電子供与性二座配位子はビピリジル、テトラメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、フェナントロリン、ピリジンメタンイミンおよび、それらの誘導体であり、好ましくはビピリジルである。
電子供与性二座配位子の使用量は、特に限定されないが、フッ素系樹脂多孔質体全表面積の単位面積1cmあたり0.024〜9.6μモルが好ましい。
グラフト重合は十分に脱酸素を行った水溶媒中、もしくは十分に脱酸素を行った水とメタノールの混合溶媒中で行うのが好ましい。水とメタノールの混合溶媒系の場合、特に限定されないが、水/メタノールの比率は100〜50重量パーセント/0〜50重量パーセントが好ましい。
溶媒量は、特に限定されないが、フッ素系樹脂多孔質体全表面積の単位面積1cmあたり1〜50μLが好ましい。
グラフト重合時の温度は、特に限定されないが、5〜35℃で行うのが好ましい。
グラフト重合時間は、特に限定されないが、1分〜72時間が好ましい。
本発明のグラフト重合方法について、フッ素系樹脂多孔質体、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマー[A]、溶媒、I価銅、II価銅、電子供与性二座配位子の添加順序に制限は無く、全てが混在した時点をグラフト重合開始時間とする。
例えば、フッ素系樹脂多孔質体、ノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマー[A]の混在したところに、溶媒、II価銅、電子供与性二座配位子、I価銅の順に添加すれば、I価銅が投入完了となった時点がグラフト重合開始時間である。
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬等は市販品を用いた。
さらに、実施例におけるタンパク質吸着量が多孔質膜全表面積の単位面積あたり10ng/cm以下に抑制されたフッ素系樹脂多孔質体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
タンパク質吸着量
試料膜をリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phospate Buffered Saline、タカラバイオ社製)に一晩浸漬した後、5mLの牛血清アルブミン(BSA:Bovine Serum Albumin)溶液(0.1mg/mL in PBS、和光純薬製)中で、室温下で2時間保持した。BSA溶液を除去した後、PBSで洗浄した試料膜に1mLの「Micro BSA Protein Assay Kit」(商品名)(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)および1mLのドデシル硫酸ナトリウム溶液(4% in PBS)を加え、40℃で2時間保持した。反応後のBCA溶液を室温に戻した後、分光光度計(日立製作所製、UH5300)にて570nmにおける吸光度を測定し、投影面積あたりのBSAの吸着量(ng/cm)を求め、表面積比の補正を行い、試料全表面積の単位面積あたりのBSAの吸着量(ng/cm)に換算した。
グラフト量
パーキンエルマー社製全反射(ATR:Attenuated Total Reflection)ユニットを装着したフーリエ変換赤外分光装置(FT/IR:Fourier Transform Infrared Spectrophtometer、Spectrum One)にてFT/IR測定を行った。グラフトポリマーに由来する1729cm−1の極大吸収強度および基材に由来する極大吸収強度(例えばポリ(ふっ化ビニリデン)の場合873cm−1)の比を用いてグラフト量を求めた。
比表面積
測定装置:全自動ガス吸着量測定装置 AS−1−C/VP/TCDMS(QuantachromeCo.)
測定原理:定容法による全自動ガス吸着量測定
吸着ガス:クリプトンガス
測定範囲:0.005m以上(表面積)
前処理条件:試料を測定セルに入れ室温真空下で12時間脱気
測定回数:2回
参考例1
市販のPVDF製のメンブレン(メルクミリポア社製:イモビロン−PSQ)の比表面積を測定したところ、18.4m/gであった。
参考例2
市販のPVDF製のメンブレン(メルクミリポア社製:イモビロン−P)の比表面積を測定したところ、4.77m/gであった。
参考例3
市販のPVDF製バッグ(フィルム)(GLサイエンス社製:スマートバッグ2F)の比表面積を測定したところ、0.024m/gであった。
実施例1
市販のPVDF製のメンブレン(メルクミリポア社製:イモビロン−PSQ)を5cm四方に切り取り(0.208g:全表面積38,000cm)、500mLのセパラブルフラスコに入れ、窒素置換を行った。一方で、500mLのシュレンク管に超純水300mL、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(アルドリッチ社製、Mn=300)112.5mLを加え、窒素バブリングを30分間行った。その後、塩化銅(II)181.5mg、ビピリジル2.53g、塩化銅(I)668.3mgを加え再度窒素バブリングを30分間行った。500mLシュレンク管内容液を500mLセパラブルフラスコにキャヌラー移送し、30℃で24時間重合した。24時間後、PVDF膜を取り出し、水300mLで洗浄後、さらにメタノール300mLでの洗浄を実施した。ATR−FT/IRより求めたエステルカルボニルの相対吸収強度は0.0119であった。BCA法によるタンパク質吸着量の測定の結果、投影面積あたりの吸着量は1,100ng/cmであり、全表面積あたりの吸着量は0.71ng/cmであった。
実施例2
市販のPVDF製のメンブレン(メルクミリポア社製:イモビロン−PSQ)を7.7cm四方に切り取り(0.681g:全表面積125,000cm)、2Lのセパラブルフラスコに入れ、窒素置換を行った。一方で、2mLのシュレンク管に超純水750mL、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(アルドリッチ社製、Mn=300)270mLを加え、窒素バブリングを30分間行った。その後、塩化銅(II)0.452g、ビピリジル6.12g、塩化銅(I)1.62gを加え再度窒素バブリングを30分間行った。2Lシュレンク管内容液を2Lセパラブルフラスコにキャヌラー移送し、30℃で24時間重合した。24時間後、PVDF膜を取り出し、水1Lで洗浄後、さらにメタノール1Lでの洗浄を行った。ATR−FT/IRより求めたエステルカルボニルの相対吸収強度は0.0079であった。BCA法によるタンパク質吸着量の測定の結果、投影面積あたりの吸着量は1,773ng/cmであり、全表面積あたりの吸着量は0.84ng/cmであった。
実施例3
重合溶媒である水の量を600mLにし、フッ素系樹脂多孔質体全表面積の単位面積1cmあたりの溶媒量を15.6μLとする以外は実施例1と同条件で行った。得られた修飾膜のATR−FT/IRより求めたエステルカルボニルの相対吸収強度は0.0214であった。BCA法によるタンパク質吸着量の測定の結果、投影面積あたりの吸着量は705ng/cmであり、全表面積あたりの吸着量は0.46ng/cmであった。
実施例4
市販のPVDF製のメンブレン(メルクミリポア社製:イモビロン−P)を5cm四方に切り取り(0.170g:全表面積8,300cm)、メンブレンを変えた以外は、実施例1と同じ条件、使用量で重合を行った。得られた修飾膜のATR−FT/IRより求めたエステルカルボニルの相対吸収強度は0.0037であった。BCA法によるタンパク質吸着量の測定を行った結果、投影面積あたりの吸着量は1,560ng/cmであり、全表面積あたりの吸着量は4.7ng/cmであった。
比較例1
市販のPVDF製のメンブレン(メルクミリポア社製:イモビロン−PSQ)を5cm四方に切り取り(0.210g:全表面積38,000cm)、グラフト重合を行わずに、BCA法によるタンパク質吸着量の測定を行った結果、投影面積あたりの吸着量は56,000ng/cmであり、全表面積あたりの吸着量は36ng/cmであった。ATR−FT/IRより求めたエステルカルボニルの相対吸収強度は0であった。
比較例2
市販のPVDF製バッグ(フィルム)(GLサイエンス社製:スマートバッグ2F)を5cm四方に切り取り(0.231g:全表面積55cm)、実施例1と同条件で重合を行った。得られた修飾フィルムのATR−FT/IRより求めたエステルカルボニルの相対吸収強度は0.0003であった。BCA法によるタンパク質吸着量の測定を行った結果、投影面積あたりの吸着量は88ng/cmであり、全表面積あたりの吸着量は40ng/cmであった。
比較例3
市販のPVDF製バッグ(フィルム)(GLサイエンス社製:スマートバッグ2F)を5cm四方に切り取り(0.228g:全表面積55cm)、グラフト重合を行わずに、BCA法によるタンパク質吸着量の測定を行った結果、投影面積あたりの吸着量は374ng/cmであり、全表面積あたりの吸着量は170ng/cmであった。ATR−FT/IRより求めたエステルカルボニルの相対吸収強度は0であった。
本発明は、高度に制御された表面構造を有し、タンパク質吸着量が10ng/cm以下に抑制されたフッ素系樹脂多孔質体に関し、生体適合性、蛋白吸着防止性等に優れ、医療用材料分野、水処理分野、バイオインダストリー分野、バイオテクノロジー分野等における改質処理、及び水産分野、船舶分野での防汚処理等に利用でき、しかも防曇性、帯電防止性等にも優れるので、電子分野、光学分野等にも利用可能なフッ素系樹脂多孔質体に関する。

Claims (2)

  1. 表面を一般式(1)
    (式中、R は水素原子またはメチル基であり、R は−(CH CH O) −(CH CH(CH )O) −R で表されるポリアルキレングリコール基、−CH −O−R で表される置換基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、水素原子であり、R は水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、bは1〜300の整数であり、cは0〜60の整数であり、R は水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基である。)で表わされるノニオン性(メタ)アクリル酸エステルモノマーのみを(共)重合することによって得られるノニオン性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーでグラフト化したフッ素系樹脂多孔質体であって、
    全反射型FT−IRで1700cm−1から1750cm−1の間に観測されるエステルカルボニル基由来の極大吸収強度の値÷前記全反射型FT−IRで1150cm−1から1250cm−1の間に観測される極大吸収強度の値が、0.001から0.3の範囲であることを特徴とするフッ素系樹脂多孔質体。
  2. フッ素系樹脂多孔質体の比表面積が0.05m/gから50m/gの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素系樹脂多孔質体。
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