JP6630910B1 - Pcr用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 試薬が安定して収納されるPCR用容器を提供する。【解決手段】 PCR用容器1は、容器本体11と、容器本体11に嵌合自在な蓋体6と、容器本体11内部における蓋体6の下面7と反応室12との間の箇所に収納され、試薬27a、27bが収納される試薬カセット16とから主に構成されている。試薬カセット16は、上下方向に開放された筒形状の基本骨格を有し、下方開口部25がPCR前には固体状でありPCRの加熱により溶融するパラフィン29で遮蔽され、上方開口部24がPCR前においてパラフィン29より流動性が高い流動パラフィン30で遮蔽されている。このように構成すると、互いの流動性に差を設けたパラフィン29及び流動パラフィン30により試薬が封止されるため、試薬27a、27bが安定して収納されると共に、検体28の反応室12への移動がスムーズになる。【選択図】 図4

Description

この発明はPCR用容器に関し、特に、DNA検出装置によりPCRを行う際に用いるPCR用容器に関するものである。
従来から、ポリメラーゼ連鎖反応(本発明において「PCR」と称する)によりDNAを増幅する際に用いられるPCR用容器が存在する。
特許文献1には、試薬が収納される試薬カセットを容器本体内部に備えるPCR用容器が開示されている。試薬カセットの上部には、検体が収納される蓋体の下面が接している。試薬カセットは上下方向に開放された基本骨格を有し、その上方開口部及び下方開口部のいずれもが、PCR前には固体状であるパラフィン等の封止手段により封止されている。所定のDNA検出装置においてこのPCR用容器は使用され、PCRの加熱によりPCR用容器が外方から温められることで封止手段は溶融する。その結果、上方開口部及び下方開口部の封止が解除され、蓋体の下面から検体が容器下方に移動すると共に試薬カセットから試薬が容器下方に移動し、容器本体の底部に位置する反応室において検体及び試薬が混合される。
特開2018−174861号公報
しかしながら、上記のような従来のPCR用容器では、試薬カセットの上方開口部及び下方開口部のいずれもがPCR前には固体状である封止手段で封止されていたため、試薬を収納した試薬カセットの内圧が上がってしまい、試薬が漏れ出す虞がある等、試薬の安定収納性に未だ改善の余地があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、試薬が安定して収納されるPCR用容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、PCR用容器であって、PCRの際に検体及び試薬を収納して反応させる反応室をその底部に有する容器本体と、容器本体に嵌合自在であって、検体が収納される上方に凹んだ凹部がその下面に形成された蓋体と、容器本体内部における蓋体の下面と反応室との間の箇所に収納され、上下方向に開放された筒形状の基本骨格の内部において試薬が収納された試薬収納部を有する試薬カセットとを備え、試薬収納部は、PCR前には固体状でありPCRの加熱により溶融する第1の封止手段によって下方開口部が遮蔽されており、PCR前において第1の封止手段より流動性が高い第2の封止手段によって上方開口部が遮蔽されているものである。
このように構成すると、互いの流動性に差を設けた第1の封止手段及び第2の封止手段により試薬が封止される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第2の封止手段は、収納された試薬より比重が小さく、疎水性であると共に、常温で液体状であるものである。
このように構成すると、試薬収納部の上方開口部が安定して遮蔽される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、第2の封止手段は、収納された試薬に含まれる酵素を失活させない性質を有するものである。
このように構成すると、収納された試薬の保存性が向上する。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、第1の封止手段は、蝋、グリース、パラフィン又はワックスであるものである。
このように構成すると、試薬収納部の下方開口部が安定して遮蔽される。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、第2の封止手段は、流動パラフィン、ミネラルオイル又は生物由来の油であるものである。
このように構成すると、試薬収納部の上方開口部が安定して遮蔽される。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、反応室は、第1の封止手段又は第2の封止手段が充填されており、充填されている第1の封止手段又は第2の封止手段の少なくとも一部は、PCRの加熱時に反応室から試薬収納部へ移動するものである。
このように構成すると、PCR時に第1の封止手段又は第2の封止手段と位置が入れ替わるように検体及び試薬が反応室へスムーズに移動する。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、試薬カセットは、その基本骨格が遮光性を有するものである。
このように構成すると、透明なものと比べ、試薬収納部の開口の位置を判別しやすくなる。又、収納された試薬に光が当たることを防止する。更に、PCR後に反応室に対し光検出処理を行う場合に反応室外部での蛍光による不用意な検出の虞を防止する。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、互いの流動性に差を設けた第1の封止手段及び第2の封止手段により試薬が封止されるため、試薬が安定して収納されると共に、検体の反応室への移動がスムーズになる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、試薬収納部の上方開口部が安定して遮蔽されるため、試薬の安定収納性がより向上する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、収納された試薬の保存性が向上するため、試薬の収納安定性がより向上する。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、試薬収納部の下方開口部が安定して遮蔽されるため、試薬の収納安定性が向上する。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、試薬収納部の上方開口部が安定して遮蔽されるため、試薬の収納安定性が向上する。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、PCR時に第1の封止手段又は第2の封止手段と位置が入れ替わるように検体及び試薬が反応室へスムーズに移動するため、反応の安定性が向上する。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、透明なものと比べ、試薬収納部の開口の位置を判別しやすくなるため、試薬カセットの容器本体内部における位置決めが容易となる。又、収納された試薬に光が当たることを防止するため、試薬の保存性が向上する。更に、PCR後に反応室に対し光検出処理を行う場合に反応室外部での蛍光による不用意な検出の虞を防止するため、検出精度が向上する。
この発明の第1の実施の形態によるPCR用容器の外観形状及び中央断面構造を示す正面図及び一部破断した断面図である。 図1で示したPCR用容器の試薬カセットの中央断面構造を示す断面図である。 図2で示した試薬カセットの構造を示す平面図である。 図1で示したPCR用容器において試薬を収納した状態の側面視断面構造を模式的に示す断面図である。 図4で示したPCR用容器のPCR時の状態を模式的に示す断面図である。 この発明の第2の実施の形態によるPCR用容器の側面視断面構造を模式的に示すものであって、図4に対応したものである。
図1はこの発明の第1の実施の形態によるPCR用容器の外観形状及び中央断面構造を示す正面図及び一部破断した断面図である。同図はPCR用容器に試薬を収納する前の状態を示している。
尚、本発明において下方向とは、重力方向に従って図1に示す使用状態で試薬カセット16や蓋体6に対して反応室12が位置する方向を言い、上方向はその逆を言う。
又、試薬とは、PCRに用いられる試薬であって、用途により所望の種類を選択すれば良く、例えば水、緩衝液、プライマー、dNTP、マグネシウム化合物、DNAポリメラーゼ、蛍光試薬等が挙げられる。通常、試薬全体の比重は水と略等しいものとなる。尚、蛍光試薬はPCR自体には必要ないが、光検出をPCR完了後にDNA検出装置内で同時に行う目的から、本発明にあっては蛍光試薬を含めた状態で説明する。
更に、検体とは、増幅や検出を目的とした標的DNA・RNAを含む試料を言い、例えばヒト・動物の唾液・血液等の体液や、ペースト状の歯垢等が挙げられる。
図1を参照して、PCR用容器1は、例えばポリプロピレンからなり、容器本体11と、容器本体11に嵌合自在な蓋体6と、容器本体11内部における蓋体6の下面7と反応室12との間の箇所に収納され、試薬が収納される試薬カセット16とから主に構成されている。
容器本体11は、上方が開放された円筒形状であって、その底部13にはPCRの際に検体及び試薬を収納して反応させる反応室12を有する。反応室12は下方に向かって先細りの円錐形状であり、PCR後に光検出処理を行い易いように透明材料で構成されている。
蓋体6は、図1に示すように容器本体11にローレットねじ式で嵌合した密閉状態と、嵌合を解除した開封状態(図示せず)とを自在に切り替えられる。又、蓋体6の下面7には、検体が収納される上方に凹んだ凹部8が形成されている。開封状態において、採取器具で採取した検体を凹部8に接触させたり、あるいは凹部8を検体に直接接触させたりすることで、凹部8に検体が収納される。そして、密閉状態において、蓋体6の下面7は、図1に示す断面視において試薬カセット16に上方から一部入り込むように構成されている。
次に、試薬カセット16の構造について説明する。
図2は図1で示したPCR用容器の試薬カセットの中央断面構造を示す断面図であり、図3は図2で示した試薬カセットの構造を示す平面図である。
これらの図を参照して、試薬カセット16は、遮光性を有する黒色に着色されたポリプロピレンからなり、上下方向に開放された円筒形状の基本骨格としての側壁17を備える。又、試薬カセット16の内部は、上下方向に延びる隔壁21によって、図3に示す平面視において試薬カセット16を二分するように互いに仕切られることで、2個の試薬収納部20a、20bが形成されている。即ち、試薬収納部20a、20bの各々は上下方向に貫通し、上方開口部及び下方開口部を有する形状であって、その内部空間に試薬を収納することができる。
又、隔壁21の上端縁22は、側壁17の上端縁18よりも下方に位置するようにして、段差部分23aが形成されている。尚、試薬カセット16の下方側にも同様に段差部分23bが形成されて上下対称形となっており、試薬カセット16が上下反転して収納された場合にも支障なく使用可能である。
試薬カセット16に試薬を収納する方法の一例としては、まず試薬カセット16の下方面を溶融状態のパラフィン(融点50℃)に押し当てた後冷却することで、隔壁17の下端縁19で区画される内部(下方開口部25)に第1の封止手段としてのパラフィンを布設することで遮蔽する。
次に、試薬カセット16をPCR用容器1の所定箇所に収納した後、所望の種類・量の試薬を自動又は手動の分注器によって試薬収納部20a、20bの各々に収納する。下方開口部25はパラフィンによって遮蔽されているため、収納された試薬がPCR前の輸送や保管時において下方(反応室側)に漏れ出す虞を防止している。
尚、上述したように、試薬カセット16の側壁17及び隔壁21が遮光性を有する黒色に着色されているため、透明なものと比べ、試薬収納部20a、20bの開口の位置を判別しやすくなり、試薬カセット16の容器本体11内部における位置決めが容易となるため分注が容易となる。又、収納された試薬に光が当たることを防止するため、試薬の保存性が向上する。更に、PCR後に反応室12に対し光検出処理を行う場合に反応室12外部での蛍光(例えば、試薬収納部20a、20bに残留した試薬)による不用意な検出の虞を防止するため、検出精度が向上する。
そして、試薬が収納された試薬収納部20a、20bの各々に対して、第2の封止手段としての液体状の流動パラフィン(融点−10℃)を投入する。流動パラフィンは試薬より比重が小さく疎水性であるため、試薬より上方に向かうことで、試薬収納部20a、20bの上方開口部24を遮蔽する。
このようにして試薬が収納されたPCR用容器について説明する。
図4は図1で示したPCR用容器において試薬を収納した状態の側面視断面構造を模式的に示す断面図であり、図5は図4で示したPCR用容器のPCR時の状態を模式的に示す断面図である。
尚、これらの図で示すPCR用容器は、試薬収納部20a、20bを図示するため、図1で示した状態から周方向に90°回転させた方向から見たものである。又、図示の便宜上、PCR用容器1において図1で既に構造を示した要素(容器本体11、蓋体6、試薬カセット16)については、図面上ハッチングを施していない。
まず図4を参照して、上述したように、試薬カセット16の試薬収納部20a、20bの下方開口部25は、第1の封止手段としての固体状のパラフィン29によって遮蔽されている。又、試薬収納部20a、20bの上方開口部24は、PCR前の状態においてパラフィン29より流動性が高い第2の封止手段としての流動パラフィン30によって遮蔽されている。
尚、PCR用容器1は収納された試薬の保存性の観点から、輸送・保管時には0℃前後の冷蔵状態や−20℃程度の冷凍状態に置かれ、PCR時には25℃程度の常温に取り出されて用いられる。
この発明の第1の実施の形態にあっては、流動パラフィン30は−20℃程度において半固形状であり、25℃程度においても液体状であるため、PCR前のいずれの状態であっても固体状であるパラフィン29より流動性が高い。このように、PCR用容器1は、互いの流動性(冷凍状態及び常温状態)に差を設けた第1の封止手段(パラフィン29)及び第2の封止手段(流動パラフィン30)によって、試薬収納部20a、20bの各々に試薬27a、27bが封止され、蒸発を防止して保管可能とするものである。即ち、試薬収納部20a、20bの下方開口部25は強固に遮蔽されることで試薬27a、27bの収納位置が安定すると共に、上方開口部24を遮蔽する際に液体状の流動パラフィン30を用いたことで、試薬収納部20a、20bの内圧が上がって試薬27a、27bが漏れ出す虞を防止するため、試薬が安定して収納される。
又、蓋体6の凹部8には、検体28が収納されている。収納された検体28は、流動性の比較的高い流動パラフィン30に、空気層を介さずに高い接触率で接触することができる。又、収納された検体28は、蓋体6を容器本体11に嵌合させたPCR前の時点においても、一部が試薬収納部20a、20bへと移動可能である。このように、PCR用容器1にあっては、上方開口部24が固体状のパラフィン29で遮蔽されている場合と比べ、検体28と流動パラフィン30との高い接触率により、検体28の試薬収納部20a、20bや反応室12への移動がスムーズになる。
又、容器本体11の反応室12は、パラフィン29が充填されている。
図5を参照して、例えば特許文献1に開示されたPCR方法のようにしてPCRが開始されると、最高90℃超にも達するPCRの加熱によりPCR用容器1は外方から加熱され、合成樹脂製の容器本体11、蓋体6及び試薬カセット16は溶けることがない一方で、パラフィン29は溶融し、流動パラフィン30の流動性も高まる。これによって、矢印31a、31b及び32a、32bで示すように、検体28は試薬収納部20a、20bを経て試薬27と混じり合いながら下方の反応室12へと移動する。
ここで、上述したように反応室12はパラフィン29が充填されていることで、矢印33a、33bで示すように、充填されているパラフィン29の少なくとも一部は反応室12から上方の試薬収納部20a、20bへと移動する。これによって、PCR時に充填されているパラフィン29と位置が入れ替わるように検体28及び試薬27が反応室12へスムーズに移動するため、反応の安定性が向上する。
次に、図6はこの発明の第2の実施の形態によるPCR用容器の側面視断面構造を模式的に示すものであって、図4に対応したものである。
尚、この発明の第2の実施の形態によるPCR用容器41の基本的な構成は、上述した第1の実施の形態によるPCR用容器1と同様であるので、以下差異点を中心に説明する。
同図を参照して、PCR用容器41の反応室42は、第2の封止手段としての流動パラフィン43が充填されている。
このようにしても、上述した第1の実施の形態によるPCR用容器1と同様に、PCRの加熱時に流動パラフィン43の少なくとも一部が反応室42から試薬収納部44a、44bへと移動するものとなり、検体及び試薬を反応室42へ誘導することができる。
尚、上記の各実施の形態にあっては、PCR用容器並びにこれを構成する容器本体、蓋体及び試薬カセットは特定形状であったが、他の形状であっても良い。例えば用途に応じてその容量を変更しても良い。又、試薬カセットの側壁は円筒形状であったが、他の筒形状としても良い。
又、上記の各実施の形態にあっては、試薬カセットは2個の試薬収納部を有していたが、試薬収納部は隔壁を有さず1個であっても良いし、3個以上であっても良い。用途に応じて、保管時に混じり合うことが適当でない種類の試薬はそれぞれ異なる試薬収納部に収納できるようにすれば良い。
更に、上記の各実施の形態にあっては、試薬カセットの全ての試薬収納部に試薬が収納されたが、使用時に試薬が収納されていない試薬収納部があっても良い。
更に、上記の各実施の形態にあっては、試薬カセットは基本骨格が遮光性を有する黒色に着色されていたが、遮光性を有するように構成されていれば良く、基本骨格自体を着色する他、遮光性を有する被覆材で被覆する等しても良い。
更に、上記の各実施の形態にあっては、試薬カセットは基本骨格が遮光性を有するように構成されていたが、遮光性を有さないものであっても本発明は同様に適用可能である。
更に、上記の各実施の形態にあっては、容器本体の厚さは0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。このように構成すると、容器外部からの熱伝達効率が良好となるため、第1の封止手段がPCRの加熱を利用して適切に溶融すると共に、PCRが適切に行われる。
更に、上記の各実施の形態にあっては、蓋体の下面の凹部に検体を収納していたが、凹部を用いずに容器本体内部に直接検体を収納しても良い。
更に、上記の各実施の形態にあっては、第1の封止手段としてパラフィンが用いられていたが、PCR前には固体状でありPCRの加熱により溶融するものであれば他のものであっても良く、例えば蝋、グリース、パラフィン又はワックスが挙げられる。これらはいずれも常温では固体状であり、PCRの最初の加熱時に溶融するので、試薬収納部の下方開口部が安定して遮蔽されるため、試薬の収納安定性が向上する。尚、固体状とは、PCR用容器の製造、輸送、保管からPCRでの加熱処理までの取扱いにおいて下方開口部の遮蔽が解除されないものであれば良く、半固形状、ガラス状やペースト状のものも含まれる。又、溶融とは、固体状に比べて流動性が高くなり遮蔽が解除される状態であれば良い。
更に、上記の各実施の形態にあっては、第1の封止手段の融点は約50℃であったが、融点(上述した溶融状態に移行する温度)は40℃〜80℃であることが好ましく、45℃〜60℃であることが更に好ましい。又、比重が水よりも小さいものであることが好ましい。これによって、常温では固体状であって試薬又は検体を隔離し、PCRの最初の加熱により溶融し試薬又は検体を下方の反応室に誘導する作用効果をより確実に奏することができる。
更に、上記の各実施の形態にあっては、第2の封止手段として流動パラフィンが用いられていたが、PCR前において第1の封止手段より流動性が高いものであれば他のものであっても良い。尚、収納された試薬より比重が小さく、疎水性であると共に、常温で液体状であることが好ましい。このようにすると、試薬収納部の上方開口部が安定して遮蔽されるため、試薬の安定収納性がより向上する。又、収納された試薬に含まれる酵素を失活させない性質を有することが好ましい。このようにすると、収納された試薬の保存性が向上するため、試薬の収納安定性がより向上する。更に、第2の封止手段自体も不揮発性であることが好ましい。但し、容器自体が密閉されて使用される場合、必ずしも不揮発性である必要は無い。第2の封止手段としては、以上のような条件を満たす流動パラフィン、ミネラルオイル又は生物由来(化石資源由来でないもの)の油であることが好ましく、このようにすると試薬収納部の上方開口部が安定して遮蔽されるため、試薬の収納安定性が向上する。
更に、上記の各実施の形態にあっては、第2の封止手段の融点は−10℃であったが、融点は−30℃〜+10℃であることが好ましく、−15℃〜−5℃であることが更に好ましい。
更に、上記の各実施の形態にあっては、反応室は第1の封止手段又は第2の封止手段が充填されていたが、充填されていないものであっても良い。この場合、反応室に空気が含まれるようにしても良いし、化学的又は物理的処理により脱気し減圧状態や真空状態としても良い。
更に、上記の各実施の形態にあっては、PCR用容器がポリプロピレンからなるものであったが、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル、環状ポリオレフィン及び芳香族ナイロンからなる群から選ばれる少なくとも1種の素材からなることが好ましい。試薬カセットを含め、PCR用容器全体がPCRの加熱により変形等しないものとするためである。
更に、試薬の投入方法は、上記の各実施の形態において例示したものに限られない。例えば、試薬収納部に第2の封止手段を投入した後に、試薬を投入しても良い。
更に、上記の各実施の形態によるPCR用容器をDNA増幅及び増幅したDNAの検出に使用する際、PCR用装置は特定のものに限定されない。
1、41…PCR用容器
6…蓋体
7…下面
8…凹部
11…容器本体
12、42…反応室
13…底部
16…試薬カセット
17…側壁
20、44…試薬収納部
24…上方開口部
25…下方開口部
27…試薬
28…検体
29…パラフィン
30、43…流動パラフィン
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (7)

  1. PCR用容器であって、
    PCRの際に検体及び試薬を収納して反応させる反応室をその底部に有する容器本体と、
    前記容器本体に嵌合自在であって、検体が収納される上方に凹んだ凹部がその下面に形成された蓋体と、
    前記容器本体内部における前記蓋体の下面と前記反応室との間の箇所に収納され、上下方向に開放された筒形状の基本骨格の内部において試薬が収納された試薬収納部を有する試薬カセットとを備え、
    前記試薬収納部は、PCR前には固体状でありPCRの加熱により溶融する第1の封止手段によって下方開口部が遮蔽されており、PCR前において前記第1の封止手段より流動性が高い第2の封止手段によって上方開口部が遮蔽されている、PCR用容器。
  2. 前記第2の封止手段は、前記収納された試薬より比重が小さく、疎水性であると共に、常温で液体状である、請求項1記載のPCR用容器。
  3. 前記第2の封止手段は、前記収納された試薬に含まれる酵素を失活させない性質を有する、請求項1又は請求項2記載のPCR用容器。
  4. 前記第1の封止手段は、蝋、グリース、パラフィン又はワックスである、請求項1から請求項3のいずれかに記載のPCR用容器。
  5. 前記第2の封止手段は、流動パラフィン、ミネラルオイル又は生物由来の油である、請求項1から請求項4のいずれかに記載のPCR用容器。
  6. 前記反応室は、前記第1の封止手段又は前記第2の封止手段が充填されており、
    前記充填されている第1の封止手段又は第2の封止手段の少なくとも一部は、PCRの加熱時に前記反応室から前記試薬収納部へ移動する、請求項1から請求項5のいずれかに記載のPCR用容器。
  7. 前記試薬カセットは、その基本骨格が遮光性を有する、請求項1から請求項6のいずれかに記載のPCR用容器。
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