JP6630613B2 - 凝縮器 - Google Patents
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Description
従来では、上段の伝熱管群と下段の伝熱管群の間に傾斜した仕切り板を設け、該仕切り板で上段の伝熱管群で凝縮した冷媒液を受けて、横に流すことで、下段の伝熱管群へ流下する冷媒量を減らす方法が提案されている。
しかしながら、その方法では、仕切り板により、冷媒ガスの下段の伝熱管群への供給が阻害され、下段の伝熱管群の能力が十分に向上できないという問題があった。
本発明の好ましい態様によれば、前記液受け部材は、前記缶胴の両端の2つの管板間、または前記管板と前記缶胴内に設けられたチューブサポート間、または前記缶胴内に設けられた2つのチューブサポート間に延設されていることを特徴とする。
一実施形態によれば、筒状の缶胴と、該缶胴の両端を閉塞する管板と、前記缶胴内に配置された少なくとも1つの伝熱管群とを備え、前記缶胴内に導入された被凝縮流体蒸気と前記伝熱管群を流通する冷却流体との間で熱交換を行って被凝縮流体蒸気を凝縮させる凝縮器において、前記缶胴の長手方向に延びる部材であって被凝縮流体が凝縮した凝縮液を受ける液受け部材を設ける。
好ましい実施形態によれば、前記液受け部材は、略直上方にある伝熱管の下に設置されており、略直上方にある伝熱管に対して所定の間隔で配置されている。ここで、所定の間隔とは、液受け部材が略直上方にある伝熱管に対して水平方向に同一の間隔で配置されている場合や、略直上方にある伝熱管に対して水平方向に異なった間隔で配置されている場合等を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、前記液受け部材は、上部に凝縮液を受け入れるための液受け入れ用開口を有し、下部又は長手方向の側面端部に凝縮液を排出するための液排出用開口を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記液受け入れ用開口は、前記液受け部材の長手方向に間隔をおいて形成された複数の開口からなるか、または前記液受け部材の長手方向に延びる長い開口からなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記液排出用開口は、前記管板に接するか、または前記管板の近傍に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記液排出用開口は、前記チューブサポートに接するか、または前記チューブサポートの近傍に配置されていることを特徴とする。
好ましい実施形態によれば、前記管において、隣接する管の間、または管と缶胴内壁の間には被凝縮流体蒸気を通す隙間が設けられている。
好ましい実施形態によれば、前記液受け部材は樋からなり、前記樋の下部又は長手方向の側面端部に凝縮液を排出するための液排出用開口を有する。
本発明の好ましい態様によれば、前記波状の板の下部の一部に凝縮液を排出するための液排出用開口を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記缶胴の長手方向に延びる前記液受け部材に略直交する方向に、前記液受け部材で受けた凝縮液を受け入れて缶胴の内壁に向けて流す第2の液受け部材を設けたことを特徴とする。
本発明の各態様における液受け部材とは、上部に凝縮液を受け入れるための液受け入れ用開口を有し、下部、または長手方向の側面端部に凝縮液を排出するための液排出用開口を有し、上部から流下した凝縮液を受け入れ、下部、または長手方向の側面端部の液排出用開口から凝縮液を排出する機能を有するものである。例として、
1)管からなる液受け部材:上部に液受入開口があり、下部、または長手方向の側面端部に液排出開口がある。
2)樋からなる液受け部材:樋であるため、上部は自然に液受入開口があり、下部、または長手方向の側面端部に液排出開口がある。
3)複数の管状液受け部材が合体したもの
4)複数の樋状液受け部材が合体したもの
5)波状板:下部、または長手方向の側面端部に液排出開口があり、上部に蒸気を通す開口がある。
1)冷媒液(凝縮液)を缶胴の長手方向へ流す液受け部材を設けることにより、仕切り板のように冷媒蒸気(被凝縮流体蒸気)の供給を阻害することがなく、液受け部材の下方にある伝熱管へ冷媒蒸気(被凝縮流体蒸気)をスムーズに供給することができ、圧力損失も小さい。特に、低圧冷媒の場合、冷媒蒸気の体積流量が多く、いっそう効果が大きい。
2)伝熱管群の中に、または複数の伝熱管群の間に、液受け部材を設けることにより、液受け部材の下方にある伝熱管表面の凝縮液の液膜が薄くなり、伝熱性能が向上する。
図1は、本発明に係る凝縮器を備えたターボ冷凍機を示す模式図である。図1に示すように、ターボ冷凍機は、冷媒を圧縮するターボ圧縮機1と、圧縮された冷媒ガスを冷却水(冷却流体)で冷却して凝縮させる凝縮器2と、冷水(被冷却流体)から熱を奪って冷媒が蒸発し冷凍効果を発揮する蒸発器3と、凝縮器2と蒸発器3との間に配置される中間冷却器であるエコノマイザ4とを備え、これら各機器を冷媒が循環する冷媒配管5によって連結して構成されている。
また、上記においては、液受け部材20を切り欠いて液排出用開口を設けた例を説明したが、液受け部材20の下部を切り欠くことなく、液受け部材端部の側面開口より凝縮液を下方に排出することもできる。
また、上記においては、液受け部材20を切り欠いて液排出用開口を設けた例を説明したが、液受け部材20の下部を切り欠くことなく、液受け部材端部の側面開口より凝縮液を下方に排出することもできる。
図8(a)に示す例においては、上段伝熱管群14Uは、左右に分割されて上段左伝熱管群14ULと上段右伝熱管群14URとから構成されている。下段伝熱管群14Lも同様に分割されて下段左伝熱管群14LLと下段右伝熱管群14LRとから構成されている。
図8(a)に示すように、上下左右に伝熱管群が分割されている場合、左右の伝熱管群のそれぞれの上下分割部、すなわち上段左伝熱管群14ULと下段左伝熱管群14LLとの間および上段右伝熱管群14URと下段右伝熱管群14LRとの間に、それぞれ液受け部材20を設置している。図8(a)においては、液受け部材20は樋で構成されている例が示されているが、液受け部材20を管で構成してもよく、また他の断面形状であってもよい(後述する)。
図8(a),(b)においては、複数の伝熱管群の間に、液受け部材20を設置したが、1つの伝熱管群の中に、液受け部材20を設置してもよい。
図9(a)に示す例においては、各伝熱管13の下に液受け部材20が延設されている。
図9(b)に示す例においては、一部の伝熱管13の下に液受け部材20が延設されている。
図9(c)に示す例においては、複数本の伝熱管13の下にまとめて幅広の一つの液受け部材20が延設されている。
図10(a)に示す例においては、液受け部材20は、V字状の断面形状を有しており、複数の伝熱管群の間に設置する場合に適している。
図10(b)に示す例においては、液受け部材20は、半円形の断面形状を有しており、複数の伝熱管群の間に設置する場合にも、伝熱管群中に設置する場合にも適している。
図10(c)に示す例においては、液受け部材20は、コ字状断面を有しており、複数の伝熱管群の間に設置する場合に適している。
図10(d)に示す例においては、液受け部材20は、W字状の断面形状を有しており、複数の伝熱管群の間に設置する場合に適している。
図10(e)に示す例においては、液受け部材20は、波形の断面形状を有しており、複数の伝熱管群の間に設置する場合に適している。
図10(f)に示す例においては、液受け部材20は、円形の頂部を切り欠いた欠円断面形状を有しており、複数の伝熱管群の間に設置する場合にも、伝熱管群中に設置する場合にも適している。
図11に示すように、液受け部材20は缶胴11の長手方向に並列して配置されている。各液受け部材20は、管板12に接する位置か又は管板12の近傍に液排出用開口20cを有している。また、液受け部材20は、チューブサポート17に接する位置か又はチューブサポート17の近傍に液排出用開口20cを有している。図11の矢印で示すように、凝縮液は液受け部材20上を長手方向に流れ、管板12やチューブサポート17に接した(または近傍の)液排出用開口20cから下方に排出される。液排出用開口20cから排出された凝縮液は、管板12およびチューブサポート17を伝って下方に流れる。
図12(b)に示す例においては、波板状の液受け部材20は、谷部の両端部に切り欠き部20bを有している。なお、液受け部材20の両端部に矩形状の開口20cを形成してもよい。なお、開口20cは、矩形状に限らず、任意の形状の穴でもよい。
また、上記においては、液受け部材20を切り欠いて液排出用開口を設けた例を説明したが、液受け部材20の下部を切り欠くことなく、液受け部材端部の側面開口より凝縮液を下方に排出することもできる。
図13(a)に示す例においては、液受け部材20は、三角波が連続する波状の板から構成されている。
図13(b)に示す例においては、液受け部材20は、台形波が連続する波状の板から構成されている。
図13(c)に示す例においては、液受け部材20は、丸波が連続する波状の板から構成されている。
図14に示すように、缶胴11の長手方向に並列して設置された複数の液受け部材20の端部には、各液受け部材20と略直交する方向に第2の液受け部材30が設置されている。第2の液受け部材30は、各液受け部材20で受けた凝縮液を受け入れて缶胴11の内壁に向けて流すように構成されている。第2の液受け部材30は、図10(a)〜(f)に示すような断面形状を有した樋または管から構成されてもよく、液受け部材20との接続部に開口を有する任意形状の管状部材でもよい。
図15に示すように、管板12とチューブサポート17との間、およびチューブサポート17とチューブサポート17との間に、複数の液受け部材20が並列して設置しており、各液受け部材20の両端部に各液受け部材20に直交して第2の液受け部材30が設置されている。すなわち、第2の液受け部材30は、管板12の内側に配置されるか、またはチューブサポート17を挟むように配置されている。これにより、各液受け部材20で受けた凝縮液は、第2の液受け部材30に向かって流れ、第2の液受け部材30によって缶胴11の内壁に導かれる。缶胴11の内壁に到達した凝縮液は、内壁を伝って凝縮器の底部に流れる。第2の液受け部材30は図15に示している位置に限定されない。第2の液受け部材30は、液受け部材20の液排出開口に合せて設置すればよいので、液受け部材20の下部または下方でもよい。
2 凝縮器
3 蒸発器
4 エコノマイザ
5 冷媒配管
11 缶胴
12 管板
13 伝熱管
14 伝熱管群
14L 下段伝熱管群
14U 上段伝熱管群
14LL 下段左伝熱管群
14LR 下段右伝熱管群
14UL 上段左伝熱管群
14UR 上段右伝熱管群
15L ヘッダ部
15R ヘッダ部
16 仕切板
17 チューブサポート
20 液受け部材
30 第2の液受け部材
Claims (12)
- 筒状の缶胴と、該缶胴の両端を閉塞する管板と、前記缶胴内に配置された少なくとも1つの伝熱管群とを備え、前記缶胴内に導入された被凝縮流体蒸気と前記伝熱管群を流通する冷却流体との間で熱交換を行って被凝縮流体蒸気を凝縮させる凝縮器において、
前記缶胴の長手方向に延びる部材であって被凝縮流体が凝縮した凝縮液を受ける液受け部材を設け、
前記液受け部材は波状の板からなり、前記波状の板の上部に被凝縮流体蒸気を通す開口を有することを特徴とする凝縮器。 - 前記伝熱管群の中に、または複数の伝熱管群の間に、前記液受け部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の凝縮器。
- 前記液受け部材は、前記缶胴の両端の2つの管板間、または前記管板と前記缶胴内に設けられたチューブサポート間、または前記缶胴内に設けられた2つのチューブサポート間に延設されていることを特徴とする請求項1または2記載の凝縮器。
- 前記液受け部材は、略直上方にある伝熱管の下に設置されており、略直上方にある複数の伝熱管に対して幅広の一つの液受け部材を配置していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の凝縮器。
- 前記液受け部材は、上部に凝縮液を受け入れるための液受け入れ用開口を有し、下部又は長手方向の側面端部に凝縮液を排出するための液排出用開口を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の凝縮器。
- 前記液受け入れ用開口は、前記液受け部材の長手方向に間隔をおいて形成された複数の開口からなるか、または前記液受け部材の長手方向に延びる長い開口からなることを特徴とする請求項5記載の凝縮器。
- 前記液排出用開口は、前記液受け部材の長手方向の一部に形成された一つまたは複数の開口からなることを特徴とする請求項5記載の凝縮器。
- 前記液排出用開口は、前記管板に接するか、または前記管板の近傍に配置されていることを特徴とする請求項5または7記載の凝縮器。
- 前記液受け部材は、上部に凝縮液を受け入れるための液受け入れ用開口を有し、下部又は長手方向の側面端部に凝縮液を排出するための液排出用開口を有し、
前記液排出用開口は、前記チューブサポートに接するか、または前記チューブサポートの近傍に配置されていることを特徴とする請求項3記載の凝縮器。 - 前記波状の板の下部の一部に凝縮液を排出するための液排出用開口を有することを特徴とする請求項1記載の凝縮器。
- 前記缶胴の長手方向に延びる前記液受け部材に略直交する方向に、前記液受け部材で受けた凝縮液を受け入れて缶胴の内壁に向けて流す第2の液受け部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の凝縮器。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の凝縮器を備えることを特徴とする冷凍機、またはヒートポンプ。
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